JPH105219A - 超音波診断装置の整相回路 - Google Patents

超音波診断装置の整相回路

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Publication number
JPH105219A
JPH105219A JP8159751A JP15975196A JPH105219A JP H105219 A JPH105219 A JP H105219A JP 8159751 A JP8159751 A JP 8159751A JP 15975196 A JP15975196 A JP 15975196A JP H105219 A JPH105219 A JP H105219A
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JP
Japan
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circuit
switch
cross point
signal lines
signal
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Application number
JP8159751A
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English (en)
Inventor
Mamoru Hirooka
衛 廣岡
Hiroyuki Kurashima
寛行 倉島
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロスポイントスイッチの対地静電容量によ
る高周波特性の劣化を低減し、単位時間当たりに超音波
ビームを送受信できる回数を向上させる。 【解決手段】 第1、及び第2の組み合わせ回路は、そ
れぞれ、クロスポイントスイッチ及び遅延線を備えてな
る。第1の組み合わせ回路の出力信号は、アナログスイ
ッチ10により、第2の組み合わせ回路、アナログスイ
ッチ12、或いは後段の回路に出力される。第2の組み
合わせ回路の出力信号は、アナログスイッチ11によ
り、第1の組み合わせ回路、アナログスイッチ12、或
いは後段の回路に出力される。制御回路13は、これら
アナログスイッチ10〜12の設定を行うことで、第
1、及び第2の組み合わせ回路を直列(2通り)、或い
は並列に接続させ、番号1〜nの振動子2のエコー信号
を全て加算した信号を、アナログスイッチ10、11、
或いは12から後段の回路に出力させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相制御によりセ
クタスキャン(扇形走査)を行い、組織間の音響インピ
ーダンスの違いを利用して軟部組織を画像化する超音波
診断装置に適用される整相回路に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波を用いて軟部組織を画像化する超
音波診断装置は、今日では診療所クラスの小さな病院で
も聴診器のように使われており、広く普及している。こ
れは、核医学診断装置、X線CT(Computed Tomograph
y )装置等の他の診断装置と比較して、手軽にリアルタ
イムに画像を撮ることができる、被験者への侵襲性が0
に近い(痛みや人体への影響がほとんどない)、といっ
た優れた特長を超音波診断装置が備えているためであ
る。
【0003】上記超音波診断装置では、超音波ビームを
走査(スキャン)することで、被験体の断層像を撮影す
る。その超音波ビームの走査には、超音波ビームを発射
し、被験体内で反射されて戻ってくる超音波(エコー)
を受信する振動子を備えた探触子(プローブ)が用いら
れる。走査方法としては、機械的な走査と電子的な走査
に分けることができる。
【0004】機械的なスキャンは、普通、プローブを高
速に回転させるか、或いは首振り運動を行うことで実現
される。他方の電子的なスキャンは、普通、複数の振動
子を横一列に並べて配置したプローブを用いて、各振動
子を振動させることで実現される。
【0005】電子的なスキャンにおいて、セクタスキャ
ンは、各振動子を振動させるタイミング(位相差)を制
御することで実現される。そのセクタスキャンでは、エ
コーの指向性、及び集束性等を制御するために、各振動
子がエコーを受信することで出力する信号(以降、エコ
ー信号と呼ぶ)を、各振動子毎に適宜な量だけ遅延して
加算することが行われる。このような機能を備えた回路
が整相回路である。
【0006】上記整相回路は、各振動子からのエコー信
号を遅延し加算する遅延線の他に、複数の第1及び第2
の信号線を交差させて配置し、その交点に各々アナログ
スイッチを設けたクロスポイントスイッチを備えて構成
される。このクロスポイントスイッチの第1の信号線が
振動子に接続され、第2の信号線が遅延線に設けらた各
々異なるタップに接続されている。各振動子からのエコ
ー信号の遅延量の制御は、超音波ビームの発射方向に応
じてクロスポイントスイッチの設定を変更し、それらエ
コー信号を入力させるタップを切り換えることで行われ
る。
【0007】上記クロスポイントスイッチの各アナログ
スイッチは、一般に、トランジスタ等の半導体スイッチ
を用いて構成されている。例えば半導体スイッチとして
MOSトランジスタを採用した場合、それのソースとド
レインがスイッチの入出力端子に対応する。
【0008】周知のように、ソース及びドレインと対地
間には静電容量(対地静電容量)が存在する(他の半導
体スイッチにおいても同様)。クロスポイントスイッチ
の構成上、その各入力端子には、それに接続されている
アナログスイッチ全ての対地静電容量が並列に接続さ
れ、各入力端子の対地静電容量は、アナログスイッチ数
が多くなる程、大きくなる。その対地静電容量は、それ
が大きくなる程、エコー信号の高域の周波数特性を劣化
させる。この不具合を低減するものとしては、例えば特
開平1−198536号公報に開示されている整相回路
がある。
【0009】図9は、上記公報に開示されている従来の
