JP3612485B2 - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、下層配線と上層配線とを絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して接続する半導体装置の製造方法、および、その製造方法で製造された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して上記絶縁膜下の下層配線に接続される上層配線を上記絶縁膜上に形成する場合に、上記コンタクトホールのみならず上記コンタクトホール周辺を含めて上記上層配線で被覆することによって、素子外部からの水分等の異物が上記コンタクトホールを通って素子の内部に侵入することを防止するようにしている。
【0003】
そして、上記配線の幅や配線相互の間隔が小さい場合であっても、上記上層配線がコンタクトホールの縁部において規定幅で上記絶縁膜を確実に覆うことができる方法の一例が、特開平5‐235173号公報に開示されている。以下、その方法について図10に従って具体的に説明する。
【0004】
図10(a)に示すように、半導体基板1上に下層配線2を形成した後、第1絶縁膜3を形成し、さらに全面に給電用導電性膜4を形成する。次に、フォトレジスト5を形成して所定パターンの開口部5aを形成した後、全面に第2絶縁膜6を形成する。
【0005】
次に、図10(b)に示すように、異方性エッチングを行うことによって、フォトレジスト5の開口部5aが広い部分Aでは、第2絶縁膜6に開口部6aが形成されて、第2絶縁膜6の一部が開口部6aの周囲にサイドウォール7として残る。一方、フォトレジスト5の開口部5aが狭い部分Bでは、開口部5aが第2絶縁膜6によって塞がれる。続いて、第2絶縁膜6,フォトレジスト5およびサイドウォール7をマスクとして給電用導電性膜4及び第1絶縁膜3をエッチングして、下層配線2に至るコンタクトホール8を形成する。
【0006】
次に、図10(c)に示すように、上記コンタクトホール8の内壁に給電用導電性膜9を形成し、サイドウォール7および第2絶縁膜6を除去し、給電用導電性膜4,9を電極として電解メッキを行うことによってフォトレジスト5の開口部5a内に上層電極10を形成する。その場合、開口部5aが広い部分Aにおける上層電極10aは、コンタクトホール8を介して下層配線2に接続されている。最後に、フォトレジスト5と不要な部分の給電用導電性膜4が除去されて、下層配線2と上層配線10とのコンタクトホール8を介した接続構造が得られる。
【0007】
上述した上記下層配線2と上層配線10との接続工程においては、上記コンタクトホール8の幅をサイドウォール7によって規定するために、フォトレジスト5の開口部5aの幅に対して自己整合的に規定された幅の開口(コンタクトホール8)が形成される。そして、更にフォトレジスト5をマスクとして上層配線10が形成されるので、結果的には、上層配線10の形状に対して自己整合的にコンタクトホール8の形状が決定されることになる。したがって、上層配線10がコンタクトホール8の縁部で第1絶縁膜3の上面に重なる領域Cの幅を、上層配線10の幅に対して自己整合的に確実に規定することができるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の下層配線2と上層配線10との絶縁膜3に形成されたコンタクトホール8を介した接続構造においては、下層配線2の下地(半導体基板1)に段差がある場合には、給電用導電性膜4に断線が生じて電界メッキが均一にできず、上層配線10が断線する場合があるという問題がある。
【0009】
そのために、図11に示すように、半導体基板11に段差がある場合は、図10における給電用導電性膜4に相当する給電用導電性膜を形成せずに、例えば、図10(a)および図10(b)に示す方法によって、絶縁膜13に下層配線12に至るコンタクトホール14を形成する。そうした後に、図10におけるフォトレジスト5,第2絶縁膜6およびサイドウォール7に相当するフォトレジスト,絶縁膜およびサイドウォールを除去し、段差部に保護マスク15を形成した後に給電用導電性膜17を形成することになる。
【0010】
詳述すると、図11(a)に示すように、上記コンタクトホール14が形成された基板全面に有機レジスト等によって保護マスク15を形成し、コンタクトホール14に位置合せを行って開口部16を形成した後に開口部16の縁部に丸みを形成する。こうして、半導体基板11の段差部を丸みを有する保護マスク15で滑らかに覆うのである。その後、図11(b)に示すように、全面に給電用導電性膜17を形成し、保護マスク15上にメッキマスク18を形成した後、給電用導電性膜17を電極として電解メッキを行うことによって保護マスク15の開口部16内に上層電極19を形成する。その後、メッキマスク18,メッキマスク18直下の給電用導電性膜17および保護マスク15を除去することによって、図11(b)に示すような半導体装置が得られるのである。こうして、丸みを有する保護マスク15上に給電用導電性膜17を形成することによって、給電用導電性膜17の断線を防止するのである。
【0011】
ところで、上記コンタクトホール14に位置合せを行って開口部16を形成する際に上記位置合せにずれが生じた場合には、図11(a)における開口部16aのように、開口部16aの縁から絶縁膜13が露出する領域Dが狭くなる場合がある。あるいは、開口部16bのように、保護マスク15が開口部16b内に入ってしまう領域Eが生ずる場合がある。そして、その状態で上層配線19を形成すると、図11(b)における上層配線19aのように絶縁膜13の上面に重なっている領域が狭い部分Fが生じたり、上層配線19bのように完全に絶縁膜13を被覆できずに絶縁膜13が露出している部分Gが生じたりする場合がある。つまり、特開平5‐235173号公報に開示されている方法では、下層配線12の下地(半導体基板11)に段差がある場合には、上層配線19がコンタクトホール14の縁部で絶縁膜13の上面に重なる領域の幅を、コンタクトホール14の幅に対して自己整合的に規定することができないのである。
【0012】
このような構造の場合には、上記部分F,Gを通して素子外部から水分等の異物が侵入し易くなり、素子の耐水性が劣化して素子寿命が短くなるという問題がある。また、素子の耐水性を向上させるために部分F,Gを絶縁膜等で被覆しても、上記部分F,Gは奥まった個所に在るため上記絶縁膜が疎となって、耐水性を向上させることは困難であると言う問題がある。
【0013】
