図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を説明するための内部構成図である。この図において、画像形成装置10は、光を電気信号に変換する撮像素子により取り込んだ原稿画像に基づいて記録紙に対し画像を形成するようにした複写機を構成するものであり、原稿画像を読み取る画像読取部12と、画像読取部12の上方に位置する原稿載置部14と、画像読取部12の下方に位置する画像形成部16と、原稿載置部14と略同じ高さ位置に配設されている操作盤18と、所定の駆動源に対して駆動電圧を供給する駆動電源20と、オン操作及びオフ操作を行うことで各駆動源に対する駆動電源20からの駆動電圧の供給及び遮断を行う電源スイッチ22とから構成されている。
画像読取部12は、第1光学系24と、第2光学系26と、画像取込部28とを備えている。第1光学系24は、原稿面に光を照射して原稿画像を得るためのものであり、ハロゲンランプなどからなる露光光源30と、露光光源30の光を原稿面に照射する反射板32と、露光光源30により照射されることにより得られた原稿面からの反射光を水平方向に向けることで第2光学系26に導く反射ミラー34とを一体に備えている。この反射ミラー34は、第1支持部材36を介して反射板32に連結されている。
第2光学系26は、第1光学系24の図中左方に配設され、第1光学系24により得た原稿面からの反射光を画像取込部28に導くものであり、第1光学系24の反射ミラー34で反射された原稿面からの反射光を画像取込部28に導く第1反射ミラー38及び第2反射ミラー40を備えている。これら第1、第2反射ミラー38、40は、第2支持部材42により一体に支持されており、第1光学系24の反射ミラー34で反射された原稿面からの反射光を第1反射ミラー38で受光して第2反射ミラー40に導くと共に、第2反射ミラー40で反射された原稿面からの反射光を水平方向に向けることで画像取込部28に導くように構成されている。
画像取込部28は、第2光学系26の図中右方に配設され、金属板などで構成された直方体形状のケース体46と、ケース体46内部における図中右方に配設され、光を電気信号に変換することで反射光からなる原稿画像を読み込むCCD(Charge Coupled Device
)からなるラインセンサとしての撮像素子48と、ケース体46の第2光学系26側の外部側面に配設され、第2光学系26により導かれた反射光からなる原稿画像を撮像素子48に結像させるレンズ50とから構成されたものである。
ここで、画像取込部28を構成するケース体46は、撮像素子48が発熱するものであることから、この撮像素子48における発生熱をケース体46の外部に効率的に放出するべく、図2に示すように、上面における図中右方に円形状の複数の第1貫通孔52が縦横に配列形成されると共に、レンズ50の配設側面における左右両側にスリット状の第2貫通孔54が形成されたものである。本実施形態では、これら第1貫通孔52及び第2貫通孔54から放出される撮像素子48における発生熱を利用することで、電源スイッチ22のオフ操作中において第1光学系24の反射ミラー34及び第2光学系26の反射ミラー38、40を暖めるようにしており、これにより各反射ミラー34、38、40に生じる結露を防止するようにしている。
なお、ケース本体46から離間した適所に、画像形成装置10の外部温度である大気温度(機外温度)を検出するためのサーミスタからなる感温センサ49(図1)が配設されると共に、撮像素子48で読み取られた原稿画像が所定の信号処理が施された後にデジタル信号に変換され、図略のメモリに記憶されるようになっている。
また、画像読取部12の上部には、第1光学系24及び第2光学系26を原稿載置部14における図中左端位置と図中右端位置間においてガイドする一対のガイドレール56(図中では一方のみ図示)が幅方向(図中の奥行き方向)両端に配設されており、第1光学系24及び第2光学系26がガイドレール56に係合され、ステッピングモータからなる駆動モータ58によりガイドレール56に沿って往復動するように構成されている。
