JP3619883B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子写真式の画像形成装置、とりわけフルカラー画像形成装置においては、従来からベルト状の中間転写体と感光体を接触させ、感光体から中間転写体上に重ねあわせトナー像を転写する一次転写行程と、このトナー像を一括して転写紙上に転写する二次転写行程とを行うことで、感光体から転写紙へのトナー像の転写が行われている。この感光体からベルト状の中間転写体への一次転写方法として、感光体をはさみこむように設けられたベルト張架用のローラの片側にバイアスを印加したり、両ローラにバイアスを印加したり、あるいは両側のローラを接地するとともに感光体と中間転写体とのニップ部中央に設けた接触部材にバイアスを印加したりするといった転写電界発生手段を用いてきた。例えば像担持体としての感光体と中抵抗の中間転写体が接触する接触部(ニップ)より中間転写体の移動方向下流位置に電荷付与手段としての例えば絶対値が800ボルトのバイアスが印加されたバイアスローラを配置し、ニップ部を挟んで中間転写体の移動方向上流側に接地または所定バイアスが印加された電極としてのアースローラを配置している。
【0003】
このような構成で用いられる中間転写体としては、転写の際に電荷付与手段から付与される転写電荷をコロナ放電器などの除電手段を用いずに除電できるようにするため、またはこのような除電手段を用いた場合であっても極力小さな除電出力を使用できるよう、体積抵抗または表面抵抗が中抵抗〔10〜10Ωcmまたは10〜1012Ωcm)のものが多い。すなわち、中抵抗という電気的特性を利用し、ニップ部の出口で絶対値600ボルト、ニップ部の入口で絶対値300ボルトというように中間転写体上にニップ部下流から上流に向かう電位勾配を生成し、ニップ部に転写電界を発生させている。
【0004】
ところが、中間転写体に中抵抗の材料を用いると、付与された転写電荷がニップ部以外の中間転写体上にも移動可能になり、ニップ部以外の中間転写体表面にも電位勾配が生成されて電界が発生する。このニップ部以外で発生した電界は、転写トナー像の画像品質に悪影響を与える。特に、ニップ部入口に発生する電界は、ニップ部前の位置で感光体に形成されたトナー像に電界作用を及ぼし、本来転写されるべきニップ部に達する前の位置でトナー像の一部を中間転写体へ転写させてしまい、いわゆるプレ転写を起こす。このプレ転写は、トナーが本来乗るべき位置に転写されず、地汚れのように中間転写体上で飛散するため、文字、線等の画像ではにじんだように見える等、著しく画質の低下を引き起こすものとなる。また装置によっては、ニップ部より下流側に生じる電界の作用で、いったん良好に転写されたトナー像を乱し、トナーチリ等のような上記プレ転写と同様の画像劣化を生じさせてしまう場合もある。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、それぞれベルト状の感光体と中間転写体間におけるトナー像の転写を良好に行わせることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置は上記目的を達成するために、それぞれ2以上のローラに掛け回して保持したベルト状感光体とベルト状中間転写体とを備え、該ベルト状中間転写体を掛け回したローラのうちの少なくとも1がバイアスローラであり、かつ少なくとも1がアースローラであり、これらバイアスローラとアースローラ間に位置する上記ベルト状中間転写体のベルト面に、上記ベルト状感光体を保持する1のローラを当接させ、かつ該ベルト状感光体を保持する1のローラと上記アースローラ間で上記ベルト状感光体と上記ベルト状中間転写体を密着させるとともに、上記ベルト状感光体の進入方向を上記アースローラ側から上記ベルト状感光体を保持する1のローラ側へ向けてなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態の要部の概念図である。図中1はカラー現像器、2はベルト状感光体、3はベルト状中間転写体、4は転写紙搬送用のローラ対、5は2次転写バイアスローラ、6は転写紙搬送ベルト、7は定着ローラ対である。カラー現像器1は、Black、Cyan、Magenta、Yellowのカラー画像データによる静電潜像を現像するために複数個の現像スリーブ8を備えている。なお図中Lは露光を示し、9は帯電器を示す。
【0008】
ベルト状感光体2は、3個のローラ11、12、13に掛け回してあり、帯電器9に対向するローラ11を頂点とし、カラー現像器1に対向接触するローラ12と、ベルト状中間転写体3側に寄って位置するローラ13との間が底辺となるように三角形状を呈している。一方、ベルト状中間転写体3は、4個のローラ14〜17に台形状を呈するように掛け回してある。これらベルト状中間転写体3を掛け回したローラ14〜17のうち、ローラ14がアースローラ、15がバイアスローラである。なお図中18はバイアス印加用の電源を示す。また図中の矢印はベルト状感光体2とベルト状中間転写体3の進行方向を示す。
