JP3616753B2 - 釣り用餌箱及びこれを備えた釣り用クーラー - Google Patents

釣り用餌箱及びこれを備えた釣り用クーラー Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣用クーラー(クーラーボックス又はアイスボックスともいう)中に配置(収容)され、釣り餌を収容して保冷(冷却)したり、釣り針やハサミなどの釣り用小物を収容するために使用される釣り用餌箱(釣り用小物入れ(箱)ともいわれる)及びこれを備えた釣用クーラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の釣用クーラー(以下、単にクーラーともいう)は、釣りを趣味とする人(以下釣り人という)にとっては必需品であり、釣り餌や釣果を収容するのに重宝されている。図9及び図10は、この種のクーラー1の一例を示したものであり、その本体2は通常、略直方体の容器状をなし、上方が開口され、例えばヒンジ機構(図示せず)を介してカバー(蓋)3が開閉可能に取着されており、保冷効果が高められるように、本体2及びカバー3ともにプラスチックを主体として形成され、断熱材が各構成部内に充填されている。そして、クーラー本体2内の壁面5のうち、底部7から一定高さ部位には、その内壁面5の平面視、開口の周囲に沿って、例えば2〜5mm程度の幅Dの棚部9が形成され、その棚部9より上の対向する内壁面15の相互間の間隔W1がその対向する棚部9の幅分、棚部9より下の対向する内壁面5の相互間の間隔W2よりも広く形成されている。このような構造とすることで、その対向する内壁面5の上に形成された棚部9を支持部として、釣り用餌箱101を橋架してクーラー1内に配置するように構成されている。しかして、図9、10に示したクーラー1は、その本体2内の底部7の上に、保冷用の氷とともに釣果が収容され、釣り用餌箱101がその上に配置されるようになっている。
【0003】
すなわち、釣には、通常、小えびやゴカイといった餌が必要であることから、このような餌を収容、保冷する必要があるため、クーラー1に釣り用餌箱101を収容する構成とされるのであるが、餌の取出し等の便宜を考慮して、釣り用餌箱101はクーラー内の上方に配置されるのが普通である。そして、このような釣り用餌箱101は、釣り用餌箱本体の対向する外壁103、105に、それぞれ外方に突出する被支持用突出部104、106を備えており、その両被支持用突出部104、106を、クーラー本体2の対向する内壁面5の上に形成された棚部9に載置するようにして橋架され、クーラー内に配置される。なお、このような釣り用餌箱101は、通常は、蓋130が取付けられている。
【0004】
一方、このような釣り用餌箱101は、クーラーの付属品としてクーラーに付帯したものとして、セットで販売されることもあるが、クーラーとは別に、いわゆる別売りもされている。そして、このような釣用クーラー1は、例えば、16リットル、20リットル、30リットルなど、各種の大きさ(容量)のものがあるが、例え同一容量のものでも、対向する内壁面の棚部相互間の間隔(寸法)W1、又はW2はメーカーによっても、或いは同一メーカーのものでも、品種や型などによって少しずつ異なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、例えば、既に所有している釣用クーラー1に、後で別途に、釣り用餌箱101のみを購入し、これをそのクーラー内に配置して使用する際には、その対向する内壁面5の棚部9に具合良く橋架できず、配置できない場合があった。すなわち、特定容量のクーラー用の餌箱として購入しても、その釣り用餌箱の対向する外壁103、105に設けられた、外方に突出する被支持用突出部104、106の相互間の寸法が大きいため、その被支持用突出部がクーラー本体2の棚部9より上の内壁面15に干渉して収容できないといった場合があった。また逆に、釣り用餌箱のその被支持用突出部104、106の相互間寸法が小さいため、対向する棚部9に橋架できないことや、橋架代が少ないため、安定した橋架ができないこともあった。因みに、所望とする橋架状態が確保できないときは、クーラー内の底部に置くことになる。
【0006】
このように、従来の別売りの釣り用餌箱は、クーラーのメーカーが異なる場合、或いは同一メーカーでも具合良く収容できない場合があり、需要者にしてみれば汎用性に欠けるため、使い勝ってが悪いといった指摘があった。しかも、安定した橋架ができない場合には、振動により釣り用餌箱がクーラー内で移動ないし踊ってしまい、底部に外れ落ちてしまうこともあり、安定した餌の保冷ないし保存ができないこともあった。
【0007】