そこで、この発明の目的は、段差を有する下地上に形成された下層配線と上層配線とを絶縁膜のコンタクトホールを介して接続するに際して上記上層配線でコンタクトホール周辺の絶縁膜を十分に被覆することができる半導体装置の製造方法、および、その製造方法で製造された半導体装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明は、下層配線と,この下層配線上を覆って形成された絶縁膜と,この絶縁膜に形成されたコンタクトホールと,このコンタクトホールを介して上記下層配線に接続された上層配線を有する半導体装置の製造方法において、上記絶縁膜上に有機レジストによってコンタクトホールエッチング用マスクを形成する工程と、上記コンタクトホールエッチング用マスクを用いて,上記絶縁膜にエッチングを施して上記下層配線に至るコンタクトホールを形成する工程と、上記コンタクトホールエッチング用マスクの縁部の位置を後退させて,上記コンタクトホールの縁部において上記絶縁膜の表面を露出させる工程と、全面に給電用導電性膜を形成する工程と、上記給電用導電性膜上における上記コンタクトホール部および上記コンタクトホール縁部の絶縁膜表面を含む領域に開口部を有するメッキマスクを形成する工程と、上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって上記メッキマスクの開口部に金属を被着させて上記下層配線に電気的に接続された上層配線を形成する工程と、上記メッキマスクおよびそのメッキマスク直下の上記給電用導電膜を除去する工程と、上記絶縁膜にコンタクトホールを形成した後に上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施して、上記コンタクトホールエッチング用マスクにおける開口部を変形させて丸みを有する断面形状にする工程を備えたことを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、絶縁膜上に有機レジストによって形成されたコンタクトホールエッチング用マスクは、上記下層配線に至るコンタクトホールを形成する際に用いられた後も残される。したがって、上記下層配線の下地に段差が存在する場合には、上記段差がコンタクトホールエッチング用マスクによって被覆されことになる。すなわち、その後に上記段差部に形成される給電用導電性膜は、上記コンタクトホールエッチング用マスク上に上記段差を跨いで形成される。したがって、上記給電用導電性膜に上記段差に起因して断線が生じることはなく、この給電用導電性膜を電極として形成される上層配線にも断線は生じないのである。
【0016】
さらに、上記コンタクトホールエッチング用マスクの縁部の位置を後退させて上記絶縁膜の表面を露出させるので、上記絶縁膜の露出部が上記コンタクトホールに対して自己整合的に形成される。したがって、上記コンタクトホール部および上記露出部に電解メッキによって上層配線を形成することによって、上層配線が上記コンタクトホールの縁部で上記絶縁膜の上面を覆う領域の幅が上記コンタクトホールの幅に対して自己整合的に設定され、上記絶縁膜の上面が上記上層配線によって確実に覆われる。そのために、素子外部からの水分等が上記コンタクトホールを通って素子内部に進入して素子が劣化されることが防止される。
【0017】
さらに、上記段差を被覆するコンタクトホールエッチング用マスクの断面形状が丸みを有しているために、上記コンタクトホールエッチング用マスク上に形成される上記給電用導電性膜には、上記段差に起因する断線は殆ど生じない。
【0018】
また、上記第1の発明の半導体装置の製造方法は、上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施した後、上記コンタクトホールエッチング用マスク上に有機レジストエッチング用マスクを形成し、この有機レジストエッチング用マスクを用いて上記有機レジストで成る上記コンタクトホールエッチング用マスクにエッチングを施すことによって、上記コンタクトホールエッチング用マスクに開口部分を形成する工程を備えることが望ましい。
【0019】
上記構成によれば、後に、上記コンタクトホールエッチング用マスクに形成された開口部分に開口部を有するメッキマスクを形成し、上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって上記メッキマスクの開口部に上記上層配線を形成することによって、上記下層配線に電気的に接続されていない上層配線が形成される。
【0020】
また、上記第1の発明の半導体装置の製造方法は、上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施して変形させるに先立って、上記コンタクトホールエッチング用マスクに紫外線を照射することによって、上記コンタクトホールエッチング用マスクを部分的に硬化させることが望ましい。
【0021】
上記構成によれば、上記コンタクトホールエッチング用マスクに紫外線が照射されるので、上記コンタクトホールエッチング用マスクの一部が架橋反応して、熱処理による過剰な軟化に伴う著しい変形が抑制される。したがって、上記コンタクトホールエッチング用マスクが上記コンタクトホールに覆い被さることがなく、上記給電用導電性膜の断線が無くなって歩留まりが向上する。
【0022】
また、上記第1の発明の半導体装置の製造方法は、上記絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程において用いる上記エッチングを反応性ドライエッチングによって行うことが望ましい。
【0023】
上記構成によれば、上記絶縁膜に対するコンタクトホールの形成は、異方性の強い反応性イオンエッチングを用いて行われる。したがって、サイドエッチングは少なく、上記コンタクトホールエッチング用マスクの開口に一致したコンタクトホールが精度よく形成される。
【0024】
また、第2の発明は、下層配線と , この下層配線上を覆って形成された絶縁膜と , この絶縁膜に形成されたコンタクトホールと , このコンタクトホールを介して上記下層配線に接続された上層配線を有する半導体装置の製造方法において、上記絶縁膜上に有機レジストによってコンタクトホールエッチング用マスクを形成する工程と、上記コンタクトホールエッチング用マスクを用いて , 上記絶縁膜にエッチングを施して上記下層配線に至るコンタクトホールを形成する工程と、上記コンタクトホールエッチング用マスクの縁部の位置を後退させて , 上記コンタクトホールの縁部において上記絶縁膜の表面を露出させる工程と、全面に給電用導電性膜を形成する工程と、上記給電用導電性膜上における上記コンタクトホール部および上記コンタクトホール縁部の絶縁膜表面を含む領域に開口部を有するメッキマスクを形成する工程と、上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって上記メッキマスクの開口部に金属を被着させて上記下層配線に電気的に接続された上層配線を形成する工程と、上記メッキマスクおよびそのメッキマスク直下の上記給電用導電膜を除去する工程と、上記電解メッキによって上記上層配線を形成した後に上記メッキマスクを硬化させる工程と、上記メッキマスク上に上部メッキマスクを形成する工程と、上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって上記上部メッキマスクの開口部に金属を被着させて,上記上層配線上に積層された上部上層配線を形成する工程と、上記上部メッキマスクを除去する工程を備えたことを特徴としている。
