JP3620087B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は画像処理装置に関し、特に、両面原稿をどの向きにセットしても表面と裏面の出力画像が逆にならないようにした画像形成装置に関する。
【０００２】
【従来技術】
画像形成装置によって読み取り走査される長方形状の両面原稿は以下のＡよりＤのタイプに分けられる（詳細は後述する）。
（１）タイプＡ
長辺綴じで画像上向き
（２）タイプＢ
長辺綴じで画像横向き
（３）タイプＣ
短辺綴じで画像上向き
（４）タイプＤ
短辺綴じで画像横向き
【０００３】
この両面原稿を副走査方向に反転する反転装置を使用して両面読み取りを行うと、読み取り画像は、両面原稿のプラテン上のセットの仕方によっては、奇数ページ（第１面）と偶数ページ（第２面）の間に１８０°の画像反転が生じる。従って、ページ合成、ファクシミリ送信、ホストスキャン、コピーのために両面原稿の読み取り走査を実行するときは、タイプＡよりＤの原稿の種類に応じてＬＥＦ（Ｌｏｎｇ Ｅｄｇｅ Ｆｅｅｄ）およびＳＥＦ（Ｓｈｏｒｔ Ｅｄｇｅ Ｆｅｅｄ）から１つの適当なセット方法を選択して両面原稿をセットしなければならない。
【０００４】
即ち、タイプＡ、Ｂの原稿はＬＥＦにセットし、タイプＣ、Ｄの原稿はＳＥＦにセットして画像反転を防止する必要がある（詳細は後述する）。
【０００５】
しかし、同時に画像の拡大縮小を行うときは、原稿のセットはＳＥＦにしなければならないため、タイプＡ、Ｂの両面原稿では、奇数ページと偶数ページの読み取り画像に１８０°の反転が生じる。これを防ぐためには、オペレータは原稿自動反転装置を使用しないで、奇数ページと偶数ページで画像の向きを変えて原稿をセットしなければならず、作業を非常に煩わしいものにする。
【０００６】
上述した両面原稿読取型の従来の画像形成装置として、例えば、特開平５−１１０８１４号公報および特開平５−２３２７６０号公報に示されるものがある。
【０００７】
特開平５−１１０８１４号公報に示される画像形成装置は、入力画像から文字認識によって文字の方向を検出し、その検出結果に基づいて出力画像の向きを変更してコピー画像の向きを揃えている。
【０００８】
また、特開平５−２３２７６０号公報に示される画像形成装置は、用紙の向きの検出と原稿の向きの検出を行い、その検出結果に基づいて出力画像を回転させている。その結果、原稿の置き方に関係なく正しい両面複写が得られるようにしている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の画像形成装置によると、特開平５−１１０８１４号公報にあっては、文字認識のできない写真やイラストだけの原稿には適用できないので、用途が制限されるという不都合があり、また、特開平５−２３２７６０号公報にあっては、例えば、前述したように、タイプＡ、Ｂの両面原稿をＳＥＦにセットしたときは、原稿および用紙の方向は検出できるものの偶数ページに生じる読み取り画像の１８０°反転を検出することができないので、奇数ページと偶数ページの出力画像に１８０°の反転が生じ、従って、ＳＥＦのセットを必要とする拡大縮小時に生じる画像の反転は避けられないという不都合がある。
【００１０】
従って、本発明の目的は、文字認識のできない写真やイラストの原稿であっても両面の出力画像が逆にならない画像出力装置を提供することである。
【００１１】
本発明の他の目的は、例えば、偶数ページの読み取り画像に１８０°の反転が生じたとしても奇数ページと偶数ページの出力画像を整合させ、それによって拡大縮小時の画像の反転を防ぐようにした画像形成装置を提供することである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を実現するため、原稿綴じ辺を有する原稿を自動反転して前記原稿の両面を読み取り走査し、この読み取り走査によって得られた画像信号に回転処理を施して両面で整合のとれた画像を形成する画像形成装置において、前記原稿綴じ辺を長辺あるいは短辺として指定する原稿綴じ辺指定手段と、前記原稿の画像の向きを指定する原稿画像方向指定手段と、読み取り走査のためにセットされた前記原稿のセット方向を検出する原稿セット方向検出手段と、前記整合のとれた画像の出力形態を判定する出力形態判定手段と、前記綴じ辺、前記画像の向き、前記セット方向および前記出力形態に基づいて前記回転処理に要する回転角度を判定する回転角度判定手段と、前記回転角度が０°の前記画像信号をストアする第１メモリと、前記回転角度が０°以外の前記画像信号をストアする第２メモリと、前記第２メモリにストアされた前記画像信号に前記回転角度の回転処理を施して回転画像信号を発生する画像回転手段と、前記画像信号を前記回転角度に応じて前記第１メモリおよび前記第２メモリにストアするとともに前記回転画像信号を前記第１メモリにストアし、前記第１メモリから前記出力形態に応じた前記画像信号を読み出す制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明は上記の目的を実現するため、原稿綴じ辺を有する原稿を自動反転して前記原稿の両面を読み取り走査し、この読み取り走査によって得られた画像信号に回転処理を施して両面で整合のとれた画像を形成する画像形成装置において、前記原稿綴じ辺を長辺あるいは短辺として指定する原稿綴じ辺指定手段と、前記原稿の画像の向きを指定する原稿画像方向指定手段と、読み取り走査のためにセットされた前記原稿のセット方向を検出する原稿セット方向検出手段と、前記整合のとれた画像の出力形態を判定する出力形態判定手段と、前記綴じ辺、前記画像の向き、前記セット方向および前記出力形態に基づいて前記回転処理に要する回転角度を判定する回転角度判定手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
【００１３】