ここで、第1光学系24及び第2光学系26は、第2光学系26が第1光学系24の半分の移動速度で移動するようにされ、第1光学系24の反射ミラー34と第2光学系26の第1反射ミラー38間の距離、第2光学系26の第1反射ミラー38と第2反射ミラー40間の距離、及び、第2光学系26の第2反射ミラー40と画像取込部28の撮像素子48間の距離を合計した値が常に一定になるようにされた周知の構成になるものである。
また、第1光学系24及び第2光学系26は、電源スイッチ22が画像形成装置の駆動を可能とすべくオン操作されている状態では図示の左端位置がホームポジションとなるように設定されており、原稿画像を読み取るときにはホームポジションを起点に原稿面に沿って移動することになる。また、第1光学系24及び第2光学系26は、電源スイッチ22が画像形成装置の駆動を停止すべくオフ操作された状態では、図3に示すように、ホームポジションから移動して第1光学系24が画像取込部28のケース体46上面の第1貫通孔52の形成位置近傍に位置すると共に、第2光学系26が画像取込部28のケース体46側面の第2貫通孔54の形成位置近傍に位置するように構成されている。
すなわち、電源スイッチ22が画像形成装置の駆動を停止すべくオフ操作された状態では、第1光学系24を画像取込部28のケース体46上面の第1貫通孔52の形成位置近傍に位置させ、第2光学系26をケース体46側面の第2貫通孔54の形成位置近傍に位置させることで、第1貫通孔52及び第2貫通孔54から放出される撮像素子48の発生熱により第1光学系24の反射ミラー34及び第2光学系26の第1、第2反射ミラー38、40を暖めるようにしている。このため、撮像素子48は電源スイッチ22のオフ操作中においても通電状態となっている。
なお、第1光学系24及び第2光学系26がホームポジションにあることを検出するための反射型フォトセンサなどからなるホームポジションセンサ51がホームポジション近傍に配設されている。
原稿載置部14は、画像読取部12の上部に装着されたコンタクトガラス64と、このコンタクトガラス64上面において開閉する原稿押え部66と、この原稿押え部66の上方に配設された自動原稿給送部68とを備えている。ここで、コンタクトガラス64は、自動原稿給送部68により搬送される原稿が通過する第1コンタクトガラス70及び静止原稿が載置される第2コンタクトガラス72とから構成されている。なお、原稿押え部66は、その上面が自動原稿給送部68に載置される原稿束の排出部を構成している。
自動原稿給送部68は、所定位置に載置された原稿束を1枚ずつ順に第1コンタクトガラス70上に自動給送する一方、読み取りの終了した原稿を順に原稿押え部66上面の排出部に戻すようにしたものである。
画像形成部16は、光学ユニット74と、像形成部76と、定着部78と、用紙搬送部80とから構成されている。光学ユニット74は、上記の図略のメモリから読み出された撮像素子48で読み取った原稿画像を後述する感光体ドラム86に露光するためのものであり、その読み出された画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力する発光部82と、この発光部82からのレーザ光を後述する感光体ドラム86に向けて反射する反射ミラー84とを備えている。
像形成部76は、定速回転される感光体ドラム86を備えると共に、この感光体ドラム86の周面に沿って帯電器88と、現像部90と、クリーニング部92とを順に備えている。感光体ドラム86は、図略の駆動モータにより図示の時計方向(矢印方向)に回転駆動されるものであり、帯電器88と対向する位置で静電領域が形成され、この静電領域に光学ユニット74から原稿画像に基づいて出力されるレーザ光が照射されることで静電潜像が形成され、現像部90と対向する位置で静電潜像がトナー像に現像される。感光体ドラム86の下方には転写ローラ94が配設されており、トナー像が形成された感光体ドラム86は、その転写ローラ94と対向する位置で記録紙にトナー像を転写する。記録紙にトナー像を転写し終えた感光体ドラム86は、クリーニング部92と対向する位置で表面に残留しているトナーが除去される。
