JP3613476B2 - はがき - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、はがきに関し、秘密事項部分を隠し、正規の受け取り人が、その秘密事項部分を適宜見ることができる、はがきに関する。
【0002】
【従来の技術】
秘密事項の記載欄を隠し、正規の受け取り人が、比較的簡単にその内容を見ることができるように、たとえばはがきなどの被貼着物に貼着される貼着材が開発されている。
【0003】
図6は、はがきにおける従来の貼着材の使用例を示す断面図である。このはがき1は官製はがき大に形成されたはがき台紙2とこのはがき台紙2の一部に貼着された貼着材3を含む。この貼着材3は基材4を含む。基材4の一方主面には、隠ぺい層5が形成される。隠ぺい層5の一方主面には、感圧接着剤層6が形成される。感圧接着剤層6の一方主面には、はがき台紙2が形成される。そして、はがき台紙2の表面には、秘密事項などを記載してなる情報部7が形成される。
【0004】
この従来の貼着材3を用いたはがき1では、はがき台紙2の表面に秘密事項を記載してなる情報部7が形成されて、印刷されたのち、感圧接着剤層6によって、貼着材3が被貼着材であるはがき台紙2に貼着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の貼着材3を用いたはがき1では、貼着材3のいわゆる貼りミスが生じたとき、情報が印刷されたはがき台紙2も破棄しなければならず、コスト的に問題であった。さらに、はがき台紙2に連番が印刷されていた場合などには、はがき台紙2に再びその番号などを印刷するのは、手間であった。
【0006】
また、料金の印刷や官公庁のデータ印刷などのように、はがき台紙2には受け取り人のプライバシーに関する情報が印刷される場合が多い。しかし、従来の貼着材3を用いたはがき1では、はがき台紙2に情報が印刷されてから貼着材3が貼着されるため、はがき台紙2に印刷された情報の内容が他人に見られる恐れがあった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、正規の受け取り人が比較的簡単に貼着材を引き剥がし、その下部にある情報の内容を見ることができ、しかも、貼着材の貼りミスが生じたときに、情報が印刷されていないはがき台紙を破棄すればよく、貼着材がはがき台紙に貼着される前に、はがき台紙に印刷された情報の内容が他人に見られる恐れがない、はがきを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に記載のはがきは、はがき台紙に貼着材が貼着され、貼着材は、隠ぺい性を有する基材と、基材の裏面に形成される難接着層と、難接着層の裏面に、難接着層との界面において剥離可能に形成された接着力調整層と、接着力調整層の裏面に形成された自己発色層と、自己発色層の裏面において、はがき台紙に貼着されるように形成された感圧接着剤層とを含み、自己発色層は、基材の表面から打突により発色させて印刷をすることができるように形成された、はがきである。
この発明の請求項2に記載のはがきは、自己発色層は自己発色性マイクロカプセルを含有する、請求項1に記載のはがきである。
この発明の請求項3に記載のはがきは、はがき台紙に貼着材が貼着され、貼着材は、隠ぺい性を有する基材と、基材の裏面に形成される難接着層と、難接着層の裏面に、難接着層との界面において剥離可能に形成された接着力調整層と、接着力調整層の裏面に形成された自己発色層と、自己発色層の裏面において、はがき台紙に貼着されるように形成された感圧接着剤層とを含み、自己発色層は、感熱発色により発色させて印刷をすることができるように形成された、はがきである。
【0009】
【作用】
自己発色層は、基材の表面から印刷可能なので、貼着材がはがき台紙に貼着されてから、自己発色層を発色させて、はがき台紙に情報が印刷される。
【0010】
【発明の効果】
この発明によれば、貼着材の製造業者から貼着材の使用者には、貼着材をはがき台紙に貼着させた状態で供給され、貼着材の使用者が貼着材をはがき台紙に貼着させる手間が省ける。また、貼着材がはがき台紙に貼着されるときに、貼着材の貼りミスが生じても、情報が印刷されていないはがき台紙を破棄すればよい。また、この発明によれば、貼着材がはがき台紙に貼着される前に、はがき台紙に印刷された情報の内容が他人に見られる恐れがない。
【0011】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0013】
【実施例】
図1は、はがきにおけるこの発明の一実施例である貼着材の使用例を示す斜視図であり、図2は図1の線II−IIにおける断面図である。このはがき10は、官製はがき大に形成されたはがき台紙12とこのはがき台紙12の一部に貼着された貼着材14とを含む。
