JP3621184B2 - カウンタエジェクタ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上流側から供給される段ボールシート等のシート状ワークを係数しつつ集積するとともに、その集積されたワークを所定枚数毎に下流側に送出するカウンタエジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
上述のようなカウンタエジェクタとして、従来、図23(a)に示すようなものが知られている。すなわち、該カウンタエジェクタ100においては、送込みコンベア101によりシート状ワーク(以下、単にワークともいう)Wがワーク集積部102に供給される。ワーク集積部102の下部にはスタッカコンベア103が配置されており、これが送込みコンベア101からワークWを受け取って、すでに積み上がっているワークWの最下部にこれを潜り込ませるようにして進入させ、ワークWをワーク集積部102内に順次積み上げてゆく。積層されたワークWの後方側には、ピストンシリンダ105により進退するキッカー106が配置されており、これが積層されたワークWの上側の所定枚数のものW2を前方に押し出すようにして送出する(図23(b))。押し出されたワークW2は、ワーク集積部102の下流側に設けられた排出コンベア107に受け渡されて排出される。一方、ワーク集積部102に積層されたワークWのうち、下側の所定枚数のものW1は、ワーク集積部102の前方側に設けられたワークストッパ104により移動を阻止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記カウンタエジェクタ100においては、特にワークWが硬質で腰の強い材質で形成されている場合、ワーク集積部102に新たなワークWが潜り込んでくると、その持ち上げ作用により、上側のワークWに積層乱れが生じることがある。この場合、図24(a)に示すように、ワークストッパ104により送出を阻止されるべきワークW1のうち、その最上層に位置するものWtが、上記積層乱れによりワークストッパ104の上端からせり出して外れてしまうことがある。そして、この状態で上側のワークW2の送出を行うと、同図(b)に示すように、ストッパ104から外れたワークWtは、送出されるワークW2のとの間に働く摩擦により、該ワークW2とともに連れ送りされてしまう問題が生ずる。
【0004】
本発明の課題は、ワーク集積部内に本来残留すべきワークが、送出されるワークとともに連れ送りされる問題が生じにくいカウンタエジェクタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上述の課題を解決するために、本発明のカウンタエジェクタの第一の構成は、下記の要件を備えて構成されることを特徴とする(請求項1)。
▲1▼ワーク集積部:上流側から供給されるシート状ワークを、集積されたワークの最下部に潜り込ませる形で順次受け入れて、これを所定枚数まで積み上げる。
▲2▼ワーク送り部材:ワーク集積部にワークを集積中には、積み上げられたワークの上方に位置して該ワークをその積層方向に押し付け又は該ワークと接触することにより、新たなワークの潜り込みに伴うその積層乱れを阻止する一方、ワークの集積終了後には、その積層されたワークの後方へ移動して、これを下流側へ送り出す。
【0006】
上記構成によれば、ワーク送り部材が、積み上げられたワークをその積層方向に押し付けるか又はそのワークと接触することにより、ワークの積層乱れが効果的に防止ないし抑制される。なお、本発明でいう「ワーク」とは、印刷、切断、折り曲げ等の後加工が予定されている中間製品と、そのような後加工が予定されない最終製品との双方の意味を含むものとする。
【0007】
上記カウンタエジェクタには、ワーク集積部においてワークの送出方向前方側に、該ワーク集積部内に積層されたワークのうち、下側の所定枚数のワークの送出は阻止する一方、残余の上側のワークの送出は許容するワークストッパを設けることができる(請求項2)。この場合、ワーク送り部材は、ワーク集積部へのワークの集積中において、ワークストッパにより送出を阻止されるべきワークのうち上層に位置するものが、上記積層乱れによりワークストッパよりも上方にせり出すことを阻止するものとされる。これにより、上記積層乱れによりワークストッパから上方に外れたワークが、ワーク送出時において連れ送りされることが防止ないし抑制される。
【0008】
ワーク集積部に集積されたワークのうち、例えば上記ワークストッパ等により下側の所定枚数のものをワーク集積部に残留させた状態で、残余の上側のものをワーク送り部材により送出する場合、上記ワーク送り部材は、その上側のワークを送出する際においても、ワーク集積部に残留させるべきワークをその積層方向に押し付ける又は該ワークと接触する状態を維持するものとすることができる(請求項3)。これにより、前述の積層乱れは一層起こりにくくなる。
【0009】
ここで、上流側からのワークは、ワーク送り部材によるワークの送出と対応する方向において、ワーク集積部に集積されたワークの最下部に対し進入するものとすることができる。この構成においては、上側のワークを送出するためのワーク送り部材の移動がワーク集積部へのワークの進入と同期するように、ワーク送り部材の駆動を制御する送出駆動制御手段を設けることができる(請求項4)。
【0010】
すなわち、新たなワークがワーク集積部へ供給されると、その供給されるワークによって集積済みのワークが持ち上げられることになる。このとき上側に積層されたワークがワーク送り部材により送出中の場合は、上記ワークの持ち上げに伴い、下側に残留させるべきワークの最上層のものがワークストッパ等から外れ、送出されるワークとともに連れ送りされてしまうこともありうる。しかしながら上記構成のように、ワーク集積部へのワークの進入とワーク送り部材の移動とを同期させるようにすれば、新ワーク進入に伴う集積済みのワークの持ち上げを効果的に抑制することができ、ひいては上記ワークの連れ送り等を防止ないし抑制することができる。この場合、送出駆動制御手段を、ワーク集積部へ進入するワークの前端部に対しワーク送り部材の位置を、その移動方向において一致させた状態で、ワーク送り部材の駆動を制御するものとすれば、上記効果をさらに顕著なものとすることができる(請求項5)。
【0011】
次に、上記カウンタエジェクタには、ワーク送り部材を昇降させる昇降機構を設けることができる。この場合、ワーク送り部材は、ワークの集積終了後においてその昇降機構により、積層されたワークと干渉しない位置まで上昇させられるとともに、その状態で該ワークの後方へ移動するものとすることができる(請求項6)。すなわち、ワーク送り部材がワークの後方に移動する際に、これと干渉してその積層状態を乱す等の心配がなくなる。
【0012】
また、ワーク送り部材を昇降させる昇降機構と、ワーク集積部へのワークの集積中において、そのワークの集積高さの増大と同期してワーク送り部材が上昇するように、その昇降機構の駆動を制御する昇降機構駆動制御手段とを備えた構成とすることもできる(請求項7)。これにより、ワーク送り部材は、集積中のワークに対し常に最適の位置でこれを押しつけ、ないしこれと接触する状態を維持することができるので、ワークの積層乱れが一層生じにくくなる。
【0013】
また、ワーク送り部材は、送出されるべきワークの積層方向に沿って配置され、該積層されたワークの後方側に当接して移動することによりこれを送出する本体部分と、その本体部分の下端から、ワークの送出方向後方側に突出してこれと一体的に設けられ、ワークの集積中においては、自身の下面側においてその積み上げられたワーク上面に接触する押さえ部とを備えたものとして構成することができる(請求項8)。これにより、ワークをより安定した状態で押しつけることができるので、ワークの積層乱れが効果的に防止される。
【0014】
また、上記押さえ部は、本体部に対し、そのワーク受入側が上下に開閉可能に取り付けられたものとすることができる。そして、ワークがワーク集積部に対し下側から傾いた状態で供給される場合、その最初に供給されるワークに対し、上記押さえ部は、上方に開いた状態でそのワークの先端部を自身の下側に受け入れた後、下方へ閉じることにより、該ワークをその先端部において下向きに付勢して、その傾斜状態を解消するものとすることができる(請求項9)。すなわち、一番最初に供給されるワークが、ワーク集積部に対し前後に傾いた状態でセットされてしまうと、積層乱れにつながる場合がある。しかしながら上記構成では、そのようなワークの傾斜状態が押さえ部により解消されるので積層乱れが生じにくくなる。
【0015】
次に、本発明のカウンタエジェクタの第二の構成は、下記の要件を備えて構成されることを特徴とする(請求項10)。
