JP3620693B2 - 車両用ドアにおけるインサイドハンドル配設部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、四輪自動車のサイドドア等の車両用ドアにおけるインサイドハンドル配設部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は四輪自動車に従来より用いられているサイドドア1を示すものであって、このサイドドア1は、ドアインナパネル2とドアアウタパネル3とを閉断面形状に結合してなるドアパネル部4と、このドアパネル部4の上部のドアサッシュ部5とから構成されている。そして、ドアインナパネル2の内面側(車室側)にドアトリム6が取付けられると共に、サイドドア1のベルトラインすなわちドアパネル部4の上部の帯状部分よりも下方であってかつこのベルトラインの近傍箇所にインサイドハンドルアッセンブリ7が配設されている。また、図6に示すように、ドアインナパネル2とドアトリム6との間にはシーリングカバー8が貼付けられている。さらに、前記ベルトラインの部分においては、ドアインナパネル2とドアアウタパネル3との間にインナリーンフォースメント9が配設されると共に、このインナリーンフォースメント9がドアインナパネル2の裏面側に取付けられている。そして、図7に示す如く、このインナリーンフォースメント9よりも外側の位置にウインドガラス10が配設されている。
【0003】
上述のインサイドハンドルアッセンブリ7は、サイドドア1のロック状態を解除するためのインサイドハンドル11と、このインサイドハンドル11の後部部分に対応配置されるハンドルカバー(ハンドル収容用ケース)12と、このハンドルカバー12の後部に一体形成された一対の爪部13a,13bとから成る組立体である。サイドドア1へのインサイドハンドルアッセンブリ7の取付けに当たっては、まず、ドアトリム6に対して車室側からインサイドハンドルアッセンブリ7の爪部13a,13bをシーリングカバー8の開口14a,14b及びドアインナパネル2の開口15a,15bにそれぞれ挿入し、次いでインサイドハンドルアッセンブリ7を図6において矢印Xで示す方向にスライドさせることにより前記爪部13a,13bをドアインナパネル2の開口15a,15bの周縁部に係着させた状態とし、この状態の下でインサイドハンドルアッセンブリ7のハンドルカバー12を図外のスクリューにてドアインナパネル2に締付固定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の如きサイドドア1における従来のインサイドハンドルアッセンブリ配設部構造では、ドアインナパネル2とドアトリム6との間に貼付けられるシーリングカバー8には爪部13a,13bを挿通するための開口14a,14bがあるため、ドアインナパネル2に形成された爪部挿通用の開口15a,15bを通して車室内の側に入り込んだ冷気や、ウインドガラス10を伝わって前記開口15a,15bを通して車室内の側に入り込んだ水16(図7参照)が、シーリングカバー8の開口14a,14bを通って車室内に侵入してしまうおそれがある。
【0005】
また、上述の如き従来の車両用ドアにおけるインサイドハンドル配設部の構造にあっては、インサイドハンドルアッセンブリ7の配設部の剛性がドアインナパネル2の板厚に依存して変化するので、ドアインナパネル2の板厚が薄い場合には剛性が低下し、これに起因してインサイドハンドル11の回動操作時にドアインナパネル2がたわみ、操作フィーリングが悪くなるという不具合を生じる。
【0006】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、インサイドハンドルアッセンブリの取付けのためにドアインナパネルやシーリングカバー等に設けられる開口を通して冷気や水等が車室内に侵入するのを防止でき、しかもドアインナパネルの板厚が薄い場合であってもインサイドハンドルアッセンブリ配設部の剛性を高めることができてインサイドハンドルの操作フィーリングの向上を図ることができるような車両用ドアにおけるインサイドハンドル配設部構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、車両用ドアのベルトライン部分に沿って延びるようにドアインナパネルの裏面側に取付けられるインナリーンフォースメント本体部の下方位置にインサイドハンドルアッセンブリを配設するようにした車両用ドアにおけるインサイドハンドル配設部構造において、前記インナリーンフォースメント本体部のうちインサイドハンドルアッセンブリの配設箇所に対応する部分に、前記インサイドハンドルアッセンブリの配設箇所まで下方に向けて凸状に延びると共に、前記ドアインナパネルに対向する側の部分が開放された箱状部と、前記箱状部の開放端の全周に屈曲形成されたフランジとを有する延設部を一体成形し、前記インナリーンフォースメントの延設部にて前記インサイドハンドルアッセンブリの配設部を覆うように構成している。
