JP3609827B2 - 非極性基剤における小胞 - Google Patents
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Description
発明の背景
界面活性剤を基礎とする小胞の幾つかの型が知られている。例としてはリポソーム、ニトソーム(NIOSOMES)▲R▼および“少ラメラ脂質小胞”である。事実、ニオソーム▲R▼および“少ラメラ脂質小胞”はリポソームの特別な型である。
リポソームは最もよく知られた小胞であり、1964年バンハム(Bangham)により最初に記載された〔エー.ディ.バンハム(A.D.Bangham、アール.ダブリュ.ホーン(R.W.Horne)、J.Mol.Biol.8、660(1964)〕。リポソームは1つ以上の球形に閉鎖したラメラシートにより封入された水性コア(AC、第1図)からなる。次ぎに、これらのラメラシートは界面活性分子(SM)の二重層(BL)からなる。リポソームのコアのようにその外相は水または水溶液である。
二重層における界面活性分子の親油性末端(LT)は、これらが相互に密接に接触してこれら親油性末端と水性内相および外相との間の接触を避けるように配置されている。他方、界面活性分子の親水性先端(HH)は完全に水和化される。このようにして系は熱力学的に最も好ましい状態に達する。リポソームが2つ以上の二重層からなる場合、逐次二重層(SB)が水層により分離される。多重ラメラ脂質小胞(MLV)の場合、親水領域(HD)と親油領域(LD)が交互になる。
リポソームの幾つかの型が区別されうる。分類はリポソームの大きさおよび小胞を作る二重層の数に基づく。小さな単ラメラ小胞(SUV)は比較的小さく(たとえば50nm)そして水性コアを含むただ1つだけの二重層からなる。大きな単ラメラ小胞(LUV)は数μmまでのサイズを有する。小胞が小さいとか大きいとか言うのを決定する臨界的サイズは先行技術で十分定義されていない。
2つ以上の二重層からなる小胞は多重ラメラ小胞(MLV)と呼ばれる。名称“少ラメラ脂質小胞”を時々MLVに使用するがこれは少数(2〜8)の二重層のみからなるものである〔WO 88/06883参照〕。分類についてのより詳細は次のものに見出されうる:エヌ・ヴァイナー(N.Weiner)ら、Drug Dev.Ind.Pharm.,15(10)1523〜1554(1989)。
リポソームの二重層を作る界面活性剤は、イオン性(たとえば、リン脂質)および/または非イオン性(たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)である。最初は、名称ニトソーム▲R▼をいずれのイオン性界面活性剤分子も含まない非イオン性界面活性剤小胞に対し当てていた〔アール.エム.ハンジャニ−ヴィラ(R.M.Handjani−Vila)ら、Int.J.Cosm.Sci.,1、303〜314(1979)〕。今日では、イオン性界面活性剤分子もまた安定性を向上するためにニオソーム▲R▼の二重層に混入してもよい。
これらの水性コアのために、リポソームは水溶性物質に対する担体として使用されうる。水性コアに存在する溶質は一定期間リポソームに封入されうる。小胞からの放出は拡散または漏出により生じるか、または引き金機構により活性化されうる。可能性のある引き金機構は、たとえば温度が上昇しその結果二重層におてる界面活性分子の親油性鎖が相転移することである。
リポソームにおける溶質の保持は、たとえば肝臓における薬剤の“初回通過効果”を低下するため、物質の毒性を低下するため、物質の皮膚への透過性向上のため、特定部位に目標とする医薬品に対し溶質の持続した放出を達成するために、または溶質が外相において第二の物質から保護されるかもしくは溶質(たとえば酵素)が他の物質(たとえば基質)と反応しうる局部環境を作り出すために有利に使用される。
異なった型のリポソームを調製するために幾つかの方法が使用されうる。調製方法の詳細な文献については次のものを参照せよ:エヌ.ワイナー(N.Weiner)ら、Drug.Dev.Ind.Pharm.,15(10)1523〜1554(1989)。
1つの方法は“フィルム法(film−method)”である。この方法では二重層形成成分を、有機液体(たとえばクロロフルム、ジエチルエーテル、メタノール)またはこのような液体の混液に溶かす。この溶液を減圧下にサーモスタット付きの水浴中に入れた丸底フラスコ中で回転する。有機溶媒が蒸発し界面活性分子のフィルムがフラスコ内側のガラス壁上に形成する。乾燥フィルムは振とうしながら過剰の水を加えることにより水和化される。このようにしてリポソームを形成する。リポソームの水性分散液を超音波処理してより小さいサイズおよびより小さいサイズ分布を達成しうる。
別の方法は“逆相蒸発法(reveresed phase evaporation method)”である。この方法を用いて二重層形成成分を非極性有機液体(たとえばクロロフルム、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル)またはこのような液体の混合物に溶かす。この非極性有機溶液はたとえば超音波処理に水と混合し、油中水型のエマルジョンを形成する。このエマルジョンにおいて、界面活性剤は油−水臨界面に位置する。続いて過剰の有機溶媒を減圧時に除去し、有機溶媒/水の比(これは開始時には一般に3以上にさえなる)が低下する。この段階で二重層が形成され混合物がゲル化する結果になる。さらに有機溶媒を除去するとゲルが崩壊し小胞(一般にLUV)が形成することになる。得られた生成物は水性コアを有する小胞の水性分散液である。調製方法の後で、これらの小胞をREV(Reversed Phase Evapororation Vesicles,逆相蒸発小胞)と名付ける。
