JP3612723B2 - 半導体力学量センサの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、半導体力学量センサの製造方法に係り、詳しくは、加速度,ヨーレート,振動等の力学量を検出する半導体力学量センサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体基板上に形成された超小型の半導体加速度センサが開発されており、例えば、SAE910496に静電容量式加速度センサが開示されている。
【0003】
図23にはSAE910496に示されている表面マイクロマシニングを用いた薄膜構造の静電容量型加速度センサを示す。
図23において、シリコン基板80上のアンカー部81から梁82が延設され、この梁82に質量部83が支持されている。その質量部83の一部に可動電極84が形成されている。一方、シリコン基板80上には、1つの可動電極84に対し固定電極85が2つ対向するように配置されている。そして、シリコン基板80に水平方向(図23でGで示す)に、加速度が加わった場合、可動電極84と固定電極85との間の静電容量において片側の静電容量は増え、もう一方は減る構造となっている。このセンサはこのように、差動で可動部の変位を検出することができるため精度の高い加速度検出が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の半導体加速度センサエレメントは感度を高めるために梁のバネ定数を下げ、質量(マス)部を大きくとっているために外力に非常に弱く、特に、実装時のダイシングカットでの水流や水圧、チップのマウントでのハンドリングなどで破壊してしまう確率が高く歩留まりが大変に低いという問題があった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、実装時の水流、水圧、ハンドリングなどによる可動部の破壊を防止することができる半導体力学量センサの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、半導体基板と、前記半導体基板の上方に所定間隔を隔てて配置された梁構造の可動部とを備え、力学量の作用に伴う前記可動部の変位から力学量を検出するようにした半導体力学量センサの製造方法において、前記可動部が形成された後、該可動部を仮固定材料にて仮固定した状態でウェハ状態の前記半導体基板を各チップにダイシングして実装し、実装後に前記仮固定材料を除去するものとした半導体力学量センサの製造方法をその要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記仮固定材料として昇華性物質を用い、実装時には昇華性物質を固定し、実装後に昇華性物質を気化する半導体力学量センサの製造方法をその要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記仮固定材料として熱硬化性材料を用い、実装時には熱硬化性材料を固定し、実装後に熱硬化性材料をエッチングすることで熱硬化性材料を除去する半導体力学量センサの製造方法をその要旨とする。
【0013】
【作用】
請求項1に記載の発明は、ウェハ状態の半導体基板を各チップにダイシングした後、可動部が保護材にて保護された状態にて実装される。この実装時においてダイシングカットでの水流や水圧が可動部に加わろうとするが、保護材にて保護される。又、実装時においてチップのマウントの際のハンドリング時に保護材にて可動部が保護される。
【0014】
さらに、仮固定材料にて可動部が仮固定され、実装後に仮固定材料が除去される。つまり、実装時のダイシングカットでの水流や水圧が可動部に加わるが、可動部が仮固定材料にて動かないように固定されているので可動部の破損が回避される。又、実装時においてチップのマウントの際のハンドリング時に可動部が仮固定材料にて動かないように固定されているので可動部の破損が回避される。さらに、実装時のワイヤーボンディングの際には、可動部に振動が加わるが、可動部が仮固定材料により動かないように固定されているので可動部の破損が回避される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の作用に加え、実装時には昇華性物質が固定され、実装後に昇華性物質が気化される。つまり、仮固定材料として昇華性物質を用いているので、実装後に仮固定材料を簡単に除去することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明の作用に加え、実装時には熱硬化性材料が固定され、実装後に熱硬化性材料をエッチングすることで熱硬化性材料が除去される。よって、請求項3に記載の発明では実装時にも昇華性物質が常時僅かずつであるが気化されているが、本発明では実装工程と熱硬化性材料除去工程をはっきりと区別でき、工程が安定化される。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)
以下、この発明を具体化した第1実施例を図面に従って説明する。
【0022】
図1は、本実施例の半導体加速度センサの平面図を示す。又、図2には図1のA−A断面を示し、図3には図1のB−B断面を示す。
