JP3615017B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から照射され、原稿を透過又は反射した光を集光し、その結像位置で固体撮像素子によって受光し原稿画像を読取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
原稿画像を主走査方向にライン状に配列した固体撮像素子(CCDラインセンサ)で読取る画像読取装置では、原稿画像が反射原稿の場合、透明のガラス板(プラテンガラス)上に画像が下向きになるように原稿を載置し、必要に応じて原稿裏面(上面)を押さえ板で抑えた状態で、プラテンガラス下に主走査方向が長手方向とされたライン状光源を配設し、この光源から原稿画像に向けて光を照射する。
【0003】
原稿から反射した光は、複数の光学系(ミラー)を介して、CCDラインセンサの受光面へ案内される構造となっている。
【0004】
光源は、副走査方向へ移動しながら原稿画像をスキャニングし、この間CCDラインセンサまでの光路長を一定に維持しながら、順次画像が読み取られる。
【0005】
ここで、前記光路長を一定に維持するための構成として、光源のスキャニングする第1の移動体と、この第1の移動体による光路長変動分を相殺するように移動する第2の移動体と、を組み合わせ、これらを同期させて移動させることが一般的である。この場合、光路の構造によって様々ではあるが、第2の移動体によって光路を180°反射(一対のミラー面の挟角を互いに90°とし、このミラーの一方に45°の入射角で光を入射させることにより、90°反射+90°反射=180°反射)させる場合、第1の移動体を原稿長分移動させる間に、第2の移動体を同一方向に第1の移動体の1/2の移動量とするように速度を設定する。すなわち、第1の移動体の速度=2×第2の移動体の速度となる。
【0006】
この第1の移動体及び第2の移動体は、無端のワイヤに固定し、無端のワイヤを一対の滑車に巻き掛け、例えば、一方の滑車を駆動させることによって移動させる構造となっている。
【0007】
ここで、ワイヤには弾性があり、第1の移動体及び第2の移動体には慣性があるため、駆動時に共振して振動する。このときの共振周波数fr は、以下の式で表すことができる。
【0008】
【数1】
【0009】
なお、第1の移動体及び第2の移動体は、個々に上記共振周波数を持っているが、移動量を大きい方、すなわち原稿長分移動する第1の移動体の振動がCCDラインセンサによる読取りに大きく影響を及ぼす。
【0010】
すなわち、CCDラインセンサには、サンプリング周波数が定められており、所定期間毎に1ラインの端から端への各固体撮像素子が画像を読み取っていく(受光していく)ため、前記第1の移動体の振動により、読取副走査ピッチが不均一となる。CCDラインセンサがRGBの各色毎に1本のラインを持つ場合には、色ずれの原因にもなる。
【0011】
本発明は上記事実を考慮し、移動体の振動による読取副走査ピッチの不均一さを必要最小限に抑制することができる画像読取装置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光源からの光を原稿上に走査して照射し、該原稿からの画像を光学系により固体撮像素子の受光面に結像させて画像情報を読取る画像読取装置であって、少なくとも前記光学系を含む走査ユニットと、該走査ユニットに取り付けられ、該走査ユニットを走査移動させるための可撓性長尺体とを有し、前記可撓性長尺体の弾性係数Kと前記走査ユニットの質量Mに起因して前記走査ユニットの移動時に生じる共振周波数frと、前記固体撮像素子のサンプリング周波数fsとにおいて、一方が他方に対して整数分の1倍又は整数倍としたことを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ユニットが弾性長尺体の一部に取付けられ、この弾性長尺体を緊張状態で軸線方向へ移動させると、この弾性長尺体の弾性係数Kと移動体の質量Mとにより、振動が発生し、共振する。共振周波数は、下記(2)式で求めることができる。
【0014】
【数2】
【0015】
ユニットがこの共振周波数で振動していると、常に一定のタイミングでサンプリングする固体撮像素子のサンプリング時期毎の移動ピッチに差が生じることになる。そこで、前記共振周波数fy と、固体撮像素子のサンプリング周波数fs との間の関係を整数分の1又は整数倍とする。これにより、サンプンリング時期のずれ量が同一となる点が、前記整数分の1又は整数周期に1回あり、サンプンリング時期毎のずれが拡散するのではなく、所定の周期毎に収束させることができる。
【0016】
最も好ましいのは、共振周波数と、サンプリング周波数とを一致させることで仮に、最大振幅時がサンプリング時期となっても、相対的には、差を無くすことができる。しかし、互いに調整可能な範囲があり、好ましくは共振周波数fr :サンプリング周波数fs をfr :fs =1:2〜4(すなわち、fsがfrに対して2〜4倍)、或いは2〜4:1(すなわち、fsがfrに対して1/2 〜1/4 倍)程度である。
【0017】
