JPH05329159A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

Info

Publication number
JPH05329159A
JPH05329159A JP3333058A JP33305891A JPH05329159A JP H05329159 A JPH05329159 A JP H05329159A JP 3333058 A JP3333058 A JP 3333058A JP 33305891 A JP33305891 A JP 33305891A JP H05329159 A JPH05329159 A JP H05329159A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
focus
image data
pattern
ultrasonic
reception
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3333058A
Other languages
English (en)
Inventor
Ko Ishikawa
皇 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP3333058A priority Critical patent/JPH05329159A/ja
Publication of JPH05329159A publication Critical patent/JPH05329159A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人為的手段を介することなく、被検体内の音
速分布等の条件の変動によらず常に最適なフォーカス状
態の画像を得る。 【構成】 フォーカスパターン選択回路17で順次選択
された送信フォーカスパターンに応じて、送信フォーカ
ス発生回路15で送信フォーカスを行う。エコー信号に
対して、受信フォーカス発生回路16で、送信フォーカ
スパターンに対応した受信フォーカスパターンで受信フ
ォーカスを行い、被検体の同一部位に対して、フォーカ
スパターンの異なる複数の画像データをメモリ21〜2
3に記憶する。フォーカス評価回路30は、メモリ21
〜23に記憶された複数の画像データの中から、各画像
データが有する所定の特徴量を比較して最適なフォーカ
ス状態の画像データを選択し、合成メモリ25に記憶
し、断層像を合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子フォーカスを行う
超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、超音波振動子から超音波を被
検体内に送波し、被検体内の組織の境界で反射されたエ
コーを超音波振動子で再度受波してエコー信号を得て、
このエコー信号に対して増幅・検波等の処理を行って断
層像を形成して表示器に表示する超音波診断装置が知ら
れている。
【0003】ところで、超音波診断装置において分解能
を向上させる手段として電子フォーカス技術がある。電
子フォーカスには送波の電子フォーカスと受波の電子フ
ォーカスとがある。送波の電子フォーカスは、例えば複
数の振動子が直線状に配列された振動子アレイの場合、
内側の振動子より外側の振動子ほど被検体内に送波する
時間を早めることによって、各振動子からの超音波信号
が被検体内で1点に収束するように、各振動子の送波の
時間を制御するものである。
【0004】被検体内で超音波信号を1点に収束させる
ためには、被検体内の音速が一定であるとの仮定に基づ
き、同位相の信号に基づく送波の波面が円弧状になるよ
うな制御方法が一般的である。円弧状の波面を形成する
には、内側の振動子ほど駆動タイミングを遅らせれば良
い。そのため、同位相の駆動信号を、内側の振動子ほど
遅らせて供給すれば良い。この場合、振動子の位置と駆
動信号の遅延量との関係を示す駆動信号の遅延パターン
は円弧状になる。以下、送波における駆動信号の遅延パ
ターンを送信フォーカスパターンと呼ぶ。断層像中にお
ける関心部位の深度が浅い場合には送信フォーカスパタ
ーンの円弧の曲率を小さくし、逆に深度が深い場合には
円弧の曲率を大きくすることで、関心部位の表示分解能
を向上させることができる。
【0005】また、受波の電子フォーカスは、内側の振
動子ほど受信信号を遅延させて、被検体内の同一反射部
位からの円弧状の波面のエコーに対応する受信信号を同
位相の信号とするものである。この場合、振動子の位置
と受信信号の遅延量との関係を示す受信信号の遅延パタ
ーンは円弧状となり、以下、この遅延パターンを受信フ
ォーカスパターンと呼ぶ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電子
フォーカスの方法では、超音波の音速が被検体内部にお
いて均一であるという前提にたって処理を行っていた。
【0007】しかし、現実の生体では、内部組織の部位
や状態によって音速が異なる。そのため、前述のように
音速一定の仮定のもとに設定された円弧状のフォーカス
パターンでは、現実の被検体組織に常に最適な送受信フ
ォーカスを行うことができなかった。
【0008】また、水バックを使用した場合には、被検
体内での音速が一定であったとしても、一つのフォーカ
スパターンでは最適な送受信フォーカスを行うことがで
きなくなることがある。例えば、水バックを使用して乳
房の断層像を得ようとした場合、水バックおよび乳房の
形状は図15に示すようになる。この図において、符号
201は水バックの部分であり、202は被検体の乳房
部分である。このような形状のため、仮に乳房部分の音
速が略一定であったとしても、乳房部分と水バックとの
音速差、界面での屈折の影響等により、断層像の中央部
と端の部分とでは、同一深度の場合でも一つのフォーカ
スパターンでは、最適な分解能を得ることはできなかっ
た。
【0009】これは、従来の電子フォーカス技術が、音
速一定という仮定に基づくためであり、関心部位の深度
だけがフォーカスパターンを変化させるパラメータであ
ったためである。
【0010】これらの問題点を解決するために、特開平
3−176040号公報には、エコーを受信する際に複
数の受信フォーカスパターンを用意し、選択する技術が
示されているが、これだけでは非常に分解能が良い断層
像を得ることは困難であった。なぜならば、送信フォー
カスの場合にも、被検体内の音速分布や水バックの影響
により、音速一定の仮定のもとに設定された円弧状の送
信フォーカスパターンでは常に最適な送信フォーカスを
行うことができないためである。
【0011】また、特開昭63−288141号公報に
示されるように、人為的にフォーカスパターンを調整し
て最適なフォーカスを行わせることも考えられるが、部
位に応じて調整することは極めて困難である。
【0012】そこで本発明の目的は、人為的手段を介す
ることなく、被検体内の音速分布等の条件の変動によら
