JP3611768B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、入力した画像情報を拡大変倍して出力するプリンタ等の画像出力装置や、解像度の異なる機種間通信において低解像度情報から高解像度情報に解像度変換する装置に適した画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、入力した画像情報を拡大変倍して出力するプリンタ等の画像出力装置や、解像度の異なる機種間通信において低解像度情報から高解像度情報に解像度変換する装置を備えた画像処理装置においては、2値画像を変倍する変倍手段が備えられている。
【0003】
2値画像を、低解像度から高解像度にしたり画像を拡大したりする従来の変倍方法には、例えば、内挿法がある。この内挿法には、補間しようとする点つまり内挿点に最も近い観測点と同じ画素値を配列する最近接内挿法や、内挿点を囲む4点の画素値から線形演算により求める共一次内挿法等の線形補間法がある。これらの方法では、構成が簡単であるということが利点となっている。
【0004】
しかしながら、最近接内挿法や共一次内挿法では、対象画像として自然画像を用いた場合には、拡大するブロック毎に画素値が決定されるため、視覚的にブロックが目立ってしまい、いわゆるボケた像となって画質的に劣ったものとなる。
【0005】
また、文字、線画像及びコンピュータグラフィック(CG)画像に用いた場合では、拡大するブロック毎に同一画素値が連続するので、特に、斜線等においては、図10(a)(b)に示すように、ジャギーと称されるギザギザの目立った画像となってしまう。
【0006】
そこで、このボケやジャギーを防止するものとして、特開平7−105359号公報に開示された画像処理装置がある。
【0007】
この公報に開示された画像処理装置における2値画像の変倍技術では、入力画像情報と補間後の量子化画像の情報とを、設定した配分率により加算合計するようになっている。また、補間する前に平滑化手段にて平滑化処理を行う。
【0008】
さらに、平滑化手段は、補間前の画素値に基づいて適切に切り替えるようになっている。
【0009】
これによって、ジャギーの発生している画像を入力した場合においても、ジャギーだらけの曲線を滑らかな曲線とすることができるとともに、原情報のエッジを崩してから高解像度でエッジを作成することにより、ボケも改善できるものとなっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像処理装置では、入力画像すなわち補間前の画像と補間後の量子化画像との両者により画像の情報を得る処理を行うため、補間前後の状態を検出する必要がある。
【0011】
すなわち、補間前はともかく補間後の画像を検出した後、さらに再演算が必要となり、高速化及び安価なシステムを構築することは不可能となるという問題点を有している。
【0012】
また、補間を行う前に、平滑化手段にて、補間前の画素値により適切に切り替えるような技術も開示されているが、平滑化手段だけでは画像の特徴を保ちつつ補間することはできない。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高速で品質良く、簡易かつ安価に2値画像を変倍し得る画像処理装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、2値画像を変倍する変倍手段を備えた画像処理装置において、2値で表された注目画素が近傍画素に対してどのような状態関係にあるかを検出する近傍画素検出手段と、上記近傍画素検出手段の検出結果に基づいて、画素を階調表現すべく多値化するための多値化パターンを切り替えて多値化を行う多値化手段とが設けられるとともに、上記変倍手段は、上記多値化手段から出力された多値画像を変倍することを特徴としている。
【0015】
上記発明によれば、画像処理装置は、2値画像を変倍する変倍手段を備えている。
【0016】
ここで、従来では、変倍に際して、変倍前の画像と変倍後の量子化画像との両者を比較して変倍処理を行っていたため、変倍前後の状態を検出する必要があった。したがって、変倍前はともかく変倍後の画像を検出した後、さらに再演算が必要であったので、高速化及び安価なシステムを構築することが困難であった。
【0017】
しかし、本発明では、近傍画素検出手段は、2値で表された注目画素が近傍画素に対してどのような状態関係にあるかを検出する。例えば、注目画素が近傍画素に対して孤立画素となっているか否か、また、孤立画素となってないときは、孤立性がどの程度であるかを検出する。
【0018】
この近傍画素検出手段の検出結果に基づいて、多値化手段は、画素を階調表現すべく多値化するための多値化パターンを切り替えて多値化を行う。さらに、変倍手段は、多値化手段から出力された多値画像を変倍する。
【0019】
この結果、注目画素の近傍画素に対する状態に応じて最適な多値化処理を行った後に変倍するので、変倍後の画像を検出することがなく、かつ演算処理も複雑ではない。このため、高速かつ安価なシステムを構築することができる。
【0020】
また、近傍画素検出手段は注目画素が近傍画素に対してどのような状態関係にあるかを検出し、多値化手段はその結果を基に、多値化パターンを切り替えて多値化を行う。
【0021】
