しかしながら、前記従来の取付補助ベースにおいては、位置決め用のテーパ凸部がその取付面に完全に固定され、その取付面から突出していたので、その取付具本体の下面側に、前記テーパ凸部と嵌まり合うテーパ凹部が設けられていないと、前記テーパ凸部と前記取付具本体の下面とが干渉してしまい、その取付具本体を取付補助ベースに取り付けることができなかった。そのため、取付補助ベースにあわせて専用に設計された取付具本体以外は、その取付補助ベースを介して前記工作機械のテーブルあるいはパレット等に取り付けることができなかった。あるいは、専用に設計された取付具本体以外の取付具本体を取り付けるためには、その取付具本体の下面側に前記テーパ凹部を設ける等の改造を施す必要があった。
この発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、専用に設計した取付具本体は勿論、それ以外の取付具本体であっても、その取付具本体を工作機械のテーブルあるいはパレット等に取り付けることができるようにする取付補助ベース、および、その取付補助ベースのベース本体あるいはその他の取付対象体に装着される位置決め部材、並びに、その位置決め部材が装着可能な工作機械のパレットを提供することにある。
この発明に係る取付補助ベースおよび位置決め部材、並びに、工作機械のパレットは、前記目的を達成するために次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る取付補助ベースは、取付具本体を、工作機械のテーブルあるいはパレット等に取り付けるためのものであって、前記工作機械のテーブルあるいはパレット等に取り付け固定されるとともに、前記取付具本体が取り付けられる取付対象体となるベース本体と、そのベース本体に着脱可能に装着される位置決め部材とを備える。前記ベース本体は、前記取付具本体が取り付けられる取付面側に、装着凹部を備え、前記位置決め部材は、その一方側に、嵌合凸部を備え、また、その他方側に、前記装着凹部に挿入される挿入部を備える。ここで、前記位置決め部材の前記ベース本体への着脱は、前記取付具本体が前記嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を備えるか否かによって任意に選択される。
このように、位置決め部材は、着脱可能であって、その着脱を、ベース本体に取り付けられる取付具本体が、位置決め部材の嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を備えるか否かに応じて任意に選択できる。すなわち、前記嵌合凹部を備える取付具本体をベース本体に取り付けるときには、位置決め部材をベース本体に装着し、一方、前記嵌合凹部を備えない取付具本体をベース本体に取り付けるときには、位置決め部材をベース本体に装着しないようにすることで、取付具本体が前記嵌合凹部を備えるか否かに関わらず、その取付具本体をベース本体に取り付けることができる。また、位置決め部材の嵌合凸部に対して、取付具本体の嵌合凹部を嵌め合せるようにして、その取付具本体をベース本体の取付面上に設置すると、その取付具本体は、ベース本体に位置決めされる。
また、請求項2に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項1に記載の取付補助ベースにおいて、前記嵌合凸部は、先細りとなる断面テーパ形状の外周面を備えるのが望ましい。これによれば、嵌合凹部に開口側ほど広がる断面テーパ形状の内周面が備わるような取付具本体を、ベース本体に取り付ける場合には、嵌合凸部に対して、取付具本体の嵌合凹部を嵌め合せるようにして、その取付具本体をベース本体の取付面上に設置すると、嵌合凸部のテーパ状の外周面と嵌合凹部のテーパ状の内周面とが密接することで、その取付具本体は、ベース本体に精度よく位置決めされる。
また、請求項3に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項1または2に記載の取付補助ベースにおいて、前記ベース本体は、前記位置決め部材が装着されない状態で前記取付具本体が取り付けられるときに、その取付具本体の位置決めの基準となる、位置決め基準部を備えてもよい。これによれば、取付具本体をベース本体に、位置決め部材がベース本体に装着されない状態で取り付ける場合、すなわち、位置決め部材の嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を備えない取付具本体をベース本体に取り付ける場合においても、その取付具本体を容易に位置決めして、そのベース本体に取り付けることができる。
また、請求項4に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の取付補助ベースにおいて、前記ベース本体と前記位置決め部材との間には、前記挿入部が前記装着凹部から抜け出ることを阻止する抜け止め手段が設けられるのが望ましい。これによれば、抜け止め手段によって、挿入部が装着凹部から抜け出ることが阻止されるので、位置決め部材は、ベース本体に装着された状態で、確実に保持される。
また、請求項5に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項4に記載の取付補助ベースにおいて、前記抜け止め手段は、前記装着凹部の底部に設けられた雌ネジ部と、前記挿入部の先端部分から突出する雄ネジ部とからなってもよい。
また、請求項6に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項5に記載の取付補助ベースにおいて、前記雄ネジ部は、前記嵌合凸部および挿入部を貫通するように形成されたボルト部材挿入孔に、先端部が前記挿入部の先端面より突出するように挿入されたボルト部材のネジ部からなってもよい。
また、請求項7に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項4に記載の取付補助ベースにおいて、前記抜け止め手段は、前記挿入部あるいは装着凹部のいずれか一方に設けられた磁石部と、前記挿入部あるいは装着凹部のいずれか他方に設けられるとともに前記磁石部に吸着される吸着部とからなってもよい。これによれば、磁石部と吸着部とが、磁力によって互いに引きつけられることで、挿入部の装着凹部からの抜けが阻止される。