▲1▼ワーク集積部:上流側から供給されるシート状のワークを、集積されたワークの最下部に潜り込ませる形で順次受け入れて、これを所定枚数まで積み上げる。
▲2▼ワーク送り部材:ワーク集積部に集積されたワークのうち、下側の所定枚数のものを該ワーク集積部に残留させた状態で、残余の上側のものを下流側に送出する。
▲3▼ワークストッパ:ワーク集積部においてワークの送出方向前方側に設けられ、該ワーク集積部に残留させるべきワークの送出は阻止し、残余の上側のワークの送出は許容する。
▲4▼補助ストッパ:ワークストッパよりも下流側に設けられ、ワーク集積部に残留させるべきワークのうち、送出されるワークとの間の摩擦により、ワークストッパを乗り越えて連れ送りされてくるものの移動を阻止する。
【0016】
上記構成によれば、ワークストッパを乗り越えて連れ送りされるワークが生じた場合でも、下流側に設けられた補助ストッパによりその移動を阻止することができる。
【0017】
さらに、本発明のカウンタエジェクタの第三の構成は、下記の要件を備えて構成されることを特徴とする(請求項11)。
▲1▼ワーク集積部:上記第二の構成のワーク集積部と同様に構成される。
▲2▼ワーク送り部材:上記第二の構成のワーク送り部材と同様に構成される。
▲3▼押上部材:ワーク集積部の下流側に設けられ、送出されるワークを下側から押し上げることにより、該ワークからワーク集積部内に残留するワークへ作用する荷重を減少させて、その残留させるべきワークが、送出されるワークとの間の摩擦により連れ送りされることを阻止する。
【0018】
上記構成によれば、ワークの送出時に、その送出中のワークが押上部材により押し上げられて、残留する下側のワークへ作用する荷重が減少するので、該荷重による摩擦により、上記下側のワークが連れ送りされることが防止ないし抑制される。
【0019】
押上部材は、送出されるワークの中央部が通過した時点で該ワークを押し上げることにより、そのワークの後端側を、残留させるべきワークから離間させるように構成することができる(請求項12)。こうすれば、送出されるワークの後端側において下側のワークへ荷重が集中することが防止され、上記ワークの連れ送りが一層生じにくくなる。
【0020】
また、この押上部材は、その上端がワークストッパの上端よりも高くなる位置まで上昇して、送出されるワークを押し上げるものとして構成することができ、この場合は、この押上部材を前述の第二の構成における補助ストッパに兼用させる構成とすることができる(請求項13)。これにより、ワークの連れ送りを防止する効果がさらに高められる。
【0021】
また、押上部材の上端には、前記送出されるワークの移動を補助する補助ローラを設けることができる(請求項14)。これにより、ワークをよりスムーズに送出することができる。
【0022】
以上述べたカウンタエジェクタの第二及び第三の構成においては、前述の第一の構成に採用されているものと同様の構成のワーク送り部材を使用することができる。これにより、ワーク送り部材によるワークの積層乱れ防止効果も達成され、ワークの連れ送り等がより生じにくくなる(例えば請求項15)。なお、第一の構成の各従属請求項2〜9の内容の少なくともいずれかを、上記第二及び第三の構成に付加することももちろん可能である。
【0023】
次に、上記カウンタエジェクタの第一〜第三の構成において、ワーク送り部材が、ワーク集積部に集積されたワークのうち、下側の所定枚数のものを該ワーク集積部に残留させつつ、残余の上側のものを下流側に送出するものとされる場合、ワーク集積部内に残留させるべきワークの最上層のものを吸引・保持することにより、該ワークが、送出されるワークとの間の摩擦により連れ送りされることを阻止する吸引保持機構を設けることができる(請求項16)。これにより、ワークの連れ送りがさらに生じにくくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面に基づき説明する。
図1(a)は、本発明のカウンタエジェクタの一例を概念的に表したものである。すなわち、カウンタエジェクタ1は、下側にスタッカコンベア3が設けられて前方側にワークストッパ4を有するワーク集積部2と、ここに集積されたワークWを前方へ送出するワーク送り部材としてのキッカー5とを備えている。ワーク集積部2の上流側には、ワークWをこれに順次送り込むための送込みコンベア6が、その搬送路がスタッカコンベア3の入り口部とほぼ一致する高さに位置するように配置されている。一方、スタッカコンベア3はその入り口側に形成された上り勾配部3aと、それに続いて形成され、ワーク集積部2の底部を兼ねる水平部3bとを有している。そして、送込みコンベア6からスタッカコンベア3に受け渡されたワークW0は、この上り勾配部3aによって上向きの状態でワーク集積部2内に進入し、水平部3bに積み上がっているワークWの最下部に潜り込む。このようにして、ワークWは、ワーク集積部2内に順次集積されてゆく。また、ワークストッパ4は、スタッカコンベア3の水平部3b上に積層されるワークWのうち、下側の所定枚数のものW1の前方側への移動が阻止されるように、その高さが設定されている。
【0025】
送込みコンベア6の出口部にはワークセンサ7が設けられている。図1(a)に示すように、ワークセンサ7は、送込みコンベア6によるワークWの搬送路を上下に挟んで一方の側に設けられた投光部7aから、他方の側に設けられた受光部7bに向かう光がワークWによりさえぎられることに基づき、これを検出する透過形光センサとして構成されており、送込みコンベア6上を所定の間隔で搬送されてくるワークWの例えば先端を検出することにより、その数量を検出する役割を果たす。なお、ワークWの表面で反射された投光部からの光を受光部で受けることによりこれを検出する反射形の光センサや、CCDセンサ等の画像センサ、あるいは近接スイッチなど、他の種類のセンサを用いてもよい。
【0026】
送込みコンベア6の送りロール6aには、例えばロータリーエンコーダ等で構成されて送りロール6aの回転速度(すなわち、ワークWの送り速度)に対応した間隔のパルス信号を発生する送込みコンベアパルス発生器(以下、単にパルス発生器ともいう)8が設けられている。このパルス発生器8は、ワークセンサ7を通過した後のワークWの前端部の位置をそのパルス数に基づいて検出する役割を果たす。なお、スタッカコンベア3は、送込みコンベア6に対してその増速率が一定となるように駆動されている。従って、スタッカコンベア3によるワーク集積部2へのワークWの供給速度(進入速度)及びワーク集積部2内におけるワークWの先端位置は、パルス発生器8のパルス間隔に基づいて算出することができる。これらの算出値は、後述するRAM35(図5)のワーク速度メモリ35h及びワーク先端位置メモリ35iに格納される。
【0027】
次に、キッカー5は、送出されるべきワークWの積層方向に沿って配置される長尺の本体部分5aと、その本体部分5aの下端部から後方へ突出するようにこれとに一体的に設けられた押さえ部5bとを備えたものが、図2に示すように、ワークWの幅方向において左右に1組ずつ配置されており、両本体部分5aは連結部材5cにより互いに連結されている。そして、図1(a)に示すように、各キッカー5は、昇降機構9及び横移動機構10により、上下方向(以下、Y方向という)及び前後方向(すなわち、ワーク送り方向;以下、X方向という)に一体的に移動可能とされている。また、図2に示すように、押さえ部5bは、共通の回転軸5dにより各本体部分5aに対し上下に回転可能に取り付けられており、図10に示すように、上方に開いた位置とほぼ水平な位置との間でロータリアクチュエータ等で構成された押さえ部駆動アクチュエータ17(図2)により回転駆動される。また押さえ部5bの底面には、複数の補助ローラ5eが前後に並んで取り付けられている。
【0028】
図1(b)に示すように、昇降機構9は、例えば送りヘッド11に対し本体部分5aをスライド可能に貫通させ、該本体部分5aの長手方向に沿ってラック9aを取り付けるとともに、送りヘッド11側に設けられてこれに噛み合うY方向移動ピニオン9bを正逆両方向に回転可能なキッカーY駆動モータ(以下、単にY駆動モータという)12により回転させることにより、該本体部分5aを昇降駆動する構成とすることができる。また、横移動機構10は、同図(c)に示すように、高さが固定に設けられて水平方向に延びる横移動ガイド14に取り付けられたラック10aに、送りヘッド11側に設けられたX方向移動ピニオン10bを噛み合わせ、これを正逆両方向に回転可能なキッカーX駆動モータ(以下、単にX駆動モータという)13により駆動して、キッカー5を送りヘッド11とともに横移動ガイド14に沿って移動させる構成とすることができる。なお、Y駆動モータ12及びX駆動モータ13には、それぞれその回転量を検出して、キッカー5のY方向及びX方向の位置を検出するための回転センサ15及び16が接続されている。
