JP3615435B2 - 動画再生装置及びこれに用いるバッファ回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスク等の記録媒体に記録された動画データに応じた一連の動画をモニタに表示することが可能な動画再生装置、並びに該装置に用いるバッファ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク等の記録媒体に記録されたNTSC(National Television System Committee)動画データに応じた一連の動画をモニタに表示する装置として、図7に示す如きNTSC動画装置(2)が知られている。
該NTSC動画装置(2)は、MPEG(Moving Picture Coding Experts Group)方式による圧縮処理の施されたNTSC動画データが記録されたハードディスクを駆動して該NTSC動画データを再生するハードディスクドライブ装置(22)を具え、該ハードディスクドライブ装置(22)には、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス(21)を介して、非リアルタイム性のOS(オペレーティングシステム)、例えばWindows(Microsoft社の登録商標)が搭載されたCPU(20)が接続されている。
PCIバス(21)には、パラレルインターフェース(24)を介してデコードボード(25)が接続され、該デコードボード(25)には、同期ボード(26)が接続されている。
【0003】
CPU(20)には、メインメモリ(23)が接続されると共に、ハードディスクを駆動して制御データを再生するハードディスクドライブ装置(27)が接続されている。又、CPU(20)には、ISAバス(28)を介して、操作キー等を表示するためのLCD(液晶ディスプレイ)(29)が接続されている。
【0004】
CPU(20)は、制御用のハードディスクドライブ装置(27)から読み出した制御データに応じて、動画データ用のハードディスクドライブ装置(22)から動画データを読み出し、読み出した動画データを一旦メインメモリ(23)に書き込んだ後、該動画データをメインメモリ(23)から読み出してパラレルインターフェース(24)に供給する。
パラレルインターフェース(24)に供給された動画データは、該インターフェース(24)にてタイミングがとられて一定の速度でデコードボード(25)に供給され、該ボード(25)にて、MPEGデコードされた後、音声信号と映像信号とが分離される。
【0005】
音声信号は、スピーカ(図示省略)へ出力される一方、映像信号は、同期ボード(24)に供給されて同期がとられた後、モニタ(図示省略)へ出力される。
この結果、モニタに動画が表示されると共に、スピーカから該動画の音声が出力されることになる。
【0006】
ところで、NTSC動画装置においては、動画データの読出し処理及び書込み処理以外に、ユーザによる入力操作に応じた処理、LCD(29)に対する表示処理等、他のタスク処理が発生する。
仮に、上記NTSC動画装置(2)において性能の低いCPU(20)が採用されている場合、CPU(20)に搭載されているOSはリアルタイム性を有しないため、CPU(20)は、前記他のタスク処理を実行している間、ハードディスクドライブ装置(22)から動画データを読み出してメインメモリ(23)に書き込む処理を行なうことが出来ず、前記タスク処理が終了した後、該書込み処理を実行する。
【0007】
又、PCIバス(21)は同時に2以上のデータを転送することが出来ないため、CPU(20)は、ハードディスクドライブ装置(22)から動画データを読み出してメインメモリ(23)に書き込むと同時に、メインメモリ(23)から動画データを読み出してパラレルインターフェース(24)に供給することが出来ず、前記書込み処理が終了した後、パラレルインターフェース(24)に対する動画データの供給処理を実行する。
【0008】
従って、パラレルインターフェース(24)に対する動画データの供給が、前記タスク処理の実行時間だけ遅れることとなり、パラレルインターフェース(24)からデコードボード(25)に対する動画データの供給が一時的に停止される。
この結果、モニタにおける映像表示が一時的に停止されると共に音声が途切れることになる。
そこで、上記NTSC動画装置(2)においては、性能の高いCPU(20)を採用することによって、かかる問題が解決されている。
【0009】
ところで、上記NTSC動画装置(2)を、ハイビジョン動画データのハイビジョン動画装置に応用することが考えられる。
しかしながら、ハイビジョン動画装置においては、ハイビジョンの動画データはNTSCの動画データに比べてデータ量が多いため、NTSC動画装置(2)において採用していたCPU(20)と同程度の高い性能を有するCPUを採用することによっては、上記問題を解決することが出来ない。
【0010】
そこで本発明者らは、図8に示す如く、デコードボード(14)の前段に、上記パラレルインターフェース(24)に代えて安定供給回路(13)を設けたハイビジョン動画装置(3)を開発した。
安定供給回路(13)は、図9に示す如く、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)を具え、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)の前段には、第1スイッチ(133)が設けられる。第1スイッチ(133)は、第1バッファ(131)側、或いは第2バッファ(132)側の何れか一方に切換え可能であり、前記CPU(30)によるソフトウエア処理によって切換え制御されている。第1スイッチ(133)が第1バッファ(131)側に切り換えられた状態で、メインメモリ(16)から第1バッファ(131)に対する動画データの書込みが可能となる一方、第2バッファ(132)側に切り換えられた状態で、メインメモリ(16)から第2バッファ(132)に対する動画データの書込みが可能となる。
【0011】
又、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)の後段には、第2スイッチ(134)が設けられる。第2スイッチ(134)は、第1バッファ(131)側と第2バッファ(132)側の何れか一方に切換え可能であり、前記CPU(30)によるソフトウエア処理によって切換え制御されている。第2スイッチ(134)が第1バッファ(131)側に切り換えられた状態で第1バッファ(131)から動画データの読出しが可能となる一方、第2バッファ(132)側に切り換えられた状態で第2バッファ(132)から動画データの読出しが可能となる。第1バッファ(131)或いは第2バッファ(132)から読み出された動画データは、後段のデコードボード(14)に供給される。
