JP2017160028A - シート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents

シート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置 Download PDF

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恭也 落合
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武志 赤井
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岳久 島津
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Keisuke Sugiyama
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Abstract

【課題】空洞部と連通穴とを備える構成で、装置が大型化・複雑化することを抑制しつつ、空洞部と連通穴とによって吸音する音の周波数を変更することが可能となるシート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】シートである原稿シートSに搬送力を付与するシート搬送手段である中間ローラ対66及び読取入口ローラ対97と、搬送される原稿シートSが通過するシート搬送路10と、空洞部601と、空洞部601とシート搬送路10とを連通する連通穴である連通孔602と、を備えるシート搬送装置である原稿自動搬送装置5において、空洞部601の内部の温度を変更する空洞内温度変更手段であるヒーター400を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、シート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置に関するものである。
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置や画像読取装置においては、画像形成部や画像読取部に記録紙や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置を備えている。
例えば、特許文献1には、空洞部と、この空洞部と外部とを連通する連通穴とを有するヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音手段を、シート搬送路に配置したシート搬送装置が記載されている。また、このシート搬送装置は、連通穴の空洞部に対する開口面積を変更するように、空洞部を有するベース部材または連通穴が形成されたガイド部材の少なくとも一方が移動可能となっている。
シート搬送路を形成するガイド部材等の搬送路形成手段とシート搬送路内を搬送されるシートとが摺擦すると、摺擦音が発生するが、上述した吸音手段をシート搬送路に配置することで、摺擦音が装置の外部に漏れ出ることを抑制できる。また、開口面積を変更することにより、吸音対象となる音の周波数を変更することができる。
しかしながら、吸音対象となる音の周波数を変更するために空洞部を有するベース部材または連通穴が形成されたガイド部材の少なくとも一方を移動させる機構を追加すると、装置が大型化・複雑化してしまう。
上述した課題を解決するために、本発明は、シートに搬送力を付与するシート搬送手段と、搬送されるシートが通過するシート搬送路と、空洞部と、前記空洞部と前記シート搬送路とを連通する連通穴と、を備えるシート搬送装置において、前記空洞部の内部の温度を変更する空洞内温度変更手段を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、空洞部と連通穴とを備える構成で、装置が大型化・複雑化することを抑制しつつ、空洞部と連通穴とによって吸音する音の周波数を変更することが可能となるという優れた効果がある。
原稿自動搬送装置のターン部に吸音装置を設置した例の説明図。 実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 本実施形態の原稿自動搬送装置をスキャナの上部とともに示す概略構成図。 原稿自動搬送装置全体の制御ブロック図。 固定画像読取部の電気回路の要部を示すブロック図。 ヘルムホルツ共鳴器を用いた吸音装置の説明図、(a)は、吸音装置の模式図、(b)は、単振動するバネの系の模式図。 図1に示す吸音装置の拡大断面図。 温度調整手段として冷却ファンを備える吸音装置の拡大断面図。 手動設定モードの制御の一例を示すフローチャート。 自動設定モードの制御の一例を示すフローチャート。 複数の空洞部内の温度をそれぞれ設定できる吸音装置の断面説明図。 ヒーターを配置した吸音装置をレジスト部に設置した例の説明図。 固定吸音装置を構成するシートガイド部材と密閉部材との分解斜視図。 シートガイド部材と密閉部材とを組み合わせた固定吸音装置の斜視図。 図14に示す固定吸音装置の断面図。 固定吸音装置を排紙部のシート搬送路に配置した構成の説明図。 原稿シートの搬送時に発生する摺擦音の周波数特性の一例を示すグラフ。 固定吸音装置の孔部に多孔質部材を配置した構成の断面説明図。 多孔質部材の有無による固定吸音装置の吸音効果を比較するグラフ。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式の複写機(以下、単に複写機1という)に適用した実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機1の基本的な構成について説明する。
図2は、複写機1を示す概略構成図である。複写機1は、画像形成手段としての画像形成部3と、転写紙給紙部2と、原稿搬送読取ユニット6とを備えている。原稿搬送読取手段としての原稿搬送読取ユニット6は、画像形成部3の上に固定された原稿読取装置であるスキャナ4と、これに支持されるシート搬送装置としての原稿自動搬送装置5とを有している。
転写紙給紙部2は、カットシート状の転写紙Pを積層状態でそれぞれ収納可能な複数段の転写紙給紙カセット21(21a、21b、21c)を有している。個々の転写紙給紙カセット21(21a、21b、21c)には、例えば複数のシートサイズから予め選択されたシートサイズの転写紙P(例えば白紙)が、縦又は横の給紙方向に向けて収容されるようになっている。
転写紙給紙部2は、転写紙給紙カセット21(21a、21b、21c)に収納された転写紙Pをそれぞれの最上層側から順次ピックアップして分離給紙する転写紙給紙装置22(22a、22b、22c)を有している。さらに、転写紙給紙部2には、転写紙搬送ローラ対23等の各種のローラが設けられている。これらの各種のローラによって、個々の転写紙給紙装置22(22a、22b、22c)から給紙された転写紙Pを画像形成部3の所定の画像形成位置まで搬送する転写紙給紙経路24を形成する。
画像形成部3は、潜像形成手段である露光装置31と、潜像担持体であるドラム状の感光体32(K,Y,M,C)とを備える。さらに、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の各色のトナーが充填された現像装置33(K,Y,M,C)を備えている。また、画像形成部3は、中間転写体である中間転写ベルト34と、中間転写ベルト34上のトナー像を転写紙Pに転写する二次転写装置35と、トナー像が転写された転写紙Pにトナー像を定着させる定着装置36とを備えている。
露光装置31は、例えば、スキャナ4で読み取った画像に基づいて各色の露光用のレーザ光Lを生成するようになっている。また、露光装置31は、レーザ光Lによって各色の感光体32(K,Y,M,C)を露光して、個々の感光体32(K,Y,M,C)の表面に読取画像に対応した各色の静電潜像を形成するようになっている。
現像装置33(K,Y,M,C)は、それぞれ対向する感光体32(K,Y,M,C)に薄層状のトナーを近接させ、感光体32(K,Y,M,C)の表面上の静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像を行うようになっている。
画像形成部3では、個々の感光体32(K,Y,M,C)上に現像されたトナー像を中間転写ベルト34に重ねて一次転写して中間転写ベルト34上にカラートナー像を形成する。このカラートナー像は、中間転写ベルト34の下方に配置された二次転写装置35の転写搬送ベルト35bと中間転写ベルト34とが当接する二次転写ニップで、中間転写ベルト34上から転写紙Pに二次転写される。カラートナー像が転写された転写紙P上は、二次転写装置35の転写搬送ベルト35bによって定着装置36に搬送される。転写紙Pが定着装置36で加熱・加圧されることで、転写紙P上のカラートナー像が溶融し、転写紙Pにカラートナー像が定着され、転写紙P上にカラー画像が記録される。
画像形成部3は、転写紙給紙部2から転写紙給紙経路24を経て搬入された転写紙Pを二次転写ニップに向けて搬送する転写紙搬送経路39aを有している。この転写紙搬送経路39aでは、まず、レジストローラ対37にて、転写紙Pの搬送タイミングおよび搬送速度を調整するようになっている。そして、中間転写ベルト34と転写搬送ベルト35bとのベルト速度に同期した状態で二次転写ニップおよび定着装置36を通過した転写紙Pを、排紙ローラ対90によって排紙トレイ38上に排紙するようになっている。
画像形成部3は、手差トレイ25上に載置された転写紙Pをレジストローラ対37よりも上流側の転写紙搬送経路39a内に給紙する転写紙手差給紙経路39bを有している。
二次転写装置35及び定着装置36の下方には、それぞれ複数の搬送ローラおよび搬送ガイド等を備えるスイッチバック搬送路39c及び反転搬送路39dを配設している。
スイッチバック搬送路39cは、転写紙Pの両面に画像を形成する場合に、二つの面のうちの一方の面に画像定着が済んだ転写紙Pを、一端(図2中の左側端部)から進入させる。その後、後退(進入時とは逆方向に移動)させるスイッチバック搬送を行うようになっている。
反転搬送路39dは、スイッチバック搬送路39cによりスイッチバック搬送された転写紙Pの表裏を反転させて、レジストローラ対37に再度給紙するようになっている。
これらのスイッチバック搬送路39c及び反転搬送路39dにより、一方の面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pは、その進行方向を逆向きに切り替えられた後に表裏反転されて、再び二次転写ニップに進入する。そして、転写紙Pは、二つの面のうちの他方の面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ38上に排紙されるようになっている。