請求項2に記載の発明は、原稿を透明のプラテンガラスの所定位置に載置した状態で、前記原稿の主走査方向に沿ったスリット状の光を照射し、その透過又は反射光を主走査方向にライン状に配列された固体撮像素子によって、スリット状の光を副走査方向へ移動しながら読み取る画像読取装置であって、前記スリット状の光を照射する光源を含み原稿に沿って副走査方向へ一定の搬送速度で移動する第1のキャリッジと、前記第1のキャリッジから原稿からの透過又は反射光を受け、前記固体撮像素子へ案内すると共に、前記副走査方向移動による光路長の変化を相殺するように前記第1のキャリッジの搬送速度に対して1/2の搬送速度で移動する第2のキャリッジと、前記第1のキャリッジ及び第2のキャリッジが取付けられ、駆動手段の駆動力により、前記第1のキャリッジ及び第2のキャリッジを前記副走査方向へ移動させるワイヤと、を有し、前記第1のキャリッジ及び第2のキャリッジの移動時に前記ワイヤの弾性係数Kと前記第1のキャリッジ又は第2のキャリッジの一方の質量Mに起因して生じる共振周波数frと、前記固体撮像素子のサンプリング周波数fs とにおいて、一方ガ他方に対して整数分の1又は整数倍としたことを特徴としている。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、一般的にライン走査光学系に用いられる系であり、第1のキャリッジと第2のキャリッジとが、同期して移動すると共にその速度が第2のキャリッジが第1のキャリッジに対して1/2となるように設定されている。
【0019】
このように複数のキャリッジが存在する場合、当然個々に共振周波数が存在するが、最も長い距離を移動するキャリッジの最も振幅が激しく、サンプンリグ時期に大きく影響を及ぼすため、この最も長い距離を移動するキャリッジを選択し、この選択された第1のキャリッジ又は第2のキャリッジの共振周波数fr と、サンプリング周波数fs との間関係を整数分の1又は整数倍とする。これにより、振動による副走査ピッチのずれを軽減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係る画像読取/記録装置10の概略全体構成図が示されている。
【0021】
この画像読取/記録装置10は、画像読取部であるスキャナ部SCNと、画像を記録するプリンタ部PRTと、で構成されており、機台12上にスキャナ部SCNが配設されている。また、プリンタ部PRTは、機台12の内部に配設されている。
(スキャナ部SCN)
図1には、本実施の形態に係るスキャナ部SCNが示されている。
【0022】
スキャナ部SCNの箱型のケーシング200によって被覆されており、上面中央部には、矩形の開口部が設けられ、透明のプラテンガラス202が嵌め込まれている。プラテンガラス202は、平面原稿載置台としての機能を有し、その上には、平面画像を記録した原稿が下向きに載置されるようになっている。
【0023】
プラテンガラス202上には、開閉可能な押さえカバー204が設けられている。この押さえカバー204は、ケーシング200の奥側において、ケーシング200にヒンジ止めされており、このヒンジを中心に回動可能となっている。
【0024】
従って、この押さえカバー204の閉止状態では、原稿を上からプラテンガラス202の方向に押圧保持することができる。
【0025】
ケーシング200の上面手前側には、図示しない操作/表示パネルが配設され、各種の機能の指示、また装置内の動作状態の表示等がなされるようになっている。
【0026】
ケーシング200内には、走査部208が配設されている。走査部208は、コントローラ209によって制御される。この走査部208は、原稿画像の幅方向(主走査方向)に延出されたハロゲンランプ及びリフレクタを備えた光源210、この光源210と共に原稿画像の幅方向に延出された第1のミラー212が組み込まれた第1のキャリッジ214と、第2のミラー216及び第3のミラー218が組み込まれた第2のキャリッジ220と、絞り222、色調整フィルタ及びNDフィルタ等で4枚構成とされるフィルタ群224、結像のためのレンズ226によって構成される固定ユニット228と、で構成されている。
【0027】
第1のキャリッジ214では、光源210からの光をプラテンガラス202面上に載置された原稿に照射し、その反射光(垂下する光軸の光)を第1のミラー212で90°偏向し、第2のキャリッジ220の第2のミラー216へ案内する役目を有する。
【0028】
第2のキャリッジ220では、第2のミラー216の反射面が前記第1のミラー212と対向し、かつ平行な状態とされており、第1のミラー212から光を受けると、第2のミラー216で90°偏向し、さらに第3のミラー218で90°偏向する。
【0029】
この第3のミラー218で最終的にプラテンガラス202の面と平行とされた光は、固定ユニット228を経て、CCDラインセンサ230の受光部へと至るようになっている。この固定ユニット228では、絞り222やフィルタ群224のNDフィルタによって光量の調整が行われ、フィルタ群224の色調整フィルタによって各色バランスの調整が行われる。また、レンズ226によって、原稿画像がCCDラインセンサ230の受光面上で結像する構成となっている。
【0030】
ここで、第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220は、プラテンガラス202の下方で原稿面に沿って副走査方向に往復移動する。このとき、原稿反射位置からCCDラインセンサ230の受光部までの光路長を常に一定に維持するべく、第2のキャリッジ220が第1のキャリッジ214の1/2の搬送速度で同一方向へ移動するようになっている。この第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220の1往復動作が1画像分の走査であり(往路時に画像読取)、これにより、プラテンガラス202上の原稿画像を読み取ることができる。
【0031】
なお、CCDラインセンサ230のサンプリング周波数fs は、後述する第1のキャリッジ214(又は第2のキャリッジ220)の移動時に発生する振動の共振周波数fr によって定められるようになっている。
【0032】
図2乃至図4には、第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220の移動機構が示されている。
