JP3618688B2 - 印刷管理装置およびコンピュータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パソコン等の情報処理装置から送信される印刷ジョブを受信して、印刷装置に印刷指示を行う印刷管理装置に関するものであり、特に、誤印刷の発生頻度を低減できる印刷管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報機器関連産業の成長に伴い、数多くのプリンタ、アプリケーションソフト、OS(Operation System)等が提供されている。
【0003】
特に、プリンタにおいては、様々な印刷条件(アプリケーション、OS、プリンタドライバ)を組み合わせて印刷が行われるため、印刷条件の組合せによっては、適正な印刷が行われずに、誤印刷が発生することがある。
【0004】
例えば、特開平8−185295号公報には、上記のような問題を解決する方法として、送信元データを含む印刷データを受信して送信元を認識し、その認識結果に応じて、必要な場合には受信した印刷データを処理する印刷装置が開示されている。
【0005】
この印刷装置によれば、不具合が生じるアプリケーションに対して、特別な処理を行なう特別プログラムを別に用意することで、アプリケーションソフトやプリタドライバの印刷データ送出方法に何らかの障害があった場合でも、プリンタの外部仕様を変更することなく、ユーザに負担をかけないで印刷不具合の発生を回避することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の印刷装置は、個々の印刷不具合に対応したプログラムをメーカ側が用意するが、この場合、不具合が発生してから、対応プログラムがユーザに提供されるまでに時間がかかるため、プログラムが提供されるまでの間は、印刷不具合の発生を防止することができない。
【0007】
また、実際の使用においては、印刷不具合が発生する度に、ユーザがそれに対応するプログラムをメーカに対して発注することは、費用、時間等の面を考慮すれば、必ずしも毎回行われるとは考えにくい。このため、結果的には、ユーザが印刷不具合が発生する度に、自ら印刷条件の設定を変更する等して対応しなくてはならない。
【0008】
さらに、ネットワークを介して複数のユーザでプリンタを共有している場合には、その不具合内容を他のユーザにも伝えて認識させておかないと、他のユーザは同じ印刷不具合を発生させてしまうことになる。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、誤印刷の発生を事前に防止することで、誤印刷の発生頻度を低減することができる印刷管理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷管理装置は、上記の問題を解決するために、印刷ジョブ情報を受信して、印刷装置に対して印刷指示を行う印刷管理装置において、適正な印刷が行われなかった印刷ジョブに対応する印刷ジョブ情報を記憶する誤印刷ジョブ情報記憶手段と、前記誤印刷ジョブ情報記憶手段に蓄積された誤印刷ジョブ情報と、受信した印刷ジョブ情報とが一致するか否かの判定を行う判定手段を備えていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、印刷ジョブ情報に起因して誤印刷が行われるのを事前に防止して、適正な印刷を行うことができる。
【0012】
すなわち、本発明の印刷管理装置は、受信した印刷ジョブ情報と過去に適正な印刷が行われず、誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶されている誤印刷ジョブ情報とが、同一であるか否かを検出する。この検出結果に応じて、同一の印刷ジョブ情報である場合には、印刷管理装置に接続されたパソコン等の表示画面を通じて、ユーザに報知したり、あるいは印刷を停止してしまう等の処置をとることができる。よって、ユーザは適正な印刷が行われる印刷条件にドライバ、アプリケーション、OS等の設定を変更できるため、誤印刷が行われるのを事前に防止できる。
【0013】
