JP3616617B2 - ポリオレフィン系樹脂積層発泡体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種容器の仕切り板や芯材、通い箱、収納箱、電気・電子部品搬送トレーなどに使用されるシート状又は板状ポリオレフィン系樹脂積層発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シート状のポリオレフィン系樹脂発泡体は、食品用トレイ、弁当箱、丼、カップ等の各種の容器や通い箱、収納箱などに広く使用されてきた。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂発泡体は静電気が帯電しやすいので埃が付着しやすく汚れやすいという欠点があるので、モノグリセリンエステル系等の低分子量の界面活性剤を添加することにより、帯電防止効果を付与することが行なわれてきた。
【0003】
しかしながら、モノグリセリンエステル系等の低分子量の界面活性剤は、成形品表面にブリードアウトしなければ帯電防止効果を発揮しない。従って、低分子量の界面活性剤は目的とする帯電防止効果が発現するまで通常一週間以上必要とするので、該界面活性剤が添加されたポリオレフィン系樹脂発泡体は、広い倉庫スペースを必要とし、納期のやりくりが困難であるという問題を抱えている。
【0004】
又、前記界面活性剤は空気中の水分を取り込まなければ帯電防止効果を発現しないので、季節や使用される環境の影響を大きく受け、その結果目的とする帯電防止効果を発現しない場合があるという問題も有している。
【0005】
更に、前記界面活性剤が添加された発泡体は水、洗剤などによって、洗浄を行なうと界面活性剤が洗い落とされるので、再び帯電防止効果を発揮するまでに時間を必要とする。従って、このような界面活性剤が添加された発泡体を使用した通い箱等は、洗浄し再使用することが難しいので静電気や埃を嫌う用途においてリターナブルな使用は困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形直後から十分な帯電防止効果を有し、洗浄によって帯電防止効果が損なわれることがなく、リターナブルな用途に使用可能な積層ポリオレフィン系樹脂発泡体及び十分な強度を有する積層ポリオレフィン系樹脂発泡体の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1)ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に合成樹脂層が積層されてなる共押出し積層発泡体において、該合成樹脂層が最外層のポリオレフィン系樹脂層を有する1層以上のものであり、該ポリオレフィン系樹脂層には表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下となるように下記条件 ( I ) および ( II ) を満足するポリマータイプの帯電防止剤が含有されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(I)帯電防止剤の結晶化温度≦Tc+40℃
Tcはポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成する基材樹脂の結晶化温度(℃)
(II)α/β≧0.5
αは帯電防止剤のメルトフローレイト(g/10分)、βはポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト
(2)ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に合成樹脂層が積層されてなる共押出し積層発泡体において、該合成樹脂層が最外層のポリオレフィン系樹脂層を有する1層以上のものであり、該ポリオレフィン系樹脂層にはエタノールによる超音波洗浄後の表面固有抵抗が1×108〜1×1013(Ω/□)となるように下記条件 ( I ) および ( II ) を満足する帯電防止剤が含有されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(I)帯電防止剤の結晶化温度≦Tc+40℃
Tcはポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成する基材樹脂の結晶化温度(℃)
(II)α/β≧0.5
αは帯電防止剤のメルトフローレイト(g/10分)、βはポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト
(3)合成樹脂層が単層のポリオレフィン系樹脂層からなり、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの密度:d(g/L)と、該単層のポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:X(g/10分)と、該単層のポリオレフィン系樹脂層の坪量:Y(g/m2)とが、下記(1)〜(4)式の関係を満足することを特徴とする請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
【数9】
Y≦0.27dX ・・・(1)
【数10】
2≦X≦40 ・・・(2)
【数11】
5≦Y<80 ・・・(3)
【数12】
100≦d≦450 ・・・(4)
(4)合成樹脂層の坪量が80〜380(g/m2)であり、且つ複数層のポリオレフィン系樹脂層からなり、該複数層のポリオレフィン系樹脂層の内、最外層を構成しているポリオレフィン系樹脂層の坪量が5(g/m2)以上、80(g/m2)未満であり、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの密度:d(g/L)と、該複数層のポリオレフィン系樹脂層のうち該最外層以外の樹脂層からなる内層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:X’(g/10分)と、該内層の坪量Y’(g/m2)とが、下記(5)〜(8)式の関係を満足することを特徴とする前記(1)または(2)記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
【数13】
Y’≦0.27dX’ ・・・(5)
【数14】
5≦X'≦40 ・・・(6)
【数15】
70≦Y’≦300 ・・・(7)
【数16】
100≦d≦450 ・・・(8)
(5)ポリオレフィン系樹脂発泡層を構成する基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(6)ポリオレフィン系樹脂層を構成する基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(7)帯電防止剤の主成分がポリエーテルであることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(8)帯電防止剤の主成分がポリエーテルエステルアミドであることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(9)帯電防止剤の主成分が、ポリエーテルとポリプロピレンとの共重合体、または、ポリエーテルとポリプロピレンとの混合物であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(10)帯電防止剤が2〜30重量%含有されていることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(11)最外層を構成しているポリオレフィン系樹脂層が抗菌剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
(12)積層発泡体全体の厚みが0.5〜10mmであり、積層発泡体の独立気泡率が60%以上であることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体、
を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィン系樹脂積層発泡体(以下、単に積層発泡体という。)は、ポリオレフィン系樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートという。)の片面または両面に、単層または複数層の合成樹脂層が積層されたものである。そして該合成樹脂層の密度は300(g/L)以上、即ち低発泡のものであったり、フィラーを多量に含有しているもの等であってもよい。更に該合成樹脂層の最外層としてポリオレフィン系樹脂層を有している。即ち、本発明の積層発泡体は、片面または両面の最外層にポリオレフィン系樹脂層(以下、単に最外樹脂層という。)を有するものである。
【0009】
従って、本発明の積層発泡体は、最も簡単な層構成として、発泡シートの片面に最外樹脂層が積層されたものが挙げられ、その他、発泡シートの両面に最外樹脂層が積層されたもの、発泡シートの両面の各々に最外樹脂層と他の樹脂層の2層以上からなる合成樹脂層が積層されたもの等が挙げられる。尚、本明細書において合成樹脂層が複数層のポリオレフィン系樹脂層からなる場合、最外樹脂層以外の樹脂層、即ち内層は、1層または2層以上のポリオレフィン系樹脂層からから構成される。