【0025】
上記構成によれば、上層配線が、上記上層配線および上部上層配線で構成される。したがって、上層配線の厚みを従来と同じとすれば、2回の電解メッキを行うので1回当りの電解メッキによる金属の被着量は少なくてすむ。そのために、上記メッキマスクおよびその上に形成される上部メッキマスクの幅を薄くすることが可能になり、上層配線相互の間隔を従来よりも狭く形成する場合でも上記メッキマスクおよび上部メッキマスクが均一に形成される。その結果、上層配線相互の間隔が狭く且つ上層配線間の短絡等を起こすことが無い半導体装置が形成される。
【0026】
また、第3の発明の半導体装置は、上記第1の発明の半導体装置の製造方法によって製造されたことを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、上記上層配線に断線が生ずることが無く、高い歩留りが得られる。さらに、上記上層配線によって上記コンタクトホールの縁部で上記絶縁膜の上面が確実に覆われて、素子外部からの水分等が上記コンタクトホールを通って素子内部に進入することによる素子の劣化が防止される。
【0028】
また、上記第3の発明の半導体装置は、上記下層配線をヘテロ接合バイポーラトランジスタにおけるオーミック電極で成し、上記コンタクトホールを上記オーミック電極上を覆う絶縁膜に形成して、上記絶縁膜上に形成された上層配線電極と当該オーミック電極とを上記コンタクトホールを介して電気的に接続することが望ましい。
【0029】
上記構成によれば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおけるオーミック電極に上記コンタクトホールを介して電気的に接続された上層配線電極に断線が生ずることが無く、高い歩留りが得られる。さらに、上記上層配線電極によって上記コンタクトホールの縁部で上記絶縁膜の上面が確実に覆われて、素子外部からの水分等が上記コンタクトホールを通ってヘテロ接合バイポーラトランジスタ素子内部に進入して劣化することが防止される。
【0030】
さらに、上記上層配線電極を二回の電解メッキによって二層に構成すれば、上記上層配線電極相互の間隔が狭く且つ上記上層配線電極間の短絡等を起こすことが無い構造になっている。したがって、各上層配線電極は、より幅が広く、厚みがより厚く、相互の間隔がより狭くなっており、素子抵抗および配線抵抗の低い高性能のヘテロ接合バイポーラトランジスタが提供される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
<第1実施の形態>
図1〜図5は、本実施の形態の半導体装置の製造方法における各工程での半導体積層構造体の断面図である。本実施の形態は、段差を有する半導体基板上に下層配線および上層配線を形成し、上層配線と下層配線とを、絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して接続する半導体装置の製造方法に関する。
【0032】
図1(a)に示すように、半導体基板21におけるエッチング等で形成された段差22の上段および下段に下層電極23,23を形成し、その上全面に窒化珪素からなる絶縁膜24を形成する。次に、図1(b)に示すように、絶縁膜24上に有機レジストを塗布し、コンタクトホール形成部分の有機レジストに開口を形成して、コンタクトホールエッチング用マスク25を形成する。そして、このコンタクトホールエッチング用マスク25を用いて、反応性イオンエッチングによって、絶縁膜24に下層電極23に至るコンタクトホール26を形成する。尚、本実施の形態においては、上記有機レジストとしてノボラック系のポジ型フォトレジストを用い、露光現像工程によって開口部を形成してコンタクトホールエッチング用マスク25とした。以降、上記有機レジストのコンタクトホールエッチング用マスク25を保護マスクとするための適切な形状に加工する。
【0033】
先ず、図2(c)に示すように、上記コンタクトホールエッチング用マスク25(有機レジスト)に熱処理を施して感光性を無くすと同時に、開口部を変形させて丸みを持った断面形状にする。そして、その上に、有機レジストエッチング用マスク27を形成する。次に、図2(d)に示すように、有機レジストエッチング用マスク27を用いてコンタクトホールエッチング用マスク25にエッチングを施して、コンタクトホールエッチング用マスク25における段差22の下段に、絶縁膜24に至る開口部を形成する。
【0034】
次に、図3(e)に示すように、上記有機レジストエッチング用マスク27を除去する。そして、図3(f)に示すように、コンタクトホールエッチング用マスク25の表面を酸素を含むプラズマによってアッシングして除去し、縁部の位置を後退させて開口領域を広げる。こうして、コンタクトホール26の縁に絶縁膜24の表面が露出している領域Hを形成する。その結果、コンタクトホールエッチング用マスク25が保護マスクとして有効な形状に成形される。以後、保護マスクとして有効な形状に成形されたコンタクトホールエッチング用マスク25を保護マスク28と言う。
【0035】
こうして形成された保護マスク28は、上記コンタクトホール26の縁に絶縁膜24の表面が露出している領域Hを残して、丸みを有する断面形状で段差22を覆っている。したがって、後に保護マスク28上に給電用導電性膜を形成することによって、上記給電用導電性膜が段差22の部分で断線することはないのである。また、上記領域Hは、コンタクトホール26に対して自己整合的に形成される。したがって、領域Hの幅は、コンタクトホール26の幅に自己整合的に規定されることになる。
【0036】
本実施の形態においては、上記有機レジストエッチング用マスク27として、コンタクトホールエッチング用マスク25と同じノボラック系のポジ型フォトレジストを用いている。そして、マスクとして使用した後の除去に際しては、全面を感光させて現像することによって、上記熱処理によって感光性を無くしているコンタクトホールエッチング用マスク25に対して、有機レジストエッチング用マスク27を選択的に除去するのである。
