JP3609949B2 - サーマルプリンタ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の色層からなる多色感熱紙に印字処理を行うサーマルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
多色感熱紙として例えば2色感熱紙があるが、この2色感熱紙としてはさらに消色型と加色型がある。この加色型の感熱紙は台紙上に赤発色層、黒発色層が重なって構成される。消色型の感熱紙は図7に示すように台紙101上に黒発色層102、消色層103、赤発色層104が重なって構成される。また、表面には長期保存や黄ばみ防止等のためのコーティング層105が形成される。このコーティング層105は加色型についても形成されている。
【0003】
このような2色感熱紙の発色特性を図8に示す。同図中、縦軸に発色の度合、横軸に感熱紙に与える熱エネルギ量をとっている。また、グラフy1 は赤色を発色する発色層、グラフy2 は黒色を発色する発色層の特性である。例えば、赤色は熱エネルギ量EA で適性な発色となるのに対して、黒色は熱エネルギ量EA とEB の間くらいのところから発色し始め、熱エネルギ量EB 以上で適性な発色となる。このように黒色の発色層は、黒色が発色し始めてから適性な発色になるまで比較的広い発色領域を有する特性をもつ。
【0004】
このような特性があるため、サーマルプリンタでこのような2色感熱紙に印字出力を行う場合には、低い熱エネルギ量EA を与えて赤色を発色させ、高い熱エネルギ量EB を与えて黒色を発色させるような制御で印字出力を行う。
【0005】
この際、サーマルラインヘッド106を図9に示すように左右の2領域で出力する熱エネルギ量を変えて印字を行うものがある。すなわち、左側部分106aは低い熱エネルギ量で印字出力を行って、右側部分106bは高い熱エネルギ量で印字出力を行う。このような印字出力により、2色感熱紙の左半分に印字した文字「A」は赤色に発色し、右半分に印字した文字「B」は黒色に発色する。
【0006】
また、サーマルラインヘッド106を2領域に分けずに、高い熱エネルギ量で印字するものと低い熱エネルギ量で印字するものに分けて印字を行うものもある。すなわち、図10に示すように最初は赤色に印字する部分のみ(図10では文字「A」)を低い熱エネルギ量で印字出力を行った後、続いて黒色に印字する部分のみ(図10では文字「B」)を高い熱エネルギ量で印字出力を行う。
【0007】
ところが、上述したいずれのものにおいても、高いエネルギ量で発色する発色層を印字する場合は、サーマルラインヘッド106を高いエネルギ量で駆動させる必要があるので、サーマルラインヘッド106の耐久性が低下したり、寿命が短くなったりするという問題があった。
【0008】
このため、本出願人は、印字回数を複数回に分けて低い熱エネルギ量で重ねて印字することにより高いエネルギ量を必要とする色を発色させるサーマルプリンタを提案し、出願した(特願平9−229566号、特願平10−19917号、特願平10−86727)。このサーマルプリンタを使用すれば、1回の印字で必要な熱エネルギ量を減らすことができるので、サーマルラインヘッドの寿命を延ばすことができ、ヘッドの劣化による印字品質の低下を防止できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなサーマルプリンタにおいては、サーマルラインヘッド106のうちのある発熱素子を発熱させると、隣接する発熱素子にも熱が伝わったり、感熱紙上でも熱が伝わってしまうので、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が印字しようとしたものの輪郭(印字ドットデータ上の輪郭)よりも外側に広がってしまうという問題があった。特に高い熱エネルギ量で印字する場合には、伝わる熱エネルギ量も比較的大きいため、輪郭の広がりが無視できない。
【0010】
例えば図11(b)、(c)に示すように低い熱エネルギ量EA で2回印字出力を重ねることにより高い熱エネルギ量EB で発色する発色層を発色させる場合、2回目の印字出力では1回目の印字出力の場合と同じ印字ドットデータで熱エネルギ量を与えていたので、感熱紙に与えた熱エネルギ量の総量は図11(d)に示すようになる。つまり、その発熱素子で発色させようとする(印字出力を行う)対象ドットとこれに隣接するドットとの境目で熱エネルギ量は0にはならず、隣接ドットの領域まで熱が広がって徐々に0になる。従って、隣接ドットのうち対象ドットに近い部分の熱エネルギ量は、黒色の発色領域に入ってしまうので、印字出力を行わないドットであるにもかかわらず部分的に発色する。このため、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまう。
【0011】
このような現象は、図9、図10に示すような一度に高い熱エネルギ量を与えるサーマルプリンタにおいても同様に起りうる。例えば、図12(a)に示すようにサーマルラインヘッド106のうちのある発熱素子を高い熱エネルギ量EBに発熱させるとその熱は隣接する発熱素子に伝達したり、感熱紙上で伝達したりするので、実際に感熱紙に与えられる熱エネルギ量は図12(b)に示すようになる。従って、感熱紙の隣接ドットのうち対象ドットに近い部分に与えられる熱エネルギ量は感熱紙の黒色の発色領域内に入ってしまうので部分的に発色する。従って、この場合も、隣接ドットのうち対象ドットに近い部分は発色するので、図12(c)に示すように実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまう。