ず常に最適なフォーカス状態の画像を得ることができ、
優れた送受波指向性を有する超音波診断装置を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波診断装置
は、配列された複数の超音波振動子を有しこの超音波振
動子によって被検体内に超音波ビームを送波すると共に
被検体内からの超音波エコーを受波してエコー信号を出
力する超音波プローブと、複数の送信フォーカスパター
ンのうちの一つを順次選択し、選択された送信フォーカ
スパターンに基づいて複数の超音波振動子の駆動タイミ
ングを決定して送信フォーカスを行う送信フォーカス手
段と、複数の超音波振動子より出力されるエコー信号に
対して時系列的にまたは同時に複数の受信フォーカスパ
ターンに基づく遅延を行って受信フォーカスを行う受信
フォーカス手段と、この受信フォーカス手段によって受
信フォーカスが行われたエコー信号に基づいて画像デー
タを生成する信号処理手段と、被検体の同一部位に対し
て、送信フォーカスパターンと受信フォーカスパターン
の複数の組合せによる複数の画像データを記憶する画像
データ記憶手段と、この画像データ記憶手段に記憶され
た複数の画像データの中から各画像データが有する所定
の特徴量を比較して最適なフォーカス状態の画像データ
を選択するフォーカス評価手段と、このフォーカス評価
手段によって選択された画像データに基づいて断層像を
形成する画像形成手段とを備えたものである。
【0014】本発明の超音波診断装置では、送信フォー
カス手段によって、順次選択された送信フォーカスパタ
ーンに基づいて複数の超音波振動子の駆動タイミングが
決定され、超音波振動子から被検体内に超音波ビームが
送波される。被検体内の組織の境界で反射されたエコー
は超音波振動子で受波され、エコー信号が得られる。こ
のエコー信号に対しては、受信フォーカス手段によって
時系列的にまたは同時に複数の受信フォーカスパターン
による受信フォーカスが行われ、受信フォーカスが行わ
れたエコー信号に基づいて信号処理手段によって画像デ
ータが生成される。そして、被検体の同一部位に対し
て、送信フォーカスパターンと受信フォーカスパターン
の複数の組合せによる複数の画像データが画像データ記
憶手段によって記憶される。フォーカス評価手段は、画
像データ記憶手段に記憶された複数の画像データの中か
ら、各画像データが有する所定の特徴量を比較して最適
なフォーカス状態の画像データを選択する。そして、こ
の選択された画像データに基づいて画像形成手段によっ
て断層像が形成される。このようにして、最適なフォー
カス状態の断層像が得られる。
【0015】フォーカス評価手段は例えば、一断層像を
複数に分割した各分割領域に対応する画像データ毎に所
定の特徴量を比較し画像データを選択する。これによ
り、各分割領域毎に最適なフォーカス状態の画像が得ら
れる。
【0016】特徴量は例えば、画像データの分散、画像
データの最大値と最小値の差、画像データの空間周波数
の高周波成分と低周波成分の比、各画素データとその近
傍画素データとの差分の絶対値の総和のうちの少なくと
も一つである。
【0017】受信フォーカス手段は例えば、送信フォー
カス手段で選択した送信フォーカスパターンに対応する
受信フォーカスパターンを順次選択して受信フォーカス
を行う受信フォーカス回路を有する。この場合、送信フ
ォーカスパターンと受信フォーカスパターンとが対応
し、双方が異なる複数の画像データが順次得られる。
【0018】また、受信フォーカス手段は例えば、同一
のエコー信号に対して互いに異なる受信フォーカスパタ
ーンによる受信フォーカスを行う複数の受信フォーカス
回路を有する。この場合、一つの送信フォーカスパター
ンに対して複数の受信フォーカスパターンによる画像デ
ータが得られる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1ないし図13は本発明の第1実施例に
係るものである。
【0020】図1は本実施例の超音波診断装置の構成を
示すブロック図である。本実施例の超音波診断装置は、
チャンネルch1〜chnの複数(n)個の超音波振動
子11aが直線状に配列されたBモードリニアアレイ振
動子からなる超音波プローブ11を備えている。この超
音波プローブ11の各超音波振動子11aには、マルチ
プレクサ12を介して、複数のドライバ13の出力端お
よび複数のレシーバ14の入力端が接続されている。レ
シーバ14はログアンプおよびSTC(センシティビィ
ティ・タイム・コントロール)回路を含んでいる。
【0021】超音波振動子11aは、マルチプレクサ1
2を介してドライバ13から供給される駆動信号によっ
て駆動されると超音波ビームを送波し、被検体内の組織
の境界で反射された超音波エコーを受波してエコー信号
を出力する電気・音響変換素子である。
【0022】本実施例では、チャンネルch1〜chn
のうちの所定個数の一連の超音波振動子11aを1組と
して同時に動作させると共に、動作させる超音波振動子
11aを順次シフトさせることによって超音波ビームを
移動させる電子走査を行うようになっている。そのた
め、ドライバ13およびレシーバ14は、1回の送波お
よび受波で同時に動作させる超音波振動子11aの個数
に対応した数だけ設けられている。
【0023】マルチプレクサ12は、ドライバ13およ
びレシーバ14をチャンネルch1〜chnのうちの特
定の1組の超音波振動子11aに接続し、ドライバ13
からの駆動信号を1組の超音波振動子11aに加え、こ
の1組の超音波振動子11aから出力されるエコー信号
をレシーバ14に入力させると共に、ドライバ13およ
びレシーバ14を接続する超音波振動子11aを順次シ
フトさせることによって電子走査を行うようになってい
る。
【0024】ドライバ13の入力端には送信フォーカス
発生回路15が接続され、レシーバ14の出力端には受
信フォーカス発生回路16が接続されている。また、本
実施例の超音波診断装置は、複数の送信フォーカスパタ
ーンおよび受信フォーカスパターンのうちの一つを順次
選択し、その選択信号を送信フォーカス発生回路15お
よび受信フォーカス発生回路16へ送るフォーカスパタ
ーン選択回路17を備えている。なお、本実施例では、
選択可能な送信フォーカスパターンおよび受信フォーカ
スパターンを、パターンa〜cの3つとする。
【0025】送信フォーカス発生回路15は、フォーカ
スパターン選択回路17からの選択信号に応じて、複数
の超音波振動子11aの駆動信号の遅延パターン、すな
わち送信フォーカスパターンを発生させる。送信フォー
カス発生回路15は各ドライバ13に送る駆動信号を発
生する駆動回路を有しており、発生された送信フォーカ
スパターンはこの駆動回路で駆動信号に変換され、ドラ
イバ13およびマルチプレクサ12を介して1組の超音
波振動子11aに供給される。なお、フォーカスパター
ン選択回路17が送信フォーカス発生回路15へ送る選
択信号は、超音波振動子11aの駆動信号の遅延時間を
そのまま示さず、選択したパターンの区別がつけば良い
程度の単純な信号で良い。
