JP3612433B2 - 上引き式ロースターの油脂回収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロースターでの加熱調理時に発生する排ガス(焼煙、油粒子、ミスト等を含む燃焼ガス等)を吸引し、浄化後、天井配設ダクトで屋外排気する上引き式ロースターの油脂回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロースターの排ガス吸引方式としては、調理部から発生した排ガスをテーブル内に吸引した後、浄化するか、室外排気したり、或いは調理部の上方で排ガスを吸引し、天井配設ダクトで屋外排気するものが知られている。
【0003】
そして、排ガスをロースター内に吸引し、床下配設ダクトで屋外排気するものでは、ロースター内或いは床下ダクトの連結前に油粒子等を回収して、一次浄化を行い、ダクト火災を防止している。
他方、吸引した排ガスを上方吸引し、天井配設ダクトで屋外排気するものでもダクト火災防止のために、天井ダクトへの連結前に油粒子を回収することが望ましいが、天井内或いは天井とロースター対向配置吸引部の間等では、スペース的に或いは保守面において、制限があり、有効な油脂回収が困難であった。
【0004】
又、油脂回収方式として、通気集塵式のフィルターが使用されているが、この方式の場合には、通気集塵式のフィルター内に排ガスを通過させて、油粒子等の回収、集塵を行い、浄化しているために、フィルターに油粒子等が累積して、フィルターの通気抵抗が増大すると共に、フィルターの浄化能力が低下するために、定期的なフィルター交換が必要であった。
【0005】
又、排ガスの吸引通路に通気集塵式のフィルター以外に活性炭も併用されており、活性炭は多孔性で高い吸着能力を有するため、微粒子の臭気成分を吸着脱臭する最終処理に使用されているが、活性炭は粉末状又は細粒状等であるために、元々、通気による圧力損失が高い傾向があった。
そして、油煙を含む排ガスの一次処理に活性炭を使用すると、油煙の油粒子を吸着することにより、活性炭の微孔が目詰りを発生したり、多数の活性炭が密着して通気間隙が閉塞し、通気抵抗、圧力損失が格段に上昇し、排ガスの吸引作用に悪影響を及ぼす欠点を有していた。
又、活性炭に熱を付与すると、賦活して、吸着された物質を放出する傾向を有したり、賦活活性で活性炭が損耗し減量する欠点を有し、又一次側に設置すると、排ガス温度が高いために活性炭層に凝縮水が溜まり易く、脱臭吸着作用を低下させる欠点を有している。
従って、活性炭による一次処理は行われていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ロースターの上方対向位置で、天井ダクトから垂下させた吸引部に着脱自在な油脂回収装置を装着し、特に、中空筒状(リング状)の油脂吸着体をダクト内に収容してスペース問題を解決し、更に、油脂吸着体として、特定種類の吸着材を採用して、メンテナンス作業を低減する様にした上引き式ロースターの油脂回収装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術に基づく、油脂吸着体の装着スペース及び保守作業面の課題に鑑み、垂下ダクトパイプの下端に着脱自在と成した集煙フードに、油脂吸着体を載置することによって、垂下ダクトパイプ内部に油脂吸着体を着脱自在に装着する。
又、油脂吸着体はリング状のものと成すことによって、垂下ダクト内に収容可能と成すと共に、上下方向全長の円周面を通気させることによって、浄化能力、排ガスの通過量を確保する。
又、通気浄化式のフィルターは定期的な洗浄を必要とする課題、吸着材としての活性炭は一次処理に不向きな課題に鑑み、排ガスの吸引通路の一次処理側に排ガスが通過する油脂吸着体を設け、該油脂吸着体は無機質材料から成る多孔質で粒径を揃えた多数の吸着材で立体状に形成することによって、吸着材の微孔、細孔で油脂油を吸着し、内部浸透させて、排ガスを浄化すると共に、使用期間の長期化を図り、且つ、吸着材の粒径を揃えることにより、隣接する吸着材間の間隙を確保して、通気抵抗の増大を抑制する様にして、上記課題を解決する。
