JP3612932B2 - 高圧電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やプリンタ等の電子写真応用装置に使用される現像器などに交流の高電圧を供給するための交流高圧電源装置にかかるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子写真応用装置の現像器に印加する高電圧波形として、矩形波を用いる場合がある。このため、高電圧の矩形波を発生させる電源装置についても様々なものが実用化されている。
【0003】
図11は、このような高圧電源装置の一例の回路のブロック図を示したものである。高電圧の矩形波を発生させる電源装置として、入力電圧を用いて高周波のDC−DCコンバータで負荷容量を充電し、高耐圧のスイッチング素子で負荷容量を放電することで高圧の矩形波を発生させている。また、一定の電圧に達した後、その電圧をしばらく維持するために、その電圧を検知し、一定電圧以上の場合にはDC−DCコンバータの駆動をストップさせている。図12は、このような電源装置の動作を説明する図である。図12▲1▼は比較的高周波でDC−DCコンバータに供給する単位当たりのエネルギーを決定する波形(以下、「基準信号」という)を示すものである。図12▲2▼は比較的低周波で負荷容量を放電するタイミングを図る波形である(以下、「出力用クロック」という)。図12▲3▼は最終的にこの高圧電源装置から出力される波形(以下、「出力波形」という)を示している。この出力波形は、負荷容量に負荷が充電されていく第一のプロセス、一定の電圧に達し、その電圧を検知してDC−DCコンバータの駆動を停止させることで一定の電圧を維持している第二のプロセス、負荷容量に蓄積された負荷が放電する第三のプロセス、放電が終了し一定の電圧を維持する第四のプロセスに分けることができ、この第一〜第四のプロセスを繰り返して高圧の矩形波を出力している。
【0004】
従来のこのような高圧電源装置には次のような問題点が存在していた。まず、第一のプロセスから第二のプロセスにおいて、負荷容量を充電していき、一定の電圧に達すればDC−DCコンバータの駆動を停止することによって一定電圧を維持することはできるが、その一定電圧に達するまでの速さについては何らこれを制御する手段を持たない。したがって、入力電圧の低下によってこの立ち上がりに変動が生じた際に、このような高圧電源装置を電子写真応用装置の現像器に用いた場合に画像の「かぶり」等の画質欠陥が生じる場合があるという問題がある。
【0005】
また、基準信号(図12▲1▼)と出力用クロック(図12▲2▼)とはそれぞれ異なった周波数であるため、同期したものではない。したがって、出力波形の立ち上がり部分(第一のプロセス)が出力波形の周期毎にずれてしまう場合がある。そのため、出力波形にゆらぎが生じ、このような高圧電源装置を電子写真応用装置の現像器に用いた場合に画像の「濃度むら」等の画質欠陥が生じる場合があるという問題もある。特に、帯電ロールを用いて帯電を行う電子写真応用装置の場合には、その問題が顕著に生じる。
【0006】
このような画質欠陥が生じないように、出力波形の立ち上がりの変動を抑制する技術については、特開平4−342272号公報に、マイコンを用いて出力波形を時分割し、各箇所の目標電圧と実際の電圧とに応じて負荷容量に供給する単位時間当たりのエネルギーを制御する技術が記載されている。この技術によれば、立ち上がりを含む出力波形全域を制御できるため、出力波形の立ち上がりの変動を抑制することができる。
【0007】
また、出力波形のゆらぎを抑制する技術については、特開平4−308459号公報に、マイコンを用いて、そのマイコンの基準クロックをカウンタを用いて分周し、その分周したクロックをDC−DCコンバータ用の駆動周波数のクロックとして利用し、さらにその駆動周波数をカウンタを用いて分周し、その分周したクロックを出力周波数のクロックとして利用する技術が記載されている。この技術によれば、DC−DCコンバータ用の駆動周波数のクロックと出力周波数のクロックとは同期した周波数となり、負荷容量の充電開始時期にばらつきが生じることはなく、出力波形の波形ゆらぎを抑制することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−342272号公報記載の技術、特開平4−308459号公報記載の技術は、確かにそれぞれ出力波形の立ち上がりの変動、出力波形の波形ゆらぎを抑制するものであるが、共にその実現にマイコンを使用する必要があり、結果として高圧電源装置が高価になってしまう。したがって、特に低価格の複写機、プリンタ等の電子写真応用装置にそのような高圧電源装置を適用することはコスト的に困難である。
【0009】
