JP3617962B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関し、取り分けその賞品球払い出し手段による賞品球の払い出し制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機等の弾球遊技機では、遊技盤の遊技領域に普通入賞手段、大入賞手段等の複数個の入賞手段を設け、遊技球の入賞時に遊技者が獲得する賞品球数を各入賞手段毎に予め設定しておき、各入賞手段に遊技球が入賞したときに、その遊技球の入賞に基づいて賞品球払い出し手段が賞品球を払い出すようにしている。
【0003】
例えば、普通入賞手段に遊技球が入賞したときの賞品球数を6個とし、大入賞手段に遊技球が入賞したときの賞品球数を15個と設定した弾球遊技機では、遊技盤側の遊技動作を制御する主制御手段から、賞品球払い出し手段を制御する払い出し制御手段側へと各入賞手段の入賞毎に払い出し指令を送り、払い出し制御手段側で各入賞手段の賞品球数に応じて賞品球払い出し手段を制御し、賞品球払い出し手段が普通入賞手段への入賞時に6個の賞品球を、また大入賞手段への入賞時に15個の賞品球を夫々払い出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の払い出し制御では、入賞手段への遊技球の1個の入賞を1単位として、その入賞単位毎に賞品球払い出し手段が各入賞手段の賞品球数に応じて賞品球を払い出すため、入賞手段に多数の遊技球が続けて入賞した場合には、遊技者が獲得した総獲得賞品球数の賞品球の払い出しを完了するまでに長時間を要する欠点がある。
【0005】
つまり、従来は遊技球の1個の入賞を1単位として、その入賞単位毎に賞品球払い出し手段が払い出し動作を行うため、多数の遊技球が続けて入賞した場合には、その都度、払い出し制御手段に払い出し指令を出して賞品球払い出し手段が払い出し動作を行うため、賞品球払い出し手段の払い出し動作回数だけが増えることになり、賞品球を迅速に払い出し得ない問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、少ない払い出し動作回数で賞品球を短時間で迅速に払い出し得る弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技盤4 の遊技領域12内に複数個の入賞手段14〜19を設け、該入賞手段14〜19への遊技球の入賞に基づいて賞品球払い出し手段41により賞品球を払い出すようにした弾球遊技機において、前記入賞手段14〜19への遊技球の複数個の入賞による賞品球の払い出しを、その1回の払い出し動作で行うように前記賞品球払い出し手段41を制御する払い出し制御手段54を備え、該払い出し制御手段54は、遊技者が獲得する総獲得賞品球数を順次算出する総獲得賞品球数算出部 59 と、前記総獲得賞品球数が前記入賞手段14〜19への1入賞により獲得する最大の賞品球数よりも大である、前記賞品球払い出し手段 41 の1回の払い出し動作により払い出される賞品球の規定払い出し個数以上か否かを判定する総獲得賞品球数判定部 60 と、前記総獲得賞品球数が前記規定払い出し個数よりも少ないときに、前記賞品球払い出し手段41がその総獲得賞品球数分の賞品球を払い出し、前記総獲得賞品球数が前記規定払い出し個数以上のときに、前記賞品球払い出し手段41が前記規定払い出し個数の賞品球を払い出すように前記賞品球払い出し手段41を制御する機能とを備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1及び図2において、1 は遊技機本体、2 は前枠で、この前枠2 は遊技機本体1 の前側に開閉自在に枢着されている。前枠2 には、その窓孔3 に対応して遊技盤4 が裏側から着脱自在に装着され、この遊技盤4 の前側にガラス扉5 と前面板6 とが開閉自在に配置されている。前面板6 には、発射用の遊技球を貯留する上皿7 が装着されている。前枠2 の下部には、余剰球を貯留する下皿8 と、発射手段9 の発射ハンドル10とが夫々設けられている。なお、発射手段9 は発射モータを有する。
