JP3610172B2 - 半導体記憶素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体記憶素子、及び半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子1一つでも動作する単一電子素子は、究極の半導体素子として期待されており、多様な単一電子素子の研究が行なわれている。この中で、日立の矢野等が世界に先駆け、超薄膜多結晶Siトランジスタを用いた単一電子素子(単一電子メモリも含め)の室温動作に成功した(IEEE International Electron Devices Meeting 1993, 541 (1993))。この技術は、電流経路であるチャネルと電子を捕獲する記憶領域を、同じ多結晶Si薄膜内に形成するところに特長がある。記憶領域に電子が捕獲されると、しきい電圧が変化することを利用し、情報の記憶を行なっている。電子1個の蓄積で1ビットの記憶を行えることが最大の利点である。以下、図を用いて矢野等が開発した単一電子素子の構造とその製造方法を説明する。
【0003】
図11〜12に超薄膜多結晶Siトランジスタの平面図(a)、及びA−A’断面図(b)を示す。先ず最初に、単結晶Si基板301を熱酸化して500nmのSiO膜302を形成した後、減圧化学気相成長法(以下LP−CVD法という)により、50nmのSiO膜303を堆積する。続いて、モノシラン(SiH)とフォスフィン(PH)を用いたLP−CVD法により、リンを含んだ多結晶Si膜304を50nm堆積した後、周知のリソグラフィー及びドライエッチング技術により、上記リンドープ多結晶Si膜304を所望の形状に加工してソース304(b)、ドレイン配線304(a)を形成する。ソース配線304(b)は、隣接する単一電子素子の共通ソース線304(b)として用いられている。
【0004】
続いて、約520℃の温度でモノシランの熱分解を用いたLP−CVD法によりチャネル層305となる非晶質Si膜を約3.5nm堆積した後、SiO膜306を約10nm連続して堆積する。ここで、非晶質Si膜はSiO膜306を堆積する温度(750℃)において多結晶Si膜305に変換される。上記SiO膜306は、ゲート絶縁膜の一部として作用するが、後にチャネル層305(b)を加工する際の保護膜としての役割も担っている。
【0005】
超薄膜多結晶Siをチャネル層とする単一電子素子の特性、すなわち、書き込み/消去後のしきい電圧の変動量、及び電荷保持時間は、上記チャネル多結晶Si膜305(b)の膜厚が薄いほど望ましく、具体的には5nm以下であることが好ましい。次に、電子線(EB)リソグラフィー及びドライエッチング法により、上記SiO膜306、及び超薄膜多結晶Si膜305(b)を所望の形状に加工してチャネル層305(b)を形成する(図11)。
【0006】
次にCVD法により、ゲート絶縁膜308となる約30nmのSiO膜308を堆積した後、リンを含んだ多結晶Si膜309を約100m堆積する。最後に、リソグラフィー及びドライエッチング法により、上記リンドープ多結晶Si膜309を所望の形状に加工してゲート電極配線309とする(図12)。この後、ワード線、ソース線、データ線を形成し、ワード線とデータ線により単一電子素子の制御を行なう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、Si半導体プロセスにおけるSi膜の形成には、減圧化学気相成長法が用いられており、特にモノシラン(SiH)の熱分解による成膜が現在でも主流となっている。SiHを用いたSi膜の成膜の長所は、高い量産性、優れた膜厚均一性、及び段差被覆性にある。単一電子素子のチャネルSi膜の形成に関しても、これらの長所を活かしSiHによる堆積が行なわれてきた。しかし、これまでの検討により、SiHの熱分解による優れた膜厚均一性は、約10nm以上の範囲であることが明らかとなった。すなわち、堆積初期の数nmという限られた領域では、部分的に膜が形成されない領域や局所的に膜が厚くなる領域があり、均一な連続膜が得られない知見を得た。特に、局所的に厚くなった部分の膜厚は、そのほとんどが8nm以上の結晶粒である。これは、SiHによるSi膜の堆積が、下地表面に形成された核を中心に成長する、いわいる表面反応律速による成長機構を示すためである。