【0026】一方、受信フォーカス発生回路16は、フ
ォーカスパターン選択回路17からの選択信号に応じ
て、選択された送信フォーカスパターンに対応するエコ
ー信号の時間遅延パターン、すなわち受信フォーカスパ
ターンを発生させ、そのパターンにより各超音波振動子
11aからのエコー信号を遅延する。その結果、複数の
超音波振動子11aから得られた高周波エコー信号が一
つに合成される。なお、本実施例では、送信フォーカス
パターンと受信フォーカスパターンは同じパターンとし
ている。また、送信フォーカス発生回路15、受信フォ
ーカス発生回路16における信号の遅延には遅延回路が
用いられる。
【0027】この受信フォーカス発生回路16で合成さ
れた高周波エコー信号は、検波回路18で検波され、ア
ナログ・ディジタル(以下、A/Dと記す。)変換回路
19でディジタルのエコーデータに変換され、1入力3
出力のスイッチ20の入力端に印加されるようになって
いる。このスイッチ20の各出力端には、それぞれ1枚
分の断層像データの記憶領域を有するメモリ(a)2
1、メモリ(b)22、メモリ(c)23が接続されて
いる。スイッチ20は、フォーカスパターン選択回路1
7によってフォーカスパターンの選択に同期して切り替
えられ、送信フォーカスパターンおよび受信フォーカス
パターンがパターンaのときのエコーデータはメモリ
(a)21に記憶され、パターンbのときのエコーデー
タはメモリ(b)22に記憶され、パターンcのときの
エコーデータはメモリ(c)23に記憶されるようにな
っている。このようにして、各メモリ21〜23にはパ
ターンa〜cに対応した一断層像分の画像データ(エコ
ーデータ)が格納される。
【0028】メモリ21〜23には、各メモリ21〜2
3に記憶された画像データの中から、各画像データが有
する所定の特徴量を比較して最適なフォーカス状態の画
像データを選択するフォーカス評価回路30が接続され
ている。このフォーカス評価回路30で選択された画像
データは合成メモリ25に記憶されるようになってい
る。この合成メモリ25に記憶された画像データは、デ
ィジタル・アナログ(以下、D/Aと記す。)変換回路
26でアナログ信号に変換され、表示器27に可視画像
として表示されるようになっている。
【0029】図2はフォーカス評価回路30の構成を示
すブロックである。この図に示すように、フォーカス評
価回路30は、互いにバス31によって接続された中央
処理装置(以下、CPUと記す。)32、リード・オン
リ・メモリ(以下、ROMと記す。)33、ランダム・
アクセス・メモリ(以下、RAMと記す。)34および
入出力制御装置35を備えている。入出力制御装置35
には、メモリ21〜23および合成メモリ25が接続さ
れている。このフォーカス評価回路30では、CPU3
2がRAM34をワークエリアとしてROM33に格納
されたプログラムを実行することによって、前述の特徴
量の比較および画像データの選択の動作を行うようにな
っている。
【0030】ここで、特徴量の比較による画像データの
選択の方法について説明する。一般的に、フォーカスさ
れている画像データとフォーカスされていない画像デー
タとを比較した場合、フォーカスされている画像の方が
明暗を表わす輝度差が大きく、絵柄のエッジ等が明瞭に
現れている。この特徴を画像の輝度分布で表現すると、
輝度値の分散が大きいほど画像がフォーカスされている
ことになる。またフォーカスされた場合は、最大輝度値
はより大きな値に、最小輝度値はより小さな値になる傾
向がある。そのため、画像の合焦度を評価するパラメー
タとして、画像データの最大値や最小値を使用したり、
最大値と最小値の差等、最大値と最小値を組み合わせた
ものを使用することができる。
【0031】この他に、フォーカスされた場合には、断
層像を空間周波数成分に変換した場合、高周波成分と低
周波成分の比(高周波成分/低周波成分)の値が大きく
なり、また各画素の輝度値とその近傍画素の輝度値との
差分の絶対値の累計が大きくなる傾向があり、これらを
用いても画像の合焦度を評価することが可能である。こ
のように、分散以外に、輝度分布の散らばり具合いを数
値化する他のパラメータを用いても、分散を用いた場合
と同様の効果が得られる。
【0032】なお、本実施例におけるフォーカス評価回
路30は、一断層像を複数に分割した各分割領域に対応
する画像データ毎に、所定の特徴量を比較し画像データ
を選択するようになっている。
【0033】図3ないし図6には、それぞれ特徴量とし
て、画像データの分散、画像データの最大値と最小値の
差、画像データの空間周波数の高周波成分と低周波成分
の比、各画素データとその近傍画素のデータとの差分の
絶対値の総和を用いた場合のフォーカス評価回路30の
構成例を示す。なお、これらの図に示される各手段は、
図2に示す構成によって実現される。
【0034】図3は特徴量として画像データの分散を用
いた場合のフォーカス評価回路30の構成を示す機能ブ
ロック図である。この例のフォーカス評価回路30は、
メモリ21〜23および合成メモリ25に接続された切
替手段41と、この切替手段41を介してメモリ21〜
23のうちの一つに接続され、一断層像中の分割領域内
の平均輝度を算出する平均値算出手段42と、この平均
値算出手段42で算出された平均輝度と分割領域内の各
画素の画像データとの差分を算出する差分算出手段43
と、この差分算出手段43で算出された差分を自乗する
自乗算出手段44と、この自乗算出手段44で算出され
た自乗値を累計する累計手段45と、3つのメモリ21
〜23の各画像データについて累計手段45で求められ
た累計値を比較してその最大値を算出する最大値算出手
段46とを備えている。
【0035】このフォーカス評価回路30では、まず、
切替手段41によって指定されたメモリ(a)21内の
分割領域の画像データが、切替手段41を経て平均値算
出手段42に入力され、分割領域内の平均輝度が算出さ
れる。その後、差分算出手段43によって、平均値算出
手段42で算出された平均輝度と切替手段41からのメ
モリ(a)21の分割領域内の各画素の画像データとの
差分が算出される。この差分は自乗算出手段44によっ
て自乗され、累計手段45によって分割領域内の差分の
自乗値が累計されて分散が得られる。なお、数学的に
は、この値を分割領域内の画素数で割ったものが分散で
あるが、分割領域がすべて一定の大きさであるため、割
る処理を行わずともフォーカスの評価方法には変化はな
いので、処理を簡単にするために省いている。累計手段
45で求められた分散値は最大値算出手段46に送られ
る。最大値算出手段46は、メモリ(a)21の分割領
域の分散が入力されると、切替手段41に次のメモリに
切り替える信号を送る。この信号に応じて切替手段41
は、メモリ(a)21との分割領域と同位置のメモリ
(b)22の分割領域の画像データを読み込むように切
り替え、メモリ(a)21の場合と同様に分割領域の分
散が算出され、最大値算出手段46に送られる。その
後、メモリ(c)23に対しても同様の処理が行われ、
