JP4158000B2 - ジグザグ方式に使われる誤差拡散係数を利用したデジタル画像2進化装置及びそれに適用される閾値変調方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明はジグザグ方式に使われる誤差拡散係数を利用したデジタル画像2進化装置及びそれに適用される閾値変調方法に関し、特に灰色調で表されるデジタル画像を黒色及び白色だけを使用して元来の画像と同一に見えるように2進化する場合において、ジグザグ方式に使われる誤差拡散係数を利用して更新した入力画素値を、閾値を変調させて2進化するデジタル画像2進化装置及びそれに適用される閾値変調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常多くの画像はアナログ画像として存在するが、このようなアナログ画像は空間座標でのサンプリングや2進化を経て、デジタル画像に変換されて使用される。すなわち、デジタル画像は、各サンプリング領域における光の反射度に応じて2進化された階調値を有することになる。例えば、白黒デジタル画像の場合、白色と黒色との間を256段階に区分して2進化した場合に、デジタル画像は白色と黒色だけでなく254段階の多様な灰色を表現することになる。このような白黒デジタル画像は、目的に応じてデジタル画像処理技術によって処理され、モニタに表示するか、レーザープリンタ、インクジェットプリンタ、デジタル複写機などの画像出力機器を介して出力することができる。
【0003】
また、ほとんどの画像出力機器では、白色紙上に一定の大きさの点が格子状に印刷される。すなわち、画像出力機器は、紙の地色である白色とインキまたはトナーの色とだけを表現することできる。
【0004】
印刷される入力画像が連続階調画像である場合、入力画像は印刷前に2進画像に変換され、変換された2進画像が出力機器を介して印刷される。このように、連続階調画像を2進画像に変換する技術を画像ハーフトーニング(halftoning)技術とよぶ。白黒出力機器の場合、所定の領域内に印刷された複数の黒色の点は、一定の距離から見れば印刷された各々黒色の点としては認知されず、印刷された点の個数や大きさによって平均値としての灰色で認知されることになる。これは人間の視覚分解能の限界のために生じる錯覚である。したがって、印刷された画像の画質は、2進化の際に用いられたハーフトーニング技法によって左右されている。
【0005】
一方、現在までに知られている多様な画像ハーフトーニング方法は、網点処理(dithering)方法、誤差拡散(error diffusion)方法、そして最適化を通したハーフトーニング方法に分類できる。網点処理方法は、ハーフトーニングされるべき画素の階調値を予め決まった閾値配列により2進化する方法である。また、誤差拡散方法では、所与の画素を2進化することによって発生する誤差を周囲画素に伝達して、このように周囲画素が2進化される際には拡散された誤差値が利用される。最適化を利用したハーフトーニング方法には、入力連続階調画像と2進画像との差を誤差基準で定めて、これを統計学的な方法や神経回路網及び遺伝子アルゴリズムなどの最適化技法を利用して誤差を最小化することによって2進化を行う方法などが含まれる。
【0006】
現在最も広く使われるハーフトーニング方法としては、網点処理方法と誤差拡散方法とを挙げることができるが、網点処理方法はその速い処理速度のために広く使われており、また誤差拡散方法は出力2進画像が高画質であるために広く使われている。
【0007】
このような、誤差拡散方法としては、フロイド(Floyd)とシュテインベルク(Steinberg)により初めて提案され、1975年SID(Society For Information Display)国際シンポジウム技術概要集を通じて発表された「空間中間調のための適応アルゴリズム(An adaptive algorithm for spatial gray scale)」を挙げることができる。この時、発表された誤差拡散方法は、次の[数式6]、[数式7]のように表すことができる。
【0008】
e(m,n)=u(m,n)−b(m,n) [数式6]
ここで、e(m,n)は2進化されて出力された出力画像の誤差値であり、u(m,n)は以前画素(すなわち、既に前に2進化された画素)から拡散された誤差を利用して現在の入力画素を更新した更新画素値であり、b(m,n)は2進化されて出力された出力画像の(m,n)番目の画素として’0’と’255’とのうちの一つの値を有することになる。
【0009】
