JP3611618B2 - 非晶質導電膜のパターニング方法 - Google Patents
非晶質導電膜のパターニング方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は非晶質導電膜のパターニング方法に係り、特にエッチング液を利用した非晶質導電膜のパターニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は軽量化、薄型化が可能であり、駆動電圧も低いことから、パーソナルコンピューターやワードプロセッサー等のOA機器に活発に導入されている。そして、前述のような利点を有している液晶表示装置は必然的に大面積化、多画素化、高精細化の方向に向かっており、表示欠陥のない高品質の液晶表示装置が求められている。
【0003】
高精細化のニーズに応えるためには、液晶表示装置を構成する液晶パネル中に多数の画素(液晶表示素子)を形成する必要があり、そのためには液晶パネルに設ける透明電極のパターンピッチ幅を微細化する必要がある。液晶表示素子用の透明電極としては、35%塩化第二鉄(FeCl3 )水溶液、塩酸、塩酸・硝酸・水混合液等のエッチング液による化学エッチング工程を含むフォトリソグラフィー法によって結晶化ITO膜をパターニングして得た透明電極が主として利用されており、最近ではフォトリソグラフィー法で使用するフォトレジスト材料の改良や、レジスト画像を形成する際の露光方法の改良により、1μm以下のパターンピッチ幅が可能となってきている。
【0004】
ところで、透明電極のパターンピッチ幅の微細化についてはその要求が益々厳しくなってきている。そして、結晶化ITOは化学エッチングされにくいことから、化学エッチングがより容易な非晶質透明導電膜から透明電極を形成する試みがなされている。
【0005】
前記の非晶質透明導電膜としては、低温で成膜することにより得た非晶質ITO膜や、インジウム(In)および亜鉛(Zn)を主要カチオン元素として含有し、Inの原子比In/(In+Zn)が0.55〜0.80である実質的に非晶質の酸化物(以下、この酸化物をIn−Zn系非晶質酸化物という)からなる膜が知られている(非晶質ITOについては特開平4−48516号公報参照、In−Zn系非晶質酸化物については特開平6−318406号公報参照)。そして、非晶質ITO膜を化学エッチングするためのエッチング液としては、35%塩化第二鉄(FeCl3 )水溶液、塩酸、塩酸・硝酸・水混合液が知られている(特開平4−48516号公報参照)。また、In−Zn系非晶質酸化物膜を化学エッチングするためのエッチング液としては、塩酸・硝酸・水混合液が知られている(特開平6−318406号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板の一面に形成された非晶質透明導電膜を従来の方法によってパターニングして例えば透明電極を形成すると、エッチング断面(エッチングにより非晶質透明導電膜中に新たに形成された側面)に凹凸が生じ易い他、透明電極における表面の線幅と底面の線幅(基板直上の線幅)との差が大きくなり易い。そして、前記の差が大きいと微細なパターンを形成することが困難になる。さらに、樹脂フィルム等のような薄い可撓性基板を基板として用いた場合には、エッチング時に使用する化学薬品等によって基板が膨潤劣化するといった問題や、図2〜図3に示すように、薄い可撓性基板11と非晶質導電膜12との線膨張率の違い等により前記の可撓性基板11表面と非晶質導電膜12表面との段差Dが変化する等の問題がある。
【0007】
本発明の目的は、微細なパターンを形成することが容易な非晶質導電膜のパターニング方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の非晶質導電膜のパターニング方法は、非晶質導電膜を、硼酸系溶液からなるエッチング液と接触さて選択的にエッチングすることによりパターニングすることを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
上述のように、本発明の方法は、
(A)インジウム (In) と、亜鉛 (Zn) および/またはスズ(Sn)とを主要カチオン元素とし、全主要カチオン元素に占めるInの原子比In/(In+M)(式中、MはZnおよび/またはSnを示す)が0.5〜0.9である実質的に非晶質の酸化物からなる非晶質導電膜を、
(B)硼酸系溶液からなるエッチング液と接触させて選択的にエッチングすることによりパターニングする
ことを特徴とするものであるので、まず(A)パターニングの対象物である非晶質導電膜について説明し、次いで(B)パターニング方法について説明する。
【0010】
(A)非晶質導電膜
本発明の方法でパターニングの対象とするものは非晶質導電膜であり、この非晶質導電膜は、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)および/またはスズ(Sn)とを主要カチオン元素とし、全主要カチオン元素に占めるInの原子比In/(In+M)(式中、MはZnおよび/またはSnを示す)が0.5〜0.9である実質的に非晶質の酸化物(以下、この酸化物をIn−Zn/Sn系非晶質酸化物という)からなる膜である。
【0011】
ここで、上記の「実質的に非晶質の酸化物」とは、『セラミックスのキャラクタリゼーション技術』(社団法人窯業協会発行,1987年,第44〜45頁)に記載されている内部標準法に準じて酸化物中の結晶質を測定し、残量を非晶質とした場合に、非晶質の含有量が50重量%以上である酸化物を意味する。内部標準法はX線回折法による定量分析の一法であり、ここでいう「内部標準法に準じて酸化物中の結晶質を測定する」とは具体的には次のようにして行われる。
【0012】
まず、非晶質の割合を測定しようとする薄膜試料と同じ膜厚のIn2O3 薄膜 を石英ガラス基板上に形成し、このIn2O3 薄膜を1000℃で焼成して結晶 化の度合が100%に近い状態にし、この状態のIn2O3 薄膜についてX線の 回折強度(以下、回折強度Iという)を測定する。次に、非晶質の割合を測定しようとする薄膜試料についてX線の回折強度(以下、回折強度IIという)を測定し、この回折強度IIにおいてIn2O3 のピーク位置に相当する部分の回折強度 を前記の回折強度Iと比較することにより、当該薄膜試料中の結晶質の割合を算出する。
【0013】
前記のIn−Zn/Sn系非晶質酸化物における非晶質の含有量(上記の定義に基づく非晶質の含有量)は70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。なお、この酸化物中の酸素は部分的に欠損している場合がある。また、この酸化物には混合物、組成物、固溶体等、全ての形態の酸化物が含まれる。
【0014】
上記のIn−Zn/Sn系非晶質酸化物は、Inの他にZnとSnの少なくとも一方を主要カチオン元素とするものであればよいが、全主要カチオン元素に占めるInの原子比In/(In+M)(式中、MはZnおよび/またはSnを示す)は上述のように0.5〜0.9に限定される。その理由は、前記Inの原子比が0.5未満では導電性が低くなり、0.9を超えると結晶化しやすくなってエッチング特性(エッチング速度)が低くなるからである。前記Inの原子比の好ましい範囲は膜の製造方法によっても異なるが、概ね0.6〜0.9である。In−Zn/Sn系非晶質酸化物がスパッタリング法により製造されたものである場合には、当該In−Zn/Sn系非晶質酸化物における前記Inの原子比は0.8〜0.9であることが好ましい。
【0015】
なお、上述したIn−Zn/Sn系非晶質酸化物と組成的に同じ酸化物であっても、結晶化したもの(前述の定義で非晶質の含有量が50重量%を下まわるもの)は非晶質のものよりも導電性やエッチング特性に劣る。
【0016】
上述のIn−Zn/Sn系非晶質酸化物は、薄膜にすることで透明導電膜として利用することが可能になる。このときの膜厚は、用途や当該In−Zn/Sn系非晶質酸化物膜が設けられている基板の材質等に応じて適宜選択可能であるが、概ね100オングストローム〜5000オングストロームである。100オングストローム未満では導電性が不十分となり易く、5000オングストロームを超えると光透過性が低下し易い。