【0029】
次に、ワークストッパ4の下流側にはこれと隣接して、押上部材を兼ねる補助ストッパ18が配置されており、補助ストッパ昇降シリンダ19により、その上端の高さがワークストッパ4の上端と同じかそれよりも低くなる下降位置と、同じく所定高さだけ高くなる上昇位置との間で昇降駆動されるようになっている。また、図3に示すように、その上端には、その幅方向に沿って補助ローラ20が自由な回転を許容された状態で取り付けられている。なお、図4に示すように、ワークストッパ4の幅方向におけるその一部分を他の部分に対し昇降可能に形成し、これを補助ストッパ18とする構成も可能である。一方、図2に示すように、補助ストッパ18のさらに下流側には、排出コンベア21が設けられている。
【0030】
図5は、カウンタエジェクタ1の制御装置30の構成を示している。すなわち、制御装置30は、I/Oポート32と、これに接続されたCPU33、ROM34、RAM35等で構成される中央制御部31を備える。そのI/Oポート32には、ワークセンサ7、送込みコンベアパルス発生器8、回転センサ15及び16がつながれる。また、I/Oポート32には、モータ駆動装置39及び41、アクチュエータ駆動装置43、シリンダ駆動装置45が接続されており、それぞれX駆動モータ13、Y駆動モータ12、押さえ部駆動アクチュエータ17及び補助ストッパ昇降シリンダ19がつながれる。また、RAM35には、ワークセンサ7がワークWを検出しているか否かに対応してオン又はオフとなるセンサフラグ(F)35a、送込みコンベアパルス発生器8からのパルス数をカウントするパルスカウンタ(P)35b、ワーク長(L)メモリ35c、ワーク厚(T)メモリ35d、ワークカウンタ(N)35e、残留枚数(NR)設定メモリ35f、送り枚数(NT)設定メモリ35g、ワーク速度メモリ35h、ワーク先端位置メモリ35i等が形成されている。また、ROM34には、カウンタエジェクタ1の作動制御を司る制御プログラムが格納されている。なお、L、T、NR、NTの各値は、I/Oポート32に接続された入力部36から入力される。なお、中央制御部31は、送出駆動制御手段及び昇降機構駆動制御手段の役割を果たす。
【0031】
以下、カウンタエジェクタ1の作動について、図6〜9のフローチャートを用いて説明する。まず、図6のS1において、ワークカウンタNをクリアし、キッカー5をスタート位置へ移動させる。このスタート位置は、図10に示すように、ワーク集積部2に集積されるワークWの長さ方向中央において、押さえ部5bの底面がスタッカコンベア3の水平部3bに対し、ほぼワークW1枚分の厚さ(ワーク厚TとしてRAM35に記憶されている)分だけ上方に位置するように設定される。次に、送込みコンベア6により搬送されるワークWの先端をワークセンサ7が検出すると(すなわち、センサフラグFがオンになると)、パルス発生器8(図1)からのパルス信号のカウントが開始され(S2)、S3において図10に示すように、押さえ部駆動アクチュエータ17(図2)が作動して、押さえ部5bが上方に開いた状態となる。そして、パルスカウンタPの値から、ワークWの先端が押さえ部5bの下側に入ったことが確認されると、押さえ部5bは下方へ回転して、傾斜した状態でワーク集積部2内に進入してくるワークWを下向きに付勢して、その傾斜状態を解消する(S4、S5)。次いでS6に進み、ワークカウンタNの値がインクリメントされる。
【0032】
図7に進み、S7で次のワーク検出に伴いセンサフラグFがオンになると、Y駆動モータ12が作動して、ワーク厚Tに対応して設定される1ステップ分だけキッカー5が上昇し、ワークカウンタNがインクリメントされる(S8、S9)。こうして、ワーク集積部2内に導入されるワークの枚数がカウントされてゆく。ここで、順次集積されるワークWへの積層乱れを防止するために、キッカー5の押さえ部5bの底面の位置は、ワークWに対し所定の押さえ付け力が生ずるように調整される。この場合、押さえ部5bの底面が、積み上がったワークWの上面よりもわずかに低くなるように、各上昇ステップの押さえ部5bの定位置を設定し、上昇後は押さえ部5bがその定位置を常に保持するようにY駆動モータ12の駆動を制御することができる。なお、押さえ部5bは、通常時はワークWの上面と接触しないようにしておき、積層乱れ等の発生に伴ない、ワークWの上面位置が上昇した場合にこれと接触して、ワークWの積層方向に相対的な押しつけ力を生じさせ、上記積層乱れを解消するように構成することもできる。
【0033】
一方、新しいワークW0は、例えば図11に示すように、ワーク集積部2内に積層されているワーク(以下、ワーク積層体という)W1に対し斜め下方から潜り込んでくるので、上側のワーク積層体W1はその潜り込みに伴い持ち上げられることとなる。この持ち上がり量は、積層体W1に対するワークW0の潜り込み長さに対応して変化するので、例えばパルスカウンタPの値から潜り込み長さを算出するとともに、その算出値に対応する積層体W1の持ち上がり量を予測し、その予測される持ち上がり量に応じてワーク積層体W1に対する押さえ力が変化するように、押さえ部5bの高さ制御を行うことができる。図20は、その制御パターンの一例を示しており、ワーク積層体W1 の持ち上がりに伴い押さえ部5bが上昇しようとした場合、ワーク押さえ力がその予測される上昇量にほぼ比例して増大するように制御されている。この制御は、Y駆動モータ12の駆動制御により行ってもよいが、図21に示すように、本体部分5aの中間に弾性部材5fを設け、ワーク積層体W1により押さえ部5bが持ち上げられると、この弾性部材5fが圧縮されるようにし、その弾性復帰力により押さえ部5bを下向きに付勢して、上記押さえ力を調整する構成とすることも可能である。
【0034】
図7に戻り、ワークカウンタNの値が、ワークストッパ4によりワーク集積部2内に残留させることができる最大枚数(残留枚数NR)に到達すると、ワークカウンタNの値は一旦クリアされる(S10、S11)。なお、NRは、ワークストッパ4の高さとシート厚Tに基づいて算出するようにしてもよい。そして、図8に進み、S12においてセンサフラグFがオンになると、ワークWのカウントが再開され、キッカー5の上昇が続行される(S13〜S15)。そして、ワークカウンタNの値は、送出されるべきワークWの枚数(送り枚数NT)に到達するとクリアされ、さらに図12に示すように、キッカー5は、積層されたワークWの上面から押さえ部5bの底面が離間する位置まで上昇した後、X駆動モータ13により、ワークWの後方に設定された所定の位置まで後退し、さらにY駆動モータ12により、押さえ部5bの底面がワークストッパ4の上端に対応する送出開始位置まで下降する(S17)。
【0035】
また、S18において、ワーク集積部2に新たに進入してきているワークW0の先端位置とその速度がRAM35のワーク速度メモリ35h及びワーク先端位置メモリ35iからそれぞれ読み出される。そして、図13に示すように、この状態からキッカー5を前進させることにより、ワークストッパ4の上端から突出して積み上がっているNT枚のワークW2が前方へ押し出されるようにして送出される(S19)。このとき、キッカー5は、押さえ部5bのほぼ中心近傍と、新たに供給されるワークW0の先端が一致した状態を維持しつつ、読み出されたワークW0の先端位置と速度を参照することにより、ワークW0の進入速度とほぼ等しい速度で移動する。また、その底面において補助ローラ5eの回転により補助されつつ、下側の残留するワークW1を下方に押さえ付けながら移動する。
【0036】
図14に示すように、キッカー5は、ワーク集積部2内に残留しているワークW1の、長さ方向中央付近(前述のスタート位置に対応)に設定された押さえ位置に到達すると、その移動を停止する(S20、S21)。この段階で、送出されたワークW2は前端側が排出コンベア21に受け渡された状態となっており、以降はこの排出コンベア21によりさらに下流側へと排出される。ここで、図22に示すように、押さえ部5b底面の補助ローラ5eに対し、その回転をロックする補助ローラロックブレーキ23(中央制御部31に対し、ブレーキ駆動装置44を介して接続される。図5参照)を設けておき、キッカー5が上記押さえ位置に到達するとともに、補助ローラ5eの回転をロックするように構成することができる。こうすれば、送出されるワークW2からの摩擦により、残留するワークW1の上層に位置するものが連れ送りされようとした場合に、ロックされた補助ローラ5eとワークW1との間にこれと逆向きの摩擦力が働いて、該連れ送りを防止ないし抑制することができる。この場合、補助ローラ5eの表面を、ゴム等の摩擦係数の大きい材質で構成しておけば上記効果がより高められる。
【0037】
