JP3610138B2 - 低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、単一硬度又は異硬度フォームに適したフォームの硬さ(以下、単に硬度という)を有する低密度軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法、およびこの方法により得られる軟質ポリウレタンフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
軟質ポリウレタンフォームは、一般に低密度で優れた弾性を有するという特性を生かして、家具、寝具、自動車用シートなどの部材に広く利用されている。特に、自動車用部材の分野では、シートの軽量化、低コスト化のため、ウレタンフォーム自体の軽量化および低密度化が検討されている。
一方、自動車分野では、快適な乗り心地が重視され、シート用のウレタンフォームにも高弾性、高耐久性が要求されている。
従来、低密度で高耐久性のウレタンフォームを得るため、自動車シート用ウレタンフォームは、160〜200℃程度の高い硬化温度で成形するホットキュアモールド法により主に製造されていた。しかし、近年、シートクッション用ウレタンフォームの高弾性化の要求に伴って、高弾性原料を使用したコールドキュアモールド法が、シートクッションの成形に広く利用されている。
このコールドキュア法は、ホットモールド法での高い硬化温度を必要とせず、製造に伴うフォームロスが少ないため、フォーム製造の作業環境を保全し、製造コストを低減する上で有利である。また、コールドキュア法で成形されるシートクッション用の高弾性フォームは、ホットモールドフォームに必須の難燃剤を全く使用しなくても、自動車シートで広く実施される難燃性試験(F−MVSS 302)の難燃性基準を満たすとともに、フォーム密度が十分高く、高弾性が要求されるシートクッションに関しては、材料コストの点でもホットモールドフォームと同等となる。
【0003】
このように、シートクッションには、コールドキュア法による高弾性フォームが使用されているものの、比較的高い弾性が要求されず、より低密度化が要求されるシート用バックレスト材(背もたれ材)には、コールドキュア法によるフォームは使用されるには至っていない。その理由として、▲1▼バックレスト材は、弾性の点で、ホットキュアモールドフォームの性能で十分であるとされていること、▲2▼バックレスト材に要求される低い密度レベル(25〜30kg/m)では、コールドキュアフォームの耐久性、特に湿熱永久歪みが劣化すること、▲3▼難燃剤を添加しないと、難燃性基準を充足できない場合があること、▲4▼低密度レベルでは、十分な硬度が得られず、一般的なバックレスト用フォームの硬度(JISK 6401のILDにおいて、7〜12kgf/314cm )を満たすことができないこと、▲5▼要求される低密度を達成するため発泡剤である水の使用量を多くすると、フォームの成形不良が生じることなどが挙げられる。
【0004】
また、コールドキュア法による異硬度フォームでは、硬度が20kgf/314cm程度の高硬度部位のフォームを、密度35kg/m 以下の低密度に成形することが困難である。そのため、一般的に機械物性が低下し、湿熱永久歪み率が大きくなり、しっとりした感触のフォームが製造できなくなる。
【0005】
特公平7−62061号公報には、ポリエーテルポリオールと、有機ポリイソシアネートとを、ヘキサヒドロ−s−トリアジン触媒、フォーム安定剤および発泡剤の存在下に反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法が開示されている。特公平7−62062号公報には、低い密度レベルで良好な成形性を有するコールドキュアフォームの製造方法として、特定のポリエーテルポリオール、親水性ポリヒドリック物質、ポリオール100重量部に対して4〜20重量部という非常に高い使用レベルの水、有機ポリイソシアネートを、触媒およびフォーム安定剤の存在下で反応させる低密度で軟質のポリウレタンフォームを製造する方法が開示されている。
また、特開平7−157705号公報には、低密度化に伴って難燃性が低下するのを抑制するため、耐熱性を有する塩素化アルカンを添加する方法が提案されている。
【0006】
永久歪みが小さく、密度45kg/m 以下の軟質ポリウレタンフォームを製造する方法として、特開平7−165862号公報には、ポリオールと有機ポリイソシアネートと水とを触媒の存在下で反応させる方法において、高分子ポリオールと、グリセリン1モルにエチレンオキシドが1〜8モル付加した2級水酸基を有する低分子ポリオールで構成されたポリオールを用いることが提案されている。特開平7−90045号公報には、ポリオールと有機ポリイソシアネートと水とを触媒の存在下で反応させる方法において、活性水素当量が1300〜10000の高分子ポリオールと、分子中に少くとも4個の活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加した活性水素当量が26〜500のポリエーテルポリオールとで構成されたポリオールを用い、反発弾性率が大きく、永久歪みが小さな密度40kg/m 以下の軟質ポリウレタンフォームを製造する方法が提案されている。
【0007】
さらに、特公平6−86514号公報には、ポリオール、架橋剤、触媒、整泡剤、発泡剤、その他の助剤からなる混合物をポリイソシアネートと反応させる方法において、末端に活性水素を有する非アミン系の4官能化合物1モルにエチレンオキサイド2〜10モルが付加した架橋剤を、ポリオールの総量100重量部に対して1〜10重量部添加することにより、軟質高弾性のポリウレタンフォームの耐湿熱老化性を改良する方法が開示されている。
【0008】
しかし、これらの方法では、バックレスト材に要求されるフォーム密度を達成するため、水の使用レベルを高めて低密度とすると、湿熱永久歪みが大きくなり易い。また、高い水の使用レベルにより湿熱永久歪みが改善されたコールドキュアによるフォームと、ホットモールドフォームとを、ホットモールドフォームにより達成できる密度レベルで比較すると、ホットモールドフォームよりもコールドフォームの湿熱永久歪みが大きく、コールドフォームの特色を生かすことができない。また、難燃剤の使用により実質的に難燃性が付与されている。
