JP3621195B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクや光磁気ディスク等の記録媒体であるディスクがハードケース内に回転自在に収容されているディスクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のディスクカートリッジに特公平4−59703号公報がある。そこでは、ディスクが収容される本体ケースの上下面に、外部からディスクに対して信号の読み書きが行えるように窓孔を設け、この窓孔が摺動式のシャッターにより開閉される。不使用時にシャッターが窓孔を閉じて塵埃や異物がディスクに付着するのを防止し、使用時にディスクドライブに装填するとシャッターがドライブ側の開閉操作部材で開かれ、ヘッドが窓孔に挿入する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したディスクカートリッジでは、シャッターが本体ケースの外表面上を摺動するとき、シャッターが本体ケースの外表面との間に形成される隙間(摺動するためのクリアランス)などにより僅かに傾動し、シャッターの先行する側の端縁(エッジ)が窓孔の内周面と本体ケースの外表面とが交わる角に引っ掛かり、その円滑な摺動を妨げる原因になっていた。
【0004】
そこで本発明の目的は、本体ケースに対しシャッターが常に円滑に開閉摺動できるディスクカートリッジを提供することにある。本発明の目的は、ディスクドライブ側のヘッド挿入のためのシステムのコンパクト化を図れるディスクカートリッジを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のディスクカートリッジは、本体ケース1の内部にディスク2が回転自在に収容され、本体ケース1の上下壁3・4にはそれぞれの略中央部から前側の開放端面5の方向にわたって信号読み書き用の窓孔6が開口されており、本体ケース1に前記窓孔6を開閉するシャッター7が装着されている。
【0006】
かかるディスクカートリッジにおいて、本発明では、前記シャッター7が、本体ケース1の上下壁3・4の各外表面3a・4a上を左右方向に摺動する上下板7a・7bと、この上下板7a・7bの一端どうしをつないで前記開放端面5上を摺動する背板7cとを有するものとする。前記窓孔6の開放端面5側の上下壁3・4に、各上下壁3・4の外表面より低く落ち込む陥没壁部15・15を一体に形成する。上下壁3・4の各外表面3a・4aと窓孔6の内周面とが交わる角に外拡がり状の斜面8を形成したものである。
【0007】
【作用】
上記構成によれば、シャッター7が左右方向に摺動するとき、斜面8は、シャッター7の先行する左端縁または右端縁を滑らかに滑らす働きをするため、シャッター7は窓孔6の内周面と上下壁3・4の各外表面3a・4aとが交わる角に引っ掛かることなく、スムーズに摺動する。斜面8は、本体ケース1の外表面に対するシャッター7の摺動面積および摩擦抵抗を減少し、それだけシャッター7はスムーズに摺動する。
【0008】
窓孔6の開放端面5側の上下壁3・4に一体形成した陥没壁部15・15は、各上下壁3・4の外表面より低く落ち込ませてあるので、陥没壁部15上にディスクドライブ側の信号読み書き用ヘッドが挿入するためのクリアランスを確保し得てディスクドライブ側のコンパクト化を実現できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図において、ディスクカートリッジは、薄型四角形状の本体ケース1の内部に、上下両面に映像・音声・情報等の信号が記録される光ディスク等のディスク2を回転自在に収容する。本体ケース1はプラスチック製の上ケース1aと下ケース1bとを突き合わせて一体的に結合してなる。上ケース1aの上壁3および下ケース1bの下壁4には、それぞれの略中央部から前側の開放端面5に向けて信号読み書き用の窓孔6を開口し、この窓孔6が左右方向に摺動するシャッター7で開閉自在に塞がれている。このディスクカートリッジはこれ全体のコンパクト化を図るために、図示例のように本体ケース1の左右幅寸法とディスク2の直径寸法とが可及的に接近して設定され、窓孔6の左右開口幅およびシャッター7の左右幅寸法が本体ケース1の左右幅寸法のほぼ1/3近くにまで大きく設定され、シャッター7はこれの前後方向寸法を左右幅寸法よりも大きく設定される。
【0010】