一方、図19に示すように、吸引保持機構54をキッカー5と一体移動可能に設けておき、キッカー5が押さえ位置に到達した後は、この吸引保持機構24によりワークW1の最上層のものを吸引・保持して、上記連れ送りを阻止するように構成してもよい。
【0038】
次に、図15に示すように、排出されるワークW2の中央が補助ストッパ18の位置を通過すると昇降シリンダ19が作動し、該補助ストッパ18がワークストッパ4よりも上方へ突出した位置まで上昇するとともに、ワークW2を押し上げる(図9:S22、S23)。これにより、ワークW2は、その後端側が下側の残留するワークW1の上面から離間するとともに、補助ストッパ18の上端に取り付けられた補助ローラ20によりその移動を補助されつつ排出される。これにより、ワークW2とワークW1との接触が回避され、ワークW1の上層に位置するものがワークW2からの摩擦により、ワークストッパ4を乗り越えて連れ送りされることが防止される。また、補助ストッパ18はワークストッパ4よりも上方へ突出しているので、万が一ワークW2の後端側がワークW1の上面と接触して上述の連れ送りが生じても、この補助ストッパ18によりその移動を阻止することができる。なお、補助ストッパ18は、ワーク排出されるワークW2の後端が通過するに伴ない下降して、原位置へ戻る。またここで、図17に示すように、補助ローラ20を回転駆動する補助ローラ駆動モータ24(図5において、モータ駆動装置46を介してI/Oポート32に接続される)を設けておけば、ワークW2の排出を一層スムーズに行うことができる。また、図16に示すように、補助ストッパ18の上昇位置を、送出されるワークW1は押し上げず、かつワークストッパ4の上端よりは高くなるように設定して、連れ送りされるワークW1の移動のみを阻止するように設定することもできる。この場合は、補助ローラ20を省略することが可能である。
【0039】
図9に戻り、ワークW2の送出が完了すると、S24から図8のS12に戻って以下の工程、すなわちワークWがNT枚カウントされる毎にキッカー5によりワークの送出が行われる工程が繰り返される。
【0040】
なお、図18に示すように、キッカー5とは別に、ワークWの積層高さに合わせて昇降する補助押さえ部材25により、積層されたワークWを上方から押さえ付けてその積層乱れを防止する構成とすることもできる。図18において、補助押さえ部材25は、ガイド27により昇降可能に支持された上下に長い棒状に形成されており、下端に回転可能に取り付けられたロール29において積層されたワークWの上面前方側に当接し、その自重によりワークWを押さえ付けるとともに、ワークWの積層高さの増減に伴い昇降するようになっている。また、ワークWがキッカー5により送出される際には、ロール29が回転してその送出に対する抵抗を減少させる。
【0041】
なお、以上説明したカウンタエジェクタ1の構成においては、補助ストッパ18は省略する構成としてもよい。また、逆に、補助ストッパ18の作用により、ワーク集積部2内に残留させるワークWの連れ送りが十分に防止できる場合には、図1に示すキッカー5に代えて、例えば図23に示す態様のキッカー106を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカウンタエジェクタの一構成例を概念的に示す側面図。
【図2】キッカーの背面図。
【図3】補助ストッパの一例を示す斜視図。
【図4】その変形例を示す斜視図。
【図5】図1のカウンタエジェクタの制御系の構成を示すブロック図。
【図6】図1のカウンタエジェクタの作動制御の流れを示すフローチャート。
【図7】図6に続くフローチャート。
【図8】図7に続くフローチャート。
【図9】図8に続くフローチャート。
【図10】図1のカウンタエジェクタの作動工程説明図。
【図11】図10に続く作動工程説明図。
【図12】図11に続く作動工程説明図。
【図13】図12に続く作動工程説明図。
【図14】図13に続く作動工程説明図。
【図15】図14に続く作動工程説明図。
【図16】補助ストッパの変形例を示す側面図。
【図17】同じく別の変形例を示す側面図。
【図18】キッカーとは別に補助押さえ部材を設けたカウンタエジェクタの例を示す側面図。
【図19】吸引保持機構を備えたカウンタエジェクタの例を示す側面図。
【図20】キッカーの押さえ部下面位置に対応する、ワーク押さえ力の制御パターンの例を示す説明図。
【図21】ワーク押さえ力調整用のばねを備えたキッカーの例を示す側面断面図。
【図22】押さえ部の補助ロールにロックブレーキを設けたキッカーの構成を示す側面模式図。
【図23】従来のカウンタエジェクタの構成及び作用を示す説明図。
【図24】従来のカウンタエジェクタにおいて、ワークに連れ送りが生ずる様子を示す説明図。
【符号の説明】
1 カウンタエジェクタ
2 ワーク集積部
4 ワークストッパ
5 キッカー(ワーク送り部材)
5a 本体部分
5b 押さえ部分
8 送込みコンベアパルス発生器
9 昇降機構
10 横移動機構
18 補助ストッパ(押上部材)
19 補助ストッパ昇降シリンダ
20 補助ローラ
31 中央制御部(送出駆動制御手段、昇降機構駆動制御手段)
54 吸引保持機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、上流側から供給される段ボールシート等のシート状ワークを係数しつつ集積するとともに、その集積されたワークを所定枚数毎に下流側に送出するカウンタエジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
上述のようなカウンタエジェクタとして、従来、図23(a)に示すようなものが知られている。すなわち、該カウンタエジェクタ100においては、送込みコンベア101によりシート状ワーク(以下、単にワークともいう)Wがワーク集積部102に供給される。ワーク集積部102の下部にはスタッカコンベア103が配置されており、これが送込みコンベア101からワークWを受け取って、すでに積み上がっているワークWの最下部にこれを潜り込ませるようにして進入させ、ワークWをワーク集積部102内に順次積み上げてゆく。積層されたワークWの後方側には、ピストンシリンダ105により進退するキッカー106が配置されており、これが積層されたワークWの上側の所定枚数のものW2を前方に押し出すようにして送出する(図23(b))。押し出されたワークW2は、ワーク集積部102の下流側に設けられた排出コンベア107に受け渡されて排出される。一方、ワーク集積部102に積層されたワークWのうち、下側の所定枚数のものW1は、ワーク集積部102の前方側に設けられたワークストッパ104により移動を阻止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記カウンタエジェクタ100においては、特にワークWが硬質で腰の強い材質で形成されている場合、ワーク集積部102に新たなワークWが潜り込んでくると、その持ち上げ作用により、上側のワークWに積層乱れが生じることがある。この場合、図24(a)に示すように、ワークストッパ104により送出を阻止されるべきワークW1のうち、その最上層に位置するものWtが、上記積層乱れによりワークストッパ104の上端からせり出して外れてしまうことがある。そして、この状態で上側のワークW2の送出を行うと、同図(b)に示すように、ストッパ104から外れたワークWtは、送出されるワークW2のとの間に働く摩擦により、該ワークW2とともに連れ送りされてしまう問題が生ずる。
【0004】
本発明の課題は、ワーク集積部内に本来残留すべきワークが、送出されるワークとともに連れ送りされる問題が生じにくいカウンタエジェクタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上述の課題を解決するために、本発明のカウンタエジェクタの第一の構成は、下記の要件を備えて構成されることを特徴とする(請求項1)。
▲1▼ワーク集積部:上流側から供給されるシート状ワークを、集積されたワークの最下部に潜り込ませる形で順次受け入れて、これを所定枚数まで積み上げる。
▲2▼ワーク送り部材:ワーク集積部にワークを集積中には、積み上げられたワークの上方に位置して該ワークをその積層方向に押し付け又は該ワークと接触することにより、新たなワークの潜り込みに伴うその積層乱れを阻止する一方、ワークの集積終了後には、その積層されたワークの後方へ移動して、これを下流側へ送り出す。
【0006】
上記構成によれば、ワーク送り部材が、積み上げられたワークをその積層方向に押し付けるか又はそのワークと接触することにより、ワークの積層乱れが効果的に防止ないし抑制される。なお、本発明でいう「ワーク」とは、印刷、切断、折り曲げ等の後加工が予定されている中間製品と、そのような後加工が予定されない最終製品との双方の意味を含むものとする。