【0037】
次に、図4(g)に示すように、全面に給電用導電膜29を形成する。そして、コンタクトホール26と、このコンタクトホール26の縁部における絶縁膜24を含む領域と、コンタクトホール26部以外における配線の形成部分とに開口部を有するメッキマスク30を、ノボラック系のポジレジストによって形成する。次に、図4(h)に示すように、メッキマスク30の開口部に、給電用導電性膜29を陰極として電解液中で通電し、電解メッキを施すことによって金属31を被着させる。
【0038】
次に、図5(i)に示すように、上記メッキマスク30を除去する。そして、上記電解メッキによって被着された金属31をマスクとして給電用導電膜29の一部を除去し、コンタクトホール26部に形成された金属31で成る上層配線32とコンタクトホール26部以外の金属31で成る上層配線33とを形成する。こうして、コンタクトホール26の縁で上層配線32が絶縁膜24の表面上に重なる領域Iをコンタクトホール26に対して自己整合的に形成することができるのである。最後に、図5(j)に示すように、保護マスク28を除去することによって、上層配線32がコンタクトホール26の縁部で絶縁膜24の上面に重なる領域Iの幅が、コンタクトホール26の幅に対して自己整合的に規定された半導体装置が得られるのである。
【0039】
図6(a)は図5(j)の平面図であり、図5(j)は図6(a)のJ‐J'矢視断面図に相当する。以下、図6(a)に従って、得られた半導体装置の平面構造について説明する。図6(a)において、段差22は一方向に細長く形成されており、二つの上層配線32,32は、段差22の上段および下段の下層電極23,23(図5参照)上に形成されたコンタクトホール26,26とその周囲の絶縁膜24,24部分を覆うように形成されている。
【0040】
また、上記上層配線32,32に接続された配線34,34が形成されている。そして、段差22の上段から下段に掛けては、図6(b)(図6(a)のK‐K'矢視断面図)に示すように配線34が、ブリッジ構造35になっている。このブリッジ構造35は、図4(g)の工程において、保護マスク28の上に配線34形成用のメッキマスクの開口を形成して上記電解メッキを行うことによって形成される。尚、このように、段差22を覆って形成された丸みを有する断面形状の保護マスク28上に給電用導電性膜29を形成することによって、給電用導電性膜29が段差22の部分で断線することはない。したがって、給電用導電性膜29を陰極とする電解メッキによって形成される上層配線32および配線34も断線しないのである。
【0041】
こうして、上記上層配線32を、コンタクトホール26に対して自己整合的に形成されてコンタクトホール26の縁部で絶縁膜24の表面に重なる領域Iを有するように形成することができる。したがって、上述のようにして形成された半導体装置においては、上層配線32によってコンタクトホール26の縁部の絶縁膜24が覆われる領域Iの幅がコンタクトホール26の幅に対して自己整合的に形成された構造を有しており、位置合せ誤差によってコンタクトホール26が露出したり、上記領域Iの寸法が小さくなることがない。
【0042】
したがって、素子外部からの水分等がコンタクトホール26を通って素子内部に達することを防止できるのである。また、位置合せ誤差を予め確保しておく必要がないため、所定幅の上層配線32の領域にコンタクトホール26を形成する場合にコンタクトホール26の開口を大きくすることができ、接続抵抗を小さくすることができるのである。
【0043】
尚、上記実施の形態において、上記段差22は、半導体基板21をエッチングして形成したもの以外に、エピタキシャル成長した半導体層をエッチングして形成した段差であってもよく、絶縁膜をエッチングして形成した段差であっても差し支えない。また、下層電極23は、半導体素子のオーミック電極やショットキー電極、あるいは、それらを形成する際に電極材料を連続して延在させて形成した引き出し配線電極、あるいは、配線として別途形成した配線電極等である。また、絶縁膜24としては、上記窒化珪素以外にも酸化珪素等の半導体製造工程において用いられる絶縁膜を広く使用することができる。
【0044】
また、上記実施の形態においては、図1(b)において形成されるコンタクトホールエッチング用マスク25(保護マスク28)は、有機レジスト材料を塗布して形成される。これは、段差22を確実に被覆するためであり、窒化珪素や酸化珪素をプラズマCVD(化学気相成長法)等で形成した場合に比較して、段差22を滑らかに被覆することができ、給電用導電性膜29や上層配線32の断線を効果的に防止できるためである。
【0045】
また、上記実施の形態において、図1(b)におけるコンタクトホール26の形成に反応性イオンエッチングを用いているが、フッ素イオンを含む水溶液等によるエッチングを用いることもできる。その場合には、等方的なエッチングとなるため、コンタクトホールエッチング用マスク25の開口よりもサイドエッチング分だけ広がった開口部を有するコンタクトホール26が形成される。そのため、図3(f)において保護マスク28を後退させる際の後退寸法を、サイドエッチングの寸法に相応して多くする必要がある。但し、異方性の強いエッチングの方がサイドエッチングは少なく、コンタクトホールエッチング用マスク25の開口に一致したコンタクトホール26を形成できるため、より精度良くコンタクトホール26を形成できて好ましい。
【0046】
また、上記実施の形態においては、図2(d)の工程でコンタクトホールエッチング用マスク25に対してエッチングを行った後、図3(e)の工程で有機レジストエッチング用マスク27を選択的に除去する必要があるので、有機レジストであるコンタクトホールエッチング用マスク25と有機レジストエッチング用マスク27とは、剥離特性が異なる必要がある。尚、上記実施の形態においては、熱処理によってコンタクトホールエッチング用マスク25の感光性を無くして有機レジストエッチング用マスク27と感光特性を変えることで剥離特性を異ならせている。しかしながら、熱処理によってフォトレジストの有機溶剤に対する溶解度も低下するので、溶解度を調節した溶剤を用いても有機レジストエッチング用マスク27のみを選択的に溶解除去することができる。但し、上記実施の形態のごとく、露光現像を用いた方が、後に保護マスク28となるコンタクトホールエッチング用マスク25に損傷を与えないのでより好ましい。
【0047】