スキャナ4は、照明ユニットとミラー部材を搭載した第一キャリッジ41と、ミラー部材を搭載した第二キャリッジ42と、結像レンズ43と、撮像部44と、第一コンタクトガラス45とを備えている。これらは、第一コンタクトガラス45上を搬送される原稿シートSの第一面の画像の読み取りをする第一面読取部40を構成している。ここにいう第一面とは、自動搬送される原稿シートSの片面、例えば表側の画像面である。さらに、スキャナ4は、原稿シートSが載置される第二コンタクトガラス46と、原稿シートSの一辺の突当ておよび位置決めを行う突当部材47とを備える。
第一キャリッジ41は、第一コンタクトガラス45及び第二コンタクトガラス46の下方に、図2中の左右方向に移動可能に及び位置制御可能に設けられている。そして、照明ユニットが備える光源からの照明光をミラー部材で反射して原稿シートSの露光面側に照射することができるようになっている。
原稿シートSの露光面で反射した反射光は、第一キャリッジ41および第二キャリッジ42に搭載された各ミラー部材を経由して結像レンズ43に入射し、結像レンズ43により結像される。そして、撮像部44がその結像した画像を読み取るようになっている。
スキャナ4は、光源点灯状態で第一キャリッジ41及び第二キャリッジ42を例えば「2:1」の速度比で移動させつつ、第二コンタクトガラス46上に置いた原稿シートSの画像面を露光走査することができるようになっている。そして、スキャナ4は、この露光走査時に撮像部44により原稿画像を読み取ることで、固定原稿読取機能(いわゆるフラットベッドスキャナ機能)を発揮できるようになっている。
スキャナ4は、第一キャリッジ41を第一コンタクトガラス45の直下の定位置に停止させることができるようになっている。そして、スキャナ4は、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、自動搬送中の原稿シートSの第一面の画像を読み取る移動原稿読取機能(いわゆるDFスキャナ機能)を発揮できるようになっている。
さらに、複写機1は、スキャナ4における第一面読取部40に加えて、原稿自動搬送装置5に内蔵する第二面読取部48を備えている。第二面読取部48は、第一コンタクトガラス45の上を通過した後の原稿シートSの第二面、例えば裏側の画像面を走査するようになっている。
原稿自動搬送装置5は、複写機1の画像形成部3の上部に固定されたスキャナ4に対してヒンジ機構を介して開閉動作可能に連結されている。原稿自動搬送装置5は、スキャナ4における第一コンタクトガラス45及び第二コンタクトガラス46を露出させる開放位置と、第一コンタクトガラス45及び第二コンタクトガラス46を覆う閉鎖位置との間で回動操作できるようになっている。
次に、原稿自動搬送装置5について説明する。
図3は、原稿自動搬送装置5の要部構成をスキャナ4の上部とともに示す拡大構成図である。原稿自動搬送装置5は、原稿セット部A、分離給送部B、レジスト部C、ターン部D、第一読取搬送部E、第二読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。本実施形態の原稿自動搬送装置5の原稿搬送部54は、分離給送部Bの下流側の突き当てセンサ72による検知位置から読取入口ローラ対97まで、原稿シートSを搬送する経路を構成する部分である。
原稿自動搬送装置5は、原稿セット部Aにセットした原稿シートS装置内に受け入れる原稿給紙口と、画像の読み込んだ原稿シートSをスタック部Hに排出する排紙口とを備えたシートスルー方式の自動原稿搬送装置である。
原稿自動搬送装置5を備える原稿搬送読取ユニット6は、被読み取り記録媒体である原稿シートSを固定の読み取り装置部である第一面読取部40及び第二面読取部48に搬送し所定の速度で搬送しながら画像読み取りを行う。
原稿セット部Aは、原稿シートSの第一面が上方となるように原稿シートSの束がセットされる原稿載置台53を有している。
分離給送部Bは、ピックアップローラ80、分離ベルト84及びリバースローラ85等を備え、原稿載置台53にセットされた原稿シートSの束から原稿シートSを一枚ずつ分離して給送するものである。
レジスト部Cは、分離給送部Bから給送された原稿シートSを一次突き当て整合する働きと、整合した後の原稿シートSを引き出して搬送する働きとを有するものである。
ターン部Dは、C字状に湾曲した湾曲搬送路を有し、この湾曲搬送路内で搬送する原稿シートSを折り返しながらその上下が反転するようにターンさせて、原稿シートSの第一面を下方の第一面読取部40(図2参照)に向けるように搬送するものである。
第一読取搬送部Eでは、プラテンガラスからなる第一コンタクトガラス45の上で原稿シートSを搬送させる。そして、搬送しながら、第一コンタクトガラス45の下方からスキャナ4の内部に配設している第一面読取部40に原稿シートSの第一面の画像を読み取らせる。
第二読取搬送部Fは、第一読取搬送部Eを通過した原稿シートSを、第二面読取部48の下方に配置した第二読取部対向ローラ96によって搬送しながら、原稿シートSの第二面の画像を第二面読取部48に読み取らせるものである。
排紙部Gは、第二読取搬送部Fを通過した原稿シートSを機外のスタック部Hに向けて排出するものである。
スタック部Hは、読取完了後の原稿シートSを原稿スタック台55の上に積載保持するものである。
図4は、原稿自動搬送装置5全体の制御ブロック図である。原稿自動搬送装置5の制御部であるコントローラ100は、各モータ、各種センサ部及び固定画像読取部500の一連の動作を制御する。各モータ(101〜105)は、原稿シートSの搬送動作の駆動を行う駆動部であり、固定画像読取部500は第一面読取部40または第二面読取部48である。
図5は、固定画像読取部500の電気回路の要部を示すブロック図である。固定画像読取部500は、光源部200、センサチップ201、画像処理部204、フレームメモリ205、出力制御回路206及びインターフェイス回路(以下、I/F回路107と呼ぶ)等から構成されている。
光源部200は、LEDアレイ、蛍光灯、または冷陰極管等を備える。センサチップ201は、主走査方向(原稿幅方向に対応する方向)に複数並べて配置している。複数のOPアンプ回路202は、複数のセンサチップ201のそれぞれに個別に接続している。複数のA/Dコンバータ203は、複数のOPアンプ回路202のそれぞれに個別に接続している。
センサチップ201は、等倍密着イメージセンサと称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものである。固定画像読取部500による読取位置に原稿シートSが進入するのに先立って、コントローラ100から光源部200に点灯信号が送られる。これにより、光源部200が点灯し、その光を原稿の表面(第一面読取部40の場合は第一面、第二面読取部48の場合は第二面)に向けて照射する。原稿シートSの表面で反射した反射光を、複数のセンサチップ201の集光レンズによって光電変換素子に集光して画像情報として読み取る。それぞれのセンサチップ201で読み取った画像情報を、OPアンプ回路202によって増幅した後、A/Dコンバータ203によってデジタル画像情報に変換する。
このようにして得たデジタル画像情報を、画像処理部204に入力してシェーディング補正などを施した後、フレームメモリ205に一時記憶する。その後、出力制御回路206によって本体制御部111(複写機1本体の制御部)に受入可能なデータ形式に変換した後、画像データとして、I/F回路107を経由して本体制御部111に出力する。コントローラ100からは原稿シートSの先端が固定画像読取部500による読取位置に到達するタイミングを知らせるためのタイミング信号や光源の点灯信号、電源等が出力するようになっている。上記タイミング信号は、そのタイミング以降の画像データが有効データとして扱われる信号である。
読取を行う原稿シートSの束は、第一面が上向きとなるように載せた状態で原稿載置台53上にセットする。原稿載置台53は、原稿シートSの先端側を支持し、原稿シートSの束の厚みに応じて図3中の矢印a−b方向に揺動可能な可動原稿テーブル53bと、原稿シートSの後端側を支持する固定原稿テーブル53aとから構成される。
また、原稿載置台53は、原稿シートSの幅方向(原稿シートSの搬送方向に直交する方向で、図3の紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれ突き当たる、サイドガイドを備える。原稿載置台53にセットされた原稿シートSは、幅方向の両端に対してそれぞれサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置決めがなされる。
可動原稿テーブル53bの上方には、揺動可能なレバー部材であるセットフィラー62を備える。原稿載置台53に原稿シートSがセットされていない状態では、セットフィラー62は、図3中の破線で示す位置にある。この位置は、原稿セットセンサ63によってセットフィラー62を検知できる位置である。原稿セットセンサ63によってセットフィラー62を検知することで、原稿載置台53に原稿シートSがセットされていないことが分かる。
原稿載置台53に原稿シートSがセットされると、原稿シートSの先端がセットフィラー62を押し上げる。これに伴って、原稿セットセンサ63の検知位置からセットフィラー62が移動する。原稿セットセンサ63がセットフィラー62を検知しなくなったことによって、原稿シートSがセットされたことを検知し、この検知信号を原稿セットセンサ63がコントローラ100に送信する。コントローラ100は受信した検知信号を、I/F回路107を介して原稿搬送読取ユニット6の本体制御部111に送信する。
固定原稿テーブル53aには、原稿シートSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサまたは原稿一枚でも検知可能なアクチュエーター・タイプのセンサからなる複数の原稿長さセンサ58(58a、58b、58c)を備える。これらの原稿長さセンサにより、原稿シートSの搬送方向の長さの概略を判定する。複数の原稿長さセンサ58の配置としては、少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なセンサ配置となっている。
原稿自動搬送装置5は、可動原稿テーブル53bの上方にピックアップローラ80を備える。ピックアップローラ80は、給紙モータ102から駆動が伝達することによって回転駆動する。また、分離部としての分離ニップを構成する分離ベルト84及びリバースローラ85は、給紙モータ102から駆動が伝達することによって回転駆動する。