超音波診断装置の整相回路を示す図であり、図10は、
それの動作を説明するための図である。この図9、及び
図10を参照して、従来の整相回路の構成、及び動作を
説明する。
【0010】図9において、51は、図中、1〜nの番
号で示す複数の振動子52を備えたプローブである。こ
のプローブ51が備えた計n個の振動子52は、図10
に示すように、番号順に一列に並んで配置されている。
これらの振動子52は、番号が1〜n/2、n/2+1
〜nの2つの同数のグループに分けられており(以降、
前者を第1のグループ、後者を第2のグループと呼
ぶ)、各振動子52からのエコー信号の遅延量は、各グ
ループ毎に個別に制御される。図9中の破線で表した5
1a、51bは、各振動子52をグループ別にまとめて
示したものである。以降、第1のグループに属している
複数の振動子52を振動子群51a、第2のグループに
属している複数の振動子52を振動子群51bと呼ぶこ
とにする。また、図9中の53は、プリアンプ及び電圧
/電流(V/I)変換器をまとめて表したものである
(以降、これらをまとめてV/I変換器53と記す)。
【0011】各振動子52が出力したエコー信号は、こ
のV/I変換器53を介して、第1のグループのものは
クロスポイントスイッチ54、第2のグループのものは
クロスポイントスイッチ59に入力される。V/I変換
器53が接続されている線がクロスポイントスイッチ5
4、及び59の第1の信号線である。
【0012】クロスポイントスイッチ54、及び59
は、複数の第1の信号線と交差する複数の第2の信号線
を備え、第1の信号線と第2の信号線の交点55には、
それぞれ、アナログスイッチが設けられている(以降、
その符号には55を用いる)。各第2の信号線は、それ
ぞれ、バッファ56に接続されており、各バッファ56
は、それぞれ、遅延線57の1〜m/2でその番号を示
した何れかのタップ、或いは遅延線60のm/2+1〜
mでその番号を示した何れかのタップに接続されてい
る。
【0013】これらの遅延線57、及び60は、各振動
子52から異なるタイミングで出力されたエコー信号
を、そのタイミング差に応じて異なるタップから入力す
ることで、それらのエコー信号を加算(合成)して出力
する。遅延線57は、その加算後のエコー信号(以降、
加算信号と呼ぶ)をアナログスイッチ58に、他方の遅
延線60はそれをアナログスイッチ61に出力する。
【0014】各アナログスイッチ58、及び61は、遅
延線57、或いは60から入力した加算信号の出力用の
接点としてa、b接点を各々備えたマルチプレクサであ
る。そのアナログスイッチ58、及び61は、制御回路
62が出力する制御信号に従い、入力した加算信号を、
a、或いはb接点の何れかの接点から出力する。その制
御回路62は、アナログスイッチ58、61の開閉の切
り換えを行う他に、クロスポイントスイッチ54、及び
59の設定を行う。
【0015】アナログスイッチ58のb接点は、振動子
群51b用のクロスポイントスイッチ59の第1の信号
線に接続され、他方のアナログスイッチ61のa接点
は、振動子群51a用のクロスポイントスイッチ54の
第1の信号線に接続されている。即ち、各遅延線57、
60から出力された加算信号は、他方の遅延線に入力さ
せることができるようになっている。
【0016】これにより、例えばアナログスイッチ58
をb接点閉とすれば、遅延線57から出力された予め必
要なだけ遅延されている加算信号を、クロスポイントス
イッチ59を介して遅延線60の何れかのタップに入力
させ、それを振動子群51bの各振動子52が出力した
エコー信号と加算させて出力させることができる。同様
に、アナログスイッチ61をa接点閉とすれば、遅延線
57から全ての振動子52のエコー信号を加算させた信
号を出力させることができる。
【0017】図10に示すように、超音波ビームの発射
角度を±45度の範囲で偏向させてセクタスキャンを行
う場合、番号が1の振動子52が出力したエコー信号に
必要な遅延時間は、番号がnの振動子52が出力したエ
コー信号に必要な遅延時間と比較して、超音波ビームの
発射角度(超音波ビームの偏向角)が+側では小さく、
その角度が−側では逆に大きくなる。このため、制御回
路62は、超音波ビームを発射する角度に応じて、その
角度が+側であればアナログスイッチ58、及び61を
a端子閉とし、番号nの振動子52を含む振動子群51
bの加算信号を遅延線57で更に遅延させる。反対に、
その角度が−側であればアナログスイッチ58、及び6
1をb端子閉とし、番号1の振動子52を含む振動子群
51aの加算信号を遅延線60で更に遅延させる。
【0018】これにより、超音波ビームの偏向角が+側
であった場合には、全振動子52が出力したエコー信号
は最終的に遅延線57によって加算され、アナログスイ
ッチ58のa接点から出力される。反対にその角度が−
側であった場合には、全振動子52が出力したエコー信
号は最終的に遅延線60によって加算され、アナログス
イッチ61のb接点から出力される。アナログスイッチ
58のa接点、或いはアナログスイッチ61のb接点を
介して出力された全振動子52の加算信号が、後段の回
路に入力される。
【0019】クロスポイントスイッチのアナログスイッ
チの個数は、第1の信号線数と第2の信号線数の積とな
る。このことから、エコー信号の遅延、及びその加算を
行う遅延線を複数とし、各遅延線毎にクロスポイントス
イッチを備えた構成、即ち遅延線とクロスポイントスイ
ッチからなる組み合わせ回路を複数備えた構成とする
と、組み合わせ回路が1個の場合と比較して、各エコー
信号を遅延できる時間を減少させることなく、クロスポ
イントスイッチのアナログスイッチの個数を減らすこと
ができる(m×n>2・((n/2+1)×m/2)=
(n/2+1)×m))。これにより、エコー信号の高
域の周波数特性を劣化させるという上記不具合が低減さ
せることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の超音波診断装置の整相回路は、複数の組み合わ
せ回路を、超音波ビームの偏向角に応じて、組み合わせ