帯電器88は、例えば、感光体ドラム86の幅方向の長さを有する帯電ワイヤ96を備えたものであり、帯電ワイヤ96に駆動電源20から駆動電圧を印加して感光体ドラム86に電荷を付与することで感光体ドラム86の表面に静電領域を形成する。現像部90は、例えば、トナーとキャリアとからなる2成分系の現像剤を使用するものであり、内部に現像剤が装填される現像本体部98と、感光体ドラム86に近接した状態で現像本体部98に内装された現像ローラ100と、現像本体部98の上部に装着されたトナーカートリッジ102とを備えたものである。
現像本体部98は、図略の攪拌ローラなどを内部に備えており、現像剤を攪拌することでキャリアとトナーとが摩擦され、これによりトナーが帯電されるようにしたものである。現像ローラ100は、駆動電源20から駆動電圧が供給されることで表面が帯電した状態とされるもので、この現像ローラ100の表面に静電的に付着されたトナーを感光体ドラム86の表面に付着させるものである。トナーカートリッジ102は、現像本体部98内に補給するトナーが充填されたものである。
定着部78は、像形成部76でトナー像が転写された記録紙を加熱することにより定着処理を行うものであり、熱遮蔽ボックス106内の上部に配設され、内蔵されたヒータにより加熱される定着ローラ108と、熱遮蔽ボックス106内の下部に配設され、定着ローラ108に圧接される加圧ローラ110とを備えたものである。
用紙搬送部80は、記録紙を矢印Aで示す経路に沿って搬送するものであり、所定サイズの記録紙が集積された状態で収納される給紙カセットPCを装填するカセット装填部112と、このカセット装填部112に装填された給紙カセットPC内から図略の給紙ローラにより引き出された記録紙を感光体ドラム86に導く上流側搬送路114と、感光体ドラム86でトナー像が転写された記録紙を定着部78の定着ローラ108及び加圧ローラ110間を経由させて図中左方に取り付けられた排出トレー116に導く下流側搬送路118とを備えている。
ここで、上流側搬送路114及び下流側搬送路118の適所には図略の搬送ローラ対が配設され、感光体ドラム86の近傍位置には図略のレジストローラ対が配設されている。また、カセット装填部112は、説明の便宜上、1つの給紙カセットPCのみを装填するようにしたものであるが、通常は記録紙サイズの異なる複数の給紙カセットが装填できるように構成されている。
操作盤18は、テンキー122、液晶表示部124、スタートボタン126などを備えたものである。テンキー122は、画像形成部数(複写部数)を設定するためのものであり、液晶表示部124は、設定した画像形成部数を表示するための部数表示部、画像形成濃度(複写濃度)を設定するための濃度設定部、画像形成倍率(複写倍率)を設定するための倍率設定部などを備えたものであり、スタートボタン126は、画像形成動作(複写動作)を開始するときにオン操作するためのものである。
駆動電源20は、第1光学系24及び第2光学系26をガイドレール56に沿って移動させる駆動モータ58を駆動する駆動電圧(パルス電圧)を供給するための第1出力部、露光光源30を点灯させる駆動電圧を供給するための第2出力部、撮像素子48に所定周波数の駆動電圧(パルス電圧)を供給するためのパルス発生回路などからなる第3出力部、帯電器88に駆動電圧を供給するための第4出力部、定着部78の加熱ローラ108のヒータに駆動電圧を供給するための第5出力部、像形成部76の感光体ドラム86、定着部78の加熱ローラ108、用紙搬送部80の搬送ローラ対などを回転させる図略の駆動モータを駆動する駆動電圧を供給するための第6出力部などを備えている。ここで、撮像素子48に駆動電圧を供給するための第3出力部には、駆動電圧の周波数を変更するための周波数変更部130を備えている。
この周波数変更部130は、電源スイッチ22のオフ操作中における感温センサ49により検出された大気温度に対応して撮像素子48に供給される駆動電圧の周波数を変更するものである。このように、撮像素子48に供給される駆動電圧の周波数を電源スイッチ22のオフ操作中における感温センサ49により検出された大気温度に対応して変更するようにしているのは、次のような理由による。