【0008】
図10にその概要を示す。まず、基板表面に吸着したSiHから水素原子が脱離し、Siの核が発生する(図(a))。このSiの核を中心にSiは成長すると共に、更に新しいSiの核が発生する。このような状態におけるSi核の大きさは、大きいもので約8nm〜10nm程度である(図(b))。Siの核がある程度の密度になると、隣接する核がつながり連続膜に近くなる。但し、完全には連続膜になっていないため、場所により膜厚は大きく異なる(図(c))。膜が完全に連続膜になると、膜の表面エネルギを下げようとする力が働き、Si原子の移動(流動)が起こり、膜は平坦になる(図(d))。堆積条件により若干の誤差はあるが、このときの膜厚が約8nm程度である。この現象は、堆積温度を低温化し、核生成密度を大きくすることで僅かな改善が見られるが、SiHの熱分解の下限温度に近い480℃程度でも完全に抑制することは難しい。
【0009】
超薄膜多結晶Siを用いた単一電子素子の最大の課題は、チャネルSi膜の膜厚制御であり、単一電子素子の電荷保持特性、書き込み/消去後のしきい電圧の変動量は、チャネル多結晶Si膜の膜厚に大きく左右される。従って、従来の方法で作製した素子は、上記した電気特性のチップ間バラツキだけでなく、ビット間バラツキが大きいという問題があった。更に、チャネル膜が形成されない領域があるため、チャネル幅を微細化していくとチャネルの断線不良が多発する問題があった。
【0010】
本発明の目的は、電荷保持特性が優れ、書き込み/消去後のしきい電圧の変動量のバラツキが小さい半導体記憶素子、及び半導体記憶装置を高い歩留まりで提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、チャネルSi膜の形成にジシラン(Si)を用いることによって達成できる。具体的には、500℃以下の温度で非晶質Si膜を形成する工程と、該非晶質Si膜を熱処理して、多結晶Si膜に変換することによって、均一な連続膜を形成することが可能となる。また、Siに微量なゲルマン(GeH)を添加して、非晶質SiGe膜を形成する工程と、該非晶質SiGe膜を熱処理して、多結晶SiGe膜に変換することによっても、均一な連続膜を形成することができる。但し、Siを用いて形成した非晶質Si膜は、SiHで形成した膜と結晶化温度が大きく異なる点で注意が必要となる。
【0012】
一般に、Siは気相中で主にシリレン(SiH)とSiHに分解すると解釈されている。SiHは未結合手があるため非常に活性で、下地表面に容易に吸着し多数のSiの核を生成する。このSi核の面密度が、SiH単独で成長する場合に比べ桁違いに大きいため、堆積初期の膜であっても非常に平坦な連続膜を形成できる。
【0013】
即ち、約10nm以上の成膜においては量産性の面でSiHが有利であるが、平均膜厚が5nm以下の極めて薄い連続膜を得るには、Siを用いた堆積が不可欠となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
Si 図1〜図4を用いて、本発明の第1の実施例の説明を行なう。先ず最初に、単結晶Si基板101を熱酸化して500nmのSiO膜102を形成した後、減圧化学気相成長法(以下LP−CVD法という)により、50nmのSi膜103を堆積する。Si膜103の堆積には、ジクロルシラン(SiHCl)とアンモニア(NH)を用い、温度770℃、圧力60Paの条件で堆積を行なった。続いて、モノシラン(SiH)とフォスフィン(PH)を用いたLP−CVD法により、リン(P)を4×1020/cm含んだ多結晶Si膜104を50nm堆積した後、周知のリソグラフィー及びドライエッチング技術により、上記リンドープ多結晶Si膜104を所望の形状に加工してソース104(b)、ドレイン配線104(a)を形成した。上記リンドープ多結晶Si膜104の形成は、温度630℃、圧力50Paの条件で堆積を行なった。