【0033】
第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220は、それぞれ箱型のケーシング400(図3及び図4参照)に収容されている。この箱型のケーシング400は、底面に略X状の絞り加工が施され(図5に示す、絞り加工部401)、強度補強がなされている。このため、第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220の移動による振動がこのケーシング400に伝達されても、共振して振動することを抑制することができる(剛性強化による振動抑制)。
【0034】
また、図3又は図4に示される如く、開口面周縁には、振動に起因するびびり音等の発生を防止し、剛性強化により振動を抑制するために、多数のスポット溶接が施されている。
【0035】
ケーシング400の内方における、主走査方向一端部側には、副走査方向に沿ってシャフト402が配設されている。このシャフト402には、シャフト402に沿って移動可能な大小の2個のスライドベース404、406がスベリ部材407(図6参照)を介して取付けられている。スライドベース(大)404は、上面が開口された箱型とされ、側面には第2のキャリッジ220の主走査方向一端が取付けられている。
【0036】
なお、スベリ部材407は、スライドベース404に一体形成された円筒部材404Aの内周に圧入することで、スライドベース(大)404と一体化している。
【0037】
前記ケーシング400のシャフト402が設けられた一端とは反対側の端部には、スライドプレート408が設けられており、第2のキャリッジ220の他端部には、このスライドプレート408に載置される摺動片410が設けられている。これにより、第2のキャリッジ220は、一方がシャフト402に支持され、他方がスライドプレート408に支持されることになる。
【0038】
スライドプレート408と接触片410とは、適度な摩擦力を有しており、このため、第2のキャリッジ220の摺動時には、摩擦力に抗して円滑に移動でき、かつ滑りすぎてバウンドしたりすることもない。
【0039】
なお、スライドプレート408の支持面を平面としたが、図7(A)に示される如く、凸状の円弧面とされたスライドプレート409によって支持してもよい。この場合はスライドプレート409に被さるように凸状の円弧面とされた摺動片411とする必要がある。また、図7(B)に示される如く、摺動方向に複数の筋が形成されるように波面が形成されたスライドプレート413、摺動片415としてもよい。
【0040】
前記スライドベース(大)404には、スライドベース(小)406が収容されている。このスライドベース(小)406は、前記スライドベース(大)404とは独立して移動可能となっている。
【0041】
このスライドベース(小)406にも、円筒部材406Aが一体形成され、その内周にスベリ部材407が圧入されている(図6参照)。
【0042】
スライドベース(小)406の支持板412は、一方が前記スライドプレート408上まで延長され、その先端部がスライドプレート408に支持され、摺動片として機能する。この支持板412における、シャフト402とスライドプレート408との間に前記第1のキャリッジ214を構成する光学系が配置されている。このように、第1のキャリッジ214と第2のキャリッジ220とは、平面視では、重なることになるが、上下方向でオフセットされており、互いの干渉はない。
【0043】
また、前述の如く、第2のキャリッジ220の移動量は第1のキャリッジ214の移動量の1/2で、かつ同期して移動するため、スライドベース(小)406がスライドベース(大)404の中で一端から他端まで移動する間に、スライドベース(大)404自体が同一方向に1/2の長さ移動し、このスライドベース(小)406とスライドベース(大)404との干渉もない。
【0044】
ケーシング400のシャフト402が設けられた側の側面には、長孔(図示省略)が設けられ、スライドベース(大)404の側面に軸支された軸414が遊嵌されている。
【0045】
軸414の先端には、滑車416が取付けられ、ワイヤ418が巻き掛けられている。このワイヤ418の一端は、ケーシング400の所定の位置に係止され、他方は、スライドベース(小)406の支持板412から延設された、ブラケット部412Aに設けられた一対のピン420、422に略S字状に巻き掛けられている。すなわち、一対のピン420、422は、主走査方向(図2の矢印A方向)にオフセットされており、ワイヤ418が軸方向へ移動することにより、この移動方向に応じて第1のキャリッジ214にモーメントが加わるようになっている。このため、第1のキャリッジ214の移動時におけるシャフト402との間のがたつきをなくすことができる。
【0046】
前記一対のピン420、422に巻き掛けられたワイヤ418は、ケーシング400のシャフト402の軸線方向一端部(図2の奥側)から延設されたブラケット(図示省略)に取付けられた滑車424に巻き掛けられている。この滑車424は、軸線が垂直とされてる。
【0047】
水平に巻き掛けられたワイヤ418は、駆動ローラ426に複数回螺旋状に巻き掛けられた後、ケーシング400のシャフト402の軸線方向他端部(図2の手前側)から延設されたブラケット(図示省略)に取付けられた滑車428に巻き掛けられている。この滑車428は、軸線が垂直とされてる。
【0048】