また、上記コンタクトホールエッチング用マスク25を、上記有機レジストエッチング用マスク27が選択的に除去できるような異なる材料で形成することも可能である。その場合の保護マスク28となることが可能な有機レジスト材料として、ポリイミドを含むレジストやポリグルタルイミドを含むレジストを用いると、一般的なノボラック系のポジレジストに対して溶解特性が大きく異なるため有機レジストエッチング用マスク27を選択的に除去できるので好ましい。尚、有機レジストエッチング用マスク27を用いてコンタクトホールエッチング用マスク25をエッチングしてコンタクトホール26とは異なる開口部を形成する工程と、コンタクトホールエッチング用マスク25を後退させてコンタクトホール26の周辺に絶縁膜24の上面が露出した領域Hを形成する工程とは、順序を逆にすることができる。さらに、コンタクトホール部分26部の箇所以外に上層配線33を形成する必要がない場合には、有機レジストエッチング用マスク27を用いてコンタクトホールエッチング用マスク25をエッチングして上記開口部を形成する工程は必要ない。
【0048】
また、本実施の形態においては、図5(i)の工程で保護マスク28を除去せずに残しておくこともできる。その場合には、図6(b)におけるブリッジ構造35における給電用導電性膜29の下に保護マスク28が残るので、ブリッジ構造35が補強される効果を奏する。尚、その場合、保護マスク28用の有機レジスト材料としては、ポリイミド含有樹脂やベンゾシクロブテン基含有化合物の硬化体等耐熱性の高い材料を使用することが好ましい。
【0049】
<第2実施の形態>
本実施の形態においては、上記第1実施の形態における有機レジスト材料で成るコンタクトホールエッチング用マスク25に紫外線を照射する工程を加えたものである。以下、上記第1実施の形態の場合と同じ図面を用いて説明する。
【0050】
上記第1実施の形態における図1と同様にして、半導体基板21における段差22の上段と下段とに下層配線23を形成し、絶縁膜24で覆った後コンタクトホールエッチング用マスク25を形成し、コンタクトホールエッチング用マスク25を用いてコンタクトホール26を形成する。
【0051】
次に、上記コンタクトホールエッチング用マスク25としての有機レジストに紫外線を照射する。これによって有機レジストの表面付近で分子間に架橋反応を行わせて有機レジストを部分的に硬化させるのである。
【0052】
その後は、熱処理を行い、上記有機レジストエッチング用マスク27を形成して上記第1実施の形態における図2(c)の状態となる。以降、上記第1実施の形態の場合と同じ工程によって、上層配線32によってコンタクトホール26の縁部の絶縁膜24が覆われる領域Iの幅がコンタクトホール26の幅に対して自己整合的に形成された構造の半導体装置を得る。
【0053】
上記第1実施の形態においては、図2(c)に示すように、上記有機レジストで成るコンタクトホールエッチング用マスク25に熱処理を施して感光性を無くすと同時に丸みを持った形状にしている。ところが、その際に、高温時に上記有機レジストが軟化し過ぎると著しく変形する場合がある。図7(a)に、図1(b)における平面図を示す。尚、図1(b)は図7(a)におけるL‐L'矢視断面図であり、図7(b)は図7(a)におけるM‐M'矢視断面図である。コンタクトホール26の開口部を形成するコンタクトホールエッチング用マスク25は軟化して変形した際に、上記開口部の縁が点線で示した楕円に近い形状41に変形するため、細長い形状のコンタクトホール26の場合には長さ方向ではコンタクトホールエッチング用マスク25がコンタクトホール26上に覆い被さるように変形し、給電用導電性膜29および上層配線32の断線の原因となる場合が生じる。
【0054】
本実施の形態においては、上記コンタクトホールエッチング用マスク25に紫外線を照射するので、コンタクトホールエッチング用マスク25の一部が架橋反応して上述のような著しい変形が抑制され、コンタクトホール26に覆い被さることのない形状42を保つことができる。したがって、給電用導電性膜29の断線延いては上層配線32の断線を無くして歩留まりを向上できるのである。
【0055】
<第3実施の形態>
本実施の形態においては、上記第1実施の形態あるいは第2実施の形態における上層配線をより厚く形成する半導体装置の製造方法に関する。以下、図8に従って本実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
【0056】
上記第1実施の形態における図1〜図4と同様にして、半導体基板51における段差52の上段および下段に下層電極53,53を形成し、その上全面に絶縁膜54を形成する。次に、有機レジストによってコンタクトホールエッチング用マスクを形成し、このコンタクトホールエッチング用マスクを用いて絶縁膜54にコンタクトホール55を形成する。次に、コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施して感光性を無くすと同時に、開口部を変形させて丸みを持った形状にする。そして、その上に、有機レジストエッチング用マスクを形成する。次に、この有機レジストエッチング用マスクを用いてコンタクトホールエッチング用マスクに開口部を形成する。
【0057】
次に、上記有機レジストエッチング用マスクを除去し、コンタクトホールエッチング用マスクの表面をアッシングして縁部の位置を後退させて開口領域を広げる。こうして、コンタクトホール55の縁に絶縁膜54の表面が露出している領域を形成すると共に保護マスク56が形成される。次に、全面に給電用導電膜57を形成した後にメッキマスク58を形成し、メッキマスク58の開口部に電解メッキを施すことによって金属59を被着させる。
【0058】
次に、図8(a)に示すように、熱処理によってメッキマスク58を硬化させ、その上に上部メッキマスク60を形成する。そして、上部メッキマスク60の開口部に給電用導電性膜57を陰極として電解液中で通電し、電解メッキを施すことによって金属61を被着させる。
【0059】
次に、図8(b)に示すように、上記上部メッキマスク60およびメッキマスク58を除去し、メッキマスク58直下の給電用導電性膜57を除去し、保護レジスト56を除去することによって、上層配線62,63上に上部上層配線64,65が積層されてより厚く形成された上層配線を形成するのである。
【0060】
上述のごとく、上層配線によってコンタクトホール55の縁部の絶縁膜54が覆われる領域の幅がコンタクトホール55の幅に対して自己整合的に規定された半導体装置において、上記上層配線を上層配線62,63と上部上層配線64,65とで厚く形成することができる。また、上層配線の厚みを上記第1実施の形態および第2実施の形態と同じとすれば、本実施の形態においては2回の電解メッキを行うので、1回当りの電解メッキによる金属の被着量は少なくてすむ。そのために、メッキマスク58および上部メッキマスク60の幅を薄くすることが可能になり、上層配線相互の間隔を上記第1実施の形態よりも狭く形成してもメッキマスク58および上部メッキマスク60を均一に形成することができる。