本発明は、こうした問題点に鑑みて成されたもので、その目的は、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部相互間の間隔(寸法)に多少の寸法違いがあっても、安定して橋架配置できる、釣り用餌箱、及びこれを備えた釣り用クーラーを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持されて配置される釣り用餌箱であって、前記棚部に橋架状に支持されるように両端側に外方に突出する被支持用突出部を備えているものにおいて、
該被支持用突出部のうち、少なくとも一端側に設けられたものが該端側から外方に弾性的に突出されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持されて配置される釣り用餌箱であって、前記棚部に橋架状に支持されるように両端側に外方に突出する被支持用突出部を備えているものにおいて、
該被支持用突出部のうち、少なくとも一端側に設けられたものが、該釣り用餌箱の該端側の側壁に貫設された貫通穴内において該釣り用餌箱の内外にスライド可能に配置され、しかも、前記端側から外方に弾性的に突出されていることを特徴とする。
【0010】
このような本発明では、弾性的に突出されている被支持用突出部により、その弾性的な突出量分、被支持用突出部の突出量が弾性的に調整可能となるため、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部相互間の間隔に多少の寸法違いがあっても、つまり、釣り用餌箱を収容、配置しようとしている釣り用クーラーが異なる場合であっても、橋架配置が可能となる。なお、本発明において、該被支持用突出部のうち、少なくとも一端側に設けられたものとしたのは、弾性的に突出されている被支持用突出部は、両端側に設けてもよいためである。そして、本発明において、弾性的に突出されているとは、バネ(バネ手段)を介して突出されていることを意味し、ここにバネには、コイルバネが代表的なものとして例示されるが、これに限定されるものではない。
【0011】
そして、このような本発明は、請求項3に記載のようにするとよい。すなわち、請求項1又は2に記載の釣り用餌箱は、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持されて配置された際に、弾性的に突出されている前記被支持用突出部の先端が前記棚部の上に連なる前記壁面に弾性的に当接するように、該被支持用突出部が自由状態(釣り用クーラー内の棚部に橋架状に配置する前の状態)において弾性的に突出されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の釣り用餌箱においては、これを釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持させた際において、該被支持用突出部が対向する棚部に単に支持されるだけでなく、その先端が壁面に弾性的に当接する。つまり、弾性的に突出されている前記被支持用突出部の先端が前記棚部の上に連なる前記壁面に対し、突っ張った状態となる。このため、このような釣り用餌箱は、釣り用クーラー内において安定良く支持される。
【0013】
さらに請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3に記載のいずれかの釣り用餌箱を、その両端側に設けられた被支持用突出部を、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持させて備えていることを特徴とする、釣り用餌箱を備えた釣り用クーラーである。すなわち、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持されるように、両端側に外方に突出する被支持用突出部を備えている釣り用餌箱を、前記棚部にて橋架状に支持して釣り用餌箱を備えた釣り用クーラーにおいて、前記釣り用餌箱が、請求項1〜3に記載のいずれかのものであることを特徴とする、釣り用餌箱を備えた釣り用クーラーである。このような釣り用餌箱を備えた釣り用クーラーによれば、該餌箱が釣り用クーラー内にて安定して収容される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る釣り用餌箱(以下、単に餌箱ともいう)の第1の実施の形態について、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。ただし、図中、1は、釣り用クーラーであり、上方を開口する直方体容器状をなすボックス本体2と、その開口をカバーするカバー(蓋)3を主体として構成されている。