【0009】
遊技盤4 には、図3に示すように、ガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11の内側の遊技領域12に液晶表示手段13、第1図柄始動用の可変式入賞手段14、大入賞手段15、普通入賞手段16〜19、第2図柄始動用の始動ゲート等の始動手段20が配置されている。
【0010】
可変式入賞手段14、大入賞手段15、普通入賞手段16〜19等の複数個の入賞手段14〜19の内、例えばその一部の可変式入賞手段14、普通入賞手段16〜19は、遊技球の1個の入賞に対する賞品球数が6個となっており、その他の大入賞手段15はその賞品球数が15個となっている。つまり、入賞手段14〜19によって遊技球の1個の入賞に対する賞品球数が異なっている。なお、賞品球数は6個と15個の2種類となっているが、これら以外の数でも良いし、また2種類以上の種類を設けても良い。
【0011】
液晶表示手段13は、第1図柄を表示する第1図柄表示手段21を兼用している。第1図柄表示手段21は1個以上、例えば複数個(左右方向に3個)の図柄表示部21a を備え、可変式入賞手段14に遊技球が入賞することを条件に、各図柄表示部21a の表示図柄が乱数制御により所定時間だけ変動して停止するように構成されている。
【0012】
液晶表示手段13には、普通入賞手段16と第2図柄表示用の第2図柄表示手段22とが設けられている。第2図柄表示手段22は1個の図柄表示部を有し、始動手段20が遊技球の通過を検出することを条件に、図柄表示部の第2図柄が乱数制御により所定時間変動して停止するようになっている。可変式入賞手段14は、開閉自在な左右一対の開閉爪25を備えた電動式チューリップ等であって、第2図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり図柄を表示したときに、開閉爪25が所定時間開放するようになっている。
【0013】
大入賞手段15は開閉板15a を備え、第1図柄表示手段21の変動後の停止図柄が「7・7・7」等の大当たり図柄のときに、開閉板15a が前側に開放する。大入賞手段15内には特定領域26が設けられており、この特定領域26は入賞球が通過したときに、所謂大当たりによる特定状態を継続させるようになっている。
【0014】
なお、大入賞手段15は、開放後に所定時間が経過したとき、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板15a が閉じると共に、遊技球が特定領域26を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。大入賞手段15の左右両側には、複数個(例えば2個)の普通入賞手段16〜19が設けられている。
【0015】
可変式入賞手段14、大入賞手段15、普通入賞手段16〜19は、遊技球が入賞したときにその入賞球を遊技盤4 の裏側に誘導する構造であって、図4に示すように、大入賞手段15以外の可変式入賞手段14、普通入賞手段16〜19は、遊技盤4 の裏側に装着された集合案内板27の案内通路28〜30側に入賞球を案内するようになっている。
【0016】
可変式入賞手段14、大入賞手段15、普通入賞手段16〜19等の全ての入賞手段14〜19には、入賞した遊技球を個別に検出する入賞検出スイッチ31〜36が設けられている。なお、各入賞検出スイッチ31〜36は、接触式又は非接触式のスイッチ等により構成され、入賞球を電気的に検出するようになっている。各入賞検出スイッチ31〜36は、集合案内板27の案内通路28〜30等に設けても良い。
【0017】
前枠2 の裏側には、図2に示すように、遊技盤4 を裏側から押さえる裏機構板37が開閉自在に装着されている。裏機構板37には開口部38が形成され、その上側に遊技球タンク39及びタンクレール40が、左右方向の一側に賞品球払い出し手段41が、下側に通路ユニット42及び払い出し制御基板ケース43が夫々設けられている。遊技球タンク39は、外部の遊技球補給系から補給された遊技球を貯留し、タンクレール40を経て賞品球払い出し手段41側へと供給するようになっている。