【0014】
この貼着材14は、たとえば紙,合成樹脂フィルムなどの比較的柔軟で、手や鋏などで切断することが可能な素材をもって形成された基材16を含む。
【0015】
この基材16の裏面には、隠ぺい層18が形成される。この隠ぺい層18はアルミホイルなどの隠ぺい力を有するフィルム材を積層することによって形成されるが、たとえば隠ぺい性のあるインクで印刷することによって形成してもよい。
【0016】
隠ぺい層18の裏面には、難接着層20がポリエチレン,ポリプロピレンなどの不活性で極性基の無い樹脂を押し出して、ラミネート加工により形成される。なお、難接着層20にカーボンブラックやアルミ粉などの隠ぺい性のある充填剤を配合して隠ぺい化すれば、前記隠ぺい層18は形成しなくてよい。
【0017】
難接着層20の裏面には、接着力調整層22が形成される。接着力調整層22は、難接着層20と適度にコントロールされた弱い接着力で接着される。接着力調整層22の裏面には、自己発色層24が形成され、自己発色層24の裏面には、感圧接着剤層26が形成される。
【0018】
接着力調整層22の材料は、難接着層20との関係で選択される。たとえば、難接着層20を形成する樹脂としてポリエチレンを選択した場合には、接着力調整層22の材料としては、たとえば、ポリビニルメチルエーテル,ポリビニルエチルエーテル,ポリビニルイソブチルエーテル,カルボキシル変成アクリル樹脂,ポリアミド樹脂,塩素化ポリプロピレン,エチレン・アクリル酸共重合体,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・エチルアクリレート樹脂,スチレン・ブタジエン・スチレンのブロック共重合体,スチレン・イソプレン・スチレンのブロック共重合体,ポリエステル樹脂,テルペン樹脂,ロジン,エステルロジン,水添ロジン,重合ロジン,ブチラール樹脂,石油樹脂などやポリエチレンワックス,パラフィンワックス,モンタンワックス,マイクロクリスタリンワックスなどのワックス類や塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体,ニトロセルロースなどが選択できる。そして、これら単体か、または2種類以上を混合したものをコーティングして接着力調整層22とすることができる。
【0019】
発明者の実験によれば、上述の実施例において、ポリオレフィン樹脂層すなわち難接着層20に、塩素化ポリプロピレンと塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体の混合溶液を塗布して、接着力調整層22を形成し、それらの配合比率を、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体100部に対して塩素化ポリプロピレン40部〜240部とした場合、塩素化ポリプロピレン120部を配合したときに最も良好な結果が得られ、接着力調整層22は適度にコントロールされた弱い接着力で難接着層20に接着された。
【0020】
また、上述の実施例において、ポリオレフィン樹脂層すなわち難接着層20に、スチレン・ブタジエン・スチレンのブロック共重合体と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体との混合溶液を塗布して、接着力調整層22を形成し、それらの配合比率を、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体100部に対してスチレン・ブタジエン・スチレンのブロック共重合体1部〜40部とした場合、スチレン・ブタジエン・スチレンのブロック共重合体10部を配合したときに最も良好な結果が得られ、接着力調整層22は適度にコントロールされた弱い接着力で難接着層20に接着された。
【0021】
自己発色層24は自己発色性マイクロカプセルを含有する。そのため、基材16の表面からのピンプリンタなどによる打突によって、自己発色層24を発色させて、秘密事項などの情報を印刷することができる。自己発色層24に使用される自己発色性マイクロカプセルは、ロイコ染料溶液を水溶液系からの相分離法などによってカプセル化することによって形成される。
【0022】
感圧接着剤層26によって、貼着材14ははがき台紙12に貼着される。このように、貼着材14をはがき台紙12に貼着させたのちに、基材16の表面からのピンプリンタなどによる打突によって、自己発色層24を発色させて印刷を行う。
【0023】