本発明の積層発泡体は、このような構造を有するもので、特に、発泡シートの種類、密度と、最外樹脂層の種類、坪量、最外樹脂層以外の合成樹脂層の種類、坪量、メルトフローレイトとの組合せを適宜定めることにより、積層発泡体の用途に応じた幅広い物性を有する積層体となりうるものである。
【0010】
本発明の積層発泡体は全体の厚みが0.5〜10mmであることが好ましく、1〜8mmであることがより好ましい。全体の厚みが0.5mm未満の場合は、用途によっては、例えば積層発泡体を加工して得られた箱、容器等の壁厚が不十分となり、強度、断熱性、緩衝性などが低下する虞がある。一方、全体の厚みが8mmを超えると、ヒンジ等の曲げ加工性、箱、容器等への成形加工性が低下する虞がある。
【0011】
本明細書における積層発泡体の厚みは、発泡シートの押出方向に対して垂直な幅方向の断面の厚みを顕微鏡により等間隔に10点撮影を行い、ついで撮影した写真より積層発泡体の厚みを測定し、各測定値の算術平均値を積層発泡体の厚みとする。
【0012】
本発明の積層発泡体を構成する発泡シートは、押出発泡法により製造することができ、合成樹脂層も押出加工により製造することができる。本発明において、発泡シートに合成樹脂層を積層する方法としては、共押出し法が採用される。
【0013】
この共押出し法は、ポリマータイプの帯電防止剤や抗菌剤等の高価な添加剤を最外樹脂層に混合する場合に安価な積層発泡体を得ることができるという観点から、より薄い最外樹脂層を形成することが容易な共押出し法が好ましい。また、本発明において使用されるポリマータイプの帯電防止剤はポリオレフィン系樹脂層表面に筋状に分散して連続層を形成した状態で配置することにより、ポリマータイプの帯電防止剤の本来の帯電防止効果を発現させることができる。
【0014】
本発明における発泡シートの押出発泡法による製造について詳述する。該発泡シートは、基材樹脂を押出機内で溶融させると共に発泡剤と混練した後、この溶融混練物を押出機先端に取り付けたダイを通して低圧下に押出して発泡することにより得ることができる。シート状の発泡体として形成するためには、環状のリップを有するサーキュラーダイを用い、このダイのリップより押出発泡してチューブ状の発泡体を得、次いで、このチューブを切り開いてシート状とする方法が好ましく採用される。尚、サーキュラーダイに代えてTダイ等のフラットダイから押出す方法によって製造することも可能である。
【0015】
本発明の発泡シートを構成する基材樹脂はポリオレフィン系樹脂であり、該ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、柔軟性に富み、引張り強度等の物理的強度に優れ、耐薬品性を有し、押出発泡性適正があるので、本発明の発泡シートを構成する基材樹脂として優れた素材であり、本発明においては、ポリオレフィン系樹脂の中でも特に剛性や耐熱性に優れるポリプロピレン系樹脂が好ましく使用される。
【0016】
上記ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと共重合可能な他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他の共重合成分としては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンなどの、エチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンが例示される。また上記共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよく、さらにまた二元共重合体のみならず三元共重合体であってもよい。また、これらのポリプロピレン系樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0017】
上記の共重合体を、発泡シートを構成する基材樹脂として使用する場合、共重合体中に共重合成分が25重量%以下、特に15重量%以下の割合で含有されていることが好ましい。また共重合体中に含有する共重合成分の好ましい下限値は0.3重量%である。
【0018】
上記のポリプロピレン系樹脂の中でも押出発泡に好適な樹脂としては、一般のポリプロピレン系樹脂と比較して溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂を含有するものが好ましく、特に、該溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂を15〜50重量%含有するポリプロピレン系樹脂が、本発明積層発泡体の製造コスト、リサイクル性および押出発泡適正を兼備することから好ましい。尚、該溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂とは、例えば、特許第2521388号、特開平7−53797号公報に記載されているような、(1)1未満の枝分かれ指数と著しい歪み硬化伸び粘度とを有するポリプロピレンや、(2)(a)Z平均分子量(Mz)が1.0×106以上であるか、またはZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が3.0以上であり、(b)かつ平衡コンプライアンスJ0が1.2×10 −3 m2/N以上であるか、または単位応力当たりの剪断歪み回復Sr/Sが毎秒5m2/N以上であるもの、(3)スチレン等のラジカル重合性単量体およびラジカル重合開始剤や添加剤などを含む配合物を、ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつラジカル重合開始剤の反応温度以上において溶融混練することによって改質されたポリプロピレン系樹脂、あるいは(4)ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
【0019】
また、上記の溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂中でも沸騰キシレンに対する不溶解成分の割合が低いものが好ましい。
【0020】
上記不溶解成分の割合は、重量を精秤したポリプロピレン系樹脂またはその発泡シートを試料とし、約145℃のキシレン中に試料を入れ8時間加熱還流した後、100メッシュの金網で速やかに濾過し、ついで金網上に残った沸騰キシレン不溶解成分を20℃のオーブン中で24時間乾燥したのち、不溶解成分の重量G(g)を測定し、下記式(9)により求められる。不溶解成分の割合が0〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは、0〜5重量%、更に好ましくは0〜2重量%である。不溶解成分の割合が低い樹脂程リサイクル性に優れておりコスト低減に繋がる点で好ましいものである。
【0021】
【数17】
乾燥後の不溶解成分の割合(重量%)=[G(g)/試料重量(g)]×100……(9)
【0022】
本発明においては、上記発泡シートの基材樹脂をポリプロピレン系樹脂で構成する場合、ポリプロピレン系樹脂に、さらに必要に応じて他の樹脂を混合したものを使用することができる。他の樹脂としては、例えば、アイオノマー;エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体水添物、エチレン−オクテンブロック共重合、エチレン−ブチレンブロック共重合等の熱可塑性エラストマー;高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂;ブテン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;スチレン系樹脂等が挙げられる。これらの他の樹脂を混合する場合には、その混合量は、基材樹脂総重量の40重量%以下にすることが好ましい。
【0023】
また、本発明における発泡シートの基材樹脂をポリエチレン系樹脂で構成する場合、該ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体またはエチレンと炭素数が3〜12個のα−オレフィンとからなる共重合体が基材樹脂中に60重量%以上含有されているものが挙げられ、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される1種または2種以上の混合物、更には40重量%以下の割合でプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等のその他の樹脂を混合したものが挙げられる。
【0024】