尚、第1スイッチ(133)及び第2スイッチ(134)は、CPU(30)によるソフトウエア処理に限らず、ハードウエア回路によって切り換えることも可能である。
【0012】
図10は、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)に対する動画データ書込み処理、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)からの動画データ読出し処理、ハードディスクドライブ装置(12)からの動画データ読出し処理のタイミングを表わしている。ここで、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)の記録容量は夫々、例えば512Kバイト、CPU(30)が1回のアクセスでハードディスクドライブ装置(12)から読み出す動画データのデータ量は、例えば682Kバイトに設定される。
【0013】
先ず、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始し、該処理が終了した時点Aにて、メインメモリ(16)から第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを開始し、第1バッファ(131)が満杯になって第1バッファ(131)に対する書込み処理が終了した時点Bで、第1バッファ(131)からの動画データの読出しを開始すると同時に、メインメモリ(16)から第2バッファ(132)に対する動画データの書込みを開始する。
メインメモリ(16)が空になった時点Cでは、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始し、該処理が終了した時点Dで、メインメモリ(16)から第2バッファ(132)に対する動画データの書込みを再開する。
【0014】
第2バッファ(132)が満杯になって第2バッファ(132)に対する書込み処理が終了した後、第1バッファ(131)が空になって第1バッファ(131)からの読出し処理が終了した時点Eでは、第2バッファ(132)からの動画データの読出しを開始すると同時に、メインメモリ(16)から第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを開始する。
メインメモリ(16)が空になった時点Fでは、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始し、該処理が終了した時点Gで、メインメモリ(16)から第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを再開する。
【0015】
第1バッファ(131)が満杯になって第1バッファ(131)に対する書込み処理が終了した後、第2バッファ(132)が空になって第2バッファ(132)からの読出し処理が終了した時点Hでは、第1バッファ(131)からの動画データの読出しを開始すると同時に、メインメモリ(16)から第2バッファ(132)に対する動画データの書込みを開始する。
【0016】
CPU(30)は、図示の如く、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)の何れか一方のバッファからの動画データ読出し処理を実行している期間内に、ハードディスクドライブ装置(12)からの動画データ読出し処理、及び他方のバッファに対する動画データ書込み処理を実行することにより、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)から交互に連続して動画データを読み出し、該連続した動画データをデコードボード(14)に供給することが出来る。
この様にして、モニタにおける映像表示が一時的に停止すると共に音声が途切れる問題の解決が図られている。
【0017】
図11及び図12は、上記タイミングで、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)に対する動画データ書込み処理、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)からの動画データ読出し処理、及びハードディスクドライブ装置(12)からの動画データ読出し処理を実現するための手続きを表わしている。
図示の如く、先ず図11のステップS21にて、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始した後、ステップS22では、前記処理が終了したか否かを判断し、ノー(No)と判断された場合はステップS22にて同じ判断を繰り返す。
【0018】
一方、ステップS22にてイエス(Yes)と判断された場合は、ステップS23に移行して、第1スイッチ(133)を第1バッファ(131)側に切り換えて第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを開始する。
次にステップS24では、第1バッファ(131)が満杯(FULL)になったか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS24にて同じ判断を繰り返す。
【0019】
第1バッファ(131)が満杯になってステップS24にてイエスと判断された場合は、ステップS25に移行して、第2スイッチ(134)を第1バッファ(131)側に切り換えて第1バッファ(131)から動画データの読出しを開始すると共に、第1スイッチ(133)を第2バッファ(132)側に切り換えて第2バッファ(132)に対する動画データの書込みを開始する。
【0020】
続いてステップS26では、メインメモリ(16)が空(EMPTY)になったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS26にて同じ判断を繰り返す一方、メインメモリ(16)が空になってイエスと判断された場合はステップS27に移行する。
ステップS27では、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始した後、ステップS28にて、前記処理が終了したか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS28にて同じ判断を繰り返す。
【0021】