また、誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶された印刷ジョブ情報以外の新たな印刷ジョブ情報に起因して誤印刷が生じた場合でも、その印刷ジョブ情報を新たな誤印刷ジョブ情報として誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶することができる。このため、次回以降の印刷では、誤印刷の可能性があることをユーザに報知する等して、同じ印刷ジョブ情報に起因する誤印刷の再発を防止できる。
【0014】
なお、上記印刷ジョブ情報とは、プリント記述言語に関するドライバ情報、アプリケーション情報からなる印刷情報、送信元情報、ジョブID、ファイル名等の情報である。この印刷情報に含まれるプリント記述言語およびアプリケーション、OS等の組合せによって、誤印刷の発生頻度が変わる。
【0015】
また、上記判定手段による判定結果をユーザに対して報知する報知手段を備えていることがより好ましい。
【0016】
これにより、ユーザは、上記報知手段により誤印刷が行われる可能性があるとの報知を受けた場合には、適正な印刷が行われる印刷設定に変更することで、誤印刷の発生を事前に防止することができる。
【0017】
また、誤印刷が行われた回数をカウントし、予め定めた回数以上になった上記誤印刷ジョブ情報と受信した印刷ジョブ情報とが一致した場合に、上記判定結果の報知が行われることがより好ましい。
【0018】
これにより、頻度の高い誤印刷の誤印刷ジョブ情報と受信した印刷ジョブ情報とが一致した場合に限り報知を行うことで、発生回数頻度の低い誤印刷ジョブ情報と一致した場合の報知を減らして、報知毎に対処しなくてはならないユーザの煩わしさを解消できる。
【0019】
また、受信した印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが一致した場合には、印刷装置への印刷指示を停止することがより好ましい。
【0020】
これにより、誤印刷が行われる可能性がある場合には印刷を行わないため、誤印刷の発生を事前に防止できるとともに、ユーザも誤印刷が行われる可能性があることを認識することができる。よって、ユーザは、誤印刷ジョブ情報を、適正な印刷が行われる印刷ジョブ情報に変更して、適正な印刷を行うことができる。
【0021】
また、複数のプリンタドライバに対応した印刷データ解析部を備えており、受信した印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが一致した場合には、印刷ジョブ情報の印刷条件のうち、上記プリンタドライバだけを再入力することがより好ましい。
【0022】
これにより、ユーザは、誤印刷の報知があった場合には、ページ記述言語に対応するプリンタドライバを別のプリンタドライバに変更するだけで、印刷部数、印刷範囲などの設定項目を再入力する必要が無いため、操作性を向上させることができる。
【0023】
また、上記印刷ジョブ情報だけを先に受信し、該印刷ジョブ情報が、上記誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶された誤印刷ジョブ情報と一致するか否かの判定を行うことがより好ましい。
【0024】
これにより、印刷ジョブ情報だけを先に受信して、誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶された誤印刷ジョブ情報と一致するか否かの判定を行うことで、情報量が多く、送信に時間を要する印刷ジョブを、印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが不一致という判定の場合、すなわち、適正な印刷が行われる場合のみ受信することができる。よって、ユーザへの報知が行われた場合には、印刷ジョブを受信することなく、印刷ジョブ情報を変更することで、情報量の大きい印刷ジョブを送信するための無駄な時間を削減できる。
【0025】
なお、上記印刷ジョブとは、印刷ヘッダと印刷データとを含んでいる情報であり、上記印刷ジョブ情報と比べて情報量が多く、受信に時間を要する。
【0026】
また、上記判定結果が不一致であった場合に、印刷ジョブ情報を受信することがより好ましい。
【0027】
これにより、受信した印刷情報と誤印刷情報とが不一致という判定があった場合には、印刷管理装置自身が印刷ジョブを送信する情報処理装置に対して印刷ジョブの送信指示を行なうため、ユーザが印刷ジョブの送信指示を行う必要がない。よって、ユーザは、印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが一致した場合、すなわち、誤印刷の可能性がある場合のみ指示入力を行うだけでよく、ユーザの作業効率を向上させることができる。