本発明における発泡シートを製造するための発泡剤としては、無機系物理発泡剤、有機系物理発泡剤、分解型発泡剤等が用いられる。無機系物理発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素等を用いることができる。有機系物理発泡剤としてはプロパン、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、1,1,1,1−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル等を用いることができる。また分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等を用いることができる。これらの発泡剤は適宜混合して用いることもできる。尚、本発明においては、特に物理発泡剤を使用することが、低い坪量の発泡シートを得る上で好ましい。
【0025】
又、本発明における発泡シートは、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、タルク、シリカ等の無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等の気泡調整剤、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム等の無機充填剤(タルク、シリカは気泡調整剤としての機能も有する。)、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等が挙げられる。また、帯電防止剤や抗菌剤を配合してもよい。
【0026】
本発明における積層発泡体の独立気泡率は、60%以上、更に、70%以上であることが好ましく、80%以上であることが特に好ましい。独立気泡率が60%より低くなると、発泡シートの剛性や圧縮強度が低下し、例えば積層発泡体を加工して得られる箱、容器等の物理的強度が低下する虞がある。
【0027】
本明細書における積層発泡体の独立気泡率:S(%)は、ASTM D2856−70に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される積層発泡体の真の体積:Vxから、下記(10)式により算出される。
【0028】
【数18】
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ)…(10)
【0029】
但し、上記(10)式において、Vxは上記した方法で測定される真の体積(cm3)で、測定に使用した積層発泡体を構成する樹脂の容積と、測定に使用した積層発泡体内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。その他、上記(10)式中の、Va、W、ρは以下の通りである。
【0030】
Va:測定に使用した積層発泡体の外形寸法から計算される積層発泡体の見掛けの体積(cm3)
W :測定に使用した積層発泡体の全重量(g)
ρ :積層発泡体を構成する樹脂の密度(g/cm3)
尚、積層発泡体を構成する樹脂の密度ρは、ヒートプレスにより該積層発泡体から気泡を脱泡させる操作を行い、得られたサンプルから密度を求めることができる。
【0031】
尚、試験片は、空気比較式比重計に付属のサンプルカップに非圧縮状態で収納しなければならないので、縦と横がそれぞれ2.5cm、高さが4cmになるようにカットし、見掛け体積が25cm3のものとする。但し、積層発泡体の厚みが4cmに満たない場合は25cm3に最も近づくように該積層発泡体からカットした測定用試験片を複数枚組み合わせて試験片として使用する。
【0032】
本発明における最外樹脂層以外の合成樹脂層を構成する基材樹脂としては、発泡シートと同様のポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂、その他、ガスバリヤー性等の機能性を有するエチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、中でも発泡シートやポリオレフィン系樹脂層と良好に接着するという点で、該合成樹脂層と最外樹脂層と発泡シートとを構成する樹脂は十分な熱接着性を示す同種類のものを用いることが好ましく、安価な積層発泡体を得るためには、該合成樹脂層は発泡シートの基材樹脂と同種類のリサイクル原料を配合したものを用いることがより好ましい。
【0033】
又、合成樹脂層の一部または全てを構成する最外樹脂層を構成する基材樹脂としては、発泡シートと同様のポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂が挙げられ発泡シート或いは他の合成樹脂層と良好に接着するという点で、それらを構成する樹脂は十分な熱接着性を示す同種類のものを用いることが好ましく、安価な積層発泡体を得るためには、最外樹脂層は発泡シートの基材樹脂と同種類のリサイクル原料を配合したものを用いることがより好ましい。
【0034】
又、最外樹脂層を含む合成樹脂層を構成する基材樹脂には抗菌剤、エラストマーなどの添加剤を一種以上添加することが、本発明の積層発泡体をより機能的なものとすることができる。
【0035】
上記抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の抗菌活性をもつ金属(イオン)を担体に担持したもの、例えば銀ゼオライト、銅ゼオライト、銀担持リン酸ジルコニウム、銀担持シリカゲルなどの無機系薬剤、アナターゼ型酸化チタンに代表される酸化物系光触媒を利用した抗菌剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ポリオキシエチレントリアルキルアンモニウム、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、塩化3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウム等の有機系薬剤などが挙げられる。
【0036】
本発明における最外樹脂層を含む合成樹脂層の密度は好ましくは300(g/L)以上で、更に好ましくは基材樹脂の密度、即ち非発泡樹脂からなるものである。合成樹脂層の密度が300(g/L)以上の場合は、合成樹脂層を積層することによる、物性向上効果、機能付加効果、外観向上効果などを発揮することができる。
【0037】
本明細書において、合成樹脂層や、合成樹脂層中の最外樹脂層の密度の測定は、積層発泡体から密度を測定する目的の樹脂層を切り出して、切り出したサンプルの重量(g)を切り出したサンプルの外形寸法から求められる体積(L)にて割り算することにより求められる。
【0038】
本発明の積層発泡体は、最外樹脂層がポリマータイプの帯電防止剤(所謂、永久帯電防止剤。)を含有しており、該ポリマータイプの帯電防止剤は最外樹脂層の表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下、好ましくは1×1012(Ω/□)以下、更に好ましくは1×1011(Ω/□)以下となるように最外樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂に含有されている。
尚、表面固有抵抗の下限は、特に限定されないが、おおむね1×108(Ω/□)である。
【0039】
ポリマータイプの帯電防止剤は単純にポリオレフィン系樹脂に配合すれば帯電防止効果を発揮するというものではなく、帯電防止剤がポリオレフィン系樹脂層表面に筋状に分散して連続層を形成した状態(以下、ネットワーク構造という。)で樹脂層表面に配置されていなければ帯電防止効果を発揮しないと考えられる。
【0040】
かかるネットワーク構造は、最外樹脂層を形成する際に適度な配向をかけることにより形成され易い。
【0041】
一方、ポリマータイプの帯電防止剤は極めて高価で、低価格の製品を製造するためには使用量が制限される。従って、ポリマータイプの帯電防止剤は積層発泡体の最外樹脂層のみに配合するだけで十分であり、該最外樹脂層はできる限り薄くして樹脂量を減らし坪量5g/m2以上80g/m2未満で形成することが好ましい。
【0042】
このようにできる限り薄くして樹脂量を減らした最外樹脂層を形成するという観点から、共押出し法を採用することが好ましい。
【0043】
表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)を超える場合は、帯電防止効果が不十分となり、積層発泡体の表面には静電荷が蓄積し、埃が付着する。
【0044】
本明細書における表面固有抵抗の測定は、基本的にJIS K6911(1995)に準拠して行なうものとする。
具体的には、得られた積層発泡体から、試験片(縦100mm×横100mm×厚み:試験片厚み)を発泡シートの押出し方向に対して垂直な幅方向に等間隔で3片切り出し、試験片を23℃、湿度50%の雰囲気下に24時間放置した後、表面抵抗率を測定し、得られた測定値の平均値を表面固有抵抗とする。尚、上記測定方法は、JIS K6911(1995)に準拠するものであり、試験片の状態調整は23℃、湿度50%の雰囲気下に24時間放置することにより行うこととなっているためその条件を本明細書において採用したが、本発明においてはポリマータイプの帯電防止剤が配合されたものであるため、放置時間や湿度の条件によらず積層発泡体製造直後から安定した表面固有抵抗を示すものである。よって、本発明の積層発泡体は上記条件にて24時間放置してもしなくても略同様の表面固有抵抗を示す積層発泡体となる優れた効果を発揮する。