【0015】
次に、以下に示す2つの方法により、チャネルSi膜を形成した。一方は、SiHを用いた従来の方法で、もう一方はSiを用いた方法である。何れも、LP−CVD法により、平均膜厚が約3nmの非晶質Si膜105(a)を堆積した。SiHによる堆積は、150cc/分のSiHと同時にキャリアガスとして、2000cc/分のNを縦型反応炉に導入し、堆積温度480℃、圧力75Paの条件で堆積を行なった。一方Siによる堆積は、150cc/分のSiと同時にキャリアガスとして、2000cc/分のNを縦型反応炉に導入し、堆積温度425℃、圧力75Paの条件で堆積を行なった(図2(b))。この後、850℃の窒素雰囲気中で30分の熱処理を行ない、上記非晶質Si膜105(a)を多結晶Si膜105(b)に変化させた(図2(c))。
【0016】
ここで、SiHで形成した薄い非晶質Si膜とSiで形成したそれの決定的な違いは、結晶化が起こる熱処理温度である。SiHで形成した非晶質Si膜は、膜厚によらず約700℃以上の熱処理により結晶化したが、Siで形成したそれは、約850℃以上の温度でなければ結晶化しなかった。厳密には、約800℃程度から、結晶化が少しづつ起こり始めたが、完全に結晶化するには数時間という長い時間が必要であった。この現象は、非晶質Si膜の平均膜厚が約8nm以下で、且つ膜表面に自然酸化膜を含む絶縁膜等が存在する場合に限られた。
【0017】
一方、平均膜厚が8nm以下であっても、表面の自然酸化膜等を希フッ酸水溶液で除去し、非晶質Si膜の酸化が起こらない雰囲気中で熱処理すれば、結晶化温度は約700℃まで低温化された。これは、自然酸化膜を除去することで表面エネルギが低下するためである。従って、Siでチャネル非晶質Si膜を形成する場合、プロセス温度の低温化を図るには、非晶質Si膜表面の自然酸化膜等を除去し、酸化膜の形成されない方法で結晶化を図ることが重要となる。我々の検討では、結晶化中の酸素濃度が100ppm以下の雰囲気であれば、約700℃の温度でも結晶化が可能であった。850℃以上の熱負荷でも問題の無いプロセスであれば、膜表面の自然酸化膜を特に除去することは無く、後工程で結晶化させることも可能である。
【0018】
上記2つの方法で形成した約3nmの多結晶Si膜の断面を、電子顕微鏡で評価した。SiHで形成した膜は、局所的な膜厚増加領域や膜が形成されない領域が多数観察されたが、Siで形成した膜には、そのような領域は全く無く平坦な連続膜であった。
【0019】
次に、チャネル多結晶Si膜105(b)を加工する際の保護膜となる5nmのSiO膜106をLP−CVD法により堆積する(図2(d))。続いて、電子線(EB)リソグラフィー及びドライエッチング法により、レジスト107をマスクとして上記SiO膜106、及び超薄膜多結晶Si膜105(b)を所望の形状に加工してチャネル層105(b)を形成した(図3)。本実施例では、上記チャネル層(b)のチャネル幅を80nmとした。
【0020】
次にCVD法により、ゲート絶縁膜108となる約20nmのSiO膜108を堆積した後、リンを含んだ多結晶Si膜109を約100m堆積した。続いて、リソグラフィー及びドライエッチング法により、上記リンドープ多結晶Si膜109を所望の形状に加工してゲート電極配線109とした(図1)。最後に、ソース線、データ線及び、ワード線の形成を行ない、64ビットの単一電子素子を作製した。
【0021】
本実施例では、上記64ビットの書き込み/消去動作を行ない、そのしきい電圧の測定を行なった。書き込み時、及び消去時のワード線電圧は、それぞれ12Vと−12Vである。また、ソース線とデータ線の電圧は0Vとした。チャネル多結晶Si膜をSiHで形成した試料は、チャネル電流が流れない測定不能のビットが多く、歩留まりは62.5%であった。この原因を検証したところ、チャネル多結晶Si膜の欠落が主原因であった。これに対し、Siで形成した試料では全ビットの動作を確認できた。