そして、上記[数式6]において、u(m,n)>t(m,n)(ただし、t(m,n)は(m,n)に関係なく所定の基準閾値として’127’である。)であれば、b(m,n)=255であり、もしu(m,n)>t(m,n)ではなければ、b(m,n)=0である。
【0010】
【数2】
【0011】
上記[数式7]において、i(m,n)は与えられた入力連続階調画像の(m,n)番目の画素として{0、1、2、・・・、255}の値を有し、Rは誤差が拡散される周囲画素の集合であり、w(k,l)はRの(k,l)番目の画素に拡散される誤差の程度(weight)を表す。そして、k及びlは0を除く整数である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような誤差拡散方法では、図4(a)に示すように、いくつかの階調で人の目に認識される点の規則的な配列によるアーティファクト(artifacts)が発生する。このようなアーティファクトは、大きく「フィンガープリント(fingerprint)」アーティファクトと、「ワーム(worm)」アーティファクトとに分けられる。すなわち、「フィンガープリント」アーティファクトは、指紋模様の規則的なパターンで中間程度の階調値でたくさん現れるが、プリンタの解像度が高まることによって人の目によく認知されなくなった。これに対し、「ワーム」アーティファクトは、極めて明るいか極めて暗い階調で点が一定した方向に立ち並ぶことによって現れるアーティファクトであり、プリンタの解像度が高まることにもかかわらず依然として甚だしく目に触るアーティファクトとして残っているという問題点があった。
【0013】
本発明は、上述のような従来の画像ハーフトーニング技術における問題点を克服するために案出されたものであり、一定の階調数を有するデジタル画像を所定の階調数より減少された階調数の画像に2進化する場合において、ジグザグ方式でデジタル画像を2進化するときに用いられる誤差拡散係数を利用し、更新された入力画素値を2進化するために使われる閾値を変調することによって、画像の明るい領域と暗い領域とにおいても均一的な点の分布を有するようにし得るデジタル画像2進化装置及びそれに適用される閾値変調方法を提供することをその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、所定の階調数を有するデジタル画像を該所定の階調数より減少された階調数の画像に2進化する装置において、伝えられた入力画素値に対する更新情報値を利用して、上記入力画素値を更新するための入力画素更新手段と、所定の閾値を利用して、上記入力画素更新手段により更新された現在の画素を2進化して、2進化した現在画素の出力画像を出力する2進化手段と、上記入力画素更新手段の出力信号を利用して、上記2進化手段から出力された2進化出力画像の誤差値を検出するための2進化誤差検出手段と、上記入力画素値と上記2進化手段から伝えられた現在画素の出力画像とによって、上記2進化手段の所定の閾値を変調するための閾値変調手段と、上記2進化誤差検出手段から伝えられた現在画素の2進化誤差値を周囲の画素に伝達して、以前画素の誤差値と所定の誤差拡散係数とを利用して上記入力画素に対する更新情報値を上記入力画素更新手段に出力する誤差及び更新情報値伝達手段を具備し、下記行列式で表現される上記所定の誤差拡散係数を利用してジグザグ方式で上記デジタル画像を2進化する。
【0015】
【数3】
【0016】
(ただし、w(2,1)、w(2,0)、w(1,1)、w(1,0)及びw(0,1)は周囲の画素に拡散される誤差の程度である)
上記入力画素更新手段は、上記入力画素値と上記誤差及び更新情報値伝達手段から伝えられた入力画素に対する更新情報値とを加算するための加算手段を含むように構成されていてもよい。
【0017】
上記2進化誤差検出手段は、上記入力画素更新手段により更新された画素値から上記2進化手段から伝えられた現在画素の出力画像を減算するための減算手段を含むように構成されていてもよい。
【0018】
或いは、本発明は、所定階調数を有するデジタル画像を該所定階調数より減少された階調数の画像に2進化するための閾値変調方法において、入力画素値が所定の基準閾値より大きいかどうかを判断する第1段階と、上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きいかどうかの判断に応じて、2進化された現在画素の出力画像値が所定のハイレベル値又はローレベル値のいずれであるかを判断する第2段階と、上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きいと判断されて、上記出力画像値が上記所定のハイレベル値として判断された場合に、下記式によって近接画素の閾値を変調する第3段階と、