【0018】
賞品球払い出し手段41はモータ駆動による回転式であって、縦方向に配置された払い出しケース44と、この払い出しケース44内で回転する回転体45と、この回転体45を駆動する払い出しモータ46と、払い出された賞品球を検出する賞品球検出スイッチ47とを備え、賞品球払い出し指令があったときに払い出しモータ46が回転体45を駆動して、その回転体45の回転により遊技球タンク39内の遊技球を賞品球として上皿7 側へと払い出すと共に、その賞品球を賞品球検出スイッチ47で検出するように構成されている。
【0019】
なお、賞品球払い出し手段41は、回転体45の回転角度に応じて任意の個数の賞品球を払い出し可能であり、また払い出しモータ46には回転角度の制御が容易なステッピングモータが使用されている。
【0020】
通路ユニット42は賞品球払い出し手段41からの賞品球を上皿7 側へと案内し、上皿7 内の賞品球が満杯状態のときに、後続の賞品球を溢流通路を経て下皿8 側へと溢流させるようになっている。
【0021】
開口部38には、遊技盤4 の裏側に装着された裏カバー48と入賞球排出樋49とが嵌合されている。裏カバー48は、遊技盤4 に装着された液晶表示手段13等の各遊技部品、集合案内板27等を裏側から覆うためのもので、遊技盤4 に着脱自在に固定されている。裏カバー48には、主制御基板50を収納した主制御基板ケース51が着脱自在に装着されている。
【0022】
入賞球排出樋49は、各入賞手段14〜19から遊技盤4 の裏側に案内された入賞球を集めて入賞球回収通路52を経て外部の入賞球回収系へと排出するためのもので、裏カバー48の下側に近接した状態で遊技盤4 に着脱自在に固定されている。
【0023】
払い出し制御基板ケース43は、主制御基板50とは別に設けられた払い出し制御基板53を収納するためのものであって、入賞球排出樋49の下側近傍で裏機構板37の裏側に着脱自在に装着されている。払い出し制御基板53には払い出し制御手段54(図5参照)が実装されている。
【0024】
図5は制御系を例示するブロック図である。55は主制御手段で、主に遊技盤4 側の遊技動作の制御を司るためのものである。主制御手段55は、中継基板等を介して第1図柄表示手段21、第2図柄表示手段22、始動手段20、可変式入賞手段14、大入賞手段15等の各遊技部品に電気的に接続されると共に、中継基板等を介して各入賞手段14〜19の入賞検出スイッチ31〜36に電気的に接続されている。なお、主制御手段55はROM、RAM、CPU等で構成され、主制御基板50に装着されている。
【0025】
主制御手段55には、主に遊技盤4 側の遊技動作を制御する機能の他に、各入賞手段14〜19に遊技球が入賞したときに、各入賞検出スイッチ31〜36からの入賞信号を受信して記憶する入賞受信記憶部56と、その入賞信号に基づいて各入賞信号毎に払い出しコマンドを発生するコマンド発生部57を備えている。なお、払い出しコマンドには、符号化したデジタル信号が使用されており、例えば賞品球数6個用の4006Hの払い出しコマンドと、15個用の400FHの払い出しコマンドとの2種類がある。
【0026】
なお、入賞受信記憶部56は、各入賞手段14〜19への入賞を賞品球数別に記憶し、コマンド発生部57が払い出しコマンドを送信した後に、その払い出しコマンドに対応する入賞の記憶を更新し削除するようになっている。
【0027】