【0061】
したがって、本実施の形態によれば、上記上層配線によってコンタクトホール55の縁部の絶縁膜54が覆われる領域の幅がコンタクトホール55の幅に対して自己整合的に設定された半導体装置において、上層配線相互の間隔が狭く且つ上層配線間の短絡等を起こすことが無い半導体装置を形成することができる。
【0062】
尚、本実施の形態においても、第1実施の形態の場合と同様に、保護レジスト56を残した構成にしても一向に差し支えない。
【0063】
<第4実施の形態>
本実施の形態は、上記第1実施の形態乃至第3実施の形態の何れか1つをヘテロ接合バイポーラトランジスタの配線に使用した場合の例である。図9(a)に示すように、半導体基板71上に形成したサブコレクタ層,コレクタ層,ベース層およびエミッタ層からなる能動層72を、エッチングによってメサ構造(島状構造)とする。そして、上記サブコレクタ層にオーミック接合を有するコレクタオーミック電極73、上記ベース層にオーミック接合を有するベースオーミック電極74、上記エミッタ層にオーミック接合を有するエミッタオーミック電極75を形成し、絶縁膜76で被覆する。ここで、コレクタオーミック電極73,ベースオーミック電極74およびエミッタオーミック電極75は、上記第1実施の形態乃至第3実施の形態における下層配線に相当する。
【0064】
そして、上記絶縁膜76に、上記下層配線としてのコレクタオーミック電極73,ベースオーミック電極74およびエミッタオーミック電極75に至るコンタクトホール77を形成し、このコンタクトホール77に自己整合した保護マスク78を形成する。これは、上記第1実施の形態における図3(f)の状態に相当する。
【0065】
次に、図9(b)に示すように、上記給電用導電性膜(図示せず)を形成し、メッキマスク79を形成した後、電解メッキによって上層配線80を形成する。これは、上記第1実施の形態における図4(h)の状態に相当する。その後、メッキマスク79,上記給電用導電性膜および保護マスク78を除去することによってヘテロ接合バイポーラトランジスタが得られる。その際に、上層配線80によってコンタクトホール77の縁部の絶縁膜76が覆われる領域の幅がコンタクトホール77の幅に対して自己整合的に規定されているのである。
【0066】
図9(c)は、各配線が形成された状態の平面図を示しており、各メサ構造の段差(メサ段差)81に沿ってコンタクトホール77が形成されている。そして、コンタクトホール77に対して自己整合的に形成された上層配線80として、コレクタオーミック電極73に接続されたコレクタ配線電極82、ベースオーミック電極74に接続されたベース配線電極83、エミッタオーミック電極75に接続されたエミッタ配線電極84が形成されている。また、上記各配線からの引き出し電極は、図6(a),(b)に示すようなブリッジ構造によって引き出すのが好ましく、図9(c)に示すように、コレクタ配線電極82からブリッジ構造85によって素子周辺部分の配線86に接続されている。尚、エミッタ配線電極84およびベース配線電極83からの引き出し配線は図示していない。
【0067】
このように、特に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ素子においては、エミッタ配線電極84とベース配線電極83およびコレクタ配線電極82が近接して形成され、コンタクトホール77と保護マスク78とが微小な領域に形成されることになる。これは、各オーミック電極73,74,75が能動層72におけるエミッタメサ下部の真性素子領域に近い程素子性能が向上するためであり、その結果各オーミック電極73,74,75が互いに並んで近接して形成されることになる。
【0068】
ところが、各配線電極82,83,84の抵抗を低減するために、上層配線80はできるだけ厚みを厚く幅を広く形成した方が性能が向上する。さらには、配線電極82,83,84相互間にメサ段差81を有しているため、各メサ段差81の箇所で給電用導電性膜が断線して上層配線80が断線しないようにする必要がある。本実施の形態においては、各メサ段差81上に表面が滑らかに湾曲した保護マスク78を形成し、その上に上記給電用導電性膜を形成するので上記給電用導電性膜が断線することはなく、上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって形成される上層配線80も断線することはない。
【0069】
さらに、上記第3実施の形態によれば、上記上層配線80によってコンタクトホール77の縁部の絶縁膜76が覆われる領域の幅がコンタクトホール77の幅に対して自己整合的に規定された構造において、上層配線80相互の間隔が狭く且つ上層配線80間の短絡等を起こすことが無い構造に形成することができる。したがって、各配線電極82,83,84に関して、より幅を広く、厚みをより厚く、相互の間隔をより狭く形成することが可能となり、素子の抵抗を低減し、配線抵抗を低減することで高性能のヘテロ接合バイポーラトランジスタ素子を提供することができるのである。
【0070】
上記各実施の形態は、上記ヘテロ接合バイポーラトランジスタだけではなく、段差が大きなエピタキシャル層をエッチングしメサ形状としてその部分に素子を形成するダイオード素子や電界効果トランジスタ素子やガン効果素子等の素子に関して信頼性を向上でき、特に、水分の進入等による劣化が比較的多い化合物半導体からなる素子の信頼性を大きく高めることができる。また、その中でも、段差が大きな縦形デバイス、例えば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタや、縦形のダイオードデバイス、縦形のガン効果素子に適用することによって、素子の性能を向上させることができるのである。
【0071】
【発明の効果】
以上より明らかなように、第1の発明の半導体装置の製造方法は、絶縁膜上に有機レジストによって形成されたコンタクトホールエッチング用マスクを用いて上記絶縁膜に下層配線に至るコンタクトホールを形成し、上記コンタクトホールの縁部において上記絶縁膜の表面を露出させた後に給電用導電性膜を形成し、上記コンタクトホール部および上記コンタクトホール縁部の絶縁膜表面を含む領域に開口部を有するメッキマスクを形成し、上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって上記メッキマスクの開口部に上層配線を形成するので、上記下層配線の下地に段差が存在する場合には、上記段差をコンタクトホールエッチング用マスクによって被覆することができる。したがって、その上に形成される給電用導電性膜が上記段差に起因して断線することを抑制でき、その結果上層配線の断線を防止して高い歩留りを得ることができる。