このように、コールドキュア法は多くの利点を有するにも拘らず、従来のホットキュアモールド法と比較すると、ウレタンフォームが低密度化するにつれて、軟質で高弾性のウレタンフォームが得られるというコールドキュア法の利点が損なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、低密度であっても湿熱永久歪みが小さな高弾性軟質ポリウレタンフォームを製造できる方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、難燃剤を添加することなく高い難燃性を有する高弾性の軟質ポリウレタンフォームを製造できる方法を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、25〜35kg/mと低密度であるにも拘らず、耐湿熱永久歪みを含めて耐久性が改善され、十分な硬度を有する高弾性の軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、水の使用量を多くしても、円滑に高弾性の軟質フォームを得ることができる方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、特定の低分子ポリオールからなる架橋剤と特定のポリオールとを含むポリオール成分を用いると、前記課題を解決できることを見いだし、この知見に基づいてさらに検討し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明の方法では、(A)ポリオール成分と(B)水と(C)有機ポリイソシアネートとを、(D)触媒の存在下に反応させ、軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、前記(A)ポリオール成分が、(A1)平均官能基数2.5以上、水酸基価15〜70mgKOH/g、エチレンオキシド含有量5〜35重量%のポリオールと、(A2)下記式
1[(OCH2CH2n−OH]m
(式中、R1は、m個のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ化合物の残基、mは3〜5の範囲の平均官能基数を示す。nは0〜2の範囲の平均エチレンオキシド付加モル数を示し、mにより異なっていてもよい)
で表され、水酸基価が600〜2000mgKOH/gである低分子ポリオールと、(A3)下記式
2[(OCH2CH2p−OH]q
(式中、R2は、q個のヒドロキシル基を有し、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、脂環族ポリヒドロキシ化合物および芳香族ポリヒドロキシ化合物から選ばれたポリヒドロキシ化合物の残基、qは2〜6の範囲の平均官能基数を示す。pは9〜35の範囲の平均エチレンオキシド付加モル数を示し、qにより異なっていてもよい)
で表され、水酸基価が40〜150mgKOH/g,エチレンオキシド含有量が50〜100重量%であるポリオール(但し、ヒドロキシ当量が800〜5000のポリオールを除く)とで構成することにより、低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームを製造する。
この方法において、ポリオール(A1)には、ポリエーテルポリオール、重合体ポリオールなどが含まれ、低分子ポリオール(A2)には、グリセリン、ジグリセリンおよびこれらのエチレンオキシド付加体から選択された少くとも一種が含まれる。ポリオール(A3)は、芳香族ポリヒドロキシ化合物(2価フェノール類など)にエチレンオキシドが付加した付加体で構成してもよい。
本発明の方法には、イソシアネートインデックスが100であるとき、ポリオール(A1)、低分子ポリオール(A2)、ポリオール(A3)、水(B)および有機ポリイソシアネート(C)を特定の割合で用いる方法も含まれる。
さらに本発明の方法には、(A1)平均官能基数2.5〜5、水酸基価20〜60mgKOH/g、エチレンオキシド含有量10〜30重量%のポリエーテルオール又は重合体ポリオール100重量部に対して、(A2)グリセリン又はジグリセレン1モルに対してエチレンオキサイド0〜2モルが付加した低分子ポリオール1〜6重量部、(A3)2価フェノール類にエチレンオキシド9〜35モルが付加し、水酸基価が40〜120mgKOH/gであるポリエーテルポリオール1〜6重量部と、(B)水3〜6重量部と、(C)芳香族ポリイソシアネートとを、イソシアネートインデックス80〜120で、(D)触媒および(E)整泡剤の存在下に反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法も含まれる。
本発明は、前記方法により得られる軟質ポリウレタンフォームも提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の方法では、(A)ポリオール成分と(B)水と(C)有機ポリイソシアネートとを、(D)触媒の存在下に反応させ、軟質ポリウレタンフォームを製造する。以下に、各成分について説明する。
【0016】
[ポリオール成分]
(A)ポリオール成分は、(A1)エチレンオキシド含有量5〜35重量%のポリオール、(A2)低分子ポリオール及び(A3)ポリオールで構成されている。
[ポリオール(A1)]
前記ポリオール(A1)の平均官能基数は、2.5以上(例えば、2.5〜8)、好ましくは2.5〜5(例えば、2.5〜4)程度であり、水酸基価は、15〜70mgKOH/g、好ましくは20〜60mgKOH/g、さらに好ましくは20〜45mgKOH/g(例えば、25〜45mgKOH/g)程度である。水酸基価が15mgKOH/g未満では、ポリウレタンフォームの円滑な製造が困難であるとともに、商業的に入手が困難である場合が多く、フォームの硬度が低下しやすい。一方、水酸基価が70mgKOH/gを越えると、ポリウレタンフォームの反発弾性率が低下しやすく、湿熱永久歪みが大きくなり易い。