払い出し制御手段54は賞品球払い出し手段41を制御するためのもので、主制御手段55のコマンド発生部57からの払い出しコマンドを受信して解析するコマンド解析部58と、このコマンド解析部58での解析結果から遊技者の総獲得賞品球数を算出し記憶する総獲得賞品球数算出部59と、その総獲得賞品球数が規定払い出し個数以上か否かを判定する獲得賞品球数判定部60と、総獲得賞品球数が規定払い出し個数よりも少ないときにその総獲得賞品球数分の賞品球を払い出し、規定払い出し個数以上のときに規定払い出し個数の賞品球を払い出すように賞品球払い出し手段41の払い出しモータ46を制御する払い出し制御部61と、賞品球検出スイッチ47からの信号により賞品球の払い出し個数を計数して払い出し制御部61での制御通りに賞品球払い出し手段41が賞品球を払い出したか否かを確認する払い出し確認部62とを備えている。
【0028】
規定払い出し個数は、賞品球払い出し手段41の1回の払い出し動作により払い出される賞品球の基準個数であって、各入賞手段14〜19への入賞により獲得する最少の賞品球数よりも多い個数、好ましくはその最大の賞品球数よりも多い個数に設定されている。例えば、賞品球数が6個又は15個の場合には、その何れの賞品球数よりも多い25個に規定払い出し個数が設定されている。
【0029】
払い出し制御部61は、総獲得賞品球数が規定払い出し個数よりも少ないときに、その総獲得賞品球数分の賞品球を払い出すように賞品球数別に払い出しモータ46を制御する球数別払い出し制御機能と、総獲得賞品球数が規定払い出し個数以上のときに、1回の払い出し動作で規定払い出し個数の賞品球を払い出し、総獲得賞品球数が規定払い出し個数よりも少なくなるまでその動作を繰り返すように払い出しモータ46を制御する規定払い出し制御機能とを有する。
【0030】
なお、賞品球払い出し手段41の回転体45には、外周に賞品球の繰り出し用の凹部が周方向に複数個形成されており、払い出し制御部61は、賞品球数別払い出し動作のときはその賞品球数に応じて回転体45の回転角度又は回転量を制御し、規定払い出し動作のときには規定払い出し個数分だけ画一的に回転体45を回転させるようになっている。
【0031】
払い出し確認部62は、払い出し制御部61からの払い出し個数の信号と賞品球検出スイッチ47が検出した賞品球の信号から、賞品球払い出し手段41により実際に払い出される賞品球の数を確認し、その確認後に払い出し動作単位毎に総獲得賞品球数算出部59に記憶された総獲得賞品球数を更新し、実際の払い出し個数が不足したときに再度賞品球払い出し手段41を作動させるようになっている。なお、払い出し個数が不足したときには、払い出し確認部62からの信号により表示ランプ等の報知手段で報知しても良い。
【0032】
上記弾球遊技機において、ゲームに際し発射手段9 の発射ハンドル10を操作すると、上皿7 の遊技球が発射手段9 の発射動作に連動して1個づつ発射部に供給され、その遊技球を打撃槌で打撃してガイドレール11に沿って順次遊技盤4 側に発射させて行く。すると遊技盤4 の上部側に発射された遊技球は遊技盤4 の遊技領域12に入った後、その盤面に沿って落下する間に普通入賞手段16〜19等に入賞するか、始動手段20を通過しながら下方へと落下する。
【0033】
始動手段20が遊技球を検出すると、第2図柄表示手段22の第2図柄が変動し、その変動後の停止図柄が当たり図柄になれば、可変式入賞手段14の開閉爪25が所定時間開放する。そして遊技球が可変式入賞手段14に入賞すると、第1図柄表示手段21の第1図柄が所定時間変動し、その変動後の停止図柄が大当たり図柄になれば、大入賞手段15が開放し遊技球が入賞し易くなる。
【0034】
各入賞手段14〜19に遊技球が入賞すると、その入賞検出スイッチ31〜36が遊技球の入賞を検出して入賞信号を主制御手段55へと送信する。主制御手段55側では、入賞受信記憶部56が入賞信号を受信して賞品球数別に記憶すると共に、その入賞に基づいてコマンド発生部57が払い出しコマンドを発生し、その払い出しコマンドを順次払い出し制御手段54へと送信する。
【0035】
例えば、普通入賞手段16〜19に入賞すれば、各入賞毎に4006Hの払い出しコマンドを、大入賞手段15に入賞すれば、各入賞毎に400FHの払い出しコマンドをコマンド発生部57が夫々発生し、その払い出しコマンドを順次送信する。この場合、賞品球毎に払い出しコマンドを発生するので、各入賞手段14〜19毎に払い出しコマンドを発生するものに比較して、コマンドの種類数を少なくできる。