水平に巻き掛けられたワイヤ418は、前記スライドベース(大)404に軸414を介して取付けられた滑車416に巻き掛けられ、一端が所定の位置に係止された引っ張りコイルばね430に他端に取付けられている。なお、引っ張りコイルばね430の一端は、張力調整用ブラケット432(図8参照)を介して係止されており、この張力調整ブラケット432には、クランク状の溝432Aが形成されている。このため、このクランク状の溝432Aの何れかの位置で係止することにより、ワイヤ張力を調整することができる。
【0049】
ここで、前記滑車416には、軸線方向にオフセットされて2本のワイヤ(実際は1本のワイヤ418の両端部近傍)が2重に巻き掛けられていることになり、所謂動滑車の役目を有する。
【0050】
図9に示される如く、前記駆動ローラ426には、同軸上にはすば歯車434が取付けられ、モータ436の回転軸に取付けられたはすば歯車438と噛み合っている。このため、モータ436が駆動することにより、駆動ローラ426が回転し、ワイヤ418を軸線方向に移動させることができる。
【0051】
このはすば歯車434438の噛み合いにより、歯のガタつきを極力抑え、歯車から発生する振動を制限することができる。
【0052】
また、このモータ436には、図示しないフライホイールが取付けられており、回転むらを抑制している。従って、このフライホイールの取付けにより、モータ436を振動源とする振動はほとんど影響を及ぼすことがない。
【0053】
なお、図10(A)に示される如く、モータ436側に設ける歯車をウォームギヤ439としてもよい。また、図10(B)に示される如く、両方の歯車はかさはすば歯車441、443としてもよい。
【0054】
ここで、モータ436は、ステッピングモータが適用されており、その制御は、マイクロスッテップ方式(W1−2相励磁方式)がとられている。このマイクロステップ方式では、図11(A)に示される、通常の2相励磁方式の制御ステップに比べ、図11(B)に示される如く、正弦波に近いレベルで細かいステップ制御を行うことができ、円滑な回転を実現している。
【0055】
ワイヤ418の軸線移動に伴い、第1のキャリッジ214は、ワイヤ418の線速度と同一速度で移動するが、第2のキャリッジ220は、滑車(動滑車)416を介して連結されているため、第1のキャリッジ214の移動時間内に同期して、第1のキャリッジ214の1/2の長さ移動することになる。
【0056】
ここで、本実施の形態では、第1のキャリッジ214と第2のキャリッジ220の内、長く移動する方、すなわち第1のキャリッジ214を選択し、この第1のキャリッジ214の重量(質量M)と、ワイヤ418の弾性(K)によって生じる共振周波数fr を求め、この共振周波数fr から、前記CCDラインセンサ230のサンプリング周波数fs を、整数分の1又は整数倍となるように設定する。
【0057】
例えば、第1のキャリッジ214の質量Mが200g、ワイヤ418の弾性係数Kが50N/mm とすると、共振周波数は、前記(2)式から、約80Hz(計算上は79.6) であることが決まる。
【0058】
【数3】
【0059】
ここで、サンプリング周波数fs を、この2倍の160Hz に設定する。
図12には、共振周波数fr とサンプリング周波数fs の相関関係図が示されており、この図12に示すように、サンプリング起点(図5参照)における振幅が2回に1回で収束するようになっている。また、副走査方向の走査ピッチ誤差の最大値を、図12のS点とR点との間に抑制することができる。従って、ランダムに誤差が変動し、かつこの誤差が拡散していくことを防止することができる。これにより、副走査方向に移動中に副走査方向の振動があっても、CCDラインセンサ230で読み取る副走査ピッチを同一とすることができる。
【0060】
読み取った画像データは、例えば、外部接続されたパソコン等内のRAMメモリ又はハードディスク上に記録される。
【0061】
なお、ケーシング200上面には、プラテンガラス202の上を所定の隙間を持って主走査方向へ移動するプルーフ用光源ユニット232が配設されている。このプルーフ用光源ユニット232は、プラテンガラス202上に透過原稿が載置された場合の光源として適用されるものである。
【0062】
すなわち、このプルーフ用光源ユニット232は、その一端部(装置奥側)が光源ユニット駆動部234と連結されており、この光源ユニット駆動部234の駆動力により、前記第1のキャリッジ214と同等の動作を行う。
【0063】
ここで、透過原稿を走査する場合には、第1のキャリッジ214と同期がとられてプルーフ用光源ユニット232が動作する。このとき、第1のキャリッジ214の光源210は消灯しておき、プルーフ用光源ユニット232内の光源(図示省略)が点灯することにより、第1のミラー212で透過原稿画像を得ることができる。その後の動作は、反射原稿の場合と同様である。
(プリンタ部PRT)
図1には、画像読取/記録装置10の機台12内のプリンタ部PRTが示されている。
【0064】
機台12の内部には、感光材料16を収納する感材マガジン14が配置されており、感材マガジン14から引き出されたこの感光材料16の感光(露光)面が左方へ向くように感光材料16が感材マガジン14にロール状に巻き取られている。
【0065】
感材マガジン14の感光材料取出し口の近傍には、ニップローラ18およびカッタ20が配置されており、感材マガジン14から感光材料16を所定長さ引き出した後に切断することができる。カッタ20は、例えば固定刃と移動刃から成るロータリータイプのカッタとされており、移動刃を回転カム等によって上下に移動させて固定刃と噛み合わせ感光材料16を切断することができる。
【0066】
カッタ20の側方には、複数の搬送ローラ24、26、28、30、32、34が順に配置されており、各搬送ローラの間には図示しないガイド板が配設されている。所定長さに切断された感光材料16は、まず搬送ローラ24、26の間に設けられた露光部22へ搬送される。
