JP2001129942A - ポリオレフィン系複合樹脂積層シート - Google Patents

ポリオレフィン系複合樹脂積層シート

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JP2001129942A
JP2001129942A JP31061099A JP31061099A JP2001129942A JP 2001129942 A JP2001129942 A JP 2001129942A JP 31061099 A JP31061099 A JP 31061099A JP 31061099 A JP31061099 A JP 31061099A JP 2001129942 A JP2001129942 A JP 2001129942A
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JP
Japan
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resin
weight
laminated sheet
polyolefin
intermediate layer
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JP31061099A
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English (en)
Inventor
Fusaaki Katou
房彰 加藤
Akihiko Egashira
明彦 江頭
Takumi Matsuno
巧 松野
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のシート材の有する実用物性を損なわず
に、軽量性及びドローダウン性の向上した複合樹脂積層
シート材を提供することを課題とする。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
し充填剤5〜400重量部を配合したポリオレフィン系
複合樹脂材料により表面層を形成し、プロピレン重合体
成分からなるマトリックス部分と、エチレン・α−オレ
フィン共重合体成分からなるドメイン部分とを97〜6
0:3〜40(重量比)の割合で有し、且つ前記マトリ
ックス部分とドメイン部分の動的粘弾性の粘度比が1ra
d/secで0.1以上1未満、100rad/secで0.70以
上であって、溶融弾性率差が10,000Pa以上であるポリ
オレフィン系樹脂材料により中間層を形成して、表裏2
層の表面層と、前記表面層の間に配置された中間層とを
含むポリオレフィン系複合樹脂積層シートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装材分野及び各
種工業部材に用いられる容器、蓋などの成形品を熱成形
により製造する場合に用いる熱成形シート材用の複合樹
脂積層シートに関する。詳しくは、熱成形性や耐寒性に
優れ、且つ従来の品質を維持しつつ軽量性を向上させた
ポリオレフィン系複合樹脂積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂に充填剤を配合し
た複合樹脂材料をシート状に成形して得られるポリオレ
フィン系複合樹脂シートは、その優れた耐熱性、耐寒
性、耐油性等の特性により、各種容器、カップ、トレー
などの成形品を熱成形等により製造するためのシート材
として広く使用されている。しかし、一方においてかか
る成形品をリサイクルしようとする場合、リサイクルコ
ストの負担は成形品の重量に比例して大きくなる。その
ため、昨今のリサイクル重視の社会情勢においては、見
かけ比重の大きい複合樹脂シートは、その軽量化が強く
望まれている。
【0003】ここで、従来の複合樹脂シートは複合樹脂
材料により形成される層のみからなる単層のシートであ
るから、軽量化の方法としては、複合樹脂材料中の充填
剤の含有量を削減する方法が最も一般的である。しかし
ながら、軽量化のために単純に充填剤の含有量を減らす
と、複合樹脂シートが本来有する優れた耐熱性、耐寒
性、耐油性等の上記物性が著しく低下し、実用上支障を
来す。また、成形時のドローダウン性が悪くなる傾向に
あるという欠点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した状況
に鑑みなされたものであって、従来のシート材の有する
実用物性を損なわずに、軽量性及びドローダウン性の向
上した複合樹脂積層シート材を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
行った結果、複合樹脂層の一部を樹脂単体層に置き換え
て複合樹脂材料からなる表面層とその表面層に挟まれた
非複合材料からなる中間層とにより構成されるサンドイ
ッチ構造とし、さらにその中間層を特定の粘度比と弾性
率差を有する樹脂材料により形成することで、従来の物
性を損なわずに軽量性及びドローダウン性の向上を達成
できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、表裏2層の表面層
と、前記表面層の間に配置された中間層とを含む積層シ
ートであって、前記表面層が、ポリオレフィン系樹脂1
00重量部に対し充填剤5〜400重量部を配合したポ
リオレフィン系複合樹脂材料(A)により形成され、前
記中間層が、プロピレン単位を95重量%以上含有する
プロピレン重合体成分からなるマトリックス部分と、エ