また、請求項8に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の取付補助ベースにおいて、前記装着凹部は、開口側ほど広がる断面テーパ形状の内周面を備え、前記挿入部は、前記装着凹部に挿入されたときに、前記内周面に密接する、先細りとなる断面テーパ形状の外周面を備えるのが望ましい。これによれば、ベース本体の装着凹部に位置決め部材の挿入部を挿入すると、挿入部のテーパ状の外周面と装着凹部のテーパ状の内周面とが密接するので、位置決め部材は、がたつくことなくベース本体にぴったりと装着される。
また、請求項9に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項4に記載の取付補助ベースにおいて、前記抜け止め手段は、前記装着凹部の内面と、前記位置決め部材に設けられた押圧機能部とを備え、この押圧機能部は、前記嵌合凸部側からの操作によって、前記装着凹部の内面を押圧するようになっていてもよい。これによれば、嵌合凸部側から操作することで、押圧機能部が装着凹部の内面を押圧することにより、挿入部の装着凹部からの抜けが阻止される。
また、請求項10に記載の発明に係る取付補助ベースのように、請求項9に記載の取付補助ベースにおいて、前記押圧機能部は、前記位置決め部材に螺入されて、前記嵌合凸部側からの回動操作によって、その軸心方向に進退移動する雄ネジ部材と、前記挿入部の少なくとも先端部分が、スリットによって、周方向に分割されるようにして形成された複数の分割弾性部とを備え、前記分割弾性部は、前記雄ネジ部材の前記進退移動に伴う前記押圧作用部の移動によって、拡縮変形するとともに、その拡開によって前記装着凹部の内面を押圧してもよい。
請求項11に記載の発明に係る位置決め部材は、取付具本体が取り付けられる取付対象体に、着脱可能に装着される。この位置決め部材は、一方側に、嵌合凸部を備え、また、他方側に、挿入部を備えるとともに、その挿入部が、前記取付対象体における前記取付具本体が取り付けられる取付面側に設けられた装着凹部に挿入されることで、前記取付対象体に装着される。そして、前記取付対象体への着脱は、前記取付具本体が前記嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を備えるか否かによって任意に選択される。
このように、位置決め部材は、取付対象体に対して着脱可能であって、その着脱を、取付対象体に取り付けられる取付具本体が、位置決め部材の嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を備えるか否かに応じて任意に選択することができる。したがって、前記嵌合凹部を有する取付具本体を取付対象体に取り付けるときには、位置決め部材を取付対象体に装着し、一方、前記嵌合凹部を有しない取付具本体を取付対象体に取り付けるときには、位置決め部材を取付対象体に装着しないようにすることで、取付具本体が前記嵌合凹部を備えるか否かに関わらず、その取付具本体を取付対象体に取り付けることができる。また、位置決め部材の嵌合凸部に対して、取付具本体の嵌合凹部を嵌め合せるようにして、その取付具本体を取付対象体の取付面上に設置すると、その取付具本体は、取付対象体に容易に位置決めされる。
また、請求項12に記載の発明に係る位置決め部材のように、請求項11に記載の位置決め部材において、前記嵌合凸部は、先細りとなる断面テーパ形状の外周面を備えるのが望ましい。これによれば、嵌合凹部に開口側ほど広がる断面テーパ形状の内周面が備わるような取付具本体を、取付対象体に取り付ける場合には、嵌合凸部に対して、取付具本体の嵌合凹部を嵌め合せるようにして、その取付具本体を取付対象体の取付面上に設置すると、嵌合凸部のテーパ状の外周面と嵌合凹部のテーパ状の内周面とが密接することで、その取付具本体は、取付対象体に精度よく位置決めされる。
また、請求項13に記載の発明に係る位置決め部材のように、請求項11または12に記載の位置決め部材において、前記挿入部は、この挿入部と前記装着凹部との間に設けられる抜け止め手段によって、前記装着凹部から抜け出ることが阻止されるのが望ましい。このように、抜け止め手段によって、挿入部が装着凹部から抜け出ることが阻止されるので、位置決め部材は、取付対象体に装着された状態で、確実に保持される。
また、請求項14に記載の発明に係る位置決め部材のように、請求項13に記載の位置決め部材において、前記抜け止め手段は、前記装着凹部の底部に設けられた雌ネジ部と、前記挿入部の先端部分から突出する雄ネジ部とからなってもよい。
また、請求項15に記載の発明に係る位置決め部材のように、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の位置決め部材において、前記挿入部は、前記装着凹部に挿入されたときに、その装着凹部に形成された開口側ほど広がる断面テーパ形状の内周面に密接する、先細りとなる断面テーパ形状の外周面を備えているのが望ましい。これによれば、取付対象体の装着凹部に位置決め部材の挿入部を挿入すると、挿入部のテーパ状の外周面と装着凹部のテーパ状の内周面とが密接するので、位置決め部材は、がたつくことなく取付対象体にぴったりと装着される。
請求項16に記載の発明に係る工作機械のパレットには、請求項11ないし15のいずれか1項に記載の位置決め部材が装着可能となるように、前記装着凹部が設けられている。これにより、工作機械のパレットに位置決め部材を装着することができ、そのパレットに、嵌合凹部を備える取付具本体を簡単に位置決めして取り付けることができる。また、位置決め部材を装着しなければ、前記嵌合凹部を備えない取付具本体であっても、そのパレットに取り付けることができる。
この発明に係る取付補助ベースによれば、位置決め部材の、ベース本体への着脱を、取付具本体が、位置決め部材の嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を備えるか否かに応じて、選択できるので、嵌合凹部を備える取付具本体すなわち専用に設計された取付具本体は勿論、嵌合凹部を備えない取付具本体すなわち専用に設計された取付具本体以外の取付具本体であっても、工作機械のテーブルあるいはパレット等に取り付けることができる。
また、この発明に係る位置決め部材は、取付具本体が取り付けられる取付対象体に対して、着脱可能に装着されるとともに、その着脱が、位置決め部材の嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を前記取付具本体が備えるか否かに応じて選択できるので、その取付具本体が、位置決め部材の嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を備えるか否かに関わらず、その取付具本体を、取付対象体に取り付けることができる。