又、中空筒状に形成した収納体のリング状の収納空間に多数の吸着材を収納する油脂吸着体において、収納体を分離自在な外筒体及び内筒体で構成し、外筒体を内筒体より高く形成し、内筒体の上端に対して充填治具を着脱自在と成し、該充填治具は中央部が高い板状と成すと共に、充填治具の外周縁は内筒体の上端に密接自在と成すことによって、充填治具上に載置した吸着材を収納空間に落下させて、吸着材を収納体内に均一的に収納し、吸着材の交換作業の容易化を図り、取扱性を向上させている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示す様に、床上に設置されたロースター1と天井から垂下設置された排ガスの排気装置2は上下対向配置されている。
そして、図2に示す様に、ロースター1にあっては、キャビネット3で支持されたテーブル4の略中央位置に調理部5を開口し、該調理部5の周囲におけるテーブル4に、下部が空気供給部6に連通された外箱7を嵌合支持し、該外箱7の内部に、所定間隔の供給流路8を外箱7との間に有する様にして、内箱9を取付けている。
【0009】
上記外箱7と内箱9は共に円形状であり、外箱7の外周上部をフランジを介してテーブル4に固定している。
又、外箱7と内箱9の一側に貫通させた対向一対の連結筒を連結することにより、外箱7の外側と内箱9の内側に連結開口した自然給気用、着火用等の連結部11を形成している。
又、内箱9の上方部を外側に傾斜屈曲して形成した載置部12に七輪から成る加熱部13を配置している。
尚、加熱部13として、自然炭14を内装した七輪を説明したが、ガス加熱、セラミック炭使用等のものでも、勿論良い。
【0010】
15は環状のトップリングであり、該トップリング15は外箱7と内箱9間の供給流路8の上方開口部を被冠閉塞する天板部と、内箱9の載置部12及び外箱7の上方に位置させた内外壁を一体形成している。
そして、トップリング15の天板部に、上方が拡開方向となる様に、傾斜させた噴出孔を貫設している。
尚、略上方向きの噴出孔の方向は、排気装置2における内外集煙フードの外端縁を基準として、各種作用に応じて、内側又は外側に設定している。
又、内箱9の内底部に、水が貯留されるドレンパン18を載置し、テーブル4の右端下面にコントロール装置19を設けている。
【0011】
そして、キャビネット3内に設けた空気供給部6に供給ファンを設けると共に、空気供給部6と外箱7内の供給流路8を連通させ、適宜開口を有するキャビネット3を通過した室内空気を、供給ファンの作用で空気供給部6、供給流路8、トップリング15の噴出孔を介して、調理部5の外周で斜め上方拡開方向に噴出する様に成している。
【0012】
次に、ロースター1の上方に対向配置した排気装置2について設定する。
図1に示す様に、天井板30上方の天井裏内において、梁31、31a で支持された吸引作用される排気ダクト32に連結ボックス33を介してダクト基体34を垂下配設している。
そして、ダクト基体34の下部に防火ダンパー35を有する連結パイプ36を取付けると共に、該連結パイプ36の下部に、上述の吸引流路で吸引作用されるダクトパイプを有する排ガス回収体37を着脱自在に取付けている。
【0013】
上記、排ガス回収体37は、図3に示す様に、上方から下方に向けて各種ダクトパイプ、即ち、基端パイプ38、該基端パイプ38から拡径パイプ39を介して油脂吸着体40収容の収納パイプ41、該収納パイプ41下端の被取付パイプ42、及び、被取付パイプ42より若干上方位置に基端が取付けられる外側集煙フード43を順次、連通状態で一体化している。
そして、円筒状の収納パイプ41の内部に、該収納パイプ41との間に円筒状の通過流路44を有して、排ガスが通過自在となる様に、中空円筒状の油脂吸着体40を取付けている。
【0014】
次に、収納パイプ41に対する油脂吸着体40の着脱自在な取付構造及び油脂吸着体40を説明する。
図3、4、5に示す様に、連通一体状態の収納パイプ41及び被取付パイプ42の下端に取付ける閉塞板45の外周面上方に、被取付パイプ42の外周側に重層状態で位置する取付筒46を取付け、該取付筒46に略J字状開口の嵌合部47を設けると共に、被取付パイプ42の外周側に突出した嵌合ピン48を嵌合部47に嵌入させている。
又、閉塞板45の中央開口部49に内側集煙フード50の基端パイプ51を取付けると共に、該基端パイプ51の上端を閉塞板45より若干上方に突出させている。
そして、リング状の油脂吸着体40を閉塞板45上に載置自在と成し、油脂吸着体40の内縁側に基端パイプ51の突出上端部が位置し、内側集煙フード 50 と油脂吸着体 40 の中央中空部の通過流路 60 を連通している。