一方、ステップS28にてイエスと判断された場合は、ステップS29に移行して、ステップS29では、第2バッファ(132)が満杯になると共に第1バッファ(131)が空になったか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS29にて同じ判断を繰り返す。
第2バッファ(132)が満杯になると共に第1バッファ(131)が空になってステップS29にてイエスと判断された場合は、ステップS30に移行して、ハードディスクドライブ装置(12)から全ての動画データを読み出したか否かを判断し、イエスと判断された場合は手続きを終了する一方、ノーと判断された場合は、図12のステップS31に移行する。
【0022】
ステップS31では、第2スイッチ(134)を第2バッファ(132)側に切り換えて第2バッファ(132)から動画データの読出しを開始すると共に、第1スイッチ(133)を第1バッファ(131)側に切り換えて第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを開始する。
【0023】
続いてステップS32では、メインメモリ(16)が空になったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS32にて同じ判断を繰り返す一方、メインメモリ(16)が空になってイエスと判断された場合はステップS33に移行する。
ステップS33では、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始した後、ステップS34では、前記処理が終了した否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS34にて同じ判断を繰り返す。
【0024】
その後、ステップS35では、第1バッファ(131)が満杯になると共に第2バッファ(132)が空になったか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS35にて同じ判断を繰り返す。
一方、第1バッファ(131)が満杯になると共に第2バッファ(132)が空になってステップS35にてイエスと判断された場合、ステップS36に移行して、ハードディスクドライブ装置(12)から全ての動画データを読み出したか否かを判断し、イエスと判断された場合は手続きを終了する一方、ノーと判断された場合は、図11のステップS25に戻る。
上記手続きによって、図10に示すタイミングで、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)に対する動画データ書込み処理、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)からの動画データ読出し処理、及びハードディスクドライブ装置(12)からの動画データ読出し処理を実現することが出来る。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記安定供給回路(13)を具えたハイビジョン動画装置(3)においても、以下の原因により、依然として、モニタにおける映像表示が停止すると共に音声が途切れる問題があった。
【0026】
即ち、上記ハイビジョン動画装置(3)においては、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)の記録容量はそれぞれ512Kバイト、CPU(30)が1回のアクセスでハードディスクドライブ装置(12)から読み出す動画データのデータ量は、682Kバイトに設定されている。
【0027】
従って、図10に示す第2バッファ(132)が満杯になった時点D′では、ハードディスクドライブ装置(12)から読み出した動画データがメインメモリ(16)に残っており、CPU(30)は、時点D′から第1バッファ(131)が空になる時点Eまでの期間、次の書込み先となる第1バッファ(131)にアクセスしている。又、同様に、CPU(30)は、第1バッファ(131)が満杯になった時点G′から第2バッファ(132)が空になる時点Hまでの期間、第2バッファ(132)にアクセスしている。
このため、上記ハイビジョン動画装置(3)においては、ユーザによる入力操作に応じた処理、LCD(19)に対する表示処理等のタスク処理は、時点E或いは時点Hから開始されることになる。
【0028】
上記ハイビジョン動画装置(3)においては、一方のバッファに対する書込みとハードディスクドライブ装置(12)からの読出しとの総実行時間、即ち時点Bから時点D′までの時間、或いは時点Eから時点G′までの時間は、他方のバッファからの読出しの実行時間、即ち時点Bから時点Eまでの時間、或いは時点Eから時点Hまでの時間よりも短く設定されており、時点D′から時点Eまでの余裕時間と、時点G′から時点Hまでの余裕時間が設けられている。
【0029】
図13は、図10に示す時点Eから上述の他のタスク処理が開始された場合のタイムチャートを表わしている。
図示の如く、時点Eから他のタスク処理が開始された場合、該タスク処理が終了した時点E′で、第1バッファ(131)に対する動画データの書込みが開始される。
ここで、該タスク処理には、前記余裕時間、即ち図10の時点G′から時点Hまでの時間よりも長い時間がかかる。従って、第2バッファ(132)からの動画データの読出しが終了した時点Iよりも、タスク処理の実行時間から前記余裕時間を引いた時間だけ遅い時点Jで、第1バッファ(131)に対する動画データの書込みが終了して、該時点Jから第1バッファ(131)からの動画データの読出しが開始されることとなり、時点Iから時点Jまでの期間、デコードボード(14)に対する動画データの供給が停止されることとなる。この結果、モニタにおける映像表示が一時的に停止すると共に、音声が途切れることになる。
この様に、上記ハイビジョン動画装置(3)においては、他のタスク処理の発生によって、一方のバッファに対する書込み処理が他方のバッファからの読出し処理よりも遅く終了することにより、バッファからの読出しが不連続となって、上記問題が生じるのである。
【0030】
そこで、上記問題を解決する方法として、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)の記録容量を増大させる方法、バッファに対する書込み速度を増大させる方法、ハードディスクドライブ装置(12)からメインメモリ(16)に対する動画データの供給やメインメモリ(16)から安定供給回路(13)に対する動画データの供給をCPU(30)を介することなく直接に行なう方法が考えられる。
しかし、これらの方法は、何れもハードウエアの変更を伴うものであるため、望ましくない。