可動原稿テーブル53bは、底板上昇モータ105の駆動により、駆動するカム機構によって図3中の矢印a−b方向に揺動する。原稿シートSが原稿載置台53にセットされたことをセットフィラー62及び原稿セットセンサ63によって検知すると、コントローラ100は、底板上昇モータ105を正転する。底板上昇モータ105が正転することで、可動原稿テーブル53bが図3中の矢印a方向に回動し、可動原稿テーブル53bの自由端側(図3中の左側)が上昇する。可動原稿テーブル53bの自由端側とともに原稿載置台53にセットされた原稿シートSの束も上昇し、原稿シートSの束の最上面がピックアップローラ80と接触する。
ピックアップローラ80は、ピックアップブラケット252の一端(図3中の右端)に回転可能に支持されている。また、ピックアップブラケット252は、その他端部側(図3中の左端部側)の原稿給紙ユニット駆動軸253を中心に図3中の矢印c−d方向に回動可能となっている。ピックアップブラケット252は、ピックアップ昇降モータ101によってカム機構が駆動することにより、図3中の矢印c−d方向に回動する構成である。そして、ピックアップブラケット252が、図3中の矢印c−d方向に回動することによって、ピックアップローラ80が図3中の矢印c−d方向に移動する構成となっている。
また、ピックアップローラ80を支持するピックアップブラケット252は、ブラケット被検知部254を備えている。さらに、原稿自動搬送装置5本体のフレームは、ピックアップブラケット252の上方となる位置にテーブル上昇センサ59を備える。
テーブル上昇センサ59は、その検知位置におけるブラケット被検知部254の有無を検知することにより、ピックアップローラ80が上昇した位置にあるか否かを検出するセンサである。発光部と受光部との間の検知位置で発光部から発した光が遮られたか否かを検知する光透過型の光センサである。そして、ブラケット被検知部254が検知位置で光を遮ることで、テーブル上昇センサ59の検知位置にブラケット被検知部254が有ることを検知する。
ピックアップローラ80は、図3中の矢印d方向に回動して下降した状態で、可動原稿テーブル53bが上昇して可動原稿テーブル53b上の原稿シートSの上面により押されると、図中の矢印c方向に回動して上昇する。これをテーブル上昇センサ59で検知することにより、可動原稿テーブル53bが上限まで上昇したことを検知可能となっている。可動原稿テーブル53bが上限まで上昇したことを検知することにより、ピックアップ昇降モータ101が停止するとともに底板上昇モータ105が停止し、可動原稿テーブル53bとピックアップローラ80との間で原稿シートSが狭持される。
テーブル上昇センサ59は、底板が上限まで上昇したことを検出して原稿シートSの束の上面が適正な給紙高さに保たれていることを検出するセンサである。テーブル上昇センサ59がブラケット被検知部254を検知するONの状態となると底板である可動原稿テーブル53bの上昇を停止し、給紙を繰り返す。給紙を繰り返すことで原稿シートSの束の上面位置が下がり、テーブル上昇センサ59の検知状態がOFFになると、可動原稿テーブル53bを上昇させてテーブル上昇センサ59が再びONとなるように制御を繰り返す。このような制御により、原稿シートSの束の上面位置を常に給紙に適した高さに維持することができる。
原稿載置台53にセットされた原稿シートSの全てを給紙すると、コントローラ100は、底板上昇モータ105を逆転し、次の原稿シートSの束をセットできるようにホームポジション位置へと可動原稿テーブル53bを下降させる。可動原稿テーブル53bがホームポジション位置まで下降すると、可動原稿テーブル53bの下部に設けたフィラーをホームポジションセンサ60が検知する。
本実施形態では、可動原稿テーブル53bとピックアップローラ80との両方に昇降機構を備えている。しかし、原稿シートSを狭持する機構としては、可動原稿テーブル53bとピックアップローラ80との何れか一方のみに昇降機構を備える構成であってもよい。
使用者は、操作部108で両面読取モードか片面読取モードかを指定し、原稿シートSを原稿載置台53にセットした状態で、操作部108のコピースタートボタンを押下する。コピースタートボタンが押下されると、本体制御部111は、I/F回路107を介してコントローラ100に原稿給紙信号を送信する。これにより、給紙モータ102が正転方向に駆動する。給紙モータ102の正転駆動によってピックアップローラ80が回転駆動し、原稿載置台53上の数枚(理想的には一枚)の原稿シートSをピックアップする。このときのピックアップローラ80の回転方向は、原稿載置台53上の原稿シートSの束の最上位の原稿シートSを後述する分離ニップに向けて搬送する方向(図3中の時計回り方向)である。
ここで両面読取モードか片面読取モードかを設定する際、原稿載置台53上にセットされた原稿シートSに対して全て同じように設定しても良いし、(一枚目、二枚目、・・・n枚目の)それぞれの原稿シートSに対して異なる設定をしても良い。異なる設定としては、例えば、全十枚の原稿シートSのうち、一枚目と十枚目との原稿シートSは両面読取モードとし、その他の原稿シートSは片面読取モードとする設定等である。
ピックアップローラ80によって送り出された原稿シートSは、分離ベルト84とリバースローラ85との当接位置である分離ニップの分離入口49に送り込まれる。分離ベルト84は、給紙駆動ローラ82と給紙従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータ102の正転に伴う給紙駆動ローラ82の回転によって給紙方向(図3中の時計回り方向)に無端移動する。
分離ベルト84の下部張架面にはリバースローラ85が当接している。リバースローラ85には、給紙モータ102の正転によって給紙方向とは逆方向(図3中の時計回り方向)に回転する駆動を伝達する。このように、分離ベルト84とリバースローラ85との分離ニップにおける表面移動方向が逆方向であることにより、原稿シートSの束の最上位の原稿シートSとその下の原稿シートSとを分離し、最上位の一枚の原稿シートSのみを給紙できる構成となっている。
詳しくは、分離ベルト84とリバースローラ85との当接部である分離ニップにおいては、分離ベルト84の表面が給紙方向に移動する。一方、リバースローラ85の表面は、給紙方向とは逆方向に移動しようとするが、リバースローラ85の駆動伝達部にはトルクリミッタを備える。このため、リバースローラ85の表面が給紙方向に向かう力がトルクリミッタの上限のトルクよりも大きいと、リバースローラ85は給紙方向に表面移動するように図3中の反時計回り方向に回転する。
リバースローラ85は、分離ベルト84に所定の圧力で当接している。リバースローラ85は、分離ベルト84に直接当接している状態、または、原稿シートSの一枚だけを介して分離ベルト84に当接している状態(分離ニップに原稿シートSが一枚だけ挟み込まれている状態)では、分離ベルト84または原稿シートSに連れ回る。すなわち、リバースローラ85は、給紙方向である図3中の反時計回り方向に回転する。
一方、分離ニップに二枚以上の原稿シートSが挟み込まれたときには、連れ回り力がトルクリミッタの上限のトルクよりも低くなるように、トルクリミッタを設定している。このため、リバースローラ85は連れ回り方向とは逆方向である、図3中の時計回り方向に回転駆動する。リバースローラ85が連れ回り方向とは逆方向に回転駆動することで、分離ニップに向けて搬送された原稿シートSのうち、最上位の原稿シートS以外の原稿シートSには、リバースローラ85によって給紙方向とは反対方向の移動力を付与する。これにより、余分な原稿シートSを押し戻し、複数枚の原稿シートSから最上位の一枚の原稿シートSだけを分離でき、重送を防止できる。
分離ベルト84とリバースローラ85との作用によって一枚に分離した原稿シートSを、レジスト部Cに進入させる。そして、この原稿シートSを分離ベルト84によって更に送り、突き当てセンサ72によって先端を検知し、その後、更に搬送することで、原稿シートSの先端は回転が停止しているプルアウトローラ対86に突き当たる。このとき駆動している給紙モータ102を、突き当てセンサ72による原稿シートSの先端の検知から所定時間だけ駆動し、その後停止する。これにより、突き当てセンサ72による原稿シートSの検知位置から所定量定められた距離だけ原稿シートSを搬送する。そして、結果的には、原稿シートSをプルアウトローラ対86に対して所定量の撓みをもって押し当てた状態で分離ベルト84による原稿シートSの搬送を停止する。
突き当てセンサ72によって原稿シートSの先端を検知したときに、ピックアップ昇降モータ101を回転することで、ピックアップローラ80を原稿シートSの上面から退避し、原稿シートSを分離ベルト84の搬送力のみで搬送する。これにより、原稿シートSの先端が、プルアウトローラ対86の上下のローラによって形成されるニップに進入し、原稿シートSの先端の整合(スキュー補正)を行うことができる。
プルアウトローラ対86は、上述したように、スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿シートSを中間ローラ対66まで搬送するためのローラ対である。給紙モータ102を逆転駆動することにより、プルアウトローラ対86を構成する二つのローラのうちの一方が回転駆動し、原稿シートSを搬送する。給紙モータ102を逆転駆動するときには、プルアウトローラ対86と中間ローラ対66とに駆動を入力し、ピックアップローラ80、分離ベルト84及びリバースローラ85には駆動を入力しない。すなわち、給紙モータ102を正転したときには、ピックアップローラ80、分離ベルト84及びリバースローラ85に駆動を伝達し、給紙モータ102を逆転させたときには、プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66に駆動を伝達する構成となっている。
プルアウトローラ対86によって送り出した原稿シートSは、原稿幅センサ73の直下を通過する。原稿幅センサ73は、反射型フォトセンサ等からなる紙検知センサを原稿幅方向(図3の紙面に直交する方向)に複数個並べたセンサである。そして、どの紙検知センサが原稿シートSを検知するかに基づいて、原稿シートSの幅方向のサイズを検出する。また、原稿シートSの搬送方向の長さは、原稿シートSの先端が突き当てセンサ72によって検知してから、原稿シートSが突き当てセンサ72によって検知しなくなる(原稿シートSの後端が通過する)までのタイミングに基づいてモータパルスから検出する。
プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の回転駆動によって搬送する原稿シートSは、中間ローラ対66及び読取入口ローラ対97によって搬送するターン部Dに進入する。
原稿自動搬送装置5では、プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の回転駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿シートSを搬送する際には、レジスト部Cでの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定している。これにより、原稿シートSを第一読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮を図っている。
原稿シートSの先端を読取入口センサ67により検知すると、給紙モータ102の減速を開始する。これと同時に、読取モータ103を正転駆動する。読取モータ103を正転駆動することで読取入口ローラ対97、読取出口ローラ対92及び第二読取出口ローラ対93が搬送方向にそれぞれ回転駆動する。給紙モータ102を減速することで、給紙モータ102によって回転駆動する中間ローラ対66の回転速度を減速する。これにより、読取入口ローラ対97の上下のローラによって形成するニップに原稿シートSの先端が進入する前に、原稿シートSの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度と同速にできる。
ターン部Dから第一読取搬送部Eに向かう原稿シートSの先端をレジストセンサ65で検知すると、コントローラ100は、所定の時間をかけて各モータの駆動速度を減速する。これにより、原稿シートSの搬送速度が所定の搬送距離をかけて減速する。そして、コントローラ100は、第一面読取部40によって原稿シートSの第一面の画像を読み取る第一読取位置700の手前で、原稿シートSを一時停止するように制御する。さらに、この一時停止の制御と共に、コントローラ100は、本体制御部111にI/F回路107を介してレジストローラ対37を停止する信号を送信する。
続いて、コントローラ100が本体制御部111より読取開始信号を受信すると、読取モータ103の駆動を開始する。このとき、レジストローラ対37で停止していた原稿シートSの原稿先端が第一読取位置700に到達するまでに、原稿シートSの搬送速度が所定の搬送速度に立ち上がるように、読取モータ103の駆動を制御する。これにより、原稿シートSの搬送速度を増速しつつ、原稿シートSを第一読取位置700に向かって搬送する。
次に、コントローラ100は、読取モータ103のパルスカウントに基づいて原稿シートSの先端が第一読取位置700に到達するタイミングの算出を行う。そして、算出したタイミングで、コントローラ100は本体制御部111に対して原稿シートSの第一面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送信する。このゲート信号の送信は、原稿シートSの後端が第一読取位置700を抜け出るまで継続し、原稿シートSの第一面を第一面読取部40によって読み取る。
また、図3に示すように、突当部材47の上面は左端側の高さが低くなるように傾斜している。これにより、第一読取位置700を通過した原稿シートSの先端を、突当部材47の傾斜によってすくい上げ、読取出口ローラ対92のニップに向かわせることができる。
第一読取搬送部Eを通過し、読取出口ローラ対92のニップを通過した原稿シートSの先端を、排紙センサ61によって検知し、さらに、第二読取搬送部Fへと搬送する。その後、第二読取搬送部Fを通過した原稿シートSを排紙部Gへと搬送する。
原稿シートSの片面(第一面)のみを読み取る片面読取モードの場合には、第二面読取部48による原稿シートSの第二面の読取が不要である。そこで、排紙センサ61によって原稿の先端を検知すると、排紙モータ104の正転駆動を開始し、原稿排紙ローラ対94における図3中の上側の排紙ローラを図中反時計回り方向に回転駆動する。
また、排紙センサ61によって原稿シートSの先端を検知してからの排紙モータ104のパルスカウントに基づいて、原稿シートSの後端が原稿排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングを算出する。そして、この算出結果に基づいて、原稿シートSの後端が原稿排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータ104の駆動速度の減速を開始する。この減速の制御により、原稿スタック台55の上に排出する原稿シートSを原稿スタック台55から飛び出さないような速度で排紙することができる。
一方、原稿シートSの両面(第一面及び第二面)を読み取る両面読取モードの場合には、次のような制御を実行する。すなわち、排紙センサ61によって原稿シートSの先端を検知した後、原稿シートSの先端が第二面読取部48に到達するまでのタイミングを読取モータ103のパルスカウントに基づいて算出する。そして、この算出したタイミングでコントローラ100は本体制御部111に対して原稿シートSの第二面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号を送信する。このゲート信号の送信は、原稿シートSの後端が第二面読取部48による第二読取位置を抜け出るまで継続し、原稿シートSの第二面を第二面読取部48によって読み取る。
読取手段としての第二面読取部48は、密着型イメージセンサ(CIS)を備える。そして、原稿シートSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦スジを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。また、原稿シートSが通過するシート搬送路を挟んで第二面読取部48に対向する位置には、原稿シートSを非読取面側(第一面側)から支持する原稿支持手段としての第二読取部対向ローラ96を備える。この第二読取部対向ローラ96は、第二読取位置での第二面読取部48に対する原稿シートSの浮きを抑えるとともに、第二面読取部48におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。
本実施形態の原稿自動搬送装置5は、搬送する原稿シートSの画像を読み取る搬送原稿読取手段として、第一面読取部40及び第二面読取部48の二つの固定画像読取部500を備えている。原稿シートSの両面の画像を読み取る構成としては、固定画像読取部500を二つ備える構成に限らない。一つの固定画像読取部500でおもて面の読み取りを行った原稿シートSをスイッチバックさせて、再び固定画像読取部500の読取位置を通過するときに裏面の読み取りを行う構成であっても良い。
原稿自動搬送装置5内のシート搬送路では、原稿シートSがシート搬送路を形成するガイド部材と摺擦しながら移動するため、摺擦音が発生する。このような摺擦音が装置外部に伝達すると、周辺の人間に不快感を与える騒音となることがある。
本実施形態の原稿自動搬送装置5は、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置を設けることで、原稿シートSが搬送されることによって発生する摺擦音を吸音する構成である。
図6は、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600の説明図である。図6(a)は吸音装置600の模式図であり、図6(b)は、単振動するバネの系の模式図である。
図6(a)に示すように、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600は、入口が狭まった容器のような形状であり、ある程度の体積を有する空洞部601と、それよりも小さい連通孔602とによって構成される。そして、連通孔602に入ってくる特定の周波数の音を吸音する。
図6(a)に示すような体積「V」の空洞部601に対し、直径「d」、長さ「L」の連通孔602を設けた構造に対し、外部からの音波が連通孔602に進入すると、音波により連通孔602内の空気が一体となって空洞部601へ押し込まれる。その際、密閉された空洞部601の内部の圧力が上昇し、押し込まれた連通孔602内の空気に対し押し返すような力が作用する。押し返された連通孔602内の空気は連通孔602の外部側へ押し返されるが、慣性により元に戻ろうとする。この動作を繰り返すため、図6(b)に示した質量「m」、ばね定数「k」の単振動するばねの系とみなすことができる。そして、ヘルムホルツ共鳴器は、以下の(1)式で共鳴周波数が計算できることが知られている。
Figure 2017160028
(f:共鳴周波数[Hz]、C:音速[m/s]、S:連通孔の断面積(π/4・d)[m]、L:連通孔の長さ[m]、δ:開口端による補正項[m]、V:空洞部の体積[m])
一つの空洞部601に対して複数の連通孔602が配置された場合でも、連通孔602の断面積を足し合わせたものを連通孔602の断面積「S」として考えることで同様の計算が可能である。
連通孔602内の空気は共鳴周波数付近の周波数で激しく振動するが、連通孔602の壁面付近の境界層では流体(空気)は粘性によって抵抗を受けるため、振動のエネルギーが粘性抵抗により熱エネルギーに変換される。このようなメカニズムにより入射した音波による音のエネルギーが熱のエネルギーに変換されることで音のエネルギーが減少するため、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600では吸音効果が発揮される。
図1は、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600を原稿自動搬送装置5のターン部Dに設置した例の説明図である。
図1に示すように、ターン部Dではレジスト部外側ガイド部材11及びターン部外側ガイド部材13と、レジスト部内側ガイド部材12及びターン部内側ガイド部材14との間に原稿シートSが通過するシート搬送路10を形成している。図1中の矢印「α」がターン部Dにおける原稿シートSの搬送方向である。
図1に示す設置例では、中間ローラ対66及び読取入口ローラ対97が原稿シートSに搬送力を付与するシート搬送手段である。また、レジスト部外側ガイド部材11、ターン部外側ガイド部材13、レジスト部内側ガイド部材12及びターン部内側ガイド部材14が搬送される原稿シートSを所定の方向に案内するシートガイド手段である。これらのシートガイド手段によって原稿シートSが通過するシート搬送路10を形成する。
