JP3619138B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特に三次元エコーデータ取込用超音波探触子を備えた超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
三次元画像を形成する場合、三次元データ取込用超音波探触子(三次元プローブ)が利用される(例えば、特開平3−184532号公報参照)。そのような三次元プローブは、電子走査される超音波ビームを形成するアレイ振動子を有し、そのアレイ振動子がそれと直交する方向に機械的に並行走査又は揺動走査される。すなわち、電子走査及び機械走査を同時進行で行うことによって複数の走査面(走査面アレイ)が順次形成され、それ全体として三次元データ取込空間が形成される。アレイ振動子を機械走査方向へ走査する場合、往路走査及び復路走査の両者において、超音波ビームの電子走査が実行される。
【0003】
ちなみに、機械走査は連続的に実行され、電子走査は所定周期で繰り返し実行される。このため、各走査面は必然的に機械走査方向とは完全に直交せず、若干機械走査方向に流れることになる。すなわち、走査面が歪むという現象がある。
【0004】
従来においては、上記の往路走査及び復路走査に拘わらず、電子走査は常にアレイ振動子の一端側から他端側へ実行される。すなわち、電子走査の向きは不変である。これは、電子走査の制御を単純化するためであると推察される。しかし、往路走査での走査面の歪みの向きと復路走査での走査面の歪みの向きとが反対になることに起因する画像観察上の問題がある。すなわち、各走査面に対応する断層画像をリアルタイム表示する場合、往路走査と復路走査とでは各断層面の傾き方向が逆転するので、ぶれの生じた見づらい画像になるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これに関し、往路走査では一方方向への電子走査を実行し、復路走査では他方方向へ超音波ビームを実行すれば、上記の各断層面の歪みの向きを一致させることができる。そこで、そのような電子走査制御を簡単な回路で実現することが要望されていた。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡単な回路構成で、往路走査で生じる走査面の歪みと復路走査で生じる走査面の歪みの各方向を統一して画像観察上の違和感を解消することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、機械走査と電子走査を同期させて、往路走査と復路走査とで各走査面の位置を一致させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、N個の振動素子を含むアレイ振動子と、前記N個の振動素子の配列方向と交差する方向に、前記アレイ振動子を機械的に往復走査する機械走査機構と、前記N個の振動素子に並列接続されたM個のマルチプレクサであって、前記N個の振動素子の中から、超音波ビームの形成のために使用するM個の振動素子を選択的に接続するM個の選択スイッチと、前記M個の選択スイッチによって選択されたM個の振動素子に接続されるM個の信号処理器と、前記M個の選択スイッチに対して、前記超音波ビームを電子走査するために、M個の選択素子番号を表す番号列データを順番に供給する切換コントローラと、を含み、前記切換コントローラは、前記超音波ビームの各電子走査位置に対応した複数の番号列データを格納した記憶部と、前記アレイ振動子の往路走査が行われる場合には、前記記憶部から前記M個の選択スイッチへ前記複数の番号列データを昇順で順次出力させ、前記アレイ振動子の復路走査が行われる場合には、前記記憶部から前記M個の選択スイッチへ前記複数の番号列データを降順で順次出力させる読出し制御部と、を有し、更に後述する特徴事項を有することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、往路走査と復路走査との間において、超音波ビームの電子走査方向が逆になるので、走査面の傾き方向を揃えることが可能となる。しかも、電子走査方向の切り換えは、記憶部に格納された一連の番号列データの読み出し方向を切り換えるだけでよいので、上記のような電子走査方向の切り換えを簡単な回路で実現できる。なお、記憶部から出力される番号列データをM個の選択スイッチに同時供給すれば、各選択スイッチで素子選択を高速に行えるという利点がある。
【0010】
上記構成において、N個の振動素子は、例えば、直線状又は円弧状に配列される。N個の振動素子の中から選択されるM個の振動素子は、N個の振動素子上において移動走査される送受信開口を形成するものであり、N及びMは整数であって、MはNよりも小さい。上記の各信号処理器は送信器及び受信器の少なくとも一方であるが、送受信器であってもよい。その場合、M個の選択スイッチは送信時及び受信時の両方で機能し、コストパフォーマンス上のメリットがある。
【0011】
また、上記構成において、記憶部は、ROMであってもよく、またRAMで構成することもできる。後者の構成によれば、ソフトウエア制御によって、一連の番号列データの内容を簡単に書き換えることができ、例えば、送受信開口の大きさが選択された場合に、それに応じて一連の番号列データをRAMに書き込むようにしてもよい。
【0012】
上記の前記読出し制御部は、前記記憶部の一連のアドレスを順番に発生するカウンタであり、前記往路走査が行われる場合には前記カウンタをカウントアップ動作させ、前記復路走査が行われる場合には前記カウンタをカウントダウン動作させるカウント動作制御部が設けられる。
【0013】
すなわち、カウントアップ及びカウントダウンを行えるカウンタが用いられ、その基本動作をそのまま活用して、一連の番号列データのアドレスを降順及び昇順で指定できるので、簡単な構成でありながら、確実な電子走査方向の制御を行える。なお、必要に応じて、カウント終了時にカウントリセット制御及びカウント開始前にカウントプリセット制御を行うようにしてもよい。
【0014】
望ましくは、前記往路走査から前記復路走査への転換時及び前記復路走査から前記往路走査への転換時に同期信号を生成する同期信号生成部を含み、前記カウンタは、前記同期信号の入力により前記カウントアップ動作又は前記カウントダウン動作を開始する。
【0015】
望ましくは、前記アレイ振動子及び前記機械走査機構は三次元プローブを構成し、前記同期信号生成部は、前記三次元プローブ内に設けられる。この構成によれば、三次元プローブ内において、実際にアレイ振動子の動きを検出して同期信号を生成することができるので、確実かつ簡便である。特に、同期信号を常に正確なタイミングで生成できるので、往路走査と復路走査とで走査面の位置を一致させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。
【0018】
三次元プローブ10は、三次元データ取込用超音波探触子である。この三次元プローブ10は、アレイ振動子10A(図2参照)と、それを機械的に走査する走査機構(図示せず)と、走査角度を検出するエンコーダと、各走査端において同期信号を生成する同期信号生成器(図示せず)と、によって構成されている。アレイ振動子によって超音波ビームを形成し、その超音波ビームに対して電子走査を行いながら、アレイ振動子10A自体を機械走査することによって、図2に示すような三次元データ取込領域Vが形成される。この三次元データ取込領域Vは、複数の走査面によって構成されるものである。
【0019】
上記の同期信号生成器は、アレイ振動子10Aが往路走査から復路走査へ(及び復路走査から往路走査へ)切り換わるタイミングで生成され、より正確には、往路走査及び復路走査の開始タイミングでパルス信号としての同期信号を生成する。もちろん、エンコーダが設けられているため、同期信号生成器を除外して、エンコーダの出力信号に基づいて、装置本体側で同期信号を生成することも可能である。しかし、三次元プローブ10内で実際にアレイ振動子10Aの所定位置を機械的、電気的、光学的に検出すれば、より正確なタイミングで同期信号を生成することができる。図1には符号100として同期信号が示されており、当該同期信号100は制御部18に入力されている。
【0020】
上記のアレイ振動子10A内に設けられる複数の振動素子については後に図5を用いて説明する。
【0021】
三次元プローブ10には送受信部12が接続されている。送受信部12から三次元プローブ10のアレイ振動子に対して送信信号が供給され、またアレイ振動子からの受信信号は送受信部12にて処理される。
【0022】
機械走査制御部14及び電子走査制御部16は、制御部18によって制御される回路であり、機械走査制御部14によりアレイ振動子の機械走査が制御される。具体的には、アレイ振動子を機械走査方向に繰り返し往復走査する制御が実行されている。すなわち、機械走査方向には、上記のように、往路走査と復路走査が含まれる。
【0023】
電子走査制御部16は、超音波ビーム形成機能及びそのビームを電子走査する機能を有しており、上記の機械走査に伴って超音波ビームの電子走査がアレイ振動子の所定端から他方端にかけて順次実行される。制御部18から電子走査制御部へ各種の制御信号102が供給されているが、それには後述するスタート信号(STRT)、カウント方向指定信号(U/D)、クロック信号(CLK)が含まれる。電子走査制御部16及び送受信部12の具体的な構成例については、後に図5から図7を用いて詳述する。
【0024】
本実施形態においては、往路走査と復路走査とで走査面の歪み方向が一致するように電子走査の向きが設定されている。これについては、後に図3を用いて詳述する。
【0025】
三次元画像演算部20は、三次元データ取込領域V内で取得された各エコーデータに基づいて三次元画像や断層画像などを形成する回路である。この演算手法としては各種のものを適用可能である。
【0026】
DSC(デジタルスキャンコンバータ)22は画像形成にあたって必要な補間処理や座標変換などを実行する回路であり、そのDSC22内に含まれるフレームメモリ内には表示すべき画像データが格納される。その画像データは読み出されて表示部24に表示される。
【0027】
上記の実施形態においては、図2に示したように、角錐型の三次元データ取込領域が形成されていた。すなわち、アレイ振動子10Aがいわゆるコンベックス形状を有し、超音波ビームのコンベックス走査を行うことによって扇状の走査面が形成され、それを揺動走査することによって、図2に示したような角錐形状の三次元データ取込領域Vが形成されている。しかしながら、本発明は、電子セクタ走査や電子リニア走査などが適用される場合においても実現可能である。
【0028】
図3には、本実施形態に係る走査方法が示されている。ここで(A)には往路走査が示され、(B)には復路走査が示されている。ちなみに紙面水平方向は機械走査方向(主走査方向)を示しており、紙面垂直方向は電子走査方向(副走査方向)を示している。
【0029】
本実施形態においては、図3に示されるように、例えば往路走査においては、アレイ振動子10Aにおける一端側から他端側へ電子走査が実行され、復路走査においてはそれとは逆向きで、すなわち他端側から一端側へ電子走査が実行される。その結果、往路走査における走査面の歪みの方向と復路方向における走査面の歪み方向とを一致させることが可能となる。ちなみに、往路走査及び復路走査における走査速度は互いに一致しており、各走査面の位置を一致させることが可能である。
【0030】
ちなみに、図3において、アレイ振動子10Aの近傍には送受波素子を表す#1〜#Nの番号が付されている。この番号に従えば、往路走査においては#1から#Nに向けて電子走査が実行され、復路走査においては#Nから#1に向けて電子走査が実行される。但し、実際の送受信時には、相互に隣接する一群の振動素子のグループが選択され、それらを利用して超音波ビームを形成するための送受信開口が設定され、そして、そのような送受信開口が電子走査される。
【0031】
図3において、符号200は、往路走査の開始時に生成される同期信号の生成タイミングを示し、符号202は、復路走査の開始時に生成される同期信号の生成タイミングを示している。
【0032】
図4には、比較例が示されている。比較例においては電子走査制御を簡略化するために、往路走査及び復路走査のいずれにおいても電子走査方向は同じである。すなわち#1から#Nにかけての電子走査が往路走査及び復路走査の両者において実行される。その結果、図4(A)及び(B)に示すように、往路走査と復路走査とでは走査面の傾き方向が不一致となり、その結果、特に往路走査から復路走査への切り返し時及び復路走査から往路走査への切り返し時に走査面の歪み方向が突然変更されることから、画像観察者に対して違和感を与える。
【0033】
これに対し、図3に示す本実施形態に係る走査方向によれば、そのような切り返し時においても歪み方向を一致させることができるので、観察者に対する違和感を解消できるという利点がある。
【0034】
ちなみに、表示部24においては、本実施形態においては、順次形成される走査面に対応した断層画像が逐次的に表示され、それと共に各走査面を利用して段階的に形成される三次元画像が併せて表示されている。
【0035】
図5には、図1に示した超音波診断装置の要部構成が具体的なブロック図として示されている。三次元プローブ10は、図2に示したように、アレイ振動子10Aを含んでおり、そのアレイ振動子10Aは、複数の振動素子を有している。本実施形態においては、#1〜#Nの例えば256個の振動素子が設けられている。ちなみに、図5において、符号204は送受信開口を表しており、この送受信開口204は、N個の振動素子から選択されたM個の振動素子によって構成される。すなわち、そのような互いに隣接配置されたM個の振動素子を利用して超音波ビームとしての送波ビーム及び受波ビームが形成される。そして、そのような送受信開口204を振動素子の配列方向に沿って電子走査することにより、超音波ビームの電子走査が実行される。
【0036】
送受信部12は、図5に示す構成例において、マルチプレクサ(MPX)群30と、送受信器群32と、加算回路36とで構成されている。MPX群30は、後に図6を用いて説明するように、M個のマルチプレクサ(MPX)によって構成されており、各MPXにはN個の全ての振動素子が接続され、当該MPXはそれらの中から一つの振動素子を選択して、当該MPXに対応付けられた送受信器34に、選択された振動素子を接続する。
【0037】
送受信器群32は、M個の送受信器34によって構成されており、各送受信器34には、それに対応付けられた1つのMPXが接続される。送受信器34は、本実施形態において送信器(Tx)と受信器(Rx)とからなるものであり、受信器の出力側が加算回路36に接続されている。ちなみに、図5において送信器に接続された送信信号供給回路などは図示省略されている。
【0038】
加算回路36は、M個の受信器から出力される受信信号を加算する回路であり、具体的には、各受信器において受信信号に対して所定の遅延時間が付与され、その遅延時間が付与された各受信信号が加算回路36によって加算されている。これによっていわゆる整相加算が実現されている。その整相加算後の受信信号は、図1に示したように三次元画像演算部20に出力されている。
【0039】
本実施形態においては、図5に示すように、電子走査制御部16が切換コントローラ38を有している。この切換コントローラ38には、上述したように、制御部18からのクロック信号(CLK)、カウント動作指定信号(U/D)、スタート信号(STRT)が入力されており、それらの信号に従って、切換コントローラ38がMPX群30を構成する個々のMPXの動作を制御している。
【0040】
図6には、切換コントローラ38の具体的な構成例が示されている。またそれと共に、MPX群30の具体的な構成例が示されている。
【0041】
上述したように、MPX群30は、#1〜#MまでのM個のMPX40によって構成されている。それぞれのMPX40は、N個の振動素子に対して並列的に設けられており、各MPX40に、N個の振動素子が接続されている。また、各MPX40には、それに対応する送受信器34が接続されている。ちなみに、図6には受信時における動作を説明するために、各MPX40にIN端子及びOUT端子が明示されているが、送信時においては信号の流れが逆になり、MPX40は双方向で機能する。各MPX40におけるC/S端子は、チップセレクト信号を受け入れるための端子である。またRGT端子は、後述するROM42から出力される番号列データを入力するための端子である。ここで番号列データは、図5に示した送受信開口204を構成する振動素子の番号を表すN個の数字からなるデータである。そのような番号列データが各MPX40に与えられると、それぞれのMPX40においては、自己に対応する素子番号を特定し、当該素子番号のチャンネルすなわち振動素子を選択する動作を遂行する。
【0042】
したがって、ある番号列データが各MPX40にセットされると、その番号列データによって指定されるM個の振動素子、すなわちM個のチャンネルがM個の送受信器34に接続されることになる。
【0043】
ちなみに、図6においては各MPX40がそれぞれ別体で構成されているが、それらのMPX40を電気的には分離した形で物理的一体性をもって構成することも可能である。
【0044】
