JP3611706B2 - エンジンの振動抑制装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのアイドリング時等に該エンジンの出力軸に発生するトルク変動を低減して、該エンジンの振動を抑制する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンの出力軸に発生するトルクは周期的な変動を生じ、そのトルク変動は、エンジンの気筒数をNとしたとき、エンジンの回転周波数のN/2倍の周波数を基本周波数として、その基本周波数の整数倍(1倍、2倍、3倍、……)の次数の周波数成分を含むことが知られている。
【0003】
そして、特にエンジンのアイドリング運転時等、該エンジンの低速回転域で発生するトルク変動は、その周波数が低いためエンジンの顕著な振動を伴いやすく、これを低減することが望まれている。
【0004】
一方、エンジンの出力軸に電動機を接続したハイブリッド自動車等にあっては、該電動機からエンジンの出力軸にトルクを付与したり、エンジンの出力軸の発生トルクを該電動機により吸収する(該電動機の回生発電を行う)ことで、前述のようなエンジンの出力軸のトルク変動を抑制するようにしたものが知られており、このような技術としては、例えば特開平2−146977号公報に開示されているものが知られている。
【0005】
この技術では、エンジンの出力軸の実回転速度と平均回転速度との偏差を該エンジンのトルク変動を表すものとして逐次把握し、実回転速度<平均回転速度(偏差<0)である場合には、前記電動機を本来の電動機として作動させてエンジンの出力軸に該電動機から正トルクを付与し、実回転速度>平均回転速度(偏差>0)である場合には、前記電動機を発電機として作動させてエンジンの出力軸の発生トルクを該電動機(発電機)により吸収する。そして、このようにエンジンの出力軸の実回転速度と平均回転速度との偏差に応じて電動機の動作を切り換えることで、エンジンの出力軸のトルク変動を抑制するようにしている。
【0006】
しかしながら、かかる技術では、単に、実回転速度と平均回転速度との偏差が正であるか負であるかに応じて電動機の動作切換えを行っているに過ぎないため、エンジンの出力軸に発生したトルク変動の大きさや、前記基本周波数(=エンジンの回転周波数・N/2)よりも高次の周波数成分のトルク変動が考慮されておらず、該トルク変動を十分に抑制することが困難である。また、一般にエンジンの出力軸の回転変動とトルク変動との間には位相ずれが存在するため、単に、実回転速度と平均回転速度との偏差に応じて電動機の動作切換えを行っても、その動作切換えのタイミングとトルク変動のタイミングとが整合しない場合が生じやすく、これによっても、トルク変動を十分に抑制することが困難である。
【0007】
尚、上記のような電動機の動作切換えと併せて、エンジンの出力軸に発生するトルク変動の大きさを考慮し、該出力軸の実回転速度と平均回転速度との偏差量に応じて電動機から該出力軸に与えるべきトルクを演算し、その求めたトルクを生ぜしめるように電動機を制御する手法も知られている。
【0008】
しかしながら、この手法では、一般に電動機から出力軸に与えるべきトルクの演算処理が複雑なものとなって、その演算処理に時間がかかるものとなり易い。このため、このような手法では、エンジンの出力軸のトルク変動の波形に迅速に追従させてそのトルク変動を打ち消すように電動機の発生トルクを変化させることが難しく、その結果、特に、前記基本周波数(=エンジンの回転周波数・N/2)よりも高次の周波数成分のトルク変動を十分に抑制することが困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、エンジンの出力軸に接続した電動機により、該出力軸のトルク変動をその高次の周波数成分を含めて十分に低減して、エンジンの振動を抑制することができ、しかも、そのトルク変動の低減のための電動機の制御を簡単な制御処理で迅速に行うことができるエンジンの振動抑制装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンジンの振動抑制装置はかかる目的を達成するために、エンジンの出力軸に接続された電動機から該出力軸にトルクを付加し、又は、該出力軸の発生トルクを該電動機により吸収することにより該エンジンのトルク変動を低減して該エンジンの振動を抑制する装置において、前記エンジンの出力軸の回転周波数に比例した互いに異なる周波数を有する複数の正弦波を前記エンジンの運転状態に応じて生成する正弦波生成手段と、該複数の正弦波を合成してなる合成波を前記エンジンの出力軸のトルク変動を低減するために前記電動機に生ぜしめるべきトルク波形として生成する合成波生成手段と、該合成波のトルク波形に従って前記電動機を制御する電動機制御手段と、前記エンジンの負荷状態を示す信号を出力するセンサとを備え、前記正弦波生成手段は、前記複数の正弦波の周波数を、該エンジンの出力軸の回転周波数と次式(1)の比例関係を有するように設定すると共に、各正弦波の振幅および位相を前記センサの出力信号から把握されるエンジンの負荷状態に応じて設定することを特徴とする。
(正弦波の周波数)=(N/2)・n・(エンジンの回転周波数)……(1)
但し、N:エンジンの気筒数、n=1,2,3,……。
【0011】
かかる本発明によれば、前記エンジンの出力軸の回転周波数に比例した互いに異なる周波数を有する複数の正弦波をエンジンの運転状態に応じて生成し、それらの複数の正弦波を合成する。この場合、各正弦波の振幅および位相は、前記センサの出力信号から把握されるエンジンの負荷状態に応じて設定される。これにより、エンジンの実際のトルク変動の波形(これは一般に複数の周波数成分を含む)に整合した合成波を得ることができる。そして、この合成波を前記エンジンの出力軸のトルク変動を低減するために前記電動機に生ぜしめるべきトルク波形として、該トルク波形に従って前記電動機を制御することで、該電動機からエンジンの出力軸にそのトルク変動をほぼ完全に打ち消すようなトルクが付与され、これによりエンジンの出力軸のトルク変動が低減される。また、前記電動機に生ぜしめるべきトルクを規定する前記合成波は、単純な正弦波の合成(加算)演算で求めることができると共に、その合成波を構成する各正弦波は、その振幅及び位相をエンジンの負荷状態に応じてマップ等を用いて決定して生成すればよいので、複雑な演算処理を必要とせずに前記合成波を生成することができる。
【0012】
従って、本発明のエンジンの振動抑制装置によれば、エンジンの出力軸に接続した電動機により、該出力軸のトルク変動をその高次の周波数成分を含めて十分に低減して、エンジンの振動を抑制することができ、しかも、そのトルク変動の低減のための電動機の制御を簡単な制御処理で迅速に行うことができる。
【0014】
また、本発明において、前記正弦波生成手段が生成する前記複数の正弦波の周波数は、前記エンジンの出力軸の回転周波数と前記式(1)の比例関係を有するように設定する。
【0016】
このように正弦波の周波数を設定することで、エンジンの出力軸に生じるトルク変動を効果的に抑制できる電動機のトルク波形を生成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施形態のエンジンの振動抑制装置の全体構成を示すブロック図、図2は図1の装置の要部の構成を示すブロック図、図3及び図4は図1の装置の作動を説明するための線図である。
【0018】
図1を参照して、1は例えばパラレル型ハイブリッド自動車等の自動車に搭載されたエンジン、2はエンジン1の出力軸であるクランク軸1aに接続されたモータ(電動機)、3はモータ駆動回路4(以下、PDU4という)を介してモータ2の動作制御を行うモータコントローラである。
【0019】