また、本発明では、前記インサイドハンドルアッセンブリの配設箇所の周縁に対応する箇所において、前記インナリーンフォースメントの延設部のフランジと前記ドアインナパネルとを溶接結合するようにしている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施態様について図1〜図4を参照して説明する。なお、図1〜図4において、図5〜図7と同様の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0009】
図1は本発明の一実施態様に係るインサイドハンドル配設部構造を備えた四輪自動車のサイドドア20を示すものである。本実施形態においては、サイドドア20のベルトライン部分においてドアインナパネル2とドアアウタパネル3との間に配設されると共にドアインナパネル2の裏面側に取付けられるインナリーンフォースメント9(ドアインナパネル2の補強材)の本体部(インナリーンフォースメント本体部)9aの所定箇所に、インサイドハンドルアッセンブリ7を覆うための延設部9bが図2に示す如く一体成形されている。この延設部9bは、インサイドハンドルアッセンブリ7の配設箇所に対応する部分においてインナリーンフォースメント9の本体部9aから下方に向けてインサイドハンドルアッセンブリ7の配誤箇所まで延びるように凸状に延設されており、ドアインナパネル2に対向する側の部分が開放された箱状部(窪み形状部)22と、この箱状部22の開放端の周縁に屈曲形成されたフラシジ23とをそれぞれ有している。なお、上述の箱状部22の寸法形状は、インサイドハンドルアッセンブリ7のハンドルカバー12に対応する形状であってかつ前記ドアインナパネル2の開口15a,15bを箱状部22の開放口内に収容し得るような寸法形状に成形されている。
【0010】
かくして、インナリーンフォースメント9は次のようにしてドアインナパネル2に取付けられるようになっている。すなわち、インナリーンフォースメント9の本体部9aがドアインナパネル2のベルトライン箇所(上端縁部分)及びドアサッシュ部5の後部下方箇所に当てがわれてドアインナパネル2にスポット溶接にて結合されると共に、インナリーンフォースメント9の延設部9bのフランジ23がインサイドハンドルアッセンブリ7のハンドルカバー12の周囲に対応する箇所においてハンドルカバー12を取り囲むように配置されてドアインナパネル2に当てがわれ、この状態の下でドアインナパネル2にスポット溶接Sにて結合されるようになっている(図1及び図4参照)。なお、上述のスポット溶接Sは、図1に明示するようにインサイドハンドルアッセンブリ7の配設部を取り囲む周縁領域においてほぼ等間隔を隔てて複数箇所で行われる。これにより、図3及び図4に示すように、インサイドハンドルアッセンブリ7の配設部がインナリーンフォースメント9の延設部9bの箱状部22にて覆われ、ハンドルカバー12の爪部13a,13bが挿通されるドアインナパネル2の開口15a,15bが前記箱状部22により覆われ、これに伴い前記開口15a,15bが前記箱状部22の外側領域から遮蔽された状態となされるように構成されている。
【0011】
このような構成のインサイドハンドル配設部構造によれば、ドアインナパネル2のインサイドハンドル配設部(インサイドハンドルアッセンブリ7の配設部)の裏面部分(車外側部分)はインナリーンフォースメント9の延設部9bにてその全周が覆われるため、冷気や、ウインドガラス10を伝わってくる水等は前記延設部9bに受けられてその外表面上に沿って流れることとなり、従ってこれらがドアインナパネル2の開口15a,15bを通って車室内へ侵入するような不具合を防止することが可能となる。
【0012】
また、前記延設部9bのフランジ23をドアインナパネル2のインサイドハンドル配設部のまわりを取り囲むように配置してドアインナパネル2にスポット溶接Sにて結合するようにしたので、スポット溶接を行ったことによりインサイドハンドル配設部の剛性の向上を図ることができる。そのため、インサイドハンドル11の回動操作時にインサイドハンドル配設部がたわんでしまうような不具合を回避することができ、ひいてはインサイドハンドル11の回動操作時における操作フィーリングを向上させることができる。
【0013】