また、この発明に係る工作機械のパレットによれば、位置決め部材を着脱可能に装着できるので、取付具本体が、位置決め部材の嵌合凸部と嵌まり合う嵌合凹部を備えるか否かに関わらず、その取付具本体を、その工作機械のパレットに取り付けることができる。
以下、この発明に係る取付補助ベースおよび位置決め部材、並びに工作機械のパレットを実施するための最良の形態について説明する。
図1ないし図3は、本発明の第1の実施の形態を示す。図中符号1は、工作機械による加工の対象であるワーク100が取付固定される、取付具本体101としての、嵌合凹部10を備える取付具本体である(以降、単に取付具本体1と称する。)。2は、工作機械のパレット(以降、単にパレット2と称する。)である。3は、取付具本体101を、パレット2に取り付けるために、取付具本体101と前記パレット2との間に配備される、取付補助ベースである。なお、取付具本体101とは、嵌合凹部10を備える取付具本体1以外に、後述する、嵌合凹部10を備えない取付具本体12をも含む概念である。
取付具ベースを構成する取付具本体1は、図示実施の形態においては、取付補助ベース3を介して、パレット2に取り付けられるものであり、その被取付面1aに、後述する位置決め部材5、5の嵌合凸部51、51と嵌まり合う、前記嵌合凹部10を備える。具体的には、取付具本体1は、前記被取付面1aとなる一の面(下面)に、前記嵌合凹部10を複数(2つ)備える、平面視矩形形状のベースプレート11からなる。このベースプレート11は、縦および横方向に所定の間隔を隔てて格子状に並ぶ基準孔11a、11aを備え、これら基準孔11a、11aは、位置決め孔および締め付け孔を兼ねる。また、ベースプレート11は、その四隅に、このベースプレート11を取付補助ベース3の後述するベース本体4に取り付け固定する際の取付手段となる締め付けボルト(図示せず)が挿通される、ボルト孔11b、11bを備える。さらに、ベースプレート11の互いに対向する2つの側辺部の中央近辺に位置する部分には、前記嵌合凹部10、10を形成するための穴部11c、11cが、前記被取付面1a側、すなわち、ベースプレート11の下面に開口するように設けられ、これら穴部11c、11c内には、接着材等の固着手段102によって、テーパブッシュ103、103が固着される。詳細には、テーパブッシュ103は、一方の端面から他方の端面に向かうにつれて径小となるように延びるテーパ穴103aと、そのテーパ穴103aから前記他方の端面に通じる雌ネジ孔103bとを備えており、その雄ネジ孔103bが前記穴部11cの奥側に位置するように、前記穴部11c内に挿入され、そして、固着されている。したがって、テーパ穴103aの内面は、前記穴部11cの開口側ほど広がる断面テーパ形状を呈するとともに、嵌合凹部10の内周面10aを構成することとなる。これにより、嵌合凹部10、10は、開口側ほど広がる断面テーパ形状の内周面10aを備えるものとなる。
パレット2は、その下面に、工作機械のテーブルに取り付けるための取付溝2aを備え、その上面に、縦および横方向に所定の間隔を隔てて格子状に並ぶ、複数のネジ穴2b、2bを備えている。また、パレット2の一の側端面およびそれと隣り合う他の側端面には、取付補助ベース3を、パレット2上の所定位置に配備する際の、位置決めの基準となる、エッジロケーター2c、2dが設けられている。これらのエッジロケーター2c、2dには、1個もしくは2個の貫通孔2eが設けられており、ボルト(図示せず)をこれらの貫通孔2eに通して、取付補助ベース3の後述するベース本体4の雌ネジ部48にねじ込むことにより、ベース本体4をエッジロケーター2c、2dの内側面に位置決めして保持することができる。
取付補助ベース3は、パレット2に取り付け固定されるとともに、取付具本体101、図示実施の形態においては、取付具本体1が取り付けられる取付対象体104となるベース本体4と、そのベース本体4に着脱可能に装着される複数(図示実施の形態においては、2つ)の位置決め部材5、5とを備える。ベース本体4は、前記取付具本体101が取り付けられる取付面4a側に、装着凹部40、40を備え、一方、位置決め部材5は、一方側に、取付具本体1の嵌合凹部10に嵌め合わされる、嵌合凸部51を備え、また、他方側に、前記装着凹部40に挿入される挿入部52を備える。そして、その挿入部52が前記装着凹部40に挿入されることで、位置決め部材5は、前記嵌合凸部51が前記取付面4a(詳しくは、取付面4aの一部である後述する接触面42)より突出するように、ベース本体4に装着される。ここで、位置決め部材5の前記ベース本体4への着脱は、取付具本体101が前記嵌合凸部51と嵌まり合う嵌合凹部10を備えるか否か(すなわち、取付具本体101が、嵌合凹部10を備える取付具本体1であるか、あるいは、後述する、嵌合凹部10を備えない取付具本体12であるか)によって、任意に選択されるようになっている。
具体的には、ベース本体4は、平面視矩形形状のプレート状を呈する盤状体41からなり、取付具本体1が取り付けられる、ベース本体4の取付面4aとなる盤状体41の上面における、互いに対向位置する2つの側辺部の中央部および隅部の合計6箇所には、取付具本体1の被取付面1a(図示実施の形態においては、ベースプレート11の下面)に接触する凸段部状の接触面42、42が設けられている。そして、盤状体41の互いに対向位置する2つの側辺部の中央部であって、前記接触面42、42が設けられた位置には、前記装着凹部40、40を形成するための穴部43、43が、前記取付面4a側、詳しくは、接触面42、42に開口するように設けられている。ここで、これらの穴部43、43に、前記テーパブッシュ103を、その雌ネジ孔103bが前記穴部43の奥側となるように挿入し、さらに接着材等の固着手段102によって固着することで、前記装着凹部40、40は、開口側ほど広がる断面テーパ形状の内周面40a、40aを備えるとともに、それら装着凹部40、40の底部に雌ネジ部40b、40bを備えるようにして、盤状体41の上面、すなわち、ベース本体4の取付面4a側に形成されることとなる。
また、盤状体41(ベース本体4)の四隅であって、前記接触面42、42が形成された位置には、前記取付具本体1(ベースプレート11)をこの盤状体41(ベース本体4)に取り付ける際の取付手段となる締め付けボルト(図示せず)が螺入される、雌ネジ孔41a、41aが形成されている。さらに、盤状体41(ベース本体4)における、前記接触面42、42の間に位置する部分には、この盤状体41(ベース本体4)を前記パレット2に取り付け固定する際の取付手段となる締め付けボルト(図示せず)が挿通される複数(図示実施の形態においては、盤状体41の各側端部に2つずつ、計8つ)のボルト孔41b、41bが形成されている。