したがって、画像の特徴を保ちつつ変倍することが可能となるので、ジャギーやボケの発生を防止することができる。
【0022】
この結果、高速で品質良く、簡易かつ安価に2値画像を変倍し得る画像処理装置を提供することができる。
【0023】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の画像処理装置において、近傍画素検出手段は、注目画素が孤立ドットであるか否かを検出することを特徴としている。
【0024】
上記発明によれば、近傍画素検出手段は、注目画素が孤立ドットであるか否かを検出する。
【0025】
この結果、確実に、簡易で安価かつ高速なシステムにて近傍画素の状態を検出し、画像の特徴を保ちつつ変倍することに活用することができる。
【0026】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の画像処理装置において、近傍画素検出手段は、対象とする範囲内の複数画素について黒画素数を計数する黒画素計数手段を備える一方、多値化手段は、上記黒画素計数手段にて計数した黒画素数に基づき、多値化パターンを切り替えることを特徴としている。
【0027】
上記発明によれば、近傍画素検出手段は、対象とする範囲内の複数画素について黒画素数を計数する黒画素計数手段を備える。このため、対象とする範囲内の複数画素の中に、黒画素数が何個存在するかによって、注目画素が孤立ドットであるか否か、又はその孤立性がどの程度であるかを検出することができる。
【0028】
そして、多値化手段は、上記黒画素計数手段にて計数した黒画素数に基づき、多値化パターンを切り替える。このため、注目画素とその近傍画素の黒画素の密集度に基づいて、多値化パターンを切り替えることができ、ひいてはこれを基に変倍することが可能となる。
【0029】
この結果、確実に安価、高速かつ高精度で近傍画素の状態を検出することができ、それを多値化処理を介して変倍処理に生かすことができる。
【0030】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の画像処理装置において、多値化手段は、多値化パターンとして、対象とする範囲内の複数画素に対して、各画素に多値化階調を割り当てるべくフィルタ係数の異なる種々の多値化フィルタを用いることを特徴としている。
【0031】
上記発明によれば、多値化手段は、多値化パターンとして、対象とする範囲内の複数画素に対して、各画素に適正な多値化を行うべくフィルタ係数の異なる種々の多値化フィルタを用いる。
【0032】
この結果、多値化フィルタのフィルタ係数を切り替えることにより、変倍処理を容易に行い得る多値化を行うことができる。また、原画像の情報を維持しつつ多値化することができるので、画像のシャギーやボケを防止することができる。
【0033】
したがって、高速で品質良く、簡易かつ安価に2値画像を変倍し得る画像処理装置を提供することができる。
【0034】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の画像処理装置において、多値化手段は、変倍手段にて変倍するときの変倍率に応じて多値化パターンを切り替えることを特徴としている。
【0035】
すなわち、変倍手段の変倍率によって、画像のシャギーやボケの発生状況が変わってくる。
【0036】
そこで、本発明では、多値化手段は、変倍手段にて変倍するときの変倍率に応じて多値化パターンを切り替える。
【0037】
この結果、変倍率に応じた多値化処理を行うことができるので、画像のシャギーやボケの発生を確実に防止することができる。
【0038】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の画像処理装置において、変倍手段は、一次補間法にて変倍することを特徴としている。
【0039】
上記発明によれば、変倍手段は、一次補間法にて変倍するので、適度なシャギーの防止及び原画像の情報を損なうという問題を防止することが可能となる。
【0040】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の画像処理装置において、変倍手段は、一次補間法による補間位置を乱数を利用して変更することを特徴としている。
【0041】
上記発明によれば、変倍手段は、一次補間法による補間位置を乱数を利用して変更する。
【0042】
このため、一次補間法の補間位置に対し、乱数を利用して変更することにより、多値化後に量子化する際に変倍率と量子化との関係で発生する一定の画像品質低下パターンを防止することが可能となる。
【0043】
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、上記記載の画像処理装置において、変倍手段による変倍処理後に、例えばレーザ光等の出力デバイスに対応すべく量子化する量子化手段を備えていることを特徴としている。
【0044】
上記の発明によれば、量子化手段は、変倍手段による変倍処理後に、例えばレーザ光等の出力デバイスに対応すべく量子化する。
【0045】
このため、変倍処理後に量子化する際に、出力デバイスに応じた処理が可能となる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0047】