最大値算出手段46では、メモリ21〜23のそれぞれ
から得られた3つの分散のうちの最大値を算出し、その
最大値をとるメモリのデータを切替手段41から合成メ
モリ25の対応する領域に送る。
【0036】以上の処理を断層像の全領域にわたって行
うことにより、合成メモリ25には分割領域毎に最も良
いフォーカス状態の画像データが記憶されることにな
る。
【0037】図4は特徴量として画像データの最大値と
最小値の差を用いた場合のフォーカス評価回路30の構
成を示す機能ブロック図である。この例のフォーカス評
価回路30は、図3の例と同様の切替手段41と、この
切替手段41を介してメモリ21〜23のうちの一つに
接続され、一断層像中の分割領域内の画像データの最大
値を算出する最大値算出手段51および最小値を算出す
る最小値算出手段52と、最大値算出手段51で算出さ
れた最大値と最小値算出手段52で算出された最小値と
の差分を算出する差分算出手段53と、3つのメモリ2
1〜23の各画像データについて差分算出手段53で算
出された差分を比較してその最大値を算出する最大値算
出手段54とを備えている。
【0038】このフォーカス評価回路30では、まず、
切替手段41によって指定されたメモリ(a)21内の
分割領域の画像データが、切替手段41を経て最大値算
出手段51および最小値算出手段52に入力され、最大
値および最小値が算出される。その後、差分算出手段5
3によって最大値と最小値との差分が算出され、この差
分が最大値算出手段54に送られる。同様に、メモリ
(b)22、メモリ(c)23に対しても同様の処理が
行われ、最大値算出手段54では、メモリ21〜23の
それぞれから得られた3つの差分のうちの最大値を算出
し、その最大値をとるメモリのデータを切替手段41か
ら合成メモリ25の対応する領域に送る。以上の処理を
断層像の全領域にわたって行う。
【0039】図5は特徴量として画像データの空間周波
数の高周波成分と低周波成分の比を用いた場合のフォー
カス評価回路30の構成を示す機能ブロック図である。
この例のフォーカス評価回路30は、図3の例と同様の
切替手段41と、この切替手段41を介してメモリ21
〜23のうちの一つに接続され、一断層像中の分割領域
内の画像データの空間周波数成分を算出する空間周波数
成分算出手段56と、この空間周波数成分算出手段56
によって算出された空間周波数成分の高周波成分と低周
波成分の比(高周波成分/低周波成分)を算出する高周
波成分/低周波成分算出手段57と、3つのメモリ21
〜23の各画像データについて算出手段57で算出され
た比を比較してその最大値を算出する最大値算出手段5
8とを備えている。
【0040】このフォーカス評価回路30では、まず、
切替手段41によって指定されたメモリ(a)21内の
分割領域の画像データが、切替手段41を経て空間周波
数成分算出手段56に入力され、空間周波数成分が算出
される。その後、高周波成分/低周波成分算出手段57
によって高周波成分と低周波成分の比(高周波成分/低
周波成分)が算出され、この比が最大値算出手段58に
送られる。同様に、メモリ(b)22、メモリ(c)2
3に対しても同様の処理が行われ、最大値算出手段58
では、メモリ21〜23のそれぞれから得られた3つの
比のうちの最大値を算出し、その最大値をとるメモリの
データを切替手段41から合成メモリ25の対応する領
域に送る。以上の処理を断層像の全領域にわたって行
う。
【0041】図6は特徴量として近傍画素の輝度値との
差分の絶対値の累計を用いた場合のフォーカス評価回路
30の構成を示す機能ブロック図である。この例のフォ
ーカス評価回路30は、図3の例と同様の切替手段41
と、この切替手段41を介してメモリ21〜23のうち
の一つに接続され、一断層像中の分割領域内の各画素ご
とに、その近傍画素の輝度値の平均値を算出する平均値
算出手段61と、分割領域内の各画素ごとに、平均値算
出手段61で算出された近傍画素の輝度値の平均値と各
画素の画像データとの差分の絶対値を算出する差分絶対
値算出手段62と、この差分絶対値算出手段62で算出
された値を累計する累計手段63と、3つのメモリ21
〜23の各画像データについて累計手段63で累計され
た値を比較してその最大値を算出する最大値算出手段6
4とを備えている。
【0042】このフォーカス評価回路30では、まず、
切替手段41によって指定されたメモリ(a)21内の
分割領域の画像データが、切替手段41を経て平均値算
出手段61に入力され、各画素についての近傍画素の輝
度値の平均値が算出される。その後、差分絶対値算出手
段62によって、近傍画素の輝度値の平均値と各画素の
画像データとの差分の絶対値が算出され、累計手段63
によって分割領域内の全画素についての差分の絶対値の
累計が算出され、最大値算出手段64に送られる。同様
に、メモリ(b)22、メモリ(c)23に対しても同
様の処理が行われ、最大値算出手段64では、メモリ2
1〜23のそれぞれから得られた3つの差分のうちの最
大値を算出し、その最大値をとるメモリのデータを切替
手段41から合成メモリ25の対応する領域に送る。以
上の処理を断層像の全領域にわたって行う。
【0043】なお、図6に示す例において、平均値算出
手段61で、近傍画素の輝度値の平均値の代わりに分割
領域内の全画素についての輝度値の平均値を求めても良
い。また、近傍画素の輝度値の平均値の代わりに隣接画
素の画像データを用いても良い。
【0044】次に、図7ないし図13を参照して、本実
施例の動作について説明する。まず、フォーカスパター
ン選択回路17でフォーカスパターンaが選択され、送
信フォーカス発生回路15は送信フォーカスパターンa
を発生させる。この送信フォーカスパターンは駆動回路
で駆動信号に変換され、ドライバ13およびマルチプレ
クサ12を介して1組の超音波振動子11aに供給さ
れ、この1組の超音波振動子11aから収束する超音波
ビームが被検体内に送波される。被検体内の組織の境界
で反射されたエコーは、1組の超音波振動子11aで受
波され、エコー信号が得られる。このエコー信号は、マ
ルチプレクサ12およびレシーバ14を経て受信フォー
カス発生回路16に入力される。受信フォーカス発生回
路16は、送信フォーカスパターンaに対応した受信フ
ォーカスパターンaを発生させ、そのパターンにより各
超音波振動子11aからのエコー信号を遅延して複数の
超音波振動子11aから得られたエコー信号を一つに合
成する。
【0045】この受信フォーカス発生回路16で合成さ
れたエコー信号は、検波回路18で検波され、A/D変
換回路19でディジタルのエコーデータに変換され、ス
イッチ20を介してメモリ(a)21に記憶される。こ
れら一連の処理が、選択されたフォーカスパターンがa
のまま、1フレームの走査が終了するまで行われる。こ
のようにして、メモリ(a)21にフォーカスパターン
aに対応した一断層像分の画像データが格納される。
【0046】1フレームの走査が終了すると、フォーカ
スパターン選択回路17で選択されるフォーカスパター
