JP3616279B2 - イグニッションスイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二輪自動車のイグニッションスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、二輪自動車のイグニッションスイッチは、キーをイグニッションスイッチのシリンダ錠に挿入して回動操作することにより、スイッチのオン・オフを行う形態のものが一般的である。
【0003】
これに対し、ロータリ式の操作ノブの回動操作にてスイッチのオン・オフを行い、該回動操作を操作ノブの上端中央に設けられたシリンダ錠で施・解錠する形態のイグニッションスイッチがある。
【0004】
前記した二種類のイグニッションスイッチの内、後者のものとしては、例えば米国特許第5563387号明細書に記載のイグニッションスイッチがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記米国特許第5563387号明細書に記載のイグニッションスイッチは、操作ノブをオフ位置からオン位置に回動操作する際に、まず、キーをシリンダ錠のキー孔に差し込んで回動することによって解錠し、しかる後に操作ノブをオフ位置からオン位置に回動操作しなければならず、操作性に難点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、キーをシリンダ錠のキー孔に差し込むだけで操作ノブがオフ位置からオン位置に回動可能になるように構成するとともに、オン位置にてキーの抜き取りを可能とし、キーの抜き取り後に操作ノブをオフ位置あるいはP位置に回動操作可能として、その位置で自動的に施錠されるよう構成して、前記した問題点を解決したものである。
すなわち、本発明は、上部に円筒状の開口(1a)を有するボディ(1)と、中央部に貫通孔(3a)が形成され、前記ボディ(1)の開口(1a)に回動可能に嵌合する操作ノブ(3)と、上端中央部にキー孔(2a)が形成されると共に側方からタンブラ(7)が複数枚装填され、一端を前記ボディ(1)に嵌合させた状態で他端が前記貫通孔(3a)に挿入されるシリンダ(2)と、可動接点(4a)を有し、前記操作ノブ(3)の回動操作に連動して回動する可動接点盤(4)と、該可動接点盤(4)に対向して設けられた複数の固定接点(5a)を有する固定接点板(5)とから成り、電源がオフの位置であるオフ位置に前記操作ノブ(3)がある状態で、シリンダ(2)のキー孔(2a)にキー(6)を挿入した際に前記タンブラ(7)をシリンダ(2)内に引き込ませて前記操作ノブ(3)との係合を解除し、この状態で電源がオンでエンジン始動が可能な位置であるオン位置まで前記操作ノブ(3)を回動操作して可動接点盤(4)を回動させ、前記可動接点(4a)で前記固定接点板(5)の固定接点(5a)間を導通すると共に、該オン位置にてキー(6)の抜き取りが可能であり、且つ、該キー(6)の抜き取り後に該操作ノブ(3)が前記オン位置から前記オフ位置あるいは駐車灯を点灯させる位置であるP位置に回動操作可能であり、該オフ位置あるいはP位置にて前記操作ノブ(3)が自動的に施錠されることを特徴とするイグニッションスイッチである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明に係るイグニッションスイッチは、図2に示すように、略円筒状のボディ(1)と、該ボディ(1)の上部に回動自在に設けられた操作ノブ(3)と、該操作ノブ(3)の貫通孔(3a)に嵌まるシリンダ(2)と、操作ノブ(3)に連動する可動接点盤(4)と、前記ボディ(1)の下端に固定された固定接点板(5)等から構成されていて、前記操作ノブ(3)が図1に示すように、オフ位置、オン位置、P(駐車)位置の3つの位置を選択的に回動操作可能としたものである。
【0009】
なお、オフ位置とは、二輪自動車の電源がオフの位置、オン位置とは、二輪自動車の電源がオンでエンジン始動が可能な位置、また、P位置とは、二輪自動車の駐車灯(パーキングランプ)を点灯させる位置である。
【0010】
ボディ(1)は、アルミダイカスト等で作製され、図2、図4に示すように、上部が開口された略円筒状を成している。該開口(1a)の内部は、仕切壁(1b)によって上下に仕切られていて、該仕切壁(1b)の中央には、図3に示すように小判型の係合孔(1c)が設けられると共に、周縁には、図3、図4に示すように、外壁に沿って一対の円弧状の長孔(1d)が設けられている。
【0011】
前記ボディ(1)は、その左右両側に取付孔(1f)を有する張出部(1e)が形成されていて、該取付孔(1f)を用いて、ボルト(図示しない)あるいはその他の締結手段により二輪自動車のハンドル中央部近傍に取り付けられるものである。
【0012】