そこで、本発明者は上記問題点に鑑みて本発明を完成させたものであり、その目的とするところは、マイコンのような高価な電子部品を使用することなく、高電圧の出力波形の立ち上がりの変動、出力波形の波形揺らぎを解消することができる安価な高圧電源装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明は、入力電圧を所定周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部と、コンバータ部の出力をスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部とを備える高圧電源装置において、前記入力電圧の変化に応じて前記基準信号のデューティを制御する制御手段を設けるものである。
【0011】
高圧電源装置をこのような手段によって構成することによって、コンバータ部に入力される入力電圧が変動した場合であっても、制御手段がその変動を基準信号のデューティを変更することによって補完するため、コンバータ部を駆動させる1周期当たりのエネルギーの変動が抑制され、結果として高圧切替部に充電される単位時間当たりの充電量の変動も抑制される。
【0012】
また、本発明は、入力電圧を第一の周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部と、コンバータ部の出力を第二の周波数でスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部とを備える高圧電源装置において、前記第二の周波数の立ち上がり又は立ち下がりタイミングに合わせて前記第一の周波数の基準信号を発生させるリセット手段を設けるものである。
【0013】
高圧電源装置をこのような手段によって構成することによって、コンバータ部内の基準信号と高圧切替部から出力される出力波形との周波数が異なり、それらが同期したものでなくても、リセット手段によって、出力波形の立ち上がり又は立ち下がりのタイミングに合わせて、出力波形の一周期毎に、基準信号をリセットして発生させることができる。
【0014】
【発明の実施による形態】
次に、実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1にかかる高圧電源装置のブロック図を示したものである。この電源装置の構成は、入力電圧を所定周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部1と、コンバータ部1の出力をスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部2と、入力電圧と基準信号のデューティとの積が設定値になるようにデューティを制御する制御手段3とからなる。
【0015】
コンバータ部1は、入力電圧がその一次側に印加されておりその入力電圧を昇圧する昇圧手段と、昇圧手段の駆動の開始、停止を操作する第二のスイッチング手段と、昇圧手段によって昇圧された電圧を整流する整流手段と、整流手段によって整流された電圧が一定電圧以上になると昇圧手段の駆動停止を第二のスイッチング手段に指示する電圧制御手段と、単位時間当たりの昇圧手段の駆動時間を決定する基準信号を発生させる基準信号発生手段とからなる。
【0016】
また、昇圧手段はトランス(Trans)によって構成され、第二のスイッチング手段はトランジスタ(Tr2)によって構成され、整流手段はダイオード(D)とコンデンサ(C1)とによって構成されている。電圧制御手段は整流手段からの出力電圧を検知する電圧検出回路と電圧検出回路の出力と所定値とを比較し所定値より電圧検出回路の出力が高い場合には第二のスイッチング手段に駆動停止の信号を発生する比較手段とからなり、所定値は一定の直流電源(E1)によって、比較手段は比較器(Cm1)によってそれぞれ構成されている。基準信号発生手段は、所定の周波数でクロックを発生するコンバータ用発振器と、このクロックの周波数でオンオフを繰り返し、基準信号を発生させる第一のスイッチング手段とからなり、第一のスイッチング手段はトランジスタ(Tr1)によって構成させている。
【0017】
なお、本実施例では、このトランジスタ(Tr1)のコレクタ側には入力電圧が供給されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、別の電圧源から供給されるものであってもよい。
【0018】
高圧切替部2は、コンバータ部1の整流手段からの出力によって充電される負荷容量、充電された負荷容量を放電する第三のスイッチング手段と、所望の出力波形の周波数でクロックを発生させる出力周波数用発振器と、この出力周波数用発振器のクロック信号をコンバータ部1の第二のスイッチング手段のスイッチングを行うのに適当な信号に変換する駆動回路1と、同じくそのクロック信号を高圧切替部2の第三のスイッチング手段のスイッチングを行うのに適当な信号に変換する駆動回路2とから成る。
【0019】
また、負荷容量はコンデンサ(C2)によって構成され、第三のスイッチング手段は高耐圧のトランジスタ(Tr3)によって構成されている。なお、本実施例では出力周波数用発振器は高圧電源内にあるが、これは外部から出力周波数のクロックが入力されるようなものであってもよい。
【0020】
制御手段3は、入力電圧と基準信号のデューティとの積を計算する計算手段と、計算手段からの出力と設定値とを比較して、その差に応じて制御信号を出力する制御信号出力手段と、制御信号出力手段からの制御信号の出力によって基準信号のデューティを変更するデューティ変更手段とからなる。
