JP3617749B2 - コンクリート混和剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート混和剤に関するものである。更に詳しくは、セメントペースト、モルタル及びコンクリート等の水硬性組成物の流動性及び特に流動性の保持性に優れた効果を発現するコンクリート混和剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート混和剤の中で、流動性効果の大きい代表的なものに、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩(ナフタレン系)、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩(メラミン系)、ポリカルボン酸塩(ポリカルボン酸系)等の、高性能減水剤と呼ばれているものがある。
【0003】
これらの混和剤はそれぞれ優れた機能もある反面、問題点も有している。例えば、ナフタレン系やメラミン系は硬化特性に優れるものの、流動保持性(スランプロス)に問題点を有し、ポリカルボン酸系は硬化遅延が大きいという問題を抱えている。
【0004】
近年、優れた流動性を発現するポリカルボン酸系のコンクリート混和剤の開発により、低添加量で良好な分散性を得ることが可能となり、硬化遅延の問題が改善されつつある。例えば、不飽和結合を有するポリアルキレングリコールモノエステル系単量体と、アクリル酸系及び/又は不飽和ジカルボン酸系単量体との共重合物類等の、水溶性ビニル共重合体が挙げられる(特公昭59−18338号公報、特公平2−78978号公報、特公平2−7898号公報、特公平2−7901号公報、特公平2−11542号公報、特開平3−75252号公報、特開昭59−162163号公報等参照)。しかしながら、流動性保持効果についてはまだ充分な効果が得られていないのが現状である。
【0005】
これらの現状を踏まえ、本発明者らは特開平7−223852号公報において、高鎖長のオキシアルキレン基を含む共重合物の混和剤によるスランプロスの改善を提案している。また、特開平8−12401号公報において、やはり高鎖長のオキシアルキレン基を含む芳香族系の共重合物の混和剤によるスランプロスの改善を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平7−223852号公報や特開平8−12401号公報に記載の技術は、60〜90分以上もの長時間にわたってスランプ保持を良好に行うことを可能にしている。しかしながら、交通渋滞や工事トラブル等によるコンクリートの打設遅れに対応するためには、2時間程度のスランプ維持が要求される場合が多く、更に改善が必要となっている。そこで本発明の課題は、このようなより長時間にわたるスランプ特性の維持を可能にするコンクリート混和剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、長時間のスランプ保持に対して、セメント粒子の分散性を維持させる手段として、分散剤の逐次補填の面から鋭意研究を行った。即ち本発明者らは、コンクリート中の強イオン系における分散剤の吸着速度の面から分子設計を行い、オキシアルキレン基と特定の重縮合性単量体から誘導される残基を含む重縮合物が極めて良好なスランプ保持効果を示し、従来よりもはるかに長時間の保持が可能となることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
即ち本発明は、炭素数2〜3のオキシアルキレン基1〜300モルを有する重縮合性単量体(A)から誘導される残基と、カルボキシモノエステル基を有する重縮合性単量体(B)から誘導される残基とを必須の構造単位として有する重縮合体を含有することを特徴とするコンクリート混和剤を提供するものである。
【0009】
本発明のコンクリート混和剤をコンクリートに使用すれば、スランプ維持に極めて優れた効果が発現されるが、これは分散剤が逐次的にセメント水和物へ取り込まれて、流動性が低下するのを緩衝するためであると考えられる。即ち、本発明の重縮合物中のオキシアルキレン基と特定の単量体残基が、セメントへの吸着速度を調節しているものと考えられる。特に、カルボキシモノエステル基を有する重縮合性単量体(B)から誘導される残基を導入することで、アルカリによるエステル分解により、吸着基のカルボキシル基が逐次的に増加して新たな分散剤を供給することになり、これにより流動性の低下が補われ、流動性が保持されるものと考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる炭素数2〜3のオキシアルキレン基1〜300モルを有する重縮合性単量体としては、芳香族系単量体、特に炭素数2〜3のオキシアルキレン基1〜300モルを導入したポリオキシアルキレンアルキルフェノール類、又はポリオキシアルキレンアルキルナフトール類が使用される。一例を挙げれば、フェノール、クレゾール、ノニルフェノール、ナフトール、メチルナフトール、ブチルナフトール、ビスフェノール等へのオキシアルキレン基1〜300モル付加物である。共縮合性の面からは、ベンゼン環誘導体、即ちポリオキシアルキレンアルキルフェノールが好ましく、特にフェノールのオキシアルキレン基付加物が好ましい。
【0011】
炭素数2〜3のオキシアルキレン基とは、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを意味し、これらはランダム状、ブロック状のいずれで導入されていてもよく、限定されるものではない。また、オキシアルキレン基の末端が水酸基、アルキルエーテル、アルキルエステルのいずれであっても使用することができる。
【0012】
炭素数2〜3のオキシアルキレン基の付加モル数は、平均が1以上であればよく、付加していないものが含有されている場合でも、或いは付加していないものが配合されている場合でも使用することができる。しかし、オキシアルキレン基が平均で300モルを超えると、分散保持性が低下する傾向がある。
【0013】
本発明に用いる、カルボキシモノエステル基を有する重縮合性単量体(B)としては、芳香族系単量体、特にベンゼン環又はナフタレン環誘導体、例えば炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルキルのイソフタル酸エステル、ヒドロキシナフトエ酸エステル、安息香酸エステル、又はヒドロキシ安息香酸エステル、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐鎖アルケニルのイソフタル酸エステル、ヒドロキシナフトエ酸エステル、安息香酸エステル、又はヒドロキシ安息香酸エステル、或いは炭素数2〜6のヒドロキシアルキルのイソフタル酸エステル、ヒドロキシナフトエ酸エステル、安息香酸エステル、又はヒドロキシ安息香酸エステルが使用される。
【0014】
しかし共縮合性から考慮すると、下記の一般式
【0015】
【化2】
Figure 0003617749
【0016】
(式中、R:炭素数1〜18のアルキル基又はアルケニル基、或いは炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基)で表されるフェノール誘導体化合物が好ましい。即ち、上記の一般式中のRが炭素数1〜18の、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又はアルケニル基、或いは炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基である、o−ヒドロキシ安息香酸エステル、m−ヒドロキシ安息香酸エステル、又はp−ヒドロキシ安息香酸エステルが好ましい。
【0017】
本発明の重縮合体はさらに、必須の構造単位として、カルボキシル基、又はスルホン酸基を有する重縮合性単量体(C)から誘導される残基を有することができる。
【0018】
(C)成分は吸着性の基を有することから、これを導入することにより重縮合体のセメントへの吸着性を高めることができ、練り上がり直後の流動性発現に寄与することができる。
【0019】
スルホン酸基を有する重縮合性単量体(C)としては、芳香族系単量体、特にアルキルナフタレンスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アニリンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸等を用いることができる。一例を挙げれば、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、アニリンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メラミンスルホン酸等である。また、これらの異性体、及びすでにこれらが縮合されてなるものを用いることも可能である。例えば、リグニンスルホン酸やナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物などを使用することもできる。しかし共縮合性から考慮すると、フェノール誘導体からなるスルホン酸化合物、即ちアルキルフェノールスルホン酸が好ましく、特にフェノールスルホン酸が好ましい。
【0020】
カルボキシル基を有する重縮合性単量体(C)としては、芳香族系単量体、特にベンゼン環又はナフタレン環誘導体を用いることができる。例えば、イソフタル酸、ヒドロキシナフトエ酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸等やこれらの異性体を挙げることができる。しかし共縮合性から考慮すると、o−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、又はp−ヒドロキシ安息香酸が好ましい。
【0021】
また、本発明コンクリート混和剤に含まれる重縮合体は、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の重縮合可能な単量体から誘導された残基を含んでいてもよい。こうした単量体の例としては、フェノールや、クレゾール等のアルキルフェノールが挙げられる。
【0022】
本発明による重縮合体は、酸性のままコンクリート混和剤として用いることもできるが、貯蔵面と使用面からは、中和塩として用いることが好ましい。中和塩としては、1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、アミン塩又は置換アミン塩が挙げられる。
【0023】
