JP3613415B2 - グラウト充填用袋体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はグラウト充填用袋体に関するものであって、特にトンネルの覆工部材の裏込め部材、アンカー、パッカー、布型枠などの、土木工事においてその内部にグラウトを充填して使用する袋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1はグラウト充填用袋体の使用状態を示すものであって、(a)はトンネルの覆工部材の裏込め部材として使用する状態を示すものである。
【0003】
図1(a)において1は覆工部材であって、円弧状に湾曲した覆工枠2の外側に袋本体3が取付けられている。袋本体3は通水性の織物や不織布などの布帛よりなっており、使用前には袋本体3は小さく折畳まれた状態で覆工枠2の外側に取付けられている。そして掘削されたトンネルの地山5の内側に沿ってこの多数の覆工部材1を配置して組立てる。
【0004】
トンネル内面に沿って覆工部材1を配置した状態で、前記袋本体3内に送入管4を介してモルタルなどのグラウト材を充填して袋本体3を膨ませ、覆工枠2と地山5との間を裏込めするのである。
【0005】
また図1(b)は、杭6を地盤に固定するアンカーとして使用する状態を示すものであって、杭6の先端に袋本体3を取付け、その杭6を地面に穿設した竪穴7に挿入し、送入管4から袋本体3内にグラウト材を圧入し、袋本体3を竪穴7内面に圧接して杭6を地盤に固定するものである。
【0006】
これらの工法においては、袋本体3内にグラウト材を圧入すると、そのグラウト材の圧力で袋本体3が膨むと共に、グラウト材中の水が袋本体3の表面から絞り出され、袋本体3内には濃縮されたグラウト材が高圧で充填され、これが硬化することにより強固な裏込め又はアンカーが形成されるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらのグラウト充填用袋体においては、袋本体3にグラウト材を圧入するための送入管4を取付ける必要がある。通常袋本体3に送入管4を取付けるには、袋本体3に形成した透孔に金属製又はプラスチック製の継手部材を取付け、当該継手部材に袋本体3より小径の筒状の織布又は不織布などの布帛よりなる送入管4を結合することが行われている。
【0008】
しかしながらこの構造では、袋本体3や送入管4は柔軟であって小さく折畳むことができるのに対し、継手部材が剛直で嵩張るため、袋体の収納や運搬などに際して継手部材が邪魔になり、取扱いに不便であり、また取扱い中に剛直な継手部材により袋本体3が傷付いて耐圧力が低下する恐れがある。
【0009】
また袋本体3に形成された透孔に、直接送入管4の端末を縫合して結合することもできるが、その縫合部の形状は図学上の二つの円筒面の交差線に該当し、極めて複雑な形状となる。
【0010】
また高圧のグラウト材を圧入したときには、その縫合部には、袋本体3における内圧による力と、送入管4における内圧による力とが同時に作用し、局部的に複雑な力が作用して、縫合部が破断する可能性がある。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、袋本体3と送入管4とを直接結合した構造であって、且つ簡単な操作で確実に結合することができると共に、結合部の強度が大きく、高圧のグラウト材を圧入した場合においても破断したり、グラウト材が漏出したりすることのない、グラウト充填用袋体を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決する手段】
而して本発明のグラウト充填用袋体は、通水性を有する筒状布帛製の袋本体に、グラウト注入用の小径の筒状布帛の送入管を結合してなる袋体において、前記袋本体を構成する偏平に折畳んだ筒状布帛の開口端においてその一側隅に内側に三角形状の折込み部を形成し、前記送入管を構成する偏平に折畳んだ小径筒状布帛の先端部を前記筒状布帛の開口端内に筒状布帛と直交するように配置すると共に、小径筒状布帛の後部を筒状布帛の前記折込み部から側方に突出せしめ、筒状布帛の開口端と小径筒状布帛の側縁とを一体に固着したことを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、前記筒状布帛の折込み部においても、その奥縁と当該奥縁に当接する小径筒状布帛の側縁とを、一体に固着しておくことが好ましい。また筒状布帛と小径筒状布帛との固着は、その両者を一体に縫合することにより行うのが好ましい。
【0014】
また前記筒状布帛の折込み部は、前述のようにその奥縁と小径筒状布帛の側縁とを固着すると共に、その折込み部と当該折込み部に挟まれた小径筒状布帛とを、接着剤により接着することが好ましい。