ンがaからbに変更され、上記と同様の一連の処理が行
われる。ただし、この場合、A/D変換回路19から出
力されるエコーデータは、メモリ(a)21ではなくメ
モリ(b)22に記憶される。この状態で1フレームの
走査を終了し、その後、フォーカスパターン選択回路1
7で選択されるフォーカスパターンがbからcに変更さ
れ、上記と同様の一連の処理が行われる。この場合、A
/D変換回路19から出力されるエコーデータはメモリ
(c)23に記憶される。
【0047】フォーカスパターンcの状態で1フレーム
の走査が終了すると、次にフォーカスパターン選択回路
17では、再びフォーカスパターンaが選択され、また
1フレームの走査が終了するまで、フォーカスパターン
aで採取したエコーデータがメモリa21に新たに記憶
される。
【0048】このようにフォーカスパターン選択回路1
7は、1フレームの走査が終了する度に、フォーカスパ
ターンをa、b、c、a、b、c、a、…と繰り返し選
択する。このようにして、各メモリ21〜23に、それ
ぞれフォーカスパターンa〜cに対応した一断層像分の
画像データが格納され、また、この画像データは順次更
新される。
【0049】上記の処理とは独立に、メモリ21〜23
に書き込まれた画像データは、1枚の断層像を複数に分
割した分割領域毎にフォーカス評価回路30に逐次読み
込まれ、断層像の同一分割領域毎に、最適なフォーカス
状態の画像データが選択され、その分割領域に対応する
合成メモリ25の領域に記憶される。
【0050】フォーカス評価回路30では、1箇所の分
割領域の評価が終わり、選択された画像データが合成メ
モリ25に記憶されると、次の分割領域の評価を行い、
その結果選択された画像データが合成メモリ25の対応
する領域に記憶される。なお、フォーカス評価回路30
では、評価が行われる分割領域が1枚の断層像の全てに
行き渡るように分割領域の設定が行われる。
【0051】合成メモリ25に記憶された画像データ
は、D/A変換回路26でアナログ信号に変換され、表
示器27に可視画像として表示される。
【0052】次に、送信フォーカス発生回路15および
受信フォーカス発生回路16における遅延パターンの設
定方法について、図7ないし図9を参照して説明する。
なお、以下の説明では、簡単のため、送受信を行う1組
の超音波振動子11aとして6個の振動子T1 〜T6
アレイを考え、各振動子における指向特性は無視できる
ものとする。
【0053】図7において、振動子T1 〜T6 は直線状
に配列され、点Fに対してフォーカスを行うものとす
る。生体の組織I内で音速が全て一定(V1)とすれ
ば、送受信とも、点Fを円の中心とするようなフォーカ
スパターンFP1の遅延を行ったときに、分解能が良好
なエコー信号が得られる。なお、この図において、フォ
ーカスパターンは図における上側ほど遅延量が大きいこ
とを示しており、従って、フォーカスパターンFP1
は、内側の振動子ほど遅延量が大きいものである。
【0054】図8のように、組織Iと組織IIの境界B1
が振動子面に対して平行に存在し、組織Iの音速V1、
組織IIの音速V2が各組織内では一定であり、V1>V
2の場合には、この図に示すフォーカスパターンFP2
のように、図7のフォーカスパターンFP1よりも小さ
い曲率を有するフォーカスパターンでないと、点Fにフ
ォーカスすることはできない。なお、正確には境界面で
の屈折等の影響もあり、フォーカスパターンFP2は正
円弧にはならない。
【0055】図9のように、組織Iと組織IIの境界B2
が振動子面に対して斜めに存在している場合、点Fにフ
ォーカスさせるためには、かなり歪んだフォーカスパタ
ーンFP3で遅延をかけなければならない。なお、この
場合も組織Iの音速V1、組織IIの音速V2は各組織内
では一定で、V1>V2とする。
【0056】このようにある1点をフォーカスさせよう
とした場合にも、単に生体の深度のみに依存した形でフ
ォーカスパターンを設定するよりも、複数のフォーカス
パターンを予め用意し、その中から最もその点に適した
フォーカスパターンを適宜選択する方が、分解能の良好
な超音波断層像を形成できることは明らかである。そこ
で、本実施例では、複数のフォーカスパターンを順次切
り替えて、各フォーカスパターンによる画像データを得
て、その中から分割領域毎に最もフォーカス状態の良好
なものを選択して断層像を形成するようにしている。
【0057】次に、図10を参照して、フォーカス評価
回路30の動作について説明する。前述のように画像の
合焦度を評価するパラメータはいくつかあり、フォーカ
ス評価回路30はそれらに対応して図3ないし図6に示
すようないくつかの構成例があるが、ここでは、パラメ
ータとして分散を用いた図3に示すフォーカス評価回路
30を例にとり説明する。
【0058】図10はフォーカス評価回路の動作を示す
フローチャートである。なお、この図では説明を簡単に
するためにフォーカスパターン選択回路17で選択され
るフォーカスパターンはFP1、FP2、FP3の3通
りとする。また、図中の符号iはフォーカスパターンF
Pの番号を示し、1、2、3が有効な番号である。
【0059】このフォーカス評価回路30は、まず、ス
テップ(以下、Sと記す。)101で、輝度分散の最大
値Smaxと、そのときのフォーカスパターンの番号i
maxと、iの初期化を行う。すなわち、Smax、i
maxを“0”とし、iを“1”とする。
【0060】次に、S102でi≦3か否かを判断す
る。iが3を超えない場合(“Y”)には、S103
で、i番目のフォーカスパターンに対応するメモリから
切替手段41を介して分割領域の画像データを読み取
り、S104でこの画像データの分散(Si)を計算す
る。この分散の計算は、平均値算出手段42、差分算出
手段43、自乗算出手段44および累計手段45によっ
て行われる。
【0061】次に、S105で最大値算出手段46によ
って、分散SiとSmaxの比較(Si>Smaxか否
かの判断)を行い、SiがSmaxよりも大きい場合
(“Y”)には、S106でSmaxにSiの値を代入
し、imaxにiの値を代入してS107へ進む。一
方、SiがSmaxよりも大きくない場合(“N”)に
は、そのままS107へ進む。
【0062】S107ではiの値を1増加し、S102
へ戻る。このようにして、iが1〜3まで、同様の処理
が行われる。
【0063】S102で、iが3を超えた場合
(“N”)には、S108で最大値算出手段46によっ
て、imax番目のフォーカスパターンによる画像デー
タを切替手段41を介して読み込んで、合成メモリ25
内の読み込んだ分割領域に対応する位置に転送して、一
回の処理を終了する。
【0064】以上の一連の処理を、読み込む分割領域を
移動させながら、画像全域に行うことにより、合成メモ
リ25内には全画像領域で最もフォーカス状態の良好な
画像が記憶されることになる。
【0065】なお、パラメータとして分散以外のものを
用いた場合の処理も同様である。また、選択されるフォ
ーカスパターンの数も上述の例のように3つに限ったも