図2および図7において、上ケース1aは上壁3とこれの左右端に直角に連設した左右の側壁12・12とからなり、上壁3の略中央部から前端の左右方向中央部にわたって前記窓孔6が形成される。その際、図1に示すごとく上壁3の外表面3aと窓孔6の内周面とが交わる角にはこの角を削り取る形の外拡がり状の斜面8を形成する。この斜面8はシャッター7が左右方向に摺動するときその左右端縁が引っ掛かって摺動の妨げになるのを避けるためのものであるから、必ずしも窓孔6の内周全体に設ける必要はない。図2に例示するごとき窓孔6がふたつの直線部6a・6aとこの直線部6a・6aどうしを結ぶ円弧部6bからなるU形状に形成されている場合、シャッター7の左右端縁に対応するその直線部6aには斜面8を設ける必要があるが、円弧部6bには必ずしも設ける必要はない。上壁3の内面には、図6に示すごとくディスク2が前方へ遊動するのを規制するための位置規制リブ14がディスク2の円周に沿う円弧状に一体に突設されている。
【0011】
図4および図7に示すように、上ケース1aの窓孔6の前方に対応する上壁3には、ディスクドライブ側の信号読み書き用ヘッドが窓孔6に挿入するときのクリアランスを確保するために上壁3の外表面3aより低く落ち込む陥没壁部15が一体に形成される。尤も、この陥没壁部15の左右両側方に対応する窓孔6の内周面と上壁3の外表面とが交わる角にも、前記と同様な斜面8が形成される。陥没壁部15にはシャッター7を左右方向に案内するための案内溝16が左右方向全長にわたって形成され、その案内溝16より後方部位には平坦な形状の接合凸部15bが形成されている。図2および図3に示すごとく上壁3の窓孔6の後端より更に後方に対応する部位には、シャッター7の後端側を左右方向に摺動案内するための凹溝9が左右方向にわたって形成されており、この凹溝9上に細幅の押え板10が後述するように取り付けられている。図5および図6に示すように、上壁3の内面の前端には断面角形の案内レール17が、前記陥没壁部15の案内溝16より前方部位15aの左右両側方に一体に連続して形成されている。
【0012】
下ケース1bは上ケース1aと対称に形成されていて、図3および図4に示すごとく上ケース1aの窓孔6に正対する窓孔6と、下壁4の外表面4aより低く落ち込むよう形成されて上ケース1aの陥没壁部15の下面側に重合する陥没壁部15と、上ケース1aの案内レール17に正対する案内レール17と、上ケース1a側の位置規制リブ14の下端に突き合わされる位置規制リブ14とを有する。図1に示すように、この下ケース1bの窓孔6の内周面と下壁4の外表面4aとが交わる角にも、上ケース1aの窓孔6の場合と同様な斜面8を形成する。また、図3に示すごとく下壁4の窓孔6の後端より更に後方に対応する部位にも、上壁3の場合と同様な凹溝9および押え板10を設ける。これら上下ケース1a・1bを突き合わせると、図4および図5に示すように両ケース1a・1bの陥没壁部15・15の接合凸部15b・15bどうしが重合することにより、陥没壁部15・15の案内溝16より前方部位15a・15a間に空隙S1が、案内レール17・17間に空隙S2が互いに連通状に形成される。
【0013】
図2および図3においてシャッター7は金属板またはプラスチック材で断面コ字形状に形成してあり、上下壁3・4の各窓孔6を塞ぐように前後方向に長く左右方向に短い矩形状の上下板7a・7bと、これら上下板7a・7bの前端どうしをつなぐ背板7cとを有する。背板7cの外面側に凸部7fを形成し、背板7cの内面からは左右一対の抜止め片13を突設し、この左右の抜止め片13の先端に互いに上下逆向きの逆止爪13a・13aを設ける。上下板7a・7bの各後端には屈曲後端部7d・7eが、上下板7a・7bの上下対向間隔よりも狭い上下間隔をおいて上下に対向するよう屈曲状に形成される。シャッター7は、上下板7a・7bを上下壁3・4の各外表面3a・4a上に摺動クリアランスcを介して重合するとともに、抜止め片13の逆止爪13aが陥没壁部15・15間の空隙S1内に差し込まれるように、本体ケース1の前側の開放端面5にこれの前側方から押し込み嵌合する。これにより抜止め片13の逆止爪13aが陥没壁部15の案内溝16に係合し(図4参照)、図3に示すごとく上側の屈曲後端部7dが上壁3の凹溝9に、下側の屈曲後端部7eが下壁4の凹溝9にそれぞれはめ込まれる。次いで、上下壁3・4に対し上下の押え板10・10が屈曲後端部7d・7eをそれぞれ覆うように軽く押さえる状態に取り付けられる。以てシャッター7が本体ケースから前方へ抜け出ない状態となる。
【0014】
