JP3621489B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば医療で用いられる超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体に送波した超音波による反射エコーを所定の信号処理パラメータに基づき信号処理して反射エコー像を作成する従来の超音波診断装置には種々のものがあるが、例えば信号処理パラメータの一つを反射エコー増幅の際のゲインとし、モニター上に表示された反射エコー像の深さ方向のゲインを調整するためのSTC(Sensitivity Time Control;時間感度制御)ボリュウムや、ゲインオフセットを調整するためのゲインボリュウムといったメカニカルな調節手段を備えたものが知られている。
【0003】
従来の超音波診断装置においては、上記STCボリュウムは、所定の深さ毎に設けられることが一般的である。そして、任意の深さのゲイン値を調整するといった自由度の高いゲイン調整を行いたいという要望がある。これを実現するためには、(1) ほぼ任意の深さに応じるべく多数のSTCボリュウムを設けることにより、各ボリュウムのステップ間隔を短くする、(2) 深さを調節するボリュウムと、このボリュームにより設定された深さのゲインを調節するためのボリュームとを設けることが考えられる。
しかしながら、これらボリュームによる調節は、手間と時間がかかることであり再現性が悪いという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情に対処すべくなされたものであり、手間と時間がかからず簡便に、再現性良く、反射エコーの信号処理に係る種々の特性の、自由度の高い調整を行い得る超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波診断装置は、被検体に送波した超音波による反射エコーを所定の信号処理パラメータに基づき信号処理して反射エコー像を作成する超音波診断装置において、前記信号処理パラメータとしてラテラル方向のゲインを表す特性曲線を表示する第1の表示画面と、前記信号処理パラメータとして深さ方向のゲインを表す特性曲線を表示する第2の表示画面と、前記反射エコー像を表示する第3の表示画面とを一画面に表示する表示手段と、前記第1の表示画面上で前記ラテラル方向のゲインを表す特性曲線を調整する第1の調整手段と、前記第2の表示画面上で前記深さ方向のゲインを表す特性曲線を調整する第2の調整手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波診断装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本装置は、超音波プローブ2、送受信部4、DSC6、表示部8、操作パネル10、表示入力装置12、表示入力装置データ記憶部14、外部インターフェース16を有し、これらはシステムコントローラ18により制御される。
【0007】
送受信部4は、超音波プローブ2に対し超音波駆動信号を供給し、超音波プローブ2は、送受信部4から供給された超音波駆動信号により超音波を発生して被検体に送波する。また、超音波プローブ2は、被検体に送波した超音波による反射エコーを検出し、その信号を送受信部4に供給する。送受信部4は、供給された反射エコー信号をDSC6に供給する。DSC(ディジタル・スキャン・コンバータ)6は、送受信部4から供給された反射エコー信号を処理することにより反射エコー像(超音波診断画像)を作成するものである。送受信部4及びDSC6は、反射エコー信号を所定のゲインで増幅する増幅器と、この増幅器から出力された信号を所定のカットオフ周波数でフィルタリングするフィルタとを有している。なお、フィルタにはいわゆるハイパスフィルタ、ローパスフィルタがある。
【0008】
作成された反射エコー像は、表示部8に供給され表示される。操作パネル10は、本装置のパワーオン・パワーオフや、患者名入力、走査モード切替え等、操作者からの指示を入力するためのものである。
【0009】
表示入力装置12は、例えばタッチコマンドスクリーンにより構成され、特性曲線を表示する表示画面を有し、該表示画面上で該特性曲線を入力することが可能となっている。
【0010】
ここで言う特性曲線とは、上記送受信部4、DSC6による信号処理のパラメータを表すものであって、例えば上記反射エコー信号を所定のゲインで増幅する場合における深さ方向またはラテラル方向のゲイン特性を示す曲線、増幅された反射エコー信号を所定のカットオフ周波数でフィルタする場合におけるカットオフ周波数特性を表す曲線等を含む。また、上記入力とは、特性曲線を新規で入力すること、既に入力された特性曲線を変更(調整)することを含む。
【0011】
又、入力は、タッチコマンドスクリーン上を指で触れるか、専用ペンを用いて指示することによる。あるいは、図2に示すような、トラックボール20と設定スイッチ21とボリュウム22とが組み合わされ、外部インタフェース16に接続されたパームスイッチや、マウス等を用いて行ってもよい。
【0012】
尚、図3に示すように表示入力装置12により表示部8、及び操作パネル10を代用するように構成しても良い。この場合は、作成された反射エコー像を、特性曲線とともにタッチスクリーン上に表示する。表示入力装置データ記憶部14は、表示入力装置12により調整された特性曲線のデータ等を記憶するものである。