のではなく、2以上の数であれば同様の効果が得られる
ことは明らかである。
【0066】ところで、図10のS103において、メ
モリから読み込む画像データの分割領域の大きさや形は
任意に設定可能である。図11ないし図13は分割領域
の例を示す説明図である。図11に示す例は分割領域1
11を5×5画素や7×7画素等の正方画素領域とした
ものであり、図12に示す例は分割領域111を六角形
の画素領域としたものであり、図13は被検体における
同一の所定深度範囲の領域を分割領域111としたもの
である。
【0067】フォーカスパターンの数が多い場合には分
割領域の大きさを大きめにし、一方、フォーカスパター
ンの数が少ない場合には分割領域の大きさを小さめにし
て、限られた時間内でのフォーカス評価回路30におけ
る評価効率の最適化を図ったり、層状の断層像に対して
評価を行う場合等には縦長の領域を用いたりする等、領
域の形状および大きさは、フォーカスパターンの数や断
層像対象部位によって設定することによって最適の領域
が決定される。
【0068】以上説明したように本実施例によれば、送
信フォーカスと受信フォーカスの双方についてフォーカ
スパターンを複数用意し、分割領域毎に最適なパターン
による画像データを選択するようにしたので、被検体内
の各部において常に最適なフォーカス状態の超音波断層
像を得ることができる。
【0069】なお、本実施例において、3つの受信フォ
ーカスパターンによる受信フォーカスを時系列的に行う
1つの受信フォーカス発生回路16の代わりに、互いに
異なる受信フォーカスパターンによる受信フォーカスを
行う3つの受信フォーカス発生回路をレシーバ14の出
力端に並列に設け、これら3つの受信フォーカス発生回
路の出力を、フォーカスパターン選択回路17からの選
択信号に応じてスイッチによって選択するようにしても
良い。
【0070】次に、図14を用いて本発明の第2実施例
について説明する。
【0071】第1実施例では、3通りのフォーカスパタ
ーンに対してフォーカスの評価が行われた。一般的に
は、送信フォーカスパターンと同じパターンで受信フォ
ーカスを行えば、最もフォーカスの効果が得られる。ま
た、用意するフォーカスパターンの数が多いほど分解能
の高い断層像が得られる傾向がある。
【0072】しかし、送信フォーカスのパターンを多く
すれば、その分リアルタイム性(実時間表示性)も低下
してしまう。
【0073】そこで第2実施例は、用意する送信フォー
カスパターンと受信フォーカスパターンとを別個のもの
にすることで、リアルタイム性を損なわずに、さらに精
度の良い断層像を得ることができるようにしたものであ
る。
【0074】図14は本実施例の超音波診断装置の構成
を示すブロック図である。この図において、図1と同じ
参照番号のものは第1実施例と同様の機能を有する要素
を示し、その説明を省略する。本実施例では、用意され
た送信フォーカスパターンはa、bの2種類、受信フォ
ーカスパターンはα、β、γの3種類とする。
【0075】フォーカスパターン選択回路17は送信フ
ォーカスパターンa、bを順次選択し、送信フォーカス
発生回路15はこのフォーカスパターン選択回路17か
らの選択信号に応じて順次送信フォーカスパターンa、
bによる送信フォーカスを行う。
【0076】本実施例では、レシーバ14の出力端には
3つの受信フォーカス発生回路71、72、73が並列
に接続されている。各受信フォーカス発生回路71、7
2、73は、それぞれ、同一のエコー信号に対して受信
フォーカスパターンα、β、γによる受信フォーカスを
同時に行うようになっている。受信フォーカス発生回路
71、72、73から出力されるエコー信号は、それぞ
れ別個の検波回路18で検波され、A/D変換回路19
でディジタルのエコーデータに変換され、1入力2出力
のスイッチ74、75、76の各入力端に印加されるよ
うになっている。スイッチ74の各出力端にはそれぞれ
1枚分の断層像データの記憶領域を有するメモリ(a
α)81、メモリ(bα)82が接続され、スイッチ7
5の各出力端にはそれぞれ同様のメモリ(aβ)83、
メモリ(bβ)84が接続され、スイッチ76の各出力
端にはそれぞれ同様のメモリ(aγ)85、メモリ(b
γ)86が接続されている。
【0077】各スイッチ74、75、76は、フォーカ
スパターン選択回路17によってフォーカスパターンの
選択に同期して切り替えられ、送信フォーカスパターン
aのときのエコーデータはメモリ(aα)81、メモリ
(aβ)83、メモリ(aγ)85に記憶され、パター
ンbのときのエコーデータはメモリ(bα)82、メモ
リ(bβ)84、メモリ(bγ)86に記憶されるよう
になっている。
【0078】メモリ81〜86には、各メモリ81〜8
6に記憶された画像データの中から、各画像データが有
する所定の特徴量を比較して最適なフォーカス状態の画
像データを選択するフォーカス評価回路30が接続され
ている。
【0079】その他の構成は第1実施例と同様である。
【0080】次に本実施例の動作について説明する。ま
ず、フォーカスパターン選択回路17でフォーカスパタ
ーンaが選択され、送信フォーカス発生回路15は送信
フォーカスパターンaを発生させる。この送信フォーカ
スパターンaによって1組の超音波振動子11aから超
音波ビームが被検体内に送波され、また、この1組の超
音波振動子11aからエコー信号が得られる。このエコ
ー信号は、マルチプレクサ12およびレシーバ14を経
て受信フォーカス発生回路71、72、73に入力され
る。受信フォーカス発生回路71、72、73は、それ
ぞれ受信フォーカスパターンα、β、γを発生させ、そ
のパターンにより各超音波振動子11aからのエコー信
号を遅延して複数の超音波振動子11aから得られたエ
コー信号を一つに合成する。
【0081】この受信フォーカス発生回路71、72、
73で合成されたエコー信号は、それぞれ検波回路18
で検波され、A/D変換回路19でディジタルのエコー
データに変換され、スイッチ74、75、76を介して
メモリ81、83、85に記憶される。これら一連の処
理が、選択された送信フォーカスパターンがaのまま、
1フレームの走査が終了するまで行われる。
【0082】その後、フォーカスパターン選択回路17
で送信フォーカスパターンbが選択され、同じ処理が繰
り返される。ただし、この場合には、各A/D変換器1
9から出力されるエコーデータは送信フォーカスパター
ンbに対応したメモリ82、84、86に記憶される。
このようにして、メモリ(aα)81には送信フォーカ
スパターンa、受信フォーカスパターンαの組合せによ
る一断層像分の画像データ(エコーデータ)が格納さ
れ、同様に、メモリ(bα)82にはフォーカスパター
ンb、αの組合せによる画像データ、メモリ(aβ)8
3にはフォーカスパターンa、βの組合せによる画像デ
ータ、メモリ(bβ)84にはフォーカスパターンb、
βの組合せによる画像データ、メモリ(aγ)85には
フォーカスパターンa、γの組合せによる画像データ、
メモリ(bγ)86にはフォーカスパターンb、γの組