また、盤状体41(ベース本体4)は、その一の側端面およびそれと隣り合う他の側端面のそれぞれに、エッジロケーター44、45を備えている。これらエッジロケーター44、45は、前記位置決め部材5、5が、盤状体41(ベース本体4)に装着されない状態で取付具本体101が取り付けられる(すなわち、盤状体41に取付具本体12が取り付けられる)ときに、その取付具本体101の位置決めの基準となる、位置決め基準部46を構成している。なお、これらのエッジロケーター44、45には、1個もしくは2個の貫通孔48が設けられており、ボルト(図示せず)をこれらの貫通孔48に通して、取付具本体101(詳しくは、取付具本体12)に設けられた後述する雌ネジ部(図示せず)にねじ込むことにより、取付具本体101をエッジロケーター2c、2dの内側面に位置決めして保持することができる。さらに、盤状体41(ベース本体4)における、前記エッジロケーター44、45を備えない二つの側端面には、パレット2のエッジロケーター2c、2dと対向する距離調整用側板47、47と、エッジロケーター2c、2dの貫通孔2e、2eと連通する雌ネジ部49、49が設けられている。ここで、距離調整用側板47、47は、パレット2のエッジロケーター2c、2dの内面から、前記位置決め部材5、5までの距離を調整するために、所定の厚さになるまで切削・研磨された後、取り付けられている。
位置決め部材5は、前述のとおり、一方側に嵌合凸部51を備え、他方側に挿入部52を備えるが、図示実施の形態においては、前記嵌合凸部51は、取付具本体1の嵌合凹部10に嵌め合わされる、先細りとなる断面テーパ形状の外周面51aを備え、また、前記挿入部52は、ベース本体4(盤状体41)の装着凹部40に挿入されたときに、その装着凹部40の内周面40a(図示実施の形態においては、テーパ穴103aの内面)に密接する、先細りとなる断面テーパ形状の外周面52aを備える。また、位置決め部材5には、挿入部52の先端部分から突出する雄ネジ部53が設けられている。
具体的には、位置決め部材5は、図3に明示するように、同一形状の二つの円錐台(円錐の先端部を切り落とした立体)の底面同士を互いに突き合せたような形状を呈しており、その一方側の半分が前記嵌合凸部51となり、残りの半分(他方側の半分)が前記挿入部52となっている。また、位置決め部材5には、前記嵌合凸部51および挿入部52を貫通するとともに両端部に径大部54a、54aを備える、ボルト部材挿入孔54が形成されている。そして、このボルト部材挿入孔54には、ボルト部材105が、そのネジ部105b(正確には、ネジ部105bの先端部)が前記挿入部52の先端面から突出し、かつ、そのネジ頭部105aが前記嵌合凸部51の先端面から突出しないように、すなわち、ネジ頭部105aが嵌合凸部51側に位置する径大部54a内にすっぽりと入るように、前記嵌合凸部51側から挿入されている。ここで、挿入部52の先端面から突出した、前記ボルト部材105のネジ部105b(ネジ部105bの先端部)が、前記雄ネジ部53となっている。
また、ベース本体4と位置決め部材5、5との間には、位置決め部材5の挿入部52が、ベース本体4の装着凹部40から抜け出ることを阻止する抜け止め手段6が設けられている。この抜け止め手段6は、図示実施の形態においては、装着凹部40の底部に設けられた前記雌ネジ部40bと、挿入部52の先端部分から突出する前記雄ネジ部53とからなっている。
次に、この取付補助ベース3および位置決め部材5、5の作用効果について説明する。最初に、盤状体41(取付補助ベース3のベース本体4)の側端面に設けられた距離調整用側板47、47を、それぞれパレット2のエッジロケーター2c、2dの内面に当接させるとともに、ボルトをエッジロケーター2c、2dの貫通孔2e、2eに通し、盤状体41の側端面に設けられた雌ネジ部49、49にねじ込んで、盤状体41(ベース本体4)をパレット2上の所定位置に配置保持する。そして、締め付けボルトを、盤状体41(ベース本体4)のボルト孔41a、41aに挿入し、パレット2のネジ孔2b、2bにねじ込んで、盤状体41、すなわち、ベース本体4をパレット2に対して所定位置に位置決めして取り付け固定する。
次に、取付具本体1(ベースプレート11)を、取付補助ベース3、詳しくは、取付補助ベース3のベース本体4(盤状体41)に取り付ける。図示実施の形態においては、取付具本体1(ベースプレート11)は、嵌合凹部10を備えるので、取付補助ベース3は、ベース本体4(盤状体41)に位置決め部材5、5が装着された状態で使用される。そこで、まずベース本体4(盤状体41)に位置決め部材5、5を装着し、その後に、取付具本体1(ベースプレート11)を取り付ける。
詳しくは、パレット2に取り付け固定したベース本体4の装着凹部40、40のそれぞれに、位置決め部材5、5の挿入部52、52を挿入して、嵌合凸部51、51がベース本体4の取付面4a、詳しくは、接触面42、42から突出するように、位置決め部材5、5をベース本体4に装着する。ここで、挿入部52、52を装着凹部40、40に挿入すると、挿入部52、52のテーパ状の外周面52a、52aと装着凹部40、40のテーパ状の内周面40a、40aとが密接するので、位置決め部材5、5は、ベース本体4に対してがたつくことなくぴったりと装着されることとなる。そして、位置決め部材5、5をベース本体4に装着した状態で、嵌合凸部51、51側からボルト部材105、105を回動操作して、それらのネジ部105b、105bからなる雄ネジ部53、53を装着凹部40、40の底部の雌ネジ部40b、40bにねじ込むと、挿入部52、52が装着凹部40、40から抜け出ることが阻止され、位置決め部材5、5は、ベース本体4に装着された状態で確実に保持される。
このように位置決め部材5、5をベース本体4に装着した後に、位置決め部材5、5の嵌合凸部51、51に対して、取付具本体1(ベースプレート11)の嵌合凹部10、10を嵌め合わせるようにして、取付具本体1(ベースプレート11)をベース本体4の接触面42、42上に設置すると、嵌合凸部51、51のテーパ状の外周面51a、51aと、嵌合凹部10、10のテーパ状の内周面10a、10aとが密接することで、取付具本体1(ベースプレート11)は、ベース本体4に対して精度よく、そして、容易に位置決めされる。そして、締め付けボルトを、取付具本体1(ベースプレート11)のボルト孔11b、1bに挿入し、かつ、ベース本体4(盤状体41)の雌ネジ孔41a、41aにねじ込むことで、取付具本体1(ベースプレート11)をベース本体4に取り付け固定することができる。これにより、取付具本体1(ベースプレート11)は、パレット2に対して、所定の位置に位置決めされて取り付け固定される。