【0015】
上記油脂吸着体40の詳細としては、図6、7、8に示す様に、有底上面開口で中央部が上下開口し、通気自在なリング状の収納体52に多数の吸着材53、53a …を収納している。
吸着材53、53a …はセラミック製(無機質材料)から成る多孔質で、粒径を1mm以上に揃えたものと成している。
尚、吸着材53、53a …は1mm以下のものを含むと、吸着材53、53a …間の間隙が少なく、圧力損失が高くなって、実用性が低下する。
【0016】
そして、図6、8に示す様に、収納体52は多数の通気孔54、54a …を穿設した外筒体55と、該外筒体55の内部に収納空間56を有する様に、多数の通気孔57、57a …を穿設した内筒体58で構成している。
更に、外筒体55の下部に内方側へ収納空間56と略同一幅の底板59を突出形成すると共に、内筒体58の下部に外方側へ収納空間56と略同一幅の底板59a を突出形成し、外筒体55の底板59上に内筒体58の底板59a を着座自在と成している。
【0017】
又、図4、6、7に示す様に、中空円筒状の油脂吸着体40に対して、収納体52の中央中空部の通過流路60の上部を閉塞する様に、キャップ61を着脱自在に装着している。
尚、キャップ61の外周縁部62は吸着材53、53a …の積層部の上部に着座自在と成すと共に、キャップ61の中央部63を上方に膨出形成している。
【0018】
又、図9その他に示す様に、外筒体55の上端を内筒体58の上端より高く形成すると共に、油脂吸着体40とキャップ61の間に、油脂吸着体40における収納空間56へ吸着材53、53a …を収納するために、内筒体58の上端に対して充填治具64を着脱自在或いは固定状態で装着している。
かかる充填治具64は、中央部が高い円板状と成すと共に、中間の傾斜面を介して、充填治具64の外周縁を下方に折曲形成して、該下方折曲部65を内筒体58の上端外周に嵌合させて密接自在と成している。
【0019】
又、図4、7に示す様に、外筒体55の上端外側に設けた取付部66、66a に線材から成る半円形状の把手67を着脱自在に設けると共に、キャップ61の中央部63上に台座68を設け、把手67を上方回動させた時に、台座68の上端に陥没形成した着座部69に把手67が嵌合し、キャップ61を収納体52に圧着する様に成している。
【0020】
尚、ダクト基体34と排ガス回収体37の着脱自在な取付け構成は、排気ダクト32と閉塞板45の取付筒46の構成と同様であり、両者共に着脱自在であって適宜気密性が保持出来れば良い。
又、外側集煙フード43と内側集煙フード50の高さ関係にあっては、小径の内側集煙フード50を若干上方と成し、又外側集煙フード43の内周側下端に油溜70を設けている。
又、図中、71はスポットライトであり、該スポットライト71は、通常、外側集煙フード43の外周側の取付座72に取付け、保守時には取付座72a に取付ける様にしており、保守作業の容易化、スポットライト71の損傷防止を図っている。
【0021】
次に本発明に係る上引き式ロースターの油脂回収装置の作用について説明する。
ロースター1の調理部5から立ち昇る排ガスに対して、その周囲で噴出孔からの噴出空気Mによる空気流でエアカーテンを形成することにより、室内空気に流れがあっても、両者を遮断して、排ガスを真っ直ぐ上方に立ち昇らせる。
そして、若干拡散した排ガスを内外側集煙フード43、50で誘導して吸引し、排ガス回収体37、排気ダクト32等を経由して排気する。
【0022】
そして、排ガスが排ガス回収体37内の油脂吸着体40を通過する過程において、油脂吸着体40内で吸着材53、53a …の間隙を複雑に屈曲して流通し、外周方向に横断し、油脂吸着体40から通過流路44への出口で略上方へ屈曲する。
大部分の油粒子は油脂吸着体40通過時の乱流で吸着材53、53a …に付着し、排ガスは浄化され、浄化空気として排気ダクト32から大気へ放出される。
尚、吸着材53、53a …に付着した油脂油は若干の流動性があるため、多孔質の吸着材53、53a …の内部に浸透する。
【0023】
又、吸着材53、53a …の交換に際して、内側集煙フード50を有する閉塞板45等を若干持ち上げると共に、若干回転させた後、下方に降ろせば、被取付パイプ42の嵌合ピン48から閉塞板45における取付筒46の嵌合部47を離脱し、油脂吸着体40を有する内側集煙フード50、閉塞板45等を床上に載置する。