【0021】
また、計算手段は積分回路によって構成され、さらに、この積分回路は抵抗(R3)とコンデンサ(C3)とによって構成されている。設定値は一定の直流電源装置(E2)によって構成され、制御信号出力手段は差動増幅器によって構成されている。デューティ変更手段は、PWM回路によって構成され、DC−DCコンバータ用発振器からのクロック信号をこのPWM回路によってデューティ変更し、結果として基準信号のデューティを変更している。
【0022】
なお、本実施例にかかる高圧電源装置は画像形成装置の現像器用の電源装置として使用するため、直流電源装置(E4)、抵抗(R4)、コンデンサ(R4)とからなる直流電圧重畳手段を付加している。また、抵抗(R1)は入力電圧に対する制限抵抗であり、抵抗(R2)は計算手段への入力が駆動回路1や電圧制御手段の出力によって影響を受けないようにするものである。コンデンサ(C5)は入力電圧の平滑コンデンサである。
【0023】
次に、本実施例にかかる高圧電源装置の動作について説明するが、高圧の矩形波を得る動作については従来のものと同様であるので、その説明は省略し、制御手段3が出力波形の立ち上がりの変動を抑制する動作について説明する。
【0024】
本実施例では、積分回路の入力は、入力電圧Vccが基準信号のデューティで印加されたものである。したがって、その積分回路の出力は入力電圧と基準信号のデューティとの積が出力されることになる。例えば、図2に示すように、入力電圧が24[V]、基準信号のデューティが0.3である状態が望ましい状態であるとすると、24×0.3=7.2となる。また、この7.2[V]を設定値として一定の直流電源(E1)の電圧値としておく。
【0025】
次に、設定値7.2[V]で、入力電圧Vccが1.1倍に増加変動した場合には、積分回路の出力は7.2[V]より上昇し、差動増幅器(A)は、設定値と積分回路との差に応じて制御信号をPWM回路に送り、PWM回路は基準信号のデューティを(1/1.1)倍に変更する。すると、積分回路の出力は、24×1.1×0.3×(1/1.1)=7.2[V]となり、設定値7.2[V]と同じになる。また、入力電圧Vccが減少変動した場合も同様に、PWM回路がデューティを制御することによって、結果的に入力電圧Vccと基準信号との積が設定値(本実施例では7.2[V])に保たれることになる。
【0026】
出力信号の立ち上がりの際には、電圧制御手段による制御が行われないため、この立ち上がりの際の負荷容量への充電エネルギーは、トランス駆動電圧である入力電圧Vccと基準信号のデューティによって決定される。
【0027】
ここで、本実施例にかかる高圧電源装置では、入力電圧Vccと基準信号のデューティとの積が一定になるように基準信号のデューティを制御するものであるため、マイコンのような高価な電子部品を使用せずに、入力電圧Vccが変動しても、安定した立ち上がりの出力波形を出力することができる。
【0028】
また、DC−DCコンバータ用発振器の発振器毎の製品ばらつきにより生じるデューティばらつきに対しても、基準信号を検出、制御するため安定した立ち上がりの出力波形を出力することができる。
【0029】
さらに、本実施例にかかる高圧電源装置では、上述のように入力電圧Vcc変動、DC−DCコンバータ用発振器の発振器毎の製品ばらつきにより生じるデューティばらつきに対して安定してトランスの一次側にトランスを駆動させるためのエネルギーを供給することができるため、トランスを構成するコアの最高磁束密度の変動も抑制することができ、トランスの温度上昇抑制にも有利となる。つまり、トランスを構成するコアの最高磁束密度の安全マージンを少なくすることができ、それによって安全性を損なうことなく、トランスの容量を小さくでき、より小さなトランスを高圧電源装置に使用することができる。結果として、高圧電源装置およびそれを搭載する電子写真応用装置の小型化を図ることができ、コスト的にも有利なものとなる。
【0030】
なお、本実施例は、入力電圧Vccと基準信号のデューティとの積が一定になるように基準信号のデューティを制御するものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、入力電圧Vccの変化に応じて適当にデューティを制御するものであればよい。例えば、入力電圧Vccが下がれば適当にデューティが上がるような何らかの関係式に基づいてデューティを制御するものでもよい。この関係式は、高圧電源装置内外の負荷、求められる出力波形の立ち上がり等によって適宜決定すればよい。
【0031】
[実施例2]