【0045】
本明細書において、最外樹脂層の表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下となるようにとは、構造的には最外樹脂層を構成する基材樹脂中にポリマータイプの帯電防止剤がネットワーク構造のような十分に帯電防止性能を発揮する構造を形成し、該構造を通じて静電気が伝導できることを意味する。このような構造が形成されていない場合は、ポリマータイプの帯電防止剤が配合されていても、表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下の最外樹脂層を得ることは難しい。
【0046】
本明細書において、ポリマータイプの帯電防止剤とは、少なくとも数平均分子量が300以上、好ましくは300〜300000、更に好ましくは600〜15000で、かつ表面固有抵抗が1×1012Ωよりも小さい樹脂のことを示す。また本明細書におけるポリマータイプの帯電防止剤は無機塩又は低分子量有機プロトン酸塩、例えばLiClO4、LiCF3SO3、NaClO4、LiBF4、NaBF4、KBF4、KClO4、KPF3SO3、Ca(ClO4)2、Mg(ClO4)2、Zn(ClO4)2等を含有していても良い。尚、ポリマータイプの帯電防止剤の数平均分子量の上限は500000程度である。
【0047】
上記分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、分子量既知のポリスチレンから得られる校正曲線を使用して換算られた数平均分子量(ポリスチレン換算値)である。
【0048】
本明細書において、ポリマータイプの帯電防止剤は具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、エチレン‐メタクリル酸共重合体などのアイオノマー、ポリエチレングリコールメタクリレート系重合体等の第四級アンモニウム塩から選択される1種、または2種以上の混合物、または2種以上の共重合体、更にそれらとポリプロピレンなどの他の樹脂との共重合体等の中で、分子鎖中に極性基を有し無機塩又は低分子量有機プロトン酸塩を錯体形成または溶媒和することが可能な樹脂が挙げられ、無機塩又は有機プロトン酸塩等を錯体形成または溶媒和せしめてあってもよい。
尚、ポリマータイプの帯電防止剤の融点の上限はおおむね270℃であり、下限はおおむね70℃であり、好ましくは80〜230℃、更に好ましくは80〜200である。帯電防止剤の融点が上記範囲内のものを選択することにより、帯電防止剤が添加される基材樹脂の基礎物性を維持しつつ、良好な前記ネットワーク構造を形成することが比較的容易に可能となる。
また、ポリマータイプの帯電防止剤の結晶化温度は、ポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成する基材樹脂の結晶化温度(Tc)を基準として、(Tc+40℃)以下であることが好ましい。尚、該帯電防止剤の結晶化温度の下限はおおむね60℃である。帯電防止剤の結晶化温度が上記範囲内のものを選択することにより、帯電防止効果において優れたものが得られ、また、特に共押出し法により本発明の積層発泡体を得る場合に外観において特に優れたものがえられる。
【0049】
本明細書において、帯電防止剤または樹脂層等を構成する樹脂の融点及び結晶化温度の測定方法はJIS K7121−1987に準拠して、熱流束示差走査熱量測定により求められる値である。測定条件の詳細については以下の通りとする。
融点:JIS K7121−1987、3.試験片の状態調節(2)の条件(但し、冷却速度10℃/分。)により試験片を状態調整した試験片を使用して、10℃/分にて昇温することにより融解ピークを得る。得られた融解ピークの頂点の温度を融点とする。尚、融解ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな融解ピークの頂点の温度を融点とする。但し、最も面積の大きな融解ピークが複数存在する場合は、それらの融解ピークの頂点の温度の算術平均値を融点とする。
結晶化温度:JIS K7121−1987、3.試験片の状態調節(2)の条件において、冷却速度10℃/分の降温時に得られる発熱ピークの頂点の温度を結晶化温度とする。尚、発熱ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな発熱ピークの頂点の温度を結晶化温度とする。但し、最も面積の大きな発熱ピークが複数存在する場合は、それらの発熱ピークの頂点の温度の算術平均値を結晶化温度とする。
【0050】
本発明において用いるポリマータイプの帯電防止剤の中でも特にポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルを主成分とするものが好ましい。これらの帯電防止剤は、最外樹脂層の基材樹脂のメルトフローレイトと帯電防止剤のメルトフローレイトとの比に大きく左右されずに優れた帯電防止効果を発揮させることができる。更に、これらの帯電防止剤には最外樹脂層の基材樹脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果及び帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るために同種のポリオレフィン系樹脂やポリアミドをポリマータイプの帯電防止剤に混合または共重合させたものを用いることが好ましい。尚、本明細書において主成分とするとは50重量%以上、好ましくは75重量%以上、更に好ましくは85重量%以上の割合で含有されていることを意味する。これらの帯電防止剤を用いて、後述する方法でネットワーク構造等を形成することにより、表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下の最外樹脂層を容易に形成することができる。
【0051】
本明細書におけるポリエーテルエステルアミドは、下記に例示するポリアミド(1)とビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(2)との重合反応により得られるものである。
【0052】
ポリアミド(1)は、(a)ラクタム開環重合体、(b)アミノカルボン酸の重縮合体、若しくは(c)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体である。(a)のラクタムとしてはカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等が挙げられる。
【0053】
前記(b)のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
【0054】
前記(c)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸等が挙げられ、またジアミンとしてはヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。
【0055】
上記アミド形成性モノマーとして例示したものは二種類以上使用しても良い。これらのうち好ましいものはカプロラクタム、12−アミノドデカン酸、及びアジピン酸−ヘキサメチレンジアミンであり、特に好ましいものはカプロラクタムである。
【0056】
前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(2)のビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等が挙げられ、これらのうち特に好ましいものはビスフェノールAである。
【0057】
また前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(2)のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−若しくは1,4−ブチレンオキサイド、及びこれらの二種類以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはエチレンオキサイドである。
【0058】
本発明において最外樹脂層が含有するポリエーテルエステルアミドの融点は、230℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。該融点が230℃を超えると、ポリオレフィン系樹脂とポリエーテルエステルアミドとを溶融し混合する際、両樹脂の温度を必要以上に高くしなければならないので、ポリオレフィン系樹脂が劣化する虞がある。又、共押出し法により積層する場合は、樹脂層の積層量にもよるが発泡シートが連続気泡構造になり剛性が低下する虞がある。
【0059】
ポリエーテルエステルアミドの融点が200℃以下の場合は、最外樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂が劣化する虞が殆どなく、共押出し法により積層する場合であっても、発泡シートが連続気泡構造になり剛性が低下する虞が殆どない。