ところで、ベース本体4は、接触面42、42を備えており、取付具本体1(ベースプレート11)の被取付面1aとは、その接触面42、42でのみ接触する。したがって、取付具本体1をベース本体4に取り付ける際に、接触面42、42と、被取付面1aの、前記接触面42、42と対応する部分のみを清掃することで、被取付面1aと接触面42との間に切屑等が介在せず、取付具本体1(ベースプレート11)は、ベース本体4に確実に支持される。なお、取付具本体1には、ワーク100がクランパー等の締め付け部材などの治工具によって取り付けられるが、ワーク100の取付具本体1への取り付けは、取付具本体1をベース本体4に取り付ける前に行ってもよい(すなわち、予めワーク100を取付具本体1に取り付け、その後で、取付具本体1をベース本体4に取り付けてもよい)し、あるいは、取付具本体1をベース本体4に取り付けた後に行ってもよいが、段取り替えの容易さを考慮すれば前者のとおり、取付具本体1をベース本体4に取り付ける前に行う方が有利であることは言うまでもない。
図示実施の形態に示す、取付補助ベース3は、位置決め部材5、5がベース本体4に対して着脱可能であるので、嵌合凹部10を備える取付具本体1以外に、図4および5に示すように、嵌合凹部10を備えない取付具本体12(以降、単に取付具本体12と称する。)であっても取り付けることができる。取付具本体12は、前記取付具本体1と同様、平面視矩形形状を呈するベースプレート13からなる。このベースプレート13は、嵌合凹部10を備えない以外は、ベースプレート10とほぼ同様の態様である。具体的には、ベースプレート13は、縦および横方向に所定の間隔を隔てて格子状に並ぶ基準孔11a、11a(図示せず)を備え、これら基準孔11a、11aは、位置決め孔および締め付け孔を兼ねている。また、ベースプレート13は、その四隅に、このベースプレート13を取付補助ベース3のベース本体4に取り付ける際の取付手段となる締め付けボルト(図示せず)が挿通される、ボルト孔(図示せず)を備えるとともに、その一の側端面と、それと隣り合う他の側端面に、エッジロケーター44、45の貫通孔48、48と連通する雌ネジ部(図示せず)が設けられている。
この取付具本体12(ベースプレート13)を、取付補助ベース3のベース本体4(盤状体41)に取り付け固定するには、ベース本体4(盤状体41)に位置決め部材5、5を装着しない状態で、取付具本体12(ベースプレート13)を、ベース本体4の接触面42、42上に配置し、締め付けボルトを、取付具本体12(ベースプレート13)のボルト孔に挿入し、ベース本体4(盤状体41)の雌ネジ孔41b、41bにねじ込むようにすればよい。ところで、ベース本体4が、貫通孔48が設けられたエッジロケーター44、45(位置決め基準部46)を備えるので、取付具本体12(ベースプレート13)の、雌ネジ部が設けられた二つの側端面をエッジロケーター44、45の内面に当接させるとともに、ボルトを貫通孔48に通し、前記雌ネジ部にねじ込むことで、その取付具本体12(ベースプレート13)を前記ベース本体4上に、容易に位置決めして配置保持することができる。
このように、取付補助ベース3には、嵌合凹部10を備える取付具本体1、すなわち、取付補助ベース3の態様にあわせて専用に設計された取付具本体は勿論のこと、嵌合凹部10を備えない取付具本体12、すなわち、専用に設計された取付具本体以外の取付具本体であっても、容易に位置決めして取り付けることができる。したがって、取付補助ベース3の態様にあわせて専用に設計された取付具本体は勿論のこと、専用に設計された取付具本体以外の取付具本体であっても、パレット2に位置決めして取り付けることができる。
図6ないし図9は、本発明の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と比較して、抜け止め手段6の態様が異なることにより、取付補助ベース3の態様、詳しくは、ベース本体4の装着凹部40および位置決め部材5の挿入部52の態様が異なるが、取付補助ベース3が取り付けられるパレット2、および、取付補助ベース3に取り付けられる取付具本体1は、同一であり、以下に異なる部分を主に説明する。
ベース本体4は、第1の実施の形態と同様に、その取付面4a側に装着凹部40、40を備える。具体的には、ベース本体4は、平面視矩形形状のプレート状を呈する盤状体410からなり、前記取付面4aとなる盤状体410の上面における、互いに対向位置する2つの側辺部の中央部および隅部の合計6箇所には、接触面42、42が設けられている。また、盤状体410の互いに対向位置する2つの側辺部の中央部であって、前記接触面42、42が設けられた位置には、上方に開口するように、前記接触面42、42から盤状体410の下面に向かって同一径で延びる、穴部411、411が設けられている。そして、これら穴部411、411自体が、前記装着凹部40、40を構成している。なお、この盤状体410には、取付具本体101を取り付ける際の取付手段となる締め付けボルトが螺入される雌ネジ孔41a、41aと、前記盤状体410をパレット2に取り付ける際の取付手段となる締め付けボルトが挿通されるボルト孔41b、41bと、位置決め基準部46となるエッジロケーター44、45と、距離調整用側板47、47と、雌ネジ部49、49が設けられる点については、第1の実施の形態と同様である。
位置決め部材5は、一方側に嵌合凸部51を備え、他方側に挿入部52を備えるが、第2の実施の形態においては、嵌合凸部51のみが、先細りとなる断面テーパ形状の外周面51aを備える。また、位置決め部材5には、その挿入部52が前記装着凹部40に挿入された状態で、その嵌合凸部51側から回動操作されることによって、前記装着凹部40の内面40cを押圧できる押圧機能部55が設けられている。図示実施の形態においては、押圧機能部55は、位置決め部材5に螺入されて、その嵌合凸部51側からの回動操作によって、その軸心方向に進退移動する雄ネジ部材56と、前記挿入部52の少なくとも先端部分が、スリット106、106によって、周方向に分割されるようにして形成された複数の分割弾性片57a、57aからなる分割弾性部57とを備える。ここで、この分割弾性部57は、前記雄ネジ部材56の前記進退移動に伴う押圧作用部58の移動によって、拡縮変形するとともに、その拡開によって前記装着凹部40の内面40cを押圧することができる。