以上の画像形成装置において、読み取り走査のためにセットされた原稿が片面原稿か、あるいは両面原稿かの原稿の種類を指定する手段を設けても良い。この手段を設けたときは、セットされた原稿が両面原稿と指定されることにより原稿の反転が行われ、以後所定の動作が行われることによって両面で整合のとれた画像が出力される。この手段を設けないときは、例えば、原稿綴じ辺指定手段から綴じ辺が指定されたとき、両面原稿がセットされていると制御部に判断させるようにしても良い。
【００１４】
【作用】
読み取り走査のために両面原稿を原稿トレイにセットする。セットされた原稿は原稿セット方向検出手段によってセット方向が検出される。このセット方向の検出は原稿トレイ上で行われるが、プラテンガラス上あるいは搬送中に行われても良い。オペレータはこれと前後して原稿綴じ辺指定手段から原稿の綴じ辺が長辺であるか、あるいは短辺であるかを指定し、また、原稿画像方向指定手段から画像の向きが上向きであるか、あるいは横向きであるかを指定する。同時に、出力形態判定手段は、例えば、画像記録用紙、あるいは画像の転送先がファクシミリ装置あるいはホストである場合は、ファクシミリ装置の受信サイズあるいはホストからの指定サイズ等に応じて画像出力形態を判定する。このようにして、原稿の綴じ辺、原稿の画像の向き、原稿のセット方向、および画像の出力形態が指定、検出および判定されると、回転角度判定手段はこれらの情報に基づいて画像の回転角度を判定する。
【００１５】
画像の回転角度は読み取り走査によって得られた画像信号に施す回転処理において利用されるものであり、この回転処理によって第１面と第２面の出力画像が逆になるのを防ぐ。画像信号の回転角度が０°と判定されたときは、第１メモリにストアされ、回転角度が０°以外のときは第２メモリにストアされる。第２メモリにストアされた画像信号は画像回転手段にとって所定の回転角度だけ回転させられて回転画像信号とされ、第１メモリにストアされる。制御手段は画像信号を判定された回転角度に応じて第１メモリおよび第２メモリにストアし、また、出力指令があると、第１メモリから画像信号を読み出して出力画像を提供する。
【００１６】
【実施例】
図１は本発明の一実施例の画像形成装置を示し、画像信号発生部Ａと、画像記録部Ｂと、用紙供給搬送排出部Ｃより構成されている。
【００１７】
画像信号発生部Ａは、原稿４を載置する原稿トレイ３と、原稿４を自動供給するＡＤＦ（Ａｕｔｏｍａｔｉｃ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｅｅｄｅｒ）２と、プラテンカバー１を開いて原稿を置かれるプラテンガラス７と、原稿４を両面読み取りのために反転する原稿反転部５と、読み取り走査を受けた原稿が排出される原稿排出トレイ６と、ＡＤＦ読み取りガラス７ａと、通常（アイドル時）は待機位置Ｘを指向し、プラテン読み取り時は移動してプラテン読み取り位置Ｙを照射し、ＡＤＦ読み取り時は逆方向に移動してＡＤＦ読み取り位置Ｚを照射する光源ユニット８と、光源ユニット８とともに移動し、原稿４からの反射光を所定の光路に反射誘導する反射ミラー９と、反射ミラー９からの反射光を集束する集束レンズ１０と、集束レンズ１０からの原稿反射光によって画像信号を発生するＣＣＤイメージセンサ１１を有している。
【００１８】
画像記録部Ｂは、ＣＣＤイメージセンサ１１で発生した画像信号をストアしたメモリ（図示せず）から画像信号を入力し、その画像信号で変調されたレーザビームを出射するレーザビームスキャナユニット１７と、トナー像を形成する感光体ドラム１８と、トナー像の形成前に感光体ドラム１８を帯電する帯電部１６と、帯電を受けた後レーザビームによって形成された静電潜像をトナーで現像する現像部１９と、感光体ドラム１８上のトナー像を用紙供給搬送排出部Ｃより供給される用紙に転写する転写部１３と、転写後の感光体ドラム１８をクリーニングするクリーニング部１５と、用紙上のトナー像を定着する定着部１２を有する。
【００１９】
用紙供給搬送排出部Ｃは、各種サイズの用紙を収容した複数の用紙トレイ２０と、両面コピーのために用紙を反転する用紙反転部１４と、片面コピー後反転処理を受けた用紙を再び転写部１３へ供給する用紙両面モジュール２２と、画像記録を終了した用紙が排出される排出トレイ２１を有する。
【００２０】
図２は本発明の一実施例の画像形成装置における制御用ブロック図であり、制御部１００は信号発生用ブロックから信号を入力して対応する機能用ブロックを制御する構成を有する（図１と同一の符号は同一の部分を示す）。
【００２１】
信号発生用ブロックとしては、原稿４の原稿綴じ辺が長辺か短辺であるかを指定する原稿綴じ辺指定部３１と、原稿トレイ３上に置かれた原稿４の画像が搬送方向と同じ（横向き）か、あるいは直角（上向き）かを指定する原稿画像方向指定部３２と、スタート信号、テンキー信号等を発生するキー群３３と、原稿トレイ３上にセットされた原稿４の長辺が搬送方向に直交するときはセット方向としてＬＥＦ（ＬｏｎｇＥｄｇｅ Ｆｅｅｄ）の信号を出力し、短辺が搬送方向に直交するときはセット方向としてＳＥＦ（Ｓｈｏｒｔ Ｅｄｇｅ Ｆｅｅｄ）の信号を出力する原稿セット方向検出部３４と、画像記録の過程に応じて各種のセンサ信号を出力するセンサ群３５と、読み取り画像を用紙に記録する形態、あるいはページ合成の指令、ファクシミリ装置の受信サイズ、あるいはホストからの指定サイズを判定して形態信号を出力するデータ出力形態判定部３７と、形態信号を考慮して両面の出力画像が逆にならないようにするために必要な読み取り画像の回転角度を判定する回転角度判定部３８を有する。
【００２２】
機能用ブロックとしては、図１で説明した原稿トレイ３と、原稿反転部５と、原稿排出部６に加えて、回転角度判定部３８の回転角度に応じて読み取り画像を回転させる画像回転部３９と、回転角度が０°の読み取り信号をストアする第１メモリ４２（符号化部４２ａ、復号化部４２ｂ、ページ合成部４２ｃを含む）と、回転角度が０°以外の読み取り信号をストアする第２メモリ４１と、回転角度に応じて第１および第２のメモリ４２、４１に転送先を切り替える転送先切替部４０と、用紙への記録、ディスプレイへの表示等によって画像を出力する出力部４３を有する。
【００２３】