【0017】
In−Zn/Sn系非晶質酸化物からなる上記の非晶質透明導電膜は実用上十分な導電性および光透過性を有し、かつ、耐熱性およびエッチング特性に優れた透明導電膜である。この非晶質透明導電膜は熱塗布分解法、スパッタリング法、CVD法等、種々の方法によって形成することができるが、高い生産性の下に製造するうえからは、スパッタリング法により形成することが好ましい。スパッタリング法による前記のIn−Zn/Sn系非晶質酸化物膜の形成は、例えば次のようにして行うことができる。
【0018】
まずスパッタリングの方法であるが、スパッタリングの方法はRFもしくはDCマグネトロンスパッタリング等の通常のスパッタリング(反応性スパッタリング以外のスパッタリング)でよい。スパッタリングターゲットとしては、インジウム(In)並びに亜鉛(Zn)および/またはスズ(Sn)を主成分(主要カチオン元素)とする酸化物焼結体からなり、Inの原子比In/(In+M)(式中、MはZnおよび/またはSnを示す)が所定の値であるのものが好ましい。ここで、「Inの原子比In/(In+M)が所定の値のもの」とは、最終的に得られる膜におけるInの原子比In/(In+M)が0.5〜0.9の範囲内の所望値となるものを意味する。具体的には、Inの原子比In/(In+M)が概ね0.45〜0.9の範囲内の所望値であるものを用いる。
【0019】
上記の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットは、酸化インジウムと酸化亜鉛および/または酸化スズとの混合物からなる焼結体であってもよいし、In2O3(ZnO)m (m=2〜20)で表される六方晶層状化合物の1種以上からなる実質的になる焼結体であってもよいし、前記の六方晶層状化合物の1種以上と酸化インジウムおよび/または酸化亜鉛とから実質的になる焼結体であってもよいし、酸化インジウムのカチオンサイトにスズが固溶したものから実質的になる焼結体であってもよい。なお、六方晶層状化合物を表す前記の式においてmを2〜20に限定する理由は、mが前記の範囲外では六方晶層状化合物にならないからである。
【0020】
また、上記の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットの純度は98%以上であることが好ましい。98%未満では、不純物の存在により、得られる膜の導電性が低下したり、光透過性が低下したりすることがある。より好ましい純度は99%以上であり、更に好ましい純度は99.9%以上である。さらに、当該スパッタリングターゲットの相対密度は70%以上とすることが好ましい。相対密度が70%未満では成膜速度の低下や膜質の低下をまねき易い。より好ましい相対密度は85%以上であり、更に好ましくは90%以上である。
【0021】
In−Zn/Sn系非晶質酸化物膜を成膜する際の基板としては、ガラス基板を用いることも可能であるが、本発明の方法では前述した硼酸系溶液を用いて非晶質導電膜をパターニングするので、当該硼酸系溶液に対する耐食性が高い樹脂基板を用いることが好ましい。そして、本発明の方法によりIn−Zn/Sn系非晶質酸化物膜をパターニングして例えば液晶パネル(液晶セル)等用の透明電極を形成する場合、樹脂基板としては可撓性を有する透明樹脂基板を用いることが特に好ましい。可撓性を有する透明樹脂基板の具体例としては、ポリカーボネート,ポリアリレート,ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル,ポリスチレン,ポリエーテルスルホン系樹脂,アモルファスポリオレフィン,アクリル樹脂等の電気絶縁性樹脂からなり、その厚さが10〜1000μm、可視光の透過率が70〜95%であるものが挙げられる。
【0022】
上記の透明樹脂基板のなかでも、透明性および熱的安定性の点から、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエーテルスルホン系樹脂からなるものが好ましい。そして、上記の透明樹脂基板の厚さは20〜800μmであることがより好ましく、30〜600μmであることが更に好ましい。また、上記の透明樹脂基板における可視光の透過率は75〜95%であることがより好ましく、80〜95%であることが更に好ましい。
【0023】
スパッタリング条件は、スパッタリングの方法や成膜に用いる装置の特性等により種々変ってくるために一概に規定することは困難であるが、DCマグネトロンスパッタリング法による場合には、例えば以下のように設定することが好ましい。
【0024】
・到達真空度
スパッタリングを行う前に、真空槽内を予め1×10−3Pa以下に減圧する。・スパッタリング時の真空度およびターゲット印加電圧
スパッタリング時の真空度は1×10−2〜5×100 Pa、より好ましくは5×10−2〜1×100 Pa、更に好ましくは1×10−1〜1×100 Paとする。また、ターゲット印加電圧は100〜1000Vが好ましい。ここで、スパッタリング時の真空度とはスパッタリング時の真空槽内の雰囲気圧を示す。
スパッタリング時の真空度が1×10−2Paより低い(雰囲気圧が1×10−2Paより低い)とプラズマの安定性が悪く、5×100 Paより高い(雰囲気圧が5×100 Paより高い)とスパッタリングターゲットへの印加電圧を高くすることができなくなる。ターゲットへの印加電圧が100V未満では成膜速度が低下する。
【0025】
・雰囲気
成膜時の雰囲気は、アルゴンガス等の不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスが好ましい。不活性ガスとしてアルゴンガスを用いる場合、このアルゴンガスと酸素ガスとの混合比(体積比)は概ね0.5:0.5〜0.99:0.01とすることが好ましい。良質の膜を得るには、前記の混合比を正確に制御する必要がある。
【0026】
・基板温度
基板温度は、基板の耐熱性に応じて、室温〜当該基板が熱により変形や変質を起こさない温度の範囲内で適宜選択可能であるが、0〜100℃が好ましい。
【0027】
前述したスパッタリングターゲットを用いて上述したような条件でスパッタリングを行うことにより、目的とするIn−Zn/Sn系非晶質酸化物膜を基板上に設けることができる。
なお、基板においてIn−Zn/Sn系非晶質酸化物膜が設けられる側の表面には、予めアンダーコート層を設けておいてもよい。アンダーコート層の具体例としては、エポキシ樹脂,フェノキシエーテル樹脂,アクリル樹脂等の架橋性樹脂層や、エポキシ系,アクリルウレタン系,フェノキシエーテル系等の接着材層、エチレン−ビニルアルコール共重合体,ポリビニルアルコール,ポリアクリロニトリル,ポリ塩化ビニリデン,ポリフッ化ビニリデン等のガスバリヤー性樹脂層等が挙げられる。
【0028】
さらに、基板においてIn−Zn/Sn系非晶質酸化物膜が設けられる側とは反対の側の表面には、In−Zn/Sn系非晶質酸化物膜の成膜前または成膜後に、ガスバリヤー層、ハードコート層、反射防止層等を設けてもよい。ガスバリヤー層の具体例としては、上記のガスバリヤー性樹脂層が挙げられる。また、ハードコート層の具体例としては、チタン系やシリカ系のハードコート剤,ポリメチルメタクリレート等の有機高分子,ポリフォスファゼン等の無機高分子等からなるものが挙げられる。そして、反射防止層の具体例としては、低屈折率ポリマー,MgF2 やCaF2 等のフッ化物,SiO2 ,ZnO,Bi2O3 ,Al2O3 等の酸化物からなるもの等が挙げられる。
【0029】
(B)パターニング方法
本発明の方法では、上記(A)で説明した非晶質導電膜を、硼酸系溶液からなるエッチング液と接触させて選択的にエッチングすることによりパターニングする。
【0030】