チレン単位を35重量%以上含有するエチレン・α−オ
レフィン共重合体成分からなるドメイン部分とを、マト
リックス部分:ドメイン部分=97〜60:3〜40
(重量比)の割合で有し、且つ前記マトリックス部分と
ドメイン部分の動的粘弾性の粘度比(ηr=ηD/η
M)が1rad/secで0.1以上1未満、100r
ad/secで0.70以上であって、溶融弾性率差
(ΔG’=GM−GD)が10,000Pa以上である
ポリオレフィン系樹脂材料(B)により形成されている
ことを特徴とする、ポリオレフィン系複合樹脂積層シー
トを提供する。
【0007】また、本発明は、前記ポリオレフィン系樹
脂材料(B)が、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹
脂とを、ポリプロピレン樹脂:ポリエチレン樹脂=97
〜60:3〜40(重量比)の割合で混合してなり、且
つ前記ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との動的
粘弾性の粘度比(ηr=ηD/ηM)が1rad/se
cで0.1以上1未満、100rad/secで0.7
0以上であって、溶融弾性率差(ΔG’=GM−GD)
が10,000Pa以上である樹脂組成物であることを
特徴とする、前記ポリオレフィン系複合樹脂積層シート
を提供する。
【0008】また、本発明は、前記中間層の厚み比が、
前記積層シートの全厚みの20%以上且つ50%以下で
あることを特徴とする、前記ポリオレフィン系複合樹脂
積層シートを提供する。
【0009】また、本発明は、前記中間層が発泡倍率
1.4倍以上の発泡樹脂層であることを特徴とする、前
記ポリオレフィン系複合樹脂積層シートを提供する。ま
た、本発明は、前記表面層の外側に、厚み比率が全厚み
の10%以下であるスキン層が設けられていることを特
徴とする、前記ポリオレフィン系複合樹脂積層シートを
提供する。
【0010】本発明の積層シートにおいては、複合樹脂
材料からなる表面層とその表面層に挟まれた非複合材料
からなる中間層とにより構成されるサンドイッチ構造と
することによって軽量化を達成することができ、さら
に、中間層に特定の粘度比と弾性率差を有する樹脂材
料、具体的には、特定の粘度比と弾性率差を有するポリ
プロピレン樹脂とポリエチレン樹脂とを特定割合で配合
した樹脂組成物等とすることにより、積層シートのドロ
ーダウン性を向上させることができる。
【0011】また、前記複合積層シートにおいて、さら
にその層比率を限定することにより、さらなる軽量性の
向上を達成することができる。また、前記中間層に独立
気泡を少量導入することにより剛性、ドローダウン性を
維持しつつ軽量性をさらに向上させることができる。
【0012】また、本発明においては、目ヤニ防止、加
飾性付与等の要求に応じ、表面層の外側(シートの最外
層)にスキン層を積層することができるが、ここでスキ
ン層厚みを全厚みの10%以下にすることにより、前記
積層シートの剛性を損なうことなく、目的に応じたスキ
ン層を設けることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の積層シートは、その層構成として、表裏
2層の表面層と、前記表面層の間に配置された中間層と
を含む。
【0014】(1)表面層 本発明の積層シートにおける表面層は、ポリオレフィン
系樹脂に対し充填剤を配合したポリオレフィン系複合樹
脂材料(A)により形成されている。
【0015】1ポリオレフィン系樹脂 本発明のポリオレフィン系複合樹脂材料(A)に用いら
れるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。ポリプロピ
レン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレ
ン含量が97重量%以上のプロピレンとプロピレン以外
のα−オレフィンとのランダム又はブロック共重合体、
又はこれらの混合物が挙げられる。前記α−オレフィン
としては、炭素数2〜20、好ましくは2〜12、より
好ましくは2〜8のものが挙げられ、具体的にはエチレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メ
チル−ペンテン−1等が例示できる。
【0016】前記ポリプロピレン系樹脂のメルトフロー
レート(以下、「MFR」と略記する。JIS−k72
03(230℃−2.16kg荷重)に準拠して測定し
た値)は特に限定されないが、0.2〜30g/10分
のものが好ましい。MFR値が上記範囲内であれば積層
時に表面層の肉厚分布が向上するので好ましい。
【0017】また、前記ポリプロピレン系樹脂のJIS
−K7112(23℃)に準拠して測定された密度は特
に限定されないが、好ましくは0.890〜0.920
g/cmである。密度が上記範囲内であれば光沢や耐
衝撃性の点で好ましい。
【0018】ポリエチレン系樹脂としては、触媒として
チーグラー系の化合物やメタロセン系化合物等の存在下
に、高圧イオン重合、気相重合、溶液重合法により製造
されるエチレンの単独重合体、エチレンと炭素数3〜2
0、好ましくは3〜12、より好ましくは3〜8のα−
オレフィン(具体例:プロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1等)との共重合体、又は前記共重
合モノマーが2種類以上の多元共重合体であって、エチ
レン含量が50重量%以上のものが好適である。このう