【0015】
【実施例】
図3は本発明の一実施例を示すものである。8は袋本体3を構成する筒状布帛であって、筒状の織布又は不織布よりなっている。また9は送入管4を構成する小径筒状布帛であって、筒状の織布又は不織布よりなり、前記袋本体3を構成する筒状布帛8より十分に小径であり、その筒状布帛8の端末部に、当該筒状布帛と直行するように取付けられている。
【0016】
図2は本発明の袋体において、筒状布帛8に小径筒状布帛9を接合する工程を示すものである。筒状布帛8は前述のように筒状の布帛であるが、繊維を筒状に織成し又は交絡したものであってもよく、またシート状の布帛を丸めて両側縁を接合して、筒状としたものを使用することもできる。
【0017】
また小径筒状布帛9においても同様であり、その小径筒状布帛9の先端10は斜めに切断されている。
【0018】
而して図2(a)に示されるように、先ず偏平に折畳まれた筒状布帛8の開口端11において、その一側隅を内側に折り込んで、略三角形状の折込み部12を形成する。
【0019】
そして図2(b)に示されるように、小径筒状布帛9を筒状布帛8の開口端11部に筒状布帛8と直行するように配置し、筒状布帛8の開口端11部及び折込み部12の間に、これも偏平に折畳まれた小径筒状布帛9の先端部を挟み、その小径筒状布帛9の後部を折込み部12から側方に突出せしめる。
【0020】
次いで図2(c)に示されるように、前記筒状布帛8の折込み部12の奥縁13と、当該奥縁13に当接せしめられた小径筒状布帛9の側縁とを、縫合14により固着している。
【0021】
なおこの部分は、縫合に限らず接着によることもできる。またこの折込み部12の奥縁13における小径筒状布帛9との固定は、本発明において必ずしも不可欠の要件ではない。
【0022】
而して図2(d)は、小径筒状布帛9を筒状布帛8の開口端11部の所定の位置に挟み込んだ状態を示している。ここで図2(e)に示すように筒状布帛8の開口端11を内側に折返し、その折返し部15で小径筒状布帛9の開口端11側の側縁を包む。
【0023】
この状態で筒状布帛8の開口端11と小径筒状布帛9の側縁とを縫合16により固着し、また前記筒状布帛8の折込み部12と小径筒状布帛9の表面とを接着剤により接着することにより、図2(f)に示すように本発明の袋体が得られるのである。
【0024】
なお本発明においては、開口端11と小径筒状布帛9の側縁との固着は、縫合によるものに限られることはなく、接着剤で接着することにより、固着することもできる。また折込み部12と小径筒状布帛9との接着も、本発明における不可欠の要件ではない。また本発明の袋体における筒状布帛8の他端は、適宜の手段により閉塞されている。
【0025】
【作用】
本発明においては、送入管4の後端にポンプなどの圧入手段を接続してグラウト材を圧入すると、当該グラウト材は送入管4の先端から袋本体3内に入り、袋本体3内に充填される。実施例のように送入管4の先端を斜めに切断しておくことにより、送入管4から袋本体3内への開口が大きくなり、グラウト材の袋本体3内への流入がスムーズに行われる。
【0026】
そして筒状布帛8の開口端11は、縫合16などにより固着されて閉塞されており、その閉塞部は開口端11を単純に真直ぐに閉塞するだけであって簡単であると共に、袋本体3の内圧によって局部的に過大の力が作用するようなことがなく、大きな圧力に耐えることができる。
【0027】
また送入管4は、それ自体単純な円筒状の小径筒状布帛9よりなり、大きな耐圧力を有している。そして筒状布帛8の開口端11を小径筒状布帛9の側縁に固着することにより一体化しているので、送入管4が袋本体3から脱落することはない。
【0028】
而して本発明の構造においては、袋本体3は折込み部12の間を通じて側方に開口しており、送入管4は当該開口を通って袋本体3内に挿入された構造を採っている。
【0029】
そのため袋本体3内にグラウト材の圧力がかかったときには、その圧力は折込み部12にとっては外圧として作用し、袋本体3の外面に押付けられるため、袋本体3と送入管4との交差部をことさらに縫合などにより固着しなくとも、グラウト材が漏出することがない。
【0030】
ただ折込み部12と送入管4とが遊離していると、袋本体3内の圧力によって内側に折込まれた折込み部12が開口から外側に捲れ返って、そこから高圧のグラウト材が漏出する可能性がある。
【0031】
そのため、請求項2のように折込み部12の奥縁13と小径筒状布帛9の側縁とを固着することが好ましく、さらに僅かなグラウト材の漏出をも阻止するためにも、請求項4のように折込み部12をその全面に亙って小径筒状布帛9の表面に接着することが、より好ましいのである。