ここで、前記の硼酸系溶液の具体例としては、硼フッ化アンモニウム(テトラフルオロ硼酸アンモニウム)を主成分(主たる溶質)とする溶液(以下、硼フッ化アンモニウム系溶液という)や硼フッ化水素酸(テトラフルオロ硼酸)を主成分とする溶液(以下、硼フッ化水素酸系溶液という)、あるはこれらの混液が挙げられる。そして、硼フッ化アンモニウム系溶液の具体例としては硼フッ化アンモニウム水溶液、硼フッ化アンモニウム水溶液にNH4HF2(フッ化水素アンモニウム)水溶液,フッ化アンモニウム水溶液等の緩衝液を0.1モル/リットル程度に希釈して添加することにより調製した溶液等が挙げられる。また、硼フッ化水素酸系溶液の具体例としては硼フッ化水素酸、硼フッ化水素酸にNH4HF2水溶液,フッ化アンモニウム水溶液等の緩衝液を0.1モル/リットル程度に希釈して添加することにより調製した溶液、奥野製薬社製のITOアクセレーター(商品名)、メルテックス社製のエンスアシッド#82(商品名)等が挙げられる。
【0031】
これらの硼酸系溶液は、そのpHが0.6〜2、水素イオン濃度が10−0.6〜10−2グラムイオンであることが好ましい。pHが0.6未満ではオーバーエッチングを生じ易く、pHが2を超えるとアンダーエッチングとなり易い。硼酸系溶液の好ましいpHは0.7〜1.9であり、更に好ましいpHは0.8〜1.6である。
【0032】
なお、硼フッ化アンモニウム系溶液および硼フッ化水素酸系溶液はガラスを侵食するので、この溶液をエッチング液として用いて非晶質導電膜をパターニングする場合には、当該非晶質導電膜は樹脂基板に設けられたものであることが好ましい。そして、パターニングより例えば液晶パネル(液晶セル)等用の透明電極を形成する場合には、前記(A)の中で述べた可撓性を有する透明樹脂基板を用いることが特に好ましい。
【0033】
本発明の方法では、非晶質導電膜を上述した硼酸系溶液からなるエッチング液と接触させて選択的にエッチングすることにより当該非晶質導電膜をパターニングするわけであるが、ここでいう「選択的にエッチングする」とは、非晶質導電膜を目的の形状に成形するうえで不必要な部分を化学エッチングにより除去することを意味する。このような選択的なエッチングは、例えば、パターニングしようとする非晶質導電膜上に所定形状のレジスト膜画像を形成した後、前記のレジスト膜画像が形成された非晶質導電膜を上述の硼酸系溶液からなるエッチング液と接触させることにより行うことができる。
【0034】
上記のレジスト膜画像はフォトレジストを用いたフォトリソグラフィ、X線レジストを用いたX線リソグラフィ、電子線レジストを用いた電子線リソグラフィ等により形成することができる。フォトレジストを用いたフォトリソグラフィにより上記のレジスト膜画像を形成するにあたっては、例えば、パターニングしようとする非晶質導電膜についてのUV洗浄、非晶質導電膜上へのレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像、およびポストベークを順次行う。
【0035】
上記のUV洗浄は、非晶質導電膜上の有機物等を除去し、これによって非晶質導電膜とフォトレジストとのぬれ性を改善するためのものであり、当該UV洗浄の実施は任意である。UV洗浄を行う場合、UV光としては波長150〜450nm、照射エネルギー10〜1000mJ/cm2 のものを用いることが好ましい。照射エネルギーが10mJ/cm2 未満では非晶質導電膜上の有機物等を十分に除去することが困難であり、1000mJ/cm2 を超えると非晶質導電膜自体が分解を起こすおそれがある。UV光の照射エネルギーは50〜500mJ/cm2 であることがより好ましく、100〜300mJ/cm2 であることが更に好ましい。また、UV光の照射時間は1〜10分が好ましい。1分未満では非晶質導電膜上の有機物等を十分に除去することが困難であり、10分を超えると生産性の低下をまねく。UV光の照射時間は2〜8分であることがより好ましく、3〜5分であることが更に好ましい。
【0036】
上記のUV洗浄を必要に応じて行った後、非晶質導電膜上にレジスト膜を形成する。パターニングしようとする非晶質導電膜がガラス基板上に設けられている場合には溶剤系ポジ型フォトレジストを用いてレジスト膜を形成することが好ましく、非晶質導電膜が樹脂基板上に設けられている場合には溶剤系ポジ型フォトレジストまたはドライフィルムフォトレジストを用いてレジスト膜を形成することが好ましい。微細なパターニングを行ううえからは、溶剤系ポジ型フォトレジストを用いることがより好ましい。
【0037】
レジスト膜の形成方法は使用するフォトレジストの種類に応じて異なり、溶剤系ポジ型フォトレジストを用いてのレジスト膜の形成は、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法等の方法によって非晶質導電膜上に所望厚のフォトレジスト層を形成することにより行うことができる。非晶質導電膜がガラス基板上に形成されている場合にはスピンコート法が主に用いられ、フィルム基板(樹脂フィルム基板等)上に形成されている場合にはロールコート法が主に用いられる。コーティング速度(引き上げ速度、回転速度、走行速度等。コーティング方法に応じて異なる。)は、レジスト材料の粘度や溶剤の種類等に応じて適宜選択可能である。一方、ドライフィルムフォトレジストを用いてのレジスト膜の形成は、当該ドライフィルムフォトレジストを非晶質導電膜に張り付けることにより行うことができる。ドライフィルムフォトレジストの張り付け方法および張り付け条件は、使用するドライフィルムフォトレジストの材質により異なるが、通常はラミネーター装置を用いて張り付けられ、その際の張り付け温度は概ね60〜150℃、走行速度は概ね0.5〜5m/分である。
【0038】
後述するように、非晶質導電膜が剥離液によって侵食されるのを抑制するうえからはpH12〜13.5のアルカリ金属水酸化物溶液またはpH11〜13.5のアルカノールアミン溶液を剥離液として用いることが好ましい。したがって、レジスト膜の形成に使用するレジスト材料は前記の剥離液によって十分に剥離できるものであることが望まれる。このような観点から、上記の溶剤系ポジ型フォトレジストとしてはフェノールホルムアルデヒド樹脂に光反応性物質を添加したものが好適である。その具体例としては富士ハント社のHPR504およびFH2130(いずれも商品名)、東京応化社製のPMER P−RZ30(商品名)、日本ゼオン社製のZPP1700PG(商品名)が挙げられる。また、上記のドライフィルムフォトレジストとしてはアクリル系樹脂を主成分とするのものが好適であり、その具体例としては三菱レーヨン社製のFRA−307が挙げられる。
【0039】
なお、ネガ型フォトレジストは剥離性が悪く、その剥離にはpHが13.5を超える剥離液を用いる必要があるが、このような剥離液を用いるとレジスト剥離時に当該剥離液によって非晶質導電膜の表面が侵食される。このため、本発明の方法ではポジ型フォトレジスト(溶剤系およびドライフィルム)が好適に使用される。
【0040】
上述したレジスト膜の形成に引続き、レジスト材料として溶剤系ポジ型フォトレジストを用いた場合にはプレベーク工程を行う。この工程はレジスト膜を乾燥させるために行うものであり、当該プレベーク工程でのレジスト膜の乾燥が不十分であると微細なパターニングが困難になる。プレベークは通常窒素ガス気流中で行われる。このときのプレベーク温度はレジスト材料として用いた溶剤系ポジ型フォトレジストの種類に応じて異なるが、概ね60〜120℃である。60℃未満ではレジスト膜を十分に乾燥させることが困難であり、120℃を超えるとレジスト膜中の光反応性物質が劣化し易い。プレベーク温度は70〜110℃であることがより好ましく、80〜100℃であることが更に好ましい。また、プレベーク時間もレジスト材料として用いた溶剤系ポジ型フォトレジストの種類に応じて異なるが、概ね1〜60分である。1分未満ではレジスト膜を十分に乾燥させることが困難であり、60分を超えるとレジスト膜中の光反応性物質が劣化し易い。プレベーク時間は5〜30分であることがより好ましく、10〜20分であることが更に好ましい。なお、レジスト膜の形成にあたってドライフィルムフォトレジストを用いた場合、当該ドライフィルムフォトレジストには溶剤が実質的に含まれていないので、プレベークを行う必要はない。
【0041】