回路の出力を次段の他の組み合わせ回路に順次入力させ
ていき、最終段の組み合わせ回路から全振動子52のエ
コー信号を加算した信号を出力する構成である。このた
め、複数の組み合わせ回路のなかの最終段の組み合わせ
回路には、それ自身が備えるクロスポイントスイッチの
対地静電容量の他に、他の組み合わせ回路のクロスポイ
ントスイッチの対地静電容量が並列接続され、信号が流
れる経路全体の対地静電容量を大きくしていたという問
題点があった。この問題点は、信号の高周波特性を劣化
させ、画質を低下させるといった形で影響を及ぼす。
【0021】ところで、クロスポイントスイッチの設定
時にはノイズが発生し、その発生したノイズは、第2の
信号線を介して遅延線に侵入する。遅延線に侵入したノ
イズは、それが侵入したタップによって決まる遅延時間
が経過した後、遅延線から出力する。ノイズによる画質
の低下を回避するために、従来の整相回路は、クロスポ
イントスイッチの設定時に発生したノイズが全て遅延線
を通過するのを待って超音波ビームの送受信を行ってい
る。
【0022】しかし、上記従来の整相回路は、クロスポ
イントスイッチの設定を、例えば番号が1の振動子から
昇順にといったように、予め定められた順序に従って行
っていた。このため、以下のように、場合によっては、
超音波ビームの偏向角の変更に伴うクロスポイントスイ
ッチの設定変更に要する時間が非常に長くなるという問
題点が発生していた。この問題点は、単位時間(1秒)
当たりに超音波ビームを送受信できる回数を減らし、画
像のリアルタイム性を低下させるといった形で影響を及
ぼす。
【0023】例えばクロスポイントスイッチの設定が振
動子52の番号の昇順であった場合、最後の設定対象は
番号nの振動子52となる。しかし、この場合には、超
音波ビームの偏向角が−側(図10参照)になると、最
後に設定される番号nの振動子52から出力されるエコ
ー信号に必要な遅延時間が、全振動子52のなかで最大
のものとなり、設定を開始してから全てのノイズが遅延
線を通過するまでの時間が非常に長くなる。その時間
は、当然のことながら、超音波ビームの偏向角が−側に
大きくなるほど長くなる。
【0024】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、クロスポイントスイッチの対地静電容量による高
周波特性の劣化を低減することを第1の目的とする。ま
た、本発明は、単位時間当たりに超音波ビームを送受信
できる回数を向上させることを第2の目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様の超
音波診断装置の整相回路は、複数の振動子を有する探触
子を備え、該複数の振動子の位相制御によって被験体の
扇形走査を行う超音波診断装置に適用されることを前提
とし、接続される振動子数より少なくとも1個多い数の
複数の第1の信号線、この複数の第1の信号線と交差す
る複数の第2の信号線、及び複数の第1の信号線と複数
の第2の信号線が交差する点毎に各々スイッチを設けて
なるクロスポイントスイッチ、及び、クロスポイントス
イッチの複数の第2の信号線から信号を入力するタップ
を複数有する遅延線からなる組み合わせ回路を複数備え
るとともに、複数の組み合わせ回路が出力した信号を加
算する加算手段と、組み合わせ回路が出力した信号を、
他の組み合わせ回路の第1の信号線、加算手段、或いは
後段の回路に切り換えて出力する切換手段と、を具備し
ている。
【0026】上記の構成に加えて、組み合わせ回路のク
ロスポイントスイッチの設定を、位相制御により探触子
から発射される超音波ビームの方向、或いは被験体内の
焦点の位置に応じて、遅延線による遅延時間の大きい側
のスイッチから行う設定手段を、更に具備することが望
ましい。
【0027】本発明の第2の態様の超音波診断装置の整
相回路は、複数の振動子を有する探触子を備え、該複数
の振動子の位相制御によって被験体の扇形走査を行う超
音波診断装置に適用されることを前提とし、複数の振動
子から出力された信号が別個に入力される複数の第1の
信号線、複数の第1の信号線と交差する複数の第2の信
号線、及び複数の第1の信号線と複数の第2の信号線が
交差する点毎に各々スイッチを設けてなるクロスポイン
トスイッチ、及び、クロスポイントスイッチの複数の第
2の信号線から信号を入力するタップを複数有する遅延
線からなる組み合わせ回路を少なくとも1つ備えるとと
もに、組み合わせ回路のクロスポイントスイッチの設定
を、位相制御により探触子から発射される超音波ビーム
の方向、或いは被験体内の焦点の位置に応じて、遅延線
による遅延時間の大きい側のスイッチから行う設定手段
を、具備する。
【0028】本発明は、超音波ビームの偏向角等に応じ
て、ある組み合わせ回路が出力する信号を他の組み合わ
せ回路に入力させる(即ち、組み合わせ回路を直列接続
させる)他に、それらの組み合わせ回路が出力する信号
を加算する(即ち、組み合わせ回路を並列接続させる)
ことにより、各振動子が出力するエコー信号の加算を行
う。これにより、各組み合わせ回路が有するクロスポイ
ントスイッチの対地静電容量の影響を必要最小限に抑え
ることが可能となり、高周波特性の劣化の低減が可能と
なる。
【0029】また、本発明は、超音波ビームの偏向角等
に応じて、遅延時間が大きい信号を出力する振動子から
それのクロスポイントスイッチへの設定を行う。これに
より、クロスポイントスイッチの設定時に発生して遅延
線に侵入するノイズは、遅延時間が長いノイズほど遅延
線に早く侵入することになり、クロスポイントスイッチ
の設定開始から終了までに発生した全てのノイズが遅延
線を通過するのに要する時間は常に最短となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。 <第1の実施の形態>図1は、第1の実施の形態が適用
された超音波診断装置の整相回路を示す図である。
【0031】この第1の実施の形態は、図1に示すよう
に、2つの組み合わせ回路を有する構成である。プロー
ブ1が有する番号が1〜nの計n個の振動子2は、番号
順に一列に並んで配置されている(図2参照)。それら