さらに、シートガイド手段の一つであるターン部内側ガイド部材14のシート搬送路10側の面に対して反対側の面に空洞部601を設け、この空洞部601とシート搬送路10とを連通する連通孔602を設けている。図1に示す吸音装置600は、空洞部601と連通孔602とを有するヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音手段である。
ターン部Dでは、原稿シートSを約180[°]ターンさせて搬送する。このような場合、シート搬送路10のターン部Dにおける外側の壁面を形成するガイド部材を一つの部材を大きく曲げて形成することは困難である。このため、原稿自動搬送装置5は、原稿シートS搬送方向の上流側のレジスト部外側ガイド部材11と、下流側のターン部外側ガイド部材13との二つのガイド部材を備え、ターン部Dでの原稿シートSの受け渡しを行う構成となっている。
ターン部Dでは、搬送する原稿シートSの先端がレジスト部外側ガイド部材11とターン部外側ガイド部材13との繋ぎ目15に引っかからないように、レジスト部外側ガイド部材11の下流側端部11aが、ターン部外側ガイド部材13の内側に位置する。下流側端部11aがターン部外側ガイド部材13の内側に位置することで、搬送する原稿シートSと、レジスト部外側ガイド部材11の下流側端部11aとが強く接触し、大きな摺擦音が発生する。
このため、図1に示す設置例では、ターン部Dのシート搬送路における内側の壁面を形成するターン部内側ガイド部材14におけるシート搬送路10を挟んで下流側端部11aと対向する位置に吸音装置600を設けている。
下流側端部11aと対向する位置に吸音装置600を設けることで、下流側端部11aで発生した摺擦音を効率的に吸音することが可能となる。
ターン部Dは、搬送される原稿シートSを所定の方向に案内する第一のシートガイド手段としてレジスト部内側ガイド部材12及びターン部内側ガイド部材14を備える。また、これらのガイド部材に対向して配置され、搬送される原稿シートSと摺接し、原稿シートSの搬送方向が曲がるように案内する第二のシートガイド手段としてのレジスト部外側ガイド部材11及びターン部外側ガイド部材13を備える。そして、第一のシートガイド手段のうちのターン部内側ガイド部材14は、シート搬送路10を形成する面の背面側に少なくとも一つの空洞形状からなる空洞部601を備える。さらに、ターン部内側ガイド部材14は、空洞部601とシート搬送路10とを連通する少なくとも一つの連通孔602を備える。
また、レジスト部外側ガイド部材11のシート搬送路10を形成する表面で周辺よりもシート搬送路10内に突き出した部分である下流側端部11aの近傍であって、原稿シートSの搬送方向に直交する方向に対向する位置に連通孔602が配置されている。下流側端部11aは搬送される原稿シートSと摺接し、原稿シートSの搬送方向が曲がるように案内するため、大きな摺擦音が生じ易い。このような下流側端部11aの近傍に連通孔602を設けることで効率的な吸音を行うことが可能となる。
ターン部Dのようにシートを90[°]〜180[°]ターンさせて搬送する構成は、原稿自動搬送装置5に限らない。プリンタ等の画像形成装置に設けられたシート搬送装置でも設置面積を小さくするために、装置内でシートを90[°]〜180[°]させて搬送させる構成が知られている
このような構成の場合、図1に示す設置例のように、シートがガイド部材と強く摺擦する部分(下流側端部11a)に対してシート搬送路10を挟んで対向する位置に吸音装置600を設けることで、ターン動作時の摺動音を効率的に低減することが可能となる。
また、図1に示すように、本実施形態の吸音装置600は、空洞部601内の空気を加熱して温度を調整する温度調整手段としてのヒーター400を備える。
図7は、図1に示す吸音装置600の拡大断面図である。
上述した(1)式に示すように、吸音装置600の共鳴周波数「f[Hz]」の値は、音速「C[m/s]」の値によって変動する。
音速は、温度によって変動し、以下の(2)式で算出することができる。
C=331.5+0.6×T ・・・(2)
(C:音速[m/s]、T:空洞部内の温度[℃])
(1)式及び(2)式から、ヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数は温度を変化させることである程度の調整が可能であることが分かる。
図1及び図7に示す吸音装置600では、空洞部601の内の温度を調整するための温度調整手段としてヒーター400を空洞部601内に配置している。また、空洞部601内の温度を温度センサ401で測定し、その測定結果に基づいて制御手段であるコントローラ100がヒーター400を制御する。これにより、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600の吸音周波数を調整することができる。
原稿自動搬送装置5のようなシート搬送装置では、搬送するシートの材質や厚さ、大きさ等のシートの種類やシートの搬送速度等が変わることで発生する摺擦音の周波数が変化することがある。これに対して、本実施形態の吸音装置600のように、吸音周波数を調整することができる吸音装置を備える構成であれば、摺擦音の周波数が変化した場合にも、吸音効果を損なわず、安定した吸音効果を発揮できる。また、吸音装置600で吸音する音としては、摺擦音に限るものではない。各モータの駆動音等、シート搬送装置で発生する音の周波数に吸音装置600の吸音周波数を合わせることで、吸音することが可能である。
ここで従来のヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置を有するシート搬送装置について説明する。従来のシート搬送装置を備えた画像形成装置としては、開口部から漏れる稼動音を低減するために、印字機構部から排紙口の間の転写紙の搬送経路中もしくは給紙口または排紙口外部の近傍の少なくとも一ヶ所に吸音装置を配置するものが知られている。しかし、従来のヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置では、予め設定した所定の周波数の音に対してしか吸音の効果を発揮することができず、設定された所定の周波数から外れた周波数には効果が薄い。吸音周波数を変更する構成として、特許文献1のように連通穴の開口面積を変化させる機構を追加したり、空洞部の体積を変化させる機構を追加したりすることが考えられるが、装置全体が大型化及び複雑化してしまう。
また、特許文献2には、比較的広い範囲にわたる周波数の吸音を行う目的で、温度センサの値に応じてマイクロフォンの出力に反映し、音響エネルギーで吸音共鳴器の音響減衰を増進させることのできる吸音装置が開示されている。しかし、このような吸音装置では、吸音周波数を変化させるために、機構が大型化・複雑化してしまうという問題が生じてしまう。
これに対して、本実施形態の原稿自動搬送装置5が備える吸音装置600は、空洞部601内の温度を変化させて吸音周波数を変えるため、比較的に小型で簡易な構造で吸音周波数を変更することが可能である。
これにより、吸音装置600の大幅なサイズアップをすることなく、吸音周波数を調整することが出来るようになる。
図1に示す吸音装置600は、原稿シートSの搬送方向を変えるようにシート搬送路10が大きく曲がった部分に吸音装置600を配置することで、摺擦音を効率的に吸音することができる。また、空洞部601の内部温度を変化させ、吸音周波数を変化させることで、シート搬送時に発生する音の周波数が変化しても、常に効果が最適な状態を保ち続けることができる。
ヒーター400の配置としては、空洞部601内の温度を調整することができれば、空洞部601を形成する吸音装置600のケーシングの外側に配置してもよい。しかし、図7に示すように、空洞部601内の底面の中央にヒーター400を配置することにより、効率的に空洞部601内の温度を上昇させることができる。
また、ヒーター400を備える吸音装置600では、環境温度の低下により吸音周波数が変化した場合でも、ヒーター400によって加熱することで、空洞部601内の温度を吸音する音の周波数に対応する温度に保つことが出来る。
図8は、温度調整手段として冷却ファン402を備える吸音装置600の拡大断面図である。
加熱手段であるヒーター400では、空洞部601内の温度を上げることが出来ても、下げることは出来ない。図8に示す吸音装置600では、図7に示す吸音装置600のヒーター400の代わりに、冷却ファン402を設置した構成である。
温度調整手段として、冷却ファン402を採用することで、ヒーター400では対応し切れない低温の範囲まで空洞部601内の温度を下げることが可能となる。つまりヒーター400では対応できない周波数の音を吸音することが可能となる。
冷却ファン402は空洞部601内に設置すると空洞部601内の気流が乱れ、所望の共鳴効果を発揮できない可能性がある。このため、冷却ファン402は図8に示すように、空洞部601を形成するケーシングの外部に設置する方が好ましい。
さらに、ヒーター400と冷却ファン402とを組み合わせることでより範囲の広い温度調整が可能となるため、吸音することができる音の周波数の範囲も広くなる。また、エア・コンディショナーのように冷暖房機能を備えた温度調整手段を設置することで、より単純な構成で、吸音することができる音の周波数の範囲を広くすることができる。
図7及び図8に示すように、本実施形態の吸音装置600は、温度を監視するための温度センサ401を空洞部601内に設けている。温度センサ401の配置としては、空洞部601外の連通孔602の周辺でもよい。温度センサ401から得られる空洞部601内(または連通孔602の周辺)の温度情報及びその温度で吸音対応できる周波数を操作部108の操作パネル上で確認できるように設定しておく。これにより、常に狙いの吸音周波数設定を使用者が確認できる状態となる。
図9はヘルムホルツ共鳴器の構造を備え、温度調整手段が配置された吸音装置600の吸音周波数を手動で設定する手動設定モードの制御の一例を示すフローチャートである。
手動設定モードでは、使用者が操作部108の操作パネル上で空洞部601内(または連通孔602の周辺)の温度または吸音周波数を指定する(S11)。
次に、温度センサ401で測定した温度が狙いの温度か否かの判断をコントローラ100が行い(S12)、狙いの温度となっていれば(S12で「Yes」)、手動設定を終了する。狙いの温度となっていなければ(S12で「No」)、温度調整手段(ヒーター400、冷却ファン402またはエア・コンディショナー等)によって空洞部601内(または連通孔602の周辺)の温度が設定温度となるように温度調整を行う(S13)。温度調整を行ったあとは、再び温度センサ401で測定した温度が狙いの温度か否かの判断を行う(S12)。