すなわち、CCDからなる撮像素子48は、電源スイッチ22のオフ操作中においても通電されるようになっており、図4に概念的に示すように、撮像素子48に供給される駆動電圧の周波数(駆動周波数)が低い値から高い値に変化することに対応して撮像素子48の発熱量が増大することで撮像素子48の温度が低い値から高い値に変化し、撮像素子48に供給される駆動電圧の周波数(駆動周波数)が高い値から低い値に変化することに対応して撮像素子48の発熱量が低減することで撮像素子48の温度が高い値から低い値に変化するという駆動周波数対発熱温度特性を有している。また、撮像素子48の温度が低い値から高い値に変化することに対応して撮像素子48の周辺温度も低い値から高い値に変化し、撮像素子48の温度が高い値から低い値に変化することに対応して撮像素子48の周辺温度も高い値から低い値に変化することになるが、撮像素子48の発熱温度に対する周辺温度の変化割合は、図5に概念的に示すように、感温センサ49により検出される大気温度が高い場合は低い場合に比べて大きくなる(大気温度:A>B>C)。
このため、撮像素子48における発生熱を利用して各反射ミラー34、38、40を暖めることで結露を防止する場合、撮像素子48に固定された周波数の駆動電圧を供給したのでは、大気温度が高い場合は撮像素子48の周辺温度も高温となることから撮像素子48の寿命特性に悪影響を与えるだけでなく無駄な電力を消費することになり、大気温度が低い場合は撮像素子48の周辺温度も低温となることから各反射ミラー34、38、40に生じる結露を効果的に防止することができない場合が生じる。そこで、周波数変更部130により、感温センサ49により検出された大気温度に対応して撮像素子48に供給される駆動電圧の周波数を変更することで、余分な消費電力を抑制して効率的に各反射ミラー34、38、40を暖めるようにし、これにより各反射ミラー34、38、40に生じる結露を効果的に防止するようにしている。
このように、余分な消費電力を抑制して各反射ミラー34、38、40に生じる結露を効果的に防止するには、例えば、大気温度をパラメータとして撮像素子48の温度を何度にすれば各反射ミラー34、38、40に結露が生じないようにすることができるかを予め実験的に求めておくと共に、その場合に撮像素子48に供給する駆動電圧の周波数(駆動周波数)を幾らにすればよいかを予め実験的に求めておき、これらのデータに基づいて撮像素子48に供給する駆動電圧の周波数を変更すればよい。
電源スイッチ22は、各駆動源に対する駆動電源20からの駆動電圧の供給及び遮断を行うものであるが、露光光源30を点灯させる駆動電圧を供給するための第2出力部、帯電器88に駆動電圧を供給するための第4出力部、定着部78の加熱ローラ108のヒータに駆動電圧を供給するための第5出力部、像形成部76の感光体ドラム86、定着部78の加熱ローラ108、用紙搬送部80の搬送ローラ対などを回転させる駆動モータを駆動する駆動電圧を供給するための第6出力部などについては駆動電圧が出力されない状態とし、第1光学系24及び第2光学系26を移動させる駆動モータ58を駆動する駆動電圧を供給するための第1出力部、及び、撮像素子48に所定周波数の駆動電圧を供給するための第3出力部からは駆動電圧が出力された状態とする。これにより、電源スイッチ22のオフ操作中においても、撮像素子48には常に駆動電圧が供給された状態となり、駆動モータ58には駆動指令が出力された場合に駆動電圧が供給される状態となる。
上記のように構成された画像形成装置10は、次のように動作する。すなわち、原稿束を自動原稿給送部68に載置すると共に、操作盤18の液晶表示部124で画像形成部数、画像形成濃度、画像形成倍率などを設定した後にスタートボタン126をオン操作することで原稿が第1コンタクトガラス70上に順次搬送され、第1コンタクトガラス70上を通過する。このとき、第1コンタクトガラス70に対応する位置に停止している露光光源30により原稿面に光が照射されることで得られた原稿面からの反射光が第1光学系24及び第2光学系26を介して撮像素子48に導かれて読み取られ、図略のメモリに記憶される。第1コンタクトガラス70上を通過した原稿は原稿押え板66上面の排出部に排出される。