【0060】
本明細書におけるポリエーテルとしては、a)フェノール類・ジビニルベンゼン付加重合体にアルキレンオキサイドを付加反応させることにより得られるオキシアルキレンエーテル、b)ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物等のジグリシジルエーテルと、ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、オレイルなどの炭素数1〜22(好ましくは炭素数6〜22)の脂肪族炭化水素基を有するアミン化合物と、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のアルキル硫酸エステル;ジメチル炭酸、ジエチル炭酸等のアルキル炭酸エステル;トリメチルホスフェイト、アルキルベンジルクロライド、ベンジルクロライド、アルキルクロライド、アルキルブロマイド等の各種ホスフェイトまたはハライドなどの4級化剤との反応物であり、かつ分子内に2個以上の4級アンモニウム塩基を有する化合物からなるカチオン型帯電防止剤等が挙げられる。
【0061】
上記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド,プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイドが挙げられ、これらの内、エチレンオキサイド及びエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体が好ましい。アルキレンオキサイドの付加モル数は、通常1〜500、好ましくは20〜300であり、オキシアルキレンエーテル中のオキシアルキレン含量は、10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%である。
【0062】
上記ビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
【0063】
上記ジグリシジルエーテルのうち特に好ましいものは、ポリオキシエチレングリコールのグリシジルエーテル、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物のジグリシジルエーテルおよびこれらの混合物である。
【0064】
上記アミン化合物のうち特に好ましいものは、N−アルキル(炭素数1〜18)ジエタノールアミンである。
【0065】
上記4級化剤のうち特に好ましいものは、ジメチル硫酸およびジエチル硫酸である。
【0066】
前述したポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルには、優れた帯電防止効果及び帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るためにポリアミドや、最外樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂と同種類のポリオレフィン系樹脂(特に、数平均分子量が800〜25000の変性ポリオレフィン系樹脂)が混合されているか共重合されていることがより好ましい。ここで使用されるポリアミドとしては、ジアミン及びジカルボン酸及び/又はアミノカルボン酸又は相当するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミドが挙げられる。具体的には、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンとアジピン酸との芳香族ポリアミド、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸及び/又はテレフタル酸とから、必要に応じてエラストマーを添加して得られるポリアミド、上記ポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又はエラストマーとの共重合体、ポリアミドとポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー、EPDM又はABSで変性させたポリアミド又はコポリアミド等が例示される。これらのポリオレフィン系樹脂やポリアミドの含有量は50重量%以下、好ましくは25重量%以下、更に好ましくは25重量%以下である。
上述したポリマータイプの帯電防止剤を添加したものは、上記エタノールによる超音波洗浄前後において、帯電防止効果は失われない。一方、モノグリセリンエステル系等の界面活性剤からなる帯電防止剤の場合は、成形品表面にブリードアウトし空気中の水分を取り込み帯電防止効果を発揮していても上記エタノールによる超音波洗浄後には帯電防止効果は失われてしまう。よって、添加されている帯電防止剤がポリマータイプの帯電防止剤か界面活性剤からなる帯電防止剤かを判別する手段として、上記エタノールによる超音波洗浄が有効である。
【0067】
また、本発明の積層発泡体は帯電防止剤を最外樹脂層に含有することによりエタノールによる超音波洗浄前後において表面固有抵抗が1×108〜1×1013(Ω/□)の範囲内の値で殆ど変化しない作用を有するものである。
そのような積層発泡体は帯電防止剤として前記ポリマータイプの帯電防止剤を含有させることにより得ることができる。
尚、本明細書において、エタノールによる超音波洗浄とは、23℃のエタノール中に積層発泡体から切り出した試験片を沈めて超音波洗浄後、該試験片を温度30℃、相対湿度30%の雰囲気下で36時間放置することにより乾燥させる操作を指し、エタノールによる超音波洗浄後の表面固有抵抗は、該超音波洗浄操作直後の試験片を状態調整した試験片とした以外はJIS K6911(1995)に準拠して測定される。
本発明において最外樹脂層における帯電防止剤の添加量は、2〜30重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましく、10〜20重量%が更に好ましい。添加量が2重量%未満の場合は帯電防止効果が不十分となる虞があり、30重量%を超えると、最外樹脂層の物性低下や最外樹脂層の形成自体が困難になる虞があると共に、安価な積層発泡体の製造が困難となる。
【0068】
本発明の積層発泡体は、前述したように、発泡シートと該発泡シートの少なくとも片面に積層されている1層以上からなる合成樹脂層とで構成される。該合成樹脂層が最外層として密度300(g/L)以上の最外樹脂層を有することが好ましい。このことにより、合成樹脂層による補強効果が期待でき、積層発泡体を加工して得られる箱、容器等の物理的強度が向上し、通い箱、収納箱として長期に亘り使用できるものとなる。
【0069】
更に、本発明の積層発泡体においては、合成樹脂層が単層のポリオレフィン系樹脂層からなる場合、該ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:X(g/10分)と、該ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Y(g/m2)と、発泡シートの密度:d(g/L)とが、下記(1)〜(4)式の関係を満足することが好ましい。
【0070】
発泡シートの密度:dと、該ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:Xと、該ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Yとが、下記(1)〜(4)式の関係を満たしていない場合、剛性や圧縮強度等の物理的強度に優れると共に、表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下の積層発泡体を得ることができない虞がある。
【0071】
【数19】
Y≦0.27dX ……(1)
【0072】
該ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Y(g/m2)が0.27(m−2・L・10分・g−1)・d(g/L)・X(g/10分)により算出される値を超える場合には、坪量Y、メルトフローレイトXのポリオレフィン系樹脂層を密度dの発泡シートに積層接着できる条件下では、ポリオレフィン系樹脂層が積層される発泡シートの表層部の独立気泡率が低下することにより発泡シートの物性が低下し、その結果、得られる積層発泡体の物性も著しく低下する。また、発泡シートの独立気泡率の低下はポリオレフィン系樹脂層の部分的な剥離の原因にもなる。上記発泡シートの独立気泡率の低下は、発泡シートに積層可能な軟化或いは溶融状態のポリオレフィン系樹脂層の熱容量が大きすぎるため、その熱により発泡シートの気泡構造が破壊された結果と考えられる。尚、ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Y(g/m2)は0.23dX以下であることが更に好ましい。
【0073】
【数20】
2≦X≦40 ……(2)
【0074】
ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:Xが2g/10分未満の場合は、ポリオレフィン系樹脂層を発泡シートに積層する場合に良好な積層接着性を示す温度までポリオレフィン系樹脂層を構成する樹脂を加熱すると、該樹脂の熱容量が大きくなりその熱により発泡シートの独立気泡率が低下する虞があり、40g/10分を超える場合は、表面平滑性等の外観が不十分となる虞がある。尚、ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:Xは、好ましくは5〜40(g/10分)、更に好ましくは8〜40(g/10分)である。
【0075】
【数21】
5≦Y<80 ……(3)
【0076】
ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Yが5g/m2未満の場合は、帯電防止性能、剛性などの機能を十分に発揮し得るポリオレフィン系樹脂層の形成が困難になる虞があり、Yが大きすぎると積層発泡体の軽量性が失われる虞がある。尚、ポリオレフィン系樹脂層の坪量:Yは、好ましくは5〜40(g/m2)、更に好ましくは5〜30(g/m2)である。
【0077】
【数22】
100≦d≦450 ……(4)
【0078】
発泡シートの密度:dが100(g/L)未満の場合は、密度が低すぎ剛性や圧縮強度等の物理的強度が失われる虞があり、450(g/L)を超える場合は積層発泡体の軽量性が失われる虞がある。尚、発泡シートの密度:dは、好ましくは120〜300(g/L)である。
【0079】
本発明の積層発泡体における合成樹脂層は、最外層にポリオレフィン系樹脂層を有する多層の合成樹脂層、即ち2層以上の樹脂層積層体として合成樹脂層を構成することにより、剛性等の物理的強度に特に優れる効果、ポリマータイプの帯電防止剤等の機能性添加剤を最低限最外樹脂層のみに含有させることにより、機能性添加剤の使用量が少なくても帯電防止効果等の十分な機能性添加剤の効果を兼備することができるため好ましい。
【0080】
複数層のポリオレフィン系樹脂層からなる合成樹脂層が積層されている積層発泡体においては、該合成樹脂層の坪量が80〜380(g/m2)、最外樹脂層の坪量が5(g/m2)以上、80(g/m2)未満であり、発泡シートの密度:d(g/L)と、該多層の樹脂層からなる合成樹脂層のうち最外樹脂層以外の内層(1層または2層以上のポリオレフィン系樹脂層からなる内層)を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:X’(g/10分)と、該内層の坪量:Y’(g/m2)とが、下記(5)〜(8)式の関係を満足することが好ましい。尚、合成樹脂層の坪量が80(g/m2)未満の場合には、剛性等の物理的強度が不十分となる虞があり、一方、合成樹脂層の坪量が380(g/m2)を超える場合には、積層発泡体の軽量性が失われる虞がある。また、最外樹脂層の坪量が小さすぎる場合は、帯電防止性能や剛性を十分に発揮できない可能性が有る。一方、最外樹脂層の坪量が80(g/m2)を超える場合には積層発泡体の軽量性が不十分となる虞があり、積層発泡体に機能性を付加する帯電防止剤などの機能性添加剤の使用量も多くなってしまう。
【0081】
【数23】
Y’≦0.27dX’ ……(5)
【0082】
【数24】
5≦X’≦40 ……(6)
【0083】
【数25】
70≦Y’≦300 ……(7)
【0084】
【数26】
100≦d≦450 ……(8)
【0085】
上記(5)〜(8)式の意味としては、複数層のポリオレフィン系樹脂層からなる合成樹脂層のうち該内層の坪量:Y’を70g/m2未満にした場合には、多層の合成樹脂層を積層することにより十分な剛性を得るという目的を達成できない虞があり、Y’が300g/m2と大きすぎると積層発泡体の軽量性が失われる虞がある。また該内層を構成するポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:X’が小さすぎる場合には、内層の発泡シートへの積層接着時の熱容量が大きくなり、発泡シートの独立気泡率が低下する虞があり、X’が40(g/10分)を超える場合には、最外樹脂層の坪量にも因るが積層発泡体の外観不良が発生する虞がある。その他、上記(5)及び(8)式の意味は前記(1)及び(4)式と同様である。
【0086】
尚、内層の坪量:Y’(g/m2)は0.23dX’以下であることが更に好ましい。又、内層のメルトフローレイト:X’は、好ましくは8〜40(g/10分)、更に好ましくは10〜40(g/10分)であり、内層の坪量:Y’は、好ましくは80〜300(g/m2)、更に好ましくは100〜250(g/m2)である。又、上記発泡シートの密度:dは、好ましくは120〜300(g/L)である。
【0087】
本明細書における樹脂層のメルトフローレイトの測定は、樹脂層を構成する基材樹脂の種類に関わらず、JIS K7210(1999)のA法に準拠して、試験温度230℃、荷重21.18Nで測定するものとする。尚、合成樹脂層が気泡を含む場合は、該合成樹脂層のメルトフローレイトは、ヒートプレスにより該合成樹脂層から気泡を脱泡させる操作を行い、得られたサンプルからメルトフローレイトを求める。
【0088】
本明細書における樹脂層の坪量は、発泡シートの押出方向に対して垂直な積層発泡体の幅方向の断面の厚みを顕微鏡により等間隔に10点撮影を行い、撮影した写真より各層の厚みを測定し、得られた測定値の算術平均値を各層の厚みとし、樹脂層の厚みに該樹脂層を構成している基材樹脂の密度を乗じ、単位換算を行なって求められる。当然のことながら、樹脂層がフィラーを多量に含有している場合は樹脂層の基材樹脂の密度の代わりにフィラー含有樹脂層の密度を乗じ、単位換算を行い樹脂層の坪量(g/m2)を求める。
【0089】
本明細書における発泡シートの密度:dの測定は、次のように行なうものとする。
予め前述した方法により、積層発泡体の厚み、合成樹脂層の厚みを測定し、更に積層発泡体の坪量を測定する。求めた積層発泡体の厚みから、合成樹脂層の厚みを減じた厚みを発泡シートの厚みとする。
【0090】
次に、前記方法にて合成樹脂層の坪量(g/m2)を求める。次に前記発泡積層体の坪量より合成樹脂層の坪量を減じたものを発泡シートの坪量とする。この発泡シートの坪量(g/m2)を前記の発泡シートの厚み(mm)で除した値を単位換算し、発泡シートの密度(g/L)とする。
【0091】
本発明の積層発泡体においては、最外樹脂層に帯電防止剤を含有させ、且つ該帯電防止剤のメルトフローレイト:α(g/10分)と、最外樹脂層を構成する基材樹脂のメルトフローレイト:β(g/10分)とが下記(9)〜(11)式の関係を満足していることが、良好なネットワーク構造を形成する上で好ましい。尚、共押出し法により最外樹脂層を形成する場合は、他の方法と比べて該ネットワーク構造を形成することが難しいため、特に下記(9)〜(11)式の関係を満足することが有効である。また、最外樹脂層以外の合成樹脂層や発泡シートに帯電防止剤を含有させる場合も、帯電防止剤のメルトフローレイト:αと該合成樹脂層や発泡シートを構成する基材樹脂のメルトフローレイトとの関係は、最外樹脂層を構成する基材樹脂のメルトフローレイト:βと同様に下記(9)〜(11)式の関係を満足していることが好ましい。
【0092】
【数27】
10≦α ……(9)
【0093】
帯電防止剤のメルトフローレイト:αが10(g/10分)未満の場合は、帯電防止剤の粘度が高すぎて帯電防止剤のネットワーク構造を形成できなくなる虞がある。尚、帯電防止剤のメルトフローレイト:αは、更に10〜150(g/10分)であることが好ましい。また、該帯電防止剤はメルトフローレイトαの値が極めて大きな値であっても使用可能であるため、メルトフローレイトの大きな帯電防止剤の場合は、該メルトフローレイトの測定時には溶融した帯電防止剤が一瞬の内に測定装置のオリフィスから排出されてしまい正確にメルトフローレイトを測定することが困難となる場合があるが、測定回数を増やして平均値より定量することにより考察すると、該メルトフローレイト:αの上限は、おおむね500(g/10分)である。
【0094】
【数28】
2≦β≦40 ……(10)
【0095】
最外樹脂層等を構成する基材樹脂のメルトフローレイト:βが2(g/10分)未満の場合は、最外樹脂層の粘度が高すぎて帯電防止剤のネットワーク構造を形成できなくなる虞があり、40(g/10分)を超える場合は、最外樹脂層等の粘度が低すぎて帯電防止剤のネットワーク構造を形成できなくなる虞がある。尚、最外樹脂層等を構成する基材樹脂のメルトフローレイト:βは、更に3〜35(g/10分)、特に8〜35(g/10分)であることが好ましい。
【0096】
【数29】
0.5≦α/β ……(11)
【0097】
α/βが0.5未満の場合は、最外樹脂層等を構成する基材樹脂に対して帯電防止剤の粘度が高すぎるため、帯電防止剤のネットワーク構造を形成できなくなる虞がある。一方、α/βが大きすぎる場合は、帯電防止剤の種類によっては、帯電防止剤と最外樹脂層等を構成する基材樹脂の粘度差が大きすぎて、帯電防止剤が凝集し、帯電防止剤のネットワーク構造を形成できなくなる虞がある。またポリマータイプの帯電防止剤がアイオノマー系のものの場合は、(α/β)を特に2.5以上とすることが好ましい。