上記のプレベークを必要に応じて行った後、露光を行う。当該露光は、目的とする形状にパターニングした後の非晶質導電膜の形状と同形もしくは相似形の露光用原版と所定波長の光源とを用いて、非晶質導電膜を目的の形状にパターニングするうえで不必要な部分(非晶質導電膜中の部分)に対応する部分(レジスト膜中の部分)についてはこれを露光し、この露光によりレジスト膜中に所定の現像液に対する溶解性の高い部分を形成するために行われる。この露光では、一般的な線状光源露光機や半導体用の点光源露光機、あるいは平行露光機を用いた露光方法を適用することができるが、レーザーによる直接露光も可能である。微細なパターニングを行ううえからは、半導体用の点光源露光機、平行露光機を用いた方法により露光することが好ましい。
【0042】
露光光の波長は、レジスト材料として用いたフォトレジストの感光波長域に応じて適宜選択される。また、露光光のレジストへの照射エネルギーは10〜1000mJ/cm2 であることが好ましい。照射エネルギーが10mJ/cm2 未満ではレジスト膜における露光部分について所定の現像液に対する溶解性を十分に高めることが困難であり、1000mJ/cm2 を超えると露光オーバーを生じ易い。露光光のレジストへの照射エネルギーは50〜500mJ/cm2 であることがより好ましく、100〜300mJ/cm2 であることが更に好ましい。また、露光時間は1〜10分が好ましい。1分未満ではレジスト膜における露光部分について所定の現像液に対する溶解性を十分に高めることが困難であることから、また、10分を超えると露光オーバーを生じ易いことから、いずれの場合でも後述する現像工程で得られるレジスト膜画像のパターン精度が低下し易い。露光時間は2〜8分であることがより好ましく、3〜5分であることが更に好ましい。
【0043】
上述した露光に引き続き、現像を行う。当該現像は、上述の露光によりレジスト膜中に形成された露光部分(所定の現像液に対する溶解性の高い部分)を所定の現像液により洗い流して、非晶質導電膜についての目的形状と実質的に同形のレジスト膜画像を形成するために行われる。この現像工程は、(a) 上述の露光工程を経た非晶質導電膜(表面にレジスト膜が形成されているもの)を現像液に浸漬する、(b) 現像液を撹拌しながら当該現像液に前記の非晶質導電膜(表面にレジスト膜が形成されているもの)を浸漬する、(c) 前記の非晶質導電膜(表面にレジスト膜が形成されているもの)に現像液をスプレーで吹き付けること等により行うことができる。
【0044】
上記の現像液としては、レジスト膜中の上記の露光部分のみを選択的に洗い流すことができるものを使用し、その種類はレジスト材料として用いたフォトレジストの種類に応じて適宜選択される。一例として、2.38%TMAH水溶液(TMAHはトリメチルアンモニウムハイドロオキサイドの略)、0.5重量%NaOH水溶液、0.5〜1.0重量%Na2CO3 水溶液が挙げられる。現像時 の現像液の液温は10〜40℃であることが好ましい。10℃未満では十分な現像を行うことが困難であり、40℃を超えると現像オーバーを生じ易い。現像時の現像液の液温は15〜35℃であることがより好ましく、20〜30℃であることが更に好ましい。また、現像時間は10秒〜300秒であることが好ましい。現像時間が10秒未満では十分な現像を行うことが困難であり、300秒を超えると現像オーバーを生じ易い。現像時間は30〜180秒であることがより好ましく、60〜120秒であることが更に好ましい。
【0045】
上述の現像まで行うことにより、前述した露光での非露光部分からなるレジスト膜画像を非晶質導電膜上に形成することができるが、レジスト膜画像と非晶質導電膜との密着性やレジスト膜画像自体の強度を向上させるために、必要に応じてポストベークを行ってもよい。
【0046】
ポストベークを行う場合、当該ポストベークは現像工程で使用した現像液を水洗等の方法により十分に洗い流した後、通常窒素ガス気流中で行われる。このときのポストベーク温度はレジスト材料として用いたフォトレジストの種類に応じて異なるが、概ね80〜150℃である。80℃未満ではレジスト膜画像と非晶質導電膜との密着性を向上させることが困難であり、150℃を超えるとレジスト膜画像の劣化をまねき易い。ポストベーク温度は90〜140℃であることがより好ましく、100〜130℃であることが更に好ましい。また、ポストベーク時間もレジスト材料として用いたフォトレジストの種類に応じて異なるが、概ね1〜60分である。1分未満ではレジスト膜画像と非晶質導電膜との密着性を向上させることが困難であり、60分を超えるとレジスト膜画像の劣化をまねき易い。ポストベーク時間は5〜30分であることがより好ましく、10〜20分であることが更に好ましい。
【0047】
上述のようにして非晶質導電膜上に所定形状のレジスト膜画像を形成した後に、当該非晶質導電膜を前述の硼酸系溶液からなるエッチング液と接触させると、非晶質導電膜においてレジスト画像によって被覆されていない部分のみがエッチング液と接触することになるので、本発明の方法でいう「選択的なエッチング」を行うことができる。
【0048】
表面にレジスト膜画像が形成された非晶質導電膜と硼酸系溶液からなるエッチング液との接触は、(a) 表面にレジスト膜画像が形成された前記の非晶質導電膜をエッチング液に浸漬する、(b) エッチング液を撹拌しながら当該エッチング液に前記の非晶質導電膜(表面にレジスト膜画像が形成されたもの)を浸漬する、(c) 表面にレジスト膜画像が形成された前記の非晶質導電膜にエッチング液をスプレーで吹き付けること等により行うことができる。
【0049】
表面にレジスト膜画像が形成された非晶質導電膜と硼酸系溶液からなるエッチング液との接触時間は、10秒〜10分とすることが好ましい。10秒未満ではエッチングアンダーとなり易く、10分を超えるとエッチングオーバーとなり易い。前記の接触時間は20秒〜5分とすることがより好ましく、30秒〜2分とすることが更に好ましい。また、前記の接触時におけるエッチング液の液温は10〜50℃であることが好ましい。10℃未満ではエッチングアンダーとなり易く、50℃を超えるとエッチングオーバーとなり易い。前記の接触時におけるエッチング液の液温は15〜45℃であることがより好ましく、20〜40℃であることが更に好ましい。なお、表面にレジスト膜画像が形成された非晶質導電膜と硼酸系溶液からなるエッチング液との接触は、水洗等方法によりエッチング液を洗い流すことにより終了させることができる。
【0050】
「選択的なエッチング」を上述のようにして行うことにより非晶質導電膜を目的の形状にパターニングすることができるが、前記の接触が終了した段階、換言すればエッチングが終了した段階ではパターニング後の非晶質導電膜上にレジスト膜画像がそのまま残っているので、エッチング終了後にレジスト膜画像を所定の剥離液と接触させて剥離させる。
【0051】
この剥離は、(a) 前記パターニング後の非晶質導電膜(表面にレジスト膜画像が残存しているもの)を剥離液に浸漬する、(b) 剥離液を撹拌しながら当該剥離液に前記パターニング後の非晶質導電膜(表面にレジスト膜画像が残存しているもの)を浸漬する、(c) 前記パターニング後の非晶質導電膜(表面にレジスト膜画像が残存しているもの)に剥離液をスプレーで吹き付けること等により行うことができる。
【0052】
上記の剥離液の具体例としてはNaOH水溶液,KOH水溶液等のアルカリ金属水酸化物溶液や、モノエタノールアミン水溶液,ジエタノールアミン水溶液,トリエタノールアミン水溶液等のアルカノールアミン溶液が挙げられるが、使用する剥離液の種類は、レジスト材料として用いたフォトレジストの種類に応じて適宜選択することが好ましい。
【0053】
例えば、レジスト材料としてフェノールホルムアルデヒド樹脂を主成分とする溶剤系ポジ型フォトレジストを使用した場合には、pHが12〜13.5のアルカリ金属水酸化物溶液を剥離液として用いることが好ましい。アルカリ金属水酸化物溶液のpHが12未満ではレジスト膜画像が十分に剥離されずに残渣が残り易く、pHが13.5を超えるとパターニング後の非晶質導電膜が当該アルカリ金属水酸化物溶液によって侵食され易い。この場合におけるアルカリ金属水酸化物溶液のpHは12.5〜13.4であることがより好ましく、12.8〜13であることが更に好ましい。
【0054】