そして、把手67を持ち上げて油脂吸着体40を閉塞板45から上方に取出し、把手67を台座68から外し、キャップ61及び充填治具64を油脂吸着体40から取り外し、外筒体55から内筒体58を引き上げて吸着能力が低下した吸着材53、53a …を排出する。
その後、外筒体55に内筒体58を装着し、更に、図9の様に、油脂吸着体40に充填治具64をセットすることにより、充填治具64の上部に吸着材53、53a …を載置し、充填治具64の傾斜面に沿って外筒体55と内筒体58の間の収納空間56へ落下させて、油脂吸着体40に新たな吸着材53、53a …を充填する。
【0024】
【発明の効果】
要するに本発明は、ロースター1の上方部に対向配置されると共に、吸引作用される油脂回収装置であって、吸引作用されるダクトパイプ(収納パイプ41)の下部に(内側)集煙フード50を有する閉塞板45を着脱自在に取付けたので、ロースター1で発生し上昇する排ガスを内側集煙フード50で案内吸引して効率的に排気することが出来、又閉塞板45上に中空円筒状の油脂吸着体40を載置したので、閉塞板45の着脱だけで、吸引作用される排気装置2の収納パイプ41から油脂吸着体40を着脱することが出来、保守作業を容易に行うことが出来ると共に、閉塞板45上の油脂吸着体40は収納パイプ41内に位置することになるため、油脂吸着体40の収納スペースを収納パイプ41内に確保することが出来る。
又、油脂吸着体40は上端を閉鎖すると共に、ダクトパイプ(収納パイプ41)との間に円筒状の通過流路44を有する様に油脂吸着体40をダクトパイプ(収納パイプ41)内に配置し、(内側)集煙フード50、油脂吸着体40の中央中空部の通過流路60、円筒状の油脂吸着体40、ダクトパイプ(収納パイプ 41 )と油脂吸着体 40 の間の円筒状の通過流路 44の順序で吸引流路を形成したので、下方の内側集煙フード50から油脂吸着体40に流入する排ガス流路は、油脂吸着体40の周壁を横断する流路となり、且つ、収納パイプ41内の高さ方向に必要長を配置することにより、収納パイプ41内であっても排ガス浄化に必要とする通気面積を十分に確保することが出来る。
【0025】
又、閉塞板45の外周に取付筒46を立設形成すると共に、吸引作用されるダクトパイプ(収納パイプ41)下端の被取付パイプ42の外周に取付筒46を重層状態と成したので、収納パイプ41を介して吸引作用される被取付パイプ42に対して閉塞板45が着脱自在であっても、かかる接合部での気密性を保持して、閉塞板45に設けた内側集煙フード50で排ガスを吸引することが出来る。
【0026】
又、被取付パイプ42に嵌合ピン48を突出形成すると共に、取付筒46に略J字状の嵌合部47を開口形成したので、被取付パイプ42に対する閉塞板45の着脱作業を、閉塞板45における取付筒46の若干の上下回転動だけで容易に行うことが出来る。
【0027】
又、(内側)集煙フード50の基端パイプ51を閉塞板45より若干上方に突出させると共に、該上方突出部を中空筒状の油脂吸着体40の内周側に位置させたので、閉塞板45上及びダクトパイプ(収納パイプ41)内における油脂吸着体40の位置が中央所定位置に規制されて、油脂吸着体40に対する排ガスの流入排出流路を均一化して効率的な浄化を行うことが出来る。
【0028】
又、油脂吸着体40に収納される吸着材53、53a …は無機質材料から成る多孔質で粒径を揃えた多数の吸着材53、53a …と成したので、立体化された吸着材53、53a …積層部の通過時に発生する乱流で、吸着材53、53a …に油脂油を衝突、吸着させて排ガスを浄化することが出来、又粒径を揃えた吸着材53、53a …間の間隙は大きく通気抵抗が小さいので、排ガスの吸引を円滑に行うことが出来、更に、吸着された油脂油は吸着材53、53a …の内部に浸透して通気間隙を閉塞せず、長期の浄化作用を行うことが出来、更に、吸着材53、53a …は無機質であることにより、排ガスの熱による損耗を防止することが出来る。
【0029】
又、有底上面開口状で中央部63が開口した収納体52に多数の吸着材53、53a …を収納し、収納体52は通気孔54、54a …を有した外筒体55と該外筒体55の内部に収納空間56を有する様に通気孔57、57a …を有した内筒体58を設けたので、吸着材53、53a …の交換に際して、収納体52の上部側から吸着材53、53a …を容易に交換することが出来、又収納体52の収納空間56及び中央部をキャップ61で閉塞したので、収納体52の中央中空部から排ガスが短絡的に流出することを防止出来る。