【0028】
また、インターネットに接続された通信手段を備えていることがより好ましい。
【0029】
これにより、誤印刷ジョブ情報をインターネットを介してメンテナンス業者へ送信したり、インターネット上へ公開したりすることができるため、ユーザの労力をかけることなく、印刷不具合に対するメンテナンスを迅速に行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
本発明の印刷管理装置に関する実施の一形態について図1〜図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0031】
本実施形態の印刷装置1は、図1に示すように、印刷管理装置10と印刷を実行するプリンタエンジン4とを備えている。
【0032】
印刷管理装置10は、操作部2、記憶部(誤印刷ジョブ情報記憶手段)3、通信部(通信手段)5および制御部6を備えており、適正な印刷を実行できるようにプリンタエンジン4に対する制御を行っている。
【0033】
なお、印刷管理装置10を用いての印刷工程については、後段にて詳述する。
【0034】
操作部2は、接続されている制御部6に対して、外部から指示入力を行う図示しない表示パネルや操作ボタンから構成されている。
【0035】
記憶部3は、受信した印刷ジョブ情報と、印刷が適正に行われなかった場合の印刷ジョブ情報(以下、誤印刷ジョブ情報と示す)とを記憶している。
【0036】
通信部5は、パソコン(PC)13と接続されており、さらにインターネット11を介して、印刷装置1等のメンテナンスを行うディーラーに接続されている。
【0037】
制御部6は、記憶部3に記憶されている誤印刷ジョブ情報と新たに送信されてきた印刷ジョブ情報とを比較する解析部7と、その比較した結果、両情報が一致するか否かを判定する判定部8と、両情報が一致した場合にPC13の画面上に誤印刷される可能性があることを示す報知画面を表示させる報知部9とを備えている。
【0038】
また、上記解析部7は、送信されてくる複数のプリンタドライバ(ページ記述言語)に対応して、印刷データ解析プログラムに切り替えて印刷データを解析し、印刷出力を行う印刷データ解析部としての機能も有している。
【0039】
ここで、以上のような構成の印刷装置1による印刷工程について、図2を用いて説明すれば、以下の通りである。
【0040】
先ず、ユーザは、図3に示すようなPC13の送信画面により、プリンタ名、印刷範囲、印刷部数を設定し、印刷を行う印刷装置1に対して印刷開始の指示を行う。
【0041】
印刷装置1に備えられた印刷管理装置10では、上記の印刷開始の指示として印刷ジョブ情報を通信部5を介して受信し、制御部6に設けられた解析部7において印刷ジョブ情報の解析を行う。
【0042】
次いで、同じく制御部6の判定部8において、記憶部3に記憶された誤印刷ジョブ情報と、入力された印刷ジョブ情報とを比較して、両者が一致するか否かの判定を行う。
【0043】
そして、判定結果として、記憶部3に記憶されている誤印刷ジョブ情報と同じジョブ情報が有るか否かによって、それ以降の工程が異なってくる。
【0044】
すなわち、記憶部3に記憶されている誤印刷ジョブ情報が、受信した印刷ジョブ情報と一致しない場合には、判定部8は、誤印刷される可能性がないと判断して、プリンタエンジン4に対して印刷処理を行うように指示を出し、印刷工程終了後、印刷ジョブを削除する。
【0045】
一方、記憶部3に記憶されている誤印刷ジョブ情報が、入力された印刷ジョブ情報と一致する場合には、同条件による誤印刷が行われた回数がユーザが設定した所定の回数以上であるか否かの判定が行われる。
【0046】
そして、受信した印刷ジョブ情報による誤印刷の発生回数が上記所定回数以下である場合には、誤印刷の発生頻度が低いものと判断して、印刷を続行する。
【0047】
このように、ユーザは、発生頻度が低く、適正な印刷が行われる可能性もある印刷ジョブ情報に対しては、そのまま印刷を続行し、発生頻度の高い印刷ジョブ情報に対してのみ報知を受けることができる。
【0048】