【0031】
又、上記安定供給回路(13)を具えたハイビジョン動画装置(3)においては、例えばハードディスクに記録されている一連の動画データのファイルサイズが2050Kバイトである場合、2050Kバイトの一連の動画データは、図14に示す如く、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)がそれぞれ満杯となるまで、即ち512Kバイトずつ第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)にそれぞれ2回書き込まれ、最後に、残りの2Kバイトの動画データが第1バッファ(131)に書き込まれることになる。
従って、第1バッファ(131)は3回目の書込み処理によって満杯になることがなく、図12のステップS35にてノーと判断され続けることになる。この結果、第1バッファ(131)に書き込まれている2Kバイトの動画データが永久に読み出されず、ハードディスクに記録されている一連の動画データが最後までデコードボード(14)に供給されない問題があった。
【0032】
そこで、上記問題を解決する方法として、ハードディスクに記録されている一連の動画データの最後尾にエンドコードを付加して、該エンドコードを検出することにより一連の動画データの最後尾を認識する方法や、一連の動画データの最終部のみについて、バッファのアドレスが最後であることを表わすアドレスエンドコードの出力位置をソフトウエアにより変更する方法が考えられる。
しかし、一連の動画データの最後尾にエンドコードを付加する方法は、ハードディスクに記録されているファイル自体を変更するものであるため、望ましくない。又、アドレスエンドコードの出力位置を変更する方法は、ハードウエアの構成が複雑になるため、望ましくない。
【0033】
本発明の目的は、ハードディスク等の記録媒体に記録されている一連の動画データを常に連続してデコードボードに供給することが出来る動画再生装置を提供することである。
又、本発明の他の目的は、ハードディスク等の記録媒体に記録されている一連の動画データを最後まで確実にデコードボードに供給することが出来るバッファ回路及びこれを具えた動画再生装置を提供することである。
【0034】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る動画再生装置は、一連の動画を構成している動画データが格納された動画データ格納装置と、前記動画データに必要な信号処理を施してモニタに供給すべき映像信号を作成する信号処理回路と、動画データ格納装置から読み出された動画データを一旦格納するためのメインメモリと、メインメモリから読み出される断続的な動画データを連続した動画データに変換して前記信号処理回路に供給する安定供給回路と、動画データ格納装置からのデータの読出し、メインメモリに対するデータの書込み及び読出し、並びに安定供給回路の制御を行なう制御回路と、動画データ格納装置、安定供給回路及び制御回路が接続されたバスとを具えている。
前記安定供給回路は、複数のバッファ手段と、これらのバッファ手段を切り換えるための切換え手段とを具え、制御回路は、動画データ格納装置から前記バッファ手段の記録容量の1/n倍、若しくはn倍(nは1以上の整数)のデータ量を有する動画データを読み出して、メインメモリに書き込む。
【0035】
具体的には、制御回路は、動画データ格納装置から前記バッファ手段の記録容量の1/n倍のデータ量を有する動画データを読み出し、データ読出し対象となる読出し対象バッファ手段とデータ書込み対象となる書込み対象バッファ手段の切換え制御において、読出し対象バッファ手段からの読出し期間内に行なうべき動画データ格納装置からのn回の読出しの内、第1回目の読出しと、前記読出し対象バッファ手段からの読出しとを同時に開始し、動画データ格納装置からの前記データ量の読出し完了直後に書込み対象バッファ手段に対する書込みを開始し、読出し対象バッファ手段からの読出し期間内に行なわれる動画データ格納装置からのn回の読出しと書込み対象バッファ手段に対するn回の書込みの総実行時間は、読出し対象バッファ手段からの1回の読出しの実行時間よりも短く設定されている。
【0036】
本発明に係る動画再生装置においては、制御回路は、動画データ格納装置からバッファ手段の記録容量の1/n倍のデータ量を有する動画データを読み出してメインメモリに供給するので、書込み対象バッファ手段に対しn回の書込みを実行して書込み対象バッファ手段が満杯となった時点で、メインメモリには、動画データ格納装置から読み出された動画データは残っていない。従って、前記書込み対象バッファ手段が満杯となった時点から、読出し対象バッファ手段からの1回の読出しが終了する時点までの期間、制御回路は、次の書込み対象バッファ手段にアクセスしておらず、ユーザによる入力操作に応じた処理、ディスプレイに対する表示処理等のタスク処理が発生した場合、これらのタスク処理は、前記書込み対象バッファ手段が満杯となった時点から開始される。
【0037】
該タスク処理は、前記書込み対象バッファ手段が満杯となった時点から前記読出し対象バッファ手段からの1回の読出しが終了する時点までの時間と、次の書込み対象バッファ手段が満杯となった時点から次の読出し対象バッファ手段からの1回の読出しが終了する時点までの時間とを合計した時間よりも短い時間で実行される。従って、次の書込み対象バッファ手段が満杯となる時点は、次の読出し対象バッファ手段からの1回の読出しが終了する時点よりも早く、該読出しが終了した時点から、更に次の読出し対象バッファ手段からの読出しが開始される。 この様にして、信号処理回路に対して常に連続して動画データが供給されることになる。
【0038】
具体的には、前記データ量は、動画データ格納装置のセクタサイズの整数倍である。
【0039】
該具体的構成を有する動画再生装置においては、動画データ格納装置から読み出してメインメモリに供給する動画データのデータ量は、動画データ格納装置のセクタサイズの整数倍に設定されているので、制御回路は、同じセクタから重複して動画データを読み出すことがなく、高い読出し効率が得られる。
【0040】
本発明に係る他の動画再生装置は、バッファ回路を具え、該バッファ回路の後段に、動画データに必要な信号処理を施してモニタに供給すべき映像信号を作成する信号処理回路が接続されている。
バッファ回路は、複数のバッファ手段と、これらのバッファ手段を切り換えるための切換え手段と、切換え手段の動作を制御する制御手段とを具え、制御手段は、1つのバッファ手段に対する書込みと、他の1つのバッファ手段からの読出しとを同時に行ない、書込み対象となっているバッファ手段が満杯になる第1時点と読出し対象となっているバッファ手段が空になる第2時点が一致し、或いは前記第1時点が前記第2時点よりも先行する様に、切換え手段の切換え、並びにバッファ手段に対する書込みと読出しを制御する。