本実施の形態の画像処理装置は、図1に示すように、入力部1と近傍画素検出手段としての近傍画素検出処理部2と多値化手段としての多値化処理部3と変倍手段としての変倍処理部4と量子化手段としての量子化処理部5とを備えている。また、上記の近傍画素検出処理部2は、黒画素計数手段としての黒画素計数部6を備えている。
【0048】
上記の画像処理装置では、入力部1に、2値画像すなわち白又は黒にて表された画像が入力される。入力部1に2値画像が入力されると、入力部1は近傍画素検出処理部2に出力し、近傍画素検出処理部2は注目画素とその近傍画素との状態関係を検出する。ここで、近傍画素とは、図2に示すように、第1近傍画素と第2近傍画素との2種類を意味している。第1近傍画素とは注目画素Pの周囲1画素目に存在する画素を言うものであって、注目画素Pの周りに8個存在する。
【0049】
一方、第2近傍画素とは注目画素Pの周囲2画素目に存在する画素を言うものである。したがって、第2近傍画素は、注目画素Pの周囲2画素目かつ第1近傍画素の周囲1画素目に16個存在する。なお、近傍画素は、第2近傍画素までではなく、第3近傍画素、第4近傍画素…のように、もう少し外周の画素まで広げることが可能である。
【0050】
次いで、多値化処理部3は、近傍画素検出結果に基づいて、多値化フィルタの係数を変更し、画像の特徴に最適なフィルタ係数にて多値化を行う。その後、多値化された画像は、変倍処理部4にて変倍が行われた後、量子化処理部5にて出力デバイスに最適な量子化を行う。
【0051】
以下、上記の各処理部2・3・4・5の処理動作について順次詳細に説明する。
【0052】
先ず、近傍画素検出処理部2は、同図に示すように、多数の画素からなる画像について、例えば5×5マトリクス形状のマスクにて注目画素Pとその近傍画素との関係がどのような状態にあるかを検出する。なお、本実施の形態では、5×5マトリクス形状のマスクにて注目画素Pとその近傍画素との関係を検出しているが、必ずしもこれに限らず、もう少し大きいマトリクス形状のマスクにて検出することも可能である。
【0053】
上記の近傍画素の状態を検出する動作について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0054】
先ず、注目画素Pが黒か否かを判断し(S1)、注目画素Pが黒であれば、第1近傍画素に1つでも黒があるか否かを判断する(S3)。なお、S1において、注目画素Pが黒でないときつまり白であるときには、マスク内の全画素を白黒反転した後(S2)、S3に移行する。
【0055】
次いで、前記黒画素計数部6にてマスク内の黒画素の合計数を算出する(S4)。すなわち、ここでの黒画素の合計数は、第1近傍画素における黒画素の合計数ではなく、5×5マトリクス形状のマスク内全体における黒画素の合計数である。
【0056】
そして、黒画素の合計数が10以下であるか否かを判断し(S5)、黒画素の合計数が10以下であれば第4状態として分類し(S6)、黒画素の合計数が10以下でなければ第5状態として分類する(S7)。
【0057】
一方、S3において,第1近傍画素に全く黒画素が無いと判断された時には、その周囲の第2近傍画素に1つでも黒が有るか否かを判断する(S8)。そして、第2近傍画素に全く黒が無いときには、第1状態として分類する(S9)。
【0058】
また、S8において、第2近傍画素に1つでも黒があると判断されたときには、マスク内の黒画素の合計数を算出する(S10)。そして、黒画素の合計数が3以下であるか否かを判断し(S11)、黒画素の合計数が3以下であれば第2状態として分類し(S12)、黒画素の合計数が3以下でなければ第3状態として分類する(S13)。
【0059】
このようにして、近傍画素検出処理部2では、注目画素Pとその近傍画素との関係を5種類の状態に分類する。
【0060】
上記の各状態の特徴として、第1状態は完全孤立ドットであり、マトリクス内は白又は黒の孤立ドットであることがわかる。また、第2状態から第5状態までは、完全な孤立ドットではないが、順位が大きくなるに伴って孤立ドット性が少なくなるよう決定している。
【0061】
このように、近傍画素検出処理部2にて、5つの状態に分類することが可能となり、この状態結果に基づいて、次に続く多値化処理部3にて注目画素Pの濃度に応じた濃度階調を生成すべく、多値化フィルタ係数を切り替える。
【0062】
上記多値化処理部3において、第1状態から第5状態に応じて多値化フィルタ係数を切り替える方法を以下に説明する。
【0063】
先ず、図4(a)〜(e)に示すように、多値化フィルタ係数は、第1状態から第5状態までの各状態に対応すべく5個の多値化パターンが存在する。
【0064】
すなわち、第1状態のときに選択される図4(a)に示す多値化パターンのフィルタ係数は、注目画素Pへの重みが255、それ以外は全て0の係数であり正規化は行わない。したがって、注目画素Pが1つまり黒の場合、注目画素Pの濃度は255となる。また、注目画素Pが0つまり白の場合の場合、注目画素Pの濃度は0となる。
【0065】
その他の状態についても同様の処理が行われる。例えば、第5状態のときに選択される図4(e)に示す多値化パターンのフィルタ係数は、注目画素Pへの重みが49、第1近傍画素への重みが12、第2近傍画素への重みが7又は6となる。
【0066】
なお、第1状態から第5状態までの全ての状態における多値化パターンのフィルタ係数について正規化を行わず、1ビットの情報から8ビットつまり0から255までの値をとることになる。