なお、ユーザが誤印刷が発生することをより効果的に低減したい場合には、上記設定回数を1回にすることで、過去に発生した誤印刷の誤印刷ジョブ情報と同じ印刷ジョブ情報に起因する誤印刷を確実に防止できる。
【0049】
しかし、上記所定回数以上誤印刷が発生している場合には、PC13の画面上に図4(a)に示す報知画面を表示して、ユーザに対して誤印刷が発生する可能性があることを認識させることができる。
【0050】
これにより、ユーザは報知画面から、現在の印刷設定条件では、誤印刷が発生する可能性が高いことを認識でき、印刷ジョブ情報のうち、図4(b)に示すように、印刷管理装置10が示す変更可能なプリンタドライバを変更することで、最初と異なるページ記述言語で印刷ジョブを印刷装置1に送信できる。ここで、新たなプリンタドライバを選択して「印刷」を指示した場合には、最初に選択したプリンタドライバの印刷設定(印刷範囲、印刷部数、両面印刷等)を引き継いで印刷ジョブを印刷装置1に送信することができる。また、「再設定する」を選択した場合には、印刷設定をやり直して、印刷ジョブを印刷装置1に送信することができる。これに併せて、PC13は、プリンタドライバの変更に伴った印刷ジョブ情報を送信し、印刷装置1は、該印刷ジョブ情報について、再度上記の判定を行い、誤印刷ジョブ情報と一致しない印刷ジョブ情報になるまで、上記の判定が繰り返し行われるため、ユーザは誤印刷の発生を事前に防止できる。
【0051】
この時、上記のように、本実施形態の印刷管理装置10は、「印刷」を指示した場合は、ユーザはプリンタドライバのみを変更するだけでよく、最初に選択したプリンタドライバの印刷設定(印刷範囲、印刷部数、両面印刷等)については変更後のプリンタドライバにそのまま引き継がれ、再度入力する必要はない。
【0052】
このように、ユーザは、再度全ての印刷設定条件を入力し直す必要がないため、ユーザの作業性を向上させることができる。
【0053】
本実施形態の印刷管理装置10は、上記のように、印刷ジョブ情報の印刷設定条件を変更する以外に、図2に示すように、印刷続行および印刷ジョブの削除という選択も可能である。
【0054】
例えば、ユーザがプリンタドライバの設定変更を望んでおらず、印刷の中止を選択した場合には、印刷ジョブが削除されて印刷工程が終了する。
【0055】
そして、ユーザが印刷を急いでいる場合等には、誤印刷の可能性があることを承知した上で印刷装置1への印刷指示の送信を続行し、印刷を実行することもできる。
【0056】
本実施形態の印刷管理装置10では、さらに、上記のフローにしたがって行われた印刷の結果について、図5に示すような確認処理を行う。
【0057】
この確認処理は、上記報知と同じく、PC13の画面を用いて行われ、図6に示すような印刷結果確認画面として、ユーザに提供され、ユーザは、印刷の結果が適正であったか否かを入力する。
【0058】
もし、印刷の結果が適切でなく、誤印刷であった場合には、ユーザの入力により、この時の印刷ジョブ情報が、新たな誤印刷ジョブ情報として記憶部3に記憶される。
【0059】
これにより、新たに入力された誤印刷ジョブ情報は、次回以降の印刷の際に誤印刷ジョブ情報としてカウントされ、ユーザの設定した回数以上誤印刷が発生した場合に、初めてユーザに報知される。
【0060】
ここで、さらに上記印刷ジョブ情報と、印刷ジョブについて、図7(a)・(b)、図8(a)・(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0061】
本実施形態における印刷ジョブ情報は、図7(a)に示すように、ジョブID、送信元情報、ドライバ情報(PDL:ページ記述言語の種類とドライババージョン)、アプリケーション情報およびファイル名を含んで構成されている。その他にも、OS情報を含んでいてもよい。
【0062】
誤印刷は、上記印刷ジョブ情報のうち、ドライバ情報(PDL)とアプリケーション情報との組合せに起因しており、この組合せにより誤印刷の発生頻度が異なっている。
【0063】
また、印刷ジョブは、図7(b)に示すように、印刷ヘッダおよび印刷データを含んで構成されている。
【0064】
上記印刷ジョブ情報と印刷ジョブとは、本実施形態の印刷管理装置10に対して、別々に送信されてもよいが、図7(b)に示す印刷ジョブの印刷ヘッダの中に含めて送信されてもよい。
【0065】
さらに、本実施形態の印刷管理装置10では、印刷ジョブ情報が、図8(a)に示すように、ID、送信元、プリンタドライバ、アプリケーションおよびファイル名について、記憶部3に記憶されている。