P型シリコン基板1上には絶縁膜2が形成され、絶縁膜2はSiO2 ,Si3 N4 等よりなる。又、P型シリコン基板1上には、絶縁膜2の無い長方形状の領域、即ち、空隙部3が形成されている(図1参照)。絶縁膜2の上には、空隙部3を架設するように両持ち梁構造の可動電極4が配置されている。この可動電極4は帯状にて直線的に延びるポリシリコンよりなる。又、絶縁膜2によりP型シリコン基板1と可動電極4とが絶縁されている。
【0023】
尚、可動電極4の下部における空隙部3は、絶縁膜2の一部が犠牲層としてエッチングされることにより形成されるものである。この犠牲層エッチングの際には、エッチング液として、可動電極4がエッチングされず、犠牲層である絶縁膜2がエッチングされるエッチング液が使用される。
【0024】
又、絶縁膜2上には層間絶縁膜5が配置され、その上にはコンタクトホール7を介して可動電極4と電気的接続するためのアルミ配線6が配置されている。
図3において、P型シリコン基板1上における可動電極4の両側には不純物拡散層からなる固定電極8,9が形成され、この固定電極8,9はP型シリコン基板1にイオン注入等によりN型不純物を導入することによって形成されたものである。
【0025】
尚、可動電極(両持ち梁)4はポリシリコンの他にも、タングステン等の耐熱金属を用いてもよい。
又、図1に示すように、P型シリコン基板1には不純物拡散層からなる配線10,11が形成され、配線10,11はP型シリコン基板1にイオン注入等によりN型不純物を導入することによって形成されたものである。そして、固定電極8と配線10、固定電極9と配線11とはそれぞれ電気的に接続されている。
【0026】
さらに、配線10はコンタクトホール12を介してアルミ配線13と電気的に接続されている。又、配線11はコンタクトホール14を介してアルミ配線15と電気的に接続されている。そして、アルミ配線13,15及び6は外部の電子回路と接続されている。
【0027】
又、図3に示すように、P型シリコン基板1における固定電極8,9間には、反転層16が形成され、同反転層16はシリコン基板1と可動電極(両持ち梁)4との間に電圧を印加することにより生じたものである。
【0028】
次に、このように構成した半導体加速度センサの製造工程を図4〜図15を用いて説明する。ここで、図面の左側にセンサ、右側には処理回路に必要なトランジスタの工程を示す。
【0029】
図4に示すように、ウェハ状態のP型シリコン基板17を用意し、フォトリソ工程を経て、イオン注入等によりセンサやトランジスタのソース・ドレインの配線部分となるN型拡散層18,19,20,21を形成する。
【0030】
そして、図5に示すように、その一部が犠牲層となる絶縁膜22をセンサ作製部に形成する。尚、このとき、基板全体に絶縁膜22を成膜し後からトランジスタ作製部上の絶縁膜を除去してもよい。
【0031】
さらに、図6に示すように、ゲート酸化によりトランジスタ作製部分上にゲート酸化膜23を形成する。そして、図7に示すように、ポリシリコンを成膜し、フォトリソ工程を経てドライエッチ等でセンサの可動電極24及びトランジスタのゲート電極25をパターニングする。
【0032】
引き続き、図8に示すように、N型拡散層からなるセンサの固定電極を形成するために、フォトリソ工程を経て絶縁膜22に可動電極24に対して自己整合的に開口部26,27を形成する。又、トランジスタのソース・ドレインを形成するために、フォトリソ工程を経てレジスト28により開口部29,30を形成する。
【0033】
さらに、絶縁膜22及びレジスト28の開口部26,27、レジスト28の開口部29,30から可動電極24,ゲート電極25に対して自己整合的にイオン注入等によって不純物を導入して、図9に示すように、N型拡散層からなるセンサの固定電極31,32、トランジスタのソース・ドレイン領域33,34を形成する。
【0034】
次に、図10に示すように、可動電極24,ゲート電極25とアルミ配線を電気的に絶縁するための層間絶縁膜35を成膜する。そして、図11に示すように、層間絶縁膜35に配線用拡散層18,19,20,21とアルミ配線を電気的に接続するためのコンタクトホール36,37,38,39をフォトリソ工程を経て形成する。
【0035】
さらに、図12に示すように、電極材料であるアルミニウムを成膜して、フォトリソ工程を経てアルミ配線40,41,42,43等を形成する。そして、図13に示すように、層間絶縁膜35の一部と絶縁膜22の一部である犠牲層をエッチングする。
【0036】
引き続き、図14に示すように、ナフタレン(C10H8 )を融点である81℃以上に加熱し、この流動化したナフタレン44を可動電極24とシリコン基板17の間を含むシリコン基板17上に配置する。ナフタレン44は、昇華性を有する物質であり、可動電極24を固定し実装後除去する場合にセンサチップを汚染させずセンサエレメントにダメージを与えないものである。
【0037】
その後、雰囲気温度を常温まで戻すことによりナフタレン44を固化させる。この状態においては、可動電極24がシリコン基板17に対し固定化される。