カバー3は、例えば図示しないヒンジ機構を介して開閉するように取付けられている。このようなクーラー1をなすボックス本体2の内側の壁面5は、平坦な底部7から略垂直に立ちあがり、対向するもの同士が平行に配置されている。そして、各壁面5とも、その上端寄り部位には、各壁面5と垂直で、一定の幅(例えば幅3mm)Dの略水平な棚部9が開口に沿って、平面視、矩形(長方形)枠状に形成されている。また、棚部9の上には、棚部9の外寄り端から垂直に連なるように壁面15が例えば20mm程度立ち上がった形で形成され、その上にはカバー3の裏面側の周囲が嵌合する凹段部16が形成されている。このように本形態では、餌箱が収容、配置される釣り用クーラー1自体は、従来のものと同じである。
【0015】
一方、本形態の釣り用餌箱201は、クーラー1内の対向する壁面5に形成された棚部9のうち、平面視、本例では長辺をなす、対向する棚部9相互に橋架状に支持されて配置されるように次のように形成されている。すなわち、本形態の釣り用餌箱201は、浅めの直方体の容器(上方を開口する箱)形状をなし、その餌箱本体201aの長手方向の長さは、平面視、クーラー1の長辺側をなす壁面5間に収容され得るように、その壁面5間の間隔W2よりやや小さく設定されている。そして、釣り用餌箱201の長手方向における左端側の側壁203の上端寄りの外側には、一定厚さでその側壁203の上端(辺)に沿って、外方(図3左方)に一定寸法(例えば5mm)突出する形をなす凸状部からなる被支持用突出部204を備えている。
【0016】
そして、釣り用餌箱201の長手方向における右端側の側壁205の上寄り部位には、水平方向に長い、一定溝幅のスリット状の貫通穴(以下、スリットともいう)207が貫設されている。スリット207の長さ(平面視の幅)は、本形態では、平面視において釣り用餌箱201の短辺の長さに近い寸法に設定されている。このようなスリット207には、平面視、矩形をなす一定厚さの板部材(平板)206が、釣り用餌箱201の長手方向においてその内外にスライドするように配置されている。ただし、本形態では、該板部材206の餌箱201内側における端部の下面に、正面視、該板部材206の板面に対して垂直をなすように、一定厚さの板片210が固着されている。この板片210は、板部材206を外方に向けてスリット207内をスライドさせた際において、右端側の側壁205の内面に当接させ、ストッパーの作用をさせるように構成されている。
【0017】
そして、この板片210の平面視における両端寄り部位には、所定の直径の円形穴221が水平方向に貫設されており、この2つの円形穴221内に串刺し状をなすように、前記板部材206のスライド方向に、それぞれ断面円形の軸材224が配置されている。そして、各軸材224は、その一端部(図示右端部)を餌箱201の短辺側の側壁205の内面に固定し、他端部を、その側壁205から離間して餌箱201内に固定された仕切り板226に固定し、この仕切り板226と板片210との間であって各軸材224の外周面には、例えばステンレス線からなる圧縮コイルバネ228が同軸状に外嵌めされている。ただし、コイルバネ228は、外嵌め状態において板片210とともに板部材206を餌箱201の側壁205、つまり右端側から外方に弾性的に突出させることのできる適度の寸法、およびバネ定数のものである。なお、突出される板部材206の下面は、餌箱201の長手方向における左端側の外側に突出するように設けられた、凸状部からなる被支持用突出部204の下面と略同一高さとなるように設定されている。こうして、本形態では、板部材206のうち、餌箱201の正面視、右側の側壁205、つまり右端側から外方に弾性的に突出する部分が、右端側の被支持用突出部をなすように構成されている。
【0018】
なお、餌箱201の上部には、長手方向において、一端側(図示左端側)が持ち上げられる形で開口される蓋230が開閉自在に蝶着されている。図中233は、開閉用のツマミである。また、餌箱201をなす右側の側壁205と仕切り板226との間の上方にはその内部を塞ぐ蓋235が取り付けられている。
【0019】
しかして、本形態の餌箱201は、それがクーラー内に配置されていない場合には、板部材206からなる右端側に設けられた被支持用突出部が、コイルバネ228のバネ作用によって、右の側壁205のスリット207から外方に一杯(例えば35mm)突出する。そして、板部材(被支持用突出部)206の先端206aが、そのバネに抗して餌箱201の内方に押込まれると、左右両側の被支持用突出部204、206間の寸法が小さくなる。本形態では、右端側に設けられた板部材(被支持用突出部)206が、コイルバネ228のバネに抗して半分程度、餌箱201の内方に押込まれたときに、クーラー1内の対向する壁面5に形成された棚部9のうち、平面視、長辺をなす対向する棚部9に橋架状に支持されて配置されるように構成されている。したがって、その棚部9に橋架状に支持されて配置された際には、弾性的に突出されている右側の板部材(被支持用突出部)206の先端206aが棚部9の上に連なる壁面15に弾性的に当接し、左側の被支持用突出部204の先端も棚部9の上に連なる壁面15に当接するように構成されている。