【0017】
前記ポリオール(A1)のエチレンオキシド含有量は、5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは10〜25重量%(例えば、10〜20重量%)程度である。さらに、前記ポリオール(A1)の末端1級水酸基の割合は、例えば、65%以上(例えば、65〜90%)、好ましくは65〜85%程度である。
【0018】
このようなポリオールとしては、ポリウレタンの製造に用いられる慣用のポリエーテルポリオール、このポリオール中でビニル単量体を重合することにより得られる重合体ポリオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールには、1分子中に2以上の活性水素原子、特に少くとも3以上の活性水素原子を有する化合物(例えば、アルコール類、アミン類、アンモニアなど)を開始剤として、アルキレンオキサイドが付加した付加体が含まれる。これらの活性水素原子を有する化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0019】
前記アルコール類としては、例えば、2価アルコール類(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのC2−10アルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、ポリエステルジオールなど)、3価アルコール類(例えば、グリセリン、トリメチルロールプロパン、トリメチロールエタンなど)、4価アルコール類(例えば、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタンなど)、6価アルコール類(例えば、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなど)、8価アルコール類(例えば、ショ糖など)、ポリエステルポリオールなどの多価アルコール類が挙げられる。
【0020】
前記ポリエステルジオール及びポリエステルポリオールは、慣用の方法、例えは、前記ポリオール類と、ポリカルボン酸類(例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸などの脂肪族多価カルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族多価カルボン酸など)との反応により生成するポリエステルポリオール、ラクトン類(ε−カプロラクトン、ブチロラクトンなど)の開環重合により生成するポリエステルポリオール、前記ポリオール類とポリカルボン酸との反応により生成するポリエステルポリオールとラクトン類との反応により得られるポリエステルポリオールなどが含まれる。
【0021】
アミン類には、例えば、2価アミン類(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、アニリンなど)、3価アミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)、4価アミン類(例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などの多価アミン類が挙げられる。
【0022】
アルキレンオキサイドには、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−及び2,3−ブチレンオキサイドなどのC2−4 アルキレンオキサイドが含まれる。これらのアルキレンオキサイドは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアルキレンオキサイドのうち、少くともエチレンオキサイドを用いるのが好ましく、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを組み合わせて使用する場合が多い。プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを併用する場合、アルキレンオキサイドの付加形式はランダム又はブロック付加のいずれであってもよい。
【0023】
前記重合体ポリオールは、前記ポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニル単量体をラジカル重合させた安定な分散体であり、ビニル単量体には、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル単量体、スチレン,α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル、メタクリル酸メチルなどのアクリル系単量体、酢酸ビニルなどのビニルエステルなどが含まれる。これらのビニル単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。好ましいビニル単量体には、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル、スチレンなどの芳香族ビニルなどが含まれる。重合体ポリオール中のビニル重合体の含量は、例えば、10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%程度である。
【0024】
高い硬度および機械的強度を有し、永久歪みや湿熱永久歪みを小さくするめ他には、重合体ポリオール、特に平均水酸基価20〜45mgKOH/g、末端第1級水酸基含有量65%以上の重合体ポリオールを用いるのが有利である。
【0025】
[架橋剤としての低分子ポリオール(A2)]
架橋剤としての低分子ポリオール(A2)は、下記式で表すことができる。
[(OCHCH−OH]
(式中、R は、m個のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ化合物の残基、mは3〜5の範囲の平均官能基数を示す。nは0〜2の範囲の平均エチレンオキシド付加モル数を示し、mにより異なっていてもよい)