【0032】
【発明の効果】
従って本発明によれば、袋本体3を構成する筒状布帛8と送入管4を構成する小径筒状布帛9とを簡単な構造で組合わせて、筒状布帛8の開口端11と小径筒状布帛9の一側縁とを単純な縫合などにより固着したものであって、構造が簡単で極めて容易に製作することができる。
【0033】
また金属やプラスチックなどの継手部材を使用することがないので、収納や運搬に際しては小さく折畳むことができ、また袋体自体が不用意に傷付くようなこともない。
【0034】
そして袋本体3も送入管4も、その両者の接合部も単純な構造であり、高圧のグラウト材を圧入した状態においても、局部的に過大な荷重が作用することがなく、局部的に破断したり耐圧力が低下したりすることがなく、十分に高圧のグラウト材を充填することができ、覆工部材1の裏込め部材やアンカー部材として、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるグラウト充填用袋体の使用例を示すものであって、(a)はトンネルの覆工部材の裏込め材としての使用例を示し、(b)はアンカー部材としての使用例を示すものである。
【図2】本発明の袋体を製作する工程を示す主要部の平面図
【図3】本発明の袋体の主要部の斜視図
【図4】図3におけるA−A断面図
【図5】本発明の袋体の内圧がかかった状態のA−A断面図
【符号の説明】
3 袋本体
4 送入管
8 筒状布帛
9 小径筒状布帛
11 開口端
12 折込み部
13 奥縁
14 縫合
16 縫合
Claims (4)
- 通水性を有する筒状布帛製の袋本体(3)に、グラウト注入用の小径の筒状布帛の送入管(4)を結合してなる袋体において、前記袋本体(3)を構成する偏平に折畳んだ筒状布帛(8)の開口端(11)においてその一側隅に内側に三角形状の折込み部(12)を形成し、前記送入管(4)を構成する偏平に折畳んだ小径筒状布帛(9)の先端部を前記筒状布帛(8)の開口端(11)内に筒状布帛(8)と直交するように配置すると共に、小径筒状布帛(9)の後部を筒状布帛(8)の前記折込み部(12)から側方に突出せしめ、筒状布帛(8)の開口端(11)と小径筒状布帛(9)の側縁とを一体に固着したことを特徴とする、グラウト充填用袋体
- 前記筒状布帛(8)の折込み部(12)の奥縁(13)と当該奥縁(13)に当接する小径筒状布帛(9)の側縁とを、一体に固着したことを特徴とする、請求項1に記載のグラウト充填用袋体
- 筒状布帛(8)と小径筒状布帛(9)との固着を、その両者を一体に縫合(14,16)することにより行ったことを特徴とする、請求項1又は2に記載のグラウト充填用袋体
- 前記筒状布帛(8)の折込み部(12)と、当該折込み部(12)に挟まれた小径筒状布帛(9)とを、接着剤により接着したことを特徴とする、請求項2に記載のグラウト充填用袋体
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JP25175395A JP3613415B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | グラウト充填用袋体 |
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JP25175395A JP3613415B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | グラウト充填用袋体 |
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JPH0972196A JPH0972196A (ja) | 1997-03-18 |
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JP25175395A Expired - Lifetime JP3613415B2 (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | グラウト充填用袋体 |
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JP4862075B2 (ja) * | 2009-12-11 | 2012-01-25 | 芦森工業株式会社 | 土木用袋体 |
-
1995
- 1995-09-04 JP JP25175395A patent/JP3613415B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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