【0022】
図4に、動作したビットのしきい電圧の分布を比較して示した。チャネル多結晶Si膜をSiHで形成した試料(図4(a))は、しきい電圧のバラツキが大きく、情報の判定が不可能なビットが多数あるのに対し、Siを適用した試料は、しきい電圧のバラツキが大幅に改善された(図4(b))。具体的には、書き込み/消去後の平均しきい電圧に対して、±0.4V以内に全てのビットが納まっていた。また、同様に電荷保持時間のバラツキにおいても大幅な改善が見られた。
【0023】
更に、上記した構造を用いて、チャネル非晶質Si膜の形成条件依存性を調べた。ここでは、Siにより平均膜厚1nm〜5nmの非晶質Si膜を、堆積温度400℃〜520℃の範囲で形成し、上記した方法と同じ熱処理法により、多結晶Si膜を形成した。この後、電子顕微鏡による多結晶Si膜の断面観察、及び単一電子素子の電気的特性の評価を行なった。電子顕微鏡による観察では、何れの温度においても顕著な差は見られず、上記温度範囲においては、全て平坦な連続膜が得られた。一方、書き込み/消去後のしきい電圧のバラツキ、電荷保持時間のバラツキも同等の値であった。
【0024】
堆積温度が520℃を超える範囲についても評価を行なったが、生成速度が非常に大きいため膜厚を制御することが困難であった。従って、膜厚制御性の面から、堆積温度は520℃以下であることが望ましく、更に段差被覆性の面から堆積温度は可能な限り低いことが好ましい。
【0025】
(実施例2)
次に、チャネル層となる非晶質Si膜の結晶化方法について検討した結果を示す。チャネル非晶質Si膜の結晶化方法以外は、実施例1と同じ方法、構造である。なお、非晶質Si膜の形成にはSiを用いた。
【0026】
図5に、チャネル多結晶Si膜の結晶化方法の異なる単一電子素子の、書き込み/消去後のしきい電圧の比較を示した。図5(a)は縦型拡散炉で結晶化を行なったもの、図5(b)はランプ加熱による短時間アニール法(RTA)で結晶化を行なったものである。熱処理条件は、それぞれ窒素雰囲気による750℃、30分と850℃、1分である。ランプ加熱によるSi基板の昇温速度(ランプレート)は、40℃/秒とした。何れも、熱処理前に非晶質Si膜表面の自然酸化膜を除去し、熱処理雰囲気の酸素、水分濃度を約40ppmとした。
【0027】
図に示したように、チャネル多結晶Si膜が同じ膜厚であるにも関わらず、RTAで結晶化を行なった方が、書き込み/消去後のしきい電圧の変動量が大きく、更にそのバラツキも僅かに小さくなった。電子顕微鏡でチャネル多結晶Si膜を観察したところ、膜厚は両試料ともほぼ同じであったが、RTAによる試料の粒径は3〜5nm程度、縦型拡散炉による試料のそれは、3〜8nm程度であった。すなわち、短時間高温熱処理を行なった方が粒径が小さく、大きさのそろった結晶粒が得られた。
【0028】
更にRTAによる結晶化について、結晶化温度を700℃〜1000℃、ランプレートを10℃/秒〜70℃/秒、また熱処理時間を20秒〜120秒の範囲で検討を行なった。ここでは、非晶質Si膜表面の自然酸化膜の影響を調べるため、熱処理前に自然酸化膜を除去しない試料も準備した。この後、電子顕微鏡による結晶性の評価、及び単一電子素子の電気特性評価を行なった。
【0029】
電子顕微鏡による観察の結果、自然酸化膜のある状態で熱処理を行なった試料は、ほとんどが結晶化していなかった。僅かに、1000℃、30秒を超える熱処理を行なった試料だけが、部分的に結晶化していた。一方、自然酸化膜を除去した試料は、全て結晶化が進んでいた。また、結晶化温度が高く、ランプレートが大きいほど、大きさの揃った小さい結晶粒が得られた。
【0030】
図5(c)に950℃、30秒、ランプレート60℃/秒の熱処理を行なった試料の、書き込み/消去後のしきい電圧の分布を示した。書き込み/消去に伴う、しきい電圧の変動量が大きく、そのバラツキが小さいことが分かる。従って、書き込み/消去後のしきい電圧の変動量を大きくする上では、結晶粒が小さく、その大きさが揃う、短時間の高温熱処理が有効である。