原稿が書籍等のように綴じられたものである場合などには、原稿押え板66を開けてその原稿を第2コンタクトガラス72上に載置すると共に、操作盤18の液晶表示部124で画像形成部数、画像形成濃度、画像形成倍率などを設定した後にスタートボタン126をオン操作することで露光光源30が原稿面を走査し、原稿面に光が照射されることで得られた原稿面からの反射光が第1光学系24及び第2光学系26を介して撮像素子48に導かれて読み取られ、図略のメモリに記憶される。
一方、帯電器88により感光体ドラム86の表面が帯電され、図略のメモリに記憶された原稿画像に応じたレーザ光が発射されて感光体ドラム86の表面が露光されることにより静電潜像が形成される。次いで、現像部98から感光体ドラム86に供給されるトナーが上記静電潜像に付着することで感光体ドラム86の表面にトナー像が形成される。
そして、給紙カセットPCに収納された記録紙が、図略の給紙ローラによって上流側搬送路114を介してレジストローラ対側に給紙されると共に、上記静電潜像の形成と同期してレジストローラ対により感光体ドラム86と転写ローラ94との間に搬送される。この感光体ドラム86と転写ローラ94との間に搬送された記録紙は、静電潜像の極性とは逆極性の電圧が印加された転写ローラ94により感光体ドラム86のトナー像が転写された後に感光体ドラム86から分離され、下流側搬送路118を介して定着部78に搬送されて定着処理が行われた後に排出トレー116に排出される。
トナー像を転写し終えた感光体ドラム86は、クリーニング部92で表面に残留しているトナーが除去される。そして、これらの動作が順次繰り返されることで所定枚数の記録紙に対する画像形成が実行される一方、記録紙に対する画像形成が終了して電源スイッチ22がオフ操作されると、第1光学系24及び第2光学系26は図3に示す画像取込部28の所定位置に移動され、電源スイッチ22の次のオン操作に備えて各反射ミラー34、38、40に対する予熱処理が行われる。
図6は、上記のように構成された画像形成装置10における画像読取部12の制御動作を説明するためのブロック図である。すなわち、画像形成装置10は、その適所に全体の動作を制御するための制御部140を備えている。この制御部140は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、制御処理プログラムやデータなどを記憶するROM(Read-Only Memory)、及び、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)を備えたマイクロコンピュータなどで構成されたものであるが、ここでは画像読取部12の制御動作に必要な要素を中心に説明する。
すなわち、この制御部140には、画像読取部12、画像形成部16、操作盤18、駆動電源20の周波数変更部130、電源スイッチ22、感温センサ49、ホームポジションセンサ51が所定のインターフェース回路を介して接続されている。また、制御部140には、スイッチ操作判別部142、大気温度判別部144、駆動周波数制御部146、ポジション判別部148、及び、光学系移動制御部150としての各機能実現部を備えている。
ここで、スイッチ操作判別部142は、電源スイッチ22がオフ操作されたか否か、及び、オン操作されたか否かを判別するものである。本実施形態では、例えば、電源スイッチ22がオフ操作されることでロー信号が出力され、電源スイッチ22がオン操作されることでハイ信号が出力されるように構成されており、ロー信号を受信することで電源スイッチ22がオフ操作されたと判別し、ハイ信号を受信することで電源スイッチ22がオン操作されたと判別する。
大気温度判別部部144は、感温センサ49の抵抗値に対応して大気温度を判別するものである。本実施形態では、例えば、感温センサ49と固定抵抗素子との直列接続回路を構成しておき、感温センサ49の両端電圧を検出回路で検出し、この検出回路で検出した電圧に基づいて大気温度を判別するようにしている。この大気温度は、感温センサ49の抵抗対温度特性に基づいて予め算出式を求めておき、この算出式に基づいて導出してもよいし、図略のメモリに記憶させたテーブルから感温センサ49の両端電圧に対応する温度を読み出すことで導出してもよい。