前記式において、R は、R (OH) で表されるポリヒドロキシ化合物の残基であり、芳香族又は脂環族ポリヒドロキシ化合物の残基であってもよいが、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の残基である場合が多い。また、mは3〜5(特に3〜4)の範囲であり、nは0〜2の範囲から選択できる。ポリヒドロキシ化合物に対するエチレンオキサイドの付加モル数nが2モルを越えると、湿熱永久歪み、難燃性が低下しやすい。
低分子ポリオール(A2)の水酸基価は、600〜2000mgKOH/g、好ましくは800〜2000mgKOH/g、さらに好ましくは600〜1950mgKOH/g程度である。
【0026】
低分子ポリオール(A2)を構成する脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが含まれる。脂肪族ポリヒドロキシ化合物は、第1級水酸基を分子中に2個以上(好ましくは3又は4個程度)有する低分子ポリオール化合物、特にグリセリン、ジグリセリンなどであるのが好ましい。また、低分子ポリオール(A2)を構成するエチレンオキサイド付加物には、グリセリン、ジグリセリンのエチレンオキシド付加物が含まれる。これらの低分子ポリオール(A2)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
低分子ポリオール(A2)において、第2級水酸基の割合は、0〜70%、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは25〜55%程度である。
【0027】
架橋剤としての低分子ポリオール(A2)の使用量は、ポリウレタンフォームの耐久性などを損なわない範囲で選択でき、例えば、ポリオール(A1)100重量部に対して1〜7重量部、好ましくは1〜6重量部程度であり、2〜5(例えば、2〜4)重量部程度である場合が多い。架橋剤(A2)の使用量が1重量部未満であると、湿熱永久歪みが大きく、難燃性が低下しやすく、7重量部を越えると、フォーム成形が不安定になりやすく、発泡過程でフォームが崩壊する場合がある。
【0028】
前記架橋剤(A2)は、他の架橋剤(低分子ポリオール)と組み合わせて使用してもよい。架橋剤(A2)と併用可能な架橋剤には、活性水素原子を分子中に2個以上(好ましくは3又は4個程度)有する慣用の低分子架橋剤、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの、モノ−,ジ又はトリ(ヒドロキシC1−4 アルキル)アミン類などの活性水素原子を分子中に2個以上(好ましくは3又は4個程度)有する低分子ヒドロキシアルキルアミンなどが含まれる。また、これらの併用可能な低分子架橋剤には、架橋剤(A2)と同様に、低分子架橋剤1モルに対してエチレンオキサイド0〜2モル程度が付加していてもよい。
【0029】
なお、複数の架橋剤(A2)を用いたり、架橋剤(A2)と他の架橋剤とを併用する場合、架橋剤において、「m」の平均値は、例えば、2.5〜4.5、好ましくは3〜4程度であり、「n」の平均値は、例えば、0〜3、好ましくは0〜2.5程度であってもよい。
【0030】
[ポリオール(A3)]
ポリオール(A3)は、下記式で表すことができる。
[(OCHCH−OH]
(式中、R は、q個のヒドロキシル基を有し、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、脂環族ポリヒドロキシ化合物および芳香族ポリヒドロキシ化合物から選ばれたポリヒドロキシ化合物の残基、qは2〜6の範囲の平均官能基数を示す。pは9〜35の範囲の平均エチレンオキシド付加モル数を示し、qにより異なっていてもよい)
前記式において、R は、R (OH) で表されるポリヒドロキシ化合物の残基であり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物(直鎖状脂肪族ジオール化合物など)、脂環族ポリヒドロキシ化合物や芳香族ポリヒドロキシ化合物の残基、特に芳香族ポリヒドロキシ化合物の残基である場合が多い。また、qは2〜6(好ましくは2〜4、特に2〜3)の範囲であり、pは9〜35(好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20)の範囲から選択できる。
【0031】
ポリオール(A3)の基剤(開始剤)であるポリヒドロキシ化合物としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物[例えば、2価アルコール類(エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖C2−6 アルキレングリコール)、3価アルコール類(例えば、グリセリン、トリメチルロールプロパン、トリメチロールエタンなど)、4価アルコール類(例えば、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタンなど)、6価アルコール類(例えば、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなど)]、脂環族ポリヒドロキシ化合物(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの第1級水酸基を有する脂環族2価アルコール類など)、芳香族ポリヒドロキシ化合物(例えば、レゾルシノール、ヒドロキノン、カテコール、2,4−ジヒドロキシトルエン、2,6−ジヒドロキシトルエン、1,3−キシリレン−3,6−ジオールなどの2価フェノール類、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオールなどの2価ナフトール類、ピロガロール、オキシヒドロキノン、フロログリシンなどの3価フェノール類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどビスフェノール類など)が挙げられる。これらの基剤は単独で又は二種以上組み合わせて、エチレンオキサイドとの付加体とすることができる。