【0007】
上記カウンタエジェクタには、ワーク集積部においてワークの送出方向前方側に、該ワーク集積部内に積層されたワークのうち、下側の所定枚数のワークの送出は阻止する一方、残余の上側のワークの送出は許容するワークストッパを設けることができる(請求項2)。この場合、ワーク送り部材は、ワーク集積部へのワークの集積中において、ワークストッパにより送出を阻止されるべきワークのうち上層に位置するものが、上記積層乱れによりワークストッパよりも上方にせり出すことを阻止するものとされる。これにより、上記積層乱れによりワークストッパから上方に外れたワークが、ワーク送出時において連れ送りされることが防止ないし抑制される。
【0008】
ワーク集積部に集積されたワークのうち、例えば上記ワークストッパ等により下側の所定枚数のものをワーク集積部に残留させた状態で、残余の上側のものをワーク送り部材により送出する場合、上記ワーク送り部材は、その上側のワークを送出する際においても、ワーク集積部に残留させるべきワークをその積層方向に押し付ける又は該ワークと接触する状態を維持するものとすることができる(請求項3)。これにより、前述の積層乱れは一層起こりにくくなる。
【0009】
ここで、上流側からのワークは、ワーク送り部材によるワークの送出と対応する方向において、ワーク集積部に集積されたワークの最下部に対し進入するものとすることができる。この構成においては、上側のワークを送出するためのワーク送り部材の移動がワーク集積部へのワークの進入と同期するように、ワーク送り部材の駆動を制御する送出駆動制御手段を設けることができる(請求項4)。
【0010】
すなわち、新たなワークがワーク集積部へ供給されると、その供給されるワークによって集積済みのワークが持ち上げられることになる。このとき上側に積層されたワークがワーク送り部材により送出中の場合は、上記ワークの持ち上げに伴い、下側に残留させるべきワークの最上層のものがワークストッパ等から外れ、送出されるワークとともに連れ送りされてしまうこともありうる。しかしながら上記構成のように、ワーク集積部へのワークの進入とワーク送り部材の移動とを同期させるようにすれば、新ワーク進入に伴う集積済みのワークの持ち上げを効果的に抑制することができ、ひいては上記ワークの連れ送り等を防止ないし抑制することができる。この場合、送出駆動制御手段を、ワーク集積部へ進入するワークの前端部に対しワーク送り部材の位置を、その移動方向において一致させた状態で、ワーク送り部材の駆動を制御するものとすれば、上記効果をさらに顕著なものとすることができる(請求項5)。
【0011】
次に、上記カウンタエジェクタには、ワーク送り部材を昇降させる昇降機構を設けることができる。この場合、ワーク送り部材は、ワークの集積終了後においてその昇降機構により、積層されたワークと干渉しない位置まで上昇させられるとともに、その状態で該ワークの後方へ移動するものとすることができる(請求項6)。すなわち、ワーク送り部材がワークの後方に移動する際に、これと干渉してその積層状態を乱す等の心配がなくなる。
【0012】
また、ワーク送り部材を昇降させる昇降機構と、ワーク集積部へのワークの集積中において、そのワークの集積高さの増大と同期してワーク送り部材が上昇するように、その昇降機構の駆動を制御する昇降機構駆動制御手段とを備えた構成とすることもできる(請求項7)。これにより、ワーク送り部材は、集積中のワークに対し常に最適の位置でこれを押しつけ、ないしこれと接触する状態を維持することができるので、ワークの積層乱れが一層生じにくくなる。
【0013】
また、ワーク送り部材は、送出されるべきワークの積層方向に沿って配置され、該積層されたワークの後方側に当接して移動することによりこれを送出する本体部分と、その本体部分の下端から、ワークの送出方向後方側に突出してこれと一体的に設けられ、ワークの集積中においては、自身の下面側においてその積み上げられたワーク上面に接触する押さえ部とを備えたものとして構成することができる(請求項8)。これにより、ワークをより安定した状態で押しつけることができるので、ワークの積層乱れが効果的に防止される。
【0014】
また、上記押さえ部は、本体部に対し、そのワーク受入側が上下に開閉可能に取り付けられたものとすることができる。そして、ワークがワーク集積部に対し下側から傾いた状態で供給される場合、その最初に供給されるワークに対し、上記押さえ部は、上方に開いた状態でそのワークの先端部を自身の下側に受け入れた後、下方へ閉じることにより、該ワークをその先端部において下向きに付勢して、その傾斜状態を解消するものとすることができる(請求項9)。すなわち、一番最初に供給されるワークが、ワーク集積部に対し前後に傾いた状態でセットされてしまうと、積層乱れにつながる場合がある。しかしながら上記構成では、そのようなワークの傾斜状態が押さえ部により解消されるので積層乱れが生じにくくなる。
【0015】
次に、本発明のカウンタエジェクタの第二の構成は、下記の要件を備えて構成されることを特徴とする(請求項10)。
▲1▼ワーク集積部:上流側から供給されるシート状のワークを、集積されたワークの最下部に潜り込ませる形で順次受け入れて、これを所定枚数まで積み上げる。
▲2▼ワーク送り部材:ワーク集積部に集積されたワークのうち、下側の所定枚数のものを該ワーク集積部に残留させた状態で、残余の上側のものを下流側に送出する。
▲3▼ワークストッパ:ワーク集積部においてワークの送出方向前方側に設けられ、該ワーク集積部に残留させるべきワークの送出は阻止し、残余の上側のワークの送出は許容する。
▲4▼補助ストッパ:ワークストッパよりも下流側に設けられ、ワーク集積部に残留させるべきワークのうち、送出されるワークとの間の摩擦により、ワークストッパを乗り越えて連れ送りされてくるものの移動を阻止する。
【0016】
上記構成によれば、ワークストッパを乗り越えて連れ送りされるワークが生じた場合でも、下流側に設けられた補助ストッパによりその移動を阻止することができる。
【0017】
さらに、本発明のカウンタエジェクタの第三の構成は、下記の要件を備えて構成されることを特徴とする(請求項11)。
▲1▼ワーク集積部:上記第二の構成のワーク集積部と同様に構成される。
▲2▼ワーク送り部材:上記第二の構成のワーク送り部材と同様に構成される。
▲3▼押上部材:ワーク集積部の下流側に設けられ、送出されるワークを下側から押し上げることにより、該ワークからワーク集積部内に残留するワークへ作用する荷重を減少させて、その残留させるべきワークが、送出されるワークとの間の摩擦により連れ送りされることを阻止する。
【0018】
上記構成によれば、ワークの送出時に、その送出中のワークが押上部材により押し上げられて、残留する下側のワークへ作用する荷重が減少するので、該荷重による摩擦により、上記下側のワークが連れ送りされることが防止ないし抑制される。
【0019】
押上部材は、送出されるワークの中央部が通過した時点で該ワークを押し上げることにより、そのワークの後端側を、残留させるべきワークから離間させるように構成することができる(請求項12)。こうすれば、送出されるワークの後端側において下側のワークへ荷重が集中することが防止され、上記ワークの連れ送りが一層生じにくくなる。
【0020】
また、この押上部材は、その上端がワークストッパの上端よりも高くなる位置まで上昇して、送出されるワークを押し上げるものとして構成することができ、この場合は、この押上部材を前述の第二の構成における補助ストッパに兼用させる構成とすることができる(請求項13)。これにより、ワークの連れ送りを防止する効果がさらに高められる。
【0021】
また、押上部材の上端には、前記送出されるワークの移動を補助する補助ローラを設けることができる(請求項14)。これにより、ワークをよりスムーズに送出することができる。
【0022】
以上述べたカウンタエジェクタの第二及び第三の構成においては、前述の第一の構成に採用されているものと同様の構成のワーク送り部材を使用することができる。これにより、ワーク送り部材によるワークの積層乱れ防止効果も達成され、ワークの連れ送り等がより生じにくくなる(例えば請求項15)。なお、第一の構成の各従属請求項2〜9の内容の少なくともいずれかを、上記第二及び第三の構成に付加することももちろん可能である。
【0023】
次に、上記カウンタエジェクタの第一〜第三の構成において、ワーク送り部材が、ワーク集積部に集積されたワークのうち、下側の所定枚数のものを該ワーク集積部に残留させつつ、残余の上側のものを下流側に送出するものとされる場合、ワーク集積部内に残留させるべきワークの最上層のものを吸引・保持することにより、該ワークが、送出されるワークとの間の摩擦により連れ送りされることを阻止する吸引保持機構を設けることができる(請求項16)。これにより、ワークの連れ送りがさらに生じにくくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面に基づき説明する。