【0067】
次に、変倍処理部4での処理動作の説明を行う。
【0068】
前記多値化処理部3にて多値化が行われた後、変倍処理部4では、低解像度を高解像度にしたり、画像を拡大したりする変倍処理として、例えば、1次補間法と呼ばれる補間方法にて変倍を行う。
【0069】
図5に示すように、合計4つの標本点P1・P2・P3・P4は各多値化パターンの多値化フィルタによって多値化された濃度を有する画像データである。補間点Rとは、この標本点P1・P2・P3・P4及び変倍率により求められた補間すべき座標を示す。補間点Rにおける補間点濃度Rcを算出する場合は、先ず、投影点Q1・Q2の濃度を算出し、その算出結果を使用して補間点濃度Rcを算出する。なお、投影点Q1は補間点Rの標本点P1・P2への投影点を示す一方、投影点Q2は補間点Rの標本点P3・P4への投影点を示す。
【0070】
最初に投影点Q1・Q2の投影点濃度Q1c・Q2cを算出する。投影点濃度Q1c・Q2cは、以下の式にて算出する。
【0071】
Q1c=(P1c*B+P2c*A)/(A+B)
Q2c=(P3c*B+P4c*A)/(A+B)
ただし、P1c・P2c・P3c・P4cは各標本点P1・P2・P3・P4における標本点濃度を示す。また、Aは投影点Q2と標本点P3との距離、Bは投影点Q2と標本点P4との距離を表す。
【0072】
次に、上記式にて求めた投影点濃度Q1c・Q2cから、補間点Rにおける補間点濃度Rcを算出する。補間点濃度Rcは次式にて算出する。
【0073】
Rc=(Q1c*D+Q2c*C)/(C+D)
ただし、Cは補間点Rと投影点Q1との距離、Dは補間点Rと投影点Q2との距離を表す。
【0074】
上記の式によって補間点濃度Rcを算出することが可能となり、この変倍アルゴリズムを使用して、多値化後の画像に対し変倍を行う。
【0075】
ここで、本実施の形態においては、前述したように、多値化処理部3において、近傍画素検出処理部2の検出により、注目画素Pの第1近傍画素及び第2近傍画素に対する状態関係を5つの状態区別して多値化パターンを変えた。しかし、多値化処理部3では、それだけではなく、変倍率に応じても多値化パターンを切り替えるようになっている。
【0076】
上記の変倍率に応じて多値化パターンつまり多値化フィルタの係数を切り替える方法を以下に説明する。
【0077】
先ず、変倍率が小さい場合は、前述したように、変倍率が100%以下の場合については、前記図4(a)〜(e)に示す多値化パターンの多値化フィルタに切り替える。
【0078】
しかし、変倍率が大きい場合は、元の画像に対し変倍後に画像はボケた印象を受ける。したがって、この印象を緩和するため、変倍率が101%以上の場合は、図6(a)〜(e)に示す多値化パターンの多値化フィルタの係数に切り替える。これによって、見た目の印象を高画質とすることが可能となる。
【0079】
変倍率及び注目画素Pと第1近傍画素及び第2近傍画素との状態結果に応じた多値化パターンの多値化フィルタ係数の関係は表1に示される。
【0080】
【表1】
【0081】
この図4(a)〜(e)と図6(a)〜(e)との差異は、図4(c)〜(e)及び図6(c)〜(e)に示される第3状態、第4状態、第5状態において、変倍率101%以上の方が変倍率100%以下の多値化フィルタ係数に比べて、注目画素Pの重みを第1近傍画素や第2近傍画素の重みに対して大きくしている点にある。
【0082】
このように、変倍率により多値化パターンにおける多値化フィルタ係数を切り替えることにより、ボケた印象を緩和することが可能となる。
【0083】
ところで、本実施の形態では、多値化処理部3による多値化フィルタ処理後、変倍処理部4にて1次補間法により変倍を行う際に、1次補間法の補間位置に対し、乱数を利用して出力された値に応じて補間位置に影響を与えてその位置を変更できるようになっている。
【0084】
すなわち、入力部1には、擬似的に中間調表現を行った画像が入力される場合がある。その際、擬似中間調表現の周波数と変倍率の周波数とが所定の関係になったときには、その周波数が干渉して一定パターンが発生し、いわゆるモアレ等が発生して問題となることがある。
【0085】
この問題について、本実施の形態では、補間位置の周期を乱数の結果を用いて影響を与えることにより、擬似中間調表現の周波数と変倍率の周波数とが所定の一定関係になることを防止している。
【0086】
上記の乱数を利用した補間位置の変更方法について、具体的に説明する。
【0087】
先ず、1次補間法のアルゴリズムは前述と同様であるが、補間位置は変倍率だけではなく、乱数の結果を反映させるようにしたものを採用する。
【0088】
発生させる乱数は擬似的な乱数であり、図7に示すように、画像処理LSIのハードウェアを設計する際に、簡易な構成をとることができる乱数発生装置にて乱数を発生する。この乱数発生装置では、1画素の処理スタート信号が1CK進むと、シフトレジスタが1ビットシフトし、シードレジスタとタップレジスタとのAND(論理積)の結果、さらにEOR(排他的論理和)の結果を、シードレジスタの1ビットシフトしたものの下位ビットに挿入する。また、このときに、D1 〜D16の17ビットの乱数を出力する。このようにして、1CK毎に、D1 〜D16の17ビットの乱数を出力する。
【0089】