本発明の特徴的構成において、制御手段は、書込み対象となっている1つのバッファ手段の一部にデータが書き込まれているという条件と、読出し対象となっている他の1つのバッファ手段が空であるという条件の2つの条件が満たされた時点で、前記データが書き込まれている1つのバッファ手段からのデータの読出しを開始する。
【0041】
本発明に係る他の動画再生装置において、例えばハードディスク等の記録媒体に記録されている一連の動画データのファイルサイズが2050Kバイトであって、バッファ手段の記録容量が512Kバイトである場合、2050Kバイトの一連の動画データは、バッファ手段がそれぞれ満杯となるまで、即ち512Kバイトずつ各バッファ手段に書き込まれ、最後に、残りの2Kバイトの動画データが1つのバッファ手段に書き込まれることになる。
上記動画再生装置においては、残りの2Kバイトが1つのバッファ手段に書き込まれた後、読出しの対象となっている他の1つのバッファ手段が空になった時点で、前記2Kバイトのデータが書き込まれている1つのバッファ手段からのデータの読出しが開始される。
この様にして、ハードディスク等の記録媒体に記録されている一連の動画データが最後まで確実に信号処理回路に供給されることになる。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る動画再生装置によれば、ハードディスク等の記録媒体に記録されている一連の動画データを常に連続してデコードボードに供給することが出来る。
又、本発明に係る他の動画再生装置によれば、ハードディスク等の記録媒体に記録されている一連の動画データを最後まで確実にデコードボードに供給することが出来る。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1は、本実施例のハイビジョン動画装置(1)の構成を表わしている。
本実施例のハイビジョン動画装置(1)は、図示の如く、MPEG方式による圧縮処理の施されたハイビジョン動画データが記録されたハードディスクを駆動して該ハイビジョン動画データを再生するハードディスクドライブ装置(12)を具えている。該ハードディスクドライブ装置(12)は、例えば512バイトのセクタサイズを有している。
ハードディスクドライブ装置(12)には、PCIバス(11)を介して、非リアルタイム性のOS、例えばWindows(Microsoft社の登録商標)が搭載されたCPU(10)が接続されている。
【0044】
PCIバス(11)には、安定供給回路(13)が接続され、安定供給回路(13)には、デコードボード(14)が接続されている。デコードボード(14)には、同期ボード(15)が接続されている。
CPU(10)には、メインメモリ(16)が接続されると共に、ハードディスクを駆動して制御データを再生するハードディスクドライブ装置(17)が接続されている。又、CPU(10)には、ISAバス(18)を介して、操作キー等を表示するためのLCD(19)が接続されている。
【0045】
CPU(10)は、制御用のハードディスクドライブ装置(17)から読み出した制御データに応じて、動画データ用のハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出し、読み出した動画データを一旦メインメモリ(16)に書き込んだ後、該動画データをメインメモリ(16)から読み出して安定供給回路(13)に供給する。
安定供給回路(13)に供給された動画データは、後述の如く該回路(13)にてタイミングがとられて一定の速度でデコードボード(14)に供給され、MPEGデコードされた後、音声信号と映像信号とが分離される。
音声信号は、スピーカ(図示省略)へ出力される一方、映像信号は、同期ボード(15)に供給されて同期がとられた後、ハイビジョンモニタ(図示省略)へ出力される。
この結果、ハイビジョンモニタに動画が表示されると共に、スピーカから該動画の音声が出力されることになる。
【0046】
上記安定供給回路(13)は、図9に示す如く、第1バッファ(131)、第2バッファ(132)、両バッファ(131)(132)の前段に設けられた第1スイッチ(133)及び、両バッファ(131)(132)の後段に設けられた第2スイッチ(134)から構成されている。第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)は夫々、512Kバイトの記録容量を有している。
【0047】
第1スイッチ(133)は、第1バッファ(131)側と第2バッファ(132)側の何れか一方に切換え可能であり、前記CPU(10)によるソフトウエア処理によって切換え制御されている。第1スイッチ(133)が第1バッファ(131)側に切り換えられた状態で、メインメモリ(16)から第1バッファ(131)に対する動画データの書込みが可能となる一方、第2バッファ(132)側に切り換えられた状態で、メインメモリ(16)から第2バッファ(132)に対する動画データの書込みが可能となる。
【0048】
第2スイッチ(134)は、第1バッファ(131)側と第2バッファ(132)側の何れか一方に切換え可能であり、前記CPU(10)によるソフトウエア処理によって切換え制御されている。第2スイッチ(134)が第1バッファ(131)側に切り換えられた状態で、第1バッファ(131)から動画データの読出しが可能となる一方、第2バッファ(132)側に切り換えられた状態で、第2バッファ(132)から動画データの読出しが可能となる。第1バッファ(131)或いは第2バッファ(132)から読み出された動画データは、後段のデコードボード(14)に供給される。
尚、第1スイッチ(133)及び第2スイッチ(134)は、CPU(10)によるソフトウエア処理に限らず、ハードウエア回路によって切り換えることも可能である。
【0049】
図2は、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)に対する動画データ書込み処理、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)からの動画データ読出し処理、ハードディスクドライブ装置(12)からの動画データ読出し処理のタイミングを表わしている。ここで、CPU(10)は、1回のアクセスで、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)のそれぞれの記録容量と同一であって、ハードディスクドライブ装置(12)のセクタサイズの1024倍である512Kバイトの動画データを、ハードディスクドライブ装置(12)から読み出す。
