JP3613934B2 - スポット溶接制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極チップ間の変位量に基づいて高品質のスポット溶接をすることができるスポット溶接制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からスポット溶接の品質を向上させるため種々の技術が開発されている。たとえば、特公昭61−15795号公報に開示されているように、溶接の強度を正確に判定できる装置を用いて、以降のスポット溶接の条件等を改善するもの、また、特開平7−232278,232279号公報に開示されているように、高品質のスポット溶接ができるように最適な制御を行ないながらスポット溶接を行なうものなどの技術がある。
【0003】
このように最適な制御を行ないながら高品質のスポット溶接をする技術の中でも、注目されている技術としては、溶接電流通電中(ナゲット生成過程)における母材の熱膨張を利用したものがある。母材の熱膨張を利用してスポット溶接の品質を向上させるスポット溶接装置の代表的なものを図9に示す。
【0004】
この図に示したスポット溶接装置は、加圧装置としてエアーシリンダーを用いており、電極チップ間の加圧力が、中央演算装置の指令によって制御される加圧力制御回路によって調節できるようになっている。また、電極チップ間には電源回路によって電圧が印加され、ワーク(母材)の溶接電流は、中央演算装置の指令によって制御される電流制御回路によって制御される。
【0005】
電極チップ間の変位量は、電極間変位検出装置によって検出され、その検出値は、電極間変位検出回路を介して中央演算装置に知らされるようになっている。このように、電極チップ間の変位量を検出するのは、通電期間中の母材の膨張量や膨張率を測定し、これらによって溶接状態を推定し、高品質のスポット溶接ができるように、溶接電流や通電時間にフィードバックをかけ、また、加圧力を調整するためである。
【0006】
溶接時(通電期間中)に電極チップ間の変位を検出した場合には、その変位量に対する溶接電流値、通電時間、加圧力との関係を記憶回路から探し、中央演算装置によって、変位量に応じた溶接電流値、通電時間、加圧力に制御される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の装置では、加圧力はエアーシリンダーによって与えるようになっているので、安定した加圧力を得ることが困難であるとともに、応答性に欠けるなどの問題がある。
【0008】
また、溶接時の電極チップ間の変位量が微少(数十μmから数百μm)であるために、溶接ガンアームは相当の剛性を有していなければこの変位量を正確に検出することはできない。
【0009】
さらに、エアーシリンダーの場合には、母材に電極チップが接触する瞬間の速度がほぼ最高速度に近い速度となっているため、接触の衝撃による振動が、溶接ガン本体、電極アーム、母材等に残っていたり、電極の先端がその衝撃力で変形したりするため、その変位量の正確な測定はさらに困難なものとなる。
【0010】
このため、エアーシリンダーを用いた装置では高品質のスポット溶接をすることに一定の限界がある。
【0011】
上記のような不具合を解決するため、最近では加圧装置としてモータを用いた装置が使用されつつある。しかしながら、この装置をもってしても、スポット溶接をする度に大径化する電極チップの先端径や、その先端径の変化に伴う溶接条件の変化など、細かい点を考慮した制御をしていないことから、なお、高品質のスポット溶接をすることには一定の限界がある。
【0012】
このような限界が生じるのは、実際の設備ではスポット溶接を連続的に行なうため、電極チップの先端形状はその都度変化し、当然のごとく通電サイクル中の電極チップ間の変位量や電極チップ間の通電波形の時間的変化も一定ではなくなり、また、電極形状の磨耗の推移も外乱の影響で一定ではなくなることなどに起因している。
【0013】
本発明は、このような従来の多くの問題を解消するためになされたものであり、さらに高品質のスポット溶接が可能なスポット溶接制御装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は次のように構成される。
【0015】