尚、上記α/βの値は、更に1〜250、特に1〜150であることが好ましい。また、合成樹脂層が複数層から構成されている場合、最外樹脂層以外の層を構成する基材樹脂のメルトフローレイトは、最外樹脂層を構成する基材樹脂のメルトフローレイトと同等もしくはそれ以上あることが発泡シートの独立気泡率低下を防ぐ上で好ましい。
本明細書における帯電防止剤のメルトフローレイトの測定は、帯電防止剤の種類に関わらず、JIS K7210(1999)のA法に準拠して、試験温度230℃、荷重21.18Nで測定するものとする。尚、融点が230℃を超える帯電防止剤の場合には、上記(9)〜(11)式の関係を適用することはできない。
【0098】
【実施例】
本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。
【0099】
実施例、比較例に使用した樹脂、および帯電防止剤を下記に示す。尚、以下の実施例、比較例においてはメルトフローレイトを単にMFRと表す。
【0100】
ポリプロピレン系樹脂
樹脂I:(株)グランドポリマー社製、商品名J704U(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:5g/10分)
樹脂II:サンアロマ−(株)社製、商品名SD632の回収原料(プロピレン系樹脂)(MFR:10g/10分)
樹脂III:サンアロマ−(株)社製、商品名PM870A(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:17g/10分)
樹脂IV:出光石油化学(株)社製、商品名J950HP(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:32g/10分)
樹脂V:出光石油化学(株)社製、商品名E200GP(プロピレン単独重合体)(MFR:2g/10分)
樹脂VI:サンアロマ−(株)社製、商品名SD632(プロピレン系樹脂)(MFR:3.2g/10分、結晶化温度:134℃)
樹脂VII:出光石油化学(株)社製、商品名J750HP(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:14g/10分)
【0101】
ポリマータイプ帯電防止剤
樹脂A:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名IRGASTAT P18(ポリエーテルエステルアミド+ポリアミド)(MFR:17g/10分、融点:180℃、結晶化温度:143℃)
樹脂B:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名IRGASTAT P22(ポリエーテルエステルアミド+ポリアミド)(MFR:21g/10分、融点:220℃、結晶化温度:172℃)
樹脂C:三洋化成工業株式会社製、商品名ジェイスタット3180(ポリエーテルエステルアミド)(MFR:70g/10分、融点:160℃、結晶化温度:117℃)
樹脂D:三井・デュポン・ポリケミカルズ株式会社製、商品名SD100(エチレン系アイオノマー)(MFR:20g/10分、融点:92℃、結晶化温度:64℃)
樹脂E:第一工業製薬株式会社製、商品名レオレックスAS170(4級アンモニウム塩基含有共重合体)(MFR:100g/10分以上、融点:80℃)
樹脂F:三洋化成工業株式会社製、商品名ペレスタット300(ポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合体)(MFR:100g/10分以上、融点:136℃、結晶化温度:81℃)
【0102】
界面活性剤系帯電防止剤
G:理研ビタミン株式会社製、商品名S−100(グリセリンモノステアレート)(融点:65℃)
本明細書において樹脂等の融点は、JIS K7121−1987に準拠して求められる融解温度のことである。尚、DSC曲線においてピークが2つ以上現れる場合は、ピーク面積の最も大きいピークの頂点温度を融点とする。
【0103】
実施例1、2、4〜7、比較例1〜5
積層発泡体の発泡シート製造用の押出機として、直径90mmと直径120mmの2台の押出機からなるタンデム押出機を使用し、最外樹脂層以外の合成樹脂層(以下、内層という。)形成用の押出機として直径50mmの押出機を使用し、また最外樹脂層形成用の押出機として直径40mmの押出機を使用し、発泡シートと内層と最外樹脂層との積層し共押出しするために、直径140mm、間隔1.0mmの環状ダイを用いた。
【0104】
先ず、該発泡シートを形成するために、ポリプロピレン系樹脂(樹脂VI)100重量部に対して、気泡調製剤(融点:109℃、MFR:5.4g/10分の低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対してクエン酸ナトリウム6重量部を配合したもの)を0.5重量部配合して、直径90mmの押出機の原料投入口に該ポリプロピレン系樹脂(樹脂VI)と気泡調製剤とを供給し、加熱混練し、約200℃に調製された溶融樹脂混合物とし、該溶融樹脂混合物にノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%からなる混合発泡剤を樹脂VI100重量部に対して1.2〜2.8重量部となるように圧入し、次いで前記直径90mmの押出機の下流側に連結された直径120mmの押出機に供給し発泡性溶融樹脂混合物を得た。
【0105】
一方、内層を構成する表2に示す樹脂を直径50mmの押出機に供給し溶融混練して溶融樹脂を得た。また最外樹脂層を構成する表2に示す樹脂と帯電防止剤との樹脂混合物を直径40mmの押出機より溶融混練することにより帯電防止溶融樹脂を得た。得られた夫々の発泡性溶融樹脂混合物、溶融樹脂及び帯電防止溶融樹脂を合流ダイ中へ供給し、帯電防止溶融樹脂、内層を構成する溶融樹脂、発泡性溶融樹脂混合物を積層合流させて環状ダイから共押出し、外側から最外樹脂層/内層/発泡シート/内層/最外樹脂層の順に積層された筒状積層発泡体を形成した。押出された筒状積層発泡体を冷却された円筒に沿わせて引き取りながら筒状物を切り開いた後、その積層発泡体の両面を加熱炉で加熱して平板化し目的の積層発泡体を得た。
【0106】
表2に、積層発泡体の内層および最外樹脂層を構成する樹脂等の種類、MFR、積層厚みを示し、表1に樹脂層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物層のMFR(X又はX’)、坪量(Y又はY’)および積層発泡体の厚み(mm)、独立気泡率(%)、表面固有抵抗(Ω/□)、超音波洗浄後の表面固有抵抗(Ω/□)、発泡シートの密度(g/L)を示した。尚、参考のために押出発泡直後の表面固有抵抗(押出発泡直後の積層発泡体を状態調整した試験片とした以外はJIS K6911(1995)に準拠して測定される表面固有抵抗(Ω/□)。)も併せて表2に示した。
【0107】
実施例3
内層を設けず、最外樹脂層を構成する樹脂として表2に示す種類のものを使用した以外は実施例1と同様にして積層発泡体を得た。実施例1と同様に得られた積層発泡体の物性等を表1及び2に示した。
【0108】
参考例1、2
合流ダイを使用せずそれ以外は実施例1と同様にして、発泡シートのみを得た。次いで最外樹脂層として表2に示す樹脂混合物をTダイによる押出ラミにて該発泡シートの片面に積層し、その後、片面に最外樹脂層が積層された発泡シートを表裏反転させ他方の片面に、同様にTダイにて最外樹脂層を積層した。実施例1と同様に得られた積層発泡体の物性等を表1及び2に示した。
【0109】
実施例10〜13
発泡剤の添加量を増やして発泡シートの密度を130g/Lとした以外は実施例1と同様にして積層発泡体を得た。実施例1と同様に得られた積層発泡体の物性等を表1及び2に示した。
【0110】
実施例14〜16
内層を設けず、最外樹脂層を構成する樹脂として表2に示す種類のものを使用し、直径98mmの環状ダイスを用いた以外は実施例1と同様にして積層発泡体を得た。ただし平板化はせず、電気、電子部品搬送用トレー成形用シートとしてロール状に巻き取った。実施例1と同様に得られた積層発泡体の物性等を表1及び2に示した。
【0111】
実施例17
発泡シートを構成するポリプロピレン系樹脂に、樹脂VI/樹脂VII=30/70(重量比)(尚、樹脂VI/樹脂VII=30/70(重量比)混合樹脂の結晶化温度は133℃であった。)を使用した以外は実施例14〜16と同様にして積層発泡体を得た。実施例1と同様に得られた積層発泡体の物性等を表1及び2に示した。
【0112】
実施例1、2、4〜7、10〜13、比較例1〜5は発泡シートの両面に内層および最外樹脂層が積層された5層構造の積層発泡体であり、実施例3、8、9、14〜17は発泡シートの両面に最外樹脂層のみが積層された3層構造の積層発泡体である。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】
表3に、発泡シートの密度と、樹脂層のメルトフローレイトと、樹脂層の坪量と、前記(1)式における0.27dXの数値又は前記(5)式における0.27dX’の数値を一覧表にして示す。
【0116】
【表3】