【0036】
払い出し制御手段54側では、主制御手段55のコマンド発生部57からの払い出しコマンドを受信して、コマンド解析部58がその払い出しコマンドを解析する。そして、このコマンド解析部58での解析結果が出る毎に、総獲得賞品球数算出部59が遊技者の獲得する総獲得賞品球数を順次算出し記憶する。
【0037】
なお、総獲得賞品球数算出部59は、解析結果から総獲得賞品球数を直接計数し算出しても良いし、他のデータに置換して総獲得賞品球数を間接的に算出しても良い。例えば、払い出しコマンドの種類別に、その払い出しコマンドの受信回数をデータとして記憶することによって、間接的に総獲得賞品球数を求めることも可能である。従って、総獲得賞品球数を他のデータに置換して間接的に算出する場合には、その後の制御もそれに基づいて行えば良い。
【0038】
総獲得賞品球数算出部59が遊技者の総獲得賞品球数を算出し記憶すると同時に、総獲得賞品球数判定部60でその総獲得賞品球数を規定払い出し個数と比較して、総獲得賞品球数が規定払い出し個数以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて払い出し制御部62が賞品球払い出し手段41を制御する。
【0039】
例えば、総獲得賞品球数が規定払い出し個数の25個未満、例えば6個程度であれば、この総獲得賞品球数判定部60からの信号により払い出し制御部61が働き、その球数別払い出し制御機能によって賞品球払い出し手段41の払い出しモータ46を制御する。このため、賞品球払い出し手段41の回転体45が6個の払い出し分だけ回転し、6個の賞品球を上皿7 へと払い出す。
【0040】
大入賞手段15に多数の遊技球が入賞した場合には、総獲得賞品球数が規定払い出し個数の25個を大きく越えるが、このときには総獲得賞品球数判定部60からの信号により払い出し制御部61が働き、その規定払い出し制御機能によって賞品球払い出し手段41の払い出しモータ46を制御する。このため、賞品球払い出し手段41の回転体45が25個の規定払い出し個数分だけ画一的に回転し、1回の払い出し動作で25個の賞品球を上皿7 へと払い出す。
【0041】
賞品球払い出し手段41が賞品球を払い出すと、賞品球検出スイッチ47が賞品球を検出し、払い出し確認部62が賞品球の払い出し個数を確認する。そして、払い出し制御部61の制御に従って所定数の賞品球が払い出された場合には、総獲得賞品球数算出部59の記憶を1回の払い出し動作を1単位として更新し削除する。
【0042】
総獲得賞品球数算出部59の記憶を更新した後も、残りの総獲得賞品球数が規定払い出し個数を越えている限り、同様の制御によって賞品球払い出し手段41が規定払い出し動作を繰り返し、また残りの総獲得賞品球数が規定払い出し個数よりも少なくなれば、賞品球払い出し手段41が球数別払い出し動作を行い、残りの総獲得賞品球数がなくなるまで賞品球を払い出して行く。従って、遊技球の入賞毎に賞品球払い出し手段41がその賞品球数分だけ払い出すようにした従来の場合に比較して、賞品球を短時間で迅速に払い出すことができる。
【0043】
なお、実施形態には、次の各発明が含まれている。その第1の発明は、遊技盤4 の遊技領域12内に複数個の入賞手段14〜19を設け、該入賞手段14〜19への遊技球の入賞に基づいて賞品球払い出し手段41により賞品球を払い出すようにした弾球遊技機において、前記賞品球払い出し手段41の払い出し動作を制御する払い出し制御手段54を備え、該払い出し制御手段54は、遊技者の総獲得賞品球数が前記賞品球払い出し手段41の1回の払い出し動作により払い出す規定払い出し個数よりも少ないときに、前記賞品球払い出し手段41がその総獲得賞品球数分の賞品球を払い出し、前記総獲得賞品球数が前記規定払い出し個数以上のときに、前記賞品球払い出し手段41が前記規定払い出し個数の賞品球を払い出すように前記賞品球払い出し手段41を制御する機能を備えたものである。
【0044】