重縮合性単量体(A)と重縮合性単量体(B)の反応モル比としては、(A)/(B)=1〜99/99〜1の範囲が分散保持の面から適当であり、10〜50/50〜90の範囲が特に分散保持に優れる。また、さらに重縮合性単量体(C)を反応させる場合には、反応モル比として(A)/(B)/(C)=1〜98/1〜98/1〜98の範囲が分散保持の面から適当であり、中でも5〜50/5〜90/5〜90の範囲が特に分散保持に優れる。
【0024】
本発明の重縮合体の標準的な製造法としては、例えば所定量のオキシアルキレン基を有する重縮合性単量体(A)とカルボキシモノエステルを有する重縮合性単量体(B)とを、或いはさらにカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、及び/又はリン酸基を有する重縮合性単量体(C)とを反応容器に仕込み、70〜90℃の温度において撹拌下で所定量のホルムアルデヒド水溶液を1〜4時間かけて滴下し、滴下後に還流下で3〜30時間撹拌して冷却し、中和する方法が挙げられる。しかしながらこれは例示であって、この方法により本発明は何ら限定されるものではない。
【0025】
なお重縮合系においては、縮合粘度と縮合時間をコントロールするために水の添加、調整を行う。反応は酸性下で行い、スルホン酸基を有する化合物やこれに含まれる未反応の酸によりすでに酸性になっている場合は、そのままの酸性領域で縮合を行う。また、反応系によって酸性にならない場合には、予め硫酸などを加えてpH2以下にしてから反応を行う。
【0026】
本発明の重縮合体の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法/ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算による分子量から縮合度を算出)は、3,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましい。平均分子量が3,000未満、又は100,000を超えると、分散保持性に劣る傾向がある。
【0027】
本発明のコンクリート混和剤のコンクリートへの添加量は、セメントに対して固形分で0.02〜1.0重量%が好ましく、0.05〜0.5重量%がより好ましい。
【0028】
本発明のコンクリート混和剤は、高性能減水剤と併用することも可能である。高性能減水剤との併用により、コンクリート初期の流動値と経時的な流動値の変動幅が小さくなり、安定したスランプ値を得ることが可能となる。
【0029】
高性能減水剤の一例を示せば、ナフタレン系(例えば花王(株)製マイティ150)、メラミン系(例えば花王(株)製マイティ150V−2)、アミノスルホン酸系(例えば藤沢化学(株)製パリックFP)、ポリカルボン酸系(例えば花王(株)製マイティ2000WHZ)等が挙げられる。公知の高性能減水剤の中でも、特に特開平7−223852号公報に示される炭素数2〜3のオキシアルキレン基110〜300 モルを導入したポリアルキレングリコールモノエステル系単量体とアクリル酸系重合体の共重合物系を含有するものは、流動性の保持効果に優れ、好ましい。
【0030】
本発明のコンクリート混和剤と高性能減水剤との配合比率は、重量比で本発明における重縮合体/高性能減水剤=1〜99/99〜1(合計を100重量%とする)の範囲が、流動性の保持の観点から好ましく、10〜90/90〜10の範囲が更に流動性の保持に優れ、好ましい。
【0031】
さらに、本発明のコンクリート混和剤は他の公知の添加剤(材)と併用することができる。例としては、AE剤、AE減水剤、流動化剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防水剤、防泡剤や珪砂、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が挙げられる。
【0032】
さらに、本発明のコンクリート混和剤は水硬性のセメント類を組成とするセメントペーストやモルタル、コンクリート等に添加するものであるが、これらの内容については何ら限定されるものではない。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお以下の例における「%」は、特に断りのない限り「重量%」を意味する。また分子量は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法/ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算)による分子量を表わす。
【0034】
以下の例で使用した、炭素数2〜3のオキシアルキレン基1〜300モルを有する重縮合性単量体(A)、カルボキシモノエステル基を有する重縮合性単量体(B)、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、及びリン酸基からなる群より選ばれる1種以上の基を有する重縮合性単量体(C)の内容を以下に示す。尚、EOはエチレンオキシドを、POはプロピレンオキシドを、数値は平均の付加モル数を表す。
【0035】
重縮合性単量体 (A)
A−1 ;フェノールEO10モル付加物
A−2 ;フェノールEO75モル付加物
A−3 ;フェノールEO120モル付加物
A−4 ;フェノールEO250モル・PO20モルブロック付加物
