JP3615670B2 - 透明化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は透明化粧料に関し、更に詳細には、水溶性L−アスコルビン酸誘導体のべたつき感を低減し、透明性に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、視覚的、感触的な清涼感やみずみずしさを演出するために、外観が透明な化粧料が市販されている。これらの透明化粧料は、水系成分のみから構成されるものや、油分を界面活性剤を用いて可溶化したものが一般的である。
一方、美白効果や抗酸化作用を付与する目的で、各種の水溶性L−アスコルビン酸誘導体が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水溶性L−アスコルビン酸誘導体を透明化粧料に応用しようとした場合、単に水系中に溶解しただけではべたつき感を生じるという問題点があった。そのため、外観上の清涼感やみずみずしさと、実際に使用した際の感触に差異があり、イメージ通りの使用感を有する透明化粧料が得られなかった。
また、油分を配合してそのべたつき感を抑制しようとすると、良好な透明性が得られなかったり、透明なものとするために界面活性剤を多量に配合して可溶化すると、逆にこの可溶化剤がべたつき感を強めてしまうという問題があった。
したがって、水溶性L−アスコルビン酸誘導体を配合してもべたつき感が少なく、使用感に優れ、良好な透明性を有する透明化粧料の開発が望まれていた。
【0004】
【問題を解決するための手段】
このような課題を鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の変性ジメチルポリシロキサンを配合することにより、水溶性L−アスコルビン酸誘導体のべたつき感を低減した透明化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)水溶性ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン
(B)水溶性L−アスコルビン酸誘導体
を含有し、且つ、油剤の含有量が0.1重量%以下であることを特徴とする透明化粧料である。
さらに、成分(A)の水溶性ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンのHLBが、10以上であることを特徴とする透明化粧料である。
さらには、成分(A)と成分(B)の配合重量比が、(A):(B)=1:0.1〜1:10であることを特徴とする透明化粧料である。
以下、詳述する。
【0006】
【本発明の実施の形態】
本発明に用いられる成分(A)のポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンは、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部を(ポリ)オキシエチレン及び/又は(ポリ)オキシプロピレン等のポリエーテルで変性したものであり、水溶性のものであればいずれをも使用することができるが、HLBが10以上のものが好ましい。具体的には、KF351A、KF353A、KF354A、KF615A、KF618、KF6011、KF6013(以上、信越化学工業社製)、SILWET L−77、L−7604、L−7605、L−7607、FZ−2104、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、SS−2801、SS−2802、SS−2804(以上、日本ユニカー社製)、SH3746、SH3771(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられ、目的に応じてこれらの一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0007】
これら成分(A)の配合量は特に限定されず、剤型に応じて適宜選択できるが、好ましくは0.01〜30重量%(以下、単に「%」と記す)、より好ましくは、0.1〜20%である。
【0008】
本発明で用いられる成分(B)成分の水溶性L−アスコルビン酸誘導体は水溶性であれば特に限定されないが、具体的には、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸リン酸カルシウム、L−アスコルビン酸硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸硫酸マグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸カルシウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜選択して配合することができる。これらの中でも、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸硫酸ナトリウムが好ましい。
【0009】
これら成分(B)の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは1〜5%である。
なお、上述した成分(A)と成分(B)の配合重量比を(A):(B)=1:0.1〜1:10で配合すると、よりべたつき感が低減され透明性も良好なものとなり、本発明の効果が顕著なものとなる。
【0010】
さらに、本発明の透明化粧料においては、油剤の含有量が0.1%以下であることが必須であり、実質的に油剤を含有しないものでも良い。油剤含有量が0.1%を超えると、良好な透明性を得るのが困難となり、可溶化剤を多量に配合して透明性をもたせたとしてもそれによるべたつき感が生じるため、使用感の良好な化粧料を得ることができない。
油剤としては、化粧料に一般に用いられるものであれば特に限定されず、天然の動植物油、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、グリセライド油、シリコーン油、フッ素系油剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を上述した量以下で用いることができる。
【0011】
なお、本発明における透明化粧料は、コントロールとして蒸留水の透明度を100としたとき、透明度が90〜100の領域にあるものをいう。透明度が90未満であると系が半透明〜白濁となり、外観上好ましくない。
【0012】
本発明の透明化粧料においては、上記必須成分に加え、さらに一般に化粧料に配合される成分、例えば界面活性剤、粉体、水溶性高分子、有機酸塩、保湿剤、防腐剤、香料、各種薬剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0013】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
【0014】
実施例1〜8及び比較例1〜6
下記表1及び表2に示す組成の化粧水を製造し、使用感及び透明性について評価した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
(製造方法)