以上述べた画像形成装置は、ファクシミリ制御装置５０、およびホスト制御装置６０に接続されている。
【００２４】
ファクシミリ制御装置５０は画像を入力（読み取り走査）し、あるいは出力（印字）する画像入出力部５４と、回線へ送出する信号を符号化し、受信した信号を復号化する符号化部・復号化部５１と、信号の変調あるいは復調するＭＯＤＥＭ５２と、回線への接続を制御する回線制御部５３と、以上の各部を制御する制御部５５を有する。
【００２５】
ホスト制御装置６０はホストから入力した画像信号を画像展開（印字、表示、メモリにストア等）、または画像形成装置からの画像信号をホスト用の画像信号に展開する画像展開部６１と、ホストとの各種信号のやりとりを制御する信号送受信部６２と、これらを制御する制御部６３を有する。
【００２６】
図３（Ａ）から（Ｄ）は原稿トレイ３にセットされる原稿４のセット形態を示し、前述したように、これらの原稿をそれぞれタイプＡ、タイプＢ、タイプＣ、およびタイプＤの両面原稿と呼ぶ。図中、数字は画像を表し、各ページの２つの小さな白丸は綴じ部を表し、１ページは１、２ページは２、３ページは３、および４ページは４の画像を有するものとする。
【００２７】
以上の構成において、図４のフローチャートに基づいて動作を説明する。
【００２８】
原稿４を原稿トレイ３にセットする（ステップ１）。セットされた原稿４は、図５（Ａ）に示すように、タイプＢの両面原稿であり、セット方向はＬＥＦである。原稿セット方向検出部３４はＬＥＦを検出して制御部１００へ検出信号を出力すると、制御部１００はそれをストアする（ステップ２）。オペレータはパネルの原稿綴じ辺指定部３１、原稿画像方向指定部３２、およびキー群３３から原稿綴じ辺として長辺、原稿画像方向として上向き、およびページ合成の実行を指定すると、制御部１００はそれぞれの指定をストアする（ステップ３、４）。次に、キー群３３のスタートキーをオンすると（ステップ５）、データ出力形態判定部３７は出力形態をページ合成の実行の記憶内容に基づいてＬＥＦと判定する（ステップ６）。
【００２９】
同時に、制御部１００は回転角度判定部３８に原稿画像方向（上向き）、出力形態（ＬＥＦ）、原稿綴じ辺（長辺）、および原稿セット方向（ＬＥＦ）から１ページ、２ページの画像回転角度を判定させる。図５（Ｂ）の原稿読み取り画像方向（上向き）および図５（Ｄ）の上段の出力形態（ＬＥＦ）から明らかなように、１ページ、２ページの画像回転角度は０°である（ステップ７）。制御部１００はＣＣＤイメージセンサ１１より１ページの画像信号を入力すると（ステップ８）、転送先切替部４０を制御して第１メモリ４２へ転送させ（ステップ９）、第１メモリ４２に１ページの画像信号をストアさせる（ステップ１０）。原稿４の１ページの読み取り走査が終了すると、原稿反転部５は原稿４を反転して、図３（Ｂ）に示すように、２ページが読み取り走査を受ける（ステップ１４）。得られた画像信号は、図５（Ｂ）および図５（Ｄ）の上段に示すように、画像回転角は０°であるため（ステップ１５）、１ページと同じように第１メモリ４２にストアされる（ステップ１６、１７）。各ページの画像信号は第１メモリ４２にストアされるとき、メモリ容量を減少させるために符号化部４２ａで符号化されてストアされる。
【００３０】
第１メモリ４２にストアされた後、ページ合成の実行の指定（ステップ２１）に基づいて１ページと２ページの画像信号がページ合成部４２ｃでページ合成され、第１メモリ４２にストアされる。ページ合成された画像は図５（Ｆ）の上段にしめされている。以上のステップが最終ページまで繰り返される（ステップ２３）。ページ合成された画像信号は指令に応じて第１メモリ４２から読み出され、ファクシミリ制御装置５０あるいはホスト制御装置６０へ転送される（ステップ２４）。
【００３１】
一方、コピーの指令が出ているときは、第１メモリ４２にストアされた画像信号は復号部４２で復号されて出力部４３に出力される。出力部４３の動作は、例えば、以下の動作に相当する。まず、復号信号はレーザビームスキャナユニット１７に出力される。レーザビームスキャナユニットは画像信号に応じて変調されたレーザビームを帯電部１６によって帯電された感光体ドラム１８へ出射し、感光体がドラム１８に静電潜像を形成する。以降、通常の複写プロセスに従って用紙トレイ２０より供給される用紙の第１面にページ合成された原稿の１ページと２ページの画像を記録する。第１面の記録を受けた用紙は、用紙反転部１４で反転された後、用紙両面モジュール２２から再び複写部１３へ供給され、その第２面にページ合成された原稿の３ページと４ページの画像が記録される。当然、原稿３ページと４ページの画像信号は第１メモリ４２から復号処理を受けてレーザビームスキャナユニット１７へ供給され、レーザビームスキャナユニット１７はその画像信号に応じて変調されたレーザビームを感光体ドラム１８へ出射する。このようにして、第１面に原稿の１ページおよび２ページの画像を、第２面に原稿の３ページおよび４ページの画像を記録された用紙は用紙排出トレイ２１へ排出される。
【００３２】
以上の実施例では、各種の指令は図２のブロック３１、３２、３３等から入力されたが、ファクシミリ制御装置５０、ホスト制御装置６０等から制御部３６へ入力されても良い。
【００３３】
図５（Ａ）では、タイプＢの原稿がＬＥＦにセットされているが、タイプＡ（図３（Ａ））の原稿をＬＥＦにセットしたとき、出力形態がＬＥＦ（図５（Ｄ）の下段）に判定されると、原稿読み取り画像は図５（Ｃ）のようになり、ページ合成は図５（Ｆ）の下段のようになる。
【００３４】
また、タイプＡ、Ｂの原稿について、出力形態が、図５（Ｅ）に示すように、ＳＥＦに判定されると、画像の回転角度は図５（Ｅ）に記述されている通りになる。画像の回転については、後述する。
【００３５】
更に、ステップ６の出力形態の判定において、ファクシミリ制御装置５０へ画像信号を転送するときは、ファクシミリ制御装置５０から回線を通して通信を行う相手機（受信機）のファクシミリの受信サイズ（プロトコル）によって決定され、ホスト制御装置６０へ転送するときはホストからの指定サイズによって決定される。
【００３６】