そして、抜け止め手段6は、前記装着凹部40の内面40cと、前記押圧機能部55とからなっている。
具体的には、位置決め部材5は、円錐台と円柱とを突き合せたような形状を呈しており、円錐台側が前記嵌合凸部51となり、円柱側が前記挿入部52となっている。そして、位置決め部材5には、前記嵌合凸部51の先端面から前記挿入部52の先端面側に向かって延びる雌ネジが切られた雌ネジ孔部59aと、その雌ネジ孔部59aから挿入部52の先端面に通じる雌ネジが切られていない通し孔部59bとからなる、ネジ孔59が形成されている。ここで、通し孔部59bの、前記挿入部52の先端面側の内面は、前記挿入部52の先端面に向かうにつれて、その通し孔部59bの軸心から遠ざかるように傾斜する傾斜面を備えたテーパ面107となっている。
また、挿入部52の先端部分は、その挿入部52の外周から前記ネジ孔59、詳しくは、前記通し孔部59bに通じるように形成された複数(図示実施の形態においては、6つ)のスリット106、106によって、周方向に分割されて、複数(6つ)の分割弾性片57a、57aからなる分割弾性部57となっている。ところで、分割弾性部57の内面は、前記通し孔部59bの内周面によって構成されるので、分割弾性部57は、その内面に、分割弾性部57の先端側(挿入部52の先端面側)に向かうにつれて、それら分割弾性部57の外面側(挿入部52の外周面側)に進むように傾斜する傾斜面を備えたテーパ面107からなる、被押圧作用部57aを備えることとなる。
雄ネジ部材56は、一方の端部(上端部)に、その雄ネジ部材56を回動操作するための工具が挿入される、例えば、六角穴等からなる回動操作部56bを備えるとともに、他方の端部(下端部)に、前記テーパ面107に当接する断面テーパ形状の頭部56cを備える、皿ネジ56aからなり、前記ネジ孔59に、前記挿入部52側から螺入される。前記頭部56cは、雄ネジ部材56の進退移動(図示実施の形態においては、上下方向への移動)に伴って、前記被押圧作用部57aを押圧しあるいはその押圧を解除するように移動して、前記分割弾性部57を拡縮変形させることができる。すなわち、図示実施の形態においては、この頭部56cが、前記押圧作用部58となっている。
この第2の実施の形態の取付補助ベース3および位置決め部材5、5の作用効果について説明する。最初に、盤状体410(取付補助ベース3のベース本体4)の側端面に取り付けられた距離調整用側板47、47を、それぞれパレット2のエッジロケーター2c、2dの内面に当接させるとともに、ボルトをエッジロケーター2c、2dの貫通孔2e、2eに通し、盤状体410の側端面に設けられた雌ネジ部49、49にねじ込んで、盤状体410(ベース本体4)をパレット2上の所定位置に配置保持する。そして、締め付けボルトを、盤状体410(ベース本体4)のボルト孔41b、41bに挿入し、パレット2のネジ孔2b、2bにねじ込んで、盤状体410、すなわち、ベース本体4をパレット2に対して所定位置に位置決めして取り付け固定する。
次に、取付具本体1(ベースプレート11)を、取付補助ベース3のベース本体4(盤状体410)に取り付ける。図示実施の形態においては、取付具本体1(ベースプレート11)は、嵌合凹部10を備えるので、ベース本体4(盤状体410)に位置決め部材5、5を装着し、その後に、取付具本体1(ベースプレート11)を取り付ける。
詳しくは、まず、パレット2に取り付け固定したベース本体4の装着凹部40、40のそれぞれに、位置決め部材5、5の挿入部52、52を挿入して、嵌合凸部51、51がベース本体4の取付面4a、詳しくは、接触面42、42から突出するように、位置決め部材5、5をベース本体4に装着する。ここで、位置決め部材5に螺入された雄ネジ部材56としての皿ネジ56aを、回動操作部56bを介して、工具によって回動操作(図示実施の形態においては、反時計回り方向に回動操作)すると、その皿ネジ56aは、上方に向かって移動する。この皿ネジ56aの移動に伴って、押圧作用部58を構成している頭部56cも上方に移動して、分割弾性部57の被押圧作用部57aを押圧することとなり、分割弾性部57は、その外面が装着凹部40の内面40cに当接するまで拡開される(図9参照。)。そして、拡開された分割弾性部57の外面は、穴部411の内面からなる装着凹部40の内面40cを外方に押圧する。したがって、位置決め部材5は、装着凹部40に対してがたつくことなく装着されるとともに、抜け出るのを阻止されて、装着凹部40に装着された状態で確実に保持される。なお、分割弾性部57が拡開した状態において、ボルト56aを時計回り方向に回動操作させると、そのボルト56aが下方に向かって移動することにより、分割弾性部57は、頭部56cの押圧を受けなくなって、自身の弾性力によって縮径し、装着凹部40の内面40cと当接しなくなる。これにより、位置決め部材5を装着凹部40から引き抜くことができる。
このように位置決め部材5、5をベース本体4に装着した後に、取付具本体1をベース本体4に取り付けるわけであるが、第1の実施の形態と同様に、嵌合凸部51は、テーパ状の外周面51aを備え、かつ、嵌合凹部10は、テーパ状の内周面10aを備えるので、嵌合凸部51、51に対して嵌合凹部10、10を嵌め合わせるようにすることで、取付具本体1は、ベース本体4に対して精度よく、そして、容易に位置決めされる。そして、第1の実施の形態と同様、締め付けボルトを、取付具本体1(ベースプレート11)のボルト孔11b、11bに挿入し、かつ、ベース本体4(盤状体41)の雌ネジ孔41a、41aにねじ込むことで、取付具本体1(ベースプレート11)をベース本体4に取り付け固定することができる。これにより、取付具本体1(ベースプレート11)は、パレット2に対して、所定の位置に位置決めされて取り付け固定される。
第2の実施の形態に示す、取付補助ベース3は、第1の実施の形態と同様、位置決め部材5、5がベース本体4に対して着脱可能であるので、嵌合凹部10を備える取付具本体1以外に、図4および5に示した、嵌合凹部10を備えない取付具本体12であっても取り付けることができる。ここで、盤状体410が、第1の実施の形態の盤状体41と同様に、エッジロケーター44、45(位置決め基準部46)を備えるので、取付具本体12を取り付ける場合にも、その取付具本体12を、ベース本体4(盤状体410)に、容易に位置決めして配置することができる。