成分1〜4を混合溶解した水系に、成分5〜12を溶解したアルコール系を均一に添加混合し、化粧水を得た。
【0018】
(評価方法1)
使用感:専門評価パネル10名による実使用テストをおこなった。得られた化粧水を肌に塗布した際の「べたつき感のなさ」及び「みずみずしさ」について下記基準にて5段階評価し、さらにその平均点から判定した。
[評価]
5点:非常に良好。
4点:良好。
3点:普通。
2点:やや不良。
1点:非常に不良。
[評価]
◎:平均点4.5点以上
○:平均点3.5点以上4.5点未満
△:平均点2.5点以上3.5点未満
×:平均点2.5点未満
【0019】
(評価方法2)
透明性:各サンプルの透明性については、分光光度計(UV−2500PC:島津製作所製)をもちいて測定し、蒸留水の透明度を100としたとき、透明度が90〜100のものを◎、透明度が90未満であるものを×として判定した。
得られた結果を表1及び表2に併せて示す。
【0020】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜8の透明化粧料は、使用感、透明性ともに優れたものであった。それに対し、比較例においては、すべての評価項目を満足し得る結果が得られなかった。
【0021】
実施例9 美容液
(成分) (%)
1.L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム 3.0
2.精製水 残量
3.キサンタンガム 1.0
4.水溶性ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(注1) 1.0
5.香料 適量
6.防腐剤 適量
7.エタノール 10.0
(注1)SS−2802(日本ユニカー社製;HLB14)
【0022】
(製造方法)
成分1〜4を混合溶解した水系に、成分5〜7を混合溶解したアルコール系を均一に添加混合し、美容液を得た。
実施例9は、べたつき感が少なく使用感に優れ、良好な透明性を有する美容液であった。
【0023】
実施例10 ピールオフパック
(成分) (%)
1.ポリビニルアルコール 15.0
2.L−アスコルビン酸硫酸ナトリウム 1.0
3.水溶性ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(注1) 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 5.0
5.精製水 残量
6.防腐剤 適量
7.香料 適量
8.エタノール 10.0
(注1)KF−6011(信越化学工業社製;HLB14.5)
【0024】
(製造方法)
成分1〜5を加熱混合し、均一に溶解する。それに成分6〜8のアルコール系を添加混合してピールオフパックを得た。
実施例10は、べたつき感が少なく使用感に優れ、良好な透明性を有するピールオフパックであった。
【0025】
実施例11 マッサージ料
(成分) (%)
1.ヒドロキシエチルセルロース 2.0
2.L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム 1.0
3.ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(注1) 5.0
4.精製水 残量
5.香料 適量
6.防腐剤 適量
7.1,3−ブチレングリコール 15.0
(注1)SH3771(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製;HLB13)
【0026】
(製造方法)
成分1〜4を混合溶解し、これに成分5〜7を均一に添加混合してマッサージ料を得た。
実施例11は、べたつき感が少なく使用感に優れ、良好な透明性を有するマッサージ料であった。
【0027】
実施例12 クレンジング料
(成分) (%)
1.L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム 1.0
2.水溶性ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(注1) 10.0
3.精製水 残量
4.POE(20)オレイルエーテル 0.5
5.防腐剤 適量
6.香料 適量
7.エタノール 5.0
(注1)SH3746(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製;HLB11)
【0028】
(製造方法)
成分1〜3を混合溶解し、これに成分4〜7のアルコール系を均一に添加混合してクレンジング料を得た。
実施例12は、べたつき感が少なく使用感に優れ、良好な透明性を有するクレンジング料であった。
【0029】
実施例13 ヘアミスト
(成分) (%)
1.L−アスコルビン酸硫酸ナトリウム 0.5
2.水溶性ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(注1) 5.0
3.精製水 残量
4.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.05
5.防腐剤 適量
6.香料 適量
7.エタノール 10.0
(注1)KF−6011(信越化学工業社製;HLB14.5)
【0030】
(製造方法)
成分1〜4を混合溶解し、これに成分5〜8のアルコール系を均一に添加混合してヘアミストを得た。
実施例13は、べたつき感が少なく使用感に優れ、良好な透明性を有するヘアミストであった。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の透明化粧料は、水溶性L−アスコルビン酸誘導体のべたつきが抑制され使用感に優れ、外観的にも良好な透明性を有するものである。
Claims (3)
- 次の成分(A)及び(B);
(A)水溶性ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン
(B)水溶性L−アスコルビン酸誘導体
を含有し、且つ、油剤の含有量が0.1重量%以下であることを特徴とする透明化粧料。 - 成分(A)の水溶性ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンのHLBが、10以上であることを特徴とする請求項1記載の透明化粧料。
- 成分(A)と成分(B)の配合重量比が、(A):(B)=1:0.1〜1:10であることを特徴とする請求項1又は2記載の透明化粧料。
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JP09349599A JP3615670B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 透明化粧料 |
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Family Applications (1)
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-
1999
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