操作ノブ(3)は、図4に示すように中央部に貫通孔(3a)が形成されると共に、上部の前後から一対のつまみ部(3e)が突出状に形成された略円筒状を成し、下端から下方に向けて一対の突起(3b)(3b)が設けられると共に下部側面には円環状の一定深さの溝(3c)が形成されている。
【0013】
前記貫通孔(3a)の内部には、図5に示すように、その軸方向に沿って、幅広の突起(3d)が形成されると共に、該突起(3d)と対向する位置に、二つの幅狭の突起(3f)(3f)が所定の間隙を開けて形成されている。
【0014】
そして、該操作ノブ(3)は、前記突起(3b)を前記ボディ(1)の長孔(1d)に嵌めた状態で開口(1a)の周壁をガイドとして該開口(1a)に回動自在に嵌合するもので、この状態でボディ(1)の側面のピン孔(1g)にピン(10)を打ち込むことにより、該ピン(10)の先端が操作ノブ(3)の溝(3c)に係合して該操作ノブ(3)の抜け止めがなされるものである。
【0015】
シリンダ(2)には、上端中央部にキー(6;図2参照)が挿入可能なキー孔(2a)が形成されると共に、下端に平面形状が前記係合孔(1c)に対応した形状の突起(2b)が形成され、側方から板状のタンブラ(7)をバネ(9;図2、図5参照)にて付勢した状態で複数枚装填することにより、所定のキー種を形成するものである。
【0016】
前記シリンダ(2)は、この状態で前記操作ノブ(3)の貫通孔(3a)に挿入され、前記タンブラ(7)の下方に設けられた厚板状のストッパ(8;図2参照)を貫通孔(3a)の下端に係合させると共に、前記突起(2b)を前記係合孔(1c)に嵌合させることによって、それ自体は回動しない状態で貫通孔(3a)内に固定される。
【0017】
可動接点盤(4)は、ボディ(1)の仕切壁(1b)下方に回動自在に設けられ、下面に可動接点(4a;図2参照)が設けられると共に、図2に示すように、一側が前記操作ノブ(3)の突起(3b)と係合していて、該操作ノブ(3)の回動操作に連動して回動するようになっている。
【0018】
固定接点板(5)は、図2に示すように、前記可動接点盤(4)に対向してボディ(1)の下端にネジ(14)によって固定されているもので、リベット状の複数個の固定接点(5a)(5a)が埋め込まれていて、該固定接点(5a)(5a)間を前記可動接点(4a)で導通させることによって、所定の回路が形成されるものである。
【0019】
なお、(13)は、前記固定接点(5a)(5a)と二輪自動車の電装品(図示しない)とを接続するリード線である。また、(12)は、操作ノブ(3)を回動操作した際に所定の節度感を得るためのボールであり、(11)は該ボール(12)を外径方向に付勢するバネである。
【0020】
次に、本実施例に係るイグニッションスイッチの動作について説明する。
まず、操作ノブ(3)が図5(a)のオフ位置にあって、シリンダ(2)にキー(6)を挿入していない状態では、操作ノブ(3)は、タンブラ(7)がバネ(9)によって突出し、ノブ(3)の貫通孔(3a)内の突起(3d)に係合して回動操作が阻止されるので、施錠状態にある。
【0021】
この状態から、キー(6)をシリンダ(2)のキー孔(2a)に挿入すると、操作ノブ(3)は、タンブラ(7)がシリンダ(2)内に引き込まれて突起(3d)との係合が外れることから、解錠状態となり、図5(b)のオン位置への回動操作が可能となる。
【0022】
操作ノブ(3)をオン位置に回動させると、連動して可動接点盤(4)が回動し、図2に示すように可動接点(4a)が固定接点板(5)の固定接点(5a)(5a)間を導通して所定の回路が形成されるので、これにより、二輪自動車の電源がオンになると共にエンジン始動が可能となる。
【0023】
このオン位置においては、図5(b)に示すように、タンブラ(7)が下方に突出可能であるため、キー(6)をシリンダ(2)から抜き取ることができる。すなわち、図5(b)に示す状態から、キー(6)を抜き取ろうとすると、タンブラ(7)は、キー(6)の端縁(6a)に押されて図中下方に移動する。このとき、タンブラ(7)は、前記貫通孔(3a)内の幅狭の二つの突起(3f)(3f)間に所定の間隙が形成されていることから、該間隙内に突出することができるため、キー(6)の抜き取りが可能となるものである。
【0024】
これにより、二輪自動車のエンジンが始動した後は、キー(6)をシリンダ(2)から抜き取ってポケット等にしまっておくことができ、この状態で二輪自動車を運転することができる。
【0025】
二輪自動車を運転後、操作ノブ(3)を図1のオフ位置、もしくはP位置に回動させると、タンブラ(7)がバネ(9)によって突出して突起(3d)に係合するので、操作ノブ(3)は施錠され、キー(6)を再度シリンダ(2)に挿入しなければオン位置に戻すことができない。
【0026】