請求項1に記載の発明は、母材にスポット溶接を施す電極チップと、当該電極チップを移動させるサーボモータと、前記電極チップの移動量を検出するエンコーダと、スポット溶接中は、前記電極チップが前記母材を所定の加圧力で加圧するように前記サーボモータの発生トルクを制御する制御手段と、前記エンコーダから検出される前記電極チップの移動量の時系列的変化からスポット溶接状態の良否を判断する判断手段と、を有し、前記制御手段は、スポット溶接を終了する際には、前記電極チップを任意のトルクで前記母材の当接位置まで開放し、その後任意の速度で前記電極チップを開放位置まで開放する2段開放制御を行うことを特徴とする。
【0016】
制御手段は、スポット溶接中の加圧力が一定となるようにサーボモータの発生トルクを制御する。スポット溶接が開始されると、母材が膨張し電極チップが加圧力に抗して押し戻されるが、このときの電極チップの移動量の時間的変化からスポット溶接の良否が判断される。また、制御手段は、電極チップを一旦当接位置(加圧する際に電極チップと母材とが当接した位置)まで戻し、その後、開放位置まで開放する。この2段開放制御により電極チップの寿命が向上する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスポット溶接制御装置において、前記制御手段は、前記2段開放制御を行っても、電極チップが開放位置まで開放しない場合には、電極チップが母材に溶着しているか、又はその他のトラブルが生じたものと判断する溶着検知処理を行うことを特徴とする。
【0018】
制御手段は、任意のトルクで電極チップを開放する処理をするが、電極チップが開放されなかった場合には、電極チップの溶着などのトラブルの発生が考えられるので、これを検知してサーボモータを停止させるなどの処理をする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、母材にスポット溶接を施す電極チップと、当該電極チップを移動させるサーボモータと、前記電極チップの移動量を検出するエンコーダと、スポット溶接中は、前記電極チップが前記母材を所定の加圧力で加圧するように前記サーボモータの発生トルクを制御するとともに、スポット溶接を終了する際には、前記電極チップを任意のトルクで前記母材の当接位置まで開放し、その後任意の速度で前記電極チップを開放位置まで開放する2段開放制御を行うトルク制御手段と、前記母材と電極チップとの間に溶接電流を供給する溶接電源と、正常な電極チップで前記母材にスポット溶接を施した場合に得られた基準電極間変位波形を記憶する記憶手段と、前記電極チップでスポット溶接をしたときに前記エンコーダから得られた電極間変位波形を前記記憶手段に記憶されている基準電極間変位波形と比較して溶接状態を認識し、認識された溶接状態に基づいて前記溶接電源からの溶接電流、通電時間又は前記サーボモータによる前記電極チップの加圧力を調整する溶接制御手段とを有することを特徴とする。
【0020】
電極間変位波形を調べるとスポット溶接がどのような状態で行われているかがわかる。したがって、理想的な溶接が行われた際に採集された基準電極間変位波形とスポット溶接中に採集された電極間変位波形とを比較することによって、溶接電流値やその通電時間、電極チップの加圧力を最適なものに調整する。また、制御手段は、電極チップを一旦当接位置(加圧する際に電極チップと母材とが当接した位置)まで戻し、その後、開放位置まで開放する。この2段開放制御により電極チップの寿命が向上する。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスポット溶接制御装置において、前記記憶手段には、さらにその電極チップにおける溶接回数と電極間変位波形との関係が記憶され、前記溶接制御手段は、その電極チップの溶接回数と電極間変位波形との関係を加味して溶接状態を認識し、認識された溶接状態に基づいて前記溶接電源からの溶接電流、通電時間又は前記サーボモータによる前記電極チップの加圧力を調整することを特徴とする。
【0022】
このようにすることで、電極チップの溶接回数による磨耗や、先端形状の変化に応じた最適のスポット溶接を行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
上記のように構成される本発明のスポット溶接制御装置は請求項ごとに次のような効果を奏する。
【0024】
請求項1に記載の発明では、スポット溶接中は、電極チップが一定の圧力で母材を加圧し、この状態で電極チップの移動量を検出し、この移動量の時系列的変化状態からスポット溶接の良否を判断するようにしたので、溶接中の電極チップの移動量を正確に把握しさえすればスポット溶接の状態が把握できるようになる。また、スポット溶接の終了の際に、2段開放制御により電極チップを開放するようにしているので、電極チップが母材から離れる際の衝撃を和らげることができ、その分、電極チップの寿命が向上する。