エンジン1は、本実施形態では、3気筒エンジンであり、そのクランク軸1aがモータ2を介して自動変速機5に連結され、この自動変速機5を介して図示しない駆動輪に動力を伝達するようにしている。そして、エンジン1(詳しくはエンジン1に付帯して設けられた図示しないディストリビュータ)には、TDCパルスセンサ6が設けられ、該TDCパルスセンサ6は、エンジン1のクランク角周期(TDC)のパルス信号を生成して出力する。この場合、エンジン1は3気筒エンジンであるので、1TDCはクランク軸1aの2/3回転分の回転角(240°の回転角)であり、従って、TDCパルスセンサ6が生成するパルス信号は、クランク軸1aの2回転当たりに3パルスの信号である。また、前記自動変速機5には、その変速位置を示す信号(変速位置が「D」レンジ(ドライブレンジ)であるか「N」レンジ(ニュートラルレンジ)であるかを示す信号。以下、N/D信号という)をエンジン1の運転状態(負荷状態)を示す信号を生成して出力するシフトセンサ7が備えられている。
【0020】
尚、前記エンジン1のクランク軸1aに一般的に発生するトルク変動は、例えば図4に破線で示すように1TDCを1周期とするひずみ波形の形態で現れる。従って、該トルク変動は、クランク軸1aの回転周波数のN/2=1.5倍(Nは気筒数で本実施形態では「3」)の周波数を基本周波数(1次周波数成分)として、その基本周波数の整数倍(1倍、2倍、3倍、……)の次数の周波数成分が含まれる。この場合、本願発明者等の知見によれば、上記基本周波数の4倍以上の次数の周波数成分は十分に小さい。
【0021】
前記モータ2は、そのロータ(図示しない)がクランク軸1aに直結されており(モータ2のロータはクランク軸1aと等速で回転する)、モータコントローラ3からPDU4に与えられるトルク指令によって通電制御され、クランク軸1aの回転方向と同方向に駆動トルク(正トルク)を発生したり(モータ2の電動機としての動作)、クランク軸1aの回転方向と逆方向に回生トルク(負トルク)を発生する(モータ2の発電機としての動作)ことができるようになっている。尚、クランク軸1aの回転方向と逆方向の負トルクは、モータ2の電動機としての逆転動作によって発生させるようにすることも可能である。そして、モータ2には、モータ2のロータの回転位置(クランク軸1aの回転角度)を示すデータとして、そのロータの所定の単位回転角度(=クランク軸1aの単位回転角度)毎にパルス信号を生成して出力するロータパルスセンサ8が備えられている。
【0022】
前記モータコントローラ3は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されたもので、前記各センサ6〜8の出力データが与えられるようになっている。そして、モータコントローラ3は、これらのセンサ6〜8の出力データに基づいてクランク軸1aのトルク変動を抑制するモータ2の動作制御を行うために、図2に示すような機能的構成を具備している。
【0023】
すなわち、モータコントローラ3は、クランク軸1aに発生するトルク変動の前記基本周波数(クランク軸1aの回転周波数の1.5倍の周波数で周期は1TDC)の正弦波(以下、1次正弦波という)を生成する正弦波生成部9と、該基本周波数の2倍の周波数(クランク軸1aの回転周波数の3倍の周波数で周期は(1/2)TDC)の正弦波(以下、2次正弦波という)を生成する正弦波生成部10と、該基本周波数の3倍の周波数(クランク軸1aの回転周波数の4.5倍の周波数で周期は(1/3)TDC)の正弦波(以下、3次正弦波という)を生成する正弦波生成部11と、これらの正弦波生成部9〜11がそれぞれ生成する1次乃至3次の各正弦波の振幅及び位相を各正弦波生成部9〜11に対して設定する振幅/位相設定部12とを具備する。これらの正弦波生成部9〜11及び振幅/位相設定部12は、本発明の構成に対応させると、正弦波生成手段13に相当するものである。
【0024】
この場合、振幅位相設定部12は、前記シフトセンサ7から与えられるN/D信号によって把握されるエンジン1の負荷状態に応じて、あらかじめ定められたマップ等を用いて前記1次乃至3次の各正弦波の振幅及び位相を設定する。そして、各正弦波生成部9〜11は、前記TDCパルスセンサ6からパルスが与えられる毎(1TDC毎)に、該振幅位相設定部12により設定されている振幅及び位相に従って後述するように1TDC分の1次乃至3次の各正弦波を生成する。
【0025】