幾つかの他の方法を脂質小胞の少量のバッチを作るために使用することができる。しかしながらすべての公知調製方法はその方法を拡大する場合1つ以上の問題と関係する。これらは異なった種類の問題でありたとえば爆発性および毒性の有機溶媒を多量に除去することやまたは多量のバッチを超音波処理することが不可能であること等である。
使用される方法に関係なく、今日まで知られたすべての安定な脂質小胞は、過剰の水または水溶液を界面活性剤および場合により別の脂溶性物質(たとえばコレステロール)を含む資質相へ添加することにより、界面活性剤の水和化時に形成される。その結果生じる小胞は、これがリポソーム、ニコソーム▲R▼、SUV、LUV、REV、MLVまたは“少ラメラ脂質小胞”であるかどうかに関わらず製造工程の間にすべて水性の極性相に分散する。
リポソーム調製時に、たとえば水溶性医薬品を含む水溶液の一部のみが封入されるだけである。したがって水溶性物質は水性の内相および外相にわたって分散する。
しばしばコレステロールを二重層へ混入しその性質を変えることがある。組成物の中にはコレステロールがリポソーム形成のための必須成分であることさえある。
理論的には、他の親油性化合物、たとえば医薬品もまた二重層の親油性領域へ混入されうる。もちろん、さらに新油性の物質をSUVまたはLUVよりMLVへ混入することもできる。しかしながら二重層は非常に整然とした構造を有する。非常にわずかな物質だけがこれらの二重層と良好な構造的適合性を示す(コレステロールがそうである)。それゆえ、実際上は二重層の親油性領域へ十分量混入されうる物質はほとんどない。
さらに、二重層の親油性領域の全量は少なく、なぜなら小胞の調製時に使用することのできる界面活性剤の量が制限されるからである(一般には分散液1gにつき30μモル)。例外的に多い量、すなわち200μモル/gの界面活性剤がエッチ.タルスマ(H.Talsma)らにより使用された〔Drug.Dev.Ind.Pharm.,15(2)197〜207(1989)〕。
引き続いて、界面活性剤の量の制限は二重層の親油性領域へ混入しうる物質の量を強く制限する。それゆえ、これまで公知の小胞は親油性化合物を封入するのに一般には適さない。物質の封入についてさらに詳しいことは次のものを参照せよ:エル.ディ.メイヤー(L.D.Mayer)ら、Chem.& Phys.Lipids,40(1986)333〜345。
その水性内部のために、リポソームは水溶性化合物を封入するのにより適しており、特にSUVおよびLUVがそうであり、後者は最も良好な封入能力を示す。残念ながら、SUVおよびLUVは捕捉した溶質の保持力が非常に悪いことがわかっている。
これまで公知の小胞の調製方法のために、多量の水相が封入されない。結果として、多量の水溶性物質もまた封入されず、封入効率を非常に大きく低下している。
幾つかの欠点がこの低い封入効率に関連する。第一に、ほとんどの用途に対し、封入されない溶質を外相から除去しなければならない。このことは少なくとも1つの追加操作を行なわなければならないことを意味する。リポソーム分散液の実験室規模の量ではこれは透析により行なうことができる。工業的規模の量についてはこれは大きな欠点である。
第二には多量の化合物をその目的のために失ない、これが封入された場合に行なわれるであろう適切な方法で機能しない。特に高価な物質(たとえばペプチド)の場合、このこぼれが重要な欠点である。
低い封入効率に関係する欠点のために、多くの研究がこの問題に集中している。改善がなされたとはいえ、封入効率はいまだに理想から遠い。さらに、封入効率を向上するために使用されるべき追加の技術(リポソームの脱水および再水和、凍結−解凍法およびイオン性溶質に対しては活性捕捉法)はコスト高または規模拡大の問題のために工業目的には適さない。
エッチ.クニエダ(H.Kunieda)ら〔J.Am.Chem.Soc.113(3)1051〜1052(1991)〕はドデカン中に親水性界面活性剤テトラエチレングリコールドデジルエーテルを実質的に含む逆相小胞の形成について記載している。約2.5個の水分子/エチレンオキシド単位の追加が小胞の形成のために必須であることがわかったが、これはしかしながら数時間〜数日の間に合体してラメラ液体結晶相へ戻ることがわかった。
発明の概略
非極性相における安定な小胞の分散液を作ることができることが見出された。非極性相を封入する前記小胞は界面活性剤1種またはその混合物および、必要に応じ界面活性剤と非極性相の選択にしたがって親油性安定化因子および場合により親水性安定化因子もまた含むものである。
本発明は前記小胞分散液の調製方法を提供するものであり、該方法は界面活性剤、親油性安定化因子、非極性相および場合により親水性安定化因子の混合物を、場合により高めた温度でそして/または後に蒸発する有機溶媒を使用することにより調製することを含むものである。その例として混合法、蒸発法およびフィルム法がある。
前記小胞の分散液は医薬品、香粧品、食品および農薬配合剤へならびに一般に表面処理のための配合剤へ混入されるのが有利である。
図面の説明
第1図は多重ラメラ脂質小胞および大きな単ラメラ小胞の模式図である。
MLV=多重ラメラ脂質小胞
LUV=大きな単ラメラ小胞
AC=リポソームの水性コア
BL=界面活性分子の二重層
SB=水相により分離される逐次二重層
LD=界面活性分子の親油性末端からなる二重層の親油性領域