【0025】
請求項2に記載の発明は、2段開放制御の際に電極チップの開放がうまく行われなかった場合には、溶着検知処理を行うので、スポット溶接後のトラブルの発生が認識できるようになる。
【0026】
請求項3に記載の発明は、電極間変位波形を基準電極間変位波形と比較して溶接状態を認識するようにしているから、スポット溶接状態を正確に把握することができ、その状態の把握から、溶接電流値やその通電時間、電極チップの加圧力を最適なものに調整することができる。このため、スポット溶接の品質を向上させることができるようになる。また、スポット溶接の終了の際に、2段開放制御により電極チップを開放するようにしているので、電極チップが母材から離れる際の衝撃を和らげることができ、その分、電極チップの寿命が向上する。
【0027】
請求項4に記載の発明では、電極チップにおける溶接回数と電極間変位波形との関係に基づいて溶接状態を認識できるようにしたので、電極チップの溶接回数の変化による磨耗状況などをも勘案しつつさらに正確な溶接状態の把握が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかるスポット溶接制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【0029】
母材10には、その上下方向から溶接ガン11に取り付けられた電極チップ12A,12Bが圧接される。この圧接された状態で電源回路15から両電極チップ12A,12Bに溶接電流が供給される。この溶接電流の電流値や通電時間(溶接時間)は、中央演算装置20の指令に基づいて動作する電流制御回路16によって制御される。
【0030】
電極チップ12Aは、サーボモータ18によって昇降される。このサーボモータには、位置検出器としてエンコーダ19が取り付けられ、このエンコーダ19によって電極チップ12Aの微少な上下動が検出される。なお、サーボモータ18の動作は、中央演算装置20の指令に基づいて動作するサーボ制御回路22によって制御される。また、エンコーダ19で検出された電極チップ12Aの変位量は、サーボモータ18の位置制御のため、サーボ制御回路22にフィードバックされる。
【0031】
電極間変位判定回路24は、溶接中に電極チップ12A,12Bが母材10の熱膨張によって押し戻されたかどうかを判断するための回路である。この判断は、エンコーダ19によって検出される電極チップ12Aの位置の変動(上方向に移動する)を検出することによって行なう。
【0032】
記憶回路26は、溶接ガンアームの形状、その剛性、電極チップの起動トルク(静摩擦力)、加圧力伝達系の特性、通電周波数、電極チップの形状や磨耗量、母材の板厚、材質、枚数に関する情報を記憶している回路である。また、後述する基準電極間変位波形や溶接中に検出される電極間変位量、その電極チップの溶接回数も記憶されるようになっている。したがって、スポット溶接は、この記憶回路26に記憶されている情報をもとに最適な溶接条件(電極の加圧力、溶接電流、通電時間)で行なわれることになる。
【0033】
以上のように構成された装置を用いて高品質のスポット溶接をするわけであるが、この装置の動作を説明する前に本発明装置を構成するに至った理由を説明しておく。
【0034】
前述のような従来の装置では、通電中の母材の熱膨張量や熱膨張率をリアルタイムに計測するために、溶接ガンアームの剛性確保が必要であり、電極チップの変位を検出するセンサの取り付け位置の調整、校正、価格等の問題を常に抱えていた。本発明では、エンコーダ19によって溶接中の母材10の熱膨張量や熱膨張率、または熱膨張、収縮の時系列データを電極間変位波形として検出できるようにしており、従来のこのような問題をなくしている。なお、電極間変位波形は、母材10の実際の変位量に対して完全には比例しない。これは、母材10の熱膨張初期(微少な変位量)においては電極駆動系の特性、たとえばベルトやカップリング等の特性が合成されるからであり、電極駆動系の損失(遊び)も重畳されるからである。したがって、電極間変位波形は、溶接ガンの形状、その合成、駆動方式、構成部品などによって異なってくる。
【0035】