t(m+p,n+q)+=Tf1(p,q)×t(m,n)
(ただし、t(m,n)は現在処理している(m,n)番目の画素の基準閾値であり、t(m+p,n+q)は処理しようとする(m,n)番目の画素から(p,q)ほど離れた位置にある画素の閾値であり、Tf1(p,q)は閾値変調係数である)
上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きいと判断されて、上記出力画像値が上記所定のローレベル値であると判断された場合に、下記式によって上記近接画素の閾値を変調する第4段階と、
t(m+p,n+q)+=Tf2
(ただし、t(m+p,n+q)は処理しようとする(m,n)番目の画素から(p,q)ほど離れた位置にある画素の閾値であり、Tf2は閾値変調係数である)
上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きくないと判断されて、上記出力画像値が上記所定のローレベル値であると判断された場合に、下記式によって近接画素の閾値を変調する第5段階と、
t(m+p,n+q)−=Tf1(p,q)×{ハイレベル値− t(m,n)}
(ただし、t(m,n)は現在処理している(m,n)番目の画素の基準閾値であり、t(m+p, n+q)は処理しようとする(m,n)番目の画素から(p,q)ほど離れた位置にある画素の閾値であり、Tf1(p,q)は閾値変調係数である)
上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きくないと判断されて、上記出力画像値が上記所定のハイレベル値であると判断された場合に、下記式によって近接画素の閾値を変調する第6段階と
t(m+p,n+q)−=Tf2
(ただし、t(m+p,n+q)は処理しようとする(m,n)番目の画素から(p,q)ほど離れた位置にある画素の閾値であり、Tf2(p,q)は閾値変調係数である)を含む。
【0019】
上記ハイレベル値は実質的に255であり、上記ローレベル値は実質的に0であってもよい。
【0020】
上記所定の基準閾値は実質的に127.5であってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明にかかる、ジグザグ方式に用いられる誤差拡散係数を利用したデジタル画像2進化装置の一実施例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、本発明のデジタル画像2進化装置は、伝えられた入力画素に対する更新情報値を利用して入力画素値を更新するための入力画素更新部110と、所定の閾値を利用して入力画素更新部110により更新された現在の画素を2進化して、2進化した出力画像を出力する2進化部120と、入力画素更新部110の出力信号を利用して、2進化部120から出力された2進化出力画像の誤差値を検出するための2進化誤差検出部130と、入力画素値と2進化部120から伝えられた現在画素の出力画像とによって、2進化部120の閾値を変調するための閾値変調部140と、2進化誤差検出部130から伝えられた現在画素の誤差値を周囲の画素に伝達して、以前画素の誤差と所定の誤差拡散係数とを利用して入力画素に対する更新情報値を入力画素更新部110に出力する誤差及び更新情報値伝達部150とを具備する。
【0024】
入力画素更新部110は、入力画素値と誤差及び更新情報値伝達部150から伝えられた入力画素に対する更新情報値とを加算するための加算器を備える。
【0025】
2進化誤差検出部130は入力画素更新部110により更新された画素値から、2進化部120より伝えられた現在画素(すなわち、現在処理中の画素)の出力画像を減算するための減算器を備える。
【0026】
以下、(m,n)番目の画素の階調値を入力画素値{i(m,n)}であると仮定して、上記したような構造を有する本発明のジグザグ方式に使われる誤差拡散係数を利用したデジタル画像2進化装置の動作を詳細に説明する。
【0027】