図６（Ａ）から（Ｅ）は画像回転部３９による画像回転を示す。前述したように、回転を要する画像信号は第２メモリ４１へストアされ、画像回転部３９によって９０°、１８０°、および２７０°回転させられた後第１メモリ４２へストアされる。それぞれの回転角度に応じてＸおよびＹで示した主走査および副走査によって第２メモリ４１から読み出され（図６（Ｃ）より（Ｅ））、通常の走査に基づいて第１メモリ４２へストアされる。これによって、回転後の画像信号が第１メモリ４２へストアされる。
【００３７】
図７（Ａ）はタイプＢの原稿４をＳＥＦにセットしたときであり、図７（Ｂ）に示すように、偶数ページの原稿読み取り画像に１８０°の反転画像生じる。出力形態を図７（Ｄ）の上段のように判定すると、１ページが９０°、２ページが２７０°の回転を要する。図４のフローチャートに戻ると、１ページの回転角度が０°でないので（ステップ８）、転送先切替部４０が第２メモリ４１を転送先とし（ステップ１１）、画像信号を第２メモリ４１にストアする（ステップ１１）。画像回転部３９は１ページの画像信号を、図６（Ｃ）に示すようにして、第２メモリ４１から読み出し、９０°の回転を与えて第１メモリ４２にストアする（ステップ１３）。２ページの画像信号については、ステップ１８よりステップ２１において２７０°の回転が与えられる。２７０°の回転は図６（Ｅ）に示すようにして実現される。
【００３８】
図７（Ｃ）、図７（Ｄ）の下段、および図７（Ｅ）の下段は、図５で説明したようにタイプＡの両面原稿をＳＥＦにセットしたときに対応する。
【００３９】
同様に、図８および図９を説明する。
【００４０】
図８（Ａ）はタイプＣの原稿４をＬＥＦにセットしたときであり、図８（Ｂ）、図８（Ｄ）の上段、および図８（Ｅ）の上段に対応し、タイプＤの原稿４をＬＥＦにセットすると、図８（Ｂ）、図８（Ｄ）の下段、および図８（Ｅ）の下段に対応する。
【００４１】
図９（Ａ）はタイプＣの原稿４をＳＥＦにセットしたときであり、図９（Ｂ）、図９（Ｄ）の上段、および図９（Ｅ）の上段に対応し、タイプＤの原稿をＳＥＦにセットすると、図９（Ｃ）、図９（Ｄ）の下段、および図９（Ｅ）の下段に対応する。
【００４２】
以上述べた各例を整理すると、表１が得られる。
【表１】
【００４３】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の画像形成装置によると、指定した原稿の綴じ辺と、原稿の画像方向、および検出した原稿のセット方向に基づいて読み取り画像の回転角度を判定するようにしたので、原稿をどの向きにセットしたとしても奇数ページと偶数ページで整合のとれた出力画像を形成することができる。従って、奇数ページと偶数ページで画像の反転を伴わずにファクシミリ送信、ホストスキャン、コピーの各動作と並行して画像の拡大縮小を行うことができる。
【００４４】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の構成を示す説明図
【図２】本発明の一実施例の構成を示すブロック図。
【図３】（Ａ）〜（Ｄ）はタイプＡ〜タイプ（Ｄ）の両面原稿を示す説明図。
【図４】本発明の一実施例の動作を示すフローチャト。
【図５】（Ａ）〜（Ｆ）は本発明一実施例においてタイプＡ、Ｂの両面原稿をＬＥＦにセットしたときの画像を示す説明図。
【図６】（Ａ）〜（Ｅ）は画像の回転を示す説明図。
【図７】（Ａ）〜（Ｅ）は本発明の一実施例においてタイプＡ、Ｂの両面原稿をＳＥＦにセットしたときの画像を示す説明図。
【図８】（Ａ）〜（Ｅ）は本発明一実施例においてタイプＣ、Ｄの両面原稿をＬＥＦにセットしたときの画像を示す説明図。
【図９】（Ａ）〜（Ｅ）は本発明一実施例においてタイプＣ、Ｄの両面原稿をＳＥＦにセットしたときの画像を示す説明図。
【符号の説明】
１，プラテンカバー
２，自動原稿供給ユニット（ＡＤＦ）
３，原稿トレイ
４，原稿
５，原稿反転部
６，原稿排出トレイ
７，プラテンガラス
８，光源ユニット
９，反射ミラー
１０，集束レンズ
１１，ＣＣＤイメージセンサ
１２，定着部
１３，転写部
１４，用紙反転部
１５，クリーニング部
１６，帯電部
１７，レーザビームスキャナユニット
１８，感光体ドラム
１９，現像部
２０，用紙トレイ
２１，用紙排出トレイ
２２，用紙両面モジュール
３１，原稿綴じ辺指定部
３２，原稿画像方向指定部
３３，キー群
３４，原稿セット方向検出部
３５，センサ群
３７，データ出力形態判定部
３８，回転角度判定部
３９，画像回転部
４０，転送先切替部
４１，第１メモリ
４２，第２メモリ
４２ａ，符号化部
４２ｂ，復号化部
４２ｃ，ページ合成部
４３，出力部
５０，ファクシミリ装置
６０，ホスト
【産業上の利用分野】
本発明は画像処理装置に関し、特に、両面原稿をどの向きにセットしても表面と裏面の出力画像が逆にならないようにした画像形成装置に関する。
【０００２】
【従来技術】
画像形成装置によって読み取り走査される長方形状の両面原稿は以下のＡよりＤのタイプに分けられる（詳細は後述する）。
（１）タイプＡ
長辺綴じで画像上向き
（２）タイプＢ
長辺綴じで画像横向き
（３）タイプＣ
短辺綴じで画像上向き
（４）タイプＤ
短辺綴じで画像横向き
【０００３】
この両面原稿を副走査方向に反転する反転装置を使用して両面読み取りを行うと、読み取り画像は、両面原稿のプラテン上のセットの仕方によっては、奇数ページ（第１面）と偶数ページ（第２面）の間に１８０°の画像反転が生じる。従って、ページ合成、ファクシミリ送信、ホストスキャン、コピーのために両面原稿の読み取り走査を実行するときは、タイプＡよりＤの原稿の種類に応じてＬＥＦ（Ｌｏｎｇ Ｅｄｇｅ Ｆｅｅｄ）およびＳＥＦ（Ｓｈｏｒｔ Ｅｄｇｅ Ｆｅｅｄ）から１つの適当なセット方法を選択して両面原稿をセットしなければならない。
【０００４】
即ち、タイプＡ、Ｂの原稿はＬＥＦにセットし、タイプＣ、Ｄの原稿はＳＥＦにセットして画像反転を防止する必要がある（詳細は後述する）。
【０００５】