設定完了後も装置の稼動中は、温度センサ401によって温度の測定を行い、測定した温度が狙いの温度か否かの判断(S12)と、判断結果に基づいた温度調整(S13)とを行うフィードバック制御を常に行い、空洞部601内の温度を一定に保つ。
この手動設定モードでは、操作部108の操作パネル上で空洞部601内(または連通孔602の周辺)の設定温度、または吸音対象周波数を階的に変更することのできる構成となっている。
手動設定モードでは、温度センサ401から得られる空洞部601内(または連通孔602周辺)の温度の情報をフィードバックしながら温度調整手段によって空洞部601内(または連通孔602周辺)の温度を調整していく。これにより、空洞部601内(または連通孔602周辺)の温度を、常に狙いの温度で一定に保つことができ、安定した吸音効果を得ることが出来る。これにより、使用者は特に気になる騒音(周波数)に対する吸音設定を手動で、簡単に設定することが出来る。また、装置の稼動中に、この吸音設定を行えるようにすることで、より確実に、最も気になる周波数の騒音を吸音する設定とすることが可能となる。
また、手動設定モードで操作パネルから入力する設定としては、温度や周波数に限らず、原稿シートSの種類の設定を入力する構成としてもよい。種類が異なる原稿シートSを搬送する場合、搬送する原稿シートSの厚みや坪量等の物性値が変化すると、シート搬送路10内での原稿シートSの姿勢や摺擦時の接触圧が変化し、摺擦音の周波数が変化することが考えられる。このような場合、原稿シートSの種類によって周波数が異なる音に対して、効率的に吸音することができる空洞部601の温度を実験等により予め求めておく。そして、操作パネルから入力された原稿シートSの種類に基づいて、コントローラ100は空洞部601内の温度が入力した原稿シートSの種類に適した温度となるように温度調整手段を制御する。これにより、原稿シートSの種類が変わることに起因して発生する音が変わることに対応して吸音周波数を変更することが可能となり、吸音効果の向上を図ることができる。
上述のように、温度センサ401から得られる情報をフィードバックしながら温度調整手段で空洞部601内の温度を調整していき、空洞部601内の温度を常に狙いの温度になるようにコントロールする。常に空洞部601内の温度を一定に保つことで、安定した吸音効果を発揮することが可能である。手動設定モードでは、使用者が自身で最も気になる騒音の周波数を吸音対象の周波数とすることができるが、後述する自動設定モードでは最も音圧レベルの高い周波数の音の吸音を行う設定とすることも可能である。
図10はヘルムホルツ共鳴器の構造を備え、温度調整手段が配置された吸音装置600の吸音周波数を自動で設定する自動設定モードの制御の一例を示すフローチャートである。
自動設定モードの場合、図10に示す手順で温度の設定を行っていく。
オートーチューニングを開始すると、連通孔602の付近に設置した集音マイク403により周辺音圧の測定を開始し(S21)、各周波数の音圧の認識を行う。最も音圧レベルの高い周波数を確認できたら、コントローラ100の記憶部に記録し(S22)、その周波数を吸音するのに最適な温度を算出する(S23)。算出された温度を設定温度として、温度センサ401の測定値がその値と一致するように温度調整手段(400、402)を稼動させる(S24)。設定後は、常に温度センサ401から得られる温度情報のフィードバックを行いながら温度調整手段が空洞部601内の温度を常に狙いの温度になるようにコントロールすることで、安定した吸音効果を得ることが出来る。
図11は、複数の空洞部601内の温度をそれぞれ設定できる吸音装置600の断面説明図である。
図11に示す吸音装置600は、複数の空洞部601のそれぞれと外部とを連通する複数の連通孔602を備え、ヘルムホルツ共鳴器の構造を複数備える。そして、この吸音装置600では、複数のヘルムホルツ共鳴器の構造の空洞部601に対して、それぞれ温度を設定して温度調整することで、複数の周波数の音を吸音できる構成となっている。
図11に示す吸音装置600は、各ヘルムホルツ共鳴器の構造に一セットずつ、もしくは複数個のヘルムホルツ共鳴器の構造毎に一セットずつ、温度調整手段(ヒーター400)と温度センサ401との組み合わせを配置する。そして、この組み合わせが配置された一セット毎に設定温度を指定することが可能な構成となっている。これにより、複数の周波数に対して同時に吸音効果を発揮することが可能である。
空洞部601の温度(吸音周波数)の設定は、手動設定、自動設定どちらでも可能である。
手動設定の場合は、数セット毎、または一セット毎に使用者が温度(または周波数)の設定をそれぞれ行っていく。複数の温度センサ401によって測定される温度がそれぞれ設定温度となるように、それぞれの空洞部601に配置された温度調整手段によって空洞部601内の温度を調整する。
自動設定の場合は、音圧レベルの高い順に、指定された数だけ周波数を設定していく。設定された複数の周波数に対して、吸音装置600が備えるヘルムホルツ共鳴器の構造で吸音できる温度を算出し、算出された温度と温度センサ401が測定した温度情報とが一致するように温度調整手段によって空洞部601内の温度を調整する。
図11に示す吸音装置600では、それぞれの空洞部601内の温度を調整する温度調整手段がヒーター400となっているが、複数配置する温度調整手段としてはこれに限るものではない。複数の温度調整手段としては、冷却ファン402、ヒーター400と冷却ファン402とを組み合わせたもの、または、エア・コンディショナー等を用いることができる。
以下、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備え、その空洞部601に温度調整手段であるヒーター400を配置した吸音装置600の他の設置例について説明する。
図12は、空洞部601にヒーター400を配置した吸音装置600を原稿自動搬送装置5のレジスト部Cに設置した例の説明図である。
図12に示すように、レジスト部Cではレジスト部外側ガイド部材11とレジスト部内側ガイド部材12との間に原稿シートSが通過するシート搬送路10が形成される。図12中の矢印「α」がレジスト部Cにおける原稿シートSの搬送方向である。
図3に示した原稿自動搬送装置5では、プルアウトローラ対86が原稿シートSを搬送する際に、分離ベルト84は停止している。そのため、原稿シートSは分離ニップとプルアウトローラ対86のニップとの間で引っ張られた状態で搬送される。このとき、図12に示すように、分離ニップとプルアウトローラ対86のニップとの間のレジスト部外側ガイド部材11における角部11bのようにシート搬送路10内に向けて突き出した部分があると、引っ張られた原稿シートSは角部11bと線接触する。この線接触により角部11bでは大きな摺擦音が発生する。
このため、図12に示す設置例では、レジスト部外側ガイド部材11と対向するレジスト部内側ガイド部材12におけるシート搬送路10を挟んで連通孔602が角部11bと対向するように吸音装置600を設けている。
角部11bと対向する位置に吸音装置600を設けることで、角部11bで発生した摺擦音を効率的に吸音することが可能となる。シートの種類の変更や搬送速度の変更等によって発生する摺擦音の周波数が変化した場合には、ヒーター400によって温度を調節することで、摺擦音の周波数が変化した場合にも、吸音効果を損なわず、安定した吸音効果を発揮できる。これにより、プルアウト動作時の摺動音を効率的に低減することが可能となる。
以下、空洞部601に温度調整手段を設置可能な吸音装置600の他の例について説明する。
図13は、シートガイド部材301に形成した吸音装置600を構成するシートガイド部材301と密閉部材302との分解斜視図である。また、図14は、シートガイド部材301と密閉部材302とを組み合わせた状態の吸音装置600の斜視図であり、図15は図14に示す吸音装置600の断面図である。
図13乃至図15に示す構成では、シートガイド部材301の下面となるガイド面301fの下方がシート搬送路10となり、図13乃至図15中の矢印「α」は原稿シートSの搬送方向を示す。
図13及び図15に示すように、原稿シートSを所定の方向にガイドするためのシートガイド部材301におけるガイド面301fにスリット形状の孔部304を設けている。シートガイド部材301は、原稿シートSが接触することによる変形を防止するため、ガイド面301fの裏側の面を囲うように形成された周囲壁部301aによって全体が箱形の形状をしている。さらに、周囲壁部301aに囲まれた内側に補強用リブ301bが配置されている。
本実施形態では、補強用リブ301bの高さは、シートガイド部材301の周囲壁部301aの略半分程度であるが、補強用リブ301bの高さはこれに限られず、吸音に必要となるガイド部材空洞部305の体積等に応じ変えるようにしてもよい。また、本実施形態では補強用リブ301bはシートガイド部材301に五つ設けられているが、補強用リブ301bの個数はこれに限るものではない。
シートガイド部材301の周囲壁部301aの内側には補強用リブ301bと同じ高さとなるように一段下がった段差壁301cが形成されており、図14に示すように、この一段下がった段差壁301cに対し、密閉部材302が隙間なく設置される。
シートガイド部材301と密閉部材302とは、締結用ネジ303を用いて、密閉部材302に設けられた複数の密閉部材孔部302aを通じて、五つの補強用リブ301bのうちの三つに設けられたネジ受部301dにねじ止めされる。これにより、図15に示すようにシート搬送路10と対向するガイド面301fの背面側にガイド部材空洞部305を形成し、孔部304は、ガイド部材空洞部305とシート搬送路10とを連通するようになる。このように形成されたガイド部材空洞部305及び孔部304によりヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600が形成される。孔部304は上述した連通孔602を構成し、ガイド部材空洞部305は空洞部601を構成する。
図13に示すシートガイド部材301では孔部304の孔形状はスリット(長方形)状となっている。孔部304の形状は、丸形状など他の形状でもよい。
図13乃至図15に示す吸音装置600では、空洞部601を構成するガイド部材空洞部305内に、温度を調整するヒーター400等の温度調整手段を設置する。これにより、摺擦音の周波数が変化した場合にも、吸音効果を損なわず、安定した吸音効果を発揮できる。
図16は、シートガイド部材301に形成した吸音装置600を、原稿自動搬送装置5の排紙部Gにおける第二読取出口ローラ対93と原稿排紙ローラ対94との間のシート搬送路10に配置した構成の説明図である。