好ましいポリヒドロキシ化合物には、分子中にフェノール性水酸基を2個以上(2〜4個、特に2又は3個)有する芳香族ポリヒドロキシ化合物、特に、レゾルシノール、ヒドロキノン、カテコールなどの2価フェノール類が含まれる。
【0032】
これらのポリヒドロキシ化合物には、エチレンオキシド9〜35モルが付加し、ポリエーテルポリオールを構成している。エチレンオキサイドの付加モル数は、好ましくは10〜30モル(例えば、10〜25モル)、好ましくは10〜20モル、特に10〜15モル程度である。
ポリオール(A3)のエチレンオキシド含有量は、50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%、さらに好ましくは75〜100重量%程度である。
【0033】
前記ポリオール(A3)の水酸基価は、低密度ポリウレタンフォームの耐久性を損なわない40〜150mgKOH/g程度の範囲から選択でき、例えば、40〜140mgKOH/g(例えば、40〜120mgKOH/g)、好ましくは45〜120mgKOH/g、さらに好ましくは50〜120mgKOH/g程度である。水酸基価が40mgKOH/g未満では、湿熱永久歪みを改善できるものの、常温で固体である場合が多く、工業的実施に際して取り扱い性が低下しやすく、水酸基価が150mgKOH/gを越えると、低分子ポリオール(A2)と組み合わせても、低密度ポリウレタンフォームの湿熱永久歪みが大きくなりやすい。
【0034】
ポリオール(A3)の使用量は、ポリウレタンフォームの耐久性などに応じて選択でき、例えば、ポリオール100重量部に対して、0.5〜7重量部、好ましくは1〜6重量部、さらに好ましくは1.5〜5重量部(例えば、2〜4重量部)程度である。ポリオール(A3)の使用量が0.5重量部未満であると、架橋剤(A2)と組み合わせても、湿熱永久歪みが大きくなりやすく、使用量が7重量部を越えると、フォームの発泡過程でセルの連通化が激しく、フォームが不安定で崩壊する場合がある。
【0035】
[水]
発泡剤として機能する水の使用量は、ポリウレタンフォームの密度に応じて選択でき、例えば、ポリオール(A1)100重量部に対して3〜8重量部(例えば、3〜6重量部)、好ましくは3.5〜6重量部、さらに好ましくは4〜5重量部程度である。水の使用量が8重量部を越えると、フォームの密度は低下するものの、湿熱永久歪みが大きくなり、フォームの耐久性が低下しやすい。一方、水の使用量が3重量部未満では、通気性の高いフォームが得難く、低密度フォームの弾性が低下しやすい。
なお、本発明の方法では、水を発泡剤として用いることにより、フロン11,フロン123などの低沸点のハロゲン化炭化水素類(フッ化炭化水素類)などの発泡剤を必ずしも必要としない。
【0036】
[有機ポリイソシアネート]
有機ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートなどのトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4−フェニレンジシソシアネートなどのフェニレンジイソシアネート(PDI)、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジフェニルジイソシアネートなどのジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどのナフタレンジイソシアネート(NDI)、クルードTDI、変性TDI、クルードMDI、変性MDIなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添MDIなどの脂環族ポリイソシアネート;これらのポリメリックポリイソシアネートなどが挙げられる。これらの有機ポリイソシアネートは、単独又は二種以上併用できる。好ましい有機ポリイソシアネートには、芳香族ポリイソシアネート、特に、TDI,クルードTDI,MDI,クルードMDIなどや、TDIとMDI(又はクルードMDI)との混合物が含まれ、TDI単独のように少くともTDIを含む場合が多い。
【0037】
有機ポリイソシアネートの使用量は、イソシアネートインデックスが70〜130、好ましくは80〜120、さらに好ましくは90〜110程度となる量である。イソシアネートインデックスが70未満では、フォームの弾性や耐久性が低下しやすく、130を越えるとフォームが脆くなりやすい。
【0038】
[触媒]
触媒としては、慣用の化合物、例えば、3級アミン類(トリエチルアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどのモノアミン類、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N′−ジメチルピペラジンなどの環状アミン類、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンなどのポリアミン類など)、4級アンモニウム塩(テトラメチルヒドロキシアンモニウム、テトラエチルヒドロキシアンモニウムなど)、イミダゾール類(イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなど)、有機酸の金属塩(例えば、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジアセテートなど)、アルカリ金属のアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムフェノキシドなど)などが挙げられる。これらの触媒は単独で又は二種以上使用できる。これらの触媒のうち、3級アミン類、イミダゾール類や有機酸の錫又はアンチモン塩を用いる場合が多い。
【0039】
触媒の使用量は、フォームの生産性などに応じて選択でき、例えば、ポリオール(A1)100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2.5重量部程度である。