【0072】
さらに、上記絶縁膜の露出部を上記コンタクトホールに対して自己整合的に形成でき、その結果上層配線が上記コンタクトホールの縁部で上記絶縁膜の上面を覆う領域の幅を上記コンタクトホールの幅に対して自己整合的に設定することができる。したがって、上記コンタクトホールの縁部で上記絶縁膜の上面を上記上層配線によって確実に覆うことができる。すなわち、この発明によれば、素子外部からの水分等が上記コンタクトホールを通って素子内部に進入して、素子が劣化するのを防止できるのである。
【0073】
さらに、上記絶縁膜にコンタクトホールを形成した後に、上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施して丸みを有する断面形状にする工程を備えたので、上記コンタクトホールエッチング用マスク上に形成される上記給電用導電性膜に生ずる上記段差に起因する断線を殆ど無くすことができる。
【0074】
また、上記第1の発明の半導体装置の製造方法は、上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施した後、上記コンタクトホールエッチング用マスク上に形成した有機レジストエッチング用マスクを用いて、上記コンタクトホールエッチング用マスクにエッチングを施して開口部分を形成すれば、後に、上記コンタクトホールエッチング用マスクに形成された開口部分に上記上層配線を形成することによって、上記下層配線に電気的に接続されていない上層配線を形成することができる。
【0075】
また、上記第1の発明の半導体装置の製造方法は、上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施して変形させるに先立って、上記コンタクトホールエッチング用マスクに紫外線を照射して部分的に硬化させれば、上記熱処理による過剰な軟化に伴う著しい変形を抑制できる。したがって、上記コンタクトホールエッチング用マスクが上記コンタクトホールに覆い被さることを防止して、上記給電用導電性膜の断線を無くして歩留まりを向上できる。
【0076】
また、上記第1の発明の半導体装置の製造方法は、上記絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程において用いる上記エッチングを反応性ドライエッチングにすれば、サイドエッチングが少なく異方性が強いエッチングによって、上記コンタクトホールエッチング用マスクの開口に一致したコンタクトホールを精度よく形成することができる。
【0077】
また、第2の発明の半導体装置の製造方法は、上記上層配線を形成した後に上記メッキマスクを硬化させ、上記メッキマスク上に上部メッキマスクを形成し、上記電解メッキによって上記上層配線上に上部上層配線を形成した後、上記上部メッキマスクを除去すれば、上記上層配線の厚みを従来と同じにする際に、2回の電解メッキで形成するので1回当りの電解メッキによる金属の被着量を少なくできる。そのために、上記メッキマスクおよびその上に形成される上部メッキマスクの幅を薄くすることが可能になり、上層配線相互の間隔を従来よりも狭くする場合でも上記メッキマスクおよび上部メッキマスクを均一に形成できる。したがって、この発明によれば、上層配線相互の間隔が狭く且つ上層配線間の短絡等を起こすことが無い半導体装置を形成することができる。
【0078】
また、第3の発明の半導体装置は、上記第1の発明の半導体装置の製造方法によって製造されるので、上記上層配線に断線が生ずることが無く、高い歩留りを得ることができる。さらに、上記上層配線によって上記コンタクトホールの縁部で上記絶縁膜の上面を確実に覆うことができ、素子外部からの水分等が上記コンタクトホールを通って素子内部に進入して素子が劣化することを防止できる。
【0079】
また、上記第3の発明の半導体装置は、上記下層配線をヘテロ接合バイポーラトランジスタにおけるオーミック電極で成し、上記コンタクトホールを上記オーミック電極上を覆う絶縁膜に形成して、上記絶縁膜上に形成された上層配線電極と当該オーミック電極とを上記コンタクトホールを介して電気的に接続すれば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおけるオーミック電極に上記コンタクトホールを介して電気的に接続された上記上層配線電極に断線が生ずることが無く、高い歩留りを得ることができる。さらに、上記上層配線電極によって上記コンタクトホールの縁部で上記絶縁膜の上面を確実に覆うことができ、素子外部からの水分等が上記コンタクトホールを通ってヘテロ接合バイポーラトランジスタ素子内部に進入して劣化することを防止できる。
【0080】
さらに、上記上層配線電極を二回の電解メッキによって二層に構成すれば、上記上層配線電極相互の間隔が狭く且つ上記上層配線電極間の短絡等を起こすことが無い構造になっている。したがって、各上層配線電極は、より幅が広く、厚みがより厚く、相互の間隔がより狭くなっており、素子抵抗および配線抵抗が低い高性能のヘテロ接合バイポーラトランジスタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の半導体装置の製造方法における一工程での半導体積層構造体の断面図である。
【図2】図1に続く工程における断面図である。
【図3】図2に続く工程における断面図である。
【図4】図3に続く工程における断面図である。
【図5】図4に続く工程における断面図である。
【図6】図5における平面構造と配線のブリッジ構造との説明図である。
【図7】熱処理時にコンタクトホールエッチング用マスクが軟化し過ぎて著しく変形した場合の説明図である。
【図8】図1〜図5とは異なる半導体装置の製造方法の説明図である。
【図9】図1〜図5および図8に示す半導体装置の製造方法を適用したヘテロ接合バイポーラトランジスタの配線方法の説明図である。
【図10】上層配線がコンタクトホールの縁部において規定幅で上記絶縁膜を確実に覆うことができる従来の半導体装置の製造方法の説明図である。
【図11】図10に示す半導体装置の製造方法における下地に段差がある場合の課題の説明図である。
【符号の説明】
21,51,71…半導体基板、
22,52…段差
23,53…下層電極、
24,54,76…絶縁膜、
25…コンタクトホールエッチング用マスク、
26,55,77…コンタクトホール、