つまり、操作ノブ(3)は、オン位置からキー(6)を用いることなく、ワンタッチでオフ位置またはP位置に操作することができると共に、該オフ位置またはP位置にて自動的に施錠がなされ、操作ノブ(3)を再度オン位置に操作することができなくなるものである。
【0027】
なお、操作ノブ(3)は、図3に示すように、オフ位置では突起(3b)が長孔(1d)のX1の位置にあり、また、P位置では、X2の位置にあるため、前記オフ位置から反時計方向への回動操作、また、前記P位置から時計方向への回動操作が規制される。
【0028】
また、本実施例に係るイグニッションスイッチは、二輪自動車に限らず、四輪自動車や小型船舶、あるいはエンジンを備えた作業機等、キー式のスイッチを有するものであれば、幅広く利用できるものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、キー(6)をシリンダ(2)に挿入するだけで操作ノブ(3)の回動が可能になり、また、操作ノブ(3)をオフ位置あるいはP位置からオン位置に回動した際に該オン位置にてキー(6)の抜き取りが可能であると共に、該キー(6)を抜き取り後に操作ノブ(3)をオン位置からオフ位置あるいはP位置に回動操作すると、該オフ位置あるいはP位置にて操作ノブ(3)が自動的に施錠されるため、操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】分解斜視図である。
【図5】シリンダと操作ノブとの関係を示す図2のC−C線断面図であり、(a)は操作ノブがオフ位置にある場合を示し、(b)は操作ノブがオン位置にある場合を示す。
【符号の説明】
1………ボディ
1a………開口
1b………仕切壁
1c………係合孔
1d………長孔
2………シリンダ
2a………キー孔
2b………下端
3………操作ノブ
3a………貫通孔
3b………突起
3c………溝
3d………突起
3e………突起
4………可動接点盤
4a………可動接点
5………固定接点板
5a………固定接点
6………キー
7………タンブラ
Claims (1)
- 上部に円筒状の開口(1a)を有するボディ(1)と、中央部に貫通孔(3a)が形成され、前記ボディ(1)の開口(1a)に回動可能に嵌合する操作ノブ(3)と、上端中央部にキー孔(2a)が形成されると共に側方からタンブラ(7)が複数枚装填され、一端を前記ボディ(1)に嵌合させた状態で他端が前記貫通孔(3a)に挿入されるシリンダ(2)と、可動接点(4a)を有し、前記操作ノブ(3)の回動操作に連動して回動する可動接点盤(4)と、該可動接点盤(4)に対向して設けられた複数の固定接点(5a)を有する固定接点板(5)とから成り、電源がオフの位置であるオフ位置に前記操作ノブ(3)がある状態で、シリンダ(2)のキー孔(2a)にキー(6)を挿入した際に前記タンブラ(7)をシリンダ(2)内に引き込ませて前記操作ノブ(3)との係合を解除し、この状態で電源がオンでエンジン始動が可能な位置であるオン位置まで前記操作ノブ(3)を回動操作して可動接点盤(4)を回動させ、前記可動接点(4a)で前記固定接点板(5)の固定接点(5a)間を導通すると共に、該オン位置にてキー(6)の抜き取りが可能であり、且つ、該キー(6)の抜き取り後に該操作ノブ(3)が前記オン位置から前記オフ位置あるいは駐車灯を点灯させる位置であるP位置に回動操作可能であり、該オフ位置あるいはP位置にて前記操作ノブ(3)が自動的に施錠されることを特徴とするイグニッションスイッチ。
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JP20763699A JP3616279B2 (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | イグニッションスイッチ |
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JP2001035325A JP2001035325A (ja) | 2001-02-09 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010036844A (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-18 | Honda Lock Mfg Co Ltd | 乗物用盗難防止装置 |
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1999
- 1999-07-22 JP JP20763699A patent/JP3616279B2/ja not_active Expired - Fee Related
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