図1(a)は、本発明のカウンタエジェクタの一例を概念的に表したものである。すなわち、カウンタエジェクタ1は、下側にスタッカコンベア3が設けられて前方側にワークストッパ4を有するワーク集積部2と、ここに集積されたワークWを前方へ送出するワーク送り部材としてのキッカー5とを備えている。ワーク集積部2の上流側には、ワークWをこれに順次送り込むための送込みコンベア6が、その搬送路がスタッカコンベア3の入り口部とほぼ一致する高さに位置するように配置されている。一方、スタッカコンベア3はその入り口側に形成された上り勾配部3aと、それに続いて形成され、ワーク集積部2の底部を兼ねる水平部3bとを有している。そして、送込みコンベア6からスタッカコンベア3に受け渡されたワークW0は、この上り勾配部3aによって上向きの状態でワーク集積部2内に進入し、水平部3bに積み上がっているワークWの最下部に潜り込む。このようにして、ワークWは、ワーク集積部2内に順次集積されてゆく。また、ワークストッパ4は、スタッカコンベア3の水平部3b上に積層されるワークWのうち、下側の所定枚数のものW1の前方側への移動が阻止されるように、その高さが設定されている。
【0025】
送込みコンベア6の出口部にはワークセンサ7が設けられている。図1(a)に示すように、ワークセンサ7は、送込みコンベア6によるワークWの搬送路を上下に挟んで一方の側に設けられた投光部7aから、他方の側に設けられた受光部7bに向かう光がワークWによりさえぎられることに基づき、これを検出する透過形光センサとして構成されており、送込みコンベア6上を所定の間隔で搬送されてくるワークWの例えば先端を検出することにより、その数量を検出する役割を果たす。なお、ワークWの表面で反射された投光部からの光を受光部で受けることによりこれを検出する反射形の光センサや、CCDセンサ等の画像センサ、あるいは近接スイッチなど、他の種類のセンサを用いてもよい。
【0026】
送込みコンベア6の送りロール6aには、例えばロータリーエンコーダ等で構成されて送りロール6aの回転速度(すなわち、ワークWの送り速度)に対応した間隔のパルス信号を発生する送込みコンベアパルス発生器(以下、単にパルス発生器ともいう)8が設けられている。このパルス発生器8は、ワークセンサ7を通過した後のワークWの前端部の位置をそのパルス数に基づいて検出する役割を果たす。なお、スタッカコンベア3は、送込みコンベア6に対してその増速率が一定となるように駆動されている。従って、スタッカコンベア3によるワーク集積部2へのワークWの供給速度(進入速度)及びワーク集積部2内におけるワークWの先端位置は、パルス発生器8のパルス間隔に基づいて算出することができる。これらの算出値は、後述するRAM35(図5)のワーク速度メモリ35h及びワーク先端位置メモリ35iに格納される。
【0027】
次に、キッカー5は、送出されるべきワークWの積層方向に沿って配置される長尺の本体部分5aと、その本体部分5aの下端部から後方へ突出するようにこれとに一体的に設けられた押さえ部5bとを備えたものが、図2に示すように、ワークWの幅方向において左右に1組ずつ配置されており、両本体部分5aは連結部材5cにより互いに連結されている。そして、図1(a)に示すように、各キッカー5は、昇降機構9及び横移動機構10により、上下方向(以下、Y方向という)及び前後方向(すなわち、ワーク送り方向;以下、X方向という)に一体的に移動可能とされている。また、図2に示すように、押さえ部5bは、共通の回転軸5dにより各本体部分5aに対し上下に回転可能に取り付けられており、図10に示すように、上方に開いた位置とほぼ水平な位置との間でロータリアクチュエータ等で構成された押さえ部駆動アクチュエータ17(図2)により回転駆動される。また押さえ部5bの底面には、複数の補助ローラ5eが前後に並んで取り付けられている。
【0028】
図1(b)に示すように、昇降機構9は、例えば送りヘッド11に対し本体部分5aをスライド可能に貫通させ、該本体部分5aの長手方向に沿ってラック9aを取り付けるとともに、送りヘッド11側に設けられてこれに噛み合うY方向移動ピニオン9bを正逆両方向に回転可能なキッカーY駆動モータ(以下、単にY駆動モータという)12により回転させることにより、該本体部分5aを昇降駆動する構成とすることができる。また、横移動機構10は、同図(c)に示すように、高さが固定に設けられて水平方向に延びる横移動ガイド14に取り付けられたラック10aに、送りヘッド11側に設けられたX方向移動ピニオン10bを噛み合わせ、これを正逆両方向に回転可能なキッカーX駆動モータ(以下、単にX駆動モータという)13により駆動して、キッカー5を送りヘッド11とともに横移動ガイド14に沿って移動させる構成とすることができる。なお、Y駆動モータ12及びX駆動モータ13には、それぞれその回転量を検出して、キッカー5のY方向及びX方向の位置を検出するための回転センサ15及び16が接続されている。
【0029】
次に、ワークストッパ4の下流側にはこれと隣接して、押上部材を兼ねる補助ストッパ18が配置されており、補助ストッパ昇降シリンダ19により、その上端の高さがワークストッパ4の上端と同じかそれよりも低くなる下降位置と、同じく所定高さだけ高くなる上昇位置との間で昇降駆動されるようになっている。また、図3に示すように、その上端には、その幅方向に沿って補助ローラ20が自由な回転を許容された状態で取り付けられている。なお、図4に示すように、ワークストッパ4の幅方向におけるその一部分を他の部分に対し昇降可能に形成し、これを補助ストッパ18とする構成も可能である。一方、図2に示すように、補助ストッパ18のさらに下流側には、排出コンベア21が設けられている。
【0030】
図5は、カウンタエジェクタ1の制御装置30の構成を示している。すなわち、制御装置30は、I/Oポート32と、これに接続されたCPU33、ROM34、RAM35等で構成される中央制御部31を備える。そのI/Oポート32には、ワークセンサ7、送込みコンベアパルス発生器8、回転センサ15及び16がつながれる。また、I/Oポート32には、モータ駆動装置39及び41、アクチュエータ駆動装置43、シリンダ駆動装置45が接続されており、それぞれX駆動モータ13、Y駆動モータ12、押さえ部駆動アクチュエータ17及び補助ストッパ昇降シリンダ19がつながれる。また、RAM35には、ワークセンサ7がワークWを検出しているか否かに対応してオン又はオフとなるセンサフラグ(F)35a、送込みコンベアパルス発生器8からのパルス数をカウントするパルスカウンタ(P)35b、ワーク長(L)メモリ35c、ワーク厚(T)メモリ35d、ワークカウンタ(N)35e、残留枚数(NR)設定メモリ35f、送り枚数(NT)設定メモリ35g、ワーク速度メモリ35h、ワーク先端位置メモリ35i等が形成されている。また、ROM34には、カウンタエジェクタ1の作動制御を司る制御プログラムが格納されている。なお、L、T、NR、NTの各値は、I/Oポート32に接続された入力部36から入力される。なお、中央制御部31は、送出駆動制御手段及び昇降機構駆動制御手段の役割を果たす。
【0031】
以下、カウンタエジェクタ1の作動について、図6〜9のフローチャートを用いて説明する。まず、図6のS1において、ワークカウンタNをクリアし、キッカー5をスタート位置へ移動させる。このスタート位置は、図10に示すように、ワーク集積部2に集積されるワークWの長さ方向中央において、押さえ部5bの底面がスタッカコンベア3の水平部3bに対し、ほぼワークW1枚分の厚さ(ワーク厚TとしてRAM35に記憶されている)分だけ上方に位置するように設定される。次に、送込みコンベア6により搬送されるワークWの先端をワークセンサ7が検出すると(すなわち、センサフラグFがオンになると)、パルス発生器8(図1)からのパルス信号のカウントが開始され(S2)、S3において図10に示すように、押さえ部駆動アクチュエータ17(図2)が作動して、押さえ部5bが上方に開いた状態となる。そして、パルスカウンタPの値から、ワークWの先端が押さえ部5bの下側に入ったことが確認されると、押さえ部5bは下方へ回転して、傾斜した状態でワーク集積部2内に進入してくるワークWを下向きに付勢して、その傾斜状態を解消する(S4、S5)。次いでS6に進み、ワークカウンタNの値がインクリメントされる。
【0032】