【0012】
ここでは、印字出力を行う対象ドットに隣接した1ドット分が発色してしまう場合について説明したが、サーマルラインヘッド106や感熱紙の熱伝達率の大きさによっては数ドット分発色してしまうこともあり、実際に印字された画像などのイメージが所望するものと異なってしまうという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、サーマルヘッドの寿命を延ばすことができ、サーマルヘッドの劣化による印字品質の低下を防止しつつ、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまうことを防止することができるサーマルプリンタを提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、与える熱エネルギ量によって発色する色が異なる複数の発色層からなる多色感熱紙に印字ドットデータに基づき印字処理を行うサーマルプリンタにおいて、最も低い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させる場合にはその熱エネルギ量による印字処理を1回行い、その最も低い熱エネルギ量で発色する発色層よりも高い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させる場合には最も低い熱エネルギ量による印字処理を複数回重ねて行うようにし、その複数回の印字処理のうち1回は印字ドットデータ通りに印字処理を行い、その他の印字処理は、輪郭の境目における熱エネルギ量の総量が高い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させない程度になるように印字ドットデータのうち輪郭部を構成する全体のドットを削除して印字面積を小さくした印字ドットデータに基づいて印字処理を行うようにしたことにある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図6を参照して説明する。
図1は本実施の形態の要部構成を示すブロック図で、1は制御部本体を構成するCPU(中央処理装置)、2はこのCPU1が各部を制御するためのプログラムデータ等を格納したROM(リード・オンリ・メモリ)、3はデータ処理のために使用されるメモリエリア等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、4はI/O(入出力)ポート、5はI/F(インタフェース)である。上記CPU1とROM2、RAM3、I/Oポート4、I/F5とはアドレスバス、データバス、制御バス等のバスライン6により電気的に接続している。
【0016】
上記I/Oポート4には、連続した感熱紙を進み方向又は戻り方向に搬送可能な紙送りモータ7を駆動するモータドライバ8、感熱紙に熱を与える複数の発熱素子をライン状に配設してなるサーマルラインヘッド9の発熱素子をオン・オフ駆動させるヘッドドライバ10、カッタ21を駆動するカッタモータ11を駆動するモータドライバ12、その他各種操作を行うための操作パネル(図示しない)等がそれぞれ接続している。
【0017】
上記カッタ21は、図3に示すようにサーマルラインヘッド9の近傍に配置されており、サーマルラインヘッド9で印刷した感熱紙を切離すためのものである。また、I/F5にはパーソナルコンピュータ等で構成されるホスト装置15が通信回線を介して接続している。
【0018】
本実施の形態にかかるサーマルプリンタでは、図3に示すような感熱紙22を使用する。この感熱紙22は、連続した台紙22aに高い熱エネルギ量EB で適性に発色する発色層(例えば黒色)、上層の発色層の色を消す消色層、低い熱エネルギ量EA で発色する発色層(例えば赤色)、長期保存や黄ばみ防止等のためのコーティング層を重ねてなる図7に示すような感熱部22bを一定間隔おきに複数設けて構成される。これらの発色層の特性としては図8に示すものと同様である。すなわち、上記低い熱エネルギ量で発色する発色層については、最も発色が良好に行われる適性熱エネルギ量がEA (説明を簡単にするためこれを低い熱エネルギ量EA と称している)であり、高い熱エネルギ量で発色する発色層については、最も発色が良好に行われる適性熱エネルギ量がEB (説明を簡単にするためこれを高い熱エネルギ量EB と称している)である。
【0019】
この感熱紙22の感熱部22bにおいて、上記高い熱エネルギ量EB は、低い熱エネルギ量EA の約2倍である。
また、高い熱エネルギ量EB で発色する発色層を適性に発色させるためには、感熱部22bに高い熱エネルギ量EB を短時間与えるだけでなく、感熱紙22に与えた全体の熱エネルギ量がその色を発色させる高い熱エネルギ量EB に達していればよい。
従って、高い熱エネルギ量EB で発色する発色層は、低い熱エネルギ量EA で2回重ねて印字を行うことにより発色させることができることがわかる。
【0020】