誤差及び更新情報値伝達部150は現在画素の位置(m,n)から(k,l)だけ離れた、すなわち(m−k,n−l)に位置した画素について計算された誤差値を受け取り、この誤差値と予め設定された拡散誤差係数(図3(a)及び図3(b)に図示)とを利用して入力画素値{i(m,n)}を更新させるために利用される更新情報値を計算し、これを入力画素更新部110に出力する。この時、誤差及び更新情報値伝達部150は、2進化誤差検出部130により検出された現在画素の誤差値、すなわち(m,n)番目の画素の誤差値{(m,n)}を誤差バッファ(図示せず)に保存する。
【0028】
このように、誤差及び更新情報値伝達部150から入力画素値{i(m,n)}に対する更新情報値が伝えられれば、入力画素更新部110は、伝えられた更新情報値を元の画像の階調値に加算して、2進化画像の局部階調平均が元の画像と同じになるように入力画素値{i(m,n)}を更新する。そして、更新された画素値{u(m,n)}を2進化部120と2進化誤差検出部130とに出力する。なお、上記[数式7]は入力画素値{i(m,n)}を更新する過程を表すものである。
【0029】
続いて、2進化部120は入力画素更新部110により更新された画素値{u(m,n)}が予め設定された基準閾値{t(m,n)}(例えば、本実施例において(m,n)番目の画素の閾値{t(m,n)}の初期値は127.5である)より大きいかどうかを比較して、この比較結果によって更新された画素値{u(m,n)}を2進化して、2進化された現在画素の出力画像{b(m,n)}を出力する。すなわち、入力画素更新部110からの出力画素値のu(m,n)がt(m,n)より大きければ、2進化部120の出力画像のb(m,n)は’255’になり、もし入力画素更新部110からの出力画素値のu(m,n)が閾値{t(m,n)}より大きくない場合には、2進化部120の出力画像のb(m,n)は’0’になる。
【0030】
このように2進化された現在画素の出力画像{b(m,n)}が出力されると、2進化誤差検出部130は、入力画素更新部110の出力値であるu(m,n)から出力画像のb(m,n)を減算することによって、この出力画像{b(m,n)}の2進化誤差値{e(m,n)}を検出して誤差及び更新情報値伝達部150に伝達する。このように、検出された出力画像の2進化誤差値{e(m,n)}は誤差及び更新情報値伝達部150を通じて周囲の画素に伝えられて、周囲の画素の2進化に利用される。なお、上記[数式6]は出力画像{b(m,n)}の2進化誤差値{e(m,n)}を検出する過程を表すものである。
【0031】
この時点において、閾値変調部140は、入力画素値{i(m,n)}と現在画素の出力画像{b(m,n)}とを比較して、この比較結果によって2進化部120の閾値を変調させる。すなわち、明るい領域または暗い領域において、互いに隣接する二つの画素が認識可能な方向性を表わさない(すなわち、これら画素が2進化されて同様の結果を示すことがない)ように、近接画素の2進化に使用する閾値を変えるのである。
【0032】
このような閾値変調部140の動作は、以下に説明するデジタル画像2進化のための閾値変調方法によりよく理解できる。
【0033】
以下、本発明にかかる閾値変調方法を詳細に説明する。
【0034】
まず、明るい領域(すなわち、i(m,n)>127)内の黒い画素の分布について考察する。ある点が黒い画素に決定された場合、この点の周りのまだ処理されてない周囲の点に対する閾値を下げることによって、黒い画素が互いに隣り合わないようにすることができる。この時、低くする閾値は、該当する画素の入力階調によって決定される。もし、ある点が白い画素として2進化された場合には、まだ処理されてない隣り合わせの点に対し自身の閾値の定数倍(<1)を拡散させながら、閾値を高くすることによって次の位置に黒い画素を誘導することができる。この時、高くする閾値はやはり該当する画素の入力階調によって決定される。また、上記と同様の過程が暗い領域(すなわち、i(m,n)≦127)でも適用される。
【0035】
このような過程は、次の式のように表すことができる。ここで、全ての閾値t(m,n)は、127.5の初期値を有する。
【0036】
まず、明るい領域の場合には、次の[数式8]のように表される。
【0037】
【数4】
【0038】
ここで、t(m+p,n+q)は現在処理しようとする(m,n)番目の画素から(p,q)だけ離れた位置の画素についての閾値であり、Tf1(p,q)及びTf2は「閾値変調係数」であり、閾値の増分を決定することになる。
【0039】
そして、上記[数式8]に示すように現在画素が黒い画素に決定された場合、隣り合う画素の閾値はTf2だけ低くなり、Tf1(p,q)は低くなった閾値が元の値で還元することにかかる時間を決定することになる。従って、Tf1(p,q)、Tf2は各々次のようにして定義される。