図7に進み、S7で次のワーク検出に伴いセンサフラグFがオンになると、Y駆動モータ12が作動して、ワーク厚Tに対応して設定される1ステップ分だけキッカー5が上昇し、ワークカウンタNがインクリメントされる(S8、S9)。こうして、ワーク集積部2内に導入されるワークの枚数がカウントされてゆく。ここで、順次集積されるワークWへの積層乱れを防止するために、キッカー5の押さえ部5bの底面の位置は、ワークWに対し所定の押さえ付け力が生ずるように調整される。この場合、押さえ部5bの底面が、積み上がったワークWの上面よりもわずかに低くなるように、各上昇ステップの押さえ部5bの定位置を設定し、上昇後は押さえ部5bがその定位置を常に保持するようにY駆動モータ12の駆動を制御することができる。なお、押さえ部5bは、通常時はワークWの上面と接触しないようにしておき、積層乱れ等の発生に伴ない、ワークWの上面位置が上昇した場合にこれと接触して、ワークWの積層方向に相対的な押しつけ力を生じさせ、上記積層乱れを解消するように構成することもできる。
【0033】
一方、新しいワークW0は、例えば図11に示すように、ワーク集積部2内に積層されているワーク(以下、ワーク積層体という)W1に対し斜め下方から潜り込んでくるので、上側のワーク積層体W1はその潜り込みに伴い持ち上げられることとなる。この持ち上がり量は、積層体W1に対するワークW0の潜り込み長さに対応して変化するので、例えばパルスカウンタPの値から潜り込み長さを算出するとともに、その算出値に対応する積層体W1の持ち上がり量を予測し、その予測される持ち上がり量に応じてワーク積層体W1に対する押さえ力が変化するように、押さえ部5bの高さ制御を行うことができる。図20は、その制御パターンの一例を示しており、ワーク積層体W1 の持ち上がりに伴い押さえ部5bが上昇しようとした場合、ワーク押さえ力がその予測される上昇量にほぼ比例して増大するように制御されている。この制御は、Y駆動モータ12の駆動制御により行ってもよいが、図21に示すように、本体部分5aの中間に弾性部材5fを設け、ワーク積層体W1により押さえ部5bが持ち上げられると、この弾性部材5fが圧縮されるようにし、その弾性復帰力により押さえ部5bを下向きに付勢して、上記押さえ力を調整する構成とすることも可能である。
【0034】
図7に戻り、ワークカウンタNの値が、ワークストッパ4によりワーク集積部2内に残留させることができる最大枚数(残留枚数NR)に到達すると、ワークカウンタNの値は一旦クリアされる(S10、S11)。なお、NRは、ワークストッパ4の高さとシート厚Tに基づいて算出するようにしてもよい。そして、図8に進み、S12においてセンサフラグFがオンになると、ワークWのカウントが再開され、キッカー5の上昇が続行される(S13〜S15)。そして、ワークカウンタNの値は、送出されるべきワークWの枚数(送り枚数NT)に到達するとクリアされ、さらに図12に示すように、キッカー5は、積層されたワークWの上面から押さえ部5bの底面が離間する位置まで上昇した後、X駆動モータ13により、ワークWの後方に設定された所定の位置まで後退し、さらにY駆動モータ12により、押さえ部5bの底面がワークストッパ4の上端に対応する送出開始位置まで下降する(S17)。
【0035】
また、S18において、ワーク集積部2に新たに進入してきているワークW0の先端位置とその速度がRAM35のワーク速度メモリ35h及びワーク先端位置メモリ35iからそれぞれ読み出される。そして、図13に示すように、この状態からキッカー5を前進させることにより、ワークストッパ4の上端から突出して積み上がっているNT枚のワークW2が前方へ押し出されるようにして送出される(S19)。このとき、キッカー5は、押さえ部5bのほぼ中心近傍と、新たに供給されるワークW0の先端が一致した状態を維持しつつ、読み出されたワークW0の先端位置と速度を参照することにより、ワークW0の進入速度とほぼ等しい速度で移動する。また、その底面において補助ローラ5eの回転により補助されつつ、下側の残留するワークW1を下方に押さえ付けながら移動する。
【0036】
図14に示すように、キッカー5は、ワーク集積部2内に残留しているワークW1の、長さ方向中央付近(前述のスタート位置に対応)に設定された押さえ位置に到達すると、その移動を停止する(S20、S21)。この段階で、送出されたワークW2は前端側が排出コンベア21に受け渡された状態となっており、以降はこの排出コンベア21によりさらに下流側へと排出される。ここで、図22に示すように、押さえ部5b底面の補助ローラ5eに対し、その回転をロックする補助ローラロックブレーキ23(中央制御部31に対し、ブレーキ駆動装置44を介して接続される。図5参照)を設けておき、キッカー5が上記押さえ位置に到達するとともに、補助ローラ5eの回転をロックするように構成することができる。こうすれば、送出されるワークW2からの摩擦により、残留するワークW1の上層に位置するものが連れ送りされようとした場合に、ロックされた補助ローラ5eとワークW1との間にこれと逆向きの摩擦力が働いて、該連れ送りを防止ないし抑制することができる。この場合、補助ローラ5eの表面を、ゴム等の摩擦係数の大きい材質で構成しておけば上記効果がより高められる。
【0037】
一方、図19に示すように、吸引保持機構54をキッカー5と一体移動可能に設けておき、キッカー5が押さえ位置に到達した後は、この吸引保持機構24によりワークW1の最上層のものを吸引・保持して、上記連れ送りを阻止するように構成してもよい。
【0038】
次に、図15に示すように、排出されるワークW2の中央が補助ストッパ18の位置を通過すると昇降シリンダ19が作動し、該補助ストッパ18がワークストッパ4よりも上方へ突出した位置まで上昇するとともに、ワークW2を押し上げる(図9:S22、S23)。これにより、ワークW2は、その後端側が下側の残留するワークW1の上面から離間するとともに、補助ストッパ18の上端に取り付けられた補助ローラ20によりその移動を補助されつつ排出される。これにより、ワークW2とワークW1との接触が回避され、ワークW1の上層に位置するものがワークW2からの摩擦により、ワークストッパ4を乗り越えて連れ送りされることが防止される。また、補助ストッパ18はワークストッパ4よりも上方へ突出しているので、万が一ワークW2の後端側がワークW1の上面と接触して上述の連れ送りが生じても、この補助ストッパ18によりその移動を阻止することができる。なお、補助ストッパ18は、ワーク排出されるワークW2の後端が通過するに伴ない下降して、原位置へ戻る。またここで、図17に示すように、補助ローラ20を回転駆動する補助ローラ駆動モータ24(図5において、モータ駆動装置46を介してI/Oポート32に接続される)を設けておけば、ワークW2の排出を一層スムーズに行うことができる。また、図16に示すように、補助ストッパ18の上昇位置を、送出されるワークW1は押し上げず、かつワークストッパ4の上端よりは高くなるように設定して、連れ送りされるワークW1の移動のみを阻止するように設定することもできる。この場合は、補助ローラ20を省略することが可能である。
【0039】
図9に戻り、ワークW2の送出が完了すると、S24から図8のS12に戻って以下の工程、すなわちワークWがNT枚カウントされる毎にキッカー5によりワークの送出が行われる工程が繰り返される。
【0040】
なお、図18に示すように、キッカー5とは別に、ワークWの積層高さに合わせて昇降する補助押さえ部材25により、積層されたワークWを上方から押さえ付けてその積層乱れを防止する構成とすることもできる。図18において、補助押さえ部材25は、ガイド27により昇降可能に支持された上下に長い棒状に形成されており、下端に回転可能に取り付けられたロール29において積層されたワークWの上面前方側に当接し、その自重によりワークWを押さえ付けるとともに、ワークWの積層高さの増減に伴い昇降するようになっている。また、ワークWがキッカー5により送出される際には、ロール29が回転してその送出に対する抵抗を減少させる。
【0041】
なお、以上説明したカウンタエジェクタ1の構成においては、補助ストッパ18は省略する構成としてもよい。また、逆に、補助ストッパ18の作用により、ワーク集積部2内に残留させるワークWの連れ送りが十分に防止できる場合には、図1に示すキッカー5に代えて、例えば図23に示す態様のキッカー106を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカウンタエジェクタの一構成例を概念的に示す側面図。
【図2】キッカーの背面図。
【図3】補助ストッパの一例を示す斜視図。
【図4】その変形例を示す斜視図。
【図5】図1のカウンタエジェクタの制御系の構成を示すブロック図。
【図6】図1のカウンタエジェクタの作動制御の流れを示すフローチャート。
【図7】図6に続くフローチャート。
【図8】図7に続くフローチャート。
【図9】図8に続くフローチャート。
【図10】図1のカウンタエジェクタの作動工程説明図。