27…有機レジストエッチング用マスク、
28,56,78…保護マスク、
29,57…給電用導電膜、
30,58,79…メッキマスク、
31,59,61…金属、
32,33,62,63,80…上層配線、
34,86…配線、
35,85…ブリッジ構造、
41…コンタクトホールエッチング用マスクが軟化した際の開口部形状、
42…コンタクトホールエッチング用マスクを架橋反応させた際の開口部形状、
60…上部メッキマスク、
64,65…上部上層配線、
72…能動層、
73…コレクタオーミック電極、
74…ベースオーミック電極、
75…エミッタオーミック電極、
81…メサ段差、
82…コレクタ配線電極、
83…ベース配線電極、
84…エミッタ配線電極。
Claims (8)
- 下層配線と、この下層配線上を覆って形成された絶縁膜と、この絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、このコンタクトホールを介して上記下層配線に接続された上層配線を有する半導体装置の製造方法において、
上記絶縁膜上に有機レジストによってコンタクトホールエッチング用マスクを形成する工程と、
上記コンタクトホールエッチング用マスクを用いて、上記絶縁膜にエッチングを施して上記下層配線に至るコンタクトホールを形成する工程と、
上記コンタクトホールエッチング用マスクの縁部の位置を後退させて、上記コンタクトホールの縁部において上記絶縁膜の表面を露出させる工程と、
全面に給電用導電性膜を形成する工程と、
上記給電用導電性膜上における上記コンタクトホール部および上記コンタクトホール縁部の絶縁膜表面を含む領域に開口部を有するメッキマスクを形成する工程と、
上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって上記メッキマスクの開口部に金属を被着させて、上記下層配線に電気的に接続された上層配線を形成する工程と、
上記メッキマスクおよびそのメッキマスク直下の上記給電用導電膜を除去する工程と、
上記絶縁膜にコンタクトホールを形成した後に上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施して、上記コンタクトホールエッチング用マスクにおける開口部を変形させて丸みを有する断面形状にする工程
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施した後、上記コンタクトホールエッチング用マスク上に有機レジストエッチング用マスクを形成し、この有機レジストエッチング用マスクを用いて上記有機レジストで成る上記コンタクトホールエッチング用マスクにエッチングを施すことによって、上記コンタクトホールエッチング用マスクに開口部分を形成する工程を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1あるいは請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
上記コンタクトホールの縁部において上記絶縁膜の表面を露出させる工程は、酸素を含むプラズマによって上記コンタクトホールエッチング用マスクの表面をアッシングして除去し、上記コンタクトホールエッチング用マスクの縁部の位置を後退させる工程を含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
上記コンタクトホールエッチング用マスクに熱処理を施して変形させるに先立って、上記コンタクトホールエッチング用マスクに紫外線を照射することによって、上記コンタクトホールエッチング用マスクを部分的に硬化させることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の半導体装置の製造方法において、
上記絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程において用いる上記エッチングは、反応性ドライエッチングであることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 下層配線と、この下層配線上を覆って形成された絶縁膜と、この絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、このコンタクトホールを介して上記下層配線に接続された上層配線を有する半導体装置の製造方法において、
上記絶縁膜上に有機レジストによってコンタクトホールエッチング用マスクを形成する工程と、
上記コンタクトホールエッチング用マスクを用いて、上記絶縁膜にエッチングを施して上記下層配線に至るコンタクトホールを形成する工程と、
上記コンタクトホールエッチング用マスクの縁部の位置を後退させて、上記コンタクト ホールの縁部において上記絶縁膜の表面を露出させる工程と、
全面に給電用導電性膜を形成する工程と、
上記給電用導電性膜上における上記コンタクトホール部および上記コンタクトホール縁部の絶縁膜表面を含む領域に開口部を有するメッキマスクを形成する工程と、
上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって上記メッキマスクの開口部に金属を被着させて、上記下層配線に電気的に接続された上層配線を形成する工程と、
上記メッキマスクおよびそのメッキマスク直下の上記給電用導電膜を除去する工程と、
上記電解メッキによって上記上層配線を形成した後に、上記メッキマスクを硬化させる工程と、
上記メッキマスク上に上部メッキマスクを形成する工程と、
上記給電用導電性膜を電極とする電解メッキによって上記上部メッキマスクの開口部に金属を被着させて、上記上層配線上に積層された上部上層配線を形成する工程と、
上記上部メッキマスクを除去する工程
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載の半導体装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする半導体装置。
- 請求項7に記載の半導体装置において、
上記下層配線は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおけるオーミック電極であり、
上記コンタクトホールは、上記オーミック電極上を覆う絶縁膜に形成されており、
上記絶縁膜上に形成された上層配線電極と当該オーミック電極とは上記コンタクトホールを介して電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
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