JP3611275B2 - 円筒形アルカリ電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空円筒状に成形された正極合剤を、正極ケース内壁に密着させて収納した円筒形アルカリ電池、特にその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円筒形アルカリ電池、例えばアルカリ乾電池は、正極ケースの中に、正極ケースに密着して中空円筒状の正極合剤が配置され、その中央にセパレータを介してゲル状負極が配置された構造を有する。そして、正極合剤は、あらかじめ成形されたものを正極ケースに挿入した後、ケース内において加圧することにより、正極ケースとの密着を良くするとともに正極合剤の充填量の増加を図っている。
この正極合剤は、中空円筒状に成形する際、成形用の金型ダイスから抜き出し易いように、外周面はテーパ状に形成されており、テーパ状の外周径の小さい側から正極ケース内に挿入される(例えば特開昭61−78056号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように正極合剤がテーパ状の外周径の小さい側から正極ケース内に挿入されると、正極ケース内の底部側では合剤外周面と正極ケ−ス内周面との隙間が広くなる。そのため挿入された正極合剤を加圧した場合に、ケースの開口部側の正極合剤はよく加圧され、ケースとの密着性も良好となる。しかし、ケースの底部側の正極合剤は十分加圧されず、また加圧力の作用も均一でない。このため、合剤密度のバラツキが大きく、またケースとの密着性も低下して、電池の内部抵抗が高くなり、電池の短絡電流が低下するという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点を解決するもので、正極合剤と正極ケースの内壁との密着性を高め、電池の内部抵抗が低く、短絡電流特性を向上させた円筒形アルカリ電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、少なくとも外周面がテーパを有する正極合剤成形体の複数個を外周径の大きい側を正極ケース内の底面側にして正極ケース内に挿入し、正極ケース内において前記正極合剤成形体を加圧することによって正極ケースの内壁に密着させることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、中空円筒状で外周面にテーパを有した正極合剤成形体を、その外周径の大きい側から正極ケース内に挿入した状態でさらに加圧して、正極ケース内壁との密着性を向上するものである。
上記の中空円筒状で外周面にテーパを有した正極合剤成形体は、その外周径の大きい側を正極ケース内の底面側に配置しているため、正極ケースの底部付近では合剤外周面と正極ケ−ス内周面との隙間がより狭くなっている。そのため挿入された正極合剤を加圧した場合に、ケースの底部付近の正極合剤もケース開口部付近のようにケースとよく密着し、電池の内部抵抗が低くなり、電池の短絡電流が増加する
【0007】
【実施例】
以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例におけるアルカリ乾電池LR6の一部を断面にした正面図である。
この電池は、以下のようにして製造される。1はニッケルメッキ鋼板からなる正極ケースを表す。この正極ケース1の内面には図示しないが導電性被膜が形成されている。この正極ケース1の内部に、まず二酸化マンガンと黒鉛を主構成材とする中空円筒状に成形された正極合剤2の複数個を挿入し、ケース内において再加圧することにより正極ケース1の内面に密着させる。
【0008】
こうしてケース内に充填された正極合剤2の内側にセパレータ3および絶縁底紙4を挿入した後、セパレータ3の内側にゲル状負極5を注入する。ゲル状負極5は、ゲル化剤のポリアクリル酸ソーダ、アルカリ電解液および負極活物質の亜鉛粉末からなる。次に、樹脂製封口板6、負極端子を兼ねる底板7および絶縁ワッシャ8と一体化された負極集電体9をゲル状負極5中に差し込み、正極ケース1の開口端部を封口板6の端部を介して底板7の周縁部にかしめつけて正極ケース1の開口部を密閉する。ついで、正極ケース1の外表面に外装ラベル10を被覆する。こうしてアルカリ乾電池LR6が完成する。
【0009】
《実施例1》
まず、中空円筒状で外周面にテーパを有した2個の正極合剤成形体12a、12bを作製した。これら正極合剤成形体の寸法は、外周径の大きい方の外径が13.4mm、内径が9.2mm、他方の外径が13.1mm、内径が9.3mmであり、高さは22.2mmである。この正極合剤は、導電材として膨脹黒鉛を用い、黒鉛添加率は6%である(黒鉛添加率=100×[黒鉛重量]/[二酸化マンガン重量+黒鉛重量])。
次に、図2に示すように、前記の2個の正極合剤成形体12a、12bを、それらの外周径の大きい側から正極ケース11内に挿入した(a)。正極ケース11はホルダー13に固定されている。この状態で加圧金型14とセンターピン15からなる成形型のセンターピン15をケース内の正極合剤成形体の中心部に挿入した。次いで、加圧金型14により正極合剤成形体12a、12bを加圧することにより正極ケースの内壁に密着させた(b)。こうして、合剤成形品12(c)を得た。以下、上述の製造方法で図1に示すアルカリ乾電池LR6を作製した。
【0010】
《比較例》