図3ははがき台紙12から貼着材14を剥がした状態を示す断面図である。難接着層20と接着力調整層22との接着力は、感圧接着剤層26の接着力より弱いので、はがき台紙12から貼着材14を剥がしたとき、難接着層20と接着力調整層22との界面で、貼着材14ははがき台紙12から剥がれる。
【0024】
なお、基材16の例としては、前記実施例の他、合成紙,セロハン,ポリエチレン,ポリエステルなどのフィルムまたはアルミホイルなどが挙げられるが、この貼着材14をはがき台紙12に貼着したときに、感圧接着剤層26の接着力に抗してこの貼着材14が不用意に層間剥離しないように、比較的柔軟なものを選択するのがよい。
【0025】
また、この基材16としてアルミホイルなどのように隠ぺい性に優れたものを選択した場合には、前記実施例のように、隠ぺい層18を形成しなくてもよい。
【0026】
この実施例によれば、貼着材14がはがき台紙12に貼着されてから、自己発色層24を発色させて、はがき台紙12に情報が印刷される。したがって、貼着材14の製造業者から貼着材14の使用者には、貼着材14をはがき台紙12に貼着させた状態で供給され、貼着材14の使用者が貼着材14をはがき台紙12に貼着させる手間が省ける。また、貼着材14がはがき台紙12に貼着されるときに、貼着材14の貼りミスが生じても、情報が印刷されていないはがき台紙12を破棄すればよく、情報が印刷されたはがき台紙12を破棄する必要がない。さらに、この実施例によれば、貼着材14がはがき台紙12に貼着される前に、はがき台紙12に印刷された情報の内容が他人に見られる恐れがない。
【0027】
図4は、この発明の他の実施例を示す断面図であり、図5は、図4に示す実施例においてはがき台紙12から貼着材14を剥がした状態を示す断面図である。
【0028】
この実施例では、隠ぺい層18と自己発色層24との間に、難接着層20および接着力調整層22は形成されず、隠ぺい層18の裏面に自己発色層24が形成される。そして、隠ぺい層18と自己発色層24との接着力は、感圧接着剤層26の接着力より弱いので、はがき台紙12から貼着材14を剥がしたとき、隠ぺい層18と自己発色層24との界面で、貼着材14ははがき台紙12から剥がれる。
【0029】
上記実施例では、自己発色層24に自己発色性マイクロカプセルを含有させ、基材16の表面からのピンプリンタなどによる打突によって、自己発色層24を発色させた。しかし、自己発色層24にロイコ染料および顕色剤を含有させて、自己発色層24に感熱発色性を付与し、基材16の表面においてサーマルプリンタを用いて、自己発色層24を発色させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】はがきにおけるこの発明の一実施例である貼着材の使用例を示す斜視図である。
【図2】図1の線II−IIにおける断面図である。
【図3】はがき台紙から貼着材を剥がした状態を示す断面図である。
【図4】この発明の他の実施例を示す断面図である。
【図5】図4に示す実施例においてはがき台紙から貼着材を剥がした状態を示す断面図である。
【図6】はがきにおける従来の貼着材の使用例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 はがき
12 はがき台紙
14 貼着材
16 基材
18 隠ぺい層
20 難接着層
22 接着力調整層
24 自己発色層
26 感圧接着剤層

Claims (3)

  1. はがき台紙に貼着材が貼着され、
    前記貼着材は、
    隠ぺい性を有する基材と、
    前記基材の裏面に形成される難接着層と、
    前記難接着層の裏面に、前記難接着層との界面において剥離可能に形成された接着力調整層と、
    前記接着力調整層の裏面に形成された自己発色層と、
    前記自己発色層の裏面において、はがき台紙に貼着されるように形成された感圧接着剤層とを含み、
    前記自己発色層は、前記基材の表面から打突により発色させて印刷をすることができるように形成された、
    はがき。
  2. 前記自己発色層は自己発色性マイクロカプセルを含有する、請求項1に記載のはがき。
  3. はがき台紙に貼着材が貼着され、
    前記貼着材は、
    隠ぺい性を有する基材と、
    前記基材の裏面に形成される難接着層と、
    前記難接着層の裏面に、前記難接着層との界面において剥離可能に形成された接着力調整層と、
    前記接着力調整層の裏面に形成された自己発色層と、
    前記自己発色層の裏面において、はがき台紙に貼着されるように形成された感圧接着剤層とを含み、
    前記自己発色層は、感熱発色により発色させて印刷をすることができるように形成された、
    はがき。
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