の振動子2は、番号が1〜n/2の計n/2個の振動子
2からなる振動子群1a(第1のグループ)と、番号が
(n/2+1)〜nの計n/2個の振動子2からなる振
動子群1bとに分けられており、2つの組み合わせ回路
によって各振動子群1a、1b単位で各振動子2から出
力されるエコー信号の遅延量が制御される。
【0032】各振動子2から出力されたエコー信号は、
プリアンプ、及びV/I変換器を介してクロスポイント
スイッチ4、或いは5に入力される。図1中の3は、プ
リアンプ、及びV/I変換器をまとめて表したものであ
る(以降、これらをまとめてV/I変換器3と記す)。
このV/I変換器3が接続されている線がクロスポイン
トスイッチ4、及び5の第1の信号線である。各クロス
ポイントスイッチ4、及び5が有する第1の信号線数
は、V/I変換器3が接続されていないものが1本あ
り、計(n/2+1)である。
【0033】クロスポイントスイッチ4、及び5は、
(n/2+1)本の第1の信号線と交差する複数の第2
の信号線を備え、第1の信号線と第2の信号線の交点6
には、それぞれ、アナログスイッチが設けられている
(以降、このアナログスイッチにも6を符号として用い
る)。各第2の信号線は、それぞれ、バッファ7に接続
されており、そのバッファ7の先には遅延線8、或いは
9のタップが接続されている。遅延線8、及び9は、基
本的に同じものであり、遅延線8には、1〜m/2の番
号が付いた計m/2個のタップが、他方の遅延線9には
m/2+1〜mの番号が付いた計m/2個のタップが各
々設けられている。各クロスポイントスイッチ4、及び
5の第2の信号線数は、そのタップ数に合わせてm/2
本である。
【0034】上記遅延線8、及び9は、各振動子2から
通常異なるタイミングで出力されるエコー信号を、その
タイミング差に応じて異なるタップから入力すること
で、そのタイミング差を吸収し、それらのエコー信号を
加算(合成)して出力する。遅延線8は、その加算後の
エコー信号である加算信号をアナログスイッチ10に、
他方の遅延線9はそれをアナログスイッチ11に出力す
る。
【0035】なお、遅延線8及び9は、それが有するタ
ップのなかで最も番号が小さいタップに入力した信号を
遅延させずに出力する。具体的には、遅延線8は、番号
が1のタップに入力した信号を、遅延線9は、番号がm
/2+1のタップに入力した信号を、それぞれ遅延する
ことなく出力する。
【0036】各アナログスイッチ10、及び11は、遅
延線8、或いは9から入力した加算信号の出力用の接点
としてa、b、及びc接点を各々備えたマルチプレクサ
である。そのアナログスイッチ10、及び11は、制御
回路13が出力する制御信号に従い、入力した加算信号
を、a、b、或いはc接点の何れかの接点から出力す
る。
【0037】アナログスイッチ10は、そのa接点はア
ナログスイッチ12のa接点、そのb接点はアナログス
イッチ12のb接点、そのc接点はクロスポイントスイ
ッチ5の第1の信号線にそれぞれ接続されている。他方
のアナログスイッチ11は、そのa接点はクロスポイン
トスイッチ4の第1の信号線、そのb接点はアナログス
イッチ12のb接点、そのc接点はアナログスイッチ1
2のc接点にそれぞれ接続されている。
【0038】上記アナログスイッチ12は、a、b、及
びc接点を備えたデマルチプレクサであり、それら各接
点のなかの何れか一つの接点を閉にすることで、各接点
に入力された信号を選択して出力する。このアナログス
イッチ12が出力した信号が後段の回路に入力される。
【0039】制御回路13は、上記アナログスイッチ1
0、11の開閉の切り換えを行う他に、アナログスイッ
チ12の開閉の切り換え、更にはクロスポイントスイッ
チ4、及び5の設定を行う。各振動子2には、不図示の
送信回路から超音波ビームの発射方向(偏向角)に応じ
て信号(電気パルス)が送出される。制御回路13は、
その発射方向に応じて、アナログスイッチ10〜12の
開閉の切り換え、クロスポイントスイッチ4、5の設定
を行う。
【0040】図2は、その制御回路13の動作を説明す
るための図である。この図2を参照して、上記各種スイ
ッチに対する制御回路13の設定動作について詳細に説
明する。セクタスキャン、即ち超音波ビームの発射方向
(偏向角)は、第1の実施の形態では±45度の範囲内
で行われる。超音波ビームの偏向角の変更は、各振動子
2を振動させるタイミング(位相差)を制御することで
行われる。例えば+側への超音波ビームの発射は、番号
1の振動子2を最も早く振動を開始させた後、順次昇順
に振動子2を振動させることで実現される。
【0041】図2に示すように、第1の実施の形態で
は、超音波ビームの偏向角を、+側に比較的大きく偏向
させた領域、偏向が比較的小さい領域、及び−側に比較
的大きく偏向させた領域の3つの領域に大別して、各領
域毎に異なるスイッチの設定を行う。以降、上記3つの
領域については、それぞれ、+側領域、中央領域、−側
領域と呼ぶことにする。
【0042】なお、超音波ビームを+側に偏向させて発
射した場合、各振動子2が出力するエコー信号の遅延時
間は、番号nの振動子2のそれを最も大きく、番号1の
振動子2のそれを最も小さくする必要がある。超音波ビ
ームを−側に偏向させて発射した場合はその逆である。
【0043】+側領域に超音波ビームが発射される場
合、制御回路13は、アナログスイッチ10〜12を各
々a接点閉に設定する。アナログスイッチ10〜12を
このように設定すると、遅延線9から出力された信号は
アナログスイッチ11を介してクロスポイントスイッチ
4に入力され、遅延線8で全振動子2から出力されるエ
コー信号の加算が行われ、遅延線8から出力された信号
がアナログスイッチ10を介してアナログスイッチ12
のa接点から出力される。
【0044】換言すれば、超音波ビームを+側領域に発
射する場合、振動子群1a用の組み合わせ回路を第1の
組み合わせ回路、振動子群1b用に組み合わせ回路を第
2の組み合わせ回路と呼ぶと、制御回路13は、第2の
組み合わせ回路と第1の組み合わせ回路をその順序で直
列に接続し、最終段である第1の組み合わせ回路から後