第2の発明は、第1の発明において、前記各入賞手段14〜19に遊技球の入賞を検出する入賞検出スイッチ31〜36を設け、該入賞検出スイッチ31〜36からの入賞信号に基づいて前記払い出し制御手段54が前記賞品球払い出し手段41を制御するようにしたものである。
【0045】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記規定払い出し個数が、前記入賞手段14〜19への1入賞により獲得する最小の賞品球数よりも大にしたものである。
【0046】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、主に前記遊技盤4 側の遊技動作を制御する主制御手段55に、前記入賞手段14〜19からの入賞信号毎に払い出しコマンドを発生するコマンド発生部57を設け、前記払い出し制御手段54に、前記コマンド発生部57からの払い出しコマンドを受信して解析するコマンド解析部58と、該コマンド解析部58での解析結果から遊技者の総獲得賞品球数を算出し記憶する総獲得賞品球数算出部59とを備えたものである。
【0047】
第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明において、前記遊技盤4 に、遊技球の1入賞に対する賞品球数が異なる複数種類の入賞手段14〜19を備え、前記賞品球払い出し手段41の前記規定払い出し個数が少なくとも2種類の入賞手段14〜19の賞品球数を加えた個数よりも大にしたものである。
【0048】
第6の発明は、第1〜第5の何れかの発明において、前記払い出し制御手段54は、前記賞品球払い出し手段41の払い出し動作毎に賞品球の払い出し個数を確認する払い出し確認部62を備え、該払い出し確認部62での確認後に前記払い出し動作単位で前記総獲得賞品球数算出部59に記憶された前記総獲得賞品球数を更新するようにしたものである。
【0049】
第7の発明は、第1〜第6の何れかの発明において、前記賞品球払い出し手段41を貸し球の払い出し用に兼用し、前記規定払い出し個数を球貸し時の1回の払い出し動作により払い出す貸し球払い出し個数と同じにしたものである。
【0050】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば実施形態では、コマンド発生部57が払い出しコマンドを発生し、コマンド解析部58がその払い出しコマンドを解析しているが、コマンド発生部57は、払い出し停止コマンド、払い出し復帰コマンド等、賞品球払い出し手段41の賞品球の払い出しに関連する一切のコマンドを発生するようにしても良い。
【0051】
賞品球払い出し手段41が1回の払い出し動作で賞品球を払い出す規定払い出し個数は、25個に限定されるものではない。しかし、自動球貸し機からの球貸し要求により、賞品球払い出し手段41が貸し球の払い出しを兼用する場合には、例えば100円当たりの遊技球の貸し出し個数である25個に規定払い出し個数を設定することが望ましい。即ち、1回の払い出し動作で賞品球を払い出す規定払い出し個数を、球貸し時に1回の払い出し動作で貸し球を払い出す貸し球払い出し個数と同じにすることが望ましい。
【0052】
また規定払い出し個数は、入賞手段14〜19への遊技球の複数個の入賞による賞品球の払い出しを1回の払い出し動作で行うように設定すれば良い。この場合、遊技盤4 の裏側に通過した入賞球を貯留しておき、その入賞球を1個づつ排出しながら賞品球払い出し手段41を制御する制御方式を併用しても良い。従って、各入賞手段14〜19に入賞検出スイッチ31〜36を設けなくても良い。
【0053】
賞品球払い出し手段41は、回転体45に代替してスクリュー等を使用したものでも良い。各入賞手段14〜19の1入賞についての賞球個数は、入賞手段14,16 〜19の賞品球数を6個とし、大入賞手段15の賞品球数を15個としているが、これも単なる例示に過ぎず、ゲーム構成を考慮して決定すれば良い。
【0054】
