JP3611608B2 - 5α−レダクターゼ阻害剤 - Google Patents
5α−レダクターゼ阻害剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3611608B2 JP3611608B2 JP25091194A JP25091194A JP3611608B2 JP 3611608 B2 JP3611608 B2 JP 3611608B2 JP 25091194 A JP25091194 A JP 25091194A JP 25091194 A JP25091194 A JP 25091194A JP 3611608 B2 JP3611608 B2 JP 3611608B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reductase
- reductase inhibitor
- ethanol
- quercus
- extract
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、5α−レダクターゼ阻害作用が高く、育毛に有効な5α−レダクターゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
クエルクス ペドゥンクラタ(学名 Quercus pedunculata)は、ブナ科コナラ属の植物である。
また、ルメックス シプリウス(学名 Rumex cyprius)は、タデ科ギシギシ属の植物である。
いずれもエジプトなどで生薬として利用されている。
【0003】
一般に、5α−レダクターゼは、育毛を妨げる還元剤として作用する酵素として知られている。従って、この5α−レダクターゼの活性を阻害することは、育毛に有効に作用するものである。
【0004】
一方、化粧料の原料として使用でき5α−レダクターゼ阻害作用のある物質としては種々の物質が知られているが、合成品は、長期間人間の肌に適応した場合の安全性の保証がなく、使用が制限されつつある。一方、天然物では、5α−レダクターゼ阻害作用が弱いものが多い。
しかし、人の肌に対する安全性の面から天然物で、多年、人が食したりして、安全性の面で保証されており、しかも5α−レダクターゼ阻害作用が強いものが要求されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、皮膚に適用して安全であると共に、5α−レダクターゼ阻害作用が大きい5α−レダクターゼ阻害剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため、すでに多年にわたって食用に供され、人体に対する安全性が確認されている植物をスクリーニングして調べ、5α−レダクターゼ阻害剤として利用価値のあるものを検討した。
その結果、クエルクス ペドゥンクラタ(Quercus pedunculata)の果実及びルメックス シプリウス(Rumex cyprius)の葉が非常に5α−レダクターゼ阻害原料として、或いは医薬部外品としての有効性を有することを見い出した。
【0007】
すなわち、本発明は、クエルクス ペドゥンクラタの果実、ルメックス シプリウスの葉よりなる群より選んだ少なくとも1種の植物体の溶媒抽出物を含む5α−レダクターゼ阻害剤である。
【0008】
クエルクス ペドゥンクラタの果実、ルメックス シプリウスの葉の利用方法としては、水或いは親水性有機溶媒、例えば、エタノール、メタノール、アセトン等で抽出する。
しかしながら、5α−レダクターゼ阻害剤原料の抽出であるから、水或いはエタノール或いはこれらの混合溶媒での抽出が好ましいのは当然である。
【0009】
また、場合によっては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール又は多価アルコールと水の混液も抽出に利用できる。
更にまた、凍結乾燥して粉体として利用することも利用方法によっては有効である。
【0010】
この物質を他の化粧品原料例えば、スクワラン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3−ブチレングレコール等の保湿剤や各種薬剤等を添加してさまざまな剤形の抗5α−レダクターゼ剤を調製することができる。例えば、ローション、クリーム、乳液、パック等で目的に応じて利用形態を考えればよい。
【0011】
【実施例】
以下に実際の利用方法である実施例を記載するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではない。
本発明で使用した、クエルクス ペドゥンクラタ、ルメックス シプリウスの抽出物の製造例を次に示す。
【0012】
(製造例1)
クエルクス ペドゥンクラタの果実(乾燥品)を10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これをろ過後、エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0013】
(製造例2)
ルメックス シプリウスの葉(乾燥品)を10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これをろ過後エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0014】
(実施例1) ローション
オリーブ油 0.5
製造例1の抽出物 0.5
ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0
エタノール 30.0
1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
精製水 60.0
【0015】
(実施例2)
実施例2は実施例1の製造例1の抽出物を製造例2の抽出物に変え調製したもの。
【0016】
(比較例1)
何首鳥の塊根(乾燥品)を10gに50%エタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これをろ過後エバポレートし凍結乾燥した。
【0017】
(比較例2)
セージの種子(乾燥品)を10gに50%エタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これをろ過後エバポレートし凍結乾燥した。
【0018】
(5α−レダクターゼ阻害試験)
試験方法
製造例及び比較例の1%液を0.5ml、0.18%テストステロン、プロピレングリコール溶液を0.5ml、0.1%NADPH、トリス−HCl緩衝液(50mM、pH7.2)を5.0ml、酵素液としてオリエンタル酵母工業株式会社製 S−9を1.0ml、これらをよく混合し、37℃で30min恒温水槽に放置する。
次に、エキストレート20カラム(メルク社製)に入れ、10min放置した後、ジクロロ メタン40〜50mlで分取する。エバポレート後、エタノール5mlに溶解しガスクロマトグラフィー分析で分析した。
GC条件は
カラム : CBPl−W12−100(メチルシリコーン系)
カラム温度 : 235℃恒温
検出器 : FID;280℃,DET;280℃
還元酵素5α−レダクターゼの活性阻害率の結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
使用テスト