図6において、図5に示した切換コントローラ38は、この実施形態において、カウンタ44と、ROM42とで構成される。ROM42には、図8に示すような一連の複数の番号列データが格納されており、ROMの1つのアドレスには1つの番号列データが対応している。各番号列データは、第1チャンネルから第Mチャンネルに対応付けられる素子番号によって構成されており、例えば1番目の番号列データは、素子番号#1〜素子番号#Mまでの番号によって構成されている。これと同様に、2番目の番号列データは、素子番号#2〜素子番号#M+1までの素子番号によって構成されている。他の番号列データについても同様である。
【0045】
本実施形態においては、図8に示すように、ROM42に、N−M+1個の番号列データが格納されており、カウンタ44をカウントアップ動作させると、ROM42のアドレス順で各番号列データが順次読み出され、カウンタ44をカウントダウン動作させると逆順で各番号列データがROM42から読み出されることになる。ちなみに、カウンタ44の出力としてはMビットが与えられているが、ROM42のアドレスを指定できる限りにおいて、それには限定されない。
【0046】
カウンタ44の動作について更に説明すると、カウンタ44は、クロック信号をカウントするものであり、カウント動作指定信号がアップカウント動作を指定している場合には、スタート信号の入力後からクロック信号をカウントし、そのカウント値をカウントアップさせる。ここで、そのカウント値はカウンタ44からROM42のアドレス端子に出力される。それとは逆に、カウント動作指定信号がダウンカウントを指定する場合には、スタート信号の入力後からカウンタ44によってクロック信号がダウンカウントされ、そのカウント値がROM42のアドレス端子に出力される。
【0047】
ここで、本実施形態においては、図3に示した往路走査においては、カウンタ44の動作がカウントアップとされており、一方、復路走査の場合においては、カウンタ44の動作がカウントダウンとされている。その結果、図3に示したように、往路走査と復路走査とで超音波ビームの電子走査方向すなわち図5に示した送受信開口204の移動方向を逆にすることができ、さらに言えば往路走査及び復路走査の両方において、走査面の歪み方向を一致させることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態においては、制御部18において、同期信号100に同期したスタート信号が生成され、それがカウンタ44の動作開始信号として利用されているため、カウントアップ及びカウントダウンの動作開始タイミングを常に正しく設定することができ、換言すれば、機械走査と電子走査とを完全に同期させることが可能となる。
【0049】
図7には図6に示したMPX40の具体的な構成例が示されている。セレクタ46は、レジスタ48内にセットされた情報に従って#1〜#Nのいずれかのチャンネルを選択する回路である。レジスタ48には、ROM42からPビットのデータ量をもって出力される上記の番号列データが格納される。具体的には、そのROM42からの番号列データの出力はクロック信号に同期して行われており、そのクロック信号がチップセレクト信号としてレジスタ48のセット端子に入力されており、そのようなチップセレクト信号が入力されたタイミングでレジスタ48に番号列データがセットされる。そして、レジスタ48にセットされた番号列データにおいて、当該MPX40に対応する番号が識別され、当該番号に対応するチャンネルがセレクタ46によって選択される。このように、本実施形態においてはレジスタ48に番号列データの全部が格納されているが、MPX40に対応する番号データのみをレジスタ48に選択的にセットすることも可能である。いずれにしても、ROM42から出力された番号列データに基づいて、M個のMPX40がそれぞれが自己が担当するチャンネルを選択するように構成される。
【0050】
以上説明した実施形態によれば、ROM42内に、一連の電子走査位置に対応した複数の番号列データを格納しておき、カウンタ44をアップカウント動作またはダウンカウント動作させることによって、それらの番号列データを昇順あるいは降順で順番に読み出すことが可能であるため、往路走査及び復路走査に対応した送受波開口の電子走査を極めて簡易な構成で実現できるという利点がある。また、上述したように、カウンタ44の動作は三次元プローブ10内に設けられた同期信号生成器の出力パルスに完全に同期しているため、カウンタ44の動作を機械走査タイミングに完全に一致させることが可能であり、電子走査と機械走査が同期ずれを起こすことによる問題を未然に回避することが可能である。