ち、エチレンの単独重合体及びエチレン含量70重量%
以上のエチレンとα−オレフィンとの共重合体が、剛
性、耐寒性、耐熱性等の点で好ましい。
【0019】前記ポリエチレン系樹脂のMFR(JIS
−K7210、条件4に準拠して測定された値)は特に
制限されないが、0.5〜20g/10分のものが好ま
しい。MFRが上記範囲内であれば積層時に表面層の肉
厚分布が向上するので好ましい。
【0020】前記ポリエチレン系樹脂のJIS−K71
12(23℃)に準拠して測定された密度は特に限定さ
れないが、好ましくは0.88〜0.97g/cm
ある。密度がこの範囲内であれば、光沢や耐衝撃性の点
で好ましい。
【0021】2充填剤 前記複合樹脂材料(A)に配合される充填剤としては、
無機粉体系では、シリカ、タルク、マイカ、クレー等の
天然系、及び炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸
化カルシウム等の水酸化物、珪酸ナトリウム、珪酸カル
シウム等の珪酸塩、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸
化マグネシウム、アルミナ、ゼオライト等の酸化物、リ
ン酸アルミニウム、硫酸バリウム等の塩類、カーボンブ
ラック、グラファイト等が挙げられる。有機粉体系で
は、フェノール樹脂粉、エボナイト粉等が、繊維系で
は、各種ガラス、パルプ、アスベスト、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミ
ド等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合し
て用いてもよい。
【0022】3配合割合 前記複合樹脂材料(A)における充填剤の使用量は、ポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対して5〜400重
量部、好ましくは10〜400重量部、さらに好ましく
は10〜100重量部である。充填剤の量が5重量部未
満であると、シートの剛性、耐熱性の向上が少なく、逆
に400重量部を超えると軽量化の達成が困難となる。
【0023】(2)中間層 本発明の積層シートの中間層は、プロピレン重合体成分
からなるマトリックス部分と、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体成分からなるドメイン部分とを有する、いわ
ゆる海島構造を形成するポリオレフィン系樹脂材料
(B)からなる。中間層がかかる海島構造を有すること
により、積層シート成形時のドローダウン(シートの垂
れ)を抑えることができる。
【0024】前記マトリックス部分を構成するプロピレ
ン重合体成分は、プロピレン単位(プロピレンから誘導
される構成単位)を95重量%以上含有するものであ
り、具体的には、ホモポリプロピレン又はプロピレンと
エチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフィン5重量
%未満とからなるプロピレン系共重合体が挙げられる。
炭素数4以上のα−オレフィンとしては、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、4−メチル−ペンテン−1等が挙げられる。
【0025】前記プロピレン重合体成分のMFR(JI
S−k7203、230℃−2.16kg荷重)は、好
ましくは0.3〜20g/10分、より好ましくは0.
3〜10g/10分である。MFRが0.3g/10分
未満ではシート成形時の樹脂圧力が上昇しシート成形が
困難となり、20g/10分を超えるとシート成形時に
サージングが発生し、ドローダウン改良効果も少ない場
合がある。
【0026】また、前記プロピレン重合体成分のJIS
−K7112(23℃)に準拠して測定された密度は特
に限定されないが、好ましくは0.890〜0.920
g/cmである。密度が上記範囲内であれば光沢や衝
撃性等の点で好ましい。
【0027】前記ドメイン部分を構成するエチレン・α
−オレフィン共重合体成分は、エチレン単位(エチレン
から誘導される構成単位)を35重量%以上、好ましく
は70重量%以上含有するものである。
【0028】コモノマーであるα−オレフィンとして
は、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜12、より
好ましくは3〜8のものが挙げられ、具体的にはプロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−
メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等
が挙げられる。
【0029】前記エチレン・α−オレフィン共重合体成
分のMFR(JIS−K7210、条件4に準拠して測
定された値)は、好ましくは10g/10分以下、より
好ましくは0.5〜10g/10分、更に好ましくは
0.5〜5.0g/10分である。MFR値が上記範囲
以外のものはいずれも溶融粘度が高すぎるか低すぎるた
め、ポリプロピレン樹脂との相溶性が悪くなり、ドロー
ダウン性を向上させるようなドメイン形状が得られなか
ったり、積層シートの流動性バランスを阻害したりして
サージング、或いは表面荒れを発生させて容器賦型不良
を生じる場合がある。
【0030】前記エチレン・α−オレフィン共重合体成
分のJIS−K7112(23℃)に準拠して測定され
た密度は特に限定されないが、好ましくは0.88〜