男性10名づつに毎日1回以上使用してもらって、6月後、アンケートした。実験前と変わらないときは±、やや髪の量(本数又は太さ)が増したときは+、髪の量(本数又は太さ)が増したときは++、顕著に髪の量(本数又は太さ)が増したときは+++、実験前より減少したときは−、と判定してもらった。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】
本発明の植物体の溶媒抽出物は、5α−レダクターゼ阻害試験の結果より明らかな通り、育毛を妨げる該還元酵素の活性を阻害するので、育毛剤に配合して、育毛効果を高める。これらの植物は多年生薬として使用されて来ているので、皮膚に適用して安全であることが保証されている。
Claims (1)
- クエルクス ペドゥンクラタの果実、ルメックス シプリウスの葉よりなる群より選んだ少なくとも1種の植物体の溶媒抽出物を含む5α−レダクターゼ阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25091194A JP3611608B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 5α−レダクターゼ阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25091194A JP3611608B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 5α−レダクターゼ阻害剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113515A JPH08113515A (ja) | 1996-05-07 |
JP3611608B2 true JP3611608B2 (ja) | 2005-01-19 |
Family
ID=17214863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25091194A Expired - Fee Related JP3611608B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 5α−レダクターゼ阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3611608B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19741397A1 (de) * | 1997-09-19 | 1999-03-25 | Henkel Kgaa | Extrakt und kosmetische Zubereitung |
FR2772604B1 (fr) * | 1997-12-24 | 2000-03-10 | Fabre Pierre Dermo Cosmetique | Utilisation de racines de germes de chene dans les compositions cosmetiques,en particulier a usage capillaire. |
CN1203901A (zh) * | 1998-05-12 | 1999-01-06 | 熊军功 | 鲁梅克斯杂交酸模用于制备农用肥的用途 |
JP2002284654A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-03 | Kindai Kagaku Kk | 染毛剤用増粘剤、それを含む染毛剤組成物及びそれを用いた染毛方法 |
JP5215603B2 (ja) * | 2007-07-11 | 2013-06-19 | 株式会社ユーリカ | 愛玩動物としての犬・猫用の被毛外用剤 |
-
1994
- 1994-10-17 JP JP25091194A patent/JP3611608B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08113515A (ja) | 1996-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101964809B1 (ko) | No 활성 억제제, 이를 포함하는 항염증 제제, 이를 포함하는 화장품 및 이의 제조방법 | |
JP2017513823A (ja) | 酸化ストレスを軽減させる局所用組成物及び方法 | |
JPH0977636A (ja) | 美白化粧品 | |
KR20150086588A (ko) | 항염, 항알러지 및 항산화 효능이 우수한 Ge-8 혼합물을 함유하는 화장료 조성물 | |
JP2006052198A (ja) | デオドラント剤、デオドラント製剤、および繊維デオドラント処理方法 | |
JP2000136124A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JPH08119869A (ja) | 活性酸素抑制剤 | |
JP3611608B2 (ja) | 5α−レダクターゼ阻害剤 | |
JP3647054B2 (ja) | 抗酸化剤 | |
Gidwani et al. | Evaluation of a novel herbal formulation in the treatment of eczema with Psoralea corylifolia | |
JP2000119125A (ja) | 皮膚老化防止・改善剤 | |
KR102085052B1 (ko) | 식물 추출물을 포함하는 피부 항염 또는 피부 보습용 조성물 | |
JPH11124318A (ja) | 白髪防止剤 | |
JP3496967B2 (ja) | 抗プラスミン剤 | |
JPH05163135A (ja) | 美白用化粧料組成物 | |
JPH0687731A (ja) | 化粧料 | |
JP2600036B2 (ja) | 化粧料 | |
JP3667376B2 (ja) | ヒアルロニターゼ阻害剤 | |
JP3792745B2 (ja) | チロシナーゼ阻害剤 | |
KR20180124443A (ko) | 흰목이버섯 자실체 추출물을 포함하는 피부장벽강화용 화장료 조성물 | |
JP3408339B2 (ja) | 化粧料 | |
KR102034436B1 (ko) | 베트남 후피향 추출물을 포함하는 아토피 피부염 치료 및 예방용 조성물 | |
JPH05124952A (ja) | 化粧料 | |
JP2015508815A (ja) | Cpt−1調節剤及びその組成物としてのスターフルーツ抽出物の使用 | |
JPH10109924A (ja) | 美白化粧品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040720 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040914 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041012 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041020 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |