JP3612149B2 - フィレットローラ加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトのピン部およびジャーナル部のフィレット部分をローラ加工するフィレットローラ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関等に用いられるクランクシャフトにおいては、そのピン部およびジャーナル部のフィレット部分の疲労強度を向上させるために、フィレット部分をローラ加工している。
【0003】
前記フィレット部分をローラ加工する装置として、回転駆動される工作物を保持する複数のローラホルダを取り付けた上部および下部アームを開閉可能に設け、前記ローラホルダに支持されたフィレットローラを前記工作物の円周方向等間隔に当接させ、前記工作物のフィレット部をローラ加工するようにしたフィレットローラ加工装置が特公平4−13098号で提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来装置は、ローラホルダが円周線上の120°間隔で3箇所に設けられており、このローラホルダの位置を変更することができない。そのため、ピン径、ジャーナル径の異なる工作物の加工に際しては、変更する工作物のピン径、ジャーナル径に対応したローラホルダに交換したり、それぞれの径に対応した機械装置を設備しなければならない。また、フィレットローラの間隔が等間隔でなくなると、荷重が偏り十分な硬度上昇が得られなかったり、工作物に歪が生じたりする問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、ピン径あるいはジャーナル径の異なる工作物に円周線上の120°間隔で3箇所に設けられたフィレットローラを等間隔を維持して対応可能としたフィレットローラ加工装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の特徴とする構成は、回転駆動される工作物を保持するローラホルダを取り付けた上部および下部アームを開閉可能に設け、前記ローラホルダに支持されたフィレットローラを前記工作物の円周方向等間隔に当接させ、前記工作物のフィレット部をローラ加工するようにしたフィレットローラ加工装置において、前記ローラホルダを前記フィレットローラと前記工作物の接点と前記工作物の軸心とを結ぶ直線方向に移動可能とし、前記フィレットローラを径の異なる工作物に対し常に工作物の円周方向等間隔を維持して当接するようにしたものである。
【0007】
また、クランクシャフトを支持して回転駆動させる駆動装置と、前記クランクシャフトの各ピン部を保持するローラホルダが取り付けられ開閉可能に設けられた上部および下部アームと、前記ローラホルダに取り付けられ前記上部および下部アームの開閉動作によりクランクシャフトのフィレット部の円周方向等間隔に当接するフィレットローラと、前記クランクシャフトの軸線と平行な支持軸に揺動可能に支持され前記上部および下部アームを枢支した揺動支持体と、前記クランクシャフトの着脱時に前記揺動支持体および前記上部および下部アームを前記クランクシャフトの各ピン部の位相に応じた姿勢に制御する姿勢制御装置と、前記ローラホルダが取り付けられ前記クランクシャフトのフィレット部と前記フィレットローラとの接点と前記クランクシャフトのピン部の中心を結ぶ直線方向に移動可能なスライダと、前記スライダの傾斜面に当接して前記スライダを移動させるくさび部材と、前記くさび部材を進退させる駆動源とから構成してなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明装置の全体構成を示すもので、固定ベース10上には、主軸台11と心押台12が間隔を有して対向設置されている。前記主軸台11には一端にチャック13を取り付けた主軸が回転可能に軸承され、この主軸はベルト伝動装置14を介して主軸モータ15に連結されている。
【0009】
被加工物であるクランクシャフトWは一端を前記チャック13により把持され、他端を前記心押台12のセンタ16により支持されて、主軸モータ15にて回転駆動されるようになっている。
【0010】
以下の実施例は、4気筒クランクシャフトと3気筒クランクシャフトの2種類のクランクシャフトWを加工する例について説明する。尚、図1中の符号17はクランクシャフトWの着脱時に前記主軸を一定の角度位置に割出す定位置割出し装置である。
【0011】
図2ないし図5において、20は前記固定ベース10上に固定された支持フレームを示し、この支持フレーム20には、第1の支持軸21が加工すべきクランクシャフトWの軸線と平行に配置され、かつ回転可能に支持されている。支持フレーム20にはまた、前記第1の支持軸21とクランクシャフトWの2点間のほぼ中間部に第2の支持軸22がそれらと平行に配置され、かつ回転可能に支持されている。
【0012】
前記第1の支持軸21には、クランクシャフトWの各ピン部P1〜P4に対応する軸方向位置に、そのピン部と同数の揺動支持体23が揺動可能に軸支されている。これら揺動支持体23の各間には間隔調整部材24が介在され、後述するよう各ピン部の軸方向間隔の変更に応じて揺動支持体23の間隔を変更できるようになっている。
【0013】
前記第2の支持軸22には、クランクシャフトWの各ジャーナルJ1〜J5に対応する軸方向位置に、そのジャーナル部と同数の揺動支持体25が揺動可能に軸支されている。これら揺動支持体25の各間には間隔調整部材26が介在され、後述するように各ジャーナル部の軸方向の変更に応じて揺動支持体25の間隔を変更できるようになっている。
【0014】
前記第1の支持軸21に軸支された揺動支持体23の下部には、揺動支持体23の揺動によってクランクシャフトWに対して水平方向に接近、離間される支持ピン30が支持軸21と平行に支持され、この支持ピン30に上部および下部アーム31,32の中央部が重合的に枢支されている。
【0015】
これら上部および下部アーム31,32の各先端部にはピン部P1を上下方向から保持するローラホルダ34,35a,35bが設けられ、これらローラホルダ34,35a,35bにはピン部P1のフィレット部分に臨むフィレットローラ36,36a,36bおよび受けローラ(図略)が互いに円周方向に間隔をおいて対向して保持されている。このピン部P1を上下方向から保持するローラホルダ34,35a,35bおよびフィレットローラ36,36a,36bの構成はジャーナル部J1と同じ構成であるので後述する。
【0016】
前記上部および下部アーム31,32の後端部には加圧用シリンダ38が設けられ、このシリンダ38の一端は上部アーム31にピン連結され、また、ピストンロッド39の一端は下部アーム32にピン連結されている。この加圧用シリンダ38によって上部および下部アーム31,32が開閉され、クランクシャフトWの着脱のためにローラホルダ34,35a,35bをピン部P1より離間させ、かつローラホルダ34,35a,35bのフィレットローラ36,36a,36bをピン部P1のフィレット部分に圧接するようになっている。
【0017】
これにより上部および下部アーム31,32は、支持軸21を中心とする揺動支持体23の揺動作用並びに支持ピン30を中心とする上部および下部アーム31,32の枢動作用により、クランクシャフトWの軸線に直角な面内で自由に運動できるようになり、そしてローラホルダ34,35a,35bによってピン部P1を保持した状態において、クランクシャフトWを回転させると、上部および下部アーム31,32はピン部P1に倣って自由に運動する。尚、ピン部P2〜P4を保持する構成についても前記ピン部P1と同じである。
【0018】
前記第2の支持軸22に軸支された揺動支持体25の下部には、支持ピン40が支持軸22と平行に支持され、この支持ピン40に上部および下部アーム41,42の中央部が重合的に枢支されている。
【0019】
これら上部および下部アーム41,42の各先端部には前記ジャーナル部J1のフィレット部分に臨むフィレットローラ44a,46a,46bおよびローラ受け44b,47a,47bが互いに円周方向に間隔をおいて対向して保持されている。
【0020】
その具体的な構成を図6および図7によって説明する。前記上部アーム41の先端にはローラホルダ44を介してフィレットローラ44aが保持されている。また、下部アーム42には、前記フィレットローラ44aと120°間隔の左右位置にスライダ100a,100bを前記120°間隔軸線方向に進退移動可能に設け、このスライダ100a,100bの各先端にローラホルダ45a,45bが設けられ、この各ローラホルダ45a,45bにローラ受け47a,47bを介してフィレットローラ46a,46bが保持されている。
【0021】
前記スライダ100a,100bの後端には傾斜面110a,110bが形成されており、この傾斜面110a,110bに前記スライダ100a,100bを進退移動させるためのくさび部材101a,101bが当接している。
【0022】
また、スライダ100a,100bの傾斜面110a,110bに当接する前記くさび部材101a,101bの背面にはバックアッププレート103a,103bが固設されている。そして、このバックアッププレート103a,103bの後端に設けられたスプリング104a,104bにより、スライダ100a,100bの傾斜面110a,110bは前記くさび部材101a,101bに常時当接されている。
【0023】
さらに、前記各くさび部材101a,101bの後端にはくさび部材進退用シリンダ105a,105bが配設されており、そのピストン106a,106bがくさび部材101a,101bに結合され、くさび部材101a,101bの先端側に設けられたストッパボルト102a,102bとくさび部材進退用シリンダ105a,105b内に設けられたストッパボルト109a,109bとによって規制される2位置のストロークでくさび部材101a,101bが進退作動し、くさび部材101a,101bが当接するスライダ100a,100bの傾斜面110a,110bによってスライダ100a,100bを介してローラホルダ45a,45bを進退移動するようになっている。尚、107a,107bおよび108a,108bは油圧供給源へのポートである。
【0024】
このローラホルダ45a,45bの進退移動によって、上部アーム41の先端フィレットローラ44aと下部アーム42の先端のフィレットローラ46a,46bは120°の等間隔を維持してサークルピッチを大小変更し、ジャーナルJ1(およびピン部P1〜P4)の径の変更に対応可能とする。
【0025】
上記の上部アーム41の先端フィレットローラ44aと下部アーム42の先端のフィレットローラ46a,46b構成は前述の通り、上部および下部アーム31,32の各先端部ピン部P1〜P4フィレット部分に圧接するフィレットローラ構成も同様な構成である。
【0026】
前記上部および下部アーム41,42の後端部には加圧用シリンダ48が設けられ、この加圧用シリンダ48の一端は上部アーム41にピン連結され、また、ピストンロッド49の一端は下部アーム42にピン連結されている。
【0027】
これにより、加圧用シリンダ48によって上部および下部アーム41,42が開閉され、クランクシャフトWの着脱のためにローラホルダ44,45a,45bをジャーナル部J1から離間させ、かつフィレットローラ44a,46a,46bをジャーナル部J1のフィレット部分に圧接するようになっている。尚、ジャーナル部J2〜J5を保持する構成についても前記ジャーナル部J1と同じである。
【0028】
また、前記上部アーム41の一端は、支持フレーム20に固設された保持ブロック51に上下動可能に嵌合された軸52の下部に係合され、通常はスプリング53によって軸52が上昇端に保持されることにより、上部および下部アーム41,42の姿勢を一定に保っている。そして加工中においては軸52の上下動によって各ジャーナル部J1〜J5の軸心の変動を吸収するようになっている。
【0029】
次に前記各ピン部P1〜P4を保持する複数の上部および下部アーム31,32の姿勢を各ピン部の位相に応じて制御する姿勢制御装置60の構成について説明する。図3および図4において、前記支持フレーム20には前記第1の支持軸21を挾んで両側に2つのスライドプレート61,62が互いに平行に配置されている。
【0030】
これらスライドプレート61,62は支持フレーム20の固設された各一対のガイドブロック63,64の両端を上下方向にスライド可能に案内され、第1のスライドプレート61は支持フレーム20に設置された昇降用シリンダ65のピストンロッド66に連結され、第2のスライドプレート62は支持フレーム20に設置された昇降用シリンダ67のピストンロッド68に連結されている。
【0031】
一対のスライドプレート61,62の間には、前記第1の支持軸21を跨ぐようにして複数(7つ−4気筒クランクシャフトのピン部の数+3気筒クランクシャフトのピン部の数)の姿勢制御体69〜75が設けられている。
【0032】
各姿勢制御体69〜75は、前記揺動支持体23の中央部に形成された円弧部23aの両側に係合するほぼ垂直な係合面69a,69bを有し、かつ揺動支持体23を挾んで両側に前記上部アーム31の上面2か所の係合する一対の係合ピン77,78を上下方向に摺動可能に嵌挿している。各係合ピン77,78は同一のばね力のスプリング79,80により下方に付勢され、かつ姿勢制御すべき状態に応じて係合ピン77,78の突出量を互いに異にしている。
【0033】
このような構成の姿勢制御体69〜75は各揺動支持体23に対して2つづつ(図3において一番右の揺動支持体23については1つだけ)、揺動支持体23の揺動軸心方向の幅の中心に対して振り分け的に配置され、それら2つづつのうちの一方69〜72は前記第1のスライドプレート61に一端を固定し、他端を第2のスライドプレート62に滑動可能に係合し、また、他方73〜75は第2のスライドプレート62に一端を固定し、他端を第1のスライドプレート61に滑動可能に係合している。
【0034】
これら姿勢制御体69〜75は、各スライドプレート61,62の上昇端位置においては、揺動支持体23および上部アーム31の運動を拘束しない位置に保持されているが、加工すべきクランクシャフトWの種類(実施例では4気筒と3気筒のクランクシャフト)に応じて何れか一方のスライドプレート61もしくは62が上昇用シリンダ65もしくは67により一定量下降されると、各姿勢制御体69〜75の係合面69a,69bにより揺動支持体23の揺動角度を垂直状態に保持すると共に、一対の係合ピン77,78により上部アーム31を各ピン部の位相に応じた角度位置に保持するようになっている。
【0035】
次に前記揺動支持体23,25の相互の間隔を変更するための間隔変更機構81の構成について説明する。図3および図8において、前記第1の支持軸21上に支持された複数(4つ)の揺動支持体23の各間には、前述のように間隔調整部材24が介在され、これら間隔調整部材24は互いに相対回転可能に接合する2つの調整リング83,84によって構成されている。
【0036】
これら調整リング83,84の一方は第1の支持軸21に軸方向にのみ相対移動可能にキー係合され、他方は揺動支持体23に結合されている。調整リング83,84の各接合面には、傾斜カム面83a,84aを介して連設した凹凸面が形成されており、一方の調整リングの凹面および他方の調整リングの凸面の接合と、両調整リング83,84の凸面同士の接合とによって各揺動支持体23を2つの異なる間隔に設定できるようになっている。そして、これら揺動支持体23および間隔調整部材24はスプリング85の作用により常に接合状態に保持され、かつ揺動支持体23の所要の揺動運動を許容している。
【0037】
前記第2の支持軸22上に支持された複数(5つ)の揺動支持体25の各間に介在された間隔調整部材26も、上記と同様な2つの調整リングにより構成され、これら揺動支持体25および間隔調整部材26はスプリング89の作用により常に接合状態に保持されている。
【0038】
前記第1および第2の支持軸21,22の各一端は、リンク機構90を介して互いに連結され、後述するように第1の支持軸21に与えられた回転運動が第2の支持軸22に同期的に伝えられるようになっている。また、第1の支持軸21の他端には、位置決め部材91が連結ピン92によって揺動可能に連結されている。
【0039】
前記位置決め部材91には係合突起93が突設されおり、この係合突起93は第1の支持軸21を軸承する固定の軸受部材94の端面に形成された円周上2か所の係合溝95の1つにスプリング96の作用によって離脱可能に係合されるようになっており、第1の支持軸21を異なる2つの角度位置に位置決めできるようにしている。
【0040】