図10は、本発明の第3の実施の形態を示す。この第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と比較すると、取付補助ベース3のベース本体4の態様が異なる以外は、位置決め部材5、5、取付具本体1、および、パレット2の態様は、同一であって、以下に異なる部分を主に説明する。
この第3の実施の形態においては、取付補助ベース3のベース本体4は、取付具本体1が取り付けられる取付面4aを2面備える、2面ブロック体420からなる。2面ブロック体420は、底板部421と、その底板部421の上面中央部から上方に立ち上がる立板部422とを備える。底板部421は、その四隅に、この底板部421をパレット2に取り付けるための締め付けボルト(図示せず)が挿通されるボルト孔41b、41bを備えるとともに、その側端面には、パレット2のエッジロケーター2c、2dと対向する距離調整用側板47、47と、エッジロケーター2c、2dの貫通孔2e、2eと連通する雌ねじ部49、49とが設けられている。立板部422は、その表裏の両面が前記取付面4aとなっており、それら表裏の両面に、装着凹部40、40を備えている。ここで、装着凹部40、40は、第1の実施の形態と同様にして形成されており、開口側ほど広がる断面テーパ形状の内周面40a、40aを備えるとともに、それらの底部に、抜け止め手段6の一部を構成する雌ネジ部40b、40bを備える。また、立板部422には、前記装着凹部40、40以外に、取付具本体1を取り付けるための締め付けボルト(図示せず)が螺入される雌ネジ孔41a、41aと、取付具本体1の被取付面1aに接触する凸段部状の接触面42、42が設けられている。
位置決め部材5は、前述のとおり第1の実施の形態と同一のものであり、先細りとなる断面テーパ形状の外周面51aを備える嵌合凸部51と、先細りとなる断面テーパ形状の外周面52aを備える挿入部52と、その挿入部52の先端部分から突出するとともに抜け止め手段6の一部を構成する雄ネジ部53とを備えている。
次に、第3の実施の形態の取付補助ベース3および位置決め部材5、5の作用効果について説明する。最初に、底板部421の距離調整用側板47、47を、パレット2のエッジロケーター2c、2dの内面に当接させるとともに、ボルトをエッジロケーター2c、2dの貫通孔2e、2eに通し、底板部421の側端面に設けられた雌ネジ部49、49にねじ込んで、2面ブロック体420(ベース本体4)をパレット2上の所定位置に配置保持する。そして、締め付けボルトを、ボルト孔41b、41bに挿通し、パレット2にねじ込むことで、2面ブロック体420を、パレット2に対して所定位置に位置決めし、かつ、2つの取付面4a、4aが水平方向(図10においては、左右方向)を向くようにして取り付け固定することができる。
次に、パレット2に取り付け固定した2面ブロック体420(ベース本体4)の装着凹部40、40のそれぞれに、位置決め部材5、5の挿入部52、52を挿入して、嵌合凸部51、51が取付面4a、4a、詳しくは、これら取付面4a、4aの一部を構成する接触面42、42から突出するように、位置決め部材5、5を2面ブロック体420(ベース本体4)に装着する。ここで、挿入部52、52を装着凹部40、40に挿入すると、挿入部52、52のテーパ状の外周面52a、52aと装着凹部40、40のテーパ状の内周面40a、40aとが密接するので、位置決め部材5、5は、ベース本体4に対してがたつくことなくぴったりと装着されることとなる。また、位置決め部材5、5は、雄ネジ部53、53を備えているので、それらを装着凹部40、40の底部の雌ネジ部40b、40bにねじ込むと、挿入部52、52が装着凹部40、40から抜け出ることが阻止され、位置決め部材5、5は、2面ブロック体420(ベース本体4)に装着された状態で確実に保持される。
このように位置決め部材5、5を2面ブロック体420(ベース本体4)の各取付面4a、4aに装着した後に、位置決め部材5、5の嵌合凸部51、51に対して、取付具本体1、1の嵌合凹部10、10を嵌め合わせるようにすると、嵌合凸部51、51のテーパ状の外周面51a、51aと、嵌合凹部10、10のテーパ状の内周面10a、10aとが密接することで、取付具本体1、1は、ベース本体4に対して精度よく、そして、容易に位置決めされる。そして、締め付けボルトを、取付具本体1、1のボルト孔11b、11bに挿入し、かつ、立板部422の雌ネジ孔41a、41aにねじ込むことで、取付具本体1、1を2面ブロック体420(ベース本体4)に取り付け固定することができる。これにより、取付具本体1、1は、パレット2に対して、所定の位置に位置決めされて取り付け固定される。ところで、2面ブロック体420は、取り付け面4aを2つ備えており、前述のとおり2つの取付具本体1、1を取り付けることができるわけであるが、2つの取付面4a、4aのうちのいずれか一方にのみ取付具本体1を取り付けるようにしてもよいことは言うまでもない。
第3の実施の形態に示す、取付補助ベース3は、第1の実施の形態と同様、位置決め部材5、5がベース本体4に対して着脱可能であるので、嵌合凹部10を備える取付具本体1以外に、図4および5に示した、嵌合凹部10を備えない取付具本体12であっても取り付けることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。
抜け止め手段6は、第1ないし第3の実施の形態に示すものに限定されず、挿入部52あるいは装着凹部40のいずれか一方に設けられた磁石部と、前記挿入部52あるいは装着凹部40のいずれか他方に設けられるとともに前記磁石部に吸着される吸着部とからなってもよい。具体的には、位置決め部材5の挿入部の先端部分を磁石で作製して磁石部とし、一方、挿入凹部40を構成するブッシュ103を鉄等の磁石がくっつく金属で作製して吸着部とすることができる。
第1の実施の形態においては、抜け止め手段6の一部を構成する雄ネジ部53は、位置決め部材5のボルト部材挿入孔54に挿入されたボルト部材のネジ部からなっているが、これに限定されるわけではなく、図11に示すように、挿入部52の先端部分から延びるように、位置決め部材5と一体的に形成される雄ネジ部であってもよい。
また、第2の実施の形態においては、抜け止め手段6の一部を構成する押圧機能部55の押圧作用部58は、雄ネジ部材56としての皿ねじ56aの頭部56cからなっており、雄ネジ部材56と押圧作用部58とが一体となっているが、これに限定されなない。押圧作用部58は、雄ネジ部材56の進退移動に伴って移動することで分割弾性部57を拡縮変形させることができればよく、雄ネジ部材56とは別体に形成されていてもよく、その具体例を、図12に示す。