【0066】
さらに、この中で、誤印刷が発生した印刷ジョブ情報については、誤印刷ジョブ情報として、図8(b)に示すように、プリンタドライバ、アプリケーションおよび誤印刷の発生回数がカウント値として、記憶部3に記憶されている。
【0067】
例えば、ユーザが、誤印刷発生回数5回以上で報知画面が出るように設定した場合には、図8(b)に示す誤印刷ジョブ情報の中で、No,1の誤印刷ジョブ情報と一致する印刷ジョブ情報を受信した場合だけ、図4(a)に示すような報知画面がPC13の画面上に現れる。
【0068】
これにより、誤印刷ジョブ情報と一致する印刷ジョブ情報であっても、誤印刷の発生頻度が低い情報については、その度に報知画面が現れることなく、ユーザの設定以上の回数、誤印刷が発生した印刷ジョブ情報に限って、ユーザに報知することができる。よって、誤印刷が発生する可能性の低い印刷ジョブ情報を受信した場合の度重なる報知によってユーザが煩わしいと感じるのを解消できる。
【0069】
本実施形態では、プリンタドライバ情報、アプリケーション情報を記憶して、誤印刷の可能性判定を行っているが、これに限定されるものではない。例えば、印刷ジョブ情報から、送信元情報やファイル名、OS情報等も取得し記憶することで、より詳細にデータを管理し、判定を行ってもよい。この場合、すべての情報(ドライバ情報、アプリケーション情報、送信元情報、ファイル名、OS情報)が一致した場合は、所定回数に関係なく報知し、プリンタドライバとアプリケーション情報のみが一致した場合は所定回数以上で報知するといった判定方法も考えられる。
【0070】
なお、本実施形態では、図7(a)・(b)で示した印刷ジョブ情報と印刷ジョブについて、判定部8における判定を行う際に、印刷管理装置10は印刷ジョブ情報および印刷ジョブの全てを受信してから判定を行う例について説明したが、これに限定されるものではない。
【0071】
例えば、図9に示すようなフローにしたがって、印刷管理装置10には、最初に判定部8による判定を行うのに最低限必要な印刷ジョブ情報のみを受信しておき、判定部8が、誤印刷ジョブ情報と受信した印刷ジョブ情報とが一致しないとの判定結果を出した場合に、印刷ジョブを受信して印刷を行ってもよい。
【0072】
印刷ジョブは情報量が多いため、受信に時間を要するが、図9に示すような工程に従って印刷を行うことで、誤印刷ジョブ情報と受信した印刷ジョブ情報とが一致するとの判定結果が出た場合に削除される印刷ジョブについての受信時間を削減して、ユーザの作業性を向上させることができる。
【0073】
また、本実施形態の印刷管理装置10は、図1に示すように、インターネット11を介してディーラー(メンテナンス業者)12に接続されている。よって、ディーラー12は、ユーザから印刷管理装置10の不具合についてメンテナンスを依頼されなくても、インターネット11に接続することで、ユーザがどのような不具合で困っているか認識でき、修理を行うことができる。また、ユーザも、ディーラー12に発注をかけなくても、ディーラー12がインターネット11を介して情報を入手し、修理を行ってくれるので、メンテナンス業者を探して発注する労力を削減できる。
【0074】
ユーザが、修理を望まない場合には、インターネット11に印刷管理装置10の情報を公開しないければよい。このように、ユーザが修理を必要とする際だけ、インターネット11上に情報公開することで、修理が必要な時だけディーラー12に修理を依頼できる。
【0075】
また、上記のようにインターネット11に誤印刷ジョブ情報に関する情報を公開するだけでなく、直接、ディーラー12に誤印刷ジョブ情報を送信してもよい。これにより、ユーザが必要なときだけ、ディーラー12に修理を依頼できる。
【0076】
なお、本実施形態では、印刷管理装置10が印刷装置1内に備えられている例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、印刷装置1と接続されたPC13や、PC13と印刷装置1とに接続されたサーバ等に備えられている場合であっても、上記と同様に、誤印刷の発生頻度を低減できる。
【0077】