また、前記位置決め部材91には操作レバー97が連結されており、この操作レバー97による前記係合突起93の係合離脱操作および第1の支持軸21の回転操作により、両支持軸21,22にキー係合された各一方の調整リング83が回転されて前記傾斜カム面83a,84aの作用により他方の調整リング84に対して軸方向に相対変位され、揺動支持体23,25の間隔を変更するようになっている。
【0041】
次に上記した構成における動作について説明する。尚、以下の説明においては先ず4気筒クランクシャフトWを加工する例について述べる。クランクシャフトWの各ピン部P1〜P4およびジャーナル部J1〜J5のフィレットローラ加工が完了すると、主軸台チャック13と心押台センタ16との間に支持されたクランクシャフトWが主軸定位置割出し装置17によって一定の角度位置に割出される。
【0042】
この状態で第1のスライドプレート61が昇降用シリンダ65によって一定量下降され、この第1のスライドプレート61に連結された姿勢制御体69〜72が一体的に下降される。これら姿勢制御体69〜72の下降により、各ピン部P1〜P4に対応する揺動支持体23が姿勢制御体69〜72の両係合面69a,69bにより一定の角度位置に保持され、かつそれら揺動支持体23に軸支された各上部アーム31が一対の係合ピン77,78により各ピン部P1〜P4の位相に対応した角度位置に保持される。
【0043】
しかる後、加工用シリンダ38,48によって上部アーム31,41に対して下部アーム32,42が開放作動され、各ピン部P1〜P4を保持する下部ローラホルダ35,35a,35bが上部ローラホルダ34に対して離間され、同様にジャーナル部J1〜J5を保持する下部ローラホルダ45a,45bが上部ローラホルダ44に対し離間される。
【0044】
続いて心押台センタ16が後退すると共に、チャック13が開放され、加工済クランクシャフトWを主軸台11と心押台12との間より搬出する。この状態においても、各ピン部P1〜P4を保持する上部および下部アーム31,32は前述した姿勢制御作用により、各ピン部P1〜P4の位相に応じた姿勢に維持される。
【0045】
続いて加工すべきクランクシャフトWが主軸台11と心押台12との間に搬入され、心押台センタ16とチャック13によって支持クランプされる。しかる状態で加圧用シリンダ38,48により下部アーム32,42が上部アーム31,41に対して閉止作動されてローラホルダ34,35a,35bのフィレットローラ36,36a,36bは各ピン部P1〜P4のフィレット部分に、また、ローラホルダ44のフィレットローラ44a,ローラホルダ45a,45bのフィレットローラ46a,46bは各ジャーナル部J1〜J5のフィレット部分にそれぞれ圧接される。
【0046】
ここにおいて、各ピン部P1〜P4のフィレット部分に圧接するフィレットローラ36a,36bも各ジャーナル部J1〜J5のフィレット部分にそれぞれ圧接されるフィレットローラ46a,46bと同様であるが、4気筒クランクシャフトWの各ピン部P1〜P4および各ジャーナル部J1〜J5の径に対応するよう上部アーム41の先端フィレットローラ44aと下部アーム42の先端のフィレットローラ46a,46bは120°の等間隔を維持してサークルピッチが設定される。
【0047】
このサークルピッチの設定動作は、くさび部材進退用シリンダ105a,105bによってくさび部材101a,101bを進退移動させ、このくさび部材101a,101bが傾斜面110a,110bが形成されいるスライダ100a,100bおよびローラホルダ45a,45bをフィレットローラ46a,46bとピン部P1〜P4および各ジャーナル部J1〜J5の接点とピン部P1〜P4および各ジャーナル部J1〜J5の回転中心とを結ぶ直線方向に進退移動して4気筒クランクシャフトWの各ピン部P1〜P4および各ジャーナル部J1〜J5の径に対応するよう設定される。
【0048】
前記各ピン部P1〜P4のフィレット部分および各ジャーナル部J1〜J5のフィレット部分にそれぞれ圧接した後、昇降用シリンダ65により前記第1のスライドプレート61とともに姿勢制御体69〜72が上昇され、これによって揺動支持体23ならびに上部および下部アーム31,32の拘束が解除される。
【0049】