【0040】
すなわち、i(m,n)=0であるならば、Tf1(p,q)=0であり、Tf2=0になる。しかし、i(m,n)=0でなければ、Tf1(p,q)及びTf2は各々次の[数式9]及び[数式10]のように定義される。
【0041】
【数5】
【0042】
【数6】
【0043】
ここで、ρ(p,q)は(p,q)によって決定され、ρ、σ、s、tは所定の定数である。
【0044】
そして、本発明による閾値変調方法は、閾値変調係数Tf1及びTf2によってその結果の画質が決定される。すなわち、Tf1としてあまりに大きい値が選択されると局部平均値が元の画像と一致しないし、階調値が変わる領域で遅い応答特性を帯びることになる。もし、Tf2値があまりに小さいと画素分布の改善がなされない。
【0045】
また、暗い領域(すなわち、i(m,n)≦127)の場合には、t(m+p,n+q)は次の[数式11]のように定義される。
【0046】
【数7】
【0047】
ここで、b(m,n)=0である場合、Tf2により高くなった閾値を順次還元させる過程を表し、b(m,n)=0でない場合、白い画素同士で互いに隣り合わないように白い画素周囲の閾値が高くされる。
【0048】
本発明では、明るい領域と暗い領域とでの点の分布を均一にし、2進化誤差値及び閾値変調値を対称的になるように拡散させるため、図2に示すようなジグザグ方向の処理順序を用いた。一方、従来のフロイド及びシュテインベルクの誤差拡散係数を用いてジグザグ方式で2進化した場合には、以下の[数式12]の1/4及び3/4階調部分で、図4(b)に示すような垂直方向の好ましくないアーティファクトが現れた。
【0049】
したがって、このように図4(b)に現れた垂直方向の好ましくないアーティファクトを除去するために、図3(a)及び図3(b)に示す新しい誤差拡散係数を使用した。ここで、図3(a)及び図3(b)は各々偶数ラインと奇数ラインとにおいて使われる誤差拡散係数である。
【0050】
特に、本発明により提案される誤差拡散係数は、次の[数式12]のように表すことができる。
【0051】
【数8】
【0052】
ここで、wは周囲の画素に拡散される誤差の程度を表す。図4(c)は図3(a)及び図3(b)に示す誤差拡散係数を使用して現在画素を2進化した画像を表したもので、これを図4(b)と比較すると図4(b)で現れた垂直方向のアーティファクトが除去されたことが分かる。
【0053】
そして、本発明により提案される誤差拡散係数と閾値変調方法を評価するために、いくつかの画像に対する実験を行ったが、演算量を減らすために閾値変調は現在処理する画素の次の画素と真下のラインに位置した画素との閾値についてだけ実験を行った。すなわち、現在処理しているラインの処理方向に応じてt(m,n+1)またはt(m,n−1)と、t(m+1,n)との値が影響されることになる。上記[数式8]及び上記[数式11]において、(p,q)=(0,1)または(p,q)=(0,−1)の場合には、ρ(p,q)=3.2を用い、(p,q)=(1,0)の場合には、ρ(p,q)=2.4を用いた。
【0054】
図4(a)は、フロイド及びシュテインベルクの誤差拡散係数を用いて2進化した連続階調画像を表したものである。図4(b)はフロイド及びシュテインベルクの誤差拡散係数を用いてジグザグ方式で2進化した連続階調画像を表したものである。図4(c)は、図3(a)及び図3(b)の誤差拡散係数を用いてジグザグ方式で2進化した連続階調画像を表した一実施例の図である。
【0055】
図4(f)は、本発明により提案される誤差拡散係数及び閾値変調方法を用いて2進化した連続階調画像であり、これを発明により提案される閾値変調方法を使用せずに2進化した図4(a)、図4(b)及び図4(c)の画像と比較すると、明るい領域及び暗い領域で画素分布が非常に均一になり、よりよい応答を見せていることが分かる。
【0056】
図4(d)及び図4(e)は、各々ファン(Fan)及びエシュバッハ(Eschbach)が提案する方法を用いて2進化した連続階調画像を表したもので、明るい領域及び暗い領域での画素の分布をさらに詳細に見るために、246、248、250及び252の四つの階調と135の背景値を有する実験画像とを使用して実験を行い、この実験結果に対する画像を各々図5(a)及び図5(b)に示している。
【0057】
図4(f)は本発明にかかる誤差拡散係数及び閾値変調方法を用いて2進化した連続階調画像を表したものであり、上記と同様に明るい領域及び暗い領域での画素の分布をさらに詳細に見るために、246、248、250そして252の四つの階調と135の背景値を有する実験画像とを使用して実験を行い、図5(c)に示すような実験結果画像を得た。