【0020】
このような本形態の釣り用餌箱201は、これを両端側に設けられた被支持用突出部204、206間の寸法を縮めるようにしつつ、釣り用クーラー1内の対向する壁面5に形成された棚部9に橋架状に支持させる。こうすることで、その釣り用餌箱201は、クーラー1の内に配置されるが、そのときは、弾性的に突出されている右側の板部材(被支持用突出部)206の先端206aが棚部9の上に連なる壁面15に弾性的に当接する。結果として、左右両側の被支持用突出部204、206の先端にて壁面15に突っ張り状態となって棚部9の上に支持されるため、横ずれ(すべり)もなく、安定したクーラー内への配置が確保される。
【0021】
しかも、右側の板部材(被支持用突出部)206がコイルバネ228を介して弾性的に突出されているため、その弾性による出入り調節可能範囲において、棚部9相互間の寸法W2が多少相違するクーラーにも問題なく、しかも安定して配置できる。したがって、極めて使い勝手のよい餌箱となすことができる。なお、棚部9の上に支持されたとき、左右両側の被支持用突出部204、206の先端にて壁面15に突っ張り状態とならないとしても、棚部9の上に支持される範囲において、寸法W2が相違してもその配置ができる。本形態ではコイルバネ228を介して弾性的に突出されている、被支持用突出部をなす板部材を右側のみとしたが、左右両側において具体化することもできる。クーラー内のその余のスペースは氷や獲物(釣果)を入れるところである。
【0022】
次に本発明の餌箱の第2の実施の形態について、図5及び図6を参照して説明する。ただし、本形態の餌箱301においては、前記形態がその右端側から外方に弾性的に突出されている被支持用突出部が1つの板部材206からなるものとして具体化したのに対し、これを2つ(2本)の軸部材306とした点のみが相違するだけであり、したがって前記形態の変形例とでも言うべきものであるため、同一部位には同一の符号を付し、その相違点を中心に説明する。
【0023】
すなわち、本形態では、餌箱301の右端側の側壁205における平面視、左右両側寄り部位に、同一直径の円形の貫通穴(以下、円形穴という)307が水平方向に2つ貫設されている。ただし、2つの円形穴307の餌箱301の底部302からの高さは同じとされている。このような各円形穴307には、軸断面が一定で円形のストレート状の軸部材306が、釣り用餌箱301の長手方向においてその内外にスライドするように配置されている。ただし、軸部材306の餌箱内側における端部(左端部)にはフランジ310が設けられており、そのフランジ310の左の端面にはコイルバネ328がその一端部(図5右端部)を介して軸部材306と同軸状に取り付けられており、コイルバネ328の他端部(図5左端部)は仕切り板226に取付けられている。こうして、軸部材306を常時、外方に突出するように押しやっている。なお、軸部材306は、取付けられたフランジ310が、餌箱301の右側の側壁205の内壁面に固定された円形穴付き止め板(リング)312に当接して係止するように設定されている。
【0024】
すなわち、本形態では、餌箱301の右端側の側壁205における平面視、左右両側寄り部位に、所定の直径の円形穴307が水平方向に2つ貫設されており、この2つの円形穴307内に、串刺し状となり、餌箱301の右端側において内外にスライドするように断面円形の軸部材306が配置され、この軸部材306をコイルバネ328にて餌箱301の側壁205、つまり右端側から外方に弾性的に突出させている。こうして、本形態では、2つの軸部材306のうち、餌箱301の側壁205から外方に弾性的に突出されている部分が、右端側の被支持用突出部をなすように構成されている。なお、突出された軸部材306の下縁は、左端側の外側に突出するように設けられた、凸状部からなる被支持用突出部204の下面と略同一高さとなるように設定されている。
【0025】
また、本形態でも、右端側に設けられた軸部材(被支持用突出部)306が、コイルバネ328に抗して半分程度、餌箱301の内方に押込まれたときに、クーラー内の対向する壁面5に形成された棚部9のうち、平面視、長辺をなす対向する棚部9相互間に橋架状に支持されて配置されるように構成されている。そして、その棚部9に橋架状に支持されて配置された際には、被支持用突出部204、306の先端が棚部9の上に連なる壁面15に当接するように構成されている。