A−5 ;ナフトールEO2モル付加物
A−6 (比較);フェノールEO370モル付加物
重縮合性単量体 (B)
B−1 ;p−ヒドロキシ安息香酸メチル
B−2 ;o−ヒドロキシ安息香酸ブチル
B−3 ;ヒドロキシナフトエ酸メチル
重縮合性単量体 (C)
C−1 ;p−ヒドロキシ安息香酸
C−2 ;ヒドロキシナフトエ酸
C−3 ;フェノールスルホン酸
C−4 ;ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物(分子量4500)
以下に共縮合物の製造例を示す。
【0036】
製造例1(混和剤の記号 D−1)
撹拌機付き反応容器にA−1を0.3モル、B−1を0.7モル、硫酸を0.5モル、水を4モル仕込み、37%ホルムアルデヒド水溶液0.9モルを80℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃に昇温して10時間反応させた後、冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調製して静置した。静置後、二層分離した上層をとり、水を加えて固形分を30%に調整して、分子量32,000の共縮合物を得た。
【0037】
製造例2(混和剤の記号 D−2)
撹拌機付き反応容器にA−2を0.1モル、B−2を0.7モル、C−1を0.2モル、硫酸を0.3モル、水を4モル仕込み、37%ホルムアルデヒド水溶液0.9モルを80℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃に昇温して10時間反応させた後、冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調製して静置した。静置後、二層分離した上層を取り、水を加えて固形分を30%に調整して、分子量25,000の共縮合物を得た。
【0038】
製造例3(混和剤の記号 D−3)
撹拌機付き反応容器にA−3を0.2モル、B−1を0.6モル、C−2を0.2モル、硫酸を0.3モル、水を4モル仕込み、37%ホルムアルデヒド水溶液0.9モルを80℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃に昇温して10時間反応させた後、冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調製して静置した。静置後、二層分離した上層をとり、水を加えて固形分を30%に調整して、分子量37,000の共縮合物を得た。
【0039】
製造例4(混和剤の記号 D−4)
撹拌機付き反応容器にA−4を0.1モル、B−3を0.5モル、C−3を0.4モル、硫酸を0.3モル、水を4モル仕込み、37%ホルムアルデヒド水溶液0.9モルを80℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃に昇温して10時間反応させた後、冷却して50%水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調製して静置した。静置後、二層分離した上層を取り、水を加えて固形分を30%に調整して、分子量30,000の共縮合物を得た。
【0040】
製造例5(混和剤の記号 D−5)
撹拌機付き反応容器にA−5を0.1モル、B−1を0.8モル、C−4を0.1モル、水を4モル、硫酸を0.3モル仕込み、37%ホルムアルデヒド水溶液0.9モルを80℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃に昇温して10時間反応させた後、冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調製して静置した。静置後、二層分離した上層を取り、水を加えて固形分を30%に調整して、分子量29,000の共縮合物を得た。
【0041】
製造例6(混和剤の記号 D−6)
撹拌機付き反応容器にA−3を0.2モル、B−1を0.7モル、C−3を0.1モル、硫酸を0.3モル、水を4モル仕込み、37%ホルムアルデヒド水溶液0.9モルを80℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃に昇温して10時間反応させた後、冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調製して静置した。静置後、二層分離した上層を取り、水を加えて固形分を30%に調整して、分子量18,000の共縮合物を得た。
【0042】
製造例7(混和剤の記号 D−7) (比較品)
撹拌機付き反応容器にA−6を0.1モル、B−1を0.5モル、C−1を0.4モル、水を7モル、硫酸を0.3モル仕込み、37%ホルムアルデヒド水溶液0.9モルを80℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃に昇温して15時間反応させた後、冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調製して静置した。静置後、二層分離した上層を取り、水を加えて固形分を20%に調整して、分子量23,000の共縮合体を得た。
【0043】
製造例8(混和剤の記号 D−8) (比較品)