この状態でウェハ状態のP型シリコン基板17を各チップにダイシングし、チップをマウントし、さらに、その後にワイヤーボンディングを行う。この実装時のダイシングカットでの水流や水圧が可動電極24に加わるが、可動電極24がナフタレン44により動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。又、実装時においてチップのマウントの際のハンドリング時に可動電極24がナフタレン44にて動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。さらに、実装時のワイヤーボンディングの際には、可動電極24に振動が加わるが、可動電極24がナフタレン44により動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。
【0038】
その後、図15に示すように、ナフタレン44を真空中にて加熱して完全に昇華させ除去する。この際、加熱することによりナフタレン44の蒸気圧が高くなるため完全に昇華するまでの時間を短縮することができる。
【0039】
このようにして、トランジスタ型半導体加速度センサの製作工程が終了する。
次に、加速度センサの作動を図3を用いて説明する。
可動電極4とシリコン基板1との間に電圧をかけると、反転層16が形成され、固定電極8,9間に電流が流れる。そして、本加速度センサが加速度を受けて、図中に示すZ方向(基板に垂直方向)に可動電極4が変位した場合には電界強度の変化によって反転層16のキャリア濃度が増大し電流が増大する。このように本加速度センサは電流量の増減で加速度を検出することができる。
【0040】
このように本実施例では、P型シリコン基板17(半導体基板)と、P型シリコン基板17の上方に所定間隔を隔てて配置された梁構造の可動電極24(可動部)とを備え、加速度の作用に伴う可動電極24の変位から加速度を検出するようにした半導体加速度センサにおいて、可動電極24を保護材としてのナフタレン44にて保護して実装した。つまり、可動電極24を仮固定材料としてのナフタレン44にて仮固定し、実装後にナフタレン44を除去した。より詳細には、仮固定材料として昇華性物質であるナフタレン44を用い、実装時にはナフタレン44を固定し、実装後にナフタレン44を気化するようにした。
【0041】
その結果、実装時のダイシングカットでの水流や水圧が可動電極24に加わるが、可動電極24がナフタレン44により動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。又、実装時においてチップのマウントの際のハンドリング時に可動電極24がナフタレン44にて動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。さらに、実装時のワイヤーボンディングの際には、可動電極24に振動が加わるが、可動電極24がナフタレン44により動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。このようにして、可動電極24の破壊が回避されるので、歩留りを向上させることができる。
【0042】
つまり、半導体加速度センサエレメントは一般的に感度を高めるために梁のバネ定数を下げているために、外力に非常に弱く、特に実装時のダイシングカットの水流,水圧や、チップのマウントの際のハンドリングや、ワイヤーボンディングの際の振動などで破壊してしまう確率が高く歩留りが大変に低いが、可動電極24がナフタレン44により動かないように固定されているので可動電極24の破壊を防止して歩留りを向上させることができる。
【0043】
又、仮固定材料として昇華性物質(ナフタレン44)を用いているので、実装後に仮固定材料を簡単に除去することができる。つまり、大気中に放出したり、熱を加えたりする簡単な工程にて、仮固定材料を除去することができる。さらに、仮固定材料として昇華性物質であるナフタレン44を用いているので、センサチップに悪影響を与えずにICプロセスに完全に整合する。
【0044】
尚、保護材および仮固定材料としての昇華性物質は、ナフタレンの他には、比較的融点の低い、例えば、パラジクロルベンゼン(C6 H4 Cl2 )、1,2,4,5−テトラクロルベンゼン(C6 H2 Cl4 )等を用いてもよい。あるいは、高融点でも、チップにダメージを与えず(チップ構成材料との反応など)、実装後簡単に取り除くことができる材料であればよい。要は、昇華性を有する物質であり、可動電極24を固定し実装後除去する場合にセンサチップを汚染させずセンサエレメントにダメージを与えないものであればよい。
(第2実施例)
次に、第2実施例を第1実施例との相違点を中心に説明する。
【0045】
本実施例では、第1実施例で用いたナフタレン44の代わりにポリイミド(PIQ)を用いている。このポリイミドは有機系の熱硬化材料であり、常温で液状をなし、加熱により固化するものである。
【0046】
以下、センサの製造方法について説明する。
図13に示す状態から、図14に示すように、ポリイミド(PIQ)44を可動電極24とシリコン基板17の間を含むシリコン基板17上に配置する。その後、加熱することによりポリイミド44を固化させる。この状態においては、可動電極24がシリコン基板17に対し固定化される。
【0047】