さらに、もし2回目の印字出力において1回目の印字出力を行う印字ドットデータと同じデータで印字したとすると、図11(d)に示すように隣接ドットのうち対象ドットに近い部分は1回目と2回目の印字出力における熱の伝達によって感熱紙に与えられる熱エネルギ量の総量が黒色の発色領域に入ってしまうので、印字出力を行わないドットであるにもかかわらず部分的に発色する。このため、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまう。
【0021】
これを防止するには、2回目以降の印字出力においては、1回目で印字した印字ドットデータの輪郭部を構成する1又は数ドット分を削除して印字面積を小さくした印字ドットデータで印字を行うようにすればよい。こうすれば、図5に示すように高い熱エネルギ量EB で印字出力を行うドットに隣接する印字出力を行わないドットでは、1回目(図5(b))と2回目(図5(c))の印字出力における熱エネルギ量の総量は、図5(d)に示すように黒色の発色領域に入ることはなくなる。従って、高い熱エネルギ量EB で印字しようとする文字などの輪郭が広がることを防止できる。
【0022】
なお、こうして削除するドット数は、1回の印字出力で感熱紙に与える熱エネルギ量や感熱紙・サーマルラインヘッドの熱伝達率の程度などによって異なるが、2回目以降の印字出力で与える熱エネルギ量の総量が、対象ドットと隣接ドットとの境目において、黒色の発色領域に入らない程度に輪郭部を構成するドットを削除すればよい。例えば、1回目で印字する印字ドットデータが図4(a)に示すような画像の場合、この印字ドットデータの輪郭部を1ドット削除した図4(b)に示すような印字ドットデータで2回目の印字を行う。
【0023】
本実施の形態にかかるサーマルプリンタで感熱紙22に印字する場合、上記CPU1は上述した原理に基づいて図2に示すような印字処理を行うようになっている。すなわち、CPU1は先ずST(ステップ)1にて紙送りモータ7を順方向に駆動させて感熱紙22をサーマルラインヘッド9へ向けて所定の印字位置まで進み方向に搬送する。これにより、感熱紙22は図3(a)に示すような状態から同図(b)に示すような状態になる。この場合、例えばペ−パセンサによって感熱紙22の先端を検出し、そこから所定量だけ搬送してもよい。
【0024】
そして、ST2にて発色させようとする色とは無関係に図6(a)に示すようなすべての印字ドットデータ「AB」を1つの感熱部22bに低い熱エネルギ量EA で印字する。これにより、すべての印字ドットデータ 「AB」について赤色が発色する。その後、ST3にて印字した感熱部22bの分以上紙送りモータ7を逆方向に駆動して感熱紙22を戻し方向に搬送させる。これにより、感熱紙22は図3(c)に示すような状態から同図(d)に示すような状態になる。
【0025】
続いてST4にて再び紙送りモータ7を順方向に駆動させて感熱紙22をサーマルラインヘッド9へ向けて所定の印字位置まで進み方向に搬送する。これにより、感熱紙22は図3(d)に示すような状態から同図(e)に示すような状態になる。
【0026】
次に、ST5にて高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)で出力する印字ドットデータ「B」のみをST2での熱エネルギ量と同じ熱エネルギ量で重ねて印字する。この場合、ST2にて印字した印字ドットデータのうち高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)で出力する印字ドットデータ「B」のみについて、図6(b)に示すようにその輪郭部を1ドット削除した印字ドットデータを使用して印字を行う。
【0027】
これにより、高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)で出力する印字ドットデータの部分「B」については、合計で上記低い熱エネルギ量の2倍の熱エネルギ量、すなわち高い熱エネルギ量Ebを与えたことになる。従って、図3(e)又は図6(c)に示すように高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)で出力する印字ドットデータの部分「B」のみ黒色に発色し、印字ドットデータ「A」は赤色のままである。
【0028】
また、この2回目の印字では、1回目の印字で使用した印字ドットデータ「B」のみについて、その輪郭部を1ドット削除した印字ドットデータを使用するので、実際に感熱紙に与えられる熱エネルギ量の総量は、1回目の印字で与えた熱エネルギ量(図5(b))と2回目の印字で与えた熱エネルギ量(図5(c))とを加えたもの(図5(d))となり、印字結果は図5(e)に示すようになる。
【0029】
その後、カッタモータ11を駆動して感熱紙22をカットして、図3(f)に示すように印字済みの感熱部22bを感熱紙22から切離す。
【0030】
このような構成の本実施の形態においては、1回目の印字ではすべての印字ドットデータについて低い熱エネルギ量で印字を行い、2回目の印字では高い熱エネルギ量で出力する印字ドットデータのみについて1回目と同一の熱エネルギ量で、しかも印字ドットデータの輪郭部を1ドット削除した印字ドットデータを使用して重ねて印字する。これにより、1回目のみで印字した部分については低い熱エネルギ量を必要とする色(赤色)が発色し、2回目に重ねて印字した部分については高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)が発色する。
【0031】