この乱数発生装置にて出力される乱数の結果に対し、例えば、下位から11ビット目を符号、下位の第1ビット〜第10ビットを値とする。また、1次補間アルゴリズムの補間精度として、12ビットの補間精度を持つこととする。
【0090】
変倍率により補間位置が求められ、その補間位置に対し、最上位が符号の上記11ビットの乱数の結果を補間位置に対して加算する。
【0091】
補間点Rの位置に対して乱数の結果を加算した場合、標本点P1・P2・P3・P4よりも外に補間位置を持つ場合にはそこで制限をかけて、標本点P1・P2・P3・P4よりも補間位置が外になることを防止する。
【0092】
このようにして、乱数の結果を補間位置に加算することにより、補間位置が一定の周期を持つという現象を防止できる。このため、擬似中間調の周波数との干渉を防止することができ、一定パターン出力問題を解決することができる。
【0093】
また、変倍率に応じて乱数の値を変更することにより、最適な乱数値を与えることが可能となる。例えば、変倍率が100%付近は、周波数が非常に小さくなるので、画像で出力されるときの一定パターンの周波数が低くなる。このように、周波数が低くなると人間の目でその周期を読み取ることができるので、この変倍率付近に対して乱数値を大きくとることにより、乱数の結果をより大きく反映することが可能となる。
【0094】
具体的には、上記説明では最上位符号ビットを下位から11ビット目としているが、最上位符号ビットを下位から12ビット目とすることにより、乱数の大きさは2倍となる。すなわち、補間位置に与える影響も2倍になる。
【0095】
このように、変倍率に応じて乱数値(有効乱数ビット数)を変更することにより、変倍率に最適な乱数を付与することができる。
【0096】
一方、補間位置に対し乱数の結果を加算する場合は、補間アルゴリズムとして最近隣アルゴリズムを使用しても良い。
【0097】
ここで、最近隣アルゴリズムによる最近隣補間とは、濃度算出の際、補間位置と投影点濃度により補間濃度を算出するのではなく、補間位置が4点ある標本点のどの点に一番近いかを算出し、その一番近い標本点濃度を補間点濃度とする補間方法である。この最近隣アルゴリズムと乱数の結果とが反映されるように構成すると、補間濃度を算出する際に、非常に簡易なハード構成にて補間濃度算出を実現することができる。
【0098】
次に、量子化処理部5の処理動作について説明する。
【0099】
量子化処理部5では、変倍処理部4による変倍後の画像を量子化することにより、例えばレーザ等の出力デバイスに最適な処理を施すことができる。すなわち、画像の出力デバイスを考える際、数ミクロンから数十ミクロンのサイズで階調を再現することは容易ではない。そこで、例えば、印刷では古くから網点の面積変調により階調のある画像再現を行っている。二値のディジタルプリンタ等の階調再現も印刷の網点技術と基本的には同一である。
【0100】
本実施の形態の量子化処理部5では、量子化方法として、例えば、閾値にて単純に2値化する処理、擬似中間調表現であるディザ処理又は誤差拡散処理を行っている。ただし、これ以外の方法も可能である。
【0101】
上記の閾値にて単純に2値化する処理、ディザ処理及び誤差拡散処理の各処理について説明する。
【0102】
先ず、閾値にて単純に2値化する処理の場合は、その名前の通り、閾値を1つだけ持ち、その閾値よりも大きい場合は1、そうでない場合は0とすることにより、多値化変倍後の画像を再び2値にすることができる。
【0103】
閾値にて単純に2値化する処理は、安価なシステム構成においては、非常に有効な手段である。
【0104】
次に、ディザ処理について説明する。ディザ処理は、擬似中間調表現であるが、これも2値ディザにて説明する。
【0105】
ディザ処理では、例えば、図8に示すディザマトリクスを使用してディザパターンを生成する。すなわち、同図に示された値は、その画素を2値化するための閾値である。このディザマトリクスを繰り返し使用することによって、2値化されたディザパターンが生成できる。このディザマトリクスにて処理された画像は、擬似的に中間調を表現することが可能となっている。
【0106】
次に、誤差拡散の手法を説明する。
【0107】
誤差拡散についても、擬似中間調表現の一種であり、一般的にその処理方法が開示されているが、簡単に説明する。
【0108】
図9に示すように、注目画素をPとし、その周辺の画素をそれぞれW、X、Y、Zとする。
【0109】
先ず、注目画素Pと閾値とを比較する。比較した結果、閾値よりも注目画素Pの濃度が大きい場合は、その画素を1とする。さらに、量子化濃度255と注目画素Pの濃度との濃度差を算出する。その値を誤差ERRとする。その誤差ERRを予め設定された配分率でW、X、Y、Zに配分する。配分された濃度はそれぞれの画素濃度に対し加算される。
【0110】
このような動作を繰り返し行うことにより、注目画素Pを2値化した際、発生する誤差ERRを周辺の画素に一定の配分率で配分することにより濃度保存が行われる。このような処理を誤差拡散アルゴリズムと呼ぶ。
【0111】
この誤差拡散による量子化手法は、ハード構成としては複雑化し易いが、濃度保存性が非常に高いため、階調性を保つには一番良い。
【0112】
このように、本実施の形態の画像処理装置では、2値画像を変倍する変倍処理部4を備えている。
【0113】