【0050】
先ず、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始し、該処理が終了した時点Aにて、メインメモリ(16)から第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを開始する。
第1バッファ(131)が満杯になって第1バッファ(131)に対する書込み処理が終了した時点Bで、第1バッファ(131)からの動画データの読出しを開始すると同時に、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始し、該処理が終了した時点Cで、メインメモリ(16)から第2バッファ(132)に対する動画データの書込みを開始する。
【0051】
第2バッファ(132)が満杯になって第2バッファ(132)に対する書込み処理が終了した後、第1バッファ(131)が空になって第1バッファ(131)からの読出し処理が終了した時点Dでは、第2バッファ(132)からの動画データの読出しを開始すると同時に、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始し、該処理が終了した時点Eで、メインメモリ(16)から第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを開始する。
第1バッファ(131)が満杯になって第1バッファ(131)に対する書込み処理が終了した後、第2バッファ(132)が空になって第2バッファ(132)からの読出し処理が終了した時点Fでは、第1バッファ(131)からの動画データの読出しを開始すると同時に、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始する。
【0052】
本実施例のハイビジョン動画装置(1)においては、CPU(10)が1回のアクセスでハードディスクドライブ装置(12)から読み出す動画データのデータ量と、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)のそれぞれの記録容量とが同一値に設定されているので、第2バッファ(132)が満杯になった時点C′、第1バッファ(131)が満杯になった時点E′では、ハードディスクドライブ装置(12)から読み出した動画データがメインメモリ(16)に残っていない。従って、CPU(10)は、時点C′から時点Dまでの期間、及び時点E′から時点Fまでの期間、次の書込み先である第1バッファ(131)或いは第2バッファ(132)にアクセスしておらず、動画データの読出し処理及び書込み処理以外の処理、例えばユーザによる入力操作に応じた処理やLCD(19)に対する表示処理等の他のタスク処理が発生した場合、該タスク処理は、時点C′或いは時点E′から開始されることになる。
【0053】
又、該ハイビジョン動画装置(1)においては、一方のバッファに対する書込みとハードディスクドライブ装置(12)からの読出しとの総実行時間、即ち時点Bから時点C′までの時間、或いは時点Dから時点E′までの時間は、他方のバッファからの読出しの実行時間、即ち時点Bから時点Dまでの時間、或いは時点Dから時点Fまでの時間よりも短く設定されており、時点C′から時点Dまでの余裕時間、時点E′から時点Fまでの余裕時間が設けられている。これらの余裕時間は、従来のハイビジョン動画装置(3)における余裕時間と同程度の値に設定されている。
【0054】
図3は、図2に示す時点C′から前記他のタスク処理が開始された場合のタイムチャートを表わしている。
図示の如く、時点C′から他のタスク処理が開始された場合、該タスク処理が終了した時点C″で、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始し、該処理が終了した時点Gで、第1バッファ(131)に対する動画データの書込みが開始される。
ここで、前記タスク処理は、前記2回の余裕時間、即ち図2の時点C′から時点Dまでの時間と時点E′から時点Fまでの時間とを合計した時間よりも短い時間で終了する。従って、第1バッファ(131)に対する動画データの書込みが終了した時点G′よりも遅い時点Fで、第2バッファ(132)からの動画データの読出しが終了して、該時点Fから第1バッファ(131)からの動画データの読出しが開始されることになる。
【0055】
本実施例のハイビジョン動画装置(1)においては、上述の如く、他のタスク処理の発生によって、一方のバッファに対する書込み処理が他方のバッファからの読出し処理よりも遅く終了することはなく、他方のバッファからの読出し処理が終了した時点から一方のバッファからの読出し処理が開始される。従って、デコードボード(14)には、常に連続して動画データが供給されることとなり、モニタにおける映像表示が一時的に停止すると共に音声が途切れることはない。
【0056】
図5及び図6は、上記タイミングで、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)に対する動画データ書込み処理、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)からの動画データ読出し処理、及びハードディスクドライブ装置(12)からの動画データ読出し処理を実現するための手続きを表わしている。
図示の如く、先ず図5のステップS1にて、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始した後、ステップS2では、前記処理が終了したか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS2にて同じ判断を繰り返す。
【0057】
一方、ステップS2にてイエスと判断された場合は、ステップS3に移行して、第1スイッチ(133)を第1バッファ(131)側に切り換えて第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを開始した後、ステップS4では、第1バッファ(131)が満杯になったか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS4にて同じ判断を繰り返す。
【0058】