また、本実施形態の印刷管理装置10は、誤印刷が行われる可能性があるとの判定結果であった場合には、ユーザに対して報知する例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、印刷装置1への印刷指示を停止して、印刷が行われないように制御されてもよい。この様な制御方法であっても、誤印刷が発生するのを防止できる。
【0078】
また、本実施形態では、印刷管理装置10が、PC13の画面を通じて印刷結果を確認する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ユーザがホストコンピュータ等から印刷装置1に自分の印刷ジョブ情報を呼出し、印刷結果を入力し、記憶部3に新たな誤印刷ジョブ情報を記憶させてもよい。
【0079】
また、本発明の印刷管理装置は、情報処理装置から印刷ジョブを受信して印刷する印刷装置において、誤った印刷結果となった印刷ジョブの情報を記憶する誤印刷ジョブ情報記憶手段を備え、上記誤印刷ジョブ情報記憶手段にある情報と同条件の印刷ジョブ情報を受信した場合、誤印刷の可能性があることをユーザに報知することを特徴とする印刷装置であってもよい。
【0080】
また、本発明の印刷管理装置は、情報処理装置から印刷ジョブを受信し印刷する印刷装置において、誤った印刷結果となった印刷ジョブの情報を記憶する誤印刷ジョブ情報記憶手段を備え、印刷ジョブを受信する前に、該印刷ジョブの印刷情報を受信し、上記誤印刷ジョブ情報記憶手段に情報と同条件の印刷情報を受信した場合、誤印刷の可能性があることをユーザに報知することを特徴とする印刷装置であってもよい。
【0081】
また、本発明の印刷管理装置は、上記印刷装置において、印刷データの送信前に、該印刷データの印刷情報を印刷装置に対して送信し、印刷装置から印刷データの送信指示(可能)があった場合、印刷データを送信することを特徴とする情報処理装置であってもよい。
【0082】
また、本発明の印刷管理装置は、上記印刷装置において、印刷装置が複数のページ記述言語に対応している場合、ユーザがページ記述言語の変更を行った場合、部数や両面印刷等の印刷条件は変更せずに最初とは異なるページ記述言語で印刷要求をすることを特徴とする情報処理装置であってもよい。
【0083】
また、本発明の印刷管理装置は、上記印刷装置において、誤印刷ジョブ情報記憶手段の内容を、メンテナンスディーラや印刷装置管理者に送信することを特徴とする印刷装置であってもよい。
【0084】
【発明の効果】
本発明の印刷管理装置は、以上のように、適正な印刷が行われなかった印刷ジョブに対応する印刷ジョブ情報を記憶する誤印刷ジョブ情報記憶手段と、前記誤印刷ジョブ情報記憶手段に蓄積された誤印刷ジョブ情報と、受信した印刷ジョブ情報とが一致するか否かの判定を行う判定手段を備えている構成である。
【0085】
それゆえ、印刷ジョブ情報に起因して誤印刷が行われるのを事前に防止して、適正な印刷を行うことができるという効果を奏する。
【0086】
すなわち、本発明の印刷管理装置は、受信した印刷ジョブ情報と過去に適正な印刷が行われず、誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶されている誤印刷ジョブ情報とが、同一であるか否かを検出する。この検出結果に応じて、同一の印刷ジョブ情報である場合には、印刷管理装置に接続されたパソコン等の表示画面を通じて、ユーザに報知したり、あるいは印刷を停止してしまう等の処置をとることができる。よって、ユーザは適正な印刷が行われる印刷条件にプリンタドライバ、アプリケーション、OS等の設定を変更できるため、誤印刷が行われるのを事前に防止できる。
【0087】
また、誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶された印刷ジョブ情報以外の新たな印刷ジョブ情報に起因して誤印刷が生じた場合でも、その印刷ジョブ情報を新たな誤印刷ジョブ情報として誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶することができる。このため、次の印刷以降は、誤印刷の可能性があることをユーザに報知する等して、同じ印刷ジョブ情報に起因する誤印刷の再発を防止できる。
【0088】
また、上記判定手段による判定結果をユーザに対して報知する報知手段を備えていることがより好ましい。
【0089】
それゆえ、ユーザは、上記報知手段により誤印刷が行われる可能性があるとの報知を受けた場合には、適正な印刷が行われる印刷設定に変更することで、誤印刷の発生を事前に防止することができるという効果を奏する。