このようにすることによって、サーマルラインヘッド9は常に低い熱エネルギ量による印字出力で複数色の印字を行うことができることから、一度に高い熱エネルギを加えるような印字出力を行う必要がなくなるため、サーマルラインヘッド9の耐久性が増し、寿命を延ばすことができ、ヘッドの劣化による印字品質の低下を防止できる。
【0032】
さらに、1回目の印字で出力した印字ドットデータの輪郭部を構成する1ドットを削除した印字ドットデータで2回目の印字を行うようにしたので、1回目の印字出力と2回目の印字出力で感熱紙に与えられた熱エネルギ量の総量は、図5(d)のようになるので、高い熱エネルギ量で印字するドットに隣接する印字出力を行わないドットにおいて熱エネルギ量の総量が黒色の発色領域に入ることはなくなる。これにより、当該隣接ドットにおいて黒色が発色することがなくなり、高い熱エネルギ量EB で印字しようとする文字や画像などの輪郭が広がることを防止できる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、1回目の印字処理において元の印字ドットデータと同じデータで印字し、2回目の印字処理において元の印字ドットデータの輪郭部を構成する1ドットを削除した新たな印字ドットデータで印字を行う場合について述べたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、1回目の印字処理において元の印字ドットデータの輪郭部を構成する1ドットを削除した新たな印字ドットデータで印字を行い、2回目の印字処理において元の印字ドットデータと同じデータで印字してもよい。
【0034】
また、本実施の形態においては、低い熱エネルギ量を必要とする色及び高い熱エネルギ量を必要とする色の2色を発色できる感熱紙22に印字するものについて述べたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、発色に必要な熱エネルギ量が異なる3つ以上の色を発色できる感熱紙22に印字するものであってもよい。
【0035】
この場合は、最も低い熱エネルギ量で発色できる色における熱エネルギ量の整数倍の熱エネルギ量で発色できる色を重ねてなる感熱紙22を使用してもよい。このような感熱紙22を使用する場合に、その色を発色させる必要な倍数の数だけ繰返して重ね印字を行うようにし、2回目以降の印字処理において印字出力を行う印字ドットデータとしては、1回目の印字処理において印字出力を行った元の印字ドットデータの輪郭部を数ドット削除した新たな印字ドットデータを使用する。これにより、高い熱エネルギ量で印字しようとする文字や画像などの輪郭が広がることを防止できる。
【0036】
さらに、この場合、複数回の印字処理のうち1回は元の印字ドットデータ通りに印字処理を行い(この1回の印字処理は1回目の印字処理に限られず、何回目の印字処理であってもよい)、その他の印字処理は元の印字ドットデータのうち輪郭部を構成するドットを削除して印字面積を小さくした新たな印字ドットデータに基づいて印字処理を行うようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、サーマルヘッドの寿命を延ばすことができ、サーマルヘッドの劣化による印字品質の低下を防止しつつ、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまうことを防止することができるサーマルプリンタを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるサーマルプリンタの構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態におけるCPUが行う印字処理を示す流れ図。
【図3】同実施の形態における作用を説明する図。
【図4】本発明の形態における原理を説明する図。
【図5】同実施の形態における印字ドットデータ、感熱紙に与えられる熱エネルギ量、印字結果の関係を説明する図。
【図6】同実施の形態における作用を説明する図で、同図(a)は1回目の印字処理で使用する印字ドットデータを示し、同図(b)は2回目の印字処理で使用する印字ドットデータを示し、同図(c)は最終的な印字結果を示すものである。
【図7】感熱紙の構成を説明する図。
【図8】図7に示す感熱紙の特性を示す図。
【図9】従来のサーマルプリンタを説明する図。
【図10】従来の他のサーマルプリンタを説明する図。
【図11】2回に分けて印字するサーマルプリンタにおける印字ドットデータ、感熱紙に与えられる熱エネルギ量、印字結果との関係を説明する図。
【図12】図9及び図10に示すサーマルプリンタにおける印字ドットデータ、感熱紙に与えられる熱エネルギ量、印字結果との関係を説明する図。
【符号の説明】
1…CPU
7…紙送りモータ
9…サーマルラインヘッド
22…感熱紙
22b…感熱部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の色層からなる多色感熱紙に印字処理を行うサーマルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