0.970g/cm以内であり、特に0.94g/c
以下のものは光沢や衝撃性等の点で好ましい。
【0031】前記マトリックス部分とドメイン部分の含
有比率は、マトリックス部分:ドメイン部分=97〜6
0:3〜40(重量比)、好ましくは95〜60:5〜
40(重量比)である。マトリックス部分の割合が上記
範囲を下回りドメイン部分の割合が上記範囲を超えると
樹脂材料中のポリエチレン樹脂の分散配向性が低下した
り、容器等の寸法変化が大きくなったり、剛性や耐熱性
が劣る傾向にある。一方、マトリックス部分の割合が上
記範囲を超えドメイン部分の割合が上記範囲を下回る
と、樹脂材料中のポリエチレン樹脂の分散量が少ないこ
とからドローダウン性の向上が得られなくなる。
【0032】また、前記樹脂材料(B)においては、マ
トリックス部分とドメイン部分の動的粘弾性の粘度比
(ηr=ηD/ηM)が1rad/secで0.1以上
1未満であり、100rad/secで0.70以上で
ある。また、溶融弾性率差(ΔG’=GM−GD)が1
rad/secで10,000Pa以上である。ここ
で、ηMはマトリックス部分の動的粘弾性であり、ηD
はドメイン部分の動的粘弾性である。また、GMはマト
リックス部分の溶融弾性率であり、GDはドメイン部分
の溶融弾性率である。中間層を形成する樹脂材料(B)
を上記のように限定したのは、積層シートのドローダウ
ン性の改良効果が大きく、さらなる軽量化が可能となる
からである。
【0033】溶融粘弾性測定における1rad/sec
の粘度比が0.1未満あるいは1以上、又は1rad/
secの溶融弾性率差が10,000Pa未満になる
と、樹脂材料(B)の粘度が低すぎる、もしくは高すぎ
るため、積層シートのドローダウン性を向上させるよう
な望ましいエチレン・α−オレフィン共重合体成分のド
メイン形状が得られない。また、100rad/sec
の粘度比が0.70未満では、表面層近傍のドメイン部
分がマトリックス部分より先に収縮が生じて熱成形時の
成形品に孔が発生しやすい。
【0034】すなわち、動的溶融粘弾性値の比率が上記
条件を満たす樹脂材料から得られた中間層を有する積層
シートであれば、表面層近傍のドメイン部分は配向が少
なくシート中央部にドメイン部分が集中しやすく、しか
もシートの流れ方向や流れに対して垂直方向のドメイン
形状が表面積の多い配向分散形状をとることが、X線の
透過率やSEMの顕微鏡写真からも観察できる。そし
て、このような特定のドメイン形状を保つことにより、
ドローダウン性を向上させることができる。
【0035】本発明のポリオレフィン系樹脂材料(B)
は、前記動的溶融粘弾性値の条件を満たすものであれば
特に限定されないが、使用できる好ましい樹脂材料とし
て、マトリックス部分を形成するポリプロピレン樹脂と
ドメイン部分を形成するポリエチレン樹脂とを混合して
得られる樹脂組成物、あるいはゴム成分がドメイン部分
を形成するプロピレン系ブロック共重合体を挙げること
ができる。
【0036】(i)樹脂組成物 本発明の前記ポリオレフィン系樹脂材料(B)は、好ま
しくはポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂とを、ポ
リプロピレン樹脂:ポリエチレン樹脂=97〜60:3
〜40(重量比)の割合で混合してなり、且つ前記ポリ
プロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との動的粘弾性の粘
度比(ηr=ηD/ηM)が1rad/secで0.1
以上1未満、100rad/secで0.70以上であ
って、溶融弾性率差(ΔG’=GM−GD)が10,0
00Pa以上である樹脂組成物である。
【0037】1ポリプロピレン樹脂 ここで用いられるポリプロピレン樹脂としては、(1);
プロピレン単独重合体、又は(2);プロピレン含量が9
7重量%以上のプロピレンとプロピレン以外のα−オレ
フィンとのランダム又はブロック共重合体、(3);前記
(1)と(2)との混合物、又は(4);(1)〜(3)のいずれかと
の混合物が挙げられる。前記α−オレフィンとしては、
炭素数2〜20、好ましくは2〜12、より好ましくは
2〜8のものが挙げられ、具体的にはエチレン、ブテン
−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペン
テン−1等が例示できる。
【0038】前記ポリプロピレン樹脂のMFR(JIS
−k7203、230℃−2.16kg荷重)は、好ま
しくは0.3〜20g/10分、より好ましくは0.3
〜10g/10分である。MFRが0.3g/10分未
満ではシート成形時の樹脂圧力が上昇しシート成形が困
難となり、20g/10分を超えるとシート成形時にサ
ージングが発生し、ドローダウン改良効果も少ない場合
がある。
【0039】また、前記ポリプロピレン樹脂のJIS−
K7112(23℃)に準拠して測定された密度は特に
限定されないが、好ましくは0.890〜0.920g
/cmである。密度が上記範囲内であれば光沢や衝撃
性等の点で好ましい。
【0040】2ポリエチレン樹脂 本発明で用いられるポリエチレン樹脂としては、触媒と
してチーグラー系の化合物やメタロセン系化合物等の存
在下に、高圧イオン重合、気相重合、溶液重合法により
製造されるエチレンの単独重合体、エチレンと炭素数3
〜20、好ましくは3〜12、より好ましくは3〜8の
α−オレフィン(具体例:プロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、