【0031】
(実施例3)
次に、図6〜図9を用いて、本発明の第3の実施例の説明を行なう。実施例1と同様の方法により、単結晶Si基板201上に500nmのSiO膜202、及び50nmのSi膜203を形成した。続いて、モノシラン(SiH)とフォスフィン(PH)を用いたLP−CVD法により、リン(P)を4×1020/cm含んだ多結晶Si膜204を50nm堆積した後、周知のリソグラフィー及びドライエッチング技術により、上記リンドープ多結晶Si膜204を所望の形状に加工して共通ソース204(b)線、ドレイン配線204(a)を形成した。上記リンドープ多結晶Si膜204の形成は、温度630℃、圧力50Paの条件で堆積を行なった。
【0032】
次に、Siとゲルマン(GeH)を用いたLP−CVD法によりチャネル層205となる非晶質SiGe膜205(a)を約3.5nm堆積した。上記非晶質SiGe膜205(a)の形成には、150cc/分のSiと50cc/分のGeH、更にキャリアガスとして2000cc/分のNを縦型反応炉に導入し、堆積温度420℃、圧力110Paの条件で堆積を行なった(図6(b))。この後、800℃の窒素雰囲気中で60分の熱処理を行ない、上記非晶質SiGe膜205(a)を多結晶SiGe膜205(b)に変化させた(図6(c))。多結晶SiGe膜中205(b)のGeの濃度は、SiとGeHの流量比により制御できる。本実施例で形成した多結晶SiGe膜205(b)のGeの濃度は約18%であった。
【0033】
自然酸化膜が膜表面に存在するSiで形成した非晶質Si膜は、800℃、30分程度の熱処理では、完全に結晶化が終了していなかった。しかし、Geを僅かに添加することで、結晶化温度は750℃程度に低温化された。また、Siで形成した非晶質Si膜と同様に、自然酸化膜を除去することで、700℃程度でも結晶化は進むことを確認した。
【0034】
本発明のような、多結晶Si膜や多結晶SiGe膜をチャネル層とする単一電子素子においては、結晶粒の粒径、及びその膜厚の不均一性による量子閉じ込め効果を利用して電荷の保持を行なっている。従って、微視的な結晶粒の粒径及びその膜厚は、ある程度の不均一性が必要となる。SiGeの混晶膜は、Geの濃度が微視的に不均一に存在する。すなわち、同じ大きさの粒径、膜厚であっても、Ge濃度のゆらぎにより、量子閉じ込め効果が異なることになる。これは、SiGe膜中のGeの含有量により、量子準位が変化するためである。従って、Ge濃度の微視的な不均一性は、粒径や膜厚の不均一性と同様の効果があり、書き込み/消去後のしきい電圧の変動量を大きくすることができる。しかし、GeHの分圧を大きくし過ぎると、連続膜が得られないようになる。我々の検討では、Geの含有量が約30%以下の領域で、良好な結果が得られた。
【0035】
次に、チャネル層205(b)を加工する際の保護膜となる5nmのSiO膜206をLP−CVD法により堆積した(図6(c))。本実施例では、このSiO保護膜206を堆積する前にチャネル膜の結晶化を行なったが、後工程で結晶化させてもよい。次に、電子線(EB)リソグラフィー及びドライエッチング法により、上記SiO膜206及び超薄膜多結晶SiGe膜205(b)を所望の形状に加工してチャネル層205(b)を形成した(図7)。本実施例でも、上記チャネル層(b)のチャネル幅を80nmとした。
【0036】
次にCVD法により、ゲート絶縁膜208となる約20nmのSiO膜208を堆積した後、リンを含んだ多結晶Si膜209を約100m堆積した。続いて、リソグラフィー及びドライエッチング法により、上記リンドープ多結晶Si膜209を所望の形状に加工してゲート電極配線209とした(図8)。最後に、ソース線、データ線及び、ワード線の形成を行ない単一電子素子の作製を終了した。
【0037】