段の回路に加算信号を出力させる。これは、+側領域で
は、エコー信号を遅延させる最大値と最小値の差、即ち
番号1の振動子2からのエコー信号の遅延時間と番号n
の振動子2からのエコー信号の遅延時間の差が比較的に
大きいためである。制御回路13は、超音波ビームの偏
向角、及び上記組み合わせ回路の接続形態に基づいて、
各クロスポイントスイッチ4、及び5の設定を合わせて
行う。
【0045】上記+側領域とは対極となる−側領域に超
音波ビームが発射される場合、制御回路13は、アナロ
グスイッチ10〜12を各々c接点閉に設定する。アナ
ログスイッチ10〜12をこのように設定すると、遅延
線8から出力された信号はアナログスイッチ10を介し
てクロスポイントスイッチ5に入力され、遅延線9で全
振動子2から出力されるエコー信号の加算が行われ、遅
延線9から出力された信号がアナログスイッチ11を介
してアナログスイッチ12のc接点から出力される。換
言すれば、第1の組み合わせ回路と第2の組み合わせ回
路をその順序で直列に接続し、最終段である第2の組み
合わせ回路から後段の回路に加算信号を出力させる。制
御回路13は、各クロスポイントスイッチ4、及び5の
設定を、超音波ビームの偏向角、上記組み合わせ回路の
接続形態に基づいて行う。
【0046】最後の中央領域に超音波ビームが発射され
る場合、制御回路13は、アナログスイッチ10〜12
を各々b接点閉に設定する。アナログスイッチ10〜1
2をこのように設定すると、遅延線8から出力された信
号、及び遅延線9から出力された信号は、共にアナログ
スイッチ12のb接点に入力するので、それらの信号は
そこで加算され、アナログスイッチ12のb接点から後
段の回路に出力される。換言すれば、第1の組み合わせ
回路と第2の組み合わせ回路を並列に接続し、各組み合
わせ回路の出力信号を加算して後段の回路に出力させ
る。
【0047】中央領域では、第1の組み合わせ回路が出
力する加算信号の遅延時間と、第2の組み合わせ回路が
出力する加算信号のそれとの差が比較的小さい。中央領
域は、その差をクロスポイントスイッチ4及び5の設定
内容によって吸収することができる範囲、具体的には、
振動子2から出力されたエコー信号に対する最大遅延時
間が一つの遅延線8、或いは9の遅延時間内に収まる範
囲をそれとして決定したものである。
【0048】制御回路13は、超音波ビームの偏向角が
0度の場合、例えば各クロスポイントスイッチ4、及び
5を同一の内容で設定する(この場合には、例えば各振
動子2から出力されたエコー信号に対する遅延量を全て
同じになるように設定する)。超音波ビームの発射角度
が0度からずれている場合には、それがずれている側、
及びその角度に応じて、例えばそれが+側にずれていた
場合には、振動子群1bに属する各振動子2から出力さ
れるエコー信号に対する遅延量が、振動子群1aに属す
る角振動子2から出力されるエコー信号に対するそれよ
りも全体的に大きくなるように、各クロスポイントスイ
ッチ4、及び5を設定する。
【0049】上述したように、第1、及び第2の組み合
わせ回路を並列に接続した場合、エコー信号の経路上の
クロスポイントスイッチの対地静電容量は、その組み合
わせ回路のクロスポイントスイッチ分だけとなり、他の
組み合わせ回路のクロスポイントスイッチの対地静電容
量は影響しなくなる。このため、高周波特性の劣化を更
に低減させることができ、中央領域(図2の斜線部分)
では木目の細かな画像を表示することができる。通常、
診断時には、関心領域が中央領域となるように画像を撮
ることから、それによる効果は実用上非常に大きなもの
となる。
【0050】なお、第1の実施の形態は、2つの組み合
わせ回路を有する整相回路に本発明を適用したものであ
るが、本発明は2つよりも多い組み合わせ回路を有する
整相回路に対しても容易に適用することができるもので
ある。例えば4つの組み合わせ回路を有する整相回路に
本発明を適用する場合には、4つの組み合わせ回路を全
て並列に接続する他に、超音波ビームの発射角度が0度
からある程度ずれている際には、2つずつ組み合わせ回
路を並列に接続し、各並列に接続した2つの組み合わせ
回路を更に並列に接続させても良い。 <第2の実施の形態>第2の実施の形態は、クロスポイ
ントスイッチとそれの第2の信号線にタップが接続され
ている遅延線を備えてなる組み合わせ回路を2系統有す
る整相回路に本発明を適用したものである。上記第1の
実施の形態と同じ部分は、それの説明のために付与した
符号を用いて第2の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0051】なお、第2の実施の形態では、第1の実施
の形態とは異なり、2つの組み合わせ回路を2系統の組
み合わせ回路と表現している。これは、詳細は後述する
ように、第2の実施の形態における各組み合わせ回路
は、それぞれ、プローブ1の各振動子2が出力するエコ
ー信号を全て入力し、それらを互いに異なる時間だけ遅
延させて加算することができるためである。換言すれ
ば、第1の実施の形態における2つの組み合わせ回路に
よって実現できる機能を、第2の実施の形態のそれらは
各々備えているためである。
【0052】図3は、第2の実施の形態による整相回路
を示す図である。この第2の実施の形態による整相回路
は、図3に示すように、プローブ1が有する全振動子
2、及び各振動子2毎にそれに接続されているV/I変
換器3からなる受信回路21と、その受信回路が出力す
る各振動子2毎のエコー信号を入力し、それらを加算し
た加算信号を出力する組み合わせ回路22、23と、そ
れら組み合わせ回路22、23が出力する加算信号の一
方を選択して出力するアナログスイッチ24と、このア
ナログスイッチ24、各組み合わせ回路22、及び23
の設定を行う制御回路25とを備えている。
【0053】図4は、上記組み合わせ回路22、23を
示す図である。プローブ1は、番号が1〜nの計n個の
振動子2を備えている。第2の実施の形態で採用したク
ロスポイントスイッチ31は、その振動子2数に合わ
せ、計n本の第1の信号線と、計m本の第2の信号線
と、各第1の信号線と第2の信号線の交点にそれぞれ設