オクテン−1等)との共重合体、又は前記共重合モノマ
ーが2種類以上の多元共重合体であって、エチレン含量
が50重量%以上のものが挙げられる。これらのうち、
エチレンの単独重合体及びエチレン含量70重量%以上
のエチレンとα−オレフィンとの共重合体が、剛性、耐
寒性、耐熱性等の点で好ましい。
【0041】前記ポリエチレン樹脂は、MFR(JIS
−K7210、条件4に準拠して測定された値)が、好
ましくは10g/10分以下、より好ましくは0.5〜
10g/10分、更に好ましくは0.5〜5.0g/1
0分のものが良好である。MFR値が上記範囲以外のも
のはいずれも溶融粘度が高すぎるか低すぎるため、ポリ
プロピレン樹脂との相溶性が悪くなり、ドローダウン性
を向上させるようなポリエチレン樹脂のドメイン形状が
得られなかったり、樹脂シートの流動性バランスを阻害
したりしてサージング、或いは表面荒れを発生させて容
器賦型不良を生じる。
【0042】前記ポリエチレン樹脂のJIS−K711
2(23℃)に準拠して測定された密度は特に限定され
ないが、好ましくは0.88〜0.970g/cm
内であり、特に0.94g/cm以下のものは光沢や
衝撃性等の点で好ましい。
【0043】本発明のポリオレフィン系樹脂材料(B)
中のポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂の配合割合
は、好ましくはポリプロピレン樹脂:ポリエチレン樹脂
=97〜60:3〜40(重量%)、更に好ましくは9
5〜60:5〜40である。ポリエチレン樹脂が40重
量%を超えポリプロピレン樹脂が60重量%未満となる
と、樹脂材料中のポリエチレン樹脂の分散配向性が低下
したり、容器等の寸法変化が大きくなったり、剛性や耐
熱性が劣る傾向にある。一方、ポリプロピレン樹脂が9
7重量%を超えポリエチレン樹脂が3重量%未満となる
と、樹脂材料中のポリエチレン樹脂の分散量が少ないこ
とからドローダウン性の向上が得られなくなる。
【0044】前記ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹
脂の混合は、公知のブレンド手法、例えば押出機、バン
バリー、ロール、ブラベンダープラストグラム等の混練
機を用いて行うことができる。通常は、押出機などで混
練して一旦ペレット状コンパウンドした後、シート加工
に供するが、前記のポリプロピレン系樹脂とポリエチレ
ン系樹脂の2成分をスーパーミキサーやタンブラー等で
ドライブレンドした混合ペレットを直接押出機のホッパ
ーに投入し、シート成形することもできる。
【0045】(ii)プロピレン系ブロック共重合体 本発明において使用できるプロピレン系ブロック共重合
体は、ホモポリプロピレン重合部分及びゴム成分である
高分子量のエチレン・α−オレフィンランダム又はブロ
ック共重合部分を含むプロピレン・α−オレフィンブロ
ック共重合体である。
【0046】コモノマーであるα−オレフィンとして
は、エチレン又は炭素数4〜8のα−オレフィンが挙げ
られ、具体的にはエチレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテ
ン−1、オクテン−1、等が例示できる。このうち特に
好ましいものはエチレンである。
【0047】プロピレン・α−オレフィンブロック共重
合体中のα−オレフィンの含有量は、好ましくは50重
量%以上、より好ましくは70重量%以上である。α−
オレフィンの含有量が上記範囲内であれば、耐寒性及び
ドローダウン性の点で好ましい。
【0048】また、前記プロピレン・α−オレフィンブ
ロック共重合体のMFR(JIS−k7203、230
℃−2.16kg荷重)は、好ましくは0.3〜20g
/10分、より好ましくは0.3〜10g/10分であ
る。MFRが0.3g/10分未満ではシート成形時の
樹脂圧力が上昇しシート成形が困難となり、20g/1
0分を超えるとシート成形時にサージングが発生し、ド
ローダウン改良効果も少ない場合がある。
【0049】また、ゴム成分であるエチレン・α−オレ
フィンランダム又はブロック共重合部分の含有割合は、
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体中、好ま
しくは3〜40重量%、より好ましくは5〜40重量%
である。ドメイン部分を形成するゴム成分が上記範囲を
超えると、樹脂材料中のドメイン部分の分散配向性が低
下したり、容器等の寸法変化が大きくなったり、剛性や
耐熱性が劣る傾向にある。一方、ゴム成分が3重量%未
満となると、樹脂材料中のドメイン部分の分散量が少な
いことからドローダウン性の向上が得られなくなる。
【0050】(iii)その他の配合成分 上述した本発明のオレフィン系樹脂材料(B)には、成
形材料に一般に配合される添加剤、例えば酸化防止剤、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、核剤、着色
剤、腐食防止剤、発泡剤等を目的に応じて適時添加や塗
布してもよい。
【0051】(iv)発泡樹脂層 本発明の積層シートでは、中間層に独立気泡を導入する
ことによりさらに軽量化を図ることが可能である。ここ
で、中間層の発泡倍率は好ましくは1.4倍以下、さら
に好ましくは1.2倍以下である。これは、発泡倍率が
1.4倍を越える場合には連続気泡が増大することによ
り、ドローダウン性が低下するためである。
【0052】中間層の独立気泡を導入する方法として
は、中間層を形成するポリオレフィン系樹脂材料(B)