図6および図7に示すように、シャッター7を閉じ位置に移動付勢するばね部材20としては、左右2個のねじりコイルばねを採用し、また左右2個のスライダー21を備えている。スライダー21は工形に形成されていて、上下の案内レール17・17間の空隙S2内を摺動するウェブ21aと、上下の案内レール17・17の内外面を摺動する内外フランジ21b・21cとを有し、内フランジ21bの外端面にばね掛け溝24を設けてある。
【0015】
左右の各ばね部材20は、これの一方の腕部20aの先端を下壁4の内面における位置規制リブ14より前方部位に突設した左右のピン25にそれぞれ掛け止め、他方の腕部20bの先端をスライダー21のばね掛け溝24に挿入係合する。これで左右の各スライダー21はばね部材20のばね作用で案内レール17上を中央の陥没壁部15の方向へ移動付勢されて、外フランジ21cの内端面がシャッター7の背板7cの左右端面に当接するか、またはウェブ21aないしは内フランジ21bの内端面が抜止め片13の外端面に当接することにより、シャッター7は窓孔6を塞ぐ中央の閉じ位置に保持される。
【0016】
このようにシャッター7を取り付けたディスクカートリッジはディスクドライブに装填すると、該ドライブ側の開閉操作部材(図示せず)がシャッター7の凸部7fに係合し、この係合作用によりシャッター7が窓孔6を塞ぐ中央の閉じ位置から左側壁12または右側壁12に近接する位置にまで案内レール17に沿ってばね部材20の力に抗して上下壁3・4の各外表面3a・4a上を摺動し、以て窓孔6が全開する。シャッター7に加えた押す力が解除されると、このシャッター7はばね部材20の付勢力をスライダー21を介して受けることで元の中央の閉じ位置に自動的に復帰移動して停止する。このシャッター7の左右方向の開閉摺動に際し、窓孔6の口縁には斜面8を形成してあるので、シャッター7が本体ケース1の外表面3a・4aとの摺動クリアランスcにより少々傾動するようなことがあっても、シャッター7の上下板7a・7bの左右端縁が窓孔6の孔縁に引っ掛かるようなことがなくて常に円滑に開閉する。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、本体ケース1の窓孔6の内周面と上下壁3・4の各外表面3a・4aとが交わる角に、外拡がり状の斜面8を形成した。従って、シャッター7は窓孔6の孔縁に引っ掛かるようなことなく、常に上下壁3・4の外表面3a・4a上を左右方向に円滑に摺動し、窓孔6の開閉動作をスムーズに行うことができる。窓孔6の開放端面5側の上下壁3・4に陥没壁部15を設けてあるので、当該陥没壁部15の上にディスクドライブ側の信号読み書き用ヘッドが挿入するためのクリアランスを確保することができてディスクドライブ側のコンパクト化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2におけるC−C線拡大断面図である。
【図2】ディスクカートリッジ全体の平面図である。
【図3】図2におけるA−A線拡大断面図である。
【図4】図2におけるB−B線拡大断面図である。
【図5】シャッターと案内レールとの関係を示す断面図である。
【図6】ディスクカートリッジの前端部の内部平面図である。
【図7】ディスクカートリッジの前端部をシャッターを外した状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
1 本体ケース
2 ディスク
3 上壁
4 下壁
5 開放端面
6 窓孔
7 シャッター
7a シャッターの上板
7b シャッターの下板
7c シャッターの背板
8 斜面
Claims (1)
- 本体ケース1の内部に、ディスク2が回転自在に収容されており、
本体ケース1の上下壁3・4には、それぞれの略中央部から前側の開放端面5の方向にわたって信号読み書き用の窓孔6が開口されており、
本体ケース1に、窓孔6を開閉するシャッター7が装着されているディスクカートリッジにおいて、
シャッター7が、本体ケース1の上下壁3・4の各外表面3a・4a上を左右方向に摺動する上下板7a・7bと、この上下板7a・7bの一端どうしをつないで前記開放端面5上を摺動する背板7cとを有しており、
窓孔6の開放端面5側の上下壁3・4に、各上下壁3・4の外表面3a・4aより低く落ち込む陥没壁部15・15が一体に形成されており、
上下壁3・4の各外表面3a・4aと、シャッター7の左右端縁に対応する窓孔6の直線部6aの内周面および陥没壁部15の左右両側方に対応する窓孔6の内周面とが交わる角に、外拡がり状の斜面8を形成しているディスクカートリッジ。
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