【0030】
又、収納体52からキャップ61を着脱自在と成したので、吸着材53、53a …の交換に際してキャップ61を取り外して交換作業を容易に行うことが出来、又キャップ61の上部に台座68を突出形成すると共に、外筒体55に把手67を設け、把手67を台座68の着座部69に位置させた時にキャップ61は収納体52に圧着状態と成したので、油脂吸着体40の中央中空部の通過流路60に上向きの流通力が発生、作用しても、キャップ61は把手67で固定されているために外れることが無く、油脂吸着体40における吸着材53、53a …に対する横断流路を維持して浄化作用を保持することが出来、又外筒体55に対して内筒体58を着脱自在と成したので、交換時における使用済の吸着材53、53a …の排出作業を内筒体58の取り出しだけで行うことが出来る。
【0031】
又、外筒体55を内筒体58より高く形成したので、吸着材53、53a …の充填時に、油脂吸着体40の外方側への落ちこぼれを防止して、油脂吸着体40の内方側から充填作業を容易に行うことが出来、又内筒体58の上端に対して充填治具64を着脱自在と成し、該充填治具64は中央部63が高い板状と成すと共に、充填治具64の外周縁は内筒体58の上端に密接自在と成したので、充填治具64の中央部63に吸着材53、53a …を載置し、収納空間56側へ落下させる簡単な作業で吸着材53、53a …を充填することが出来ると共に、外筒体55が高いことと相俟って、充填少量個所に重点的に吸着材53、53a …を落下させることも出来て、吸着材53、53a …の均一収納を容易に行うことが出来、
【0032】
又、充填治具64の外周縁を下方に折曲形成すると共に、該下方折曲部65は内筒体58の上端外周に嵌合自在と成したので、油脂吸着体40に対する充填治具64を簡易固定状態と成して充填作業を容易に行うことが出来る。
【0033】
又、充填治具64は収納体52とキャップ61の間に配置したので、充填治具64を別途保管する必要が無いと共に、油脂吸着体40を取り外した状況で充填治具64を利用して即座に吸着材53、53a …の交換を行うことが出来る。
【0034】
又、(内側)集煙フード50の外側に大径の外側集煙フード43を設けると共に、外側集煙フード43に比して(内側)集煙フード50を若干上方位置と成したので、ロースター1から上昇する排ガスが拡散して広面積のものとなっても、吸引作用される(内側)集煙フード50より大径の外側集煙フード43で、水平方向に吸引案内されて排ガスを確実に吸引することが出来る。
【0035】
又、ロースター1にあっては、テーブル4に開口した調理部5に外箱7を取付け、該外箱7の内側に、外箱7との間に供給流路8を有する様に内箱9を取付け、供給流路8の上部を閉塞するトップリング15に略上向きの噴出孔を貫設すると共に、供給流路8に空気供給部6を連通したので、排ガスと室内空気をエアカーテンで遮断することにより、排ガスを真っ直ぐ上方に立ち昇らせ、排ガスだけを吸引することが出来、従って、室内空気の吸引を低減して効率化を図ることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る上引き式ロースターの油脂回収装置の全体配置を示す図である。
【図2】ロースターの概略図である。
【図3】本発明に係る油脂回収装置の要部拡大断面図である。
【図4】ダクトパイプから外した排ガス回収体の要部拡大断面図である。
【図5】油脂吸着体の保持部(閉塞板及び取付筒等)を示す拡大正面図である。
【図6】油脂吸着体の拡大断面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】油脂吸着体の分解断面図である。
【図9】吸着材の交換充填時の油脂吸着体の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ロースター
4 テーブル
5 調理部
6 空気供給部
7 外箱
8 供給流路
9 内箱
15 トップリング
40 油脂吸着体
50 内側集煙フード
51 基端パイプ
52 収納体
53、53a … 吸着材