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリオレフィン系樹脂積層発泡体は、ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に密度300(g/L)以上の合成樹脂層が積層されてなる共押出し積層発泡体において、該合成樹脂層が最外層として密度300(g/L)以上のポリオレフィン系樹脂層を有する1層以上のものであり、該ポリオレフィン系樹脂層には表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下となるように特定の条件を満足するポリマータイプの帯電防止剤が含まれているので、成形直後から十分な帯電防止効果を発現し、洗浄によって帯電防止効果が損なわれることがなく、リターナブルな用途に好適に使用することができる。
【0118】
本発明のポリオレフィン系樹脂積層発泡体は、合成樹脂層が単層のポリオレフィン系樹脂層からなり、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの密度と、該単層のポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイトと、該単層のポリオレフィン系樹脂層の坪量とが、特定の関係を満足する場合に、発泡シートの独立気泡率が低下することなく良好な発泡層が形成され、剛性や圧縮強度等の物理的強度に優れるものとなると共に、機能性添加剤を少量、ポリオレフィン系樹脂層に添加することにより帯電防止性能や抗菌性能等の機能性を付加した安価な本発明のポリオレフィン系樹脂積層発泡体を提供することができる。
また、合成樹脂層の坪量が80〜380(g/m2)であり、且つ複数層のポリオレフィン系樹脂層からなり、該複数層のポリオレフィン系樹脂層の内、最外層を構成しているポリオレフィン系樹脂層の坪量が5(g/m2)以上、80(g/m2)未満であり、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの密度と、該複数層のポリオレフィン系樹脂層のうち該最外層以外の樹脂層からなる内層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイトと、該内層の坪量とが、特定の関係を満足する場合に、発泡シートの独立気泡率を低下させることなく十分な厚みを有する合成樹脂層を形成することができ、曲げ強度等の物理的強度に特に優れると共に、機能性添加剤を少量、ポリオレフィン系樹脂層に添加することにより帯電防止性能や抗菌性能等の機能性を付加した安価な本発明のポリオレフィン系樹脂積層発泡体を提供することができる。
【0119】
本発明においては、ポリオレフィン系樹脂発泡シートの基材樹脂、及びポリオレフィン系樹脂層の基材樹脂としてポリプロピレン系樹脂を使用すると、剛性等の物理的強度や耐熱性に優れるポリオレフィン系樹脂積層発泡体を提供することができる。
【0120】
本発明においては、ポリマータイプの帯電防止剤としてポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とするものを使用すると、表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下のポリオレフィン系樹脂層を容易に形成することができ、特にポリオレフィン系樹脂層の基材樹脂がポリプロピレン系樹脂の場合、ポリマータイプの帯電防止剤の主成分がポリエーテルとポリプロピレンとの共重合体またはポリエーテルとポリプロピレンとの混合物を使用すると更に容易に形成することができる。
Claims (12)
- ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に合成樹脂層が積層されてなる共押出し積層発泡体において、該合成樹脂層が最外層のポリオレフィン系樹脂層を有する1層以上のものであり、該ポリオレフィン系樹脂層には表面固有抵抗が1×1013(Ω/□)以下となるように下記条件 ( I ) および ( II ) を満足するポリマータイプの帯電防止剤が含有されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
(I)帯電防止剤の結晶化温度≦Tc+40℃
Tcはポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成する基材樹脂の結晶化温度(℃)
(II)α/β≧0.5
αは帯電防止剤のメルトフローレイト(g/10分)、βはポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト - ポリオレフィン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に合成樹脂層が積層されてなる共押出し積層発泡体において、該合成樹脂層が最外層のポリオレフィン系樹脂層を有する1層以上のものであり、該ポリオレフィン系樹脂層にはエタノールによる超音波洗浄後の表面固有抵抗が1×108〜1×1013(Ω/□)となるように下記条件 ( I ) および ( II ) を満足する帯電防止剤が含有されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
(I)帯電防止剤の結晶化温度≦Tc+40℃
Tcはポリオレフィン系樹脂発泡シートを構成する基材樹脂の結晶化温度(℃)
(II)α/β≧0.5
αは帯電防止剤のメルトフローレイト(g/10分)、βはポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト - 合成樹脂層が単層のポリオレフィン系樹脂層からなり、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの密度:d(g/L)と、該単層のポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:X(g/10分)と、該単層のポリオレフィン系樹脂層の坪量:Y(g/m2)とが、下記(1)〜(4)式の関係を満足することを特徴とする請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
【数1】
Y≦0.27dX ・・・(1)
【数2】
2≦X≦40 ・・・(2)
【数3】
5≦Y<80 ・・・(3)
【数4】
100≦d≦450 ・・・(4) - 合成樹脂層の坪量が80〜380(g/m2)であり、且つ複数層のポリオレフィン系樹脂層からなり、該複数層のポリオレフィン系樹脂層の内、最外層を構成しているポリオレフィン系樹脂層の坪量が5(g/m2)以上、80(g/m2)未満であり、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの密度:d(g/L)と、該複数層のポリオレフィン系樹脂層のうち該最外層以外の樹脂層からなる内層を構成しているポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト:X’(g/10分)と、該内層の坪量Y’(g/m2)とが、下記(5)〜(8)式の関係を満足することを特徴とする請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
【数5】
Y’≦0.27dX’ ・・・(5)
【数6】
5≦X'≦40 ・・・(6)
【数7】
70≦Y’≦300 ・・・(7)
【数8】
100≦d≦450 ・・・(8) - ポリオレフィン系樹脂発泡層を構成する基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
- ポリオレフィン系樹脂層を構成する基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
- 帯電防止剤の主成分がポリエーテルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
- 帯電防止剤の主成分がポリエーテルエステルアミドであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
- 帯電防止剤の主成分が、ポリエーテルとポリプロピレンとの共重合体、または、ポリエーテルとポリプロピレンとの混合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
- 帯電防止剤が2〜30重量%含有されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
- 最外層を構成しているポリオレフィン系樹脂層が抗菌剤を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
- 積層発泡体全体の厚みが0.5〜10mmであり、積層発泡体の独立気泡率が60%以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
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