図3は、実施例2にかかる高圧電源装置のブロック図を簡単に示したものである。この電源装置の構成は、入力電圧を所定周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部1と、コンバータ部1の出力をスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部2と、入力電圧と基準信号のデューティとの積が設定値になるようにデューティを制御する制御手段3と、入力電圧と基準信号のデューティとの積の設定値を変更する設定値変更手段4とからなる。以下、本実施例の構成について説明するが、実施例1と同様のものは同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0032】
設定値変更手段4は、計算手段からの出力と設定値とを比較して、その差に応じて出力する制御信号の大きさを変更するものであり、本実施例では、設定値を構成する直流電源装置を可変電源装置(Ev)とすることで構成している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、計算手段の出力を変更して、結果的に制御信号の大きさを変更するものでもよい。
【0033】
なお、本実施例は、高圧電源装置に既存の基準電圧と積分回路の出力とを等しくするために分圧抵抗(R5)を積分回路に付加した点も実施例1と異なる。
【0034】
次に、本実施例の動作を説明する。なお、出力波形の立ち上がりの変動を抑制することができる点については実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
【0035】
本実施例では、設定値を構成する直流電源装置を可変としている。制御手段3は、積分回路の出力と設定値が同じになるように基準信号のデューティを変更するものであるため、この設定値を変更することによって、出力信号の立ち上がり速さを変更することができる。つまり、設定値を大きくとると、実施例1で説明したようにその設定値と同じになるように、PWM回路を制御して基準信号のデューティが大きくなり、単位時間当たりの負荷容量への充電量が多くなり、出力波形の立ち上がりが速くなる。一方、設定値を小さくとると、その逆に出力波形の立ち上がりが遅くなる。
【0036】
なお、積分回路に付加した分圧抵抗(R5)は、積分回路の出力を減衰させて使用することができるものである。この場合、積分回路の出力は、(入力電圧)×(基準信号のデューティ)×(減衰係数)となる。この減衰係数は分圧抵抗(R5)によって一定な為、入力電圧と基準信号のデューティとの積が制御可能となる。したがって、適当な分圧抵抗(R5)を積分回路に付加することによって、積分回路の出力を減衰させ、高圧電源装置に既存の基準電圧を利用することができる。
【0037】
本実施例にかかる高圧電源装置では、実施例1にかかる高圧電源装置と同様の効果を有するほかに、設定値を可変に構成することによって、簡単に所望の立ち上がり速さを有する出力波形を得ることができる。
【0038】
[実施例3]
図4は、実施例3にかかる高圧電源装置のブロック図を簡単に示したものである。この電源装置の構成は、入力電圧を第一の周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部1と、コンバータ部1の出力を第二の周波数でスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部2と、第二の周波数の立ち上がりタイミングに合わせて第一の周波数の基準信号を発生させるリセット手段5とからなる。以下、本実施例の構成について説明するが、実施例1と同様のものは同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0039】
リセット手段5は、出力周波数用発振器から出力されるクロックが入力され、そのクロックの立ち上がりタイミングに合わせて基準信号発生手段をリセットさせる信号を基準信号発生手段に出力するリセット回路によって構成される。なお、回路の構成上の都合により、クロックの立ち下がりタイミングの方が信号として検知しやすい場合には、それに合わせて基準信号発生手段をリセットさせるように構成してもよい。また、回路の構成上の都合により、出力周波数用発振器から出力されるクロックがハイ又はローの間、基準信号発生手段を停止してリセットを行った方が回路を構成しやすい場合には、そのように構成してもよい。
【0040】
図5は、出力周波数用発振器から出力されるクロックの立ち上がりタイミングに合わせて基準信号発生手段をリセットさせるリセット回路の具体例である。このリセット回路は、出力周波数用クロックが入力される微分回路と、微分回路の出力がベース側に入力され、コレクタ側にタイミングコンデンサが接続されたトランジスタ(Tr50)とからなる。また、微分回路はコンデンサ(C50)と二つの抵抗(R50、R51)とからなる。
【0041】
図6は、出力周波数用発振器から出力されるクロックがローの間、基準信号発生手段を停止し、出力周波数用発振器から出力されるクロックの立ち上がりタイミングに合わせて基準信号発生手段をリセットさせるリセット回路の具体例である。図5に示したリセット回路との構成上の相違は、図5に示したリセット回路の微分回路が図6に示すリセット回路では比較器(Cm50)に置き代わっている点である。ここで、比較器に接続されている直流電源の電圧(E50)は、出力周波数のクロックのハイ状態よりも低く、ロー状態よりも低い電圧とする。