HD=水相+界面活性分子の親水性先端からなる二重層の親水性領域
SM=界面活性分子
LT=界面活性分子の親油性末端
HH=界面活性分子の親水性先端
第2図はフリーズ フラクチュア エレクトロン マイクロスコピィ(FF−EM)法により得られた実施例1.1の液状パラフィンにおける小胞の写真である。
第3図は時間の平方根の関数としてのセルロース膜を介してクリーム配合剤5.1および5.2からのブデソニド放出を表わすグラフである。
第4図は腕から製剤を洗浄後の時間の関数としてのクリーム配合剤5.3、5.4および5.5により生ずる漂白スコアのグラフである。
発明の詳細な記載
非極性相における安定な小胞を調製することができることがわかった。非極性相を封入するこれらの小胞は1種以上の界面活性剤、および必要な場合には界面活性剤および非極性相の選択に応じて親油性安定化因子および場合により親水性安定化因子もまた含む。
本発明による小胞の安定性は、生成物の調製後すぐおよび少なくとも一週間後しかし好ましくは数ヶ月または数年後のいずれかの時期における顕微鏡的比較により測定される。安定とは小胞の顕微鏡上の画像および/または構造的安全性において変化が観察されないことを意味する。時間進行中の安定性は、好ましくは経時上の数箇所で行なわれる顕微鏡画像の写真を比較することにより追跡される。クオンティメット(QUANTIMET)▲R▼−測定装置の使用がこの点で最も適当であると思われる。
一般に前記小胞は20〜100,000nm、好ましくは40〜25,00nm、さらに好ましくは100〜5,000nmの間の大きさである。これらは1〜10,000、好ましくは5〜2,500、より好ましくは10〜500の球形に閉鎖したラメラシートにより封入された非極性コアからなる。入れ代わって、これらのラメラシートは界面活性分子の二重層からなり、その極性先端基が二重層の内側部分を形成しそして同じ分子の非極性鎖が非極性相に突出してなる。
親油性安定化因子は比較的大きな細長い非極性部分および小さな極性部分が特徴的な分子である。前記分子の小胞への混入後、これは二重層の親油性領域、すなわち界面活性分子の非極性鎖の間に位置しこれにより炭化水素充てん応力を変ることになるであろう。もし炭化水素充てん応力が適応なレベルであれば親油性安定化因子の混入は必要ないということは当業者にとって明らかである。このような因子はたとえば液状パラフィンおよび揮発性シリコーン油のような非極性ビヒクル中のサッカロース−エステルからなる安定な小胞の分散液の調製に対し必要ないということが示されている。それにもかかわらず、前記因子が存在する場合とは、本発明者の経験によれば安定な小胞がまた形成されるであろう。親油性安定化因子の例としては次のものがある:
−ステロール、たとえば(部分的に)水素化された10,13−ジメチルシクロペンタフエナントレンであって場合によりたとえばヒドロキシルおよびカルボン酸で置換されたもの、およびそのエステル;
−レチノイド、たとえばレチノイン酸;
−枝分れ鎖の脂肪アルコール、たとえば2−ヘキシルオクチルエタノール;
−直鎖または枝分れ鎖(C原子の数:4以上)の飽和脂肪族アルコールと脂肪族または芳香族ジカルボン酸(C原子の数:4以上)のエステル、たとえばジオクチルフタレート;
−飽和および不飽和脂肪酸たとえばパルミチン酸、ステアリン酸およびリノレイン酸;
−ポリヒドロキシル化合物との直鎖または枝分れ鎖脂肪酸エステル、たとえばプロピレングリコールジペラルゴネートおよびジグリセロールジイメステアロステアレード;
しかしながらコレステロールを使用するのが好ましい。
親油性安定化因子は、使用される界面活性剤の量に基づいて濃度200wt%まで、好ましくは100wt%まで、最も好ましくは10〜50wt%で使用されうる。
当業者にとっては、小胞の構造を形成する界面活性剤の極性部分を小胞を十分安定化するように二重層の親水性領域において相互作用させることもできることは明らかである。これはたとえばサッカロース−エステルを用いた場合である。しかしながら、界面活性剤の選択に応じて、小胞における親水性安定化因子の存在が安定な小胞を得るために必要なこともある。
親水性安定化因子は小さな極性分子(150までの分子量を有する)であり、これは水素−橋を形成する能力を有する。小胞へ混入後、このような分子は二重層の親水性領域に位置し小胞の安定化に寄与するようにしてもよい。前記分子は水、または水素−橋を形成しうる官能基たとえばヒドロキシル基、(モノ−またはジ−置換)アミノ基およびカルボン酸基1つ以上を有する化合物である。最後に言及した化合物の例はエタノールおよびエタノールアミンである。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの場合、親油性安定化因子の混入に加えて使用される界面活性剤のポリオキシエチレン鎖間の水仲介水素橋の形成のための十分量の水を添加すると本発明小胞の安定性が向上することが知られている。安定化の目的で添加される水の量は、オキシエチレン単位について好ましくは1/2〜2分子の間である。水の量を増やすことにより小胞の安定性が低下する。あまりに多量の水を加えると本発明の小胞はもはや形成されないかまたは形成後短期間で崩壊するであろう。
非−POE界面活性剤の場合、親油性安定化因子は、使用する界面活性剤の量に基づいて50wt%まで、好ましくは35wt%まで、最も好ましくは25wt%までの濃度で使用される。