図16に示す構成では、シート搬送路10を挟んでシートガイド部材301と対向するように下部シートガイド部材308を配置し、さらに、下部シートガイド部材308にガイド補助部材309を配置している。シートガイド部材301及び下部シートガイド部材308は樹脂材料からなり、ガイド補助部材309は金属材料からなる。
原稿シートSは第二読取出口ローラ対93によって上流側からシートガイド部材301と下部シートガイド部材308との間のシート搬送路10に搬送される。このシート搬送路10を通過する原稿シートSは、シートガイド部材301、下部シートガイド部材308及びガイド補助部材309によって原稿排紙ローラ対94のニップに案内される。
シート搬送路10を搬送される原稿シートSは、シートガイド部材301や下部シートガイド部材308に接触し、摺擦することにより摺擦音が発生する。これをシート摺擦音と呼ぶ。
シート摺擦音は、原稿シートSの表面や原稿シートSの端面がシートガイド部材301や下部シートガイド部材308に接触して摺擦する場合にも発生する。しかし、シートガイド部材301や下部シートガイド部材308に比べて硬質なガイド補助部材309のエッジ部309aのような急激に曲率が変化する箇所と原稿シートSとが接触して摺擦するときに特に大きなシート摺擦音が発生する。これは、原稿シートSの表面が、シートガイド部材301や下部シートガイド部材308の表面とは面接触となるのに対して、ガイド補助部材309のエッジ部309aとは線接触となり、原稿シートSの表面の局所に働く接触圧が大きくなるためと考えられる。このような場合、騒音となり易い摺擦音の音源としてはガイド補助部材309のエッジ部309aと原稿シートSとの接触部が線状の音源となり、そこから四方八方にシート摺擦音が伝播する。
次に、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600の音源に対する配置について説明する。
音源に対して吸音装置600を離れた位置に配置した場合、音源から発生した音のうち、吸音装置600の連通孔602に伝播する音の割合が少なくなるため、発生した音のエネルギーの一部分しか熱エネルギーに変換できない。つまり、吸音効果としては非常に小さなものとなる。このため、可能な限り音源を覆うように吸音装置600の連通孔602を配置することが望ましい。
具体的には、図16に示す構成のように、原稿シートSの搬送方向(図16中の矢印「α」で示す方向)において、吸音装置600における連通孔602である孔部304が、音源となるエッジ部309aに対して重なるような配置にするとよい。
また、原稿シートSの搬送方向に対して直交する方向においても、音源と吸音装置600の連通孔602との距離が離れると、発生した音のうち連通孔602に伝播する音の割合が少なくなる。このため、図16に示す構成では、音源であるエッジ部309aと連通孔602である孔部304とができる限り近接していることが望ましい。
吸音装置600は、連通孔602内に伝播した音を吸音するため、連通孔602の開口面積は大きい方が好ましい。しかし、連通孔602の開口面積「S」を大きくすると、上述した(1)式より明らかなように共鳴周波数が高くなる。このため、ある吸音装置600に対して吸音効率を向上されるために連通孔602の開口面積「S」を大きくしつつ、共鳴周波数を維持しようとすると、連通孔602の長さ「L」を長くしたり、空洞部601の体積「V」を大きくしたりする必要がある。
また、図6を用いて説明したようにヘルムホルツ共鳴器で共鳴現象が発生するには連通孔602部分の空気が一体となって移動する必要があり、空洞部601の断面積に対して連通孔602の断面積がある程度小さい必要がある。一般的に連通孔602の断面積と空洞部601の断面積との比を開口率と呼び、この開口率が25[%]程度までであれば、共鳴現象が発生することが知られている。よって、連通孔602の断面積は可能な限り大きくし、それに対して空洞部601の断面積は、開口率が25[%]程度となるように設定することで高い吸音効果が得られるコンパクトな吸音装置となる。
次に、原稿シートSの摺擦音と吸音装置600の共鳴周波数の関係について説明する。
図17は、原稿シートSの搬送時に発生する摺擦音の周波数特性の一例を示すグラフである。
図17に示す摺擦音は、特定の周波数の音圧レベルのみが大きい音ではなく、図17中の破線で囲った領域「β」に示すように、3.5[kHz]以上の広い周波数帯で音圧レベルが大きくなっている。
また、4[kHz]近辺の音については、人間の聴覚が最も敏感な周波数の音であることが知られている。この4[kHz]近辺の周波数の音を低減することができれば、音圧レベルに対して人間の聴覚特性を考慮したA特性による補正を施したA特性音圧レベルが大きくなり易い周波数の音を吸音でき、騒音の抑制としては大きな効果が期待できる。このため、原稿シートSの摺擦音が騒音になることを抑制するために配置する吸音装置600の空洞部601及び連通孔602の形状は、上述した(1)式に基づいて、共鳴周波数が4[kHz]となるように構成することが望ましい。
次に、吸音装置600の吸音効果を向上する構成について説明する。
図18は、図15等に示した吸音装置600の孔部304に多孔質部材311を配置した構成の断面説明図である。
図18に示す吸音装置600に配置する多孔質部材311としては、例えば吸音材料として使用される小さな穴がつながった連続気泡構造の発泡ポリウレタン等を用いることができる。
図6を用いて説明したように、ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600の吸音効果は、空気の振動が連通孔602の壁面との粘性抵抗によって音の振動エネルギーが熱エネルギーに変換されることで発揮される。
しかしながら、図15に示した構成では孔部304の壁面付近にしか粘性抵抗は作用しないため、吸音効果は低い。吸音効果を向上する方法としては、孔部304の径を非常に小さくすることで孔部304の断面積に対する孔部304の壁面の面積比を大きくすることが考えられるが、微小な穴は加工が難しく部品コストが高額となる。
一方、図18に示す構成のように、シートガイド部材301の内部で、ガイド面301fに対して孔部304を挟んで裏側(背面)に多孔質部材311を配置することにより、孔部304内で変位する空気全体に対して粘性抵抗を付与することができる。
図19は、図18に示すように多孔質部材311を備える吸音装置600と、図15に示すように多孔質部材311を備えない吸音装置600とについて、吸音効果を比較するグラフである。
図19に示すように、多孔質部材311を備えることで吸音装置600の吸音効果の向上を図ることができる。
多孔質部材311を配置して吸音効率の向上を図る構成は、図15に示す吸音装置600に限らず図1、図7、図8、図11及び図12に示す吸音装置600にも適用可能である。
図18に示す構成では、吸音装置600を形成するシートガイド部材301とは別に多孔質部材311を設けているが、シートガイド部材301そのものを連続気泡構造の多孔質プラスチックにより成形してもよい。これにより、図18に示す構成と同様に孔部304の壁面付近の粘性抵抗が増大し、吸音効果の向上を図ることができる。
原稿自動搬送装置5に吸音装置600を設置する際に、吸音装置600を設置する箇所によって吸音対象となる音の周波数が異なり、最適な吸音周波数が異なる場合が考えられる。このような場合に各設置位置に対応した専用の吸音装置600を製造すると、コスト高となるおそれがある。本実施形態の吸音装置600を用いる構成であれば、設置位置に関係なく共通の吸音装置600を製造し、原稿自動搬送装置5に設置した後に、設置位置における最適な吸音周波数となるように温度調整手段によって空洞部601内の温度を調整する。これにより、原稿自動搬送装置5に設置する吸音装置600の共通化を図ることができ、コストの削減を図ることができる。
また、吸音装置600の設置位置が同じであっても、製造時の公差によって原稿自動搬送装置5毎に発生する音の周波数が異なることが考えられる。本実施形態の吸音装置600を用いる構成であれば、設置後に空洞部601内の温度を調整し、吸音装置600の吸音周波数を変更することが可能となる。
本実施形態の原稿自動搬送装置5は、温度調整手段を有する吸音装置600を備えることにより、原稿シートSの搬送時に生じる摺擦音の吸音効率の向上を図ることが可能となり、原稿シートSの摺擦音に起因する騒音の発生を抑制することが可能となる。
また、本実施形態の画像読取装置である原稿搬送読取ユニット6は、上述した原稿自動搬送装置5を備えることで、画像読取時の騒音の発生することを抑制することが可能となる。
上述した実施形態では、シート搬送路に吸音手段を備えるシート搬送装置が、原稿を搬送する原稿搬送手段としての原稿自動搬送装置5である場合について説明した。シート搬送路に吸音手段を備えるシート搬送装置としては、原稿自動搬送装置5に限るものではない。例えば、転写紙給紙カセット21内に収容された転写紙Pを、画像形成部3に向けて搬送する転写紙給紙部2にも適用可能である。転写紙給紙部2に適用する場合、例えば、転写紙給紙経路24を形成するガイド部材に空洞部601と連通孔602とを有する吸音手段を設ける。そして、空洞部601にヒーター400等の温度調整手段を設けることで、転写紙を給紙するときに生じる転写紙とガイド部材との摺擦音が複写機1の外部に漏れ出ることを抑制することが可能となる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
原稿シートS等のシートに搬送力を付与する中間ローラ対66及び読取入口ローラ対97等のシート搬送手段と、搬送されるシートが通過するシート搬送路10等のシート搬送路と、空洞部601等の空洞部と、空洞部とシート搬送路とを連通する連通孔602等の連通穴と、を備える原稿自動搬送装置5等のシート搬送装置において、空洞部の内部の温度を変更するヒーター400等の空洞内温度変更手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空洞内温度変更手段によって空洞部の内部の温度を変更することで、連通穴を通過する音の音速を変更でき、空洞部と連通穴とによって吸音対象となる音の周波数を変更することが可能となる。また、空洞部や連通穴を移動させる機構を追加することなく、吸音対象となる音の周波数を変更できるため、装置が大型化・複雑化することを抑制しつつ、吸音する音の周波数を変更することが可能となる。
(態様B)