【0026】
しかして、本形態の餌箱301は、これを両端側に設けられた被支持用突出部204、306間の寸法を縮めるようにしつつ、釣り用クーラー内の対向する壁面5に形成された棚部9に橋架状に支持させる。こうすることで、本形態の釣り用餌箱301は、クーラー内に配置されるが、そのときは、弾性的に突出されている右側の軸部材(被支持用突出部)306の先端が棚部9の上に連なる壁面15に弾性的に当接する。つまり、左右両側の被支持用突出部204、306の先端にて壁面15、15に突っ張り状態となって棚部9の上に支持されるため、横ずれもなく、安定したクーラー内への収容が図られる。なお、本形態でも、コイルバネ328を介して弾性的に突出されている軸部材からなる被支持用突出部を右側のみとしたが、左右両側において具体化してもよい。本形態では、その構成から明らかなように、前記形態に比べその構造の簡略化が図られる。また、軸部材306の数は3以上としてもよい。そして、3以上とする場合には、これを略等間隔に配置するとよい。
【0027】
さて、次に本発明の餌箱の第3の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明する。ただし、本形態の餌箱401は、その右側の端側の側壁205の外面から外方に、円断面をなす2つの短軸406がコイルバネ428を介することで、弾性的に突出されるようにしたものであり、いわば前記形態をさらに簡略化したものであるため、相違点のみ説明し、同一部位には同一の符号を付すに止める。
【0028】
すなわち、本形態では、餌箱401の右端側の側壁205における外面に、平面視、左右両側寄り部位に、自由状態における長さを含め、同一のコイルバネ428がその一端部(図7左端部)を介して固定されている。ただし、2つのコイルバネ428は餌箱401の底部402から同じ高さに取り付けられている。そして、各コイルバネ428の先端には、円断面をなす2つの短軸406が取付けられて、2つの被支持用突出部を形成している。すなわち、この2つの短軸(被支持用突出部)406をコイルバネ428にて餌箱401の側壁205、つまり右端側から外方に弾性的に突出させている。なお、短軸(被支持用突出部)406をなす短軸406の下縁は、長手方向における左端側の外側に突出するように設けられた、凸状部からなる被支持用突出部204の下面と略同一高さとなるように設定されている。
【0029】
このような本形態でも、右端側に設けられた短軸406は、コイルバネ428が圧縮され、左端側に設けられた被支持用突出部204とともに、クーラー内の対向する壁面5に形成された棚部9のうち、平面視、長辺をなす対向する棚部9に橋架状に支持されて配置されるように構成されている。そして、その棚部9に橋架状に支持されて配置された際には、右側の短軸406の先端が棚部9の上に連なる壁面15に弾性的に当接するように構成されている。
【0030】
しかして、本形態の餌箱401も、これを両端側に設けられた被支持用突出部204、406間の寸法を縮めるようにしつつ、釣り用クーラー1内の対向する壁面5に形成された棚部9に橋架状に支持させることで、クーラー内に配置される。そのとき、弾性的に突出されている右側の短軸406からなる被支持用突出部の先端が棚部9の上に連なる壁面15に弾性的に当接するため、横ずれもなく、安定した収容が図られる。本形態では餌箱401の側壁205の外面に、コイルバネを介して短軸406を設けた構造としたため、さらにその構造の簡易化が図られる。
【0031】
上記の各形態では、外方に弾性的に突出されている被支持用突出部をいずれも餌箱の片方の端側において具体化したが、両方の端側において具体化してもよい。また、外方に弾性的に突出されている被支持用突出部について、これを外方に弾性的に突出させる手段として、いずれの形態でもコイルバネを利用した場合を例示したが、板バネや竹の子バネを用いることもできる。さらに、蛇腹状に形成したゴムでもよいし、図7、8のものにおいては、軸状に形成されたゴムやスポンジなどの弾性体を用いることもできる。被支持用突出部を外方に弾性的に突出させることができるものであればよいためである。
【0032】