水相中の小胞と比較して本発明による小胞は、親水性および親油性化合物に対し非常に高い封入能力(これは分散液1gにつき封入された有効成分の量である)を有する。製造方法は、水相中の小胞における封入効率と比較して親水性物質に対する本発明小胞において非常に高い封入効率(これは分散液における有効成分の全量と比較した封入有効成分の量である)を可能にする。
本発明による小胞への親水性ならびに親油性物質の捕捉の利点は、溶質のたとえばリポソームへの捕捉後に観察されるものと同じであると広く言われている:
−肝臓における薬剤の初回通過効果の低下;
−物質の毒性の低下;
−物質の皮膚への透過性向上;
−溶質の持続的放出の達成;
−特定部位において放出される薬剤の量の増加;
−1つの投与形態へ混入されなければならない2つの不適合物質を物理的に分離するためのバリヤー形成。
製造方法および成分の選択のために本発明小胞はまた、以下に概略するように、異なった型のリポソームによりすでに言われているもの以上に、生成物発生において幾つかの追加の利点を提案する:
−幾つかの型のリポソームの調製の間使用されうるものよりも使用することができる界面活性剤の濃度が高い(たとえば分散液1gにつき1400μモルまで);
−したがって、封入される物質(親水性および親油性)の量がより多くなる;
−本発明小胞は何ら水を使うことなく作ることができるので、水または酸素の存在下に、光の影響下または極性相の特定pH条件下で不安定な物質の混入に対し非常に適する;そして
−水を使用しない場合、小胞はまた安定なリポソームの調製に使用することができない容易に加水分解しうるエステル界面活性剤を用いても調製されうる。これらのエステル界面活性剤はこれらの投与後水と接触すると加水分解するであろう。前記生物学的分解性のエステルの別の利点は、これらの毒性がより低いことである。
本発明による小胞の構造を作る際に使用される界面活性剤は、たとえば非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性界面活性剤のような異なった群に属していてよく、そして1〜80のHLB値である。または同じ群または異なった群のいずれかからの前記界面活性剤の混合物も有利に使用されうる。
適当な界面活性剤はたとえば次のようなものである:
−非イオン性界面活性剤、たとえば:
サッカロース脂肪酸エステルおよびその混合物(たとえば、ワサグエステル7▲R▼およびワサグエステル15▲R▼);ポリオキシエチレンアルキルエーテル(たとえば、トリ−オキシエチレングリコールモノドデシルエーテル、トリ−オキシエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、トリ−オキシエチレングリコールモノヘキサデシルエーテルおよびトリ−オキシエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、BRIJ 97▲R▼およびセトマクロゴール1000▲R▼);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(たとえばトゥィーン20▲R▼);ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(たとえばMYRJ 52▲R▼);ソルビタンエステル(たとえばスパン80▲R▼);脂肪酸のグリセロールモノ−および−エステル;およびブロックコポリマー(たとえばポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル);
−陰イオン性界面活性剤、たとえば:
ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムおよびオレイン酸のアルカリ金属塩;
−陽イオン性界面活性剤、たとえば:
セチルトリエチルアンモニウムブロミド;
−両性系界面活性剤、たとえば:
ベタイン、たとえばコカミドプロピルベタイン;
−別の適当な界面活性剤、たとえば:レシチン;シリコーン界面活性剤;スフィンゴ脂質;および幾つかの重合性界面活性剤。
界面活性剤の濃度は使用される界面活性剤および非極性賦形剤ならびに目的とする用途にしたがって変化するであろう。
小胞含有分散液の重量に基づいて全部の界面活性剤の重量濃度は、一般に0.5〜70%、好ましくは5〜40%、より好ましくは10〜30%である。
好ましくは非イオン性界面活性剤を使用する。より好ましい界面活性剤は脂肪酸のグリセロールモノエステル、ソルビタンエステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルの群から選択される。最も好ましくはサッカロース脂肪酸エステルが使用される。
非極性相は非極性賦形剤から形成され、これは室温で固体または液体のいずれかである。また、このような非極性賦形剤の混合物も有利に使用される。
本発明による非極性賦形剤は、0℃〜100℃の温度で大気圧または減圧下に水とすべての割合で混和せず、または25℃で大気圧下に誘電率(ε)20.0未満の値を有する。
非極性相が非極性賦形剤の混合物から形成される場合、前記混合物は0℃〜100℃の温度で大気圧または減圧下にすべての割合で水と混合すべきでなく、または混合物の少なくとも1つの成分が25℃で大気圧下に誘電率(ε)20.0未満の値を有する。
適当な非極性賦形剤はたとえば次のようである:
−直鎖脂肪族アルコールで、炭素原子数3以上のもの;
−ロウ、たとえばホホバ油およびカルナバロウ;
−炭化水素、たとえば液状パラフィン、白色ワセリン、硬質パラフィン、スクワレンおよびイソバラフィン;
−ケトン、たとえば5−メチルヘキサン−2−オン;
−合成エステル、たとえばセチルパルミテート;