尚、各正弦波生成部9〜11が生成する1次乃至3次の各正弦波の周波数は、前述したことから明らかなように、前記式(1)において、N=3(エンジン1の気筒数)、n=1,2,3とした周波数である。
【0026】
また、モータコントローラ3は、各正弦波生成部9〜11で生成された1次乃至3次の各正弦波からいくつかの正弦波を選択して、その選択した正弦波を合成する合成波生成部14(合成波生成手段)と、該合成波生成部14により生成された合成波に従って前記PDU4にモータ2のトルク指令を出力するトルク指令部15とを具備している。尚、本発明の構成に対応させると、トルク指令部15は、PDU4と併せて電動機制御手段16に相当するものである。
【0027】
この場合、本実施形態では、合成波生成部14は、各正弦波生成部9〜11で生成された1次乃至3次の各正弦波の全てを選択し、それらの各正弦波の合成波を後述するように生成する。
【0028】
次に、本実施形態の装置の作動を、前記モータコントローラ3の各部の処理の詳細と併せて説明する。
【0029】
本実施形態の装置では、例えばエンジン1のアイドリング状態においてモータコントローラ3が次のような処理を行う。
【0030】
すなわち、モータコントローラ3の振幅/位相設定部12は、シフトセンサ7から与えられるN/D信号によって把握されるエンジン1の負荷状態に応じて、マップ等を用いて前記1次乃至3次の各正弦波の振幅及び位相を設定する。そして、各正弦波生成部9〜11は、TDCパルスセンサ6からパルスが与えられる毎(1TDC毎)に、該振幅位相設定部12により設定されている振幅及び位相に従って1TDC分の1次乃至3次の各正弦波を生成する。
【0031】
さらに詳細には、各正弦波生成部9〜11は、それぞれ図3(a)〜(c)に破線で示すように、それぞれが生成すべき正弦波の周波数を有する基準正弦波Sa,Sb,Scの波形データを具備しており、この基準正弦波Sa,Sb,Scの振幅及び位相を、各正弦波生成部9〜11毎に振幅/位相設定部12により設定されている振幅及び位相に従って調整することで、図3(a)〜(c)にそれぞれ実線で示すような1次正弦波S1、2次正弦波S2、3次正弦波S3を1TDC分、生成する。
【0032】
この場合、振幅/位相設定部12が各正弦波生成部9〜11に対して設定する振幅及び位相は、基本的には、それぞれクランク軸1aに生じるトルク変動(図4参照)の前記基本周波数の成分(1次周波数成分)、該基本周波数の2倍の周波数成分(2次周波数成分)、及び該基本周波数の3倍の周波数成分(3次周波数成分)と逆位相となるように定められている。従って、各正弦波生成部9〜11がそれぞれ生成する1次乃至3次の各正弦波S1,S2,S3は、それぞれクランク軸1aに生じるトルク変動の前記1次周波数成分、2次周波数成分、及び3次周波数成分を打ち消すためにクランク軸1aに付与すべきトルク波形を示すものとなる。
【0033】
次いで、モータコントローラ3は、上記のように各正弦波生成部9〜11により生成された各正弦波S1,S2,S3を合成波生成部14によって合成する。この合成は、各正弦波S1,S2,S3の各位相値(クランク軸1aの各回転角度位置)におけるレベル値を相互に加算することで行われ、この合成によって、例えば図4に実線で示すような合成波が得られる。
【0034】
このようにして各正弦波S1,S2,S3の合成によって生成された合成波は、同図4に示すように、基本的には、クランク軸1aに生じるトルク変動の波形とほぼ逆位相の波形(ひずみ波形)となる。従って、該合成波の波形は、クランク軸1aに生じるトルク変動を打ち消すために該クランク軸1aに付与すべきトルク波形を示すものとなる。
【0035】
そして、モータコントローラ3のトルク指令部15は、上記のように生成された合成波をモータ2に生ぜしめるべきトルク波形として、前記ロータパルスセンサ8から与えられるパルスにより把握されるクランク軸1aの各回転角度位置におけるトルク指令値を前記合成波から決定し、それをPDU4に逐次出力する。
【0036】