また、レジスト材料としてアクリル系樹脂を主成分とするドライフィルムフォトレジストを使用した場合には、pHが11〜13.5のアルカリ金属水酸化物溶液もしくはアルカノールアミン溶液を剥離液として用いることが好ましい。剥離液のpHが11未満ではレジスト膜画像が十分に剥離されずに残渣が残り易く、pHが13.5を超えるとパターニング後の非晶質導電膜が当該剥離液によって侵食され易い。この場合における剥離液のpHは11.5〜13.4であることがより好ましく、11.7〜13であることが更に好ましい。
【0055】
レジスト膜画像と剥離液との接触時間は10秒〜10分とすることが好ましい。10秒未満ではレジスト膜画像を十分に剥離することが困難であることから残渣が残り易く、10分を超えるとパターニング後の非晶質導電膜が剥離液によって侵食され易い。前記の接触時間は20秒〜5分とすることがより好ましく、30秒〜2分とすることが更に好ましい。また、前記の接触時における剥離液の液温は10〜50℃であることが好ましい。10℃未満ではレジスト膜画像を十分に剥離することが困難であることから残渣が残り易く、50℃を超えるとパターニング後の非晶質導電膜が剥離液によって侵食され易い。前記の液温は15〜45℃であることがより好ましく、20〜40℃であることが更に好ましい。なお、剥離工程は水洗等の方法によって剥離液を十分に洗い流すことにより終了させることができる。
【0056】
上述した剥離工程まで行うことにより、目的とする形状にパターニングされた非晶質導電膜を最終的に得ることができる。そして、基板上に設けられた非晶質導電膜を上述のようにしてパターニングすることにより、エッチング断面(エッチングにより非晶質導電膜中に新たに形成された側面)における凹凸が小さく、かつ、両側がエッチングされた箇所における非晶質導電膜表面の線幅と当該箇所における底面の線幅(基板直上の線幅)の差(以下、この差をパターン傾斜幅という)が0.01〜0.50μmと非常に小さい非晶質導電膜パターンが得られる。さらに、通常、パターンとパターンとの間の間隔を減少させるほどエッチング速度は低下するが、本発明の方法では前記の間隔の減少に伴うエッチング速度の低下は小さい。
【0057】
また、樹脂フィルム等のような薄い可撓性基板上に形成された非晶質導電膜を上述のエッチング液を用いてパターニングしたものでは、(a) エッチング液への浸漬時間(接触時間)が短い、(b) 非晶質導電膜が基板との密着性に優れる、等の理由から、基板と非晶質導電膜との段差がパターニング前の値からさほど変化せず、パターニング前後でその変化は小さい。
【0058】
したがって、本発明の方法によれば非晶質導電膜を微細にパターニングすることが容易になる。さらに、非晶質導電膜が樹脂フィルム等のような薄い可撓性基板上に形成されたものであっても、基板と非晶質導電膜との段差の変化が抑制されるので、図1に示すように、薄い可撓性基板1表面と非晶質導電膜2表面との段差Dが理想的な状態の微細パターンを形成することが容易になる。このような利点を有する本発明の方法は、液晶表示装置に使用される液晶パネル(液晶セル)中の透明電極や、カラー液晶パネル等に使用されるカラーフィルター上の透明電極等を形成するための方法として好適である。
【0059】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1
(1)非晶質導電膜の成膜
基板として厚さ125μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を用い、スパッタリングターゲットに酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物からなる酸化物焼結体(Inの原子比In/(In+Zn)=0.88,相対密度98%)を用いて、以下の要領で前記のポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと略記する)の片面に非晶質導電膜を成膜した。
まず、上記のPETフィルムをDCマグネトロンスパッタリング装置に装着し、真空槽内を8×10−4Pa以下まで減圧した。この後、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス(O2 濃度2.0%)を真空度が0.2Paになるまで導入し、ターゲット印加電圧430V、電流値0.2A、基板温度室温、成膜時間2分20秒の条件でスパッタリングを行って、PETフィルムの片面に目的とする膜を成膜した。
【0060】
得られた膜の厚さを触針法(使用機器:スローン(Sloan)社製のDEKTAK3030)により測定したところ、約2000オングストロームであった。また、得られた膜についてICP分析(誘導結合プラズマ発光分光分析,使用機器:セイコー電子社製のSPS−1500VR)を行ったところ、この膜におけるInの原子比In/(In+Zn)は0.85であった。さらに、この膜の結晶性をX線回折測定(使用機器:リガク社製のロータフレックスRU−200B)により測定したところ、結晶ピークは認められず、非晶質であった。
また、上記の膜が成膜されたPETフィルムについてその表面抵抗を四端子法により測定したところ、20.1Ω/□であった。さらに、当該PETフィルムの可視光透過率(測定波長550nm)を分光光度計により測定したところ、83%であった。
これらの結果から、上記の膜は非晶質透明導電膜であることが確認された。なお、非晶質透明導電膜の成膜に使用した基板の種類、スパッタリングターゲットの種類および組成(Inの原子比)並びに非晶質透明導電膜の組成(Inの原子比),膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0061】
(2)非晶質導電膜のパターニング
まず、上記(1)で非晶質透明導電膜を成膜したPETフィルム(以下、透明導電基板という)における前記の非晶質透明導電膜上に、回転数500rpm,時間20秒の条件で市販の溶剤系ポジ型フォトレジスト(富士ハント社製のHPR504,粘度8cP)をスピンコートして、厚さ2μmのレジスト膜を形成した。
次に、レジスト膜形成後の透明導電基板を窒素ガス流通式オーブンに入れて80℃で15分間プレベークを行って、上記のレジスト膜を乾燥した。
次いで、幅90μmの線状パターン2本が20μm間隔(以下、この間隔をマスクパターン間幅という)で設けられているクロムマスクを露光用原版として用意し、このクロムマスクと半導体用点光源露光機(露光光は高圧水銀灯のg線)とを用いて、露光光のレジストへの照射エネルギー150mJ/cm2 ,露光時間1分の条件で露光を行った。
上記の露光に引き続き、富士ハント社製の現像液(2.38%TMAH)を用いて現像液の液温20℃,現像時間2分の条件で現像を行った。この現像により、上記の非晶質透明導電膜上には所定形状のレジスト膜画像が形成された。
2分間の水洗により現像を完了させた後に2分間のエアブローを行い、この後、上記のレジスト膜画像が形成された透明導電基板を窒素ガス流通式オーブンに入れて130℃で15分間ポストベークを行って、レジスト膜画像と非晶質透明導電膜との密着性を向上させた。
【0062】
次に、42%HBF4 水溶液をその濃度が10容量%となるように純水で希釈して得た硼酸系溶液(pH1.5)をエッチング液として用い、液温を40℃に保った前記のエッチング液に上記のレジスト膜画像が形成された透明導電基板を2分間浸漬することにより、非晶質透明導電膜の選択的なエッチングを行った。なおエッチング時間(浸漬時間)は、レジスト画像面の電気抵抗(パターン間の電気抵抗)が2MΩに達するのに要した時間を意味する。このエッチングにより、非晶質透明導電膜においてレジスト画像によって被覆されていない部分のみが選択的にエッチングされて、前記の非晶質透明導電膜が所定形状にパターニングされた。
2分間の水洗によりエッチングを完了させた後に2分間のエアブローを行い、この後、レジスト膜画像の剥離を行った。この剥離は、0.5重量%NaOH水溶液(pH12.9)を剥離液として用い、液温を40℃に保った前記の剥離液にエッチング完了後の透明導電基板を2分間浸漬することにより行った。
水洗によって上記の剥離を完了させて、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。なお、パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0063】