以上、本発明の一実施態様につき述べたが、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、インサイドハンドルアッセンブリ7の配設部を覆うインナリーンフォースメント9の延設部9bの形状は必要に応じて各種の箱形状に変更可能である。また、既述の実施形態ではインナリーンフォースメント9の延設部9bとドアインナパネル2とをスポット溶接するようにしたが、アーク溶接等の各種の溶接によりこれらを結合するようにしても良い。さらに、本発明は四輪自動車のサイドドア1に限らず、他の各種の車両用ドア(バックドア等)にも適用可能である。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明は、インナリーンフォースメント本体部のうちインサイドハンドルアッセンブリの配設箇所に対応する部分に、前記インサイドハンドルアッセンブリの配設箇所まで下方に向けて凸状に延びると共に、前記ドアインナパネルに対向する側の部分が開放された箱状部と、前記箱状部の開放端の全周に屈曲形成されたフランジとを有する延設部を一体成形し、前記インナリーンフォースメントの延設部にて前記インサイドハンドルアッセンブリの配設部を覆うように構成したものであるから、車外の冷気や、ウインドガラスを伝わってくる水等はインナリーンフォースメントの延設部に受けられてその外表面上に沿って流れることとなるので、冷気や水等の車内への浸入を防止することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の本発明は、インサイドハンドルアッセンブリの配設箇所の周縁に対応する箇所において、前記インナリーンフォースメントの延設部のフランジと前記ドアインナパネルとを溶接結合するようにしたものであるから、インサイドハンドル配設部の剛性が上がり、インサイドハンドル操作時にドアインナパネルがたわんでしまうような不具合を防止することができ、ひいてはインサイドハンドルの操作フィーリングの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るインサイドハンドル配設部構造を備えた四輪自動車のサイドドアの側面図である。
【図2】ドアインアパネルに取付けられるインナリーンフォースメントの斜視図である。
【図3】図1におけるA−A線拡大断面図である。
【図4】図1におけるB−B線拡大断面図である。
【図5】四輪自動車の従来のサイドドアの側面図である。
【図6】図5におけるC−C線拡大断面図である。
【図7】図5におけるD−D線拡大断面図である。
【符号の説明】
1,20 サイドドア
2 ドアインナパネル
3 ドアアウタパネル
7 インサイドハンドルアッセンブリ
8 シーリングカバー
9 インナリーンフォースメント
9a 本体部
9b 延設部
10 ウインドガラス
11 ドアインサイドハンドル
12 ハンドルカバー
13a,13b 爪部
14a,14b シーリングカバーの開口
15a,15b ドアインナパネルの開口
16 水
22 箱状部
23 フランジ
Claims (2)
- 車両用ドアのベルトライン部分に沿って延びるようにドアインナパネルの裏面側に取付けられるインナリーンフォースメント本体部の下方位置にインサイドハンドルアッセンブリを配設するようにした車両用ドアにおけるインサイドハンドル配設部構造において、前記インナリーンフォースメント本体部のうちインサイドハンドルアッセンブリの配設箇所に対応する部分に、前記インサイドハンドルアッセンブリの配設箇所まで下方に向けて凸状に延びると共に、前記ドアインナパネルに対向する側の部分が開放された箱状部と、前記箱状部の開放端の全周に屈曲形成されたフランジとを有する延設部を一体成形し、前記インナリーンフォースメントの延設部にて前記インサイドハンドルアッセンブリの配設部を覆うように構成したことを特徴とする車両用ドアにおけるインサイドハンドル配設部構造。
- 前記インサイドハンドルアッセンブリの配設箇所の周縁に対応する箇所において、前記インナリーンフォースメントの延設部のフランジと前記ドアインナパネルとを溶接結合するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアにおけるインサイドハンドル配設部構造。
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Applications Claiming Priority (1)
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