発明者の研究によると、本発明装置を用いることにより、溶接中の母材10の熱膨張、収縮による電極間変位は、溶接ガン11のアームの撓みに吸収されることなくわずかな変位も検出できることがわかった。このように、微少の変位が検出できるようになったのは、電極チップ12A,12Bの加圧力を正確に制御しているからに他ならない。
【0036】
つまり、電極チップが加圧されるにしたがって溶接ガン11のアームはサーボモータ18の加圧力に応じて撓むが、電極チップ12A,12Bの加圧中はその加圧力と撓みとの釣り合いがとれた状態となっている。この加圧力はサーボモータ18によって正確に制御されている。この状態で溶接を開始すると、母材10の熱膨張により一瞬、溶接ガン11のアームの撓み量が増加する。このため、その加圧力と撓みとの釣り合いが不均衡となり、この釣り合いが平衡するまで電極チップ12Aが押し戻される。この押し戻された位置の経時的変化を電極間変位波形として検出すれば、溶接時の状況が正確に把握できる。
【0037】
図2は、電極チップ12A,12B間の実変位量とその実変位量に対するエンコーダ19の検出変位量との関係を実験によって調べた結果を示したものである。
【0038】
この図を見れば明らかなように、実変位量とエンコーダ検出変位量とは完全には一致しないものの、はっきりとした相関関係があることがわかる。尚、完全には一致しないのは、機械構成部品の損失(遊び)のためであると考えられる。
【0039】
溶接中に実際に測定された電極間変位量(変位波形)、エンコーダ波形、溶接電流波形の一例を図3及び図4に示す。これらの波形を採ってみてわかったことは、単相交流を用いた場合には、電極間変位量がその交流周波数の2倍の周波数でかつ溶接電流の大きさに比例した大きさで振動する電極間変位波形となるということである。したがって、予めこのような電極間変位波形の傾向を記憶させておくことによって、溶接時における母材10の熱膨張量を正確に推定することができるようになる。
【0040】
また、実験では、電極間変位波形が電極チップ先端形状にも依存しているかを調査した。この結果図5に示すようなチップ間変位と時間との関係が得られた。たとえば、連続打点中のドーム型電極チップ先端形状(初期接触面積)の変化と電極間変位(変位波形)の時間的推移をみると、電極チップが新しく初期接触面積が小さいほど電極間変位は極端に減少する傾向を示す。これは、初期接触面積が小さいと、溶接電流が一点に集中しやすくなり、電流が過大となるため、散りが発生するからである。逆に、電極チップの初期接触面積が大きくなると、電極間変位は緩やかな減少傾向を示す。これは、初期接触面積の増加によって散りが発生しにくくなるためである。
【0041】
電極チップの初期接触面積が最適ナゲット径に近い場合には、通電初期の溶接電流が適度となり、散りの発生もなく、電極間変位は一旦増加(熱膨張)し、通電終了後、初期の板厚近くまで減少(収縮)する。
【0042】
一方、電極チップの初期接触面積が最適ナゲット径を越えると、通電面積が増加するため、電極間変位は一旦緩やかに増加するが、通電終了後の減少はほとんど確認されない。これは、電極接触面積が飽和状態に達し、かろうじてナゲットが生成されているものと判断できる。
【0043】
さらに、電極チップの初期接触面積が増加すると、電極接触面積は完全に飽和状態に達し、電極間変位(熱膨張)もほとんど確認されず、ナゲットもほとんど生成されない。
【0044】
このような電極チップの接触面積の変化傾向をも考慮して電極間変位波形の傾向を記憶させておくことによって、より正確に、溶接時における母材10の熱膨張量を推定することができるようになる。
【0045】
本発明では以上のようなことを前提に、図1に示した装置を図6から図8に示すフローチャートのように制御することによって高品質のスポット溶接を可能にしている。以下に、この処理を詳細に説明する。
【0046】
図6は、溶接を開始するときに、電極チップ12A,12Bを母材10に対して2段加圧する処理、及び溶接が終了したときに電極チップ12A,12Bを母材10から2段開放する処理を示したものであり、図7は、図6の処理に加え、電極チップ12A,12Bを母材10から離すときに溶着状態を検出する処理を加えたものである。
【0047】