以上のような処理がTDCパルスセンサ6からパルスが与えられる毎(1TDC毎)にモータコントローラ3によって行われ、これにより、モータ2がPDU4を介して制御される。このとき、モータ2の発生トルクは、前記合成波の波形に従って制御され、これにより、クランク軸1aには、そのトルク変動を打ち消すようなトルクがモータ2から付与されて該トルク変動が抑制され、ひいてはエンジン1の振動が抑制される。
【0037】
このように本実施形態の装置によれば、クランク軸1aに生じるトルク変動の1次周波数成分(前記基本周波数の成分)、2次周波数成分(基本周波数の2倍の周波数成分)、及び3次周波数成分(基本周波数の3倍の周波数成分)を考慮して、それぞれの周波数成分に対応する1次乃至3次の正弦波S1,S2,S3を生成し、それらの正弦波S1,S2,S3を合成することで、モータ2の指令トルクの波形を生成してモータ2のトルクを制御するようにしたことによって、クランク軸1aに生じるトルク変動を、その基本周波数成分のみならず、高次数の周波数成分(本実施形態では2次、3次の周波数成分)も含めて円滑に低減することができ、ひいてはエンジン1の振動を十分に低減することができる。そして、この場合、モータ2の指令トルクの波形は、エンジン1の負荷状態に応じて振幅及び位相を決定して生成した正弦波S1,S2,S3を合成するだけで生成することができるので、クランク軸1aのトルク変動を抑制するためのモータ2の制御を簡単な制御処理で行うことができる。
【0038】
尚、本実施形態では、クランク軸1aのトルク変動の1次乃至3次の周波数成分のみを考慮したが、さらに高次数の周波数成分を考慮して正弦波を生成し、それらを合成することで、モータ2の指令トルクの波形を得るようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、3気筒エンジンを例にとって説明したが、単気筒エンジンや4気筒エンジン等、他の気筒数のエンジンについても本発明を適用することが可能であることはもちろんである。
【0041】
また、本実施形態では、正弦波S1,S2,S3の振幅及び位相をシフトセンサシフトセンサ7から与えられるN/D信号によって把握されるエンジン1の負荷状態に応じて設定するようにしたが、自動車に搭載されたエアコン装置等の補機類の動作よるエンジン1の負荷状態やエンジン1の回転数、吸気圧等のエンジン1の運転状態に応じて正弦波S1,S2,S3の振幅及び位相を設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンの振動抑制装置の一実施形態の全体構成を示すブロック図。
【図2】図1の装置の要部の構成を示すブロック図。
【図3】図1の装置の作動を説明するための線図である。
【図4】図1の装置の作動を説明するための線図である。
【符号の説明】
1…エンジン、1a…クランク軸(出力軸)、2…モータ(電動機)、13…正弦波生成手段、14…合成波生成部、16…電動機制御手段。
Claims (1)
- エンジンの出力軸に接続された電動機から該出力軸にトルクを付加し、又は、該出力軸の発生トルクを該電動機により吸収することにより該エンジンのトルク変動を低減して該エンジンの振動を抑制する装置において、
前記エンジンの出力軸の回転周波数に比例した互いに異なる周波数を有する複数の正弦波を前記エンジンの運転状態に応じて生成する正弦波生成手段と、該複数の正弦波を合成してなる合成波を前記エンジンの出力軸のトルク変動を低減するために前記電動機に生ぜしめるべきトルク波形として生成する合成波生成手段と、該合成波のトルク波形に従って前記電動機を制御する電動機制御手段と、前記エンジンの負荷状態を示す信号を出力するセンサとを備え、
前記正弦波生成手段は、前記複数の正弦波の周波数を、該エンジンの出力軸の回転周波数と次式の比例関係を有するように設定すると共に、各正弦波の振幅および位相を前記センサの出力信号から把握されるエンジンの負荷状態に応じて設定することを特徴とするエンジンの振動抑制装置。
(正弦波の周波数)=(N/2)・n・(エンジンの回転周波数)
但し、N:エンジンの気筒数、n=1,2,3,……。
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