この状態でウェハ状態のP型シリコン基板17を各チップにダイシングし、チップをマウントし、さらにその後にワイヤーボンディングを行う。この実装時のダイシングカットでの水流や水圧が可動電極24に加わるが、可動電極24がポリイミド44により動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。又、実装時においてチップのマウントの際のハンドリング時に可動電極24がポリイミド44にて動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。さらに、実装時のワイヤーボンディングの際には、可動電極24に振動が加わるが、可動電極24がポリイミド44により動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。このようにして、可動電極24が破壊してしまうことが回避されるので、歩留りを向上させることができる。
【0048】
このようにして実装した後は、図15に示すように、ポリイミド44をO2 プラズマ中で灰化(アッシング)、即ち、燃焼してポリイミド44を除去する。このとき、ポリイミド44は全くセンサチップに悪影響を及ぼさないためICプロセスに完全に整合する。
【0049】
このように本実施例では、仮固定材料として熱硬化性材料であるポリイミドを用い、実装時にはポリイミドを固定し、実装後にポリイミドをO2 プラズマアッシング(エッチング)することでポリイミドを除去するようにした。よって、実装時(ダイシングカット,マウント,ワイヤーボンディング)に水流や水圧が可動電極24に加わったり可動電極24に振動が加わったりハンドリングされるが、可動電極24がポリイミド44により動かないように固定されているので可動電極24の破損が回避される。又、第1実施例では実装時にも昇華性物質が常時僅かずつであるが気化されているが、本実施例では実装工程とポリイミド除去工程をはっきりと区別でき、工程が安定化する。
【0050】
尚、本実施例では仮固定材料としての熱硬化性材料としてポリイミドを用いたが、他にもフォトレジスト材等を用いてもよい。このフォトレジスト材においてもO2 プラズマ中で灰化(アッシング)できるとともに、全くセンサチップに悪影響を及ぼさないためICプロセスに完全に整合する。
(第3実施例)
次に、第3実施例を第1実施例との相違点を中心に説明する。
【0051】
図16はセンサエレメント形成後で、かつ、実装前の状態を示し、図17には図16のC−C断面を示す。
以下、センサの製造方法について説明する。
【0052】
前記図13に示す状態においては、図16に示すように、シリコンウェハ45には多数のセンサ領域46が形成されている。このシリコンウェハ45の上面(素子形成面)にガラス板47を陽極接合する。尚、シリコンウェハ45とガラス板47とは接着してもよい。ガラス板47には、図17に示すように、各センサ領域において可動電極24にガラス板47が当たらないように、各センサ領域毎に凹部48が形成されている。又、ガラス板47とシリコンウェハ45とは密封状態で接合される。
【0053】
その後、ガラス板47を接合した状態のシリコンウェハ45を各チップにダイシングする。この実装時のダイシングカットでの水流や水圧が可動電極24に加わろうとするが、可動電極24がガラス板47で覆われているので可動電極24の破損が回避される。このダイシングの後にチップがマウントされる。このマウント時のハンドリングの際にガラス板47にて可動電極24の破損が回避される。このようにして、可動電極24が破壊してしまうことが回避されるので、歩留りを向上させることができる。
【0054】
このように本実施例では、保護材として、可動電極24(可動部)の回りを覆うキャップ部材としてのガラス板47を用いて、ガラス板47にて可動電極24を保護するようにした。その結果、実装時のダイシングカットでの水流や水圧が可動電極24に加わろうとするが、可動電極24がガラス板47で覆われているので可動電極24の破損が回避される。又、チップのマウントの際のハンドリング時にガラス板47にて可動電極24の破損が回避される。
【0055】
さらに、キャップ部材としてガラス板47を用いているので、陽極接合を用いてガラス板47とシリコンウェハ45とを接合することができ、通常のセンサ製造技術を流用でき製造が容易となる。
【0056】
さらには、図17に示すように、可動電極24をガラス板47にて密封状態にてキャップしているので、可動電極24とシリコンウェハ45との間のエアギャップ49にパーティクル(粒子)が入り込んで可動電極24がロックされることが未然に防止される。
【0057】
又、ガラス板47とシリコンウェハ45との間の空隙(ガラス板47の凹部48の内部)を真空にすることにより、真空パッケージが可能となる。さらに、ガラス板47とシリコンウェハ45との間の空隙(ガラス板47の凹部48の内部)を真空にすることにより、ガラス板47とシリコンウェハ45との間の空隙での気体の粘性がなくなり、可動電極24とシリコンウェハ45との間の間隔を小さくして、感度を上げることができる。よって、検出精度が向上する。
(第4実施例)
次に、第4実施例を第3実施例との相違点を中心に説明する。
【0058】
第3実施例の図17の代わりに、本実施例では図18に示す構成を採用している。
以下、センサの製造方法について説明する。