(3)パターニングの状況
上述のようにしてパターニングされた非晶質透明導電膜について、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によりエッチング断面(エッチングにより非晶質透明導電膜中に新たに形成された側面)における凹凸の状態を調べるとともに、線状パターン間の間隔(基板直上での間隔。以下、パターン間幅という)およびパターン傾斜幅(線状パターン表面の線幅と底面の線幅(基板直上の線幅)との差)を求めた。これらの結果を表3に示す。また、レジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況をSEMによる表面観察で調べた。これらの結果を表3に併記する。
さらに、上記(2)で得られたパターン形成PETフィルを当該パターン形成PETフィルに形成されている線状パターンの長手方向と直交する向きにカットし、樹脂包まい法によりパターン形成PETフィル断面(線状パターンの長手方向と垂直な方向の断面)をSEMにより観察し、エッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。この結果も表3に併記する。
【0064】
実施例2
(1)非晶質導電膜の成膜
厚さ125μmの2軸延伸PETフィルムの片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0065】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例1(2)と同条件でレジスト膜の形成およびプレベークを行った後、露光用原版としてマスクパターン間幅が5μmのクロムマスクを用いた他は実施例1(2)と同条件で露光を行い、この後、実施例1(2)と同条件で現像、ポストベーク、エッチングおよびレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0066】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0067】
実施例3
(1)非晶質導電膜の成膜
アンダーコート層としてのエポキシアクリレート樹脂層(厚さ1μm)を片面に有する2軸延伸PETフィルム(2軸延伸PETフィルム自体の厚さは125μm)を基板として用い、この基板における前記のエポキシアクリレート樹脂層上に実施例1(1)と同条件のスパッタリング法によって非晶質透明導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0068】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像、ポストベーク、エッチングおよびレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0069】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0070】
実施例4
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例3(1)で用いた基板と同一構成の基板を用い、この基板におけるエポキシアクリレート樹脂層上に、スパッタリングターゲットに酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物からなる酸化物焼結体(Inの原子比In/(In+Zn)=0.65,相対密度98%)を用いた以外は実施例1(1)と同条件のスパッタリング法によって非晶質透明導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0071】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像、ポストベーク、エッチングおよびレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0072】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0073】
実施例5
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例3(1)で用いた基板と同一構成の基板を用い、この基板におけるエポキシアクリレート樹脂層上に、スパッタリングターゲットに酸化インジウムと酸化スズとの混合物からなる酸化物焼結体(Inの原子比In/(In+Sn)=0.88,相対密度98%)を用いた以外は実施例1(1)と同条件のスパッタリング法によって非晶質透明導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0074】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像、ポストベーク、エッチングおよびレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0075】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0076】
実施例6
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例3(1)で用いた基板と同一構成の基板を用い、この基板におけるエポキシアクリレート樹脂層上に、スパッタリングターゲットに酸化インジウムと酸化スズとの混合物からなる酸化物焼結体(Inの原子比In/(In+Sn)=0.65,相対密度98%)を用いた以外は実施例1(1)と同条件のスパッタリング法によって非晶質透明導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0077】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像、ポストベーク、エッチングおよびレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0078】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0079】
実施例7
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例1(1)で用いた基板と材質および厚さが同じ基板を用い、この基板の片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0080】
(2)非晶質導電膜のパターニング
まず、上記(1)で得られた透明導電基板における非晶質透明導電膜上に、ラミネ−タ装置によって張り付け温度100℃,走行速度1.5m/分の条件で市販のドライフィルムフォトレジスト(三菱レーヨン社製のFRA−307)を張り付けることにより、レジスト膜を形成した。
次いで、実施例2(2)と同条件で露光した後、実施例2(2)と同条件で現像した。
この後、実施例2(2)と同条件でポストベーク、エッチングおよびレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0081】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0082】
実施例8
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例1(1)で用いた基板と材質および厚さが同じ基板を用い、この基板の片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0083】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像およびポストベークを行った後、エッチング液として42%HBF4 水溶液をその濃度が50容量%となるように純水で希釈して得た硼酸系溶液(pH0.9)を用いて40℃,1分の条件でエッチングを行った。この後、実施例2(2)と同条件でレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0084】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0085】