【図11】図10に続く作動工程説明図。
【図12】図11に続く作動工程説明図。
【図13】図12に続く作動工程説明図。
【図14】図13に続く作動工程説明図。
【図15】図14に続く作動工程説明図。
【図16】補助ストッパの変形例を示す側面図。
【図17】同じく別の変形例を示す側面図。
【図18】キッカーとは別に補助押さえ部材を設けたカウンタエジェクタの例を示す側面図。
【図19】吸引保持機構を備えたカウンタエジェクタの例を示す側面図。
【図20】キッカーの押さえ部下面位置に対応する、ワーク押さえ力の制御パターンの例を示す説明図。
【図21】ワーク押さえ力調整用のばねを備えたキッカーの例を示す側面断面図。
【図22】押さえ部の補助ロールにロックブレーキを設けたキッカーの構成を示す側面模式図。
【図23】従来のカウンタエジェクタの構成及び作用を示す説明図。
【図24】従来のカウンタエジェクタにおいて、ワークに連れ送りが生ずる様子を示す説明図。
【符号の説明】
1 カウンタエジェクタ
2 ワーク集積部
4 ワークストッパ
5 キッカー(ワーク送り部材)
5a 本体部分
5b 押さえ部分
8 送込みコンベアパルス発生器
9 昇降機構
10 横移動機構
18 補助ストッパ(押上部材)
19 補助ストッパ昇降シリンダ
20 補助ローラ
31 中央制御部(送出駆動制御手段、昇降機構駆動制御手段)
54 吸引保持機構
Claims (16)
- 上流側から供給されるシート状ワークを、集積されたワークの最下部に潜り込ませる形で順次受け入れて、これを所定枚数まで積み上げるワーク集積部と、
そのワーク集積部に前記ワークを集積中には、積み上げられたワークの上方に位置して該ワークをその積層方向に押し付け又は該ワークと接触することにより、新たなワークの潜り込みに伴うその積層乱れを阻止する一方、前記ワークの集積終了後には、その積層されたワークの後方へ移動して、これを下流側へ送り出すワーク送り部材と、
を備えたことを特徴とするカウンタエジェクタ。 - 前記ワーク集積部において前記ワークの送出方向前方側に設けられ、該ワーク集積部内に積層されたワークのうち、下側の所定枚数のワークの送出は阻止する一方、残余の上側のワークの送出は許容するワークストッパを備え、
前記ワーク送り部材は、前記ワーク集積部へのワークの集積中において、前記ワークストッパにより送出を阻止されるべきワークのうち上層に位置するものが、前記積層乱れにより前記ワークストッパよりも上方にせり出すことを阻止するものとされている請求項1記載のカウンタエジェクタ。 - 前記ワーク集積部に集積されたワークは、下側の所定枚数のものを該ワーク集積部に残留させた状態で、残余の上側のものが前記ワーク送り部材により下流側に送出されるとともに、
前記ワーク送り部材は、その上側のワークを送出する際においても、前記ワーク集積部に残留させるべきワークをその積層方向に押し付ける又は該ワークと接触する状態を維持する請求項1又は2に記載のカウンタエジェクタ。 - 前記上流側からのワークは、前記ワーク送り部材によるワークの送出と対応する方向において、前記ワーク集積部に集積されたワークの最下部に対し進入するとともに、
前記上側のワークを送出するための前記ワーク送り部材の移動が、前記ワーク集積部へのワークの進入と同期するように、該ワーク送り部材の駆動を制御する送出駆動制御手段が設けられている請求項3記載のカウンタエジェクタ。 - 前記送出駆動制御手段は、前記ワーク集積部へ進入する前記ワークの前端部に対し、前記ワーク送り部材の位置をその移動方向において一致させた状態で、前記ワーク送り部材の駆動を制御するものである請求項4記載のカウンタエジェクタ。
- 前記ワーク送り部材を昇降させる昇降機構が設けられ、
前記ワーク送り部材は、前記ワークの集積終了後においてその昇降機構により、前記積層されたワークと干渉しない位置まで上昇させられるとともに、その状態で該ワークの後方へ移動するようになっている請求項1ないし5のいずれかに記載のカウンタエジェクタ。 - 前記ワーク送り部材を昇降させる昇降機構と、
前記ワーク集積部へのワークの集積中において、そのワークの集積高さの増大と同期して前記ワーク送り部材が上昇するように、前記昇降機構の駆動を制御する昇降機構駆動制御手段とを備える請求項1ないし6のいずれかに記載のカウンタエジェクタ。 - 前記ワーク送り部材は、
送出されるべきワークの積層方向に沿って配置され、該積層されたワークの後方側に当接して移動することによりこれを送出する本体部分と、
その本体部分の下端から、前記ワークの送出方向後方側に突出してこれと一体的に設けられ、前記ワークの集積中においては、自身の下面側においてその積み上げられたワーク上面に接触する押さえ部とを備えている請求項1ないし7のいずれかに記載のカウンタエジェクタ。 - 前記ワークは前記ワーク集積部に対し下側から傾いた状態で供給されるとともに、
前記押さえ部は、前記本体部に対し、そのシートの受入側が上下に開閉可能に取り付けられており、前記ワーク集積部に最初に供給されるワークの先端部を、上方に開いた状態で自身の下側に受け入れた後、下方へ閉じることにより、該ワークを前記先端部において下向きに付勢して、その傾斜状態を解消するものとされている請求項8記載のカウンタエジェクタ。 - 上流側から供給されるシート状のワークを、集積されたワークの最下部に潜り込ませる形で順次受け入れて、これを所定枚数まで積み上げるワーク集積部と、
そのワーク集積部に集積されたワークのうち、下側の所定枚数のものを該ワーク集積部に残留させた状態で、残余の上側のものを下流側に送出するワーク送り部材と、
前記ワーク集積部において前記ワークの送出方向前方側に設けられ、該ワーク集積部に残留させるべきワークの送出は阻止し、前記残余の上側のワークの送出は許容するワークストッパと、
そのワークストッパよりも下流側に設けられ、前記ワーク集積部に残留させるべきワークのうち、送出されるワークとの間の摩擦により、前記ワークストッパを乗り越えて連れ送りされてくるものの移動を阻止する補助ストッパと、
を備えたことを特徴とするカウンタエジェクタ。 - 上流側から供給されるシート状のワークを、集積されたワークの最下部に潜り込ませる形で順次受け入れて、これを所定枚数まで積み上げるワーク集積部と、
そのワーク集積部に集積されたワークのうち、下側の所定枚数のものを該ワーク集積部に残留させた状態で、残余の上側のものを下流側に送出するワーク送り部材と、
前記ワーク集積部の下流側に設けられ、前記送出されるワークを下側から押し上げることにより、該ワークから前記ワーク集積部内に残留するワークへ作用する荷重を減少させて、その残留させるべきワークが前記送出されるワークとの間の摩擦により連れ送りされることを阻止する押上部材と、
を備えたことを特徴とするカウンタエジェクタ。 - 前記押上部材は、前記送出されるワークの中央部が通過した時点で該ワークを押し上げることにより、そのワークの後端側を、前記残留させるべきワークから離間させるようになっている請求項11記載のカウンタエジェクタ。
- 前記ワーク集積部において前記ワークの送出方向前方側に設けられ、該ワーク集積部に残留させるべきワークの送出は阻止し、前記上側のワークの送出は許容するワークストッパを備え、
前記押上部材は、その上端が前記ワークストッパの上端よりも高くなる位置まで上昇して前記送出されるワークを押し上げるとともに、前記ワーク集積部に残留させるべきワークのうち、送出されるワークとの間の摩擦により、前記ワークストッパを乗り越えて連れ送りされてくるものの移動を阻止する補助ストッパとしても機能する請求項11又は12に記載のカウンタエジェクタ。 - 前記押上部材の上端には、前記送出されるワークの移動を補助する補助ローラが設けられている請求項11ないし13のいずれかに記載のカウンタエジェクタ。
- 前記ワーク送り部材は、前記ワーク集積部に前記ワークを集積中には、積み上げられたワークの上方に位置して該ワークをその積層方向に押し付け又は該ワークと接触することにより、新たなワークの潜り込みに伴うその積層乱れを阻止する一方、前記ワークの集積終了後には、その積層されたワークの後方へ移動して、これを下流側へ送り出すものとされている請求項11ないし14のいずれかに記載のカウンタエジェクタ。
- 前記ワーク送り部材は、前記ワーク集積部に集積されたワークのうち、下側の所定枚数のものを該ワーク集積部に残留させつつ、残余の上側のものを下流側に送出するものとされる一方、
前記ワーク集積部内に残留させるべきワークの最上層のものを吸引・保持することにより、該ワークが前記送出されるワークとの間の摩擦により連れ送りされることを阻止する吸引保持機構が設けられている請求項1ないし15のいずれかに記載のカウンタエジェクタ。
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