【0058】
図5(c)を図5(a)及び図5(b)と比較してわかるように、本発明による方法は、従来の方法より相対的に良好に均一な点の分布を実現し、また人の目には認知されにくい45゜方向の方向性を示すことが分かる。
【0059】
図6は、一般画像にフロイド及びシュテインベルクの誤差拡散係数を適用して2進化した画像を表した例示図であり、人の目に障害になる「ワーム」アーティファクトが現れていることが観察できる。
【0060】
図7は、一般画像にエシュバッハが提案する方法を適用して2進化した画像を表した例示図であり、図6において現れた「ワーム」アーティファクトは除去されたものの点が垂直方向の方向性を有して分布していることが分かる。このような垂直及び水平方向に分布した点は、人の視覚に敏感に見えるという問題点がある。
【0061】
図8は、一般画像に本発明にかかる誤差拡散係数及び閾値変調方法を適用して2進化した画像を表した一実施例示図であり、「ワーム」アーティファクトが除去されて、点が人の視覚に敏感でない45゜方向に分布していることが分かる。
【0062】
上記で比べたように、本発明によれば、図6において示されるような「ワーム」アーティファクトを除去し、かつ、図7において示されるような視覚的に敏感な垂直及び水平方向に方向性を有する点の分布を回避し、図8に示されるように視覚的に敏感でない45゜方向の分布とすることで、出力画像の質を高めている。
【0063】
本発明の技術思想は、上記望ましい実施例によって具体的に記述したが、上記の実施例は、その説明のためのものであってその制限のためのものではないことに注意されたい。また、本発明の技術分野の通常の専門家であるならば、本発明の技術思想の範囲内で多様な実施形態が可能であることが理解される。
【0064】
【発明の効果】
以上で説明したように本発明は、ジグザグ方式でデジタル画像を2進化する場合に使われる誤差拡散係数を利用して、更新させた入力画素値を2進化するために使われる閾値を変調することによって、画像の明るい領域と暗い領域とが均一な点の分布を有するように、「ワーム」アーティファクトを除去して、出力画像の質を顕著に高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、ジグザグ方式に使われる誤差拡散係数を利用したデジタル画像2進化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】 本発明で使われたアルゴリズムを画像に適用する時の画像の処理方向を表した図である。
【図3】 本発明において使用される誤差拡散係数を示し、図3(a)及び得る3(b)は、各々本発明で使われる異なる誤差拡散係数を示す。
【図4】 各種2進化方法を用いて2進化した連続階調画像を示す図である。図4(a)は、フロイド及びシュテインベルク誤差拡散係数を用いた場合を示す。図4(b)は、フロイド及びシュテインベルク誤差拡散係数を用いた場合を示す。図4(c)は、図3(a)及び図3(b)の誤差拡散係数を用いた場合を示す。図4(d)は、ファンが提案する方法を用いた場合を示す。図4(e)は、エシュバッハが提案する方法を用いた場合を示す。図4(f)は、本発明にかかる誤差拡散係数と閾値変調方法とを用いた場合を示す。
【図5】 各種2進化方法を用いて2進化した画像を示す図である。図5(a)は、ファンが提案する方法を用いた場合を示す。図5(b)エシュバッハが提案する方法を用いた場合を示す。図5(c)本発明にかかる誤差拡散係数と閾値変調方法とを用いた場合を示す。
【図6】 一般画像にフロイド及びシュテインベルク誤差拡散係数を適用して2進化した画像を表した例示図である。
【図7】 一般画像にエシュバッハが提案する方法を適用して2進化した画像を表した例示図である。
【図8】 一般画像に本発明にかかる誤差拡散係数と閾値変調方法とを適用して2進化した画像を表した一実施例の例示図である。
【符号の説明】
110 入力画素更新部
120 2進化部
130 2進化誤差検出部
140 閾値変調部
150 誤差及び更新情報値伝達部
Claims (6)
- 所定の階調数を有するデジタル画像を該所定の階調数より少ない階調数の画像に2進化する装置において、
伝えられた入力画素値に対する更新情報値を利用して、上記入力画素値を更新するための入力画素更新手段と、