−炭素原子数10〜30の高級飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールトリ−エステル、たとえばグリセリルトリラウレートおよび水素化ヒマシ油;
−植物油たとえばヤシ油およびピーナッツ油;
−シリコーン油、たとえば揮発性シリコーン油(たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサン(ABIL K4▲R▼)、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン)。
好ましくは、炭化水素の群および揮発性シリコーン油の群からの非極性賦形剤が使用される。より好ましくは鉱油(=液状パラフィン)およびオクタメチルシクロテトラシロキサンが使用される。
界面活性剤ならびに非極性賦形剤の選択は物質それ自体ばかりでなく意図する用途によるものであり、そして好ましい製造方法の選択も同様である。
本発明による小胞は当該技術で普通に知られている方法により特徴づけられうる。これらの方法の例として次のものがある:フリーズ フラクチュア エレクトロン マイクロスコピィ(FF−EM)、光散乱法(Light Scattcring technique)、たとえば特に小さな小胞に対して動的光散乱(DLS)およびX線回折ならびに中性子回折法。後述の実施例に記載の小胞はFF−EMおよび偏光鏡検法を用いることにより特性決定された。この最後に述べた方法は活性物質の結晶を検出するのに非常に有用であり、実施例に使用された。FF−EM法で得られた写真の例を第2図に示す。
本発明による小胞の分散液は、界面活性剤、親油性安定化因子、非極性相および場合により親水性安定化因子の均一混合物を場合により高めた温度でおよび/または次ぎに蒸発される有機溶媒を使用することにより調製することを含む。その例としては、混合法、蒸発法およびフィルム法があり、これらは後述される。最後に言及した二つの方法は当該技術で公知の水性小胞における小胞の異なった型の調製方法に類似している:それぞれ逆相蒸発法およびフィルム法。
混合法は次の工程を含む:
−高剪断力を必要とせず、すべての成分(界面活性剤および非極性賦形剤そしてまた親油性安定化因子および親水性安定化因子)をすべての成分が溶融または溶解する温度またはそれ以上で混合し;そして
−必要ならば室温まで冷却し、その間攪拌する。
冷却は当該技術で公知の方法で活発に行ないうる。たとえば薬剤および着色剤のような活性物質は、必要ならば、これらを非極性相へ加えその後混合および加熱することにより小胞へ混入されうる。
蒸発法は次の工程を含む:
−極性有機溶媒(その混合物)中で界面活性剤、親油性安定化因子および存在するならば親水性安定化因子を、必要に応じて高めた温度にて溶解し;
−界面活性剤の透明溶液を界面活性剤溶液の温度またはそれ以上の温度で非極性相へ添加し;
−好ましくは得られた塊りを攪拌しそして必要に応じて減圧下に極性有機溶媒を蒸発させ;および
−必要に応じて室温まで冷却し、好ましくはその間攪拌する。
蒸発法を用いる場合、極性溶媒(その混合物)の選択が必須である。適当な温度で界面活性剤および安定化因子を溶解することができるような溶媒(その混合物)を選択することが重要である。満たされなければならない別の要求は、前記溶媒(その混合物)と非極性相との不混和性である。好ましい極性溶媒はエタノールおよびアセトンである。
界面活性剤と安定化因子の透明溶液を得たら、これを非極性相へ加える。製造方法において遅れを妨ぐために、非極性相の温度を溶液の温度と同じにするのが好ましい。続いて二相を混合する間に極性相を蒸発する。この方法は減圧により促進される。
極性相を完全に蒸発すると非極性相を必要に応じて雰囲気温度まで冷却する。この冷却は当該技術で公知の方法で活発に行なわれうる。
小胞へ混入されるべき活性物質たとえば薬剤は、非極性相における溶解度の方がより良くない限り極性相に溶解されるのが好ましい。同じことが親油性安定化因子および親水性安定化因子についても適用できる。
フィルム法は以下の工程を含む:
−界面活性剤、親油性安定化因子および存在する場合には親水性安定化因子を有機溶媒(その混合物)中に溶かし;
−回転蒸発法を用いて有機溶媒を除去し;
−非極性相中の残渣を必要に応じて界面活性剤の融点以上の温度で溶媒和させ;
そして
−必要に応じて室温まで冷却する。
フィルム法を使用する場合、界面活性剤(その混合物)および安定化因子を、蒸発により除去するのが容易な適当な有機溶媒(その混合物)に溶かす。好ましい有機溶媒はジクロロメタン、クロロホルムおよびメタノールである。界面活性剤および安定化因子を含む溶液を丸底フラスコへ移す。回転蒸発法により溶媒を完全に蒸発後、フラスコの内側に形成されたフィルムを界面活性剤の融点以上の温度で非極性溶媒と溶媒和させる。溶媒和化法終了後、非極性基剤中の小胞分散液を必要に応じ雰囲気温度まで冷却する。この冷却は当該技術で公知の方法で活発に実施されうる。
好ましくは小胞へ混入されるべき活性物質たとえば薬剤および着色剤、これらの物質の非極性相における溶解度が界面活性剤の溶液におけるものより良好でない限り、界面活性剤を含む溶液へ添加する。同じことが親油性安定化因子および親水性安定化因子についても適用することができる。
方法の選択は、小胞の成分、達成されるべきバッチの大きさおよび界面活性剤、(生物学的)活性化合物、添加剤および非極性賦形剤の物理化学的性質たとえば融点、異なった基剤における溶解度、揮発性、高温での挙動等により決定されるということがわかるであろう。