【0059】
前記図13に示す状態においては、図16に示すように、シリコンウェハ45には多数のセンサ領域46が形成されている。そして、図18に示すように各センサ領域46におけるセンサエレメントのない領域にポリシリコン等の絶縁物50を所定厚さ形成する。さらに、絶縁物50の上に上下面とも平坦なガラス板51を接合する。このとき、可動電極24の上面とガラス板51の下面との距離L1は5000Å程度になる。
【0060】
その後、ガラス板51を接合した状態のシリコンウェハ45を各チップにダイシングする。この実装時のダイシングカットでの水流や水圧が可動電極24に加わろうとするが、可動電極24がガラス板51で覆われているので可動電極24の破損が回避される。このダイシングの後にチップをマウントする。このマウント時のハンドリングの際にガラス板51にて可動電極24の破損が回避される。このようにして、可動電極24の破壊してしまうことが回避されるので、歩留りを向上させることができる。
【0061】
このように本実施例では、保護材として、可動電極24(可動部)の回りを覆うキャップ部材としてのガラス板51を用いて、ガラス板51にて可動電極24を保護するようにした。その結果、実装時のダイシングカットでの水流や水圧が可動電極24に加わろうとするが、可動電極24がガラス板51で覆われているので可動電極24の破損が回避される。又、チップのマウントの際のハンドリング時にガラス板51にて可動電極24の破損が回避される。
【0062】
さらに、本実施例では、可動電極24の上面とガラス板51の下面との距離L1の調整を絶縁物50の厚さにより調整できるので、可動電極24の上面とガラス板51の下面との距離L1の調整が容易となる。
【0063】
尚、本実施例ではシリコンウェハ45にガラス板51を接合しているが、接合する材料はガラス以外のもの、例えば、樹脂板あるいはSi基板等を接着又は接合してもよい。
(第5実施例)
次に、第5実施例を第3実施例との相違点を中心に説明する。
【0064】
本実施例は半導体ヨーレートセンサに具体化したものである。図19には半導体ヨーレートセンサの平面図を示し、図20には図19のD−D断面図を示し、図21には図19のE−E断面図を示し、図22には図19のF−F断面図を示す。
【0065】
P型シリコン基板52上には、4箇所のアンカー部53,54,55,56が形成され、このアンカー部53,54,55,56にそれぞれ一端が支持される梁57,58,59,60によって重り61が支持されている。この重り61には、可動電極62,63が突設され、この可動電極62,63がトランジスタのゲート電極として機能する。又、重り61には、互いに所定間隔を隔てて平行に延びる励振電極64,65,66,67が突設されている。
【0066】
重り61と可動電極62,63と励振電極64,65,66,67が、図19中、紙面に水平方向(図中、V方向)および紙面に垂直方向に変位できるようになっている。又、アンカー部53〜56と梁57〜60と重り61と可動電極62,63と励振電極64〜67とは一体的に形成されており、ポリシリコンよりなる。
【0067】
図21に示すように、シリコン基板52の上には絶縁膜68が形成され、この絶縁膜68上に梁57,58,59,60および重り61が架設されている。
図20に示すように、可動電極63の下方におけるシリコン基板52には可動電極63を挟むように不純物拡散によるソース・ドレイン領域70が形成されている。同様に、可動電極62の下方におけるシリコン基板52には可動電極62を挟むように不純物拡散によるソース・ドレイン領域69が形成されている。又、図20に示すように、P型シリコン基板52におけるソース・ドレイン領域70間には、反転層71が形成され、同反転層71はシリコン基板52と可動電極63との間に電圧を印加することにより生じたものである。同様に、P型シリコン基板52におけるソース・ドレイン領域69間には、反転層が形成され、同反転層はシリコン基板52と可動電極62との間に電圧を印加することにより生じたものである。
【0068】
P型シリコン基板52の上面には、各励振電極64,65,66,67に対し所定間隔だけ離した状態で励振用固定電極72,73,74,75が配置されている。そして、電極64と72、電極65と73、電極66と74、電極67と75との間に、電圧を加え、互いに引っ張り合う力を加えると、重り61と可動電極62,63とが紙面に水平方向(図19中、V方向)に励振される。この励振状態でヨーレートωが作用すると、コリオリの力が働き、重り61と可動電極62,63とが紙面に垂直方向に変位する。この変化が可動電極62,63に対応して設けたソース・ドレイン間の電流の変化として検出される。
【0069】
さらに、シリコン基板52の上面(素子形成面)にキャップ部材としてのガラス板76が陽極接合されている。ガラス板76には、各センサ領域において素子形成部分にガラス板76が当たらないように、各センサ領域毎に凹部77が形成されている。又、ガラス板76とシリコン基板52とは密封状態で接合されている。
【0070】
以下、センサの製造方法について説明する。