実施例9
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例1(1)で用いた基板と材質および厚さが同じ基板を用い、この基板の片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0086】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像およびポストベークを行った後、エッチング液として5wt%NH4BF4 水溶液(pH1.4)を用いた他は実施例2(2)と同条件でエッチングを行った。この後、実施例2(2)と同条件でレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0087】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0088】
実施例10
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例1(1)で用いた基板と材質および厚さが同じ基板を用い、この基板の片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0089】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像およびポストベークを行った後、42%HBF4 水溶液をその濃度が10容量%となるように純水で希釈して得た水溶液に緩衝液として1wt%NH4HF2 水溶液をそ の容量比(前者:後者)が98:2(容量%)となるように添加して調製した硼酸系溶液(pH1.8)をエッチング液として用いた他は実施例2(2)と同条件でエッチングを行った。この後、実施例2(2)と同条件でレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0090】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0091】
実施例11
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例1(1)で用いた基板と材質および厚さが同じ基板を用い、この基板の片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0092】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像およびポストベークを行った後、42%HBF4 水溶液をその濃度が10容量%となるように純水で希釈して得た水溶液に緩衝液として1wt%NH4F水溶液をその容 量比(前者:後者)が98:2(容量%)となるように添加して調製した硼酸系溶液(pH1.8)をエッチング液として用いた他は実施例2(2)と同条件でエッチングを行った。この後、実施例2(2)と同条件でレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0093】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0094】
実施例12
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例1(1)で用いた基板と材質および厚さが同じ基板を用い、この基板の片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0095】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例7(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像、ポストベークおよびエッチングを行った後、剥離液として10容量%モノエタノールアミン水溶液(pH11.8)を用いた他は実施例7(2)と同条件でレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0096】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0097】
実施例13
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例1(1)で用いた基板と材質および厚さが同じ基板を用い、この基板の片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0098】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像、ポストベークおよびエッチングを行った後、剥離液として1wt%KOH水溶液(pH12.8)を用いた他は実施例2(2)と同条件でレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0099】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0100】
比較例1
(1)非晶質導電膜の成膜
実施例1(1)で用いた基板と材質および厚さが同じ基板を用い、この基板の片面に実施例1(1)と条件のスパッタリング法によって非晶質導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。成膜された非晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0101】
(2)非晶質導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像およびポストベークを行った後、本発明の方法では使用されないエッチング液である35容量%FeCl3 水溶液(pH0.9)を用いた他は実施例2(2)と同条件でエッチングを行い、この後、剥離液として3.0重量%NaOH水溶液(pH13.9)を用いた他は実施例2(2)と同条件でレジスト膜画像の剥離を行って、非晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0102】
(3)パターニングの状況
パターニングされた非晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および非晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における非晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0103】
比較例2
(1)結晶質透明導電膜の成膜
基板として透明ガラス基板(コ−ニング社製の7059)を用い、この基板の片面に、スパッタリングターゲットにITOターゲット(Inの原子比In/(In+Sn)=0.95,相対密度98%)を用いたスパッタリング法(成膜時の基板温度は200℃)によって透明導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。このとき成膜された透明導電膜は、本発明の方法によるパターニングの対象外である結晶質透明導電膜であった。この結晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0104】
(2)結晶質透明導電膜のパターニング
実施例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像およびポストベークを行った後、エッチング液として42%HBF4 水溶液(pH0.6)を用いるとともにエッチング時間を20分とした他は実施例2(2)と同条件でエッチングを行い、この後は実施例2(2)と同条件でレジスト膜画像の剥離を行って、結晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0105】
(3)パターニングの状況