に予め発泡剤を混合し、これをシート材に成形して発泡
させる方法が挙げられる。
【0053】ここで使用される発泡剤としては、加熱に
より分解してガスを発生する化学発泡剤では、アゾジカ
ルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾア
ミノベンゼン、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテ
トラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテ
レフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−
トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニルカ
ルバジド、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、クエン酸ナ
トリウム等の有機酸塩等が、加熱と圧力制御によりガス
化する物理発泡剤では、プロパン、ブタン、ペンタン、
ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタ
ン、トリクロロモノフルオロメタン、メタノール、エタ
ノール、水等が挙げられる。これらは単独で又は2種以
上を混合して用いることができる。
【0054】発泡剤の配合量は、好ましくは、ポリオレ
フィン系樹脂材料(B)100重量部に対し1.0重量
部以下、好ましくは0.5重量部以下である。尚、これ
らの発泡剤と、通常使用される発泡助剤、発泡核剤等を
併用してもよい。
【0055】前記ポリオレフィン系樹脂材料(B)と発
泡剤との混練方法は特に限定されるものではなく、公知
の方法により適宜混練された後、ダイスから押し出され
る。溶融温度、樹脂温度は通常の発泡シート成形に適用
される条件を適用することができる。
【0056】(3)層構成 本発明の積層シートの層構成は、少なくとも表裏2層の
表面層と該表面層の間に配置された中間層とを含むもの
である。かかる中間層を表面層で挟むサンドイッチ構造
としたのは、複合樹脂層単体で充填剤含量を削減した場
合に比べ剛性維持の効果が極めて大きいためである。
【0057】このように、本発明の積層シートの層構成
は、少なくとも上記サンドイッチ構造を有するものであ
ればその層の種類、数、配置等に特に制限はない。例え
ば、前記2層の表面層及び中間層のみからなる2種3層
のものであってもよく、また前記表面層の外側にさらに
新たな層を設けた3種5層構造、あるいは前記表面層と
中間層との間に新たな層を設けた3種5層もしくは4種
7層構造等の種々の構造をとることもできる。
【0058】ここで、中間層の厚み比率は、積層シート
全体の厚みの20%以上50%以下とするのが好まし
い。本発明の積層シートは、上記層構成としたことによ
りサンドイッチ構造の効果によって複合樹脂層単体で充
填剤含量を削減した場合より剛性維持の効果を格段に高
くしているが、中間層の厚み比率を上記範囲とすること
により、さらに軽量化及び剛性維持の効果が高くなる。
中間層の厚み比率が全体の20%未満では軽量化の効果
が小さく、50%を超えると剛性の低下が著しい傾向に
ある。
【0059】本発明の積層シートの好ましい製造方法と
しては、ダイスよりシート状に溶融押出して、中間層と
それに接する表面層とを形成させる工程を含む方法が挙
げられる。中間層に接する面に表面層を積層する方法
は、ダイスより押出される前に前記した各層を形成する
樹脂材料を溶融状態で積層する方法であれば、いずれで
もよい。一般的には、両材料をそれぞれの押出機で溶融
混練した後にダイス内で積層するマルチマニホールド方
式や、ダイスに流入させる前に積層するフィードブロッ
ク方式(コンバイニングアダプター方式)等であればよ
い。
【0060】本発明では目ヤニ防止、表面加飾等の目的
により、表面層の外側にさらにスキン層を積層させるこ
とができる。スキン層の材質は特に限定されないが、好
ましくは上記ポリオレフィン系複合樹脂材料(A)に用
いられるポリオレフィン系樹脂と同様のポリオレフィン
系樹脂材料等が挙げられる。
【0061】ここで、スキン層の厚み比率は全厚みの1
0%以下とするのが好ましい。10%以下としたのは、
シートの剛性を従来のシート材と同等以上に維持するた
めである。スキン層を積層させる場合には、ドライラミ
ネート法、ウェットラミネート法、押出ラミネート法、
共押出法、プレス法等の通常適用される積層方法によれ
ばよい。
【0062】本発明のポリオレフィン系複合樹脂積層シ
ートは、各種容器、カップ、トレーなどの成形品を熱成
形により製造するためのシート材として使用することが
できる。本発明のポリオレフィン系複合樹脂積層シート
の厚みは特に限定されず、使用目的等に応じた厚みを調
整すればよいが、通常0.1〜3mm、特に一般の食品
容器では0.15〜2mmが好ましい。
【0063】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明
する。尚、試験法、評価方法については、以下の方法を
用いた。
【0064】(1)動的粘弾性測定 装置:レオメトリックス社製メカニカルスペクトロメー
ター RMS800 温度:200℃ 固定治具:25mmφパラレルプレート 測定モード:周波数掃引 ギャップ:1.5mm 周波数:1rad/sec〜100rad/sec(溶融粘弾性=1ra