ここで、従来では、変倍に際して、変倍前の画像と変倍後の量子化画像との両者を比較して変倍処理を行っていたため、変倍前後の状態を検出する必要があった。したがって、変倍前はともかく変倍後の画像を検出した後、さらに再演算が必要であったので、高速化及び安価なシステムを構築することが困難であった。
【0114】
しかし、本実施の形態では、近傍画素検出処理部2は、2値で表された注目画素Pが近傍画素である第1近傍画素及び第2近傍画素に対してどのような状態関係にあるかを検出する。例えば、注目画素Pが第1近傍画素及び第2近傍画素に対して孤立画素となっているか否か、また、孤立画素となってないときは、孤立性がどの程度であるかを第1状態から第5状態に区分して検出する。
【0115】
この近傍画素検出処理部2の検出結果に基づいて、多値化処理部3は、画素を階調表現すべく多値化するための多値化パターンを切り替えて多値化を行う。さらに、変倍処理部4は、多値化処理部3から出力された多値画像を変倍する。
【0116】
この結果、注目画素Pの第1近傍画素及び第2近傍画素に対する状態に応じて最適な多値化処理を行った後に変倍するので、変倍後の画像を検出することがなく、かつ演算処理も複雑ではない。このため、高速かつ安価なシステムを構築することができる。
【0117】
また、近傍画素検出処理部2は注目画素Pが第1近傍画素及び第2近傍画素に対してどのような状態関係にあるかを検出し、多値化処理部3はその結果を基に、多値化パターンを切り替えて多値化を行う。
【0118】
したがって、画像の特徴を保ちつつ変倍することが可能となるので、シャギーやボケの発生を防止することができる。
【0119】
この結果、高速で品質良く、簡易かつ安価に2値画像を変倍し得る画像処理装置を提供することができる。
【0120】
また、本実施の形態の画像処理装置では、近傍画素検出処理部2は、注目画素Pが孤立ドットであるか否かを検出する。
【0121】
この結果、確実に、簡易で安価かつ高速なシステムにて第1近傍画素及び第2近傍画素の状態を検出し、画像の特徴を保ちつつ変倍することに活用することができる。
【0122】
また、本実施の形態の画像処理装置では、近傍画素検出処理部2は、対象とする範囲内の複数画素つまり5×5マトリクス形状のマスク内の複数画素について黒画素数を計数する黒画素計数部6を備える。このため、対象とする範囲内の複数画素の中に、黒画素数が何個存在するかによって、注目画素が孤立ドットであるか否か、又はその孤立性がどの程度であるかを検出することができる。
【0123】
そして、多値化処理部3は、黒画素計数部6にて計数した黒画素数に基づき、図4(a)〜(e)に示す多値化パターンに切り替える。このため、注目画素Pと第1近傍画素及び第2近傍画素の黒画素又は白画素の密集度に基づいて、多値化パターンを切り替えることができ、ひいてはこれを基に変倍することが可能となる。
【0124】
この結果、確実に安価、高速かつ高精度で第1近傍画素及び第2近傍画素の状態を検出することができ、それを多値化処理を介して変倍処理に生かすことができる。
【0125】
また、本実施の形態の画像処理装置では、多値化処理部3は、多値化パターンとして、対象とする範囲内の複数画素に対して、各画素に適正な多値化を行うべく、図4(a)〜(e)に示すように、フィルタ係数の異なる種々の多値化フィルタを用いる。
【0126】
この結果、多値化フィルタのフィルタ係数を切り替えることにより、変倍処理を容易に行い得る多値化を行うことができる。また、原画像の情報を維持しつつ多値化することができるので、画像のシャギーやボケを防止することができる。
【0127】
したがって、高速で品質良く、簡易かつ安価に2値画像を変倍し得る画像処理装置を提供することができる。
【0128】
ところで、変倍処理部4が行う変倍の変倍率によって、画像のシャギーやボケの発生状況が変わってくる。
【0129】
そこで、本実施の形態の画像処理装置では、多値化処理部3は、変倍処理部4にて変倍するときの変倍率に応じて多値化パターンを切り替える。具体的には、変倍率が100%以下のときは、図4(a)〜(e)に示す多値化パターンを使用する一方、変倍率が101%以上のときは、図6(a)〜(e)に示す多値化パターンを使用する。
【0130】
この結果、変倍率に応じた多値化処理を行うことができるので、画像のシャギーやボケの発生を確実に防止することができる。
【0131】
また、本実施の形態の画像処理装置では、変倍処理部4は一次補間法にて変倍するので、適度なシャギーの防止及び原画像の情報を損なうという問題を防止することが可能となる。
【0132】
また、本実施の形態の画像処理装置では、変倍処理部4は、一次補間法による補間位置を乱数を利用して変更する。
【0133】
この結果、一次補間法の補間位置に対し、乱数を利用して変更することにより、多値化後に量子化する際に変倍率と量子化との関係で発生する一定の画像品質低下パターンを防止することが可能となる。
【0134】
また、本実施の形態の画像処理装置では、量子化処理部5は、変倍処理部4による変倍処理後に、例えばレーザ光等の出力デバイスに対応すべく量子化する。
【0135】
この結果、変倍処理後に量子化する際に、出力デバイスに応じた処理が可能となる。
【0136】
また、本実施の形態では、変倍処理部4は、一次補間法による補間位置を乱数に基づいて変更する際に、最近隣法を用いて変更する。
【0137】