【0040】
[整泡剤]
本発明の方法において、必要により整泡剤(E)を使用できる。整泡剤としては、ポリウレタンに使用される慣用の化合物、例えば、ジメチルシロキサン系整泡剤(シリコーン系整泡剤)が挙げられる。ジメチルシロキサン系整泡剤は、例えば、日本ユニカー(株)から商品名「L−5366」、「L−5309」、「SZ−1311」、「SZ−1313」として入手でき、トーレシリコン(株)から商品名「SRX−274C」、ゴールドシュミット(株)から商品名「B−4113」として入手できる。
整泡剤の使用量は、フォーム成形性に応じて選択でき、例えば、ポリオール(A1)100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部程度である。
【0041】
なお、前記成分で構成された組成物には、必要に応じて種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤などの安定剤、乳化剤、防黴剤、離型剤などを添加してもよい。
【0042】
[製造方法]
高弾性で低密度のポリウレタンフォームは、前記ポリオール成分(A)および水(B)と、有機ポリイソシアネート(C)とを、触媒(D)および必要に応じて整泡剤(E)の存在下に撹拌混合して反応させ、発泡させることにより得ることができる。前記ポリオール成分(A)および水(B)の混合液には、触媒(D)および整泡剤(E)を含有させ、有機ポリイソシアネート(C)と反応させる場合が多い。ポリウレタンフォームは、慣用のスラブ法やホットキュア法でも製造できるが、本発明では、前記のような種々の利点(低い硬化温度、作業環境の保全、製造コスト、難燃剤の不使用など)を有するコールドキュア法を利用して製造するのが有利である。
【0043】
このコールドキュア法において、イソシアネートインデックスが100である場合、下記式(1)で表されるフォームの分岐点密度(Db)が4.00eq/m 以上(例えば、5〜30eq/m )、好ましくは5〜25eq/m 、さらに好ましくは6〜25eq/m (例えば、7〜20eq/m )程度の範囲で、各成分(A1)(A2)(A3)(B)(C)を使用して反応させるのが有利である。
【0044】
【数2】
Figure 0003610138
式中、各記号の意味は次の通りである。なお、活性水素当量は、活性水素原子1個当たりのポリオール(A1)(A2)(A3)の重量(g/eq)を示し、イソシアネート当量はイソシアネート基1個当たりの有機ポリイソシアネートの重量(g/eq)を示す。
【0045】
W1:ポリオール(A1)の使用量(g)
W2:低分子ポリオール(A2)の使用量(g)
W3:ポリオール(A3)の使用量(g)
W4:水(B)の使用量(g)
W5:有機ポリイソシアネート(C)の使用量(g)
X1:ポリオール(A1)(但し、重合体ポリオールを含む場合には、ビニル単量体で形成される重合体を除くポリオール)の重量分率(重量%)
F1:ポリオール(A1)(但し、重合体ポリオールを含む場合には、ビニル単量体で形成される重合体を除くポリオール)の平均官能基数
F2:低分子ポリオール(A2)の平均官能基数
F3:ポリオール(A3)の平均官能基数
F5:有機ポリイソシアネート(C)の平均官能基数
E1:ポリオール(A1)(但し、重合体ポリオールを含む場合には、ビニル単量体で形成される重合体を除くポリオール)の活性水素当量(g/eq)
E2:低分子ポリオール(A2)の活性水素当量(g/eq)
E3:ポリオール(A3)の活性水素当量(g/eq)
E5:有機ポリイソシアネート(C)のイソシアネート当量(g/eq)
d:フォームの密度(kg/m
前記フォームの分岐点密度(Dd)は、フォームの湿熱永久歪みと難燃性を向上させる上で重要である。すなわち、Ddの値が4.00eq/m 未満では、湿熱永久歪みが大きくなり耐久性が低下しやすくなるとともに、難燃性試験(F−MVSS 302)において自己消火性が発現しない場合がある。
【0046】
本発明の方法で得られたポリウレタンフォームは、25〜35kg/m(好ましくは25〜30kg/m)程度の低密度であり、弾性が大きく(例えば、反発率58〜65%、好ましくは60〜65%程度)、硬度も7〜25kgf/314cm (好ましくは7〜22kgf/314cm )程度と高い。特に、湿熱永久歪みが15〜27%(好ましくは15〜25%)程度であり、耐久性が高いという特色がある。また、本発明のポリウレタンフォームはしっとりとした良好な感触を有する。そのため、高い弾性を有し、低密度で湿熱永久歪みが小さなことが要求される種々の発泡体の用途、例えば、自動車のバックレスト材、家具、寝具や自動車のマット材、クッション材などとして利用できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の方法では、低分子ポリオール(A2)と特定のポリオール(A3)とを組み合わせて使用するので、低密度であっても湿熱永久歪みが小さな高弾性軟質ポリウレタンフォームを製造できる。また、難燃剤を添加することなく高い難燃性を有する高弾性の軟質ポリウレタンフォームを製造できる。さらに、25〜35kg/mと低密度であるにも拘らず、十分な硬度を有する高弾性の軟質ポリウレタンフォームにおいて耐湿熱永久歪みを含めて耐久性を改善できる。さらに、水の使用量を多くしても、円滑に高弾性の軟質フォームを得ることができる。そのため、バックレスト用などの高弾性で軟質な低密度ポリウレタンフォームを、難燃剤を添加することなく、コールドキュアモールド法で製造でき、湿熱永久歪みを含めて耐久性を大きく改善できる。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
以下の実施例および比較例では下記の材料を用いた。
ポリオール( A1
A1−1:グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドが付加重合した水酸基価36mgKOH/g、エチレンオキシド含有量17重量%、末端1級水酸基含有量74.5%のポリエーテルポリオール