【0009】
そしてこれらのローラ14〜17のうち、ベルト状感光体2を掛け回した底辺側のローラ12、13の間に位置するアースローラ14とベルト状感光体2の底辺から外れてローラ13よりも外側に位置するバイアスローラ15の間で、ベルト状中間転写体3がベルト状感光体2の底辺に沿って密着かつ摺接し、ローラ13とアースローラ14との間がニップ部となっている。また最も下側に位置するローラ17は2次転写バイアスローラ5と対向接触させてある。なおニップ部を形成するベルト状感光体2を掛け回したローラ13にバイアスを印加するか、アースするかは任意である。
【0010】
図2は、上述のようなニップ部を構成する3個のローラの部位の拡大図である。上述のようにローラ13とアースローラ14との間がニップ部となっているが、ニップ入口はアースローラ14とベルト状感光体2とが最初に接触する位置Ninであり、ニップ出口はローラ13がバイアスローラ15から離れる位置Noutである。また図中Gはアース部を、Viはバイアスの印加部を示す。
【0011】
この構成では、バイアスローラ15にトナーと逆極性のバイアスを印加してベルト状感光体2上のトナー像をベルト状中間転写体3に転写するが、アース部Gから印加部Viにかけて電位勾配が形成される。電位勾配は一般的なカラー画像形成のように2kVのバイアス印加を行うものとすれば、ニップ出口Noutで約1.7kVとなるようなものとする。また電位が0、すなわち電流が流れない部分(ニップ入口Ninからアース部Gの間)はニップ内で終了している。このためベルト状中間転写体3に付与された転写電荷はニップ部よりもベルト状中間転写体3の移動方向で上流側にはほとんど移動せず、ニップ入口Ninからアース部Gの間においてはベルト状中間転写体3上に転写電荷はほとんど存在せず、転写画質に影響を及ぼす電界も発生しない。
【0012】
そしてベルト状感光体2がアースローラ14側からバイアスローラ15側へ向かうようにしてニップ部内へ進入するので、ベルト状感光体2上の画像はニップ入口Ninに進入する際に、少なくともバイアスローラ15による電界を受けることなくニップ部内に進入し、ニップ部内で画像をベルト状中間転写体3に転写する。これにより、図3に示すような転写チリの発生が抑制される。図3は感光体上におけるトナー(A)が転写ベルトに転写されるとトナーチリとなる状態(B)を示している。なお感光体上におけるトナーはドット径が70〜120μmである。
【0013】
【発明の効果】
本発明に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、ベルト状の感光体上のトナー像がベルト状の中間転写体とのニップ部に進入する際に、少なくとも転写バイアスによる電界の影響を受けないようになるため、転写チリの少ない良好な画像を得ることができるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態の要部の概念図である。
【図2】図1の装置のニップ部を構成する3個のローラの部位の拡大図である。
【図3】感光体上におけるトナーが転写ベルトに転写されるとトナーチリとなる状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 カラー現像器
2 ベルト状感光体
3 ベルト状中間転写体
4 転写紙搬送用のローラ対
5 2次転写バイアスローラ
6 転写紙搬送ベルト
7 定着ローラ対
8 現像スリーブ
9 帯電器
11、12、13 ローラ
14 アースローラ
15 バイアスローラ
16、17 ローラ
Nin ニップ入口
Nout ニップ出口
G アース部
Vi バイアスの印加部

Claims (1)

  1. それぞれ2以上のローラに掛け回して保持したベルト状感光体とベルト状中間転写体とを備え、該ベルト状中間転写体を掛け回したローラのうちの少なくとも1がバイアスローラであり、かつ少なくとも1がアースローラであり、これらバイアスローラとアースローラ間に位置する上記ベルト状中間転写体のベルト面に、上記ベルト状感光体を保持する1のローラを当接させ、かつ該ベルト状感光体を保持する1のローラと上記アースローラ間で上記ベルト状感光体と上記ベルト状中間転写体を密着させるとともに、上記ベルト状感光体の進入方向を上記アースローラ側から上記ベルト状感光体を保持する1のローラ側へ向けてなることを特徴とする画像形成装置。
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