駆動周波数制御部146は、感温センサ49により検出された大気温度に対応して撮像素子48に供給する駆動電圧の周波数を設定制御するものである。本実施形態では、例えば、駆動電源20の第3出力部を構成するパルス発生回路に備わるバリキャップダイオードなどの定数可変素子に供給する電圧を調整することでパルス発生回路から出力される駆動電圧の周波数を制御するようにしている。
ポジション判別部148は、第1光学系24及び第2光学系26がホームポジションにあるか否かを判別するものである。本実施形態では、例えば、第1光学系24及び第2光学系26がホームポジションセンサ51の位置にある場合にオン信号が出力されるように構成されており、このオン信号を受信することで第1光学系24及び第2光学系26がホームポジションにあると判別する。
光学系移動制御部150は、電源スイッチ22がオフ操作された場合に駆動モータ58に駆動電圧を供給することで、図3に示すように、第1光学系24を画像取込部28のケース体46上面の第1貫通孔52の形成された位置近傍に移動させると共に、第2光学系26を第1光学系24の移動に連動させてケース体46側面の第2貫通孔54の形成された位置近傍に移動させるものである。なお、駆動電源20は、制御部140に駆動電圧を供給するための第7出力部を備えており、この第7出力部は電源スイッチ22がオフ操作された場合でも制御部140に駆動電源を供給するようになっている。
図7は、上記のように構成された画像形成装置10における画像読取部12の制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。まず、電源スイッチ22がオフ操作されたか否かがスイッチ操作判別部142により判別される(ステップS1)。このステップS1での判別が肯定されると、感温センサ49の両端電圧に対応して大気温度判別部144により大気温度が判別される(ステップS3)。なお、ステップS1での判別が否定されると、判別が肯定されるまで待機する。
次いで、感温センサ49により検出された大気温度に対応して撮像素子48に供給される駆動電圧の周波数(駆動周波数)が駆動周波数制御部146により設定される(ステップS5)。これにより、第1光学系24の反射ミラー34及び第2光学系26の第1、第2反射ミラー38、40を効果的に暖めるべく撮像素子48が効率的に発熱される。
次いで、第1光学系24及び第2光学系26がホームポジションにあるか否かがポジション判別部148により判別される(ステップS7)。このステップS7での判別が肯定されると、光学系移動制御部150の制御動作により駆動モータ58に駆動電圧が供給され、第1光学系24及び第2光学系26が図3に示す位置に移動される(ステップS9)。これにより、電源スイッチ22のオフ操作中における撮像素子48の発生熱により、第1光学系24の反射ミラー34及び第2光学系26の第1、第2反射ミラー38、40が効果的に暖められ、電源スイッチ22がオン操作された場合の各反射ミラー34、38、40における結露が防止される。
次いで、電源スイッチ22がオン操作されたか否かがスイッチ操作判別部142により判別される(ステップS11)。このステップS11での判別が肯定されると、撮像素子48に供給される駆動電圧の周波数が駆動周波数制御部146により画像形成装置10の通常の使用状態である初期値に設定変更される(ステップS13)。その後、光学系移動制御部150の制御動作により駆動モータ58に駆動電圧が供給され、第1光学系24及び第2光学系26がホームポジションに移動する(ステップS15)。これにより、画像読取部12による原稿画像の読み取りが可能になると共に、画像形成部16による記録紙に対する画像形成が可能な状態となる。
なお、ステップS7での判別が否定されると、ステップS11に移行して以降のステップが実行され、ステップS11での判別が否定されると、ステップS3に移行して以降のステップが実行される。これにより、電源スイッチ22のオフ操作中において大気温度が変動しても、その変動した大気温度に対応して撮像素子48に供給される駆動電圧の周波数が変更されることになり、撮像素子48は常に効率的に発熱されることになる。