多色感熱紙として例えば2色感熱紙があるが、この2色感熱紙としてはさらに消色型と加色型がある。この加色型の感熱紙は台紙上に赤発色層、黒発色層が重なって構成される。消色型の感熱紙は図7に示すように台紙101上に黒発色層102、消色層103、赤発色層104が重なって構成される。また、表面には長期保存や黄ばみ防止等のためのコーティング層105が形成される。このコーティング層105は加色型についても形成されている。
【0003】
このような2色感熱紙の発色特性を図8に示す。同図中、縦軸に発色の度合、横軸に感熱紙に与える熱エネルギ量をとっている。また、グラフy1 は赤色を発色する発色層、グラフy2 は黒色を発色する発色層の特性である。例えば、赤色は熱エネルギ量EA で適性な発色となるのに対して、黒色は熱エネルギ量EA とEB の間くらいのところから発色し始め、熱エネルギ量EB 以上で適性な発色となる。このように黒色の発色層は、黒色が発色し始めてから適性な発色になるまで比較的広い発色領域を有する特性をもつ。
【0004】
このような特性があるため、サーマルプリンタでこのような2色感熱紙に印字出力を行う場合には、低い熱エネルギ量EA を与えて赤色を発色させ、高い熱エネルギ量EB を与えて黒色を発色させるような制御で印字出力を行う。
【0005】
この際、サーマルラインヘッド106を図9に示すように左右の2領域で出力する熱エネルギ量を変えて印字を行うものがある。すなわち、左側部分106aは低い熱エネルギ量で印字出力を行って、右側部分106bは高い熱エネルギ量で印字出力を行う。このような印字出力により、2色感熱紙の左半分に印字した文字「A」は赤色に発色し、右半分に印字した文字「B」は黒色に発色する。
【0006】
また、サーマルラインヘッド106を2領域に分けずに、高い熱エネルギ量で印字するものと低い熱エネルギ量で印字するものに分けて印字を行うものもある。すなわち、図10に示すように最初は赤色に印字する部分のみ(図10では文字「A」)を低い熱エネルギ量で印字出力を行った後、続いて黒色に印字する部分のみ(図10では文字「B」)を高い熱エネルギ量で印字出力を行う。
【0007】
ところが、上述したいずれのものにおいても、高いエネルギ量で発色する発色層を印字する場合は、サーマルラインヘッド106を高いエネルギ量で駆動させる必要があるので、サーマルラインヘッド106の耐久性が低下したり、寿命が短くなったりするという問題があった。
【0008】
このため、本出願人は、印字回数を複数回に分けて低い熱エネルギ量で重ねて印字することにより高いエネルギ量を必要とする色を発色させるサーマルプリンタを提案し、出願した(特願平9−229566号、特願平10−19917号、特願平10−86727)。このサーマルプリンタを使用すれば、1回の印字で必要な熱エネルギ量を減らすことができるので、サーマルラインヘッドの寿命を延ばすことができ、ヘッドの劣化による印字品質の低下を防止できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなサーマルプリンタにおいては、サーマルラインヘッド106のうちのある発熱素子を発熱させると、隣接する発熱素子にも熱が伝わったり、感熱紙上でも熱が伝わってしまうので、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が印字しようとしたものの輪郭(印字ドットデータ上の輪郭)よりも外側に広がってしまうという問題があった。特に高い熱エネルギ量で印字する場合には、伝わる熱エネルギ量も比較的大きいため、輪郭の広がりが無視できない。
【0010】
例えば図11(b)、(c)に示すように低い熱エネルギ量EA で2回印字出力を重ねることにより高い熱エネルギ量EB で発色する発色層を発色させる場合、2回目の印字出力では1回目の印字出力の場合と同じ印字ドットデータで熱エネルギ量を与えていたので、感熱紙に与えた熱エネルギ量の総量は図11(d)に示すようになる。つまり、その発熱素子で発色させようとする(印字出力を行う)対象ドットとこれに隣接するドットとの境目で熱エネルギ量は0にはならず、隣接ドットの領域まで熱が広がって徐々に0になる。従って、隣接ドットのうち対象ドットに近い部分の熱エネルギ量は、黒色の発色領域に入ってしまうので、印字出力を行わないドットであるにもかかわらず部分的に発色する。このため、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまう。
【0011】
このような現象は、図9、図10に示すような一度に高い熱エネルギ量を与えるサーマルプリンタにおいても同様に起りうる。例えば、図12(a)に示すようにサーマルラインヘッド106のうちのある発熱素子を高い熱エネルギ量EBに発熱させるとその熱は隣接する発熱素子に伝達したり、感熱紙上で伝達したりするので、実際に感熱紙に与えられる熱エネルギ量は図12(b)に示すようになる。従って、感熱紙の隣接ドットのうち対象ドットに近い部分に与えられる熱エネルギ量は感熱紙の黒色の発色領域内に入ってしまうので部分的に発色する。従って、この場合も、隣接ドットのうち対象ドットに近い部分は発色するので、図12(c)に示すように実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまう。
【0012】