【0067】
この露光部22の左側には露光装置38が設けられている。露光装置38には、3種のLD、レンズユニット、ポリゴンミラー、ミラーユニットが配置されており(何れも、図示省略)、露光装置38から光線Cが露光部22に送られて、感光材料16が露光されるようになっている。
【0068】
なお、LDをポリゴンミラーで振り子の如く走査する構成を用いず、LEDを主走査方向に配列して1ラインを同時に露光する構成であってもよい。
【0069】
さらに、露光部22の上方には、感光材料16をU字状に湾曲させて搬送するUターン部40及び画像形成用溶媒を塗布する為の水塗布部50が設けられている。尚、本実施の形態において画像形成用溶媒としては水が用いられる。
【0070】
感材マガジン14から上昇し露光部22にて露光された感光材料16は、搬送ローラ28、30によりそれぞれ挟持搬送されてUターン部40の上側寄りの搬送経路を通過しつつ水塗布部50へ送り込まれる。
【0071】
一方、図1に示すように、機台12内の左上端部には受像材料108を収納する受材マガジン106が配置されている。この受像材料108の画像形成面には媒染剤を有する色素固定材料が塗布されており、受材マガジン106から引き出された受像材料108の画像形成面が下方へ向くように受像材料108が受材マガジン106にロール状に巻き取られている。
【0072】
受材マガジン106の受像材料取出し口の近傍には、ニップローラ110が配置されており、受材マガジン106から受像材料108を引き出すと共にそのニップを解除することができる。
【0073】
ニップローラ110の側方にはカッタ112が配置されている。カッタ112は前述の感光材料用のカッタ20と同様に、例えば固定刃と移動刃から成るロータリータイプのカッタとされており、移動刃を回転カム等によって上下に移動させて固定刃と噛み合わせることにより、受材マガジン106から引き出された受像材料108を感光材料16よりも短い長さに切断するようになっている。
【0074】
カッタ112の側方には、搬送ローラ132、134、136、138及び図示しないガイド板が配置されており、所定長さに切断された受像材料108を熱現像転写部120側に搬送できるようになっている。
【0075】
図1に示す如く、熱現像転写部120は、それぞれ複数の巻き掛けローラ140に巻き掛けられて、それぞれ上下方向を長手方向としたループ状にされた一対の無端ベルト122、124を有している。従って、これらの巻き掛けローラ140のいずれかが駆動回転されると、これらの巻き掛けローラ140に巻き掛けられた一対の無端ベルト122、124がそれぞれ回転される。
【0076】
これら一対の無端ベルト122、124の内の図上、右側の無端ベルト122のループ内には、上下方向を長手方向とした平板状に形成された加熱板126が、無端ベルト122の左側の内周部分に対向しつつ配置されている。この加熱板126の内部には、図示しない線状のヒータが配置されており、このヒータによって加熱板126の表面を昇温して所定の温度に加熱できるようになっている。
【0077】
従って、感光材料16は、搬送経路の最後の搬送ローラ34により熱現像転写部120の一対の無端ベルト122、124間に送り込まれる。また、受像材料108は感光材料16の搬送に同期して搬送され、感光材料16が所定長さ先行した状態で、搬送経路の最後の搬送ローラ138により熱現像転写部120の一対の無端ベルト122、124間に送り込まれて、感光材料16に重ね合わせられる。
【0078】
この場合、受像材料108は感光材料16よりも幅方向寸法および長手方向寸法がいずれも小さい寸法となっているため、感光材料16の周辺部は四辺とも受像材料108の周辺部から突出した状態で重ね合わせられることになる。
【0079】
以上より、一対の無端ベルト122、124によって重ね合わされた感光材料16及び受像材料108は、重ね合わせられた状態のままで一対の無端ベルト122、124によって挟持搬送されるようになる。さらに、重ね合わされた感光材料16と受像材料108が、一対の無端ベルト122、124間に完全に収まった時点で、一対の無端ベルト122、124は回転を一旦停止し、挟持した感光材料16と受像材料108を加熱板126で加熱する。感光材料16は、この挟持搬送時及び停止時において無端ベルト122を介して加熱板126により加熱されることとなり、加熱に伴って、可動性の色素を放出し、同時にこの色素が受像材料108の色素固定層に転写されて、受像材料108に画像が得られることになる。
【0080】
さらに、一対の無端ベルト122、124に対して材料供給方向下流側には、剥離爪128が配置されており、この剥離爪128が一対の無端ベルト122、124間で挟持搬送される感光材料16と受像材料108のうち、感光材料16の先端部のみに係合し、一対の無端ベルト122、124間より突出したこの感光材料16の先端部を受像材料108から剥離させることができる。
【0081】
剥離爪128の左方には感材排出ローラ148が配置されており、剥離爪128に案内されながら左方へ移動される感光材料16を、更に廃棄感光材料収容部150側へ搬送し得るようになっている。
【0082】
この廃棄感光材料収容部150は、感光材料16が巻き付けられるドラム152及び、このドラム152に一部が巻き掛けられているベルト154を有している。さらに、このベルト154は複数のローラ156に巻き掛けられており、これらローラ156の回転によって、ベルト154が廻され、これに伴ってドラム152が回転するようになっている。
【0083】
従って、ローラ156の回転によりベルト154が廻された状態で、感光材料16が送り込まれると、感光材料16がドラム152の周りに集積できるようになっている。