けたアナログスイッチ32とを備えている。それの第2
の信号線は、図示しないバッファを介して遅延線33の
各タップに接続されている。
【0054】以上の構成において、その動作を説明す
る。第2の実施の形態は、電子フォーカスによって超音
波を集束させる点(焦点)を順次変更(移動)させてい
く、いわゆるダイナミック受信フォーカスを行い、画像
を撮影する。制御回路25は、組み合わせ回路22にエ
コー信号を処理(加算)させる場合にはアナログスイッ
チ24をa接点閉とし、組み合わせ回路22でエコー信
号の処理を行わせている間に組み合わせ回路23(それ
のクロスポイントスイッチ31)の設定を行う。組み合
わせ回路22がエコー信号を処理し、それを加算した加
算信号をアナログスイッチ24のa接点に出力した後
は、アナログスイッチ24をb接点閉に切り換え、組み
合わせ回路23にエコー信号の処理を行わせるととも
に、組み合わせ回路22の設定を行う。このような動作
を繰り返し、2系統の組み合わせ回路22、23の一方
の設定中に他方で受信処理を行うことで、ダイナミック
受信フォーカスによるセクタスキャンを実行する。
【0055】図6は、集束原理を説明する図である。こ
こで、この図6を参照して、超音波ビームの集束、即ち
焦点合わせについて具体的に説明する。プローブ1に
は、番号が1〜nの計n個の振動子2が一列に並べて配
置されている。被験体内の任意の点を焦点とすると、そ
の点で超音波ビームが反射されてから、そのエコーがプ
ローブ1の各振動子2に到達し受信されるまでの時間は
普通各振動子2毎に異なる。焦点合わせは、基本的に、
焦点とする位置で超音波ビームが反射されてから、それ
のエコーを各振動子2が受信するまでの時間差を吸収す
るように、各振動子2が出力したエコー信号を個別に遅
延させることで行われる。
【0056】具体的には、例えば図6に示すように、超
音波ビームの偏向角が+側のある点Aに焦点を合わせる
場合、ある時点でその点Aで反射されたエコーは、番号
nの振動子2に最も早く到達し、番号1の振動子2には
最も遅く到達する。図6中のLnは、それら振動子2間
のエコーの経路長の差であり、番号nの振動子2が出力
するエコー信号に対しては、少なくとも、その差Lnを
エコー(超音波)が進行するのに要する時間を遅延させ
る。他の振動子2が出力するエコー信号に対しても同様
に、番号nの振動子2との経路長の差をエコーが進行す
るのに要する時間を遅延させる。
【0057】このようにすると、点A(及びその周辺)
からのエコーを各振動子2が受信して出力したエコー信
号を、その点Aで超音波ビームが反射されたタイミング
に合わせて加算することができる。これにより、点Aか
らのエコーを選択的、且つ効率的に受信することができ
る。即ち、点Aに焦点を合わせることができる。これ
は、被験体内の他の点を焦点とする場合も同様である。
【0058】焦点合わせは、上述したように、各振動子
2が出力するエコー信号の遅延量を制御することであ
り、制御回路25が各組み合わせ回路22、23のクロ
スポイントスイッチ31の設定を行うことで電子的に実
現される。
【0059】ダイナミック受信フォーカスでは、焦点を
早く切り換えていくことで画質を向上させることができ
る。しかし、その焦点の切り換えに対応するクロスポイ
ントスイッチ31の設定時には、ノイズが発生し、その
ノイズは画質の劣化を招くため、後述するように、発生
するノイズは画像のフレームレートを制限する一つの大
きな原因となっていた。第2の実施の形態は、この問題
点を以下のように低減することで、フレームレートをよ
り向上させている。
【0060】図7は、クロスポイントスイッチ31の設
定に要する期間を説明する図である。超音波ビームの偏
向角が+側であった場合に、クロスポイントスイッチ3
1の設定時に発生したノイズが遅延線33を通過するの
に要する時間を示している。この図7を参照して、第2
の実施の形態によるノイズ対策について詳細に説明す
る。
【0061】第2の実施の形態のクロスポイントスイッ
チ31は、各第1の信号線がそれぞれアドレスに対応し
ており(このようにすると、1つの振動子2を複数のタ
ップに接続することが回避できるという利点がある)、
各アドレス(振動子2)毎に、その第1の信号線と第2
の信号線を接続させるアナログスイッチ32を設定して
いくことで、クロスポイントスイッチ31全体の設定を
行うようになっている。このクロスポイントスイッチ3
1の設定を行うことで、各振動子2を接続させる遅延線
33のタップが確定する。
【0062】各振動子2を遅延線33に接続させるアナ
ログスイッチ32の設定を行うと、その設定時に発生し
たノイズは、そのアナログスイッチ32が接続したタッ
プから遅延線33に侵入し、その侵入したタップで決ま
る遅延時間が経過した後、遅延線33から出力される。
このため、具体的には以下のように、各振動子2の設定
順序により、ノイズが遅延線33の通過に要する時間は
大きく異なる。
【0063】上記したように、図7は、超音波ビームの
偏向角が+側であった際に発生したノイズが遅延線33
を通過する様子を表しており、同図(a)は番号1の振
動子2から昇順に設定を行った場合(図4における下向
きの矢印方向:従来例に相当する)、同図(b)はその
逆に番号nの振動子2から降順に設定を行った場合(図
4における上向きの矢印方向)のものである。
【0064】超音波ビームの発射角度が+側のときに
は、図6から判るように、番号nの振動子2が出力する
エコー信号の遅延時間が最も大きく、番号1の振動子2
が出力するエコー信号の遅延時間が最も小さい。このた
め、図7(a)に示すように、昇順に設定を行った場
合、その設定期間は、番号1から番号nの振動子2の設
定に要する時間T1に、設定を開始してから時間T1後
に発生した番号nの振動子2の設定時のノイズが遅延線
33を出力するまでの時間T2を加算した時間以上が常
に必要となる(設定期間>T1+T2)。
【0065】これに対し、降順に設定を行った場合に
は、最後に設定する振動子2の遅延時間が普通0となる
ことから、図7(b)に示すように、設定期間は、番号