本実施例においても、上記単一電子素子を64ビット作製し、全ビットの書き込み/消去後のしきい電圧の測定を行なった。図9にチャネル膜をSiで作製した試料(実施例1で記載した試料)とSiとGeHで作製した試料の比較を示した。本図より、チャネル多結晶Si膜の形成にSiとGeHを適用した場合、しきい電圧のバラツキが大幅に改善され、書き込み前後の平均しきい電圧に対して、±0.4V以内に全てのビットが納まっていることが分かる。また、同様に電荷保持時間のバラツキにおいても大幅な改善が見られた。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、しきい電圧や電荷保持時間のバラツキの小さい半導体記憶素子、及び半導体記憶装置を高い歩留まりで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す平面図と断面図。
【図2】本発明の第1の実施例を示す平面図と断面図。
【図3】本発明の第1の実施例を示す平面図と断面図。
【図4】書き込み/消去後のしきい電圧分布の比較。(a)はSiHで堆積したもの、(b)はSiによるもの。
【図5】本発明の第2の実施例で作製した単一電子素子の、しきい電圧分布の比較。(a)は縦型拡散炉、(b)、(c)はRTAで熱処理した試料。
【図6】本発明の第3の実施例を示す平面図と断面図。
【図7】本発明の第3の実施例を示す平面図と断面図。
【図8】本発明の第3の実施例を示す平面図と断面図。
【図9】書き込み/消去後のしきい電圧分布の比較。(a)は多結晶Si膜、(b)は多結晶SiGe膜。
【図10】SiHによるSi膜の成長を示す概要図。
【図11】従来方法を示す平面図と断面図。
【図12】従来方法を示す平面図と断面図。
【符号の説明】
101,201−−−−−−−−−−単結晶Si基板、 102,202−−−−−−−−−−−−−熱酸化膜
103,203−−−−−−−−−−CVD−Si膜、 104(a),204(a)−−−−−−−ドレイン配線
104(b),204(b)−−−−ソース配線、 105(a)−−−−−−−−−−−−−−非晶質Si膜
105(b)−−−−−−−−−−−チャネル多結晶Si膜 205(a)−−−−−−−−−−−−−−非晶質SiGe膜
205(b)−−−−−−−−−−−チャネル多結晶SiGe膜
206−−−−−−−−−−−−−−CVD−SiO膜(保護膜)
207−−−−−−−−−−−−−−レジストマスク
208−−−−−−−−−−−−−−CVD−SiO膜(保護膜)
209−−−−−−−−−−−−−−ゲート電極配線。

Claims (11)

  1. 基板上に絶縁膜を形成する工程と、該絶縁膜上に多結晶シリコンによりソース・ドレイン領域を形成する工程と、該ソース・ドレイン領域に接続するようにチャネル領域を形成する工程とを少なくとも有し、チャネル領域近傍にキャリア閉じ込め領域を有する半導体記憶素子で、該キャリア閉じ込め領域にキャリアを保持することにより、前記半導体記憶素子のしきい値を変化させて情報を記憶する半導体記憶素子の製造方法において、該チャネル領域の形成においては、ジシラン(Si 2 6 )を用いた化学気相成長法により非晶質Si膜を形成する工程と、該非晶質Si膜を熱処理して多結晶Si膜に変換する工程とを少なくとも含んでいることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  2. 基板上に絶縁膜を形成する工程と、該絶縁膜上に多結晶シリコンによりソース・ドレイン領域を形成する工程と、該ソース・ドレイン領域に接続するようにチャネル領域を形成する工程とを少なくとも有し、チャネル領域近傍にキャリア閉じ込め領域を有する半導体記憶素子で、該キャリア閉じ込め領域にキャリアを保持することにより、前記半導体記憶素子のしきい値を変化させて情報を記憶する半導体記憶素子の製造方法において、該チャネル領域の形成においては、ジシラン(Si 2 6 )を用いた化学気相成長法により非晶質Si膜を形成する工程と、該非晶質Si膜表面の自然酸化膜を除去する工程と、該非晶質Si膜を熱処理して多結晶Si膜に変換する工程とを少なくとも含んでいることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  3. 