所定の閾値を利用して、上記入力画素更新手段により更新された現在の画素を2進化して、2進化した現在画素の出力画像を出力する2進化手段と、
上記入力画素更新手段の出力信号を利用して、上記2進化手段から出力された2進化出力画像の誤差値を検出するための2進化誤差検出手段と、
上記入力画素値と上記2進化手段から伝えられた現在画素の出力画像とによって、上記2進化手段の所定の閾値を変調するための閾値変調手段と、
上記2進化誤差検出手段から伝えられた現在画素の2進化誤差値を周囲の画素に伝達して、以前画素の誤差値と所定の誤差拡散係数とを利用して上記入力画素に対する更新情報値を上記入力画素更新手段に出力する誤差及び更新情報値伝達手段とを具備し、
下記[数式1]で示す行列式で表される上記所定の誤差拡散係数を利用してジグザグ方式で上記デジタル画像を2進化することを特徴とするデジタル画像2進化装置。
- 上記入力画素更新手段は、
上記入力画素値と上記誤差及び更新情報値伝達手段から伝えられた入力画素に対する更新情報値とを加算するための加算手段を含む請求項1記載のデジタル画像2進化装置。 - 上記2進化誤差検出手段は、
上記入力画素更新手段により更新された画素値から上記2進化手段から伝えられた現在画素の出力画像を減算するための減算手段を含む請求項1または2記載のデジタル画像2進化装置。 - 所定階調数を有するデジタル画像を該所定階調数より少ない階調数の画像に2進化するために用いられる閾値変調方法において、
入力画素値が所定の基準閾値より大きいかどうかを判断する第1段階と、
上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きいかどうかの判断に応じて、2進化された現在画素の出力画像値が所定のハイレベル値又はローレベル値のいずれであるかを判断する第2段階と、
上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きいと判断されて、上記出力画像値が上記所定のハイレベル値であると判断された場合において、以下の式[数式2]によって近接画素の閾値を変調する第3段階と、
t(m+p,n+q)+=Tf1(p,q)×t(m,n) [数式2]
(ただし、t(m,n)は、現在処理している(m,n)番目画素の基準閾値であり、t(m+p,n+q)は、処理しようとする、(m,n)番目画素から(p,q)だけ離れた位置にある画素の閾値であり、Tf1(p,q)は閾値変調係数である)、
上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きいと判断されて、上記出力画像値が上記所定のローレベル値であると判断された場合において、以下の式[数式3]によって上記近接画素の閾値を変調する第4段階と、
t(m+p,n+q)+=Tf2 [数式3]
(ただし、t(m+p,n+q)は、処理しようとする、(m,n)番目の画素から(p,q)だけ離れた位置にある画素の閾値であり、Tf2は閾値変調係数である)
上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きくないと判断されて、上記出力画像値が上記所定のローレベル値であると判断された場合において、下記[数式4]によって近接画素の閾値を変調する第5段階と、
t(m+p,n+q)−=Tf1(p,q)×{ハイレベル値−t(m,n)} [数式4]
(ただし、t(m,n)は現在処理している(m,n)番目の画素の基準閾値であり、t(m+p,n+q)は、処理しようとする、(m,n)番目の画素から(p,q)だけ離れた位置にある画素の閾値であり、Tf1(p,q)は閾値変調係数である)
上記入力画素値が上記所定の基準閾値より大きくないと判断されて、上記出力画像値が上記所定のハイレベル値であると判断された場合において、下記式[数式5]によって近接画素の閾値を変調する第6段階と、
t(m+p,n+q)−=Tf2 [数式5]
(ただし、t(m+p,n+q)は、処理しようとする、(m,n)番目の画素から(p,q)だけ離れた位置にある画素の閾値であり、Tf2(p,q)は閾値変調係数である)
を含むデジタル画像2進化のための閾値変調方法。 - 上記ハイレベル値は実質的に255であり、
上記ローレベル値は実質的に0であることを特徴とする請求項4記載のデジタル画像2進化のための閾値変調方法。 - 上記所定の基準閾値は実質的に127.5であることを特徴とする請求項4または5記載のデジタル画像2進化のための閾値変調方法。
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