第1バッファ(131)が満杯になってステップS4にてイエスと判断された場合は、ステップS5に移行し、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始すると共に、第2スイッチ(134)を第1バッファ(131)側に切り換えて第1バッファ(131)から動画データの読出しを開始する。
続いてステップS6では、前記メインメモリ(16)への書込み処理が終了したか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS6にて同じ判断を繰り返す。
【0059】
一方、ステップS6にてイエスと判断された場合は、ステップS7に移行して、第1スイッチ(133)を第2バッファ(132)側に切り換えて第2バッファ(132)に対する動画データの書込みを開始する。
次にステップS8では、第2バッファ(132)が満杯になると共に第1バッファ(131)が空になったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS10に移行する。
【0060】
ステップS10では、第2バッファ(132)が満杯でなく、且つ第1バッファ(131)が空であるか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS8に戻る一方、イエスと判断された場合はステップS11に移行して、第2スイッチ(134)を第2バッファ(132)側に切り換えて第2バッファ(132)から動画データの読出しを開始する。次にステップS12では、第2バッファ(132)が空になったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS12にて同じ判断を繰り返す一方、イエスと判断された場合は、手続きを終了する。
【0061】
第2バッファ(132)が満杯になると共に第1バッファ(131)が空になって、前記ステップS8にてイエスと判断された場合は、ステップS9に移行して、ハードディスクドライブ装置(12)から全ての動画データを読み出したか否かを判断し、イエスと判断された場合は手続きを終了する一方、ノーと判断された場合は、図6のステップS13に移行する。
【0062】
ステップS13では、ハードディスクドライブ装置(12)から動画データを読み出してメインメモリ(16)に書き込む処理を開始すると共に、第2スイッチ(134)を第2バッファ(132)側に切り換えて第2バッファ(132)から動画データの読出しを開始した後、ステップS14では、前記メインメモリ(16)への書込み処理が終了したか否かを判断し、ノーと判断された場合は、ステップS14にて同じ判断を繰り返す。
【0063】
一方、ステップS14にてイエスと判断された場合は、ステップS15に移行して、第1スイッチ(133)を第1バッファ(131)側に切り換えて第1バッファ(131)に対する動画データの書込みを開始する。
次にステップS16では、第1バッファ(131)が満杯になると共に第2バッファ(132)が空になったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS18に移行する。
【0064】
ステップS18では、第1バッファ(131)が満杯でなく、且つ第2バッファ(132)が空であるか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS16に戻る一方、イエスと判断された場合はステップS19に移行して、第2スイッチ(134)を第1バッファ(131)側に切り換えて第1バッファ(131)から動画データの読出しを開始する。次にステップS20では、第1バッファ(131)が空になったか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS20にて同じ判断を繰り返す一方、イエスと判断された場合は、手続きを終了する。
【0065】
第1バッファ(131)が満杯になると共に第2バッファ(132)が空になって、前記ステップS16にてイエスと判断された場合は、ステップS17に移行して、ハードディスクドライブ装置(12)から全ての動画データを読み出したか否かを判断し、イエスと判断された場合は手続きを終了する一方、ノーと判断された場合は、図5のステップS5に戻る。
該手続きによって、図2に示すタイミングで、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)に対する動画データ書込み処理、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)からの動画データ読出し処理、及びハードディスクドライブ装置(12)からの動画データ読出し処理を実現することが出来る。
【0066】
本実施例のハイビジョン動画装置(1)においては、例えばハードディスクに記録されている一連の動画データのファイルサイズが2050Kバイトである場合、2050Kバイトの一連の動画データは、図14に示す如く、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)がそれぞれ満杯となるまで、即ち512Kバイトずつ第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)にそれぞれ2回書き込まれ、最後に、残りの2Kバイトの動画データが第1バッファ(131)に書き込まれることになる。
上記手続きによれば、この2Kバイトの動画データが第1バッファ(131)に書き込まれた後、第2バッファ(132)が空になった時点で、図6のステップS18にてイエスと判断され、ステップS19で、該2Kバイトの動画データの読出しが開始される。
従って、ハードディスクに記録されている一連の動画データが確実に最後までデコードボード(14)に供給されることになる。
【0067】
又、本実施例のハイビジョン動画装置(1)においては、CPU(10)は、上述の如く1回のアクセスで、ハードディスクドライブ装置(12)のセクタサイズ512バイトの整数倍、具体的には1024倍である512Kバイトの動画データを、ハードディスクドライブ装置(12)から読み出す。
仮に、CPUが、ハードディスクドライブ装置(12)のセクタサイズの整数倍でない1025バイトの動画データをハードディスクドライブ装置(12)から読み出す場合、CPUは、図4(a)に二重線の矢印で示す如く、1回目のアクセスでセクタ1〜3から動画データを読み出した後、2回目のアクセスでセクタ3〜5を読み出すことになり、セクタ3から2回、動画データを読み出すことになる。