基板上に絶縁膜を形成する工程と、該絶縁膜上に多結晶シリコンによりソース・ドレイン領域を形成する工程と、該ソース・ドレイン領域に接続するようにチャネル領域を形成する工程とを少なくとも有し、チャネル領域近傍にキャリア閉じ込め領域を有する半導体記憶素子で、該キャリア閉じ込め領域にキャリアを保持することにより、前記半導体記憶素子のしきい値を変化させて情報を記憶する半導体記憶素子の製造方法において、該チャネル領域の形成においては、ジシラン(Si 2 6 )とゲルマン(GeH 4 )を用いた化学気相成長法により非晶質SiGe混晶膜を形成する工程と、該非晶質SiGe混晶膜を熱処理して多結晶SiGe混晶膜に変換する工程とを少なくとも含んでいることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  4. 基板上に絶縁膜を形成する工程と、該絶縁膜上に多結晶シリコンによりソース・ドレイン領域を形成する工程と、該ソース・ドレイン領域に接続するようにチャネル領域を形成する工程とを少なくとも有し、チャネル領域近傍にキャリア閉じ込め領域を有する半導体記憶素子で、該キャリア閉じ込め領域にキャリアを保持することにより、前記半導体記憶素子のしきい値を変化させて情報を記憶する半導体記憶素子の製造方法において、該チャネル領域の形成においては、ジシラン(Si 2 6 )とゲルマン(GeH 4 )を用いた化学気相成長法により非晶質SiGe混晶膜を形成する工程と、該非晶質SiGe混晶膜表面の自然酸化膜を除去する工程と、上記非晶質SiGe混晶膜を熱処理して多結晶SiGe混晶膜に変換する工程とを少なくとも含んでいることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4記載の半導体記憶素子の製造方法において、非晶質Si膜、又は非晶質SiGe混晶膜の形成温度が500℃以下であることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  6. 請求項1記載の半導体記憶素子の製造方法において、非晶質Si膜を多結晶Si膜に変換する熱処理温度が850℃以上であることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  7. 請求項2及び4記載の半導体記憶素子の製造方法において、非晶質Si膜、又は非晶質SiGe混晶膜を多結晶膜に変換する熱処理温度が700℃以上であることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  8. 請求項7記載の半導体記憶素子の製造方法において、非晶質Si膜、又は非晶質SiGe混晶膜を多結晶膜に変換する熱処理法として、短時間ランプ加熱法を用いることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  9. 請求項2、4及び8記載の半導体記憶素子の製造方法において、非晶質Si膜、又は非晶質SiGe混晶膜を多結晶膜に変換する熱処理雰囲気中の酸素濃度が、100ppm以下であることを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  10. 請求項1〜4記載の半導体記憶素子の製造方法において、チャネル領域の形成においては平均膜厚が5nm以下の連続膜として形成することを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
  11. 請求項3および4記載の半導体記憶素子の製造方法において、多結晶SiGe混晶膜形成は該膜中のGe濃度が30%以下となるように形成することを特長とする半導体記憶素子の製造方法。
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