上述の方法の1つにしたがって小胞の分散液を得た後、追加の製造工程は次のものを含む:
−当該技術で公知の方法(超音波処理、押出し、微少流動化)により小胞の大きさを小さくする;
−重合性界面活性剤を使用する場合には当該技術で公知の方法により小胞を重合化する;
−非極性賦形剤を除去して即刻製剤を得る;
−非極性基剤中の小胞へ適当な水性または非水性極性液体、このような液体をベースとするゲル、液状もしくは半固体状脂質、または上述のいずれかの混合物を加えてゲル、油中水形エマルジョン、水中油形エマルジョンまたは軟膏を作る;
−本発明による小胞の分散液を含む小胞へ親水性または親油性物質たとえば薬剤および着色剤を混入する。
水性又は非水性極性液体は、小胞の構造を乱すことなく本発明の小胞の分散液へ添加されうる。しかしながら添加されるべき小胞の極性物質のために、小胞の外層が失なわれうる。したがって、この種の製剤のために、まず多重ラメラ小胞を含む分散液を使用することが条件である。
液状または半固体脂質を本発明による小胞とともにW/OまたはO/Wエマルジョンのようにまたは中で混合してもよい。W/OまたはO/Wエマルジョンを使用して本発明による小胞と混合する場合、このようなW/OまたはO/Wエマルジョンを作る技術で公知のように適当なW/OまたはO/W乳化剤もまた含有するであろう。前記乳化剤は小胞の崩壊を避けるために注意深く選択されるべきである。
本発明の小胞の分散液および/または前記分散液を含む小胞はまた緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、モイスチュアライザー、透過強化剤、UV吸収剤、染料、香料、着香料、甘味剤、農薬、昆虫忌避剤等を含有する。
すでに記載したように、薬剤を小胞へおよび/または本発明による小胞の分散液を含む小胞へ混入することが有利である。言及した製剤に対する投与経路に関しては何らの制限もなさそうなので、様々な薬剤をその中へ混入することができ、たとえばステロイド化合物、ジスラノール、ニコチン酸およびその誘導体、レチノイド、ペプチド、抗炎症剤、抗増殖剤、抗生物質およびビタミンである。この薬剤のリストは限定的列挙と考えるべきではない。実際的理由のために、小胞へ混入するには低投与量の有効成分が好ましい。本発明による非極性相の小胞は、たとえばステロイド化合物およびビタミンA酸または誘導体のような小胞の成分の1つに構造的に類似している薬剤の混入に特に適しているようである。
使用されるべき有機溶媒の好ましさは目指す用途により大部分決定される:製品の特定の範ちゅうにおいて、特に製剤、化粧品、食品および農薬加工分野において、最終製品には何らの有意な量の特定有機溶媒も許されない。
特に本発明による小胞の分散液を薬剤上の投与形態の製剤に使用する場合、その成分は純度に関して高水準を満足すべきである。これらの界面活性剤および非極性賦形剤の選択は、さらに本発明小胞の分散液を含む薬剤製剤が経口、局所、鼻、直腸、肺または非経口的(すなわち、静脈、筋肉または皮下経由)経路を介して投与されるかどうかによる。
しかしながら、本発明による小胞の分散液の適用は医薬品目的に制限されるべきでないと考えられる。小胞の前記分散液のたとえば化粧品、食品および一般的な表面処理のための塗料配合剤への混入は非常に価値があると思われる。
本発明による小胞の適用は以下の概念に基づく:
−追加の有効成分のいずれも有さないビヒクル中の中空小胞;
−有効成分が添加されたビヒクル中の中空小胞;
−追加の有効成分のいずれも有さないビヒクル中の充てん小胞;
−有効成分が添加されたビヒクル中の充てん小胞。
本発明小胞に基づいて製品の例は次のものである:
−グリースおよび泥を除去するための洗浄剤;
−身体から不所望な毒性物質を除去するための解毒製品;
−2つの不相溶性化合物が混入されている製品、たとえばサリチル酸およびコルチコステロイドを充てんした小胞を含むクリーム剤;
−有効成分の迅速で持続した放出が組合わされた製品;
−化粧品配合剤における水溶性モイスチュライザーの封入;
−果実ジュース中のビタミンCの封入;
−チューインガムにおけるニコチンの封入;
−必須脂肪酸から作られる中空小胞およびコルチコステロイドを含む製品。
本明細書中に記したすべての刊行物および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が参考としてここに含まれることが明確にそしてはっきりと示される場合にはここにおいて参考として含まれる。
上述の発明は明快な理解を目的とするための説明および例示を用いてある程度詳細に記載しているが、添付の請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなくある種の変化および修正をこれへ加えることは本発明の技術に照らして当業者とって容易に明らかであろう。
以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例
実施例1
非極性基剤中の小胞の分散液の製造
1.1. 液体パラフィン中の小胞を以下のように作った:
ワサグエステル15▲R▼6gおよびコレステロール600mgをアセトン200mlに溶かした。得られた溶液へ液状パラフィン300gを加えこの混合物をTURRAX▲R▼ホモジナイザーを用いて70℃にて激しく攪拌して蒸発により溶媒アセトンを除去した。得られた分散液を攪拌しながら室温まで冷却した。得られた分散液の偏光顕微鏡画像はマルタクロスの多重度の存在を明らかにし、これは小胞の量に対する測定値として考えられる。その結果得られる(多重カメラ)小胞は20以上の二重層からなり(FF−EM写真から結論、第2図参照)そして平均直径800nmであった(これらのFF−EM写真から計算)。