本発明に係る画像形成装置10は、上記実施形態のように構成されているので、電源スイッチ22がオフ操作された場合、第1光学系24及び第2光学系26が図3に示す位置に移動され、撮像素子48における発生熱により第1光学系24の反射ミラー34及び第2光学系26の第1、第2反射ミラー38、40が暖められる結果、電源スイッチ22がオン操作されたときの各反射ミラー34、38、40に生じる結露を別個の結露防止用ヒータを用いないで効果的に防止することができる。
なお、本発明に係る画像形成装置10は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
(1)上記実施形態では、画像取込部28のケース体46の上面に第1貫通孔52を形成すると共に、ケース体46の側面に第2貫通孔54を形成するようにしているが、これに限るものではない。例えば、第1貫通孔52及び第2貫通孔54の何れか一方のみを形成しないようにしてもよいし、両方とも形成しないようにしてもよい。このように貫通孔を形成しない場合でも、撮像素子48における発生熱はケース体46を介して外部に放出されるので、第1光学系24の反射ミラー34及び第2光学系26の反射ミラー38、40を効果的に暖めることができる。
(2)上記実施形態では、第1光学系24が画像取込部28のケース体46上面近傍に移動し、第2光学系26が画像取込部28のケース体46側面近傍に移動するようになっているが、これに限るものではない。例えば、第1光学系24及び第2光学系26がケース体46上面近傍に移動するようにしてもよいし、第1光学系24及び第2光学系26がケース体46側面近傍に移動するようにしてもよい。要は、電源スイッチ22がオフ操作されたときに第1光学系24及び第2光学系26を含む光学系がケース体46近傍に移動するようになっておればよい。
(3)上記実施形態では、大気温度を検出するための感温センサ49はサーミスタからなるものであるが、これに限るものではない。例えば、磁気センサなどで構成することも可能である。また、この感温センサ49は、感光体ドラム86での記録紙への転写動作時における転写流れ込み電流を調整するために用いられている温湿度センサで兼用させたり、機内冷却ファンを作動させるために用いられている温度センサで兼用させたりしてもよい。また、ホームポジションセンサ51は、反射型フォトセンサからなるものであるが、これに限るものではない。例えば、フォトインタラプタで構成することも可能である。
(4)上記実施形態では、第1光学系24及び第2光学系26のホームポジションを図1に示すコンタクトガラス64の図示左端位置に設定しているが、これに限るものではない。例えば、第1光学系24及び第2光学系26のホームポジションを画像取込部28の図3に示す位置に設定するようにしてもよい。この場合、原稿画像の読み込み時に図1に示すコンタクトガラス64の図示左端位置に移動させるようにすればよい。
(5)上記実施形態では、画像取込部28のレンズ50をケース体46の外部側面に取り付けるようにしているが、これに限るものではない。例えば、レンズ50をケース体46の内部に配設するようにしてもよい。この場合、ケース体46の側面に原稿面からの反射光をレンズ50に導くための窓部を設けておけばよい。
(6)上記実施形態では、撮像素子48はCCDからなるものであるが、これに限るものではない。例えば、撮像素子48をCMOSイメージセンサなどで構成することもできる。要は、撮像素子48が駆動電圧が供給されて通電されるときに発熱する素子であればよい。
(7)上記実施形態では、大気温度に対応して撮像素子48に供給する駆動電圧の周波数を変更するようにしているが、これに限るものではない。例えば、撮像素子48に供給する駆動電圧の周波数を固定したものとすることも可能である。この場合、感温センサ49や周波数変更部130などが不要となるので、回路構成が簡略化され、結露防止用ヒータが不要となることと相俟ってコストダウンを促進することができる。
(8)上記実施形態では、画像形成装置10は複写機を構成するものであるが、これに限るものではない。例えば、複写機の機能にプリンタやファクシミリ装置の他の機能を併せ持つ複合機であってもよい。