パターニングされた結晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および結晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における結晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0106】
比較例3
(1)結晶質透明導電膜の成膜
実施例3(1)で用いた基板と同一構成の基板を用い、この基板におけるエポキシアクリレート樹脂層上に、スパッタリングターゲットとしてITOターゲット(Inの原子比In/(In+Sn)=0.95,相対密度98%)を用いたスパッタリング法(成膜時の基板温度は120℃)によって透明導電膜を成膜して、透明導電基板を得た。このとき成膜された透明導電膜は、本発明の方法によるパターニングの対象外である結晶質透明導電膜であった。この結晶質透明導電膜の組成,膜厚,結晶性,面抵抗および可視光透過率を表1に示す。
【0107】
(2)結晶質導電膜のパターニング
比較例2(2)と同条件でレジスト膜の形成、プレベーク、露光、現像、ポストベーク、エッチングおよびレジスト膜画像の剥離を行って、結晶質導電膜が所定形状にパターニングされた透明導電基板を得た。パターニング条件および剥離条件を表2に示す。
【0108】
(3)パターニングの状況
パターニングされた結晶質透明導電膜について、実施例1(3)と同様にしてエッチング断面における凹凸の状態を調べるとともにパターン間幅およびパターン傾斜幅を求めた。また、実施例1(3)と同様にしてレジストの残存状態および結晶質透明導電膜表面の劣化状況を調べた。さらに、実施例1(3)と同様にしてエッチング部における結晶質導電膜表面と基板表面との段差を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
表2に示したように、硼酸系溶液を用いて非晶質透明導電膜を選択的にエッチングすることにより非晶質透明導電膜のパターニングを行った実施例1〜実施例13では、エッチング断面に凹凸が認められず、かつ、パターン傾斜幅が0.1μmと小さい。さらに、表2における実施例1と実施例2〜実施例13との比較から明らかなように、硼酸系溶液を用いて非晶質透明導電膜を選択的にエッチングした場合には、マスクパターン間幅の減少に伴うエッチング速度の低下が抑制される。これらのことから、非晶質透明導電膜をより微細にパターニングすることが容易であることがわかる。また、表3における実施例1〜実施例13と比較例1との比較から明らかなように、非晶質導電膜表面の劣化は剥離液のpHを調整することにより抑制することができる。
【0113】
さらに、、エッチング液として硼酸系溶液を用いた実施例1〜実施例13では、パターニング後における基板表面と非晶質透明導電膜表面との段差はパターニング前と実質的に変わらない、すなわち非晶質透明導電膜の膜厚と実質的に同じであるが、比較例1および比較例3ではエッチング液による透明樹脂基板の膨潤により、また比較例2では長時間のエッチングによるガラス基板の侵食により、共に導電膜の膜厚から大きなずれを生じている。
【0114】
一方、表2に示したように、エッチング液として35%容量FeCl3 水溶液を用いた比較例1では実施例1〜実施例7および実施例9〜実施例13と同様に高速でエッチングすることができたが、当該比較例1ではエッチング断面に凹凸が認められ、かつ、パターン傾斜幅が0.6μmと大きい。このことから、微細なパターニングをすることが困難であることわかる。また、硼酸系溶液を用いて結晶質透明導電膜を選択的にエッチングした比較例2〜比較例3では、実施例1〜実施例13に比べてエッチング速度が極めて遅い他、エッチング断面に凹凸が認められ、かつ、パターン傾斜幅も0.8μmと大きい。これらのことから、硼酸系溶液は結晶質導電膜用のエッチング液としてよりも非晶質導電膜用のエッチング液として好適であることがわかる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の非晶質導電膜のパターニング方法によれば、容易に非晶質導電膜を微細にパターニングすることが可能である。したがって、本発明を実施することにより液晶表示装置等の高精細化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄い可撓性基板に設けられた導電膜の理想的なパターニング状態を模式的に示す側面図である。
【図2】薄い可撓性基板に設けられた導電膜を従来の方法によりパターニングした場合に生じる可撓性基板と導電膜との段差の変化の一例を模式的に示す側面図である。
【図3】薄い可撓性基板に設けられた導電膜を従来の方法によりパターニングした場合に生じる可撓性基板と導電膜との段差の変化の他の一例を模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
1,11 薄い可撓性基板
2,12 非晶質導電膜
Claims (11)
- インジウム (In) と、亜鉛 (Zn) および/またはスズ(Sn)とを主要カチオン元素とし、全主要カチオン元素に占めるInの原子比In/(In+M)(式中、MはZnおよび/またはSnを示す)が0.5〜0.9である実質的に非晶質の酸化物からなる非晶質導電膜を、硼酸系溶液からなるエッチング液と接触させて選択的にエッチングすることによりパターニングすることを特徴とする非晶質導電膜のパターニング方法。
- 酸化物中の非晶質の割合が50重量%以上である、請求項1に記載の方法。
- 非晶質導電膜が可撓性を有する透明樹脂基板上に設けられたものである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
- 非晶質導電膜が、基板温度を0〜100℃としたスパッタリング法により透明樹脂基板上に設けられたものである、請求項3に記載の方法。
- 硼酸系溶液のpHが0.6〜2である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の方法。
- 硼酸系溶液の水素イオン濃度が10−0.6〜10−2グラムイオンである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の方法
- 硼酸系溶液が硼フッ化アンモニウムおよび/または硼フッ化水素酸を主成分とするものである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の方法。
- 硼酸系溶液が、その調製過程でフッ化アンモニウム水溶液および/またはフッ化水素アンモニウム水溶液を緩衝液として添
加したものである、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の方法。 - 非晶質導電膜上にレジスト膜画像を形成する工程と、前記レジスト膜画像が形成された非晶質導電膜を硼酸系溶液からなるエッチング液と接触さて前記非晶質導電膜を選択的にエッチングすることにより該非晶質導電膜をパターニングする工程と、パターニング後の非晶質導電膜から前記レジスト膜画像を剥離する工程とを含み、前記レジスト膜画像を形成するためのレジスト材料としてポジ型フォトレジストまたはドライフィルムフォトレジストを用い、パターニング後の非晶質導電膜から前記レジスト膜画像を剥離するための剥離液としてpH11〜13.5のアルカリ金属水酸化物溶液またはアルカノールアミン溶液を用いる、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の方法。
- パターニング後の非晶質導電膜におけるパターン傾斜幅が0.01〜0.50μmである、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の方法。
- パターニング後の非晶質導電膜表面と基板表面との段差が前記非晶質導電膜の膜厚と実質的に同じである、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の方法。
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