【0042】
なお、図5、図6に示したリセット回路の具体例は共にアナログ素子で構成されているが、論理回路によって構成してもよい。
【0043】
以下、本実施例にかかる高圧電源装置の動作について説明するが、高圧の矩形波を発生される点については、従来のものと同様であるので、その説明は省略し、リセット手段5を構成するリセット回路の動作について説明する。
【0044】
図7は、実施例3にかかる高圧電源装置において、リセット回路を設けたことにより、出力周波数を発生する発振器からのクロックの立ち上がりのタイミングに合わせて、DC−DCコンバータ用の基準信号を発生させてリセットさせる動作を説明するものである。本実施例では、出力周波数を2kHz、基準信号の周波数を120kHzに設定している。出力周波数のクロックの立ち上がりのタイミングでリセット手段5が基準信号発生手段にリセット信号を出力しており、所定のディレイの後に、基準信号発生手段からそのタイミングでリセットして基準信号が出力される。同様に、出力波形の一周期後のクロックの立ち上がりのタイミングに合わせて同様の動作を繰り返す。
【0045】
図8は、図5に示したリセット回路の動作をさらに詳細に説明するものである。図8▲1▼は出力周波数のクロックを、図8▲2▼は微分回路の出力を、図8▲3▼はタイミングコンデンサの両端電位を、図8▲4▼は基準信号をそれぞれ示している。この回路では、出力周波数のクロックが立ち上がりタイミングに合わせて基準信号の発生のリセットを行っている。つまり、図8のP1、P2においてリセットを行っている。
【0046】
より詳しくは、出力周波数のクロックがローからハイへの立ち上がると、微分回路の出力は、図8▲2▼の実線のような出力となる。この間、図8▲2▼に示すような一定のディレイが生じる。このディレイの間にタイミングコンデンサは放電を完了し、DC−DCコンバータ用の発振器をリセットさせる。
【0047】
図9は、図6に示したリセット回路の動作をさらに詳細に説明するものである。図9▲1▼は、出力周波数のクロックを、図9▲2▼は、タイミングコンデンサの両端間の電位を、図9▲3▼は、基準信号をそれぞれ示している。この回路では、出力周波数のクロックがローからハイへの立ち上がりのタイミングに合わせて基準信号のリセットを行っている。
【0048】
図6に示すリセット回路では、出力周波数のクロックがハイの場合はタイミングコンデンサは充電、放電を繰り返すが、出力周波数のクロックがローの場合には、タイミングコンデンサは放電し続けている。したがって、図8▲2▼で説明したようなディレイは考慮する必要がない。結果として、ディレイの分、出力波形の立ち上がりがより速いものとなる。
【0049】
本実施例にかかる高圧電源装置では、出力用クロックの立ち上がりのタイミングに合わせて基準信号をリセットして発生させるリセット回路を設けたことによって、出力用クロック一周期毎に出力用クロックと基準信号とのタイミングがとられ、マイコンのような高価な電子部品を使用せずに、波形ゆらぎが生じるのを防止することができる。
【0050】
[実施例4]
図10は、実施例4にかかる高圧電源装置のブロック図を簡単に示したものである。その電源装置の構成は、入力電圧を所定周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部1と、コンバータ部1の出力をスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部2と、入力電圧の変化に応じて前記基準信号のデューティを制御する制御手段3と、第二の周波数の立ち上がり又は立ち下がりタイミングに合わせて第一の周波数の基準信号を発生させるリセット手段5とからなる。それぞれの構成、動作は、実施例1、実施例3において説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0051】
但し、本実施例のリセット手段5は、基準信号発生手段を一旦停止しないように構成する必要がある。つまり、図9に示すような動作のリセット回路で構成することは好ましくない。これは、基準信号が出力用周波数の半周期分途切れてしまい、計算手段によって入力電圧と基準信号のデューティとの積を正確に計算することができなくなってしまうためである。
【0052】
本実施例にかかる高圧電源装置は、実施例1と実施例3との効果を併せ持つものである。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の発明によれば、入力電圧Vccと基準信号のデューティとの積が一定になるように基準信号のデューティを制御するものであるため、マイコンのような高価な電子部品を使用せずに、安定した立ち上がりの出力波形を出力することができる高圧電源装置を提供することができる。また、同時に、入力電圧Vccの変動やDC−DCコンバータ用発振器の発振器毎の製品性能ばらつきにより生じる出力波形の立ち上がり変動も抑制することができる。さらに、このような高圧電源装置を電子写真応用装置の現像装置に使用すれば、かぶり等の画像欠陥の生じるおそれは少なくなる。