【0090】
また、誤印刷が行われた回数をカウントし、予め定めた回数以上になった上記誤印刷ジョブ情報と受信した印刷ジョブ情報とが一致した場合に、上記判定結果の報知が行われることがより好ましい。
【0091】
それゆえ、頻度の高い誤印刷の誤印刷ジョブ情報と受信した印刷ジョブ情報とが一致した場合に限り報知を行うことで、発生回数頻度の低い誤印刷ジョブ情報と一致した場合の報知を減らして、報知毎に対処しなくてはならないユーザの煩わしさを解消できるという効果を奏する。
【0092】
また、受信した印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが一致した場合には、印刷装置への印刷指示を停止することがより好ましい。
【0093】
それゆえ、誤印刷が行われる可能性がある場合には印刷を行わないため、誤印刷の発生を事前に防止できるとともに、ユーザも誤印刷が行われる可能性があることを認識することができる。よって、ユーザは、誤印刷ジョブ情報を、適正な印刷が行われる印刷ジョブ情報に変更して、適正な印刷を行うことができるという効果を奏する。
【0094】
また、複数のプリンタドライバに対応した印刷データ解析部を備えており、受信した印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが一致した場合には、印刷ジョブ情報の印刷条件のうち、上記プリンタドライバだけを再入力することがより好ましい。
【0095】
それゆえ、ユーザは、誤印刷の報知があった場合には、ページ記述言語に対応するプリンタドライバを別のプリンタドライバに変更するだけで、印刷部数、印刷範囲などの設定項目を再入力する必要が無いため、操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【0096】
また、上記印刷ジョブ情報だけを先に受信し、該印刷ジョブ情報が、上記誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶された誤印刷ジョブ情報と一致するか否かの判定を行うことがより好ましい。
【0097】
それゆえ、印刷ジョブ情報だけを先に受信して、誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶された誤印刷ジョブ情報と一致するか否かの判定を行うことで、情報量が多く、送信に時間を要する印刷ジョブを、印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが不一致という判定の場合、すなわち、適正な印刷が行われる場合のみ受信することができる。よって、ユーザへの報知が行われた場合には、印刷ジョブを受信することなく、印刷ジョブ情報を変更することで、情報量の大きい印刷ジョブを送信するための無駄な時間を削減できるという効果を奏する。
【0098】
また、上記判定結果が不一致であった場合に、印刷ジョブ情報を受信することがより好ましい。
【0099】
それゆえ、受信した印刷情報と誤印刷情報とが不一致という判定があった場合には、印刷管理装置自身が印刷ジョブを送信する情報処理装置に対して印刷ジョブの送信指示を行なうため、ユーザが印刷ジョブの送信指示を行う必要がない。よって、ユーザは、印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが一致した場合、すなわち、誤印刷の可能性がある場合のみ指示入力を行うだけでよく、ユーザの作業効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0100】
また、インターネットに接続された通信手段を備えていることがより好ましい。
【0101】
それゆえ、誤印刷ジョブ情報をインターネットを介してメンテナンス業者へ送信したり、インターネット上に誤印刷情報を公開したりすることができるため、ユーザの労力をかけることなく、印刷不具合に対するメンテナンスを迅速に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の印刷管理装置による印刷工程を示す印刷工程フロー図である。
【図3】図1の印刷管理装置に接続されたPCの送信画面を示す説明図である。