n〜番号1の振動子2の設定に要する時間T1か、或い
は番号nの振動子2の設定時に発生したノイズが遅延線
33を出力するまでの時間T2(そのスキャン時におけ
る最大の遅延時間)の何れか一方以上となる(設定期間
>max(T1、T2))。
【0066】このことから明らかなように、遅延線33
を全てのノイズが通過してから受信期間に移行するまで
の期間が同じであるとすれば、超音波ビームの偏向角が
+側であった場合、クロスポイントスイッチ31の設定
順序を昇順から降順に変更することで、番号nの振動子
2の設定時に発生したノイズが遅延線33を通過するま
での時間T2の範囲内で設定期間を短縮することができ
る。図7の例では、時間T1が短縮されているが、これ
はT1<T2のためである。超音波ビームの発射角度が
−側であった場合には、クロスポイントスイッチ31の
設定順序を昇順に切り換えることで、同様の範囲内で設
定期間を短縮することができる。
【0067】図8は、クロスポイントスイッチ31の設
定順序により得られる画像を説明する図である。同図8
(a)は、上述した第2の実施の形態によるクロスポイ
ントスイッチ31の設定方法を採用した場合、同図
(b)は、クロスポイントスイッチ31を予め設定され
ている順序に従って設定する従来例による場合のもので
ある。これらは、単位時間当たりに撮影できる(超音波
ビームを送受信できる)回数、即ちフレームレートを同
じとした場合に得られる画像の様子を模式的に表したも
のである。
【0068】上述したように、第2の実施の形態による
クロスポイントスイッチ31の設定方法を採用すること
で、クロスポイントスイッチ31の設定期間を従来より
も短縮することができる。このため、図8(a)、同図
(b)に示したように、同一のフレームレートとした条
件では、第2の実施の形態のほうが画像の分割数(焦点
を切り換えて撮影する回数)が多く、超音波ビームの集
束幅を狭くすることができる。言い換えれば、画質が良
く、鮮明な画像を得ることができる。また、第2の実施
の形態では、従来例と比較して、フレームレートを向上
しつつ、よりリアルタイムな画像をより鮮明に得ること
もできる。
【0069】図5は、上記制御回路25を示す図であ
る。次に、上記の動作を実現する制御回路25の構成、
及び動作について、図5を参照して詳細に説明する。セ
クタスキャンは、例えば超音波ビームの発射方向の+側
の最大値から−側の最大値まで順次超音波ビームの発射
方向を切り換えていくことで行われる。その超音波ビー
ムの発射方向は、例えば+側の最大値が0で、−側の最
大値に向かうにつれて順次大きくなる走査番号によって
管理されている。CPU41は、次に超音波ビームを発
射する方向を示す走査番号を、走査番号レジスタ42に
保持させる。
【0070】走査番号の中央値は、中央値レジスタ43
に保持されている。比較器44は、走査番号レジスタ4
2に保持されている走査番号と、中央値レジスタ43に
保持されている中央値とを比較し、その比較結果をセレ
クタ46、及びカウンタ47に出力する。例えば、比較
器44は、走査番号が中央値以下であった場合には論理
値が0の信号を、走査番号が中央値よりも大きい場合に
は論理値が1の信号を出力する。
【0071】セレクタ46に接続されているレジスタ4
5には、クロスポイントスイッチ31の設定を開始する
振動子2の番号(その値はクロスポイントスイッチ31
のアドレスに対応する)がCPU41により保持され
る。上記したように、クロスポイントスイッチ31の設
定順序は、超音波ビームの発射方向によって異なる。こ
のため、例えばレジスタ45の上位4ビットには0、そ
の下位4ビットにはn+1をそれぞれ保持させている。
セレクタ45には、レジスタ45の上位4ビット、それ
の下位4ビットの値がそれぞれ出力される。
【0072】そのセレクタ46は、比較器44の出力し
た信号が0であった場合、即ち超音波ビームの偏向角が
+側であった場合、レジスタ45の下位4ビットの値を
選択してカウンタ47に出力する。その反対に、比較器
44が出力した信号が1であった場合には、即ち超音波
ビームの偏向角が−側であった場合には、レジスタ45
の上位4ビットの値を選択してカウンタ47に出力す
る。
【0073】そのカウンタ47は、セレクタ46が出力
した値をロードして初期値にセットする。初期値をセッ
トした後は、比較器44が出力する信号に従い、例えば
CPU41が出力するクロック(図示せず)を入力する
度に、それのインクリメント、或いはデクリメントを行
う。具体的には、比較器44の出力した信号が0であっ
た場合、即ち超音波ビームの発射方向が+側であった場
合、カウント値のデクリメントを行い、比較器44が出
力した信号が1であった場合には、即ち超音波ビームの
発射方向が−側であった場合には、カウント値のインク
リメントを行う。そのカウンタ47のカウント値は、組
み合わせ回路22、或いは23のクロスポイントスイッ
チ31のアドレス線に出力される。
【0074】超音波ビームの偏向角が+側の場合には、
カウンタ47の初期値にn+1がセットされ、そのカウ
ント値がn〜1の間、クロスポイントスイッチ31には
降順にカウンタ47からアドレス値が出力される。反対
に、超音波ビームの発射方向が−側の場合には、カウン
タ47の初期値に0がセットされ、そのカウント値が1
〜nの間、クロスポイントスイッチ31には昇順にカウ
ンタ47からアドレス値が出力される。CPU41は、
そのカウンタ47のクロスポイントスイッチ31へのア
ドレス値の出力に合わせて、そのアドレス値での設定内
容をクロスポイントスイッチ31に出力する。これによ
り、超音波ビームの発射方向に応じたクロスポイントス
イッチ31の設定が行われる。
【0075】このようにして、一方の組み合わせ回路2
2、或いは23のクロスポイントスイッチ31の設定が
終了すると、CPU41は、アナログスイッチ24の接
続の切り換えを行い、クロスポイントスイッチ31の設
定が終了した側の組み合わせ回路22、或いは23でエ
コー信号の受信処理を行わせる。
【0076】このとき、他方の組み合わせ回路23、或
いは22に対しては、次の走査番号を走査番号レジスタ