ウェハ状態のシリコン基板52に梁構造を形成する。そして、このウェハ状態のシリコン基板52の上面(素子形成面)にガラス板76を陽極接合する。尚、シリコン基板52とガラス板76とは接着してもよい。又、ガラス板76とシリコン基板52とは密封状態で接合させる。
【0071】
その後、ガラス板76を接合した状態のシリコン基板52を各チップにダイシングする。この実装時のダイシングカットでの水流や水圧が梁構造部に加わろうとするが、梁構造部がガラス板76で覆われているので梁構造部の破損が回避される。このダイシングの後にチップをマウントする。このマウント時のハンドリングの際にガラス板76にて梁構造部の破損が回避される。
【0072】
さらに、ガラス板76とシリコン基板52との間の空隙(ガラス板76の凹部77の内部)を真空にすることにより、真空パッケージが可能となり、可動部(梁57〜60、重り61、可動電極62,63、励振電極64〜67)とシリコン基板52との間の空隙での気体の粘性抵抗が小さくなり、低電圧で励振の際の大きな振幅が得られる(Q値が上がる)。
【0073】
尚、この発明は上記各実施例に限定されるものではなく、例えば、上記第1〜第4実施例ではMIS型半導体加速度センサに適用したが、その他にも静電容量型半導体加速度センサに適用してもよく、その場合には両電極間の破壊を回避するために保護材を用いることとなる。さらに、第5実施例で示した半導体ヨーレートセンサにおいても第1,第2実施例で示した仮固定部材を用いて梁構造を固定してもよい。
【0074】
又、半導体加速度センサや半導体ヨーレートセンサの他にも、振動を検出する半導体振動センサに具体化してもよい。要は、この発明は、梁構造を有する表面マイクロマシング半導体力学量センサに適用できるものである。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、実装時の水流、水圧、ハンドリングなどによる可動部の破壊を防止することができる優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の半導体加速度センサの平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図5】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図6】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図7】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図8】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図9】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図10】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図11】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図12】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図13】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図14】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図15】半導体加速度センサの製造工程を示す断面図である。
【図16】第3実施例の半導体加速度センサの斜視図である。
【図17】図16のC−C断面図である。
【図18】第4実施例の半導体加速度センサの断面図である。
【図19】第5実施例の半導体ヨーレートセンサの平面図である。
【図20】図19のD−D断面図である。
【図21】図19のE−E断面図である。
【図22】図19のF−F断面図である。
【図23】従来の半導体加速度センサの斜視図である。
【符号の説明】
17…半導体基板としてのP型シリコン基板、24…可動部としての可動電極、44…保護材および固定部材としてのナフタレン、47…保護材およびキャップ部材としてのガラス板
Claims (3)
- 半導体基板と、
前記半導体基板の上方に所定間隔を隔てて配置された梁構造の可動部と
を備え、力学量の作用に伴う前記可動部の変位から力学量を検出するようにした半導体力学量センサの製造方法において、
前記可動部が形成された後、該可動部を仮固定材料にて仮固定した状態でウェハ状態の前記半導体基板を各チップにダイシングして実装し、
実装後に前記仮固定材料を除去するものとしたことを特徴とする半導体力学量センサの製造方法。 - 請求項1に記載の半導体力学量センサの製造方法において、前記仮固定材料として昇華性物質を用い、実装時には昇華性物質を固定し、実装後に昇華性物質を気化することを特徴とする半導体力学量センサの製造方法。
- 請求項1に記載の半導体力学量センサの製造方法において、前記仮固定材料として熱硬化性材料を用い、実装時には熱硬化性材料を固定し、実装後に熱硬化性材料をエッチングすることで熱硬化性材料を除去することを特徴とする半導体力学量センサの製造方法。
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