撹拌機付き反応容器にA−3を0.1モル、C−1を0.6モル、C−3を0.3モル、水を7モル、硫酸を0.3モル仕込み、37%ホルムアルデヒド水溶液0.9モルを80℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃に昇温して15時間反応させた後、冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液でpH6に調製して静置した。静置後、二層分離した上層を取り、水を加えて固形分を30%に調整して、分子量19,000の共縮合体を得た。
【0044】
比較品として用いた重縮合体の他に、実施例で使用した比較用コンクリート混和剤(高性能減水剤)の内容と記号を以下に示す。
混和剤の記号NS:ナフタレン系混和剤(マイティ150;花王(株)製)
混和剤の記号MS:メラミン系混和剤(マイティ150V−2;花王(株)製)
混和剤の記号PC:ポリカルボン酸系混和剤(マイティ2000WHZ;花王(株)製)
本発明のコンクリート混和剤と比較用コンクリート混和剤の評価方法を以下に示す。
【0045】
<コンクリート混和剤としての評価>
コンクリートの配合条件を次の表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003617749
【0047】
コンクリートは、表1に示すコンクリート配合により、材料と混和剤を傾胴ミキサーで 25rpm×3分間混練りして調製した。JIS−A1101法によって流動性(スランプ値)を測定後、さらに4rpmで所定時間回転させ、120分までのスランプ値(cm)を測定した。なお、初期スランプ値は19.5±1cmとなるように、本発明の混和剤及び比較用混和剤の添加量で調整してある。測定結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
Figure 0003617749
【0049】
注)*1:セメントに対する固形分換算
*2:本発明品D−6と比較品D−8の配合品、配合比率=50/50(%)
*3:本発明品D−1と比較品PCの配合品、配合比率=40/60(%)
【0050】
【発明の効果】
表2からも明らかなように、本発明によるコンクリート混和剤は、調製直後のスランプ値を長時間にわたって保持することができる。従って、本発明のコンクリート混和剤をセメント組成物に添加すれば、長時間にわたりスランプの変化が少ないことから、夏場の高温時や水セメント比の大きい場合など、スランプ保持がより困難な様々なコンクリート製造・打設条件下や、また交通渋滞等のトラブルによりコンクリートの打設が遅れる場合等についても、コンクリートの品質管理が容易となる。

Claims (12)

  1. 炭素数2〜3のオキシアルキレン基1〜300モルを有する重縮合性単量体(A)から誘導される残基と、カルボキシモノエステル基を有する重縮合性単量体(B)から誘導される残基とを必須の構造単位として有する重縮合体を含有することを特徴とする、コンクリート混和剤。
  2. 前記重縮合体が必須の構造単位としてさらに、カルボキシル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれる1種以上の基を有する重縮合性単量体(C)から誘導される残基を有する、請求項1のコンクリート混和剤。
  3. 前記重縮合体が、前記重縮合性単量体(A)と前記重縮合性単量体(B)とを(A)/(B)=1〜99/99〜1のモル比で反応させて得られたものである、請求項1のコンクリート混和剤。
  4. 前記比率が(A)/(B)=10〜50/50〜90の範囲にある、請求項3のコンクリート混和剤。
  5. 前記重縮合体が、前記重縮合性単量体(A)、前記重縮合性単量体(B)、及び前記重縮合性単量体(C)を(A)/(B)/(C)=1〜98/1〜98/1〜98のモル比で反応させて得られたものである、請求項2のコンクリート混和剤。
  6. 前記比率が5〜50/5〜90/5〜90の範囲にある、請求項5のコンクリート混和剤。
  7. 前記重縮合性単量体(A)がベンゼン環又はナフタレン環誘導体である、請求項1から6の何れか1のコンクリート混和剤。
  8. 前記重縮合性単量体(A)がフェノールのオキシアルキレン基付加物である、請求項7のコンクリート混和剤。
  9. 前記重縮合性単量体(B)がベンゼン環又はナフタレン環誘導体である、請求項1から8の何れか1のコンクリート混和剤。
  10. 前記重縮合性単量体(B)が、一般式
    Figure 0003617749
    (式中、R:炭素数1〜18のアルキル基又はアルケニル基、或いは炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基)
    で表される化合物である、請求項1から9の何れか1のコンクリート混和剤。
  11. 前記重縮合性単量体(C)が、カルボキシル基若しくはスルホン酸基を有するナフタレン環又はベンゼン環誘導体、又はスルホン酸基を有するフェノール誘導体である、請求項2または5から10の何れか1のコンクリート混和剤。
  12. 前記重縮合体の重量平均分子量が3,000〜100,000である、請求項1から11の何れか1のコンクリート混和剤。
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