しかし、同時に画像の拡大縮小を行うときは、原稿のセットはＳＥＦにしなければならないため、タイプＡ、Ｂの両面原稿では、奇数ページと偶数ページの読み取り画像に１８０°の反転が生じる。これを防ぐためには、オペレータは原稿自動反転装置を使用しないで、奇数ページと偶数ページで画像の向きを変えて原稿をセットしなければならず、作業を非常に煩わしいものにする。
【０００６】
上述した両面原稿読取型の従来の画像形成装置として、例えば、特開平５−１１０８１４号公報および特開平５−２３２７６０号公報に示されるものがある。
【０００７】
特開平５−１１０８１４号公報に示される画像形成装置は、入力画像から文字認識によって文字の方向を検出し、その検出結果に基づいて出力画像の向きを変更してコピー画像の向きを揃えている。
【０００８】
また、特開平５−２３２７６０号公報に示される画像形成装置は、用紙の向きの検出と原稿の向きの検出を行い、その検出結果に基づいて出力画像を回転させている。その結果、原稿の置き方に関係なく正しい両面複写が得られるようにしている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の画像形成装置によると、特開平５−１１０８１４号公報にあっては、文字認識のできない写真やイラストだけの原稿には適用できないので、用途が制限されるという不都合があり、また、特開平５−２３２７６０号公報にあっては、例えば、前述したように、タイプＡ、Ｂの両面原稿をＳＥＦにセットしたときは、原稿および用紙の方向は検出できるものの偶数ページに生じる読み取り画像の１８０°反転を検出することができないので、奇数ページと偶数ページの出力画像に１８０°の反転が生じ、従って、ＳＥＦのセットを必要とする拡大縮小時に生じる画像の反転は避けられないという不都合がある。
【００１０】
従って、本発明の目的は、文字認識のできない写真やイラストの原稿であっても両面の出力画像が逆にならない画像出力装置を提供することである。
【００１１】
本発明の他の目的は、例えば、偶数ページの読み取り画像に１８０°の反転が生じたとしても奇数ページと偶数ページの出力画像を整合させ、それによって拡大縮小時の画像の反転を防ぐようにした画像形成装置を提供することである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を実現するため、原稿綴じ辺を有する原稿を自動反転して前記原稿の両面を読み取り走査し、この読み取り走査によって得られた画像信号に回転処理を施して両面で整合のとれた画像を形成する画像形成装置において、前記原稿綴じ辺を長辺あるいは短辺として指定する原稿綴じ辺指定手段と、前記原稿の画像の向きを指定する原稿画像方向指定手段と、読み取り走査のためにセットされた前記原稿のセット方向を検出する原稿セット方向検出手段と、前記整合のとれた画像の出力形態を判定する出力形態判定手段と、前記綴じ辺、前記画像の向き、前記セット方向および前記出力形態に基づいて前記回転処理に要する回転角度を判定する回転角度判定手段と、前記回転角度が０°の前記画像信号をストアする第１メモリと、前記回転角度が０°以外の前記画像信号をストアする第２メモリと、前記第２メモリにストアされた前記画像信号に前記回転角度の回転処理を施して回転画像信号を発生する画像回転手段と、前記画像信号を前記回転角度に応じて前記第１メモリおよび前記第２メモリにストアするとともに前記回転画像信号を前記第１メモリにストアし、前記第１メモリから前記出力形態に応じた前記画像信号を読み出す制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明は上記の目的を実現するため、原稿綴じ辺を有する原稿を自動反転して前記原稿の両面を読み取り走査し、この読み取り走査によって得られた画像信号に回転処理を施して両面で整合のとれた画像を形成する画像形成装置において、前記原稿綴じ辺を長辺あるいは短辺として指定する原稿綴じ辺指定手段と、前記原稿の画像の向きを指定する原稿画像方向指定手段と、読み取り走査のためにセットされた前記原稿のセット方向を検出する原稿セット方向検出手段と、前記整合のとれた画像の出力形態を判定する出力形態判定手段と、前記綴じ辺、前記画像の向き、前記セット方向および前記出力形態に基づいて前記回転処理に要する回転角度を判定する回転角度判定手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
【００１３】
以上の画像形成装置において、読み取り走査のためにセットされた原稿が片面原稿か、あるいは両面原稿かの原稿の種類を指定する手段を設けても良い。この手段を設けたときは、セットされた原稿が両面原稿と指定されることにより原稿の反転が行われ、以後所定の動作が行われることによって両面で整合のとれた画像が出力される。この手段を設けないときは、例えば、原稿綴じ辺指定手段から綴じ辺が指定されたとき、両面原稿がセットされていると制御部に判断させるようにしても良い。
【００１４】
【作用】
読み取り走査のために両面原稿を原稿トレイにセットする。セットされた原稿は原稿セット方向検出手段によってセット方向が検出される。このセット方向の検出は原稿トレイ上で行われるが、プラテンガラス上あるいは搬送中に行われても良い。オペレータはこれと前後して原稿綴じ辺指定手段から原稿の綴じ辺が長辺であるか、あるいは短辺であるかを指定し、また、原稿画像方向指定手段から画像の向きが上向きであるか、あるいは横向きであるかを指定する。同時に、出力形態判定手段は、例えば、画像記録用紙、あるいは画像の転送先がファクシミリ装置あるいはホストである場合は、ファクシミリ装置の受信サイズあるいはホストからの指定サイズ等に応じて画像出力形態を判定する。このようにして、原稿の綴じ辺、原稿の画像の向き、原稿のセット方向、および画像の出力形態が指定、検出および判定されると、回転角度判定手段はこれらの情報に基づいて画像の回転角度を判定する。
【００１５】