図6のフローチャートでは、まず、中央演算装置20は、スポット溶接開始の指令を受けると、記憶回路26に記憶されている母材10(被溶接板材)の板厚合計、電極チップ12A,12Bの磨耗量から母材10の接触(当接)位置を算出し、その位置に電極チップを位置決めさせる。尚、図1ではスポット溶接ガンしか示してないが、この溶接ガンは実際にはロボットのガンに取り付けられており、そのロボットの動作は中央演算装置20によって制御されている(S1)。位置決めが終了すると、サーボ制御回路22は、サーボモータ18を作動させ、任意の速度及びトルクで母材10の接触直前まで電極チップ12Aを下降させる。つまり、電極チップ12Aは、母材10を加圧する直前で停止されることになる(第1段加圧)(S2)。
【0048】
つぎに、サーボモータ18の制御方式をトルク制御方式に切り換えて、設定圧力になるまで母材10を加圧する(第2段加圧)。この加圧力の検出は、サーボモータ18に流れる電流値に基づいてサーボモータ制御回路22によって行なわれる。このようにして2段加圧をすると、母材10に電極チップ12Aが接触した状態から加圧が行なわれるので、加圧時の衝撃がなくなり、電極チップ12Aの先端部の塑性変形を避けることができるようになる。したがって、長期にわたって電極チップ12Aの初期形状を保つことが可能となり、電極チップ12Aの寿命(連続打点可能数)が向上する(S3,S4)。設定圧力まで母材10を加圧したことが確認されたときには、スポット溶接が開始されるが、この処理は図8のフローチャートに基づいて後で詳しく説明する(S5,S6)。
【0049】
スポット溶接が終了すると、予め設定したトルク、任意の速度で母材10との接触位置まで電極チップ12Aを上昇させる(S7)。そして、任意の速度及びトルクで電極チップ12Aを最初の位置まで移動させる(S8)。つまり、2段開放制御を行っている。このように2段階で電極チップ12Aを開放させることによって、開放時に電極チップ12Aが受ける開放時の衝撃(振動)をなくすことができる。
【0050】
図7のフローチャートにおいて、S11〜S17のステップまでの処理は図6のフローチャートの処理とまったく同じであるので繰り返して説明しないが、このフローチャートでは、電極の溶着を検知する処理が付け加えられているので、この部分を説明する。
【0051】
スポット溶接が終了すると、電極チップ12Aを開放させるが、開放させる際には、サーボモータ18のトルクを開放するときのトルクに設定して、任意の速度で最初の位置まで移動させる指令をする。この指令はサーボ制御回路22から出力される。なお、このようにトルクを決めるのは、電極チップと母材とが溶着していた場合に、電極チップがガンアームより脱落してしまわないようにするためである(S18)。
【0052】
一定のトルクで駆動しても、電極チップ12Aが上昇しない場合には、溶接時に母材10と電極チップ12Aとが溶着している可能性があるので、サーボ制御回路22は、溶着を検知した旨を中央演算装置20に出力する。中央演算装置20ではこれを受けて溶着検知の処理(溶着したことを表示したり、サーボ制御回路22にサーボモータ18の停止指令を出力したり)する(S19,S20)。
【0053】
電極チップ12Aが最初の位置まで上昇した場合には、溶着やその他のトラブルがなかったものとみなされるから、通常通り処理を終了する(S21)。
【0054】
次に、溶接処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。上記のフローチャートのようにして電極チップ12Aが母材を加圧すると、中央演算装置20は、記憶回路26に記憶されている電極チップの形状と母材の板厚、材質、枚数に関する溶接諸条件を読み込んで、加圧力、溶接電流値、通電時間、基準電極間変位波形などの溶接条件を決定する。なお、この基準電極間変位波形は、推定される電極間変位波形(実際に得られる波形)を基に機械系の損失や伝達特性を考慮して決定された波形であり、溶接回数を重ねるにしたがって電極先端径が変化する場合には、これを考慮した基準電極間変位波形へと変化させる(S30,S31)。つぎに、現在取り付けられている電極チップの溶接回数(この回数は中央演算装置20が把握している)から、溶接時の基準電極間変位波形を決定し、電極チップ12Aと母材10との接触位置を算出する(S32,S33)。接触位置が決定すると、2段加圧処理が行なわれる(図6のフローチャートのS2〜S5までの処理)。つまり、もう一段階電極チップ12Aで母材10を加圧する。このように、2段階の加圧を行なうのは、電極チップ12A,12Bの先端形状が母材10との接触の衝撃で変形しないようにし、また、正確な位置にスポット溶接ができるようにするためである(S34)。加圧が終わると、記憶回路26に記憶されている,スポット溶接時における変位量をクリアし、溶接条件として決定された電流値で通電される。この電流の制御は電流制御回路16によって行なわれる(S35,S36)。