【0084】
他方、図1に示される如く、一対の無端ベルト122、124の下方から左方に向かって受像材料108を搬送し得るように受材排出ローラ162、164、166、168、170が順に配置されており、一対の無端ベルト122、124から排出された受像材料108は、これら受材排出ローラ162、164、166、168、170によって搬送されて、トレイ172へ排出されることになる。
(スキャナ部SCNとプリンタ部PRTとの振動特性)
図15には、本実施の形態に係るプリンタ部PRT上にスキャナ部SCNが載置された画像読取/記録装置の外観図が示されている。
【0085】
上述したように、スキャナ部SCNでは画像読取が行われ、プリンタ部PRTでは、画像信号に基づく画像記録が行われており、これらの動作はそれぞれ独立して制御される。
【0086】
スキャナ部SCNでは、第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220の移動に伴う駆動系があり、この駆動系が振動源となって振動するが、この振動は小さいものである。これに対して、プリンタ部PRTでは、感光材料16の搬送系、受像材料108の搬送系、熱現像転写部120での搬送系、カッタの作動、水塗布部50における水の循環系、レーザ走査のための駆動系等様々な振動発生源が存在し、全体として大きな振動源fprt を持つことになる。
【0087】
ここで、問題となるのは両者(スキャナ部SCNとプリンタ部PRT)間で振動の伝達が起こることであり、この振動の伝達を防止するためにダンパ450を介在している。
【0088】
ダンパ450には、当然弾性があるため、このダンパ450に支持されるスキャナ部SCNの慣性との間で共振周波数fscn が存在する。ここで、本実施の形態では、発生する共振周波数が前記プリンタ部PRT側の振動と一致しないように、ダンパ450の弾性を設定している。
【0089】
【数4】
【0090】
ここで、スキャナ部SCNの質量Mscn は、オプションの装着・未装着によって異なる。例えば、図15に鎖線で示される、プルーフユニットが搭載されると、スキャナ部の慣性は、Msc+αとなる。ここで、図示は省略したが、透過原稿に光を上から照射すると共に副走査方向へ移動するユニットも着脱可能であり、立体物を載置し、上から画像を読み取るようなユニットも存在する。このため、着脱可能なユニット数をNとした場合、スキャナ部SCNの慣性となり得る数は、NCN +NCN−1 +NCN−2 +NCN−3 +NCN−4 ・・・+NC1 となる。
【0091】
例えば、オプション数が3台の場合は、N=3であるので、3C3 +3C2 +3C1 =7となり、7種類のスキャナ部の質量Mscn(1)〜(7) が存在し得る。
【0092】
そこで、それぞれのスキャナ部SCNの慣性に基づいて、それぞれの共振周波数fscn(Mscn(1))〜fscn(Mscn(7))を求めておき、これら全てが、fprt と一致しないようにダンパ450の弾性を設定することにより、オプション有無に拘らず、プリンタ部PRTの振動と、ダンパ450及びスキャナ部SCNとの共振が発生することがない。
【0093】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
まず、原稿の種類を判別し、判別された原稿の種類に応じて、反射原稿か否か、反射原稿の場合で光沢有りか無しかの3種類に分類し、それぞれに適合するフィルタを挿入し、この状態が維持されて画像の読取りが開始される。すなわち、プラテンガラス202面上に原稿を載置し、押さえカバー204を閉じ、操作/表示パネルのキー操作によって読取開始が指示されると、この場合透過原稿であるため、プルーフ用光源ユニット232内の光源を点灯し、第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220を同期させて動作を開始する。なお、後述する反射原稿の場合は、光源210を点灯する。)このとき、第1のキャリッジ214の搬送速度V1 と、第2のキャリッジ220の搬送速度V2 との関係は、V1 =2V2 である。これを維持することによって、原稿画像面からCCDラインセンサ230の受光面までの光路長を常に一定に維持することができる。このような動作で、1画像分のスキャニングが完了する。
【0094】
ここで、第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220は、一方がシャフト402に支持され、他方がスライドプレート408に支持されて、適度な摩擦力を持って移動するため、がたつきが防止される。
【0095】
また、ケーシングに略X状の絞り加工が施されているため、剛性が高く、第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220の移動による振動がこのケーシング400に伝達されても、共振して振動することを抑制することができる。
【0096】
さらに、第1のキャリッジ214は、フルスケール(1画像分に相当)移動するため、ワイヤ418を係止する際に、主走査方向にオフセットされた一対のピン420、422に巻き掛けているため、ワイヤ418の駆動時に常に同一方向のモーメント(図14矢印M参照)が加わり、シャフト402とスライドベース(小)406とのガタつきを抑制することができる。
【0097】
ところで、第1のキャリッジ214及び第2のキャリッジ220には慣性があり、ワイヤ418には弾性があるため、副走査方向の振動を完全に抑制することはできない。この副走査方向の振動は、CCDラインセンサ230による読取位置のずれを生じさせ、色ずれ等の不具合が発生する。
【0098】