本発明は、上記形態のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜に設計変更して具体化できる。例えば、釣り用餌箱に設けた被支持用突出部は、前記各形態では、同餌箱を直方体形状のものとし、その長手方向おいて対向するの端側に設けた場合を例示したが、短手方向において対向するの端側に設けてもよい。また、被支持用突出部を設ける高さも、クーラー内の棚部に橋架できる限りにおいて任意に設定すればよい。さらに、被支持用突出部の形状等は適宜の形状、構造に設計すればよい。また、両端側に設けられた被支持用突出部を釣り用クーラー内の対向する、平面視長辺をなす壁面に形成された棚部に橋架状に支持させた場合を例示したが、平面視短辺をなす壁面に形成された棚部に橋架状に支持させるようにしてもよい。なお、棚部は、クーラー内の壁面の上端寄りに形成されるのが普通であるが、本発明の餌箱は、それより低い高さ部位に形成されたものにおいても適用できる。なお、本発明の餌箱は、前記もしたように、釣り餌を収容して保冷(冷却)するものの他、釣り針やハサミなどの釣り用小物を収容する釣り用小物入れ(箱)としても使用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の釣り用餌箱によれば、これをクーラーとは別売りで提供する場合や、クーラーのメーカーが異なる場合でも、特定呼び容量のクーラーに広く使用できる。したがって、本発明の釣り用餌箱は、需要者にしてみれば汎用性が高いことから、使い勝ってが極めてよい。しかも、弾性的に突出されている被支持用突出部の先端が棚部の上に連なる壁面に弾性的に当接する(突っ張る)ものでは、安定した橋架が確保されるため、振動により釣り用餌箱がクーラー内で横ずれなどの移動や踊ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の釣り用餌箱、及びカバーを開けた釣り用クーラーの正面縦断面図。
【図2】図1においてカバーを開け、釣り用餌箱の蓋を除去した一部破断平面図。
【図3】図1における釣り用餌箱部の正面縦断面図及びその要部拡大破断面図。
【図4】図3の一部省略破断平面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の釣り用餌箱の正面縦断面図及びその要部拡大破断面図。
【図6】図5の一部省略破断平面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の釣り用餌箱の正面縦断面図及びその要部拡大破断面図。
【図8】図7の一部省略破断平面図。
【図9】カバーを開けた従来の釣り用クーラー、及び釣り用餌箱の正面縦断面図。
【図10】図9のクーラーにおいてカバーを開けた一部破断平面図。
【符号の説明】
1 釣り用クーラー
5 クーラー内の対向する壁面
9 クーラー内の棚部
15 棚部の上に連なる壁面
201、301、401 釣り用餌箱
203、205 餌箱の端側の側壁
204 被支持用突出部
206 板部材(被支持用突出部)
306 軸部材(被支持用突出部)
406 短軸(被支持用突出部)
207、307 餌箱の端側の側壁に貫設された貫通穴

Claims (4)

  1. 釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持されて配置される釣り用餌箱であって、前記棚部に橋架状に支持されるように両端側に外方に突出する被支持用突出部を備えているものにおいて、
    該被支持用突出部のうち、少なくとも一端側に設けられたものが該端側から外方に弾性的に突出されていることを特徴とする釣り用餌箱。
  2. 釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持されて配置される釣り用餌箱であって、前記棚部に橋架状に支持されるように両端側に外方に突出する被支持用突出部を備えているものにおいて、
    該被支持用突出部のうち、少なくとも一端側に設けられたものが、該釣り用餌箱の該端側の側壁に貫設された貫通穴内において該釣り用餌箱の内外にスライド可能に配置され、しかも、前記端側から外方に弾性的に突出されていることを特徴とする釣り用餌箱。
  3. 請求項1又は2に記載の釣り用餌箱は、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持されて配置された際に、弾性的に突出されている前記被支持用突出部の先端が前記棚部の上に連なる前記壁面に弾性的に当接するように、該被支持用突出部が自由状態において弾性的に突出されていることを特徴とする釣り用餌箱。
  4. 請求項1〜3に記載のいずれかの釣り用餌箱を、その両端側に設けられた被支持用突出部を、釣り用クーラー内の対向する壁面に形成された棚部に橋架状に支持させて備えていることを特徴とする、釣り用餌箱を備えた釣り用クーラー。
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