また本発明は、遊技盤4 の遊技領域12内に複数個の入賞手段14〜19を設け、該入賞手段14〜19への遊技球の入賞に基づいて賞品球払い出し手段41により賞品球を払い出すようにした弾球遊技機において、入賞手段14〜19への遊技球の複数個の入賞による賞品球の払い出しを、賞品球払い出し手段41の1回の払い出し動作で行うように賞品球払い出し手段41を制御する払い出し制御手段54を備えても良い。その他、本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球機等の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技盤4 の遊技領域12内に複数個の入賞手段14〜19を設け、該入賞手段14〜19への遊技球の入賞に基づいて賞品球払い出し手段41により賞品球を払い出すようにした弾球遊技機において、入賞手段14〜19への遊技球の複数個の入賞による賞品球の払い出しを、その1回の払い出し動作で行うように賞品球払い出し手段41を制御する払い出し制御手段54を備え、該払い出し制御手段54は、遊技者が獲得する総獲得賞品球数を順次算出する総獲得賞品球数算出部 59 と、総獲得賞品球数が入賞手段14〜19への1入賞により獲得する最大の賞品球数よりも大である、賞品球払い出し手段 41 の1回の払い出し動作により払い出される賞品球の規定払い出し個数以上か否かを判定する総獲得賞品球数判定部 60 と、総獲得賞品球数が規定払い出し個数よりも少ないときに、賞品球払い出し手段41がその総獲得賞品球数分の賞品球を払い出し、総獲得賞品球数が規定払い出し個数以上のときに、賞品球払い出し手段41が規定払い出し個数の賞品球を払い出すように賞品球払い出し手段41を制御する機能とを備えているので、少ない払い出し動作回数で賞品球を短時間で迅速に払い出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す弾球遊技機の正面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す弾球遊技機の背面図である。
【図3】本発明の実施形態を示す遊技盤の正面図である。
【図4】本発明の実施形態を示す遊技盤の背面断面図である。
【図5】本発明の実施形態を示す制御系のブロック図である。
【符号の説明】
4 遊技盤
12 遊技領域
14 可変式入賞手段
15 大入賞手段
16〜19 普通入賞手段
31〜36 入賞検出スイッチ
41 賞品球払い出し手段
54 払い出し制御手段
55 主制御手段
57 コマンド発生部
58 コマンド解析部
59 総獲得賞品球数算出部
62 払い出し確認部
Claims (1)
- 遊技盤(4) の遊技領域(12)内に複数個の入賞手段(14)〜(19)を設け、該入賞手段(14)〜(19)への遊技球の入賞に基づいて賞品球払い出し手段(41)により賞品球を払い出すようにした弾球遊技機において、前記入賞手段(14)〜(19)への遊技球の複数個の入賞による賞品球の払い出しを、その1回の払い出し動作で行うように前記賞品球払い出し手段(41)を制御する払い出し制御手段(54)を備え、該払い出し制御手段(54)は、遊技者が獲得する総獲得賞品球数を順次算出する総獲得賞品球数算出部 (59) と、前記総獲得賞品球数が前記入賞手段(14)〜(19)への1入賞により獲得する最大の賞品球数よりも大である、前記賞品球払い出し手段 (41) の1回の払い出し動作により払い出される賞品球の規定払い出し個数以上か否かを判定する総獲得賞品球数判定部 (60) と、前記総獲得賞品球数が前記規定払い出し個数よりも少ないときに、前記賞品球払い出し手段(41)がその総獲得賞品球数分の賞品球を払い出し、前記総獲得賞品球数が前記規定払い出し個数以上のときに、前記賞品球払い出し手段(41)が前記規定払い出し個数の賞品球を払い出すように前記賞品球払い出し手段(41)を制御する機能とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
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