また、比較例として、図3に示すように、実施例1と同じ中空円筒状で外周面にテーパを有した2個の正極合剤成形体12a、12bをそれらの外周径の小さい側から正極ケース11内に挿入した状態(a)で、センターピン15を合剤の中心部に挿入後、加圧金型14により加圧して(b)、合剤成形品12(c)を得た。以下、この条件以外は実施例1と同様に上述の製造方法で図1に示すアルカリ乾電池LR6を作製した。
【0011】
上記のそれぞれの電池について、20℃における初度の電池の短絡電流を測定した結果を表1に示す。なお、測定値は、各電池100個の平均値を、比較例の電池の測定値を100として示した。
表1に示すように、本発明による実施例の電池は比較例の電池に比べて短絡電流が大きく、本発明の効果が確認された。
【0012】
【表1】
【0013】
なお、実施例では、正極合剤中の導電材として膨脹黒鉛を用いたが、鱗状黒鉛でもよく、膨脹黒鉛と鱗状黒鉛との併用でもよい。しかし、導電性と成形性に優れた膨脹黒鉛を用いた方が、上記の本発明による加圧密着法との相乗効果により、正極合剤中の導電材の添加率が3〜8重量%と比較的低い添加率でも高い短絡電流値が確保できので、鱗状黒鉛や、膨脹黒鉛と鱗状黒鉛との併用よりも好ましい。
【0014】
実施例では、正極ケースと正極合剤間の電気的接触状態を良好にするために正極ケースの内面に導電性被膜を形成したものを用いたが、本発明は、この導電性被膜の有無に限定されるものではない。しかし、導電性被膜を形成したものを用いた方が、正極合剤中の導電材として膨脹黒鉛に限らず鱗状黒鉛、または膨脹黒鉛と鱗状黒鉛との併用のいずれの場合でも、本発明による加圧密着法との相乗効果により、正極合剤中の導電材の添加率が3〜8重量%と比較的低い添加率でも高い短絡電流値が確保できるので、より好ましい。
また、本発明は、成形された正極合剤の挿入個数がより少ない条件の場合において、すなわち正極ケースの底部付近の合剤外周面と正極ケ−ス内周面との隙間が、正極ケースの開口部付近の隙間に比べてより広い条件の場合において、よりその効果が発揮できる。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、正極合剤と正極ケースの内壁との密着性を高め、電池の内部抵抗が低く短絡電流特性を向上させた円筒形アルカリ電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるアルカリ乾電池LR6の一部を断面にした正面図である。
【図2】同電池の正極合剤の加圧過程を説明する縦断面略図である。
【図3】従来例における正極合剤の加圧過程を説明する縦断面略図である。
【符号の説明】
11 正極ケース
12 正極合剤成形品
12a、12b 正極合剤成形体
13 ケースホルダー
14 加圧金型
15 センターピン
Claims (1)
- 少なくとも外周面がテーパを有する正極合剤成形体の複数個を外周径の大きい側を正極ケース内の底面側にして正極ケース内に挿入し、正極ケース内において前記正極合剤成形体を加圧することによって正極ケースの内壁に密着させる工程を有する円筒形アルカリ電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8875398A JP3611275B2 (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 円筒形アルカリ電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8875398A JP3611275B2 (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 円筒形アルカリ電池の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11288709A JPH11288709A (ja) | 1999-10-19 |
JP3611275B2 true JP3611275B2 (ja) | 2005-01-19 |
Family
ID=13951669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8875398A Expired - Lifetime JP3611275B2 (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 円筒形アルカリ電池の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3611275B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100416321B1 (ko) * | 2001-08-20 | 2004-01-31 | 제노에너지(주) | Li 분말을 이용한 Li 전지용 음극의 성형방법 |
KR100417078B1 (ko) * | 2002-01-30 | 2004-02-05 | 변성광 | 리튬 전지용 음극성형장치 |
-
1998
- 1998-04-01 JP JP8875398A patent/JP3611275B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11288709A (ja) | 1999-10-19 |
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