【0054】
また、請求項1に記載の発明によれば、入力電圧Vcc変動、発振器の製品性能ばらつきによるデューティばらつきに対して安定してトランスの一次側にトランスを駆動させるためのエネルギーを供給することができるため、トランスを構成するコアの最高磁束密度の変動も抑制することができ、トランスの温度上昇抑制にも有利となる。つまり、トランスを構成するコアの最高磁束密度の安全マージンを少なくすることができ、それによって安全性を損なうことなく、トランスの容量を小さくでき、より小さなトランスを高圧電源装置に使用することができる。結果として、高圧電源装置およびそれを搭載する電子写真応用装置の小型化を図ることができ、コスト的にも有利なものとなる。
【0055】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果を有する外に、設定値を可変に構成することによって、マイコンのような高価な電子部品を使用せずに、所望の立ち上がり速度の出力波形を容易に得ることができる高圧電源装置を提供することができる。
【0056】
請求項3に記載の発明によれば、出力周波数の立ち上がり又は立ち下がりのタイミングに合わせて基準信号をリセットして発生されるため、マイコンのような高価な電子部品を使用せずに、出力波形の波形ゆらぎを抑制することができる。また、本発明にかかる高圧電源装置を電子写真応用装置の現像器の電源として利用する場合に、波形ゆらぎにより生じる濃度むらなどの画質欠陥を抑制することができる。
【0057】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果と請求項3に記載の発明の効果とを有する高圧電源装置を提供するとができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1にかかる高圧電源装置のブロック図を示したものである。
【図2】は、実施例1にかかる高圧電源装置の積分回路の動作を説明するものである。
【図3】は、実施例2にかかる高圧電源装置のブロック図を示したものである。
【図4】は、実施例3にかかる高圧電源装置のブロック図を示したものである。
【図5】は、リセット回路の一具体例を示したものである。
【図6】は、リセット回路の一具体例を示したものである。
【図7】は、リセット回路の動作を説明するものである。
【図8】は、リセット回路の動作を説明するものである。
【図9】は、リセット回路の動作を説明するものである。
【図10】は、実施例4にかかる高圧電源回路のブロック図を示したものである。
【図11】は、従来の高圧電源回路のブロック図を示したものである。
【図12】は、一般的な従来の高圧電源回路の動作を説明するものである。
【符号の説明】
1…コンバータ部、2…高圧切替部、3…制御手段、4…所定値変更手段、5…リセット手段
Claims (4)
- 入力電圧を所定周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部と、コンバータ部の出力をスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部とを備える高圧電源装置において、
前記入力電圧の変化に応じて前記基準信号のデューティを制御する制御手段を設け、前記制御手段が前記入力電圧と前記デューティとの積が所定値になるようにデューティを制御することを特徴とする高圧電源装置。 - 前記入力電圧と前記デューティとの積の設定値を変更する設定値変更手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の高圧電源装置。
- 入力電圧を第一の周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部と、コンバータ部の出力を第二の周波数でスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部とを備える高圧電源装置において、
前記第二の周波数の立ち上がり又は立ち下がりタイミングに合わせて前記第一の周波数の基準信号を発生させるリセット手段を設けることを特徴とする高圧電源装置。 - 入力電圧を第一の周波数の基準信号でスイッチングして高圧電圧を得るコンバータ部と、コンバータ部の出力を第二の周波数でスイッチングして矩形波の高圧出力を得る高圧切替部とを備える高圧電源装置において、
前記入力電圧の変化に応じて前記基準信号のデューティを制御する制御手段と、
前記第二の周波数の立ち上がり又は立ち下がりタイミングに合わせて前記第一の周波数の基準信号を発生させるリセット手段と
を設けたことを特徴とする高圧電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10231297A JP3612932B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | 高圧電源装置 |
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