位置決め部材5は、第2の実施の形態と同様に、円錐台と円柱とを突き合せたような形状を呈しており、円錐台側が嵌合凸部51となり、円柱側が挿入部52となっている。この位置決め部材5には、第2の実施の形態と同様に、嵌合凸部51の先端面から挿入部の先端面側に向かって延びる雌ネジが切られた雌ネジ孔部59aと、その雌ネジ孔部59aから挿入部52の先端面に通じる雌ネジが切られていない通し孔部59bとからなる、ネジ孔59が形成されている。図12に示す実施の形態においては、通し孔部59bは、雌ネジ孔部59a側に位置する径小部59cと、前記挿入部52の先端面側に位置するテーパ部59dとからなっている。ここで、径小部59cの内面は、雌ネジ孔部59aの内径よりも小さくなっている。また、径小部59cの、雌ネジ孔部59a側の端部部分には、前記雌ネジ孔部59aに向かうにつれて、その径小部59cの軸心から遠ざかるように傾斜する傾斜面を備えたテーパ面108が形成されている。そして、テーパ部59dの内面は、前記挿入部52の先端面に向かうにつれて、前記通し孔部59bの軸心から遠ざかるように傾斜する傾斜面を備えたテーパ面107となっている。
また、挿入部52の先端部分は、第2の実施の形態と同様に、その挿入部52の外周から前記通し孔部59bに通じるように形成された複数のスリット106、106によって、周方向に分割されて、複数の分割弾性片57a、57aからなる分割弾性部57となっている。この分割弾性部57の内面は、前記通し孔部59bの内周面によって構成されるので、分割弾性部57は、前記雌ネジ孔部59a側の内面に、前記押圧作用部58に押圧される、前記テーパ面108からなる被押圧作用部57aを備えることとなる。
雄ネジ部材56は、一方の端部(上端部)に、その雄ネジ部材56を回動操作するための工具が挿入される、例えば、六角穴等からなる回動操作部56bを備える止めネジ56dからなり、前記雌ネジ孔部59aに螺入されている。押圧作用部58は、止めネジ59dとは別体であるとともに、雌ネジ孔部59aの内径よりも小径で、かつ、径小部59cの内径よりも大径なボール部材58aからなり、前記雌ネジ孔部59aに、前記止めネジ56dよりも奥側(下方)に位置するように挿入されている。そして、このボール部材58aは、前記止めネジ56dの先端に押されることで、その止めネジ56dの進退移動に伴って移動するようになっている。
これによれば、ベース本体4の装着凹部40、40に、位置決め部材5、5の挿入部52、52を挿入した状態で、止めネジ56d(雄ネジ部材56)を、工具によって回動操作(図示実施の形態においては、時計回り方向に回動操作)すると、その止めネジ56dは、下方に向かって移動し、かつ、ボール部材58a(押圧作用部58)は、止めネジ56dの先端に押されて、その止めネジ56dと連動するように下方に移動する。これにより、ボール部材58は、分割弾性部57の被押圧作用部57aを押圧することとなり、分割弾性部57は、その外面が装着凹部40の内面40cに当接するまで拡開される。そして、拡開された分割弾性部57の外面は、装着凹部40の内面40cを外方に押圧する。したがって、位置決め部材5は、装着凹部40に対してがたつくことなく装着されるとともに、抜け出るのを阻止されて、装着凹部40に装着された状態で確実に保持される。なお、分割弾性部57が拡開した状態において、止めネジ56dを反時計回り方向に回動操作させると、その止めネジ56dが上方に向かって移動することにより、ボール部材58aは、前記止めネジ56dの先端に押されなくなる。したがって、分割弾性部57は、ボール部材58aに押圧されなくなって、自身の弾性力によって縮径し、装着凹部40の内面40cと当接しなくなる。これにより、位置決め部材5を装着凹部40から引き抜くことができる。
また、取付補助ベース3のベース本体4は、第1および第2の実施の形態で示すようなプレート状の盤状体41、410や、第3の実施の形態で示すような2面ブロック体420以外の、例えば、取付面4aを4面に備える4面ブロック体や、あるいは、その他の形状を呈するのものであってもよい。また、取付補助ベース3(詳しくは、取付補助ベース3のベース本体4)は、パレット2以外に工作機械のテーブルに取り付けられてもよい。
また、ベース本体4の取付面4a側には、凸段部状の接触面42、42が設けられているが、これら接触面42、42は、ベース本体4だけでなく、取付具本体101の被取付面1a側の、前記ベース本体4の接触面42、42と対面する位置に設けらても構わない。また、接触面42、42は、取付具本体101にのみ設けられてもよいし、あるいは、ベース本体4および取付具本体101のいずれにも設けられなくてもよい。また、接触面42が設けられる場合であっても、その形状、個数、配備位置等については、様々に変更可能である。
また、位置決め部材5の装着位置、および、装着個数については、図示実施の形態に限定されず、様々に変更可能である。また、位置決め部材5は、第1ないし第3の実施の形態においては、取付補助ベース3のベース本体4に装着されているが、これに限定されず、取付具本体101が取り付けられる取付対象体104に装着されればよく、例えば、取付具本体101が工作機械のパレット2に直接取り付けられるのであれば、位置決め部材5は、その工作機械のパレット2に装着されてもよい。なお、位置決め部材5を装着するにあたっては、取付対象体104としてのパレット2には、位置決め部材5の挿入部52を挿入することができる、装着凹部40が形成されている必要があることは言うまでもない。また、この場合において、装着凹部40およびこの装着凹部40に装着される位置決め部材5、並びに、装着凹部40と位置決め部材5との間に設けられる抜け止め手段6等の具体的構成については、既述した構成を適用することができる。
また、パレット2は、第1ないし第3の実施の形態に示すような、ネジ穴2b、2bが縦および横方向に所定の間隔で並ぶように格子状に形成されたものに限らず、所定の位置にのみネジ穴2bが形成されたものや、ネジ穴2bに代えてT溝等の基準溝が形成されたものであってもよい。
また、取付具本体101としての、嵌合凹部10を備える取付具本体1および嵌合凹部10を備えない取付具本体12は、ベースプレート11、13以外のもの、例えば、ワーク100を取り付けるための取付面を2面備えた2面ブロック、前記取付面を4面備えた4面ブロック、あるいは、その他の形状のものからなってもよい。