合せによる画像データがそれぞれ格納される。
【0083】送信フォーカスパターンbの状態で1フレ
ームの走査が終了すると、次に送信フォーカスパターン
aが選択され、同様の処理を繰り返す。
【0084】上記の処理とは独立に、メモリ81〜86
に書き込まれた画像データは、1枚の断層像を複数に分
割した分割領域毎にフォーカス評価回路30に逐次読み
込まれ、断層像の同一分割領域毎に最適なフォーカス状
態の画像データが選択され、その分割領域に対応する合
成メモリ25の領域に記憶される。
【0085】フォーカス評価回路30では、1箇所の分
割領域の評価が終わり、選択された画像データが合成メ
モリ25に記憶されると、次の分割領域の評価を行い、
その結果選択された画像データが合成メモリ25の対応
する領域に記憶される。
【0086】合成メモリ25に記憶された画像データ
は、D/A変換回路26でアナログ信号に変換され、表
示器27に可視画像として表示される。
【0087】このように本実施例によれば、送信フォー
カスパターンと受信フォーカスパターンの複数の組合せ
による6種類の画像データの中から、分割領域毎に最適
なフォーカス状態の画像データが選択されるので、被検
体内の各部において常に最適なフォーカス状態の超音波
断層像を得ることができる。
【0088】しかも、送信フォーカスパターンを少なく
しながら、送信と受信のフォーカスパターンの組合せに
よって多くの種類の画像データを得るようにしたので、
リアルタイム性を損なわずに、より精度の良い断層像を
得ることができる。
【0089】その他の作用および効果は第1実施例と同
様である。
【0090】なお、上記各実施例では、各分割領域が共
通の画素を含むことがなかったが、フォーカスを評価す
る際における分割領域間で一部が重なるように、つまり
共通の画素を持つように分割領域を設定しても良い。こ
うすることにより、フォーカスの急激な変化が画像上に
生じることを防止し、スムーズなフォーカス変化をもた
らせることが可能となる。なお、この場合、画像を合成
する際の分割領域は共通の画素を持たないように設定
し、フォーカスを評価する際の分割領域のみ共通の画素
を持つように設定すれば処理が簡単になる。
【0091】また、上記各実施例では、Bモードのリニ
アアレイ超音波振動子を用いたが、本発明はこれに限定
されず、コンベックス、アニュラアレイ等の他の配列方
式の振動子を用いた装置や、Aモード装置にも効果的に
適用することができる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、送信と受信の双方についてフォーカスパター
ンを複数用意し、送信と受信のフォーカスパターンの複
数の組合せによる複数の画像データを得て、その中から
最適なフォーカス状態の画像データを選択して断層像を
形成するようにしたので、人為的手段を介することな
く、被検体内の音速分布等の条件の変動によらず常に最
適なフォーカス状態の画像を得ることができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の超音波診断装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】図1におけるフォーカス評価回路の構成を示す
ブロックである。
【図3】特徴量として画像データの分散を用いた場合の
図2に示すフォーカス評価回路の構成を示す機能ブロッ
ク図である。
【図4】特徴量として画像データの最大値と最小値の差
を用いた場合の図2に示すフォーカス評価回路の構成を
示す機能ブロック図である。
【図5】特徴量として画像データの空間周波数の高周波
成分と低周波成分の比を用いた場合の図2に示すフォー
カス評価回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】特徴量として近傍画素の輝度値との差分の絶対
値の累計を用いた場合の図2に示すフォーカス評価回路
の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】音速が均一な被検体に対するフォーカスパター
ンを示す説明図である。
【図8】音速が不均一な被検体に対するフォーカスパタ
ーンを示す説明図である。
【図9】音速が不均一な被検体に対するフォーカスパタ
ーンの他の例を示す説明図である。
【図10】第1実施例におけるフォーカス評価回路の動
作を示すフローチャートである。
【図11】第1実施例における分割領域の一例を示す説
明図である。
【図12】第1実施例における分割領域の他の例を示す
説明図である。
【図13】第1実施例における分割領域の更に他の例を
示す説明図である。
【図14】本発明の第2実施例の超音波診断装置の構成
を示すブロック図である。
【図15】超音波診断時の被検体および水バックの形状
を示す説明図である。
【符号の説明】
11 超音波プローブ 11a 超音波振動子 15 送信フォーカス発生回路 16 受信フォーカス発生回路 17 フォーカスパターン選択回路 21、22、23 メモリ 25 合成メモリ 30 フォーカス評価回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列された複数の超音波振動子を有し、
    この超音波振動子によって被検体内に超音波ビームを送
    波すると共に被検体内からの超音波エコーを受波してエ
    コー信号を出力する超音波プローブと、 複数の送信フォーカスパターンのうちの一つを順次選択
    し、選択された送信フォーカスパターンに基づいて複数
    の超音波振動子の駆動タイミングを決定して送信フォー
    カスを行う送信フォーカス手段と、 複数の超音波振動子より出力されるエコー信号に対し
    て、時系列的にまたは同時に複数の受信フォーカスパタ
    ーンに基づく遅延を行って、受信フォーカスを行う受信
    フォーカス手段と、 この受信フォーカス手段によって受信フォーカスが行わ
    れたエコー信号に基づいて画像データを生成する信号処
    理手段と、 被検体の同一部位に対して、送信フォーカスパターンと
    受信フォーカスパターンの複数の組合せによる複数の画
    像データを記憶する画像データ記憶手段と、 この画像データ記憶手段に記憶された複数の画像データ
    の中から、各画像データが有する所定の特徴量を比較し
    て、最適なフォーカス状態の画像データを選択するフォ
    ーカス評価手段と、 このフォーカス評価手段によって選択された画像データ
    に基づいて断層像を形成する画像形成手段とを具備する
    ことを特徴とする超音波診断装置。