しかる後、主軸駆動モータ15によりクランクシャフトWが回転駆動され、このクランクシャフトWの回転駆動により各ピン部P1〜P4を保持する上部および下部アーム31,32ならびにこれらアーム31,32を支持する揺動支持体23が各ピン部P1〜P4の回転に倣って運動する。従って、各ピン部P1〜P4のフィレット部分に圧接されたフィレットローラ36,36a,36bはピン部に対し公転かつ自転され、ピン部のフィレット部分をローラ加工する。また、同様にジャーナル部J1〜J5のフィレット部分に圧接されたフィレットローラ44a,46a,46bによりジャーナル部のフィレット部分をローラ加工するのである。
【0050】
上記した4気筒クランクシャフトWの加工に引き続いて、3気筒クランクシャフトを加工する場合の段取替えについて説明するが、以下の説明においては、当該3気筒クランクシャフトは4気筒クランクシャフトに対して、各ピン部の位相、ピンストロークならびに軸方向ピッチおよびピン部,ジャーナル部の径がそれぞれ異なるものとする。
【0051】
そこで、3気筒クランクシャフトピン部および各ジャーナル部の径に対応するよう上部アーム41の先端フィレットローラ44aと下部アーム42の先端のフィレットローラ46a,46bは120°の等間隔を維持してサークルピッチを前述のように、くさび部材進退用シリンダ105a,105bによってくさび部材101a,101bを進退移動させ、このくさび部材101a,101bが傾斜面110a,110bが形成されいるスライダ100a,100bおよびローラホルダ45a,45bをフィレットローラ46a,46bとピン部および各ジャーナル部の接点とピン部および各ジャーナル部の中心とを結ぶ直線方向に進退移動して設定する。
【0052】
また、操作レバー97を操作して第1および第2の支持軸21,22を一定角度回転させ、間隔調整部材24,26を操作して各揺動支持体23,25の間隔を加工すべき3気筒クランクシャフトの各ピン部およびジャーナル部の軸方向位置に応じて変更する。また、各ピン部を保持するアーム31,32の姿勢制御を第2のスライドプレート62に固定された各姿勢制御体73〜75で行われるように切り替える。
【0053】
この切り替え操作により昇降用シリンダ65により第1のスライドプレート61が上昇されると共に、昇降用シリンダ67により第2のスライドプレート62が下降され、各姿勢制御体73〜75によって3つのピン部を保持する各アーム31,32を各ピン部の位相に応じた姿勢状態に変換する。
【0054】
さらに、3気筒クランクシャフトの加工においては、前記4気筒クランクシャフトの右端のピン部P4およびジャーナル部J5を保持する2組のアーム31,32および41,42が不要となるため、これらアームをクランクシャフトの着脱あるいは心押台センタ16の進退の障害にならない角度状態に図略の適宜な固定装置により固定する。
【0055】
上記した段取替え操作によりローラホルダ34,35a,35b,44,45a,45bを交換することなく3気筒クランクシャフトの4気筒クランクシャフトとは異なる径のピン部およびジャーナル部も前記と同様にフィレットローラ加工を可能とする。
【0056】
尚、上記実施例では4気筒クランクシャフトおよび3気筒クランクシャフトの3種類のクランクシャフトで説明したが、この2種類のみならず、3種類以上のクランクシャフトの加工に適用することができる。
【0057】
また、上部アーム31,41のローラホルダ34,44にはフィレットローラのピン部あるいはジャーナル部の径の変更に対する移動機構はないが、上部アーム31,41は支持ピン30,40を中心とした円弧運動により工作物に接近し、ピン径あるいはジャーナル径の違いは、この円弧運動の半径に比べて非常に小さいため、問題とならないが、上部アーム31,41のローラホルダにも下部アーム42のローラホルダ45aまたは45bと同様の移動機構を設けてもよい。
【0058】