【0013】
表示入力装置12により調整がなされると、その特性曲線のデータがシステムコントロール部18に送られる。該コントロール部18は送られてきた特性曲線のデータに基づき、例えば特性曲線がゲイン特性を示す曲線であれば送受信部4、DSC6の増幅器のゲインを制御するための制御信号を生成してこれを送受信部4、DSC6に供給し、送受信部4、DSC6は、該制御信号に基づき増幅器のゲインを変更する。或いは特性曲線がカットオフ周波数の特性を示す曲線であれば、同様にコントロール部18は、送受信部4、DSC6のフィルタのカットオフ周波数を制御するための制御信号を生成してこれを送受信部4、DSC6に供給し、送受信部4、DSC6は、該制御信号に基づきフィルタのカットオフ周波数を変更する。
【0014】
ここで、表示入力装置12による特性曲線の表示、調整等の一連の動作について、種々例を挙げて具体的に説明する。
図4は、表示入力装置12のタッチコマンドスクリーンを示す図である。当該スクリーンには縦軸を深さ[cm]、横軸をゲイン[dB]とするゲインカーブが表示されている。また同図ではC1,C2の2つのゲインカーブが表示されている。C2は例えば同一被検体の過去の診断時に設定され、参照の為に表示する参照用ゲインカーブであって、この参照用ゲインカーブC2を参照してC1を調整する。縦軸及び横軸の目盛りのステップ間隔は任意に設定できる。
【0015】
ゲインカーブを新規に入力する場合は、図5に示すようにタッチコマンドスクリーン上を指でなぞればよい。これにより指でなぞった軌跡がスクリーン上に表示され、この軌跡がゲインカーブとなる。または、図6に示すようにスクリーン上に表示されたマウスポインタPを前述したマウスやパームスイッチのトラックボールを用いて移動させることにより、ゲインカーブを入力するようにしても良い。
【0016】
ゲインカーブの表示中において、図7に示すように、例えば点A、点B等を指示する(指で触れる、あるいはマウスポインタを移動させてクリックする)と、データ表示領域30に、指定された点の深さ及びゲインを値で表示するように構成しても良い。同図では、例えば点Aは深さ=5cm、ゲイン=+20dBであることがわかる。
【0017】
また、現在表示されているゲインカーブを調整する場合は、図8又は図9に示すようにして行えば良い。
図8の例では、ゲインカーブ上の点を一つ指定し、この点を適宜移動させることによりゲインカーブを調整するものであり、さらに詳しくはゲインカーブ上の点Aを移動させることにより、約13cmの深さのゲインを+25から+15程度に調整するものである。なお、点Aの移動に応じて、ゲインカーブに対し所定の補間函数が適用され、同図に示す如く移動後の点Aを通過し且つカーブがなめらかとなるように、補間が施される。
【0018】
図9の例では、移動点Aに加えて固定点B及びCを指示することにより、点B−A−Cの区間のみゲインカーブの形状を変化させることができる。言い替えれば、同図の例では、深さが0cm〜9.5cm(点B)の範囲および深さが14cm(点C)以上の範囲のゲイン特性を、点Aの移動によらず不変とすることができる。
【0019】
尚、入力の他の例としては、図10に示すように複数の補間点A〜Iを指定し、これら補間点を例えばスプライン曲線で結ぶことにより、ゲインカーブを入力することができる。本例は、新規入力又は調整のどちらにも適用可能である。
【0020】
以上のようにして入力したゲインカーブは、図11に示すようにメモリ書き込み32を指示することにより表示入力装置データ記憶部14に記憶させることができ、また、メモリ読み出し32を指示することにより該記憶部から読み出して表示させることができる。すなわち、例えば再検査において同一被検体の診断画像を同一条件で表示したい場合など、一度設定したゲインカーブを再度利用することができ、従来装置のようにメカニカルなボリュウムを再調整するといった面倒がなく再現性良く反射エコーの信号処理が行える。
【0021】
ここまでの説明においては、特性曲線としてゲインカーブを表示する例について述べたが、ここで、ゲインカーブ以外の特性曲線を表示、調整する場合について述べる。先ず、図12の例では、縦軸を深さ[cm]、横軸をフィルタのカットオフ周波数とし、深さに応じたカットオフ周波数特性を表す曲線を表示する例が示されている。上述したゲインカーブの場合と同様にして、カットオフ周波数特性を調整することができる。ここでは、曲線上の点Aを指定して調節する例が示されている。
【0022】
また図13に示すように、縦軸をゲイン、横軸をラテラル方向とし、ラテラル方向のゲインカーブを表示するようにしてもよい。この場合、ラテラル方向のゲインカーブ上の点A、点Bを同図のように調整すると、超音波診断画像Mの領域M1、領域M2のゲインが調整される。尚、領域M1は、点Aに対応し、領域M2は、点Bに対応する。
【0023】
また、図14に示すように、縦軸を上述のカットオフ周波数、横軸をラテラル方向とし、ラテラル方向のカットオフ周波数特性の曲線を表示するようにしてもよい。この場合、ラテラル方向のカットオフ周波数特性曲線上の点A、点Bを同図ののように調整すると、超音波診断画像Mの領域M1、領域M2のカットオフ周波数が調整される。尚、領域M1は、点Aに対応し、領域M2は、点Bに対応する。
【0024】