JP3333058A 1991-12-17 1991-12-17 超音波診断装置 Pending JPH05329159A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3333058A JPH05329159A (ja) 1991-12-17 1991-12-17 超音波診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3333058A JPH05329159A (ja) 1991-12-17 1991-12-17 超音波診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05329159A true JPH05329159A (ja) 1993-12-14

Family

ID=18261800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3333058A Pending JPH05329159A (ja) 1991-12-17 1991-12-17 超音波診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05329159A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009089940A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Toshiba Corp 超音波診断装置
WO2011013346A1 (ja) * 2009-07-29 2011-02-03 パナソニック株式会社 超音波診断装置
US8197412B2 (en) 2008-05-26 2012-06-12 Fujifilm Corporation Ultrasonic diagnostic apparatus
US8636663B2 (en) 2009-06-29 2014-01-28 Hitachi Medical Corporation Ultrasonic diagnostic apparatus and sound speed correction method
US8926512B2 (en) 2007-03-28 2015-01-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultrasonic imaging apparatus and ultrasonic velocity optimization method
JP5690420B1 (ja) * 2014-03-13 2015-03-25 日立アロカメディカル株式会社 超音波診断装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8926512B2 (en) 2007-03-28 2015-01-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultrasonic imaging apparatus and ultrasonic velocity optimization method
JP2009089940A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Toshiba Corp 超音波診断装置
US8197412B2 (en) 2008-05-26 2012-06-12 Fujifilm Corporation Ultrasonic diagnostic apparatus
US8636663B2 (en) 2009-06-29 2014-01-28 Hitachi Medical Corporation Ultrasonic diagnostic apparatus and sound speed correction method
JP5701210B2 (ja) * 2009-06-29 2015-04-15 株式会社日立メディコ 超音波診断装置及び音速補正処理方法
WO2011013346A1 (ja) * 2009-07-29 2011-02-03 パナソニック株式会社 超音波診断装置
US8861824B2 (en) 2009-07-29 2014-10-14 Konica Minolta, Inc. Ultrasonic diagnostic device that provides enhanced display of diagnostic data on a tomographic image
JP5690420B1 (ja) * 2014-03-13 2015-03-25 日立アロカメディカル株式会社 超音波診断装置
WO2015136756A1 (ja) * 2014-03-13 2015-09-17 日立アロカメディカル株式会社 超音波診断装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101442938B (zh) 具有多线波束形成器的超声合成发射聚焦
US5186175A (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
US5797846A (en) Method to control frame rate in ultrasound imaging
US6736779B1 (en) Ultrasonic probe and ultrasonic diagnostic device comprising the same
US9364152B2 (en) Object information acquiring apparatus
EP1484019A1 (en) Ultrasonograph
JPH09313487A (ja) 超音波3次元像撮像方法および装置
JP2006505319A (ja) 超音波トランスデューサ・アレイの送信開口と送信アポダイゼーションとを自動設定する方法及び装置
JP2001245884A (ja) 超音波撮影装置
JP2002526230A (ja) 再サンプリングされた画像データの空間合成を行なう超音波診断撮像システム
KR100914572B1 (ko) 초음파 촬영 장치
US6258030B1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
JPH09192130A (ja) 超音波診断装置
JPH05329159A (ja) 超音波診断装置
JP3688566B2 (ja) 超音波診断装置
CN100594392C (zh) 多区彩色多普勒波束发射方法
EP0421279A1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus with selective focussing patterns
JP4130004B2 (ja) 超音波撮像装置
JP2004290393A (ja) 超音波診断装置
JPH08140969A (ja) 超音波診断装置
US20100049053A1 (en) Ultrasonic imaging device
JP2002165790A (ja) 超音波撮影装置
JP7169157B2 (ja) 超音波診断装置及びその動作方法
JP2000325343A (ja) 超音波診断装置及び送受波器
JPH0678922A (ja) 超音波診断装置