さらに、上記実施例ではローラホルダ35a,35b,45a,45bをスライダ100a,100bを介して進退移動させるためのくさび部材101a,101bの進退作動装置としてくさび部材進退用シリンダ105a,105bを用いているが、スライダ100a,100bの進退移動をサーボモータにより無段階に位置決めすることができ、この場合は多種類のピン径あるいはジャーナル径に対応できる。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によると、従来のマスタクランクシャフトを廃止したマスタレス、工作物(クランクシャフト)の着脱のためのアームの姿勢制御、および位相やストロークの異なる工作物への対応を可能とした上に、ピン径あるいはジャーナル径の異なる工作物(クランクシャフト)に対しても、工作物のフィレット部の円周方向等間隔を維持してフィレットローラを当接することができるので、工作物の歪みがなく均一な硬度上昇を得ることができる。また、ピン径あるいはジャーナル径の異なる工作物に対して、それぞれの径に応じたローラホルダに段取り替えしたり、あるいはそれぞれの径に応じた複数の機械設備を備えたりする必要がなく、多種工作物のフィレットローラ加工を能率的に行うことができ、かつ設備投資を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体構成を示す平面図
【図2】図1のA−A線に沿って切断した断面図
【図3】図2のB−B線に沿って切断した断面図
【図4】図2のC−C線に沿って切断した断面図
【図5】図1のD−D線に沿って切断した断面図
【図6】アーム先端のフィレットローラ部の構成を示す断面図
【図7】図3のE−E線に沿って切断した断面図
【図8】図5のF−F線に沿って切断した断面図
【符号の説明】
11 主軸台
12 心押台
15 主軸駆動モータ
20 支持フレーム
21 支持軸
23 揺動支持体
24 隔壁調整部材
31 上部アーム
32 下部アーム
38 加圧用シリンダ
42 下部アーム
44 ローラホルダ
44a フィレットローラ
45a ローラホルダ
45b ローラホルダ
46a フィレットローラ
46b フィレットローラ
60 姿勢制御装置
61 スライドプレート
62 スライドプレート
65 昇降用シリンダ
67 昇降用シリンダ
69〜70 姿勢制御体
69a 係合面
69b 係合面
77 係合ピン
78 係合ピン
81 間隔変更機構
83 調整リング
84 調整リング
100a スライダ
100b スライダ
101a くさび部材
101b くさび部材
103a バックアッププレート
103b バックアッププレート
104a スプリング
104b スプリング
105a くさび部材進退用シリンダ
105b くさび部材進退用シリンダ
106a ピストン
106b ピストン
110a 傾斜面
110b 傾斜面
W クランクシャフト
P1〜P4 ピン部
J1〜J5 ジャーナル部

Claims (2)

  1. 回転駆動される工作物を保持するローラホルダを取り付けた上部および下部アームを開閉可能に設け、前記ローラホルダに支持されたフィレットローラを前記工作物の円周方向等間隔に当接させ、前記工作物のフィレット部をローラ加工するようにしたフィレットローラ加工装置において、前記ローラホルダを前記フィレットローラと前記工作物の接点と前記工作物の軸心とを結ぶ直線方向に移動可能とし、前記フィレットローラを径の異なる工作物に対し常に工作物の円周方向等間隔を維持して当接するようにしたことを特徴とするフィレットローラ加工装置。
  2. クランクシャフトを支持して回転駆動させる駆動装置と、前記クランクシャフトの各ピン部を保持するローラホルダが取り付けられ開閉可能に設けられた上部および下部アームと、前記ローラホルダに取り付けられ前記上部および下部アームの開閉動作によりクランクシャフトのフィレット部の円周方向等間隔に当接するフィレットローラと、前記クランクシャフトの軸線と平行な支持軸に揺動可能に支持され前記上部および下部アームを枢支した揺動支持体と、前記クランクシャフトの着脱時に前記揺動支持体および前記上部および下部アームを前記クランクシャフトの各ピン部の位相に応じた姿勢に制御する姿勢制御装置と、前記ローラホルダが取り付けられ前記クランクシャフトのフィレット部と前記フィレットローラとの接点と前記クランクシャフトのピン部の中心を結ぶ直線方向に移動可能なスライダと、前記スライダの傾斜面に当接して前記スライダを移動させるくさび部材と、前記くさび部材を進退させる駆動源とから構成してなるフィレットローラ加工装置。
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