そこで、本実施の形態では、振動を大きい方、すなわちフルスケール移動する第1のキャリッジ214の共振周波数を演算によって求め、CCDラインセンサ230によるサンプリング周波数に相関関係を持たせた。すなわち、第1のキャリッジ214の共振周波数fr (80Hz)に対して、CCDラインセンサ230のサンプリング周波数(160Hz)が2(整数)倍となるようにセッティングした。
【0099】
これにより、図12に示される如く、振動があったとしても、その振動による副走査方向の走査ピッチ誤差は、図12のS点とR点との差が最大であり、それ以上の誤差が生じない。また、整数倍(2倍)としたため、2回のサンプリング毎にこの誤差が収束されるため、誤差が拡散することを防止することができる。
【0100】
このように、第1のキャリッジ214の共振周波数fr とCCDラインセンサ230のサンプリング周波数fs との間、整数倍又は整数分の1倍という相関関係を持たせることにより、振動による読取誤差を極力抑えることができ、仕上がり画像を向上することができる。
【0101】
なお、本実施の形態では、fr :fs =1:2 としたが、理想的には1:1が好ましく、整数値が小さいほど精度がよい。fr :fs の関係を1:4までが効果的である(実験結果による)。
【0102】
また、共振周波数fr の方がCCDラインセンサ230のサンプリング周波数fs よりも大きい場合は、整数分の1であれば、この整数値は如何なる数値であっても結果は同じとなる。すなわち、複数回(整数回)の振動毎に同一時期にサンプリング周波数のサンプンリング起点に至るので、全く副走査ピッチ誤差がない状態で走査することができる(図13参照)。
【0103】
次に、プリンタ部PRTの動作を説明する。
感材マガジン14がセットされた後には、ニップローラ18が作動され、感光材料16がニップローラ18によって引き出される。感光材料16が所定長さ引き出されると、カッタ20が作動して、感光材料16が所定長さに切断されると共に、その感光(露光)面を左方へ向けた状態で露光部22へ搬送される。そして、この感光材料16の露光部22の通過と同時に露光装置38が作動し、露光部22に位置する感光材料16へ画像が走査露光される。露光装置38には、前述したスキャナSCN部で読み取った画像データがパソコンで画像処理されて入力されており、この入力されたデータに基づいて光源の光量が制御され、画像が走査露光される。光源としては、レーザ(半導体レーザ)を用いる場合には、デューティ制御によって光量が制御されたレーザビームの光軸を振り子の如く往復移動させることにより主走査を行い、感光材料16の移動を副走査とすればよい。
【0104】
また、光源として、LED等の主走査方向に配列してLEDアレイを用いる場合には、LED光源を電流又は電圧制御して光量を制御し、1主走査を同時期に行うようにすればよい。
露光が終了すると、露光後の感光材料16は、水塗布部50に送られる。水塗布部50において画像形成用溶媒としての水が塗布された感光材料16は、搬送ローラ34によって熱現像転写部120の一対の無端ベルト122、124間へ送り込まれる。
【0105】
他方、感光材料16へ走査露光されるに伴って、受像材料108も受材マガジン106からニップローラ110によって引き出されて搬送される。受像材料108が所定長さ引き出されると、カッタ112が作動して受像材料108が所定長さに切断される。
【0106】
カッタ112の作動後は、切断された受像材料108がガイド板によって案内されながら搬送ローラ132、134、136、138によって搬送される。受像材料108の先端部が搬送ローラ138によって挟持されると、受像材料108は熱現像転写部120の直前で待機状態となる。
【0107】
そして、前述のように感光材料16が搬送ローラ34によって一対の無端ベルト122、124間へ送り込まれるのに伴って、受像材料108の搬送が再開されて、一対の無端ベルト122、124間へ受像材料108が感光材料16と一体的に送り込まれる。
【0108】
この結果、感光材料16と受像材料108が重ねられ、感光材料16と受像材料108とが加熱板126により加熱されつつ挟持搬送されて、熱現像転写を行って画像を受像材料108に形成する。
【0109】
さらに、一対の無端ベルト122、124からこれらが排出されると、受像材料108よりも所定長さ先行して搬送される感光材料16の先端部に剥離爪128が係合し、感光材料16の先端部を受像材料108から剥離する。この感光材料16は、さらに感材排出ローラ148によって搬送され、廃棄感光材料収容部150内に集積される。この際、感光材料16はすぐに乾燥するので、感光材料16を乾燥させる為に、ヒータ類をさらに設ける必要がなくなる。
【0110】
一方、感光材料16と分離された受像材料108は、受材排出ローラ162、164、166、168、170によって搬送され、トレイ172へ排出される。
【0111】
そして、複数枚の画像記録処理を実施する場合には、以上の工程が順次連続して行なわれる。
【0112】
このように、一対の無端ベルト122、124に挟まれて熱現像転写処理されて所定の画像が形成(記録)された受像材料108は、一対の無端ベルト122、124から排出された後に、複数の受材排出ローラ162、164、166、168、170によって挟持搬送されて装置外のトレイ172へ排出される。
【0113】
上記スキャナ部SCNとプリンタ部PRTとの間には、ダンパ450が介在されており、このダンパ450によって、プリンタ部PRTからの大きな振動をスキャナ部SCNへ伝達することを制限することができる。
【0114】