このため、乱数の結果に応じて補間位置を変更する際に、その補間方法を最近隣法とすることにより、非常に簡易なハードウェアにて構成可能であるため、安価なシステムを提供することが可能となる。
【0138】
また、本実施の形態では、変倍処理部4は、変倍率に基づいて乱数の設定量を変更する。
【0139】
このため、乱数の結果は、変倍率に応じて乱数の設定量が変更されるので、変倍率に応じた適切な乱数量を設定できる。したがって、可変できる変倍率の範囲で高画質な変倍が可能となる。
【0140】
また、本実施の形態では、量子化処理部5は、単純2値化処理にて量子化する。
【0141】
このため、量子化方法を単純2値化処理とすることにより、簡素で安価な量子化システムを構築することが可能となる。
【0142】
また、本実施の形態では、量子化処理部5は、ディザ処理にて量子化する。
【0143】
このため、量子化方法をディザ処理とすることにより、擬似的な階調を持った量子化を行うことが可能となる。
【0144】
また、本実施の形態では、量子化処理部5は、誤差拡散処理にて量子化する。
【0145】
このため、量子化方法を誤差拡散処理とすることにより、さらに高階調な擬似階調表現が可能となる。
【0146】
【発明の効果】
本発明の画像処理装置は、以上のように、2値で表された注目画素が近傍画素に対してどのような状態関係にあるかを検出する近傍画素検出手段と、上記近傍画素検出手段の検出結果に基づいて、画素を階調表現すべく多値化するための多値化パターンを切り替えて多値化を行う多値化手段とが設けられるとともに、上記変倍手段は、上記多値化手段から出力された多値画像を変倍するものである。
【0147】
それゆえ、注目画素の近傍画素に対する状態に応じて最適な多値化処理を行った後に変倍するので、変倍後の画像を検出することがなく、かつ演算処理も複雑ではない。このため、高速かつ安価なシステムを構築することができる。
【0148】
また、近傍画素検出手段は注目画素が近傍画素に対してどのような状態関係にあるかを検出し、多値化手段はその結果を基に、多値化パターンを切り替えて多値化を行う。
【0149】
したがって、画像の特徴を保ちつつ変倍することが可能となるので、ジャギーやボケの発生を防止することができる。
【0150】
この結果、高速で品質良く、簡易かつ安価に2値画像を変倍し得る画像処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【0151】
本発明の画像処理装置は、以上のように、上記記載の画像処理装置において、近傍画素検出手段は、注目画素が孤立ドットであるか否かを検出するものである。
【0152】
それゆえ、確実に、簡易で安価かつ高速なシステムにて近傍画素の状態を検出し、画像の特徴を保ちつつ変倍することに活用することができるという効果を奏する。
【0153】
本発明の画像処理装置は、以上のように、上記記載の画像処理装置において、近傍画素検出手段は、対象とする範囲内の複数画素について黒画素数を計数する黒画素計数手段を備える一方、多値化手段は、上記黒画素計数手段にて計数した黒画素数に基づき、多値化パターンを切り替えるものである。
【0154】
それゆえ、対象とする範囲内の複数画素の中に、黒画素数が何個存在するかによって、注目画素が孤立ドットであるか否か、又はその孤立性がどの程度であるかを検出することができる。
【0155】
また、注目画素とその近傍画素の黒画素の密集度に基づいて、多値化パターンを切り替えることができ、ひいてはこれを基に変倍することが可能となる。
【0156】
この結果、確実に安価、高速かつ高精度で近傍画素の状態を検出することができ、それを多値化処理を介して変倍処理に生かすことができるという効果を奏する。
【0157】
本発明の画像処理装置は、以上のように、上記記載の画像処理装置において、多値化手段は、多値化パターンとして、対象とする範囲内の複数画素に対して、各画素に適正な多値化を行うべくフィルタ係数の異なる種々の多値化フィルタを用いるものである。
【0158】
それゆえ、多値化フィルタのフィルタ係数を切り替えることにより、変倍処理を容易に行い得る多値化を行うことができる。また、原画像の情報を維持しつつ多値化することができるので、画像のシャギーやボケを防止することができる。
【0159】
したがって、高速で品質良く、簡易かつ安価に2値画像を変倍し得る画像処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【0160】
本発明の画像処理装置は、以上のように、上記記載の画像処理装置において、多値化手段は、変倍手段にて変倍するときの変倍率に応じて多値化パターンを切り替えるものである。
【0161】
それゆえ、変倍率に応じた多値化処理を行うことができるので、変倍手段の変倍率による画像のシャギーやボケの発生を確実に防止することができるという効果を奏する。
【0162】
本発明の画像処理装置は、以上のように、上記記載の画像処理装置において、変倍手段は、一次補間法にて変倍するものである。
【0163】
それゆえ、変倍手段は、一次補間法にて変倍するので、適度なシャギーの防止及び原画像の情報を損なうという問題を防止することが可能となるという効果を奏する。
【0164】
本発明の画像処理装置は、以上のように、上記記載の画像処理装置において、変倍手段は、一次補間法による補間位置を乱数を利用して変更するものである。
【0165】