1.2. 液状パラフィン中の小胞の別のバッチを以下のように作った:
液状パラフィン70gを加熱しそして80℃ガス抜きした。ワサグエステル▲R▼30gおよびコレステロール3gを70℃にてエタノール80gに溶かした。透明なエタノール溶液を150rpmの攪拌機を用いて液状パラフィンとともに混合した。エタノールを80℃にて減圧下に除去した。分散液の発泡がなくなった場合すべてのエタノールが除去したとき考えた。得られた小胞の分散液を減圧下に22℃まで冷却した。得られた(多重カメラ)小胞は20以上の二重層からなり(FF−EM写真から結論)そして平均直径800nmを有していた(これらのFF−EM写真から計算)。小胞は少なくとも一年間安定した。
1.3. 小胞の別のバッチを1.2と同じ方法でそして同じ成分を用いて以下の量で作った:
70℃にてエタノール中に溶かしたワサグエステル15▲R▼50gおよびコレステロール5gならびに液状パラフィン250g。
1.4. 小胞の別のバッチを以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL−K4▲R▼シリコーン油70g、ワサグエステル15▲R▼30gおよびコレステロール3gを150rpmの攪拌機を用いて80℃にて混合した。45分後混合物を22℃まで冷却した。得られた小胞は平均直径1μmであった。
1.5. 小胞のさらに別のバッチを以下のように液状パラフィン中で作った:
液状パラフィン97.5g、トリ−オキシエチレングリコールモノオクタデシルエーテル2gおよびコレステロール0.5gを150rpmの攪拌機を用いて70℃にて混合した。45分後混合物を22℃まで冷却した。得られた小胞は平均直径1μmであった。
1.6. 小胞の別のバッチを以下のようにドデカン中で作った:
ドデカン96.5g、Brij−30▲R▼(テトラエチレングリコールモノラウリルエーテル)、コレステロール2.5gおよび水1gを300rpmの攪拌機を用いて80℃にて混合した。15分後混合物を有する容器を超音波処理機中に置き25℃まで冷却し、その間10分間超音波処理した。得られた多重カメラ小胞は直径10μmまでであった。3週間後混合物は小胞の他にもコレステロールの結晶を含んでいた。
エッチ.クニエダらにより記載されたように小胞の調製する〔J.Am.Chem.Soc.113(3)1051〜1052(1991)〕ために、コレステロールの添加を停止する場合、混合物を超音波処理するかまたは手動振とうするのいずれかでも小胞を得ることができない。
水およびBrij−30▲R▼の濃度が10倍に増加した場合、小胞はコレステロールの不存在で得られた。これらの小胞は約5週間以内に崩壊した。
1.7. 小胞の別のバッチを以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL−K4▲R▼シリコーン油20g、アルラセル(Arlacel)−40▲R▼(ソルビタンモノパルミテート)1g、コレステロール0.4gおよび水0.2gを300rpmの攪拌機を用いて85℃にて混合した。30分後混合物を含む容器を超音波処理装置に置きそして28℃まで冷却し、その間10分間超音波処理した。得られた多重カメラ小胞は少なくとも3週間安定し直径5μmまでであった。
コレステロールの添加を停止した場合、小胞は得られなかった。
水の添加を省略すると小胞が形成するが、得られた小胞は安定度が低く2、3日で崩壊した。
水に代わりエタノールアミン0.15gを使うと直径5μmまでの安定な小胞が得られた。
1.8. 小胞の別のバッチを以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL−K4▲R▼シリコーン油20g、グリセリルモノラウレート1g、コレステロール0.4gおよび水0.2gを300rpmの攪拌機を用いて80℃にて混合した。30分後混合物を含む容器を超音波処理装置中に置きそして28℃まで冷却し、その間10分間超音波処理した。得られた多重カメラ小胞は少なくとも3週間安定で直径15μmであった。
コレステロールの添加を停止した場合、小胞を得ることはできなかった。
水の添加を省略すると、小胞が形成する結果となるが、しかし得られた小胞は安定性が低くそして2、3日以内に崩壊した。
水の代わりにエタノールアミン0.2gを用いても直径15μmの安定な小胞が得られた。
1.9. 他の脂質小胞を以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL K4▲R▼シリコーン油30g、ワサグエステル15▲R▼3gおよびパルミチン酸0.3gを300r.p.m.の攪拌機を用いて85℃で混合した。10分後混合物を雰囲気温度まで冷却した。得られた脂質小胞は平均直径1μmであった。パルミチン酸を加えない場合、サンプルは多量の凝集した脂質小胞と非小胞性物質を示した。
1.10. 他の脂質小胞を以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL K4▲R▼シリコーン油20g、ワサグエステル15▲R▼1gおよびレチノイン酸0.1gを300rpmの攪拌機を用いて85℃にて混合した。10分後混合物を雰囲気温度まで冷却した。得られた脂質小胞は平均直径1μmであった。レチノイン酸を加えない場合、サンプルは多量の凝集した脂質小胞と非小胞性物質を示した。