態様Aにおいて、シート搬送路10等のシート搬送路を形成するレジスト部外側ガイド部材11等のシート搬送路形成部材のシート搬送路を形成する表面で、周辺よりもシート搬送路内に突き出した部分(下流側端部11a、角部11b)の近傍に連通孔602等の連通穴が位置するように、空洞部601等の空洞部及び連通穴を配置する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、周辺よりもシート搬送路内に突き出した部分は、原稿シートS等のシートの搬送方向を曲げるように案内し、大きな摺擦音が生じ易いが、この近傍に連通穴を設けることで効率的な吸音が可能となる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、空洞内温度変更手段としてヒーター400等の加熱手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、加熱手段によって空洞部601等の空洞部内の空気等の気体を加熱することで、空洞部の内部の温度を変更する構成を実現することができる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、空洞内温度変更手段として冷却ファン402等の冷却手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、冷却手段によって空洞部601等の空洞部内の空気等の気体を冷却することで、空洞部の内部の温度を変更する構成を実現することができる。また、加熱手段のみでは対応できない周波数の音を吸音することが可能となる。
(態様E)
態様A乃至Dの何れかの態様において、空洞部601等の空洞部の内部の温度を測定する温度センサ401等の温度測定手段と、空洞部の内部の設定温度等の目標温度を設定する操作パネル等の温度設定手段と、温度測定手段の測定結果及び目標温度に基づいてヒーター400等の空洞内温度変更手段を制御するコントローラ100等の温度制御手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、吸音したい音の周波数を使用者が設定できる。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、空洞部601等の空洞部の内部の温度を測定する温度センサ401等の温度測定手段と、音圧を測定する集音マイク403等の音圧測定手段と、温度測定手段の測定結果及び音圧測定手段の測定結果に基づいてヒーター400等の空洞内温度変更手段を制御するコントローラ100等の温度制御手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、音圧測定手段の測定結果に基づいて最も音圧レベルの高い周波数が吸音周波数となるような温度を算出し、空洞部の内部の温度が算出した温度となるように自動で設定することが可能となる。これにより、音圧レベルが高い音を吸音できる設定に自動で設定することが可能となる。
(態様G)
態様A乃至Fの何れかの態様において、空洞部601等の空洞部と連通孔602等の連通穴との組み合わせを少なくとも二組以上備え、空洞部によって内部の温度を異ならせるように設定することが可能な構成とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の周波数に対して同時に吸音効果を発揮することが可能となる。
(態様H)
表面に原稿画像を有する原稿シートS等の原稿シートを搬送する原稿搬送手段と、原稿搬送手段によって搬送される原稿シートの原稿画像を読み取るスキャナ4等の搬送原稿読取手段とを備えた原稿搬送読取ユニット6等の画像読取装置において、原稿搬送手段として、態様A乃至Gの何れかに係る原稿自動搬送装置5等のシート搬送装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、画像読取時の騒音の発生することを抑制することが可能となる。
(態様I)
画像読取手段と、画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成部3等の画像形成手段とを備える複写機1等の画像形成装置において、画像読取手段として、態様Hに係る原稿搬送読取ユニット6等の画像読取装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、原稿シートS等の原稿シートとガイド部材等のシート搬送路を形成する部材との摺擦音等の画像読取のためのシート搬送時に発生する音が画像形成装置の外部に漏れ出ることを抑制することが可能となる。
(態様J)
転写紙P等のシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部3等の画像形成手段と、転写紙給紙カセット21等の記録媒体収納手段に収納された記録媒体を画像形成手段に向けて搬送する記録媒体搬送手段とを備えた複写機1等の画像形成装置において、記録媒体搬送手段として、態様A乃至Gの何れかの態様に係る転写紙給紙部2等のシート搬送装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シート状の記録媒体とガイド部材等の搬送路形成手段との摺擦音等のシート搬送時に発生する音が画像形成装置の外部に漏れ出ることを抑制することが可能となる。
1 複写機
2 転写紙給紙部
3 画像形成部
4 スキャナ
5 原稿自動搬送装置
6 原稿搬送読取ユニット
7 転写紙給紙部
10 シート搬送路
11 レジスト部外側ガイド部材
11a 下流側端部
11b 角部
12 レジスト部内側ガイド部材
13 ターン部外側ガイド部材
14 ターン部内側ガイド部材
15 繋ぎ目
21 転写紙給紙カセット
22 転写紙給紙装置
31 露光装置
32 感光体
33 現像装置
34 中間転写ベルト
35 二次転写装置
35b 転写搬送ベルト
36 定着装置
40 第一面読取部
48 第二面読取部
53 原稿載置台
66 中間ローラ対
80 ピックアップローラ
84 分離ベルト
85 リバースローラ
86 プルアウトローラ対
90 排紙ローラ対
97 読取入口ローラ対
100 コントローラ
111 本体制御部
301 シートガイド部材
302 密閉部材
304 孔部
305 ガイド部材空洞部
308 下部シートガイド部材
309 ガイド補助部材
309a エッジ部
311 多孔質部材
400 ヒーター
401 温度センサ
402 冷却ファン
403 集音マイク
600 吸音装置
601 空洞部
602 連通孔
A 原稿セット部
B 分離給送部
C レジスト部
D ターン部
E 第一読取搬送部
F 第二読取搬送部
G 排紙部
H スタック部
P 転写紙
S 原稿シート
特開2015−137142号公報 特表平07−508357号公報

Claims (10)

  1. シートに搬送力を付与するシート搬送手段と、
    搬送されるシートが通過するシート搬送路と、
    空洞部と、
    前記空洞部と前記シート搬送路とを連通する連通穴と、を備えるシート搬送装置において、
    前記空洞部の内部の温度を変更する空洞内温度変更手段を備えることを特徴とするシート搬送装置。
  2. 請求項1のシート搬送装置において、
    前記シート搬送路を形成するシート搬送路形成部材の前記シート搬送路を形成する表面で、周辺よりも前記シート搬送路内に突き出した部分の近傍に前記連通穴が位置するように、前記空洞部及び前記連通穴を配置することを特徴とするシート搬送装置。
  3. 請求項1または2のシート搬送装置において、
    空洞内温度変更手段として加熱手段を備えることを特徴とするシート搬送装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のシート搬送装置において、
    空洞内温度変更手段として冷却手段を備えることを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のシート搬送装置において、
    前記空洞部の内部の温度を測定する温度測定手段と、
    前記空洞部の内部の目標温度を設定する温度設定手段と、
    前記温度測定手段の測定結果及び前記目標温度に基づいて前記空洞内温度変更手段を制御する温度制御手段と、を備えることを特徴とするシート搬送装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載のシート搬送装置において、
    前記空洞部の内部の温度を測定する温度測定手段と、
    音圧を測定する音圧測定手段と、
    前記温度測定手段の測定結果及び前記音圧測定手段の測定結果に基づいて前記空洞内温度変更手段を制御する温度制御手段と、を備えることを特徴とするシート搬送装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載のシート搬送装置において、
    前記空洞部と前記連通穴との組み合わせを少なくとも二組以上備え、
    前記空洞部によって内部の温度を異ならせるように設定することが可能な構成とすることを特徴とするシート搬送装置。
  8. 表面に原稿画像を有する原稿シートを搬送する原稿搬送手段と、
    前記原稿搬送手段によって搬送される原稿シートの原稿画像を読み取る搬送原稿読取手段とを備えた画像読取装置において、
    前記原稿搬送手段として、請求項1乃至7の何れかに記載のシート搬送装置を用いることを特徴とする画像読取装置。
  9. 画像読取手段と、
    前記画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、
    前記画像読取手段として、請求項8に記載の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    記録媒体収納手段に収納された前記記録媒体を前記画像形成手段に向けて搬送する記録媒体搬送手段とを備えた画像形成装置において、
    前記記録媒体搬送手段として、請求項1乃至7の何れかに記載のシート搬送装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
JP2016047450A 2016-03-10 2016-03-10 シート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置 Pending JP2017160028A (ja)

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JP2019139111A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 キヤノン株式会社 画像形成装置

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