d/sec) 歪み:10% 粘度比(ηr)=ηD/ηM、弾性率差(△G’)=G
M−GD
【0065】(2)曲げ弾性率:JIS−K7203に
準拠して測定した。 (3)密度:JIS−K7112に準拠して測定した。
【0066】(4)ドローダウン性 積層シートを、中央に30cm角の穴を有する2枚の鉄
枠(33mm×33mm×2mm)の間に挟み、断熱箱
の中に水平にセットした。次に鉄枠にサンドイッチされ
た樹脂シートを均一に加熱できるように450℃に加熱
された上下ヒーター(上下ヒーターは、設置されたシー
ト面から15cm離れたとこらから樹脂シートを加熱)
をシート上下面にスライドさせて設置した。鉄枠内のシ
ートは、加熱によって一端、下面ヒーター方向に垂れ下
がり、その後、シートの厚み方向に均一に昇温が進む
と、樹脂シートは再び水平となり、更なる上下面ヒータ
ーの加熱により、樹脂シートは自重で垂れ下がりが進行
する。このような樹脂シートの垂れ挙動を、下面ヒータ
ーの下に設置したレーザー光線を該樹脂シート面にあて
て観察し、その垂れ量を1秒間隔で測定しながら、加熱
開始時から35秒間樹脂シートを加熱したときの垂れ量
を測定しドローダウン性の尺度とした。
【0067】(5)発泡状態 ミクロトームでシート断面(流れ方向に直角方向)を1
0〜20μm程度にスライスして光学顕微鏡で観察し、
発泡セルの独立気泡性を確認した。尚、中間層の発泡倍
率はシートの全体密度から中間層密度を算出し、下式に
より計算した。
【0068】
【数1】中間層発泡倍率=(発泡時の中間層密度)÷
(未発泡時の中間層密度)
【0069】また、実施例及び比較例で用いたポリオレ
フィン系樹脂材料のポリプロピレン樹脂及びポリエチレ
ン樹脂は以下の通りである。 HPP-1:MFR=0.5g/10分、密度=0.905g/cm(日本ポリケ
ム(株)製、商品名「ノバテックPP・EA9」、融点17
1℃ HPP-2:MFR=11g/10分、密度=0.905g/cm(日本ポリケム
(株)製、商品名「ノバテックPP・FY6」、融点170
℃ HPP-3:MFR=2.5g/10分、密度=0.905g/cm(日本ポリケ
ム(株)製、商品名「ノバテックPP・FY6C」、融点17
2℃ BPP-1:MFR=0.5g/10分、密度=0.905g/cm(日本ポリケ
ム(株)製、商品名「ノバテックPP・EC9」、融点16
8℃ BPP-2:MFR=1.5g/10分、密度=0.905g/cm(日本ポリケ
ム(株)製、商品名「ノバテックPP・EC7」、融点16
8℃ LLPE-1:MFR=2.2/10分、密度=0.898g/cm(エクソンケ
ミカル社製、商品名「EXACT4051」、融点90℃ LLPE-2:MFR=2.0g/10分、密度=0.920g/cm(日本ポリケ
ム(株)製、商品名「ノバテックLL・SF240」、融点1
26℃ LLPE-3:MFR=1.7g/10分、密度=0.928g/cm(日本ポリケ
ム(株)製、商品名「ノバテックLL・MHL7011」、融点
128℃
【0070】
【実施例1】MFR0.5g/10分、密度0.904
g/cmのポリプロピレンブロック共重合体100重
量%(日本ポリケム(株)製「ノバテックPPEC7」
(商品名)、融点167℃。以下「BPP−2」と称
す)を65mmφの押出機で、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体(日本ポリケム株式会社製、商品名「ノ
バテックポリプロ・EC9」、メルトインデックス=
0.5g/10分)70重量部に充填剤としてタルク3
0重量部を配合したものを90mmφの押出機でそれぞ
れ溶融混練し、ついでこれらの混練したものをフィード
ブロック方式によってTダイ直前で前者を中間層とする
3層に積層したのち750mmのTダイを介して押出し
た。
【0071】ついで、得られた溶融シートをポリシング
法の冷却ロール(ロール温度:上50℃、中80℃、下
50℃)に導いて冷却固化し、厚みが0.45mm、幅
700mmのポリオレフィン系複合樹脂積層シートを作
製した。このようにして得られたシートについて、結果
を表1にシート物性として示す。
【0072】
【実施例2〜6】中間層のポリオレフィン系樹脂材料の
PP、PEの配合量や種類を表1に記載したように変え
てポリオレフィン系樹脂組成物を得た以外は、実施例1
と同様に積層シートを作製した。このようにして得られ
た各シートの物性を表1に示す。
【0073】
【実施例7】実施例1において、中間層のポリオレフィ
ン系樹脂材料を表−1に示すポリオレフィン系樹脂10
0重量部に発泡剤としてクエン酸モノナトリウムと炭酸
水素ナトリウムの1:1の混合物0.5重量部を配合し
た発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂材料とした以外は実
施例1記載の方法と同様にしてシートを作製した。得ら
れたシートの物性を表1に示す。
【0074】
【実施例8】ホモポリプロピレン(日本ポリケム株式会
社製、商品名「ノバテックポリプロ・FY6C」、メル
トインデックス=2.5g/10分)を口径40mmφ
の押出機で押出し、フィードブロックで実施例2の3層
積層物の両表面にスキン層を配した3種5層に積層した
のち、750mmのTダイを介して押出した。上記以外
は実施例2と同様にして行い、積層シートを得た。得ら
れた積層シートの物性を表1に示す。
【0075】
【比較例1】実施例1において中間層厚みを0mmと
し、表面層のみの複合樹脂単層シートとした以外は実施
例1と同様にしてシートを得た。