画像の回転角度は読み取り走査によって得られた画像信号に施す回転処理において利用されるものであり、この回転処理によって第１面と第２面の出力画像が逆になるのを防ぐ。画像信号の回転角度が０°と判定されたときは、第１メモリにストアされ、回転角度が０°以外のときは第２メモリにストアされる。第２メモリにストアされた画像信号は画像回転手段にとって所定の回転角度だけ回転させられて回転画像信号とされ、第１メモリにストアされる。制御手段は画像信号を判定された回転角度に応じて第１メモリおよび第２メモリにストアし、また、出力指令があると、第１メモリから画像信号を読み出して出力画像を提供する。
【００１６】
【実施例】
図１は本発明の一実施例の画像形成装置を示し、画像信号発生部Ａと、画像記録部Ｂと、用紙供給搬送排出部Ｃより構成されている。
【００１７】
画像信号発生部Ａは、原稿４を載置する原稿トレイ３と、原稿４を自動供給するＡＤＦ（Ａｕｔｏｍａｔｉｃ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｅｅｄｅｒ）２と、プラテンカバー１を開いて原稿を置かれるプラテンガラス７と、原稿４を両面読み取りのために反転する原稿反転部５と、読み取り走査を受けた原稿が排出される原稿排出トレイ６と、ＡＤＦ読み取りガラス７ａと、通常（アイドル時）は待機位置Ｘを指向し、プラテン読み取り時は移動してプラテン読み取り位置Ｙを照射し、ＡＤＦ読み取り時は逆方向に移動してＡＤＦ読み取り位置Ｚを照射する光源ユニット８と、光源ユニット８とともに移動し、原稿４からの反射光を所定の光路に反射誘導する反射ミラー９と、反射ミラー９からの反射光を集束する集束レンズ１０と、集束レンズ１０からの原稿反射光によって画像信号を発生するＣＣＤイメージセンサ１１を有している。
【００１８】
画像記録部Ｂは、ＣＣＤイメージセンサ１１で発生した画像信号をストアしたメモリ（図示せず）から画像信号を入力し、その画像信号で変調されたレーザビームを出射するレーザビームスキャナユニット１７と、トナー像を形成する感光体ドラム１８と、トナー像の形成前に感光体ドラム１８を帯電する帯電部１６と、帯電を受けた後レーザビームによって形成された静電潜像をトナーで現像する現像部１９と、感光体ドラム１８上のトナー像を用紙供給搬送排出部Ｃより供給される用紙に転写する転写部１３と、転写後の感光体ドラム１８をクリーニングするクリーニング部１５と、用紙上のトナー像を定着する定着部１２を有する。
【００１９】
用紙供給搬送排出部Ｃは、各種サイズの用紙を収容した複数の用紙トレイ２０と、両面コピーのために用紙を反転する用紙反転部１４と、片面コピー後反転処理を受けた用紙を再び転写部１３へ供給する用紙両面モジュール２２と、画像記録を終了した用紙が排出される排出トレイ２１を有する。
【００２０】
図２は本発明の一実施例の画像形成装置における制御用ブロック図であり、制御部１００は信号発生用ブロックから信号を入力して対応する機能用ブロックを制御する構成を有する（図１と同一の符号は同一の部分を示す）。
【００２１】
信号発生用ブロックとしては、原稿４の原稿綴じ辺が長辺か短辺であるかを指定する原稿綴じ辺指定部３１と、原稿トレイ３上に置かれた原稿４の画像が搬送方向と同じ（横向き）か、あるいは直角（上向き）かを指定する原稿画像方向指定部３２と、スタート信号、テンキー信号等を発生するキー群３３と、原稿トレイ３上にセットされた原稿４の長辺が搬送方向に直交するときはセット方向としてＬＥＦ（ＬｏｎｇＥｄｇｅ Ｆｅｅｄ）の信号を出力し、短辺が搬送方向に直交するときはセット方向としてＳＥＦ（Ｓｈｏｒｔ Ｅｄｇｅ Ｆｅｅｄ）の信号を出力する原稿セット方向検出部３４と、画像記録の過程に応じて各種のセンサ信号を出力するセンサ群３５と、読み取り画像を用紙に記録する形態、あるいはページ合成の指令、ファクシミリ装置の受信サイズ、あるいはホストからの指定サイズを判定して形態信号を出力するデータ出力形態判定部３７と、形態信号を考慮して両面の出力画像が逆にならないようにするために必要な読み取り画像の回転角度を判定する回転角度判定部３８を有する。
【００２２】
機能用ブロックとしては、図１で説明した原稿トレイ３と、原稿反転部５と、原稿排出部６に加えて、回転角度判定部３８の回転角度に応じて読み取り画像を回転させる画像回転部３９と、回転角度が０°の読み取り信号をストアする第１メモリ４２（符号化部４２ａ、復号化部４２ｂ、ページ合成部４２ｃを含む）と、回転角度が０°以外の読み取り信号をストアする第２メモリ４１と、回転角度に応じて第１および第２のメモリ４２、４１に転送先を切り替える転送先切替部４０と、用紙への記録、ディスプレイへの表示等によって画像を出力する出力部４３を有する。
【００２３】
以上述べた画像形成装置は、ファクシミリ制御装置５０、およびホスト制御装置６０に接続されている。
【００２４】
ファクシミリ制御装置５０は画像を入力（読み取り走査）し、あるいは出力（印字）する画像入出力部５４と、回線へ送出する信号を符号化し、受信した信号を復号化する符号化部・復号化部５１と、信号の変調あるいは復調するＭＯＤＥＭ５２と、回線への接続を制御する回線制御部５３と、以上の各部を制御する制御部５５を有する。
【００２５】
ホスト制御装置６０はホストから入力した画像信号を画像展開（印字、表示、メモリにストア等）、または画像形成装置からの画像信号をホスト用の画像信号に展開する画像展開部６１と、ホストとの各種信号のやりとりを制御する信号送受信部６２と、これらを制御する制御部６３を有する。
【００２６】
図３（Ａ）から（Ｄ）は原稿トレイ３にセットされる原稿４のセット形態を示し、前述したように、これらの原稿をそれぞれタイプＡ、タイプＢ、タイプＣ、およびタイプＤの両面原稿と呼ぶ。図中、数字は画像を表し、各ページの２つの小さな白丸は綴じ部を表し、１ページは１、２ページは２、３ページは３、および４ページは４の画像を有するものとする。
【００２７】
以上の構成において、図４のフローチャートに基づいて動作を説明する。
【００２８】