54、54a … 通気孔
55 外筒体
56 収納空間
57、57a … 通気孔
58 内筒体
60 通過流路
61 キャップ
63 中央部
64 充填治具
65 下方折曲部
67 把手
68 台座
69 着座部
Claims (12)
- ロースターの排ガスを上方で吸引して屋外排気する上引き式ロースターにおいて、ロースターの上方部に対向配置されると共に、吸引作用される油脂回収装置であって、
吸引作用されるダクトパイプの下部に着脱自在に取付けた閉塞板上に中空円筒状の油脂吸着体を載置すると共に、該油脂吸着体の中央中空部の通過流路に連通する集煙フードを閉塞板に設け、
油脂吸着体は上端を閉鎖すると共に、ダクトパイプとの間に円筒状の通過流路を有する様に油脂吸着体をダクトパイプ内に配置し、
集煙フード、油脂吸着体の中央中空部の通過流路、円筒状の油脂吸着体、ダクトパイプと油脂吸着体の間の円筒状の通過流路の順序で吸引流路を形成したことを特徴とする上引き式ロースターの油脂回収装置。 - 閉塞板の外周に取付筒を立設形成すると共に、吸引作用されるダクトパイプ下端の被取付パイプの外周に取付筒を重層状態と成したことを特徴とする請求項1記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 被取付パイプに嵌合ピンを突出形成すると共に、取付筒に略J字状の嵌合部を開口形成したことを特徴とする請求項2記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 集煙フードの基端パイプを閉塞板より若干上方に突出させると共に、該上方突出部を中空円筒状の油脂吸着体の内周側に位置させたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 油脂吸着体に収納される吸着材は無機質材料から成る多孔質で粒径を揃えた多数の吸着材と成したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 有底上面開口状で中央部が開口した収納体に多数の吸着材を収納し、収納体は通気孔を有した外筒体と該外筒体の内部に収納空間を有する様に通気孔を有した内筒体を設け、又収納体の収納空間及び中央部を着脱自在なキャップで閉塞し、キャップの上部に台座を突出形成すると共に、外筒体に把手を設け、該把手を台座の着座部に位置させた時にキャップは収納体に圧着状態と成したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 外筒体に対して内筒体を着脱自在と成したことを特徴とする請求項6記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 外筒体を内筒体より高く形成し、内筒体の上端に対して充填治具を着脱自在と成し、該充填治具は中央部が高い板状と成すと共に、充填治具の外周縁は内筒体の上端に密接自在と成したことを特徴とする請求項7記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 充填治具の外周縁を下方に折曲形成すると共に、該下方折曲部は内筒体の上端外周に嵌合自在と成したことを特徴とする請求項8記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 充填治具は収納体とキャップの間に配置したことを特徴とする請求項9記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- 前記集煙フードの外側に大径の外側集煙フードを設けると共に、外側集煙フードに比して集煙フードを若干上方位置と成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
- ロースターにあっては、テーブルに開口した調理部に外箱を取付け、該外箱の内側に、外箱との間に供給流路を有する様に内箱を取付け、供給流路の上部を閉塞するトップリングに略上向きの噴出孔を貫設すると共に、供給流路に空気供給部を連通したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の上引き式ロースターの油脂回収装置。
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