A1−2:グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドが付加重合した水酸基価34mgKOH/g、エチレンオキシド含有量13重量%のポリエーテルポリオール中で、アクリロニトリルをラジカル重合することにより得られた水酸基価28mgKOH/g、末端1級水酸基含有量71.3%の重合体ポリオール
低分子ポリオール( A2
A2−1:グリセリン
A2−2:グリセリン1モルにエチレンオキシド1モルが付加した水酸基価1237mgKOH/gの低分子ポリオール
A2−3:ジグリセリン
A2−4:グリセリン1モルにエチレンオキシド3モルが付加した水酸基価750mgKOH/gの低分子ポリオール
架橋剤−1:トリメチロールプロパン
架橋剤−2:モノエタノールアミン
架橋剤−3:グリセリン1モルにプロピレンオキシド1.44モルが付加した水酸基価935mgKOH/gの低分子ポリオール
架橋剤−4:ジエチレングリコール
ポリオール(A3)
A3−1:レゾルシンにエチレンオキシドが付加し水酸基価105mgKOH/gのポリオール
A3−2:カテコールにエチレンオキシドが付加した水酸基価105mgKOH/gのポリオール
a3:水酸基価105mgKOH/gのポリオキシプロピレングリコール
整泡剤
整泡剤−1:日本ユニカー(株)製,シリコン整泡剤「L−5366」
整泡剤−2:日本ユニカー(株)製,シリコン整泡剤「L−5309」
整泡剤−3:ゴールドシュミット社製,シリコン整泡剤「B−4113」
触媒
アミン触媒−1:ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテルを70重量%の濃度で含むジプロピレングリコール溶液
アミン触媒−2:トリエチレンジアミンを33重量%の濃度で含むジプロピレングリコール溶液
有機ポリイソシアネート
イソシアネート−1:2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの異性体比が80/20であるTDI混合物
イソシアネート−2:イソシアネート−1とクルードMDIとの80/20重量比の混合物
実施例1〜6
ポリオール(A1)、低分子ポリオール(A2)、ポリオール(A3)、水、触媒および整泡剤の混合物と、有機ポリイソシアネートとを、表1に示す割合(但し、表1の倍数欄に示した値を乗じた量を使用)で用い、高速ミキサーにて混合した。混合した後、直ちに、予め62±2℃に調整したアルミ製金型(内寸400×400×70mm)へ注入し、フタを閉め、そのまま5分間保持し、発泡成形した。金型からフォームを取り出し、クラッシング操作を行ない、JIS K 6301、およびJIS K 6401に準じて、得られたポリウレタンフォームの特性を測定した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003610138
表1の実施例1〜5から明らかなように、密度25〜30kg/m で、硬度7〜12kgf/314cm となるとともに、湿熱永久歪みが、自動車のバックレスト用ウレタンフォームの基準値である25%以下となり、難燃性試験(F−MVSS 302)でも自己消火性となった。また、実施例6のポリウレタンフォームは、密度35kg/m以下でも高硬度のフォームが得られ、湿熱永久歪みが小さく、高い難燃性を示した。
【0050】
比較例1
実施例1において低分子ポリオール(A2)を使用することなく、水の使用量を4.6重量部とするとともに、イソシアネートインデックスを実施例1と同様に100とするため有機ポリイソシアネートの使用量を50.2重量部とする以外、実施例1と同様にしたポリウレタンフォームを得た。
【0051】
比較例2
実施例1においてポリオール(A3)を使用することなく、水の使用量を4.6重量部、イソシアネートインデックスを実施例1と同様に100とするため、イソシアネートの使用量を58.2重量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。
【0052】
比較例3
実施例1において低分子ポリオール(A2)に代えて架橋剤−4を用い、イソシアネートインデックスを実施例1と同様に100とするためイソシアネートの使用量を54.2重量部とした以外は、実施例1と同様にしたポリウレタンフォームを得た。
【0053】
比較例4
実施例1においてポリオール(A3)に代えてポリオール(a3)を使用し、イソシアネートインデックスを実施例1と同様に100とするためイソシアネートの使用量を57.8重量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを得た。
【0054】
比較例5
実施例6において、ポリオール(A3)、架橋剤−3を用いることなく、低分子ポリオール(A2−4)をポリオール100重量部に対して6重量部使用し、イソシアネートインデックスを実施例6と同様に105とするためイソシアネートの使用量を51.0重量部とした以外は、実施例6と同様にしてポリウレタンフォームを得た。
【0055】
そして、前記と同様にしてポリウレタンフォームの特性を測定したところ、表2に示す結果を得た。
【0056】
【表2】
Figure 0003610138
表2から明らかなように、比較例で得られたポリウレタンフォームは、いずれも湿熱永久歪みが30%を越え、耐久性が劣る。また、比較例1,3のポリウレタンフォームは、難燃性試験で自己消火性とならなかった。

Claims (12)

  1. (A)ポリオール成分と(B)水と(C)有機ポリイソシアネートとを、(D)触媒の存在下に反応させ、軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、前記(A)ポリオール成分が、(A1)平均官能基数2.5以上、水酸基価15〜70mgKOH/g、エチレンオキシド含有量5〜35重量%のポリオールと、(A2)下記式
    1[(OCH2CH2n−OH]m