ここでは、印字出力を行う対象ドットに隣接した1ドット分が発色してしまう場合について説明したが、サーマルラインヘッド106や感熱紙の熱伝達率の大きさによっては数ドット分発色してしまうこともあり、実際に印字された画像などのイメージが所望するものと異なってしまうという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、サーマルヘッドの寿命を延ばすことができ、サーマルヘッドの劣化による印字品質の低下を防止しつつ、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまうことを防止することができるサーマルプリンタを提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、与える熱エネルギ量によって発色する色が異なる複数の発色層からなる多色感熱紙に印字ドットデータに基づき印字処理を行うサーマルプリンタにおいて、最も低い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させる場合にはその熱エネルギ量による印字処理を1回行い、その最も低い熱エネルギ量で発色する発色層よりも高い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させる場合には最も低い熱エネルギ量による印字処理を複数回重ねて行うようにし、その複数回の印字処理のうち1回は印字ドットデータ通りに印字処理を行い、その他の印字処理は、輪郭の境目における熱エネルギ量の総量が高い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させない程度になるように印字ドットデータのうち輪郭部を構成する全体のドットを削除して印字面積を小さくした印字ドットデータに基づいて印字処理を行うようにしたことにある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図6を参照して説明する。
図1は本実施の形態の要部構成を示すブロック図で、1は制御部本体を構成するCPU(中央処理装置)、2はこのCPU1が各部を制御するためのプログラムデータ等を格納したROM(リード・オンリ・メモリ)、3はデータ処理のために使用されるメモリエリア等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、4はI/O(入出力)ポート、5はI/F(インタフェース)である。上記CPU1とROM2、RAM3、I/Oポート4、I/F5とはアドレスバス、データバス、制御バス等のバスライン6により電気的に接続している。
【0016】
上記I/Oポート4には、連続した感熱紙を進み方向又は戻り方向に搬送可能な紙送りモータ7を駆動するモータドライバ8、感熱紙に熱を与える複数の発熱素子をライン状に配設してなるサーマルラインヘッド9の発熱素子をオン・オフ駆動させるヘッドドライバ10、カッタ21を駆動するカッタモータ11を駆動するモータドライバ12、その他各種操作を行うための操作パネル(図示しない)等がそれぞれ接続している。
【0017】
上記カッタ21は、図3に示すようにサーマルラインヘッド9の近傍に配置されており、サーマルラインヘッド9で印刷した感熱紙を切離すためのものである。また、I/F5にはパーソナルコンピュータ等で構成されるホスト装置15が通信回線を介して接続している。
【0018】
本実施の形態にかかるサーマルプリンタでは、図3に示すような感熱紙22を使用する。この感熱紙22は、連続した台紙22aに高い熱エネルギ量EB で適性に発色する発色層(例えば黒色)、上層の発色層の色を消す消色層、低い熱エネルギ量EA で発色する発色層(例えば赤色)、長期保存や黄ばみ防止等のためのコーティング層を重ねてなる図7に示すような感熱部22bを一定間隔おきに複数設けて構成される。これらの発色層の特性としては図8に示すものと同様である。すなわち、上記低い熱エネルギ量で発色する発色層については、最も発色が良好に行われる適性熱エネルギ量がEA (説明を簡単にするためこれを低い熱エネルギ量EA と称している)であり、高い熱エネルギ量で発色する発色層については、最も発色が良好に行われる適性熱エネルギ量がEB (説明を簡単にするためこれを高い熱エネルギ量EB と称している)である。
【0019】
この感熱紙22の感熱部22bにおいて、上記高い熱エネルギ量EB は、低い熱エネルギ量EA の約2倍である。
また、高い熱エネルギ量EB で発色する発色層を適性に発色させるためには、感熱部22bに高い熱エネルギ量EB を短時間与えるだけでなく、感熱紙22に与えた全体の熱エネルギ量がその色を発色させる高い熱エネルギ量EB に達していればよい。
従って、高い熱エネルギ量EB で発色する発色層は、低い熱エネルギ量EA で2回重ねて印字を行うことにより発色させることができることがわかる。
【0020】
さらに、もし2回目の印字出力において1回目の印字出力を行う印字ドットデータと同じデータで印字したとすると、図11(d)に示すように隣接ドットのうち対象ドットに近い部分は1回目と2回目の印字出力における熱の伝達によって感熱紙に与えられる熱エネルギ量の総量が黒色の発色領域に入ってしまうので、印字出力を行わないドットであるにもかかわらず部分的に発色する。このため、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまう。
【0021】