これに対し、CPUが、本実施例のハイビジョン動画装置(1)のCPU(10)の如く、ハードディスクドライブ装置(12)のセクタサイズの整数倍である1024バイトの動画データをハードディスクドライブ装置(12)から読み出す場合、同図(b)に二重線の矢印で示す如く、1回目のアクセスでセクタ1及び2から動画データを読み出した後、2回目のアクセスでセクタ3及び4を読み出すことになる。
従って、本実施例のハイビジョン動画装置(1)においては、同一のセクタから重複して動画データが読み出されることはなく、高い読出し効率が得られる。
【0068】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、CPU(10)が1回のアクセスでハードディスクドライブ装置(12)から読み出す動画データのデータ量は、第1バッファ(131)及び第2バッファ(132)の記録容量と同一の値に設定されているが、これに限らず、これらの記録容量の1/n倍、若しくはn倍(nは2以上の整数)に設定することも可能であり、この場合においても、ハードディスクに記録されている一連の動画データを常に連続してデコードボード(14)に供給することが出来る。
又、上記実施の形態においては、第1バッファ(131)と第2バッファ(132)の2つのバッファを採用しているが、3つ以上のバッファを採用することも可能である。
更に、上記実施の形態においては、本発明をハイビジョン動画データの動画装置(1)に実施しているが、これに限らず、その他の動画データの動画装置に実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハイビジョン動画装置の構成を表わすブロック図である。
【図2】上記ハイビジョン動画装置の第1バッファ及び第2バッファに対する書込み処理、第1バッファ及び第2バッファからの読出し処理、ハードディスクドライブからの読出し処理のタイミングを表わすタイムチャートである。
【図3】本発明に係るハイビジョン動画装置において、他のタスク処理が発生した場合のタイムチャートである。
【図4】CPUが1回のアクセスでハードディスクドライブ装置から読み出す動画データのデータ量と、ハードディスクドライブ装置のセクタサイズとの関係を表わす図である。
【図5】本発明のCPUによる動画データ読出し及び書込み手続きの前半を表わすフローチャートである。
【図6】上記手続きの後半を表わすフローチャートである。
【図7】従来のNTSC動画データの動画装置の構成を表わすブロック図である。
【図8】従来のハイビジョン動画装置の構成を表わすブロック図である。
【図9】安定供給回路の構成を表わすブロック図である。
【図10】上記ハイビジョン動画装置の第1バッファ及び第2バッファに対する書込み処理、第1バッファ及び第2バッファからの読出し処理、ハードディスクドライブからの読出し処理のタイミングを表わすタイムチャートである。
【図11】従来のCPUによる動画データ読出し及び書込み手続きの前半を表わすフローチャートである。
【図12】上記手続きの後半を表わすフローチャートである。
【図13】従来のハイビジョン動画装置において、他のタスク処理が発生した場合のタイムチャートである。
【図14】ハードディスクに記録されている一連の動画データのファイルサイズと、第1バッファ及び第2バッファの記録容量との関係を表わす図である。
【符号の説明】
(1) ハイビジョン動画装置
(11) PCIバス
(12) ハードディスクドライブ装置
(13) 安定供給回路
(131) 第1バッファ
(132) 第2バッファ
(133) 第1スイッチ
(134) 第2スイッチ
(14) デコードボード
(15) 同期ボード
(16) メインメモリ
(17) ハードディスクドライブ装置
(18) ISAバス
(19) LCD
Claims (4)
- 一連の動画を構成している動画データが格納された動画データ格納装置と、前記動画データに必要な信号処理を施してモニタに供給すべき映像信号を作成する信号処理回路と、動画データ格納装置から読み出された動画データを一旦格納するためのメインメモリと、メインメモリから読み出される断続的な動画データを連続した動画データに変換して前記信号処理回路に供給する安定供給回路と、動画データ格納装置からのデータの読出し、メインメモリに対するデータの書込み及び読出し、並びに安定供給回路の制御を行なう制御回路と、動画データ格納装置、安定供給回路及び制御回路が接続されたバスとを具えた動画再生装置であって、安定供給回路は、複数のバッファ手段と、これらのバッファ手段を切り換えるための切換え手段とを具え、制御回路は、動画データ格納装置から前記バッファ手段の記録容量の1/n倍、若しくはn倍(nは1以上の整数)のデータ量を有する動画データを読み出して、メインメモリに書き込むことを特徴とする動画再生装置。
- 制御回路は、動画データ格納装置から前記バッファ手段の記録容量の1/n倍のデータ量を有する動画データを読み出し、データ読出し対象となる読出し対象バッファ手段とデータ書込み対象となる書込み対象バッファ手段の切換え制御において、読出し対象バッファ手段からの読出し期間内に行なうべき動画データ格納装置からのn回の読出しの内、第1回目の読出しと、前記読出し対象バッファ手段からの読出しとを同時に開始し、動画データ格納装置からの前記データ量の読出し完了直後に書込み対象バッファ手段に対する書込みを開始し、読出し対象バッファ手段からの読出し期間内に行なわれる動画データ格納装置からのn回の読出しと書込み対象バッファ手段に対するn回の書込みの総実行時間は、読出し対象バッファ手段からの1回の読出しの実行時間よりも短く設定されている請求項1に記載の動画再生装置。
- 前記データ量は、動画データ格納装置のセクタサイズの整数倍である請求項1又は請求項2に記載の動画再生装置。
- 複数のバッファ手段と、これらのバッファ手段を切り換えるための切換え手段と、切換え手段の動作を制御する制御手段とを具え、制御手段は、1つのバッファ手段に対する書込みと、他の1つのバッファ手段からの読出しとを同時に行ない、書込み対象となっているバッファ手段が満杯になる第1時点と読出し対象となっているバッファ手段が空になる第2時点が一致し、或いは前記第1時点が前記第2時点よりも先行する様に、切換え手段の切換え、並びにバッファ手段に対する書込みと読出しを制御するバッファ回路において、制御手段は、書込み対象となっている1つのバッファ手段の一部にデータが書き込まれているという条件と、読出し対象となっている他の1つのバッファ手段が空であるという条件の2つの条件が満たされた時点で、前記データが書き込まれている1つのバッファ手段からのデータの読出しを開始することを特徴とするバッファ回路。
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