【0055】
スポット溶接時は、電極チップ12A,12Bを介して電源回路15から母材10に通電され、母材10の電極チップ12A,12Bの接触部分のみが発熱して溶け始める。母材10が溶け始めると膨張して電極チップ12Aを押し戻す方向に力がはたらき、電極チップ12Aが加圧力に抗して押し戻される。この押し戻された距離はエンコーダ19によって検出され、記憶回路26に記憶される。つまり、記憶回路26には、電極チップ12Aの位置変化の時系列的なデータが蓄積されることになる。これが電極間変位波形となり、ナゲットの生成過程を時系列的に捕らえたデータとなる。この電極間変位波形は溶接条件が同一であれば、全く同じ波形となる。したがって、この電極間変位波形を分析することによって、スポット溶接の状態が把握できることになり、品質を向上させるためには溶接条件のどれを改善すべきかがわかることになる(S37,S38)。
【0056】
中央演算装置20は、S32のステップで設定した基準電極間波形と記憶回路26に記憶された電極間波形(エンコーダ19によって検出された電極チップ12の押し戻された距離の時系列データ)を比較して、両波形から誤差を算出し、この電極間波形が誤差範囲内であるときには通電終了時間を算出し、通電時間に達したら通電を終了する(S39〜S43)。
【0057】
一方、電極間波形が誤差範囲外であるときには、この誤差がどのような要因で生じたのかを推定し、この推定に基づいて、S30のステップで読み込んだ溶接諸条件の見直しを行ない、この見直した溶接諸条件に基づいて、再度、加圧力、溶接電流値、通電時間などの溶接条件を決定する(S44〜S46)。
【0058】
以上の処理が終了すると、再度、S32のステップで設定した基準電極間波形と記憶回路26に記憶された電極間波形を比較して、両波形から誤差を算出し、この電極間波形が誤差範囲内であるときには、基準電極間変位波形から加圧を保持する時間、すなわち保持終了時間を算出する(S47〜S51)。
【0059】
保持終了時間に達したら、検出された変位波形からナゲット径がどの程度のものであるかを推定し、要求されるナゲット径が得られていると判断された場合には、この誤差がどのような要因で生じたのかを推定し、この推定に基づいて、S30のステップで読み込んだ溶接諸条件の見直しを行ない、この見直した溶接諸条件を記憶回路26に記憶させる。
【0060】
たとえば、通電初期の電極間変位が急激に減少した場合には、散りが発生したものと判断し、加圧力、溶接電流値を制御する。また、基準電極間変位波形に対し実変位量が少なかった場合、通電時間を延長するか、溶接電流を上昇させる。さらに、溶接回数の増加に従い電極チップ12Aの先端形状が変化する場合においては、前述のように基準とする電極間変位波形を変えていくが、この基準電極間変位波形または実測された電極間変位波形より電極チップの初期接触面積が増加し、飽和状態に近付いたと判断された場合、電極チップの交換処理を実行するか、電極チップの交換を促すメッセージを出力する。
【0061】
そして、2段開放処理(図7のフローチャートのS17〜S21の処理)をしてスポット溶接の作業を終了する(S52〜S58)。
【0062】
一方、要求されるナゲット径が得られていないと判断された場合には、この誤差がどのような要因で生じたのかを推定するとともに、異常処理(溶接異常の表示など)を実行する(S59,S60)。
【0063】
このように、本発明の装置では、電極チップ12Aが母材10に接触するまでの移動は位置制御で行い、ゼロタッチ位置に達したときに一時停止させ、その後の加圧は、トルク制御に切り換えて、設定加圧力に達するまで押し込むようにしている。このため、従来のように予め押し込み量を見込んだ位置まで一気に加圧するものに比較して、電極チップ12Aが受ける衝撃は激減する。
【0064】
同様に、溶接終了時に電極チップ12Aを開放させる場合も、ゼロタッチ位置まで加圧トルクのまま位置制御し、ゼロタッチ位置で減速又は停止させ、引き続き開放位置まで位置制御で起動するようにしているので、開放時の電極チップ12Aへの衝撃も激減する。
【0065】
尚、この2段加圧、2段開放の制御がどの程度の効果をもたらすのかをペンパル型突起電極で検証したところ、一般鋼板で連続打点数30,000打点でも電極先端部の異常は見られなかった。この30,000打点という数は、エアーガン(3,000〜4,000打点)の約十倍に相当する打点数である。