【0051】
上記の実施形態においては、図6に示したように、切換コントローラ38にROM42を設けたが、それをRAMで構成し、ソフトウエア的に複数の番号列データを書換えられるようにしてもよい。そのような構成によれば、送受信開口の大きさを自在に可変設定することが可能である。その可変できる最大範囲はMに依存することになる。つまり、M個の各回路のうち実際に機能させる回路を選択できるように構成するものである。
【0052】
なお、図6及び図7には、受信時における信号の流れを図示したが、送信時においてはそのような信号の流れが逆転することになる。但し、そのような送信時においても受信時と同様に切換コントローラ38を動作させればよく、その意味においてもコストパフォーマンスを向上できるという利点がある。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な回路構成で、往路走査で生じる走査面の歪みと復路走査で生じる走査面の歪みの各方向を統一して画像観察上の違和感を解消できる。また、本発明によれば、機械走査と電子走査を同期させて、往路走査と復路走査とで各走査面の位置を一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】三次元データ取込領域の例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る走査方法を示す概念図である。
【図4】従来における走査方法を示す概念図である。
【図5】超音波診断装置の要部構成を示す図である。
【図6】切換コントローラ及びMPX群の具体的な構成例を示す図である。
【図7】MPXの具体的な構成例を示す図である。
【図8】番号列データテーブルを示す図である。
【符号の説明】
10 三次元プローブ、10A アレイ振動子、12 送受信部、14 機械走査制御部、16 電子走査制御部、18 制御部、20 三次元画像演算部、22 DSC(デジタルスキャンコンバータ)、24 表示部、30 マルチプレクサ群、32 送受信器群、36 加算回路、38 切換コントローラ、40マルチプレクサ、44 カウンタ、46 セレクタ。
Claims (3)
- N個の振動素子を含むアレイ振動子と、
前記N個の振動素子の配列方向と交差する方向に、前記アレイ振動子を機械的に往復走査する機械走査機構と、
前記N個の振動素子に並列接続されたM個のマルチプレクサであって、前記N個の振動素子の中から、超音波ビームの形成のために使用するM個の振動素子を選択的に接続するM個の選択スイッチと、
前記M個の選択スイッチによって選択されたM個の振動素子に接続されるM個の信号処理器と、
前記M個の選択スイッチに対して、前記超音波ビームを電子走査するために、M個の選択素子番号を表す番号列データを順番に供給する切換コントローラと、
を含み、
前記切換コントローラは、
前記超音波ビームの各電子走査位置に対応した複数の番号列データを格納した記憶部と、
前記アレイ振動子の往路走査が行われる場合には、前記記憶部から前記M個の選択スイッチへ前記複数の番号列データを昇順で順次出力させ、前記アレイ振動子の復路走査が行われる場合には、前記記憶部から前記M個の選択スイッチへ前記複数の番号列データを降順で順次出力させる読出し制御部と、
を有し、
前記読出し制御部は、前記記憶部の一連のアドレスを順番に発生するカウンタであり、
前記往路走査が行われる場合には前記カウンタをカウントアップ動作させ、前記復路走査が行われる場合には前記カウンタをカウントダウン動作させるカウント動作制御部が設けられたことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記往路走査から前記復路走査への転換時及び前記復路走査から前記往路走査への転換時に同期信号を生成する同期信号生成部を含み、
前記カウンタは、前記同期信号の入力により前記カウントアップ動作又は前記カウントダウン動作を開始することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記アレイ振動子及び前記機械走査機構は三次元プローブを構成し、
前記同期信号生成部は、前記三次元プローブ内に設けられたことを特徴とする超音波診断装置。
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