また、図15に示すように、タッチコマンドスクリーンSをラテラル方向のゲインの調整のためのスクリーンS1と、深さ方向のゲインの調整のためのスクリーンS2とにより構成してもよい。この場合、S1のゲインカーブ上の点Aを調整し、S2のゲインカーブ上の点Bを調整することにより超音波診断画像Mの領域M3のゲインが調整されることになる。
【0025】
また、図16に示すように、タッチコマンドスクリーンSを、上述のようにラテラル方向のゲインのためのスクリーンS1と、深さ方向のゲインのためのスクリーンS2と、超音波診断画像Mを表示するスクリーンS3とにより構成し、一画面表示を行っても良い。
【0026】
さらに、図17に示すように、スクリーンS3に表示された超音波診断画像上において、パームスイッチのトラックボール20により点Aを指定し、パームスイッチのボリューム22を調整することにより、点A近傍の領域のゲインを調整することもできる。このとき、S1においては点Aのゲイン調整に応じて点Cが、S2においては点Bが移動する。
【0027】
また、図18に示すように、タッチコマンドスクリーン上のゲインカーブ上に所定の間隔で複数のマーク(ここでは、V1〜V11)を表示し、マウス等により任意のマークを調整(水平方向にスライドさせる)するようにしてもよい。
【0028】
このような本発明の一実施形態に係る超音波診断装置によれば、タッチコマンドスクリーン上を指でなぞる、マウスポインタを移動させるといった簡便な操作によりゲインカーブ等の特性曲線を入力、調整することができる。また、入力、調整した特性曲線を記憶させ、いつでも読み出して再利用することができる。また、従来のようなメカニカルなボリュームによるものではなく、調整のステップ間隔等を任意に変更可能である。手間と時間がかからず簡便に再現性良く、反射エコーの信号処理に係る種々の特性の、自由度の高い調整を行い得る超音波診断装置が提供される。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、手間と時間がかからず簡便に再現性良く、反射エコーの信号処理に係る種々の特性の、自由度の高い調整を行い得る超音波診断装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波診断装置のハードウェア構成の一例を示す図、
【図2】上記実施形態に係るパームスイッチを示す図、
【図3】上記実施形態に係る超音波診断装置のハードウェア構成の他の例を示す図、
【図4】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図5】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図6】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図7】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図8】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図9】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図10】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図11】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図12】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図13】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
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【図16】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図17】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図、
【図18】上記実施形態に係る表示入力装置12の画面構成の例を示す図。
【符号の説明】
2…超音波プローブ、
4…送受信部、
6…DSC、
8…表示部、
10…操作パネル、
12…表示入力装置、
14…表示入力装置データ記憶部、
16…外部インターフェース、
18…システムコントロール部、
Claims (1)
- 被検体に送波した超音波による反射エコーを所定の信号処理パラメータに基づき信号処理して反射エコー像を作成する超音波診断装置において、
前記信号処理パラメータとしてラテラル方向のゲインを表す特性曲線を表示する第1の表示画面と、前記信号処理パラメータとして深さ方向のゲインを表す特性曲線を表示する第2の表示画面と、前記反射エコー像を表示する第3の表示画面とを一画面に表示する表示手段と、
前記第1の表示画面上で前記ラテラル方向のゲインを表す特性曲線を調整する第1の調整手段と、
前記第2の表示画面上で前記深さ方向のゲインを表す特性曲線を調整する第2の調整手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置。
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