【0066】
また、本発明の装置では、ある条件下で正常にスポット溶接が行われた場合に、電極間変位波形は特定の波形を示すという事実に基づいて、ナゲットの生成状態、最終的なナゲット径、溶接品質を推定し、判定することができる。したがって、外乱による溶接条件の変化があった場合には、電極間変位量が正常時とは異なるため、外乱(例えば散りの発生)の発生も容易に検出することができる。
【0067】
さらに、この判定結果を溶接条件(電極の加圧力、溶接電流、通電時間など)にフィードバックすることによって、必要とするナゲット径を確保すると共に最適なスポット溶接を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスポット溶接制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】電極チップ間の実変位量とその実変位量に対するエンコーダの検出変位量との関係を実験によって調べた結果を示した図である。
【図3】溶接中に実際に測定された電極間変位量(変位波形)、エンコーダ波形、溶接電流波形の一例を示す図である。
【図4】溶接中に実際に測定された電極間変位量(変位波形)、エンコーダ波形、溶接電流波形の一例を示す図である。
【図5】チップ間変位と時間との関係を示す図である。
【図6】本発明装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】従来のスポット溶接制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…母材、
11…溶接ガン、
12A,12B…電極チップ、
19…エンコーダ(位置検出器)。
Claims (4)
- 母材にスポット溶接を施す電極チップと、
当該電極チップを移動させるサーボモータと、
前記電極チップの移動量を検出するエンコーダと、
スポット溶接中は、前記電極チップが前記母材を所定の加圧力で加圧するように前記サーボモータの発生トルクを制御する制御手段と、
前記エンコーダから検出される前記電極チップの移動量の時系列的変化からスポット溶接状態の良否を判断する判断手段と、を有し、
前記制御手段は、スポット溶接を終了する際には、前記電極チップを任意のトルクで前記母材の当接位置まで開放し、その後任意の速度で前記電極チップを開放位置まで開放する2段開放制御を行うことを特徴とするスポット溶接制御装置。 - 前記制御手段は、前記2段開放制御を行っても、電極チップが開放位置まで開放しない場合には、電極チップが母材に溶着しているか、又はその他のトラブルが生じたものと判断する溶着検知処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接制御装置。
- 母材にスポット溶接を施す電極チップと、
当該電極チップを移動させるサーボモータと、
前記電極チップの移動量を検出するエンコーダと、
スポット溶接中は、前記電極チップが前記母材を所定の加圧力で加圧するように前記サーボモータの発生トルクを制御するとともに、スポット溶接を終了する際には、前記電極チップを任意のトルクで前記母材の当接位置まで開放し、その後任意の速度で前記電極チップを開放位置まで開放する2段開放制御を行うトルク制御手段と、
前記母材と電極チップとの間に溶接電流を供給する溶接電源と、
正常な電極チップで前記母材にスポット溶接を施した場合に得られた基準電極間変位波形を記憶する記憶手段と、
前記電極チップでスポット溶接をしたときに前記エンコーダから得られた電極間変位波形を前記記憶手段に記憶されている基準電極間変位波形と比較して溶接状態を認識し、認識された溶接状態に基づいて前記溶接電源からの溶接電流、通電時間又は前記サーボモータによる前記電極チップの加圧力を調整する溶接制御手段とを有することを特徴とするスポット溶接制御装置。 - 前記記憶手段には、さらにその電極チップにおける溶接回数と電極間変位波形との関係が記憶され、前記溶接制御手段は、その電極チップの溶接回数と電極間変位波形との関係を加味して溶接状態を認識し、認識された溶接状態に基づいて前記溶接電源からの溶接電流、通電時間又は前記サーボモータによる前記電極チップの加圧力を調整することを特徴とする請求項3に記載のスポット溶接制御装置。
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