それゆえ、一次補間法の補間位置に対し、乱数を利用して変更することにより、多値化後に量子化する際に変倍率と量子化との関係で発生する一定の画像品質低下パターンを防止することが可能となるという効果を奏する。
【0166】
本発明の画像処理装置は、以上のように、上記記載の画像処理装置において、変倍手段による変倍処理後に、出力デバイスに対応すべく量子化する量子化手段を備えているものである。
【0167】
それゆえ、変倍処理後に量子化する際に、出力デバイスに応じた処理が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における画像処理装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】上記画像処理装置における近傍画素検出処理部にて注目画素に対する第1近傍画素及び第2近傍画素の状態関係を求めるときの第1近傍画素及び第2近傍画素を示す説明図である。
【図3】上記画像処理装置における近傍画素検出処理部にて注目画素に対する第1近傍画素及び第2近傍画素の状態関係を求めるときの検出動作を示すフローチャートである。
【図4】上記画像処理装置における多値化フィルタ処理部にて、変倍率が100%以下のときに注目画素に対する第1近傍画素及び第2近傍画素の状態関係の結果により選択される多値化パターンを示す説明図であり、(a)は第1状態のときに選択される多値化パターン、(b)は第2状態のときに選択される多値化パターン、(c)は第3状態のときに選択される多値化パターン、(d)は第4状態のときに選択される多値化パターン、(e)は第5状態のときに選択される多値化パターンを示すものである。
【図5】上記画像処理装置における変倍処理部での1次補間処理を説明するための説明図である。
【図6】上記画像処理装置の多値化フィルタ処理部において、変倍率が101%以上のときに注目画素に対する第1近傍画素及び第2近傍画素の状態関係の結果により選択される多値化パターンを示す説明図であり、(a)は第1状態のときに選択される多値化パターン、(b)は第2状態のときに選択される多値化パターン、(c)は第3状態のときに選択される多値化パターン、(d)は第4状態のときに選択される多値化パターン、(e)は第5状態のときに選択される多値化パターンを示すものである。
【図7】上記画像処理装置における変倍処理部において、1次補間処理に対して乱数により影響を与えるための乱数発生装置を示す構成図である。
【図8】上記画像処理装置の量子化処理部にてディザ処理を行うときのディザマトリクスの一例を示す説明図である。
【図9】上記画像処理装置の量子化処理部にて誤差拡散法により量子化するときの原理を示す説明図である。
【図10】従来の画像処理装置における2値画像を変倍する変倍方法を示す説明図であり、(a)は入力情報の画素状態を示すもの、(b)は(a)を最近接内挿法により補間した状態を示すもの、(c)は(a)を共一次内挿法により補間した状態を示すものである。
【符号の説明】
1 入力部
2 近傍画素検出処理部(近傍画素検出手段)
3 多値化処理部(多値化手段)
4 変倍処理部(変倍手段)
5 量子化処理部(量子化手段)
6 黒画素計数部(黒画素計数手段)
P 注目画素
Claims (6)
- 2値画像を変倍する変倍手段を備えた画像処理装置において、
2値で表された注目画素が近傍画素に対してどのような状態関係にあるかを検出する近傍画素検出手段と、
上記近傍画素検出手段の検出結果に基づいて、画素を階調表現すべく多値化するための多値化パターンを切り替えて多値化を行う多値化手段とが設けられるとともに、
上記変倍手段は、上記多値化手段から出力された多値画像を変倍するようになっており、
近傍画素検出手段は、注目画素と、注目画素の周囲1画素目に存在する第1近傍画素と、注目画素Pの周囲2画素目に存在する第2近傍画素とからなる画素群に関し、第1近傍画素および第2近傍画素における注目画素と同色の画素の有無、および、上記の画素群における注目画素と同色の画素数に基づいて、注目画素の状態を分類し、
多値化手段は、近傍画素検出手段によって分類された状態に基づいて、注目画素の多値化パターンを切り替えることを特徴とする画像処理装置。 - 多値化手段は、多値化パターンとして、対象とする範囲内の複数画素に対して、各画素に適正な多値化を行うべくフィルタ係数の異なる種々の多値化フィルタを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 多値化手段は、変倍手段にて変倍するときの変倍率に応じて多値化パターンを切り替えることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の画像処理装置。
- 変倍手段は、一次補間法にて変倍することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 変倍手段は、一次補間法による補間位置を乱数を利用して変更することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 変倍手段による変倍処理後に、出力デバイスに対応すべく量子化する量子化手段を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
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