42に保持させ、上記と同様にして、そのクロスポイン
トスイッチ31を設定する。このような動作を繰り返
し、ダイナミック受信フォーカスによるセクタスキャン
を行う。
【0077】なお、第2の実施の形態は、組み合わせ回
路を2系統有する整相回路に本発明を適用したものであ
るが、本発明は組み合わせ回路の設定時間を短縮するも
のであることから、組み合わせ回路数に係わらず適用で
きるものである。また、当然のことながら、電子フォー
カスをかけるか否かに係わらず、本発明は位相制御を行
う超音波診断装置の整相回路に適用できるものである。
【0078】上記組み合わせ回路においては、第2の実
施の形態では第1の実施の形態とは異なり、プローブ1
が有する振動子2数と同じ数の第1の信号線を備えたク
ロスポイントスイッチ31を採用しているが、第1の実
施の形態のように、プローブ1が有する振動子2を複数
のグループに分け、各グループ毎にクロスポイントスイ
ッチを割り当てるようにしても良い。即ち、第1の実施
の形態に、第2の実施の形態によるクロスポイントスイ
ッチの設定方法を適用させても良い。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、超音波
ビームの偏向角等に応じて、ある組み合わせ回路が出力
する信号を他の組み合わせ回路に入力させる(即ち、組
み合わせ回路を直列接続させる)他に、それらの組み合
わせ回路が出力する信号を加算する(即ち、組み合わせ
回路を並列接続させる)ことにより、各振動子が出力す
るエコー信号の加算を行う。このため、各組み合わせ回
路が有するクロスポイントスイッチの対地静電容量の影
響を必要最小限に抑えることができ、高周波特性の劣化
を低減させることができる。その結果、被験体のより鮮
明な画像を得ることができる。
【0080】また、本発明は、超音波ビームの偏向角等
に応じて、遅延時間が大きいエコー信号を出力する振動
子からそれのクロスポイントスイッチへの設定を行うた
め、クロスポイントスイッチの設定開始から終了までに
発生した全てのノイズが遅延線を通過するのに要する時
間を常に最短とすることができる。これにより、設定期
間を短縮することができ、単位時間当たりに超音波ビー
ムを送受信できる回数を向上させることができる。その
結果、フレームレートの向上や、リアルタイム性、画質
の向上等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による整相回路を示す図であ
る。
【図2】制御回路の動作を説明するための図である。
【図3】第2の実施の形態による整相回路を示す図であ
る。
【図4】組み合わせ回路を示す図である(第2の実施の
形態)。
【図5】制御回路を示す図である。
【図6】集束原理を説明する図である。
【図7】クロスポイントスイッチの設定に要する期間を
説明する図である。
【図8】クロスポイントスイッチの設定順序によって得
られる画像の違いを説明する図である。
【図9】従来の超音波診断装置の整相回路を示す図であ
る。
【図10】従来の整相回路の動作を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1 プローブ 2 振動子 3 V/I変換器 4、5、31 クロスポイントスイッチ 8、9、33 遅延線 6、10〜12、24、32 アナログスイッチ 13、25 制御回路 21 受信回路 22、23 組み合わせ回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の振動子を有する探触子を備え、該
    複数の振動子の位相制御によって被験体の扇形走査を行
    う超音波診断装置に適用される整相回路において、 接続される振動子数より少なくとも1個多い数の複数の
    第1の信号線、該複数の第1の信号線と交差する複数の
    第2の信号線、及び該複数の第1の信号線と該複数の第
    2の信号線が交差する点毎に各々スイッチを設けてなる
    クロスポイントスイッチ、及び、該クロスポイントスイ
    ッチの複数の第2の信号線から信号を入力するタップを
    複数有する遅延線からなる組み合わせ回路を複数備える
    とともに、 前記複数の組み合わせ回路が出力した信号を加算する加
    算手段と、 前記組み合わせ回路が出力した信号を、他の組み合わせ
    回路の第1の信号線、前記加算手段、或いは後段の回路
    に切り換えて出力する切換手段と、 を具備したことを特徴とする超音波診断装置の整相回
    路。
  2. 【請求項2】 前記組み合わせ回路のクロスポイントス
    イッチの設定を、前記位相制御により前記探触子から発
    射される超音波ビームの方向、或いは被験体内の焦点の
    位置に応じて、前記遅延線による遅延時間の大きい側の
    スイッチから行う設定手段を、 更に具備したことを特徴とする請求項1記載の超音波診
    断装置の整相回路。
  3. 【請求項3】 複数の振動子を有する探触子を備え、該
    複数の振動子の位相制御によって被験体の扇形走査を行
    う超音波診断装置に適用される整相回路において、 前記複数の振動子から出力された信号が別個に入力され
    る複数の第1の信号線、該複数の第1の信号線と交差す
    る複数の第2の信号線、及び該複数の第1の信号線と該
    複数の第2の信号線が交差する点毎に各々スイッチを設
    けてなるクロスポイントスイッチ、及び、該クロスポイ
    ントスイッチの複数の第2の信号線から信号を入力する
    タップを複数有する遅延線からなる組み合わせ回路を少
    なくとも1つ備えるとともに、 前記組み合わせ回路のクロスポイントスイッチの設定
    を、前記位相制御により前記探触子から発射される超音
    波ビームの方向、或いは被験体内の焦点の位置に応じ
    て、前記遅延線による遅延時間の大きい側のスイッチか
    ら行う設定手段を、 具備したことを特徴とする超音波診断装置の整相回路。
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