【0076】
【比較例2】比較例1においてタルクの添加量を20重
量%とした以外は比較例1と同様にして複合樹脂単層シ
ートを得た。
【0077】
【比較例3】中間層のポリオレフィン系樹脂材料の粘度
比、弾性率比等を表1に記載したように変えてポリオレ
フィン系樹脂組成物を得た以外は、実施例6と同様に積
層シートを作製した。このようにして得られた各シート
の物性を表1に示す。なお、表1中のドローダウン性評
価について、*印は30秒以内に穴あきが発生し測定不
能となったことを示す。
【0078】
【比較例4】中間層のポリオレフィン系樹脂材料のP
P、PEの配合量を表1に記載したように変えてポリオ
レフィン系樹脂組成物を得た以外は、実施例6と同様に
積層シートを作製した。このようにして得られた各シー
トの物性を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明の積層シートは、従来の複合樹脂
層に軽量層(中間層)を導入したサンドイッチ構造と
し、さらに層の厚み比率及び軽量層に用いる樹脂材料に
特定の粘度比と弾性率差を保有する海島構造の樹脂材料
を用いることで、シートの剛性等の実用物性を維持した
ままドローダウン性を向上させることができ、また軽量
化を図ることができるため、容器のリサイクルコストを
低減することが可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 松野 巧 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 4F100 AC10H AK03A AK03B AK03D AK03E AK04C AK07C AK07J AK62C AK64 AL01C AL02 AL05C BA03 BA05 BA06 BA10A BA10B BA10D BA10E BA13 CA23A CA23B DA03 DJ01C GB16 JA20C JK01 JK07C JL03 JL16 YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏2層の表面層と、前記表面層の間に
    配置された中間層とを含む積層シートであって、 前記表面層が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し充填剤5〜400重量部を配合したポリオレフィン系
    複合樹脂材料(A)により形成され、 前記中間層が、プロピレン単位を95重量%以上含有す
    るプロピレン重合体成分からなるマトリックス部分と、
    エチレン単位を35重量%以上含有するエチレン・α−
    オレフィン共重合体成分からなるドメイン部分とを、マ
    トリックス部分:ドメイン部分=97〜60:3〜40
    (重量比)の割合で有し、且つ前記マトリックス部分と
    ドメイン部分の動的粘弾性の粘度比(ηr=ηD/η
    M)が1rad/secで0.1以上1未満、100r
    ad/secで0.70以上であって、溶融弾性率差
    (ΔG’=GM−GD)が10,000Pa以上である
    ポリオレフィン系樹脂材料(B)により形成されている
    ことを特徴とする、ポリオレフィン系複合樹脂積層シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂材料(B)
    が、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂とを、ポリ
    プロピレン樹脂:ポリエチレン樹脂=97〜60:3〜
    40(重量比)の割合で混合してなり、且つ前記ポリプ
    ロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との動的粘弾性の粘度
    比(ηr=ηD/ηM)が1rad/secで0.1以
    上1未満、100rad/secで0.70以上であっ
    て、溶融弾性率差(ΔG’=GM−GD)が10,00
    0Pa以上である樹脂組成物であることを特徴とする、
    請求項1記載のポリオレフィン系複合樹脂積層シート。
  3. 【請求項3】 前記中間層の厚み比が、前記積層シート
    の全厚みの20%以上且つ50%以下であることを特徴
    とする、請求項1又は2記載のポリオレフィン系複合樹
    脂積層シート。
  4. 【請求項4】 前記中間層が発泡倍率1.4倍以上の発
    泡樹脂層であることを特徴とする、請求項1〜3のいず
    れかに記載のポリオレフィン系複合樹脂積層シート。
  5. 【請求項5】 前記表面層の外側に、厚み比率が全厚み
    の10%以下であるスキン層が設けられていることを特
    徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフ
    ィン系複合樹脂積層シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207471A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Fp Corp 熱成形用積層シート及び包装用容器
WO2018180362A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物及びその用途

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