【図4】(a)・(b)は、図1の印刷管理装置による判定結果を示すPC上の報知画面および設定変更画面を示す説明図である。
【図5】図1の印刷管理装置による印刷工程終了後の印刷結果確認処理工程を示すフロー図である。
【図6】図5の印刷結果確認処理工程の入力画面を示す説明図である。
【図7】(a)・(b)は、印刷ジョブ情報および印刷ジョブの構成を示す説明図である。
【図8】(a)・(b)は、図1の印刷管理装置の印刷ジョブ情報記憶手段および誤印刷ジョブ情報記憶手段の記憶情報を示す説明図である。
【図9】図1の印刷管理装置による印刷工程の他の例を示す印刷工程フロー図である。
【符号の説明】
1 印刷装置
2 操作部
3 記憶部(誤印刷ジョブ情報記憶手段)
4 プリンタエンジン
5 通信部(通信手段)
6 制御部
7 解析部(印刷データ解析部)
8 判定部(判定手段)
9 報知部(報知手段)
10 印刷管理装置
11 インターネット
12 ディーラー(メンテナンス業者)
13 PC(パソコン)
Claims (10)
- 印刷ジョブ情報を受信して、印刷装置に対して印刷指示を行う印刷管理装置において、
適正な印刷が行われなかった印刷ジョブに対応する印刷ジョブ情報を記憶する誤印刷ジョブ情報記憶手段と、
前記誤印刷ジョブ情報記憶手段に蓄積された誤印刷ジョブ情報と、受信した印刷ジョブ情報とが一致するか否かの判定を行う判定手段と、
印刷の結果が適正か否かをユーザが入力するための印刷結果確認画面をユーザに提供する報知手段とを備え、
上記誤印刷ジョブ情報記憶手段は、適正な印刷が行われなかった旨が上記印刷結果確認画面を介してユーザに入力された印刷ジョブに対応する印刷ジョブ情報を記憶することを特徴とする印刷管理装置。 - 上記報知手段は、さらに、上記判定手段による判定結果をユーザに対して報知することを特徴とする請求項1に記載の印刷管理装置。
- 誤印刷が行われた回数をカウントし、予め定めた回数以上になった上記誤印刷ジョブ情報と受信した印刷ジョブ情報とが一致した場合に、上記報知手段により上記判定結果の報知が行われることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷管理装置。
- 受信した印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが一致した場合には、印刷装置への印刷指示を停止することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷管理装置。
- 印刷ジョブ情報を受信して、印刷装置に対して印刷指示を行う印刷管理装置において、
適正な印刷が行われなかった印刷ジョブに対応する印刷ジョブ情報を記憶する誤印刷ジョブ情報記憶手段と、
前記誤印刷ジョブ情報記憶手段に蓄積された誤印刷ジョブ情報と、受信した印刷ジョブ情報とが一致するか否かの判定を行う判定手段と、
複数のプリンタドライバに対応した印刷データ解析部とを備えており、
受信した印刷ジョブ情報と誤印刷ジョブ情報とが一致した場合には、印刷ジョブ情報の印刷条件のうち、上記プリンタドライバだけを再入力することを特徴とする印刷管理装置。 - 上記印刷ジョブ情報だけを先に受信し、該印刷ジョブ情報が、上記誤印刷ジョブ情報記憶手段に記憶された誤印刷ジョブ情報と一致するか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の印刷管理装置。
- 上記判定結果が不一致であった場合に、印刷ジョブを受信することを特徴とする請求項6に記載の印刷管理装置。
- インターネットに接続された通信手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の印刷管理装置。
- 印刷ジョブ情報を受信して印刷装置に対して印刷指示を行う印刷管理装置と接続可能なコンピュータにおいて、
上記印刷装置にて誤印刷が行われる可能性がある旨の上記印刷管理装置による報知に応じて、プリンタドライバの変更画面を表示することを特徴とするコンピュータ。 - ユーザ指示に応じて、最初に選択されたプリンタドライバの印刷設定を変更後のプリンタドライバにそのまま引き継がせることを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ。
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