原稿４を原稿トレイ３にセットする（ステップ１）。セットされた原稿４は、図５（Ａ）に示すように、タイプＢの両面原稿であり、セット方向はＬＥＦである。原稿セット方向検出部３４はＬＥＦを検出して制御部１００へ検出信号を出力すると、制御部１００はそれをストアする（ステップ２）。オペレータはパネルの原稿綴じ辺指定部３１、原稿画像方向指定部３２、およびキー群３３から原稿綴じ辺として長辺、原稿画像方向として上向き、およびページ合成の実行を指定すると、制御部１００はそれぞれの指定をストアする（ステップ３、４）。次に、キー群３３のスタートキーをオンすると（ステップ５）、データ出力形態判定部３７は出力形態をページ合成の実行の記憶内容に基づいてＬＥＦと判定する（ステップ６）。
【００２９】
同時に、制御部１００は回転角度判定部３８に原稿画像方向（上向き）、出力形態（ＬＥＦ）、原稿綴じ辺（長辺）、および原稿セット方向（ＬＥＦ）から１ページ、２ページの画像回転角度を判定させる。図５（Ｂ）の原稿読み取り画像方向（上向き）および図５（Ｄ）の上段の出力形態（ＬＥＦ）から明らかなように、１ページ、２ページの画像回転角度は０°である（ステップ７）。制御部１００はＣＣＤイメージセンサ１１より１ページの画像信号を入力すると（ステップ８）、転送先切替部４０を制御して第１メモリ４２へ転送させ（ステップ９）、第１メモリ４２に１ページの画像信号をストアさせる（ステップ１０）。原稿４の１ページの読み取り走査が終了すると、原稿反転部５は原稿４を反転して、図３（Ｂ）に示すように、２ページが読み取り走査を受ける（ステップ１４）。得られた画像信号は、図５（Ｂ）および図５（Ｄ）の上段に示すように、画像回転角は０°であるため（ステップ１５）、１ページと同じように第１メモリ４２にストアされる（ステップ１６、１７）。各ページの画像信号は第１メモリ４２にストアされるとき、メモリ容量を減少させるために符号化部４２ａで符号化されてストアされる。
【００３０】
第１メモリ４２にストアされた後、ページ合成の実行の指定（ステップ２１）に基づいて１ページと２ページの画像信号がページ合成部４２ｃでページ合成され、第１メモリ４２にストアされる。ページ合成された画像は図５（Ｆ）の上段にしめされている。以上のステップが最終ページまで繰り返される（ステップ２３）。ページ合成された画像信号は指令に応じて第１メモリ４２から読み出され、ファクシミリ制御装置５０あるいはホスト制御装置６０へ転送される（ステップ２４）。
【００３１】
一方、コピーの指令が出ているときは、第１メモリ４２にストアされた画像信号は復号部４２で復号されて出力部４３に出力される。出力部４３の動作は、例えば、以下の動作に相当する。まず、復号信号はレーザビームスキャナユニット１７に出力される。レーザビームスキャナユニットは画像信号に応じて変調されたレーザビームを帯電部１６によって帯電された感光体ドラム１８へ出射し、感光体がドラム１８に静電潜像を形成する。以降、通常の複写プロセスに従って用紙トレイ２０より供給される用紙の第１面にページ合成された原稿の１ページと２ページの画像を記録する。第１面の記録を受けた用紙は、用紙反転部１４で反転された後、用紙両面モジュール２２から再び複写部１３へ供給され、その第２面にページ合成された原稿の３ページと４ページの画像が記録される。当然、原稿３ページと４ページの画像信号は第１メモリ４２から復号処理を受けてレーザビームスキャナユニット１７へ供給され、レーザビームスキャナユニット１７はその画像信号に応じて変調されたレーザビームを感光体ドラム１８へ出射する。このようにして、第１面に原稿の１ページおよび２ページの画像を、第２面に原稿の３ページおよび４ページの画像を記録された用紙は用紙排出トレイ２１へ排出される。
【００３２】
以上の実施例では、各種の指令は図２のブロック３１、３２、３３等から入力されたが、ファクシミリ制御装置５０、ホスト制御装置６０等から制御部３６へ入力されても良い。
【００３３】
図５（Ａ）では、タイプＢの原稿がＬＥＦにセットされているが、タイプＡ（図３（Ａ））の原稿をＬＥＦにセットしたとき、出力形態がＬＥＦ（図５（Ｄ）の下段）に判定されると、原稿読み取り画像は図５（Ｃ）のようになり、ページ合成は図５（Ｆ）の下段のようになる。
【００３４】
また、タイプＡ、Ｂの原稿について、出力形態が、図５（Ｅ）に示すように、ＳＥＦに判定されると、画像の回転角度は図５（Ｅ）に記述されている通りになる。画像の回転については、後述する。
【００３５】
更に、ステップ６の出力形態の判定において、ファクシミリ制御装置５０へ画像信号を転送するときは、ファクシミリ制御装置５０から回線を通して通信を行う相手機（受信機）のファクシミリの受信サイズ（プロトコル）によって決定され、ホスト制御装置６０へ転送するときはホストからの指定サイズによって決定される。
【００３６】
図６（Ａ）から（Ｅ）は画像回転部３９による画像回転を示す。前述したように、回転を要する画像信号は第２メモリ４１へストアされ、画像回転部３９によって９０°、１８０°、および２７０°回転させられた後第１メモリ４２へストアされる。それぞれの回転角度に応じてＸおよびＹで示した主走査および副走査によって第２メモリ４１から読み出され（図６（Ｃ）より（Ｅ））、通常の走査に基づいて第１メモリ４２へストアされる。これによって、回転後の画像信号が第１メモリ４２へストアされる。
【００３７】
図７（Ａ）はタイプＢの原稿４をＳＥＦにセットしたときであり、図７（Ｂ）に示すように、偶数ページの原稿読み取り画像に１８０°の反転画像生じる。出力形態を図７（Ｄ）の上段のように判定すると、１ページが９０°、２ページが２７０°の回転を要する。図４のフローチャートに戻ると、１ページの回転角度が０°でないので（ステップ８）、転送先切替部４０が第２メモリ４１を転送先とし（ステップ１１）、画像信号を第２メモリ４１にストアする（ステップ１１）。画像回転部３９は１ページの画像信号を、図６（Ｃ）に示すようにして、第２メモリ４１から読み出し、９０°の回転を与えて第１メモリ４２にストアする（ステップ１３）。２ページの画像信号については、ステップ１８よりステップ２１において２７０°の回転が与えられる。２７０°の回転は図６（Ｅ）に示すようにして実現される。
【００３８】
図７（Ｃ）、図７（Ｄ）の下段、および図７（Ｅ）の下段は、図５で説明したようにタイプＡの両面原稿をＳＥＦにセットしたときに対応する。