    (式中、R1は、m個のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ化合物の残基、mは3〜5の範囲の平均官能基数を示す。nは0〜2の範囲の平均エチレンオキシド付加モル数を示し、mにより異なっていてもよい)
    で表され、水酸基価が600〜2000mgKOH/gである低分子ポリオールと、(A3)下記式
    2[(OCH2CH2p−OH]q
    (式中、R2は、q個のヒドロキシル基を有し、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、脂環族ポリヒドロキシ化合物および芳香族ポリヒドロキシ化合物から選ばれたポリヒドロキシ化合物の残基、qは2〜6の範囲の平均官能基数を示す。pは9〜35の範囲の平均エチレンオキシド付加モル数を示し、qにより異なっていてもよい)
    で表され、水酸基価が40〜150mgKOH/g,エチレンオキシド含有量が50〜100重量%であるポリオール(但し、ヒドロキシ当量が800〜5000のポリオールを除く)とで構成されている低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. ポリオール(A1)が、ポリエーテルポリオール又は重合体ポリオールであり、平均水酸基価が20〜60mgKOH/g、末端第1級水酸基含有量が65%以上である請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 低分子ポリオール(A2)が、グリセリン、ジグリセリンおよびこれらのエチレンオキシド付加体から選択された少くとも一種である請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 低分子ポリオール(A2)の割合が、ポリオール(A1)100重量部に対して1〜7重量部である請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. ポリオール(A3)が、芳香族ポリヒドロキシ化合物にエチレンオキシドが付加した付加体で構成されている請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. ポリオール(A3)が、2価フェノール類にエチレンオキシドが付加した付加体で構成され、水酸基価が35〜140mgKOH/gである請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  7. ポリオール(A3)の割合が、ポリオール(A1)100重量部に対して0.5〜7重量部である請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  8. 水(B)の割合が、ポリオール(A1)100重量部に対して、3〜8重量部である請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  9. ポリオール(A1)、低分子ポリオール(A2)、ポリオール(A3)、水(B)および有機ポリイソシアネート(C)を、イソシアネートインデックスが100であるとき、下記式(1)で示されるフォームの分岐点密度(Db)が、4.00eq/m3以上の範囲で用いる請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
    Figure 0003610138
    式中、W1はポリオール(A1)の使用量(g)、
    W2は低分子ポリオール(A2)の使用量(g)、
    W3はポリオール(A3)の使用量(g)、
    W4は水(B)の使用量(g)、
    W5は有機ポリイソシアネート(C)の使用量(g)、
    X1はポリオール(A1)(但し、重合体ポリオールを含む場合には、ビニル単量体で形成される重合体を除くポリオール)の重量分率(重量%)、
    F1はポリオール(A1)(但し、重合体ポリオールを含む場合には、ビニル単量体で形成される重合体を除くポリオール)の平均官能基数、
    F2は低分子ポリオール(A2)の平均官能基数、
    F3はポリオール(A3)の平均官能基数、
    F5は有機ポリイソシアネート(C)の平均官能基数、
    E1はポリオール(A1)(但し、重合体ポリオールを含む場合には、ビニル単量体で形成される重合体を除くポリオール)の活性水素当量(g/eq)、
    E2は低分子ポリオール(A2)の活性水素当量(g/eq)、
    E3はポリオール(A3)の活性水素当量(g/eq)、
    E5は有機ポリイソシアネート(C)のイソシアネート当量(g/eq)、
    dはフォームの密度(kg/m3 )を示し、
    活性水素当量は、活性水素原子1個当たりのポリオール(A1)(A2)(A3)の重量(g/eq)を示し、イソシアネート当量はイソシアネート基1個当たりの有機ポリイソシアネートの重量(g/eq)を示す。
  10. さらに(E)整泡剤の存在下で反応させる請求項1記載の低密度高弾性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  11. (A1)平均官能基数2.5〜5、水酸基価20〜60mgKOH/g、エチレンオキシド含有量10〜30重量%のポリエーテルポリオール又は重合体ポリオール100重量部に対して、(A2)グリセリン又はジグリセリン1モルに対してエチレンオキサイド0〜2モルが付加した低分子ポリオール1〜6重量部、(A3)2価フェノール類にエチレンオキシド9〜35モルが付加し、水酸基価が40〜120mgKOH/gであるポリエーテルポリオール1〜6重量部と、(B)水3〜6重量部と、(C)芳香族ポリイソシアネートとを、イソシアネートインデックス80〜120で、(D)触媒および(E)整泡剤の存在下に反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  12. 請求項1記載の方法により得られる軟質ポリウレタンフォーム。
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