これを防止するには、2回目以降の印字出力においては、1回目で印字した印字ドットデータの輪郭部を構成する1又は数ドット分を削除して印字面積を小さくした印字ドットデータで印字を行うようにすればよい。こうすれば、図5に示すように高い熱エネルギ量EB で印字出力を行うドットに隣接する印字出力を行わないドットでは、1回目(図5(b))と2回目(図5(c))の印字出力における熱エネルギ量の総量は、図5(d)に示すように黒色の発色領域に入ることはなくなる。従って、高い熱エネルギ量EB で印字しようとする文字などの輪郭が広がることを防止できる。
【0022】
なお、こうして削除するドット数は、1回の印字出力で感熱紙に与える熱エネルギ量や感熱紙・サーマルラインヘッドの熱伝達率の程度などによって異なるが、2回目以降の印字出力で与える熱エネルギ量の総量が、対象ドットと隣接ドットとの境目において、黒色の発色領域に入らない程度に輪郭部を構成するドットを削除すればよい。例えば、1回目で印字する印字ドットデータが図4(a)に示すような画像の場合、この印字ドットデータの輪郭部を1ドット削除した図4(b)に示すような印字ドットデータで2回目の印字を行う。
【0023】
本実施の形態にかかるサーマルプリンタで感熱紙22に印字する場合、上記CPU1は上述した原理に基づいて図2に示すような印字処理を行うようになっている。すなわち、CPU1は先ずST(ステップ)1にて紙送りモータ7を順方向に駆動させて感熱紙22をサーマルラインヘッド9へ向けて所定の印字位置まで進み方向に搬送する。これにより、感熱紙22は図3(a)に示すような状態から同図(b)に示すような状態になる。この場合、例えばペ−パセンサによって感熱紙22の先端を検出し、そこから所定量だけ搬送してもよい。
【0024】
そして、ST2にて発色させようとする色とは無関係に図6(a)に示すようなすべての印字ドットデータ「AB」を1つの感熱部22bに低い熱エネルギ量EA で印字する。これにより、すべての印字ドットデータ 「AB」について赤色が発色する。その後、ST3にて印字した感熱部22bの分以上紙送りモータ7を逆方向に駆動して感熱紙22を戻し方向に搬送させる。これにより、感熱紙22は図3(c)に示すような状態から同図(d)に示すような状態になる。
【0025】
続いてST4にて再び紙送りモータ7を順方向に駆動させて感熱紙22をサーマルラインヘッド9へ向けて所定の印字位置まで進み方向に搬送する。これにより、感熱紙22は図3(d)に示すような状態から同図(e)に示すような状態になる。
【0026】
次に、ST5にて高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)で出力する印字ドットデータ「B」のみをST2での熱エネルギ量と同じ熱エネルギ量で重ねて印字する。この場合、ST2にて印字した印字ドットデータのうち高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)で出力する印字ドットデータ「B」のみについて、図6(b)に示すようにその輪郭部を1ドット削除した印字ドットデータを使用して印字を行う。
【0027】
これにより、高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)で出力する印字ドットデータの部分「B」については、合計で上記低い熱エネルギ量の2倍の熱エネルギ量、すなわち高い熱エネルギ量Ebを与えたことになる。従って、図3(e)又は図6(c)に示すように高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)で出力する印字ドットデータの部分「B」のみ黒色に発色し、印字ドットデータ「A」は赤色のままである。
【0028】
また、この2回目の印字では、1回目の印字で使用した印字ドットデータ「B」のみについて、その輪郭部を1ドット削除した印字ドットデータを使用するので、実際に感熱紙に与えられる熱エネルギ量の総量は、1回目の印字で与えた熱エネルギ量(図5(b))と2回目の印字で与えた熱エネルギ量(図5(c))とを加えたもの(図5(d))となり、印字結果は図5(e)に示すようになる。
【0029】
その後、カッタモータ11を駆動して感熱紙22をカットして、図3(f)に示すように印字済みの感熱部22bを感熱紙22から切離す。
【0030】
このような構成の本実施の形態においては、1回目の印字ではすべての印字ドットデータについて低い熱エネルギ量で印字を行い、2回目の印字では高い熱エネルギ量で出力する印字ドットデータのみについて1回目と同一の熱エネルギ量で、しかも印字ドットデータの輪郭部を1ドット削除した印字ドットデータを使用して重ねて印字する。これにより、1回目のみで印字した部分については低い熱エネルギ量を必要とする色(赤色)が発色し、2回目に重ねて印字した部分については高い熱エネルギ量を必要とする色(黒色)が発色する。
【0031】
このようにすることによって、サーマルラインヘッド9は常に低い熱エネルギ量による印字出力で複数色の印字を行うことができることから、一度に高い熱エネルギを加えるような印字出力を行う必要がなくなるため、サーマルラインヘッド9の耐久性が増し、寿命を延ばすことができ、ヘッドの劣化による印字品質の低下を防止できる。
【0032】