【００３９】
同様に、図８および図９を説明する。
【００４０】
図８（Ａ）はタイプＣの原稿４をＬＥＦにセットしたときであり、図８（Ｂ）、図８（Ｄ）の上段、および図８（Ｅ）の上段に対応し、タイプＤの原稿４をＬＥＦにセットすると、図８（Ｂ）、図８（Ｄ）の下段、および図８（Ｅ）の下段に対応する。
【００４１】
図９（Ａ）はタイプＣの原稿４をＳＥＦにセットしたときであり、図９（Ｂ）、図９（Ｄ）の上段、および図９（Ｅ）の上段に対応し、タイプＤの原稿をＳＥＦにセットすると、図９（Ｃ）、図９（Ｄ）の下段、および図９（Ｅ）の下段に対応する。
【００４２】
以上述べた各例を整理すると、表１が得られる。
【表１】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の画像形成装置によると、指定した原稿の綴じ辺と、原稿の画像方向、および検出した原稿のセット方向に基づいて読み取り画像の回転角度を判定するようにしたので、原稿をどの向きにセットしたとしても奇数ページと偶数ページで整合のとれた出力画像を形成することができる。従って、奇数ページと偶数ページで画像の反転を伴わずにファクシミリ送信、ホストスキャン、コピーの各動作と並行して画像の拡大縮小を行うことができる。
【００４４】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の構成を示す説明図
【図２】本発明の一実施例の構成を示すブロック図。
【図３】（Ａ）〜（Ｄ）はタイプＡ〜タイプ（Ｄ）の両面原稿を示す説明図。
【図４】本発明の一実施例の動作を示すフローチャト。
【図５】（Ａ）〜（Ｆ）は本発明一実施例においてタイプＡ、Ｂの両面原稿をＬＥＦにセットしたときの画像を示す説明図。
【図６】（Ａ）〜（Ｅ）は画像の回転を示す説明図。
【図７】（Ａ）〜（Ｅ）は本発明の一実施例においてタイプＡ、Ｂの両面原稿をＳＥＦにセットしたときの画像を示す説明図。
【図８】（Ａ）〜（Ｅ）は本発明一実施例においてタイプＣ、Ｄの両面原稿をＬＥＦにセットしたときの画像を示す説明図。
【図９】（Ａ）〜（Ｅ）は本発明一実施例においてタイプＣ、Ｄの両面原稿をＳＥＦにセットしたときの画像を示す説明図。
【符号の説明】
１，プラテンカバー
２，自動原稿供給ユニット（ＡＤＦ）
３，原稿トレイ
４，原稿
５，原稿反転部
６，原稿排出トレイ
７，プラテンガラス
８，光源ユニット
９，反射ミラー
１０，集束レンズ
１１，ＣＣＤイメージセンサ
１２，定着部
１３，転写部
１４，用紙反転部
１５，クリーニング部
１６，帯電部
１７，レーザビームスキャナユニット
１８，感光体ドラム
１９，現像部
２０，用紙トレイ
２１，用紙排出トレイ
２２，用紙両面モジュール
３１，原稿綴じ辺指定部
３２，原稿画像方向指定部
３３，キー群
３４，原稿セット方向検出部
３５，センサ群
３７，データ出力形態判定部
３８，回転角度判定部
３９，画像回転部
４０，転送先切替部
４１，第１メモリ
４２，第２メモリ
４２ａ，符号化部
４２ｂ，復号化部
４２ｃ，ページ合成部
４３，出力部
５０，ファクシミリ装置
６０，ホスト
Claims (3)
- 原稿綴じ辺を有する原稿を自動反転して前記原稿の両面を読み取り走査し、この読み取り走査によって得られた画像信号に回転処理を施して両面で整合のとれた画像を形成する画像形成装置において、
前記原稿綴じ辺を長辺あるいは短辺として指定する原稿綴じ辺指定手段と、
前記原稿の画像の向きを指定する原稿画像方向指定手段と、
読み取り走査のためにセットされた前記原稿のセット方向を検出する原稿セット方向検出手段と、
前記整合のとれた画像の出力形態を判定する出力形態判定手段と、
前記綴じ辺、前記画像の向き、前記セット方向および前記出力形態に基づいて前記回転処理に要する回転角度を判定する回転角度判定手段と、
前記回転角度が０°の前記画像信号をストアする第１メモリと、
前記回転角度が０°以外の前記画像信号をストアする第２メモリと、
前記第２メモリにストアされた前記画像信号に前記回転角度の回転処理を施して回転画像信号を発生する画像回転手段と、
前記画像信号を前記回転角度に応じて前記第１メモリおよび前記第２メモリにストアするとともに前記回転画像信号を前記第１メモリにストアし、前記第１メモリから前記出力形態に応じた前記画像信号を読み出す制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 原稿綴じ辺を有する原稿を自動反転して前記原稿の両面を読み取り走査し、この読み取り走査によって得られた画像信号に回転処理を施して両面で整合のとれた画像を形成する画像形成装置において、
前記原稿綴じ辺を長辺あるいは短辺として指定する原稿綴じ辺指定手段と、
前記原稿の画像の向きを指定する原稿画像方向指定手段と、
読み取り走査のためにセットされた前記原稿のセット方向を検出する原稿セット方向検出手段と、
前記整合のとれた画像の出力形態を判定する出力形態判定手段と、
前記綴じ辺、前記画像の向き、前記セット方向および前記出力形態に基づいて前記回転処理に要する回転角度を判定する回転角度判定手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 原稿綴じ辺を有する原稿を自動反転して前記原稿の両面を読み取り走査し、この読み取り走査によって得られた画像信号に回転処理を施して両面で整合のとれた画像を形成する画像形成装置において、
前記原稿綴じ辺を長辺あるいは短辺として指定する原稿綴じ辺指定手段と、
前記原稿の画像の向きを指定する原稿画像方向指定手段と、
読み取り走査のためにセットされた前記原稿のセット方向を検出する原稿セット方向検出手段と、
前記綴じ辺、前記画像の向き、および前記セット方向に基づいて前記回転処理に要する回転角度を判定する回転角度判定手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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