ところで、ダンパ450を用いることによって、スキャナ部SCNの慣性と、ダンパ450の弾性とによって共振して振動することがある。この共振周波数が前記プリンタ部PRTの振動数と一致すると、スキャナ部SCNに大きな振動が伝達されることがある。
【0115】
そこで、本実施の形態では、ダンパ450を選択する場合に、ダンパ450の弾性を以下の(4)式が成り立つように設定している。
【0116】
【数5】
【0117】
さらに、スキャナ部SCNに搭載されるオプションを考慮にいれ、複数のスキャナ部SCNの質量Mscn(1)〜(N) でそれぞれの共振周波数fscn(Mscn(1) 〜fscn(Mscn(7))を求めておき、これら全てが、fprt と一致しないようにダンパ450の弾性を設定しているため、オプション有無に拘らず、プリンタ部PRTの振動と、ダンパ450及びスキャナ部SCNとの共振が発生するを防止することができる。
【0118】
例えば、プリンタ部PRTの振動数fprt が10Hzであり、スキャナ部SCNの本体の重量が8Kg,オプション(例えば、プルーフユニット)の重量が5Kgであったとすると、本体のみの共振周波数fscn(1)、プルーフ付の共振周波数fscn(2)が10Hzとならないようにダンパ450の弾性係数Kdumpを決める。すなわち、ダンパの弾性係数Kdumpが40N/mm とすると、fscn(1)=11.3Hz、fscn(2)=8.8Hz となり、共振は発生しない。
【0119】
【発明の効果】
以上説明した如く請求項1に記載の発明では、移動体の振動による読取副走査ピッチの不均一さを必要最小限に抑制することができるという優れた効果を有する。
【0120】
請求項2に記載の発明は、複数のキャリッジが存在する場合、最も長い距離を移動するキャリッジ共振周波数fr と、サンプリング周波数fs との間関係を整数分の1又は整数倍とする。これにより、振動による副走査ピッチのずれを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像読取/記録装置の概略全体構成図である(図15に示すダンパは省略)。
【図2】本実施の形態に係る第1のキャリッジ及び第2のキャリッジ及びその周辺の斜視図である。
【図3】第1のキャリッジ、第2のキャリッジ及びこれらを収容するケーシングの分解斜視図である。
【図4】第1のキャリッジ、第2のキャリッジ及びこれらを収容するケーシング平面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4のVI−VI線断面図である。
【図7】(A)及び(B)はスライドプレートの変形例を示す断面図である。
【図8】張力調整プレートの正面図である。
【図9】駆動ローラアッセンブリの側面図である。
【図10】(A)及び(B)は、駆動ローラアッンブリの変形例を示す側面図である。
【図11】(A)は通常の2相励磁方式の制御ステップ図、(B)は本実施の形態に係るマイクロスッテップ方式(W1−2相励磁方式)の制御ステップ図である。
【図12】本実施の形態に係る共振周波数−CCDラインセンサのサンプリング周波数相関図である。
【図13】変形例に係る共振周波数−CCDラインセンサのサンプリング周波数相関図である。
【図14】第1のキャリッジに意図的に加えたモーメントの作用状態を示す平面図である。
【図15】プリンタ部とスキャナ部との間にダンパが介在されていることを示す画像読取/記録装置の正面図である。
【符号の説明】
SCN スキャナ部
PRT プリンタ部
10 画像読取/記録装置
208 走査部
209 コントローラ
210 光源(走査ユニット)
214 第1のキャリッジ(走査ユニット)
220 第2のキャリッジ(走査ユニット)
228 固定ユニット(走査ユニット)
230 CCDラインセンサ(固体撮像素子)
400 ケーシング
402 シャフト
418 ワイヤ(可撓性長尺体)
426 駆動ローラ
436 モータ
Claims (2)
- 光源からの光を原稿上に走査して照射し、該原稿からの画像を光学系により固体撮像素子の受光面に結像させて画像情報を読取る画像読取装置であって、
少なくとも前記光学系を含む走査ユニットと、該走査ユニットに取り付けられ、該走査ユニットを走査移動させるための可撓性長尺体とを有し、前記可撓性長尺体の弾性係数Kと前記走査ユニットの質量Mに起因して前記走査ユニットの移動時に生じる共振周波数frと、前記固体撮像素子のサンプリング周波数fsとにおいて、一方が他方に対して整数分の1倍又は整数倍としたことを特徴とする画像読取装置。 - 原稿を透明のプラテンガラスの所定位置に載置した状態で、前記原稿の主走査方向に沿ったスリット状の光を照射し、その透過又は反射光を主走査方向にライン状に配列された固体撮像素子によって、スリット状の光を副走査方向へ移動しながら読み取る画像読取装置であって、
前記スリット状の光を照射する光源を含み原稿に沿って副走査方向へ一定の搬送速度で移動する第1のキャリッジと、
前記第1のキャリッジから原稿からの透過又は反射光を受け、前記固体撮像素子へ案内すると共に、前記副走査方向移動による光路長の変化を相殺するように前記第1のキャリッジの搬送速度に対して1/2の搬送速度で移動する第2のキャリッジと、
前記第1のキャリッジ及び第2のキャリッジが取付けられ、駆動手段の駆動力により、前記第1のキャリッジ及び第2のキャリッジを前記副走査方向へ移動させるワイヤと、
を有し、
前記第1のキャリッジ及び第2のキャリッジの移動時に前記ワイヤの弾性係数Kと前記第1のキャリッジ又は第2のキャリッジの一方の質量Mに起因して生じる共振周波数frと、前記固体撮像素子のサンプリング周波数fs と、の関係を整数分の1又は整数倍とすることを特徴とした画像読取装置。
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