さらに、1回目の印字で出力した印字ドットデータの輪郭部を構成する1ドットを削除した印字ドットデータで2回目の印字を行うようにしたので、1回目の印字出力と2回目の印字出力で感熱紙に与えられた熱エネルギ量の総量は、図5(d)のようになるので、高い熱エネルギ量で印字するドットに隣接する印字出力を行わないドットにおいて熱エネルギ量の総量が黒色の発色領域に入ることはなくなる。これにより、当該隣接ドットにおいて黒色が発色することがなくなり、高い熱エネルギ量EB で印字しようとする文字や画像などの輪郭が広がることを防止できる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、1回目の印字処理において元の印字ドットデータと同じデータで印字し、2回目の印字処理において元の印字ドットデータの輪郭部を構成する1ドットを削除した新たな印字ドットデータで印字を行う場合について述べたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、1回目の印字処理において元の印字ドットデータの輪郭部を構成する1ドットを削除した新たな印字ドットデータで印字を行い、2回目の印字処理において元の印字ドットデータと同じデータで印字してもよい。
【0034】
また、本実施の形態においては、低い熱エネルギ量を必要とする色及び高い熱エネルギ量を必要とする色の2色を発色できる感熱紙22に印字するものについて述べたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、発色に必要な熱エネルギ量が異なる3つ以上の色を発色できる感熱紙22に印字するものであってもよい。
【0035】
この場合は、最も低い熱エネルギ量で発色できる色における熱エネルギ量の整数倍の熱エネルギ量で発色できる色を重ねてなる感熱紙22を使用してもよい。このような感熱紙22を使用する場合に、その色を発色させる必要な倍数の数だけ繰返して重ね印字を行うようにし、2回目以降の印字処理において印字出力を行う印字ドットデータとしては、1回目の印字処理において印字出力を行った元の印字ドットデータの輪郭部を数ドット削除した新たな印字ドットデータを使用する。これにより、高い熱エネルギ量で印字しようとする文字や画像などの輪郭が広がることを防止できる。
【0036】
さらに、この場合、複数回の印字処理のうち1回は元の印字ドットデータ通りに印字処理を行い(この1回の印字処理は1回目の印字処理に限られず、何回目の印字処理であってもよい)、その他の印字処理は元の印字ドットデータのうち輪郭部を構成するドットを削除して印字面積を小さくした新たな印字ドットデータに基づいて印字処理を行うようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、サーマルヘッドの寿命を延ばすことができ、サーマルヘッドの劣化による印字品質の低下を防止しつつ、実際に印字された文字、記号などのキャラクタやイメージ画像などの輪郭が広がってしまうことを防止することができるサーマルプリンタを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるサーマルプリンタの構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態におけるCPUが行う印字処理を示す流れ図。
【図3】同実施の形態における作用を説明する図。
【図4】本発明の形態における原理を説明する図。
【図5】同実施の形態における印字ドットデータ、感熱紙に与えられる熱エネルギ量、印字結果の関係を説明する図。
【図6】同実施の形態における作用を説明する図で、同図(a)は1回目の印字処理で使用する印字ドットデータを示し、同図(b)は2回目の印字処理で使用する印字ドットデータを示し、同図(c)は最終的な印字結果を示すものである。
【図7】感熱紙の構成を説明する図。
【図8】図7に示す感熱紙の特性を示す図。
【図9】従来のサーマルプリンタを説明する図。
【図10】従来の他のサーマルプリンタを説明する図。
【図11】2回に分けて印字するサーマルプリンタにおける印字ドットデータ、感熱紙に与えられる熱エネルギ量、印字結果との関係を説明する図。
【図12】図9及び図10に示すサーマルプリンタにおける印字ドットデータ、感熱紙に与えられる熱エネルギ量、印字結果との関係を説明する図。
【符号の説明】
1…CPU
7…紙送りモータ
9…サーマルラインヘッド
22…感熱紙
22b…感熱部
Claims (1)
- 与える熱エネルギ量によって発色する色が異なる複数の発色層からなる多色感熱紙に印字ドットデータに基づき印字処理を行うサーマルプリンタにおいて、
最も低い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させる場合にはその熱エネルギ量による印字処理を1回行い、
その最も低い熱エネルギ量で発色する発色層よりも高い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させる場合には最も低い熱エネルギ量による印字処理を複数回重ねて行うようにし、その複数回の印字処理のうち1回は印字ドットデータ通りに印字処理を行い、その他の印字処理は、輪郭の境目における熱エネルギ量の総量が高い熱エネルギ量で発色する発色層を発色させない程度になるように前記印字ドットデータのうち輪郭部を構成する全体のドットを削除して印字面積を小さくした印字ドットデータに基づいて印字処理を行うようにしたことを特徴とするサーマルプリンタ。
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