1.11. 他の脂質小胞を以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL K4▲R▼シリコーン油20g、ワサグエステル15▲R▼1gおよびプロピレングリコール−ジペラルゴネート0.1gを300rpmの攪拌機を用いて85℃にて混合した。10分後混合物を超音波処理する間雰囲気温度まで冷却した。得られた脂質小胞は平均直径1μmであった。プロピレングリコール−ジペラルゴネートの代りにジグリセリル−ジ−イソステアロ−ステアレート0.1gを用いた場合、同量の小胞が得られた。ワサグエステル15▲R▼だけを用いた場合、サンプルは多量の凝集脂質小胞と非小胞物質を示した。
1.12. 他の脂質小胞を以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL K4▲R▼シリコーン油10g、ワサグエステル15▲R▼1gおよび2−ヘキシル−オクチル−エタノール0.33gを300rpmの攪拌機を用いて90℃にて混合した。10分後混合物を超音波処理する間に雰囲気温度まで冷却した。得られた脂質小胞は平均直径1μmであった。2−ヘキシルオクチル−エタノールの代わりにジオクチルフタレート0.33gを使用する場合、同量の小胞が得られた。ワサグエステル15▲R▼だけを用いた場合、サンプルは多量の凝集した脂質小胞と非小胞物質を示した。
1.13. 他の脂質小胞を以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL K4▲R▼シリコーン油36g、凍結乾燥したコカミドプロピルベタイン(テゴ−ベタイン(TEGO BETAIN)HS▲R▼)2.7gおよびコレステロール0.34gを300rpmの攪拌機を用いて85℃にて混合した。10分後混合物を超音波処理する間雰囲気温度まで冷却した。得られた脂質小胞は平均直径1μmであった。コレステロールを添加しない場合、サンプルは非常にわずかな小胞を示しそしてほとんどのコカミドプロピルベタインが結晶形状であった。
1.14. 他の脂質小胞を以下のように揮発性シリコーン油中で作った:
ABIL K4▲R▼シリコーン油25g、冷凍乾燥したオレイン酸カリウム3g、コレステロール1gおよび水1gを300rpmの攪拌機を用いて85℃にて混合した。10分後、混合物を超音波処理する間に雰囲気温度まで冷却した。得られた脂質小胞は平均直径1μmであった。
コレステロールを加えない場合、サンプルは非常にわずかな小胞を示し、そしてオレイン酸カリウムのほとんどが結晶形であった。
水を加えない場合、サンプルは非常にわずかな小胞を示しそしてオレイン酸カリウムのほとんどが結晶形であった。
オレイン酸カリウムだけを使用する場合、サンプルは非常にわずかな小胞を示しそしてオレイン酸カリウムのほとんどが結晶形であった。
実施例2
非極性基剤における充てん小胞の分散液の製造
2.1. 二ナトリウム−フルオレセインを充てんした小胞を以下の成分を用いて1.1と同様に作った:
70℃のエタノール80gに溶かした二ナトリウム−フルオレセイン65mg、ワサグエステル15▲R▼20gとコレステロール2gおよび液状パラフィン100g。
得られた小胞は直径1μmであり、二ナトリウム−フルオレセインに特徴的な明るい蛍光を示した。二ナトリウム−フルオレセインの結晶はこの分散液中では見られなかった(偏光顕微鏡で検査)。液状パラフィンにおける二ナトリウム−フルオレセインの非常に低い溶解度のためにすべての二ナトリウム−フルオレセインが小胞に封入されていることが結論された。
2.2 コルチコステロイドブデソニドを充てんした小胞の別のバッチを以下の成分を用いて1.1と同じように作った:
70℃のエタノール100mlに溶かしたブデソニド381mg、ワサグエステル15▲R▼50gおよびコレステロール5gおよび80℃の液状パラフィン250g。
得られた小胞は直径1μmであった。ブデソニドの結晶はサンプル中で見られなかった。液状パラフィンにおけるブデソニドの非常に低い溶解度のために、すべてのブデソニドが小胞内に封入されていることが結論された。
2.3. グラミシジンDを充てんした小胞のさらに別のバッチを以下の成分を用いて1.1.と同じように作った:
70℃のエタノール100mlに溶かしたグラミシジンD100.6mg、ワサグエステル15▲R▼20gおよびコレステロール2g、および80℃の液状パラフィン100g。
得られた小胞は直径1μmであった。グラミシジンDの結晶はサンプル中で見られなかった。液状パラフィンにおけるグラミシジンの非常に低い溶解性のために、すべてのグラミシジンDは小胞内に封入されていると結論された。
2.4. コルチコステロイドヒドロコーチゾン−17−ブチレートを充てんした小胞のさらに別のバッチを以下の成分を用いて1.1.と同じ方法で作った:
70℃のエタノールに溶かしたヒドロコーチゾン−17−ブチレート250mg、ワサグエステル15▲R▼30.1gおよびコレステロール3gおよび80℃の液状パラフィン70g。
得られた小胞は直径1μmであった。ヒドロコーチゾン−17−ブチレートの結晶はサンプル中に見られなかった。液状パラフィンにおけるヒドロコーチゾン−17−ブチレートの非常に低い溶解性のために、すべてのヒドロコーチゾン−17−ブチレートは小胞内に封入されていると結論された。
2.5. ヒドロコーチゾン−17−ブチレートを充てんした小胞のさらに別のバッチを以下の成分を用いて1.3.と同じ方法で作った:
ABIL K4▲R▼70g、ワサグエステル15▲R▼30g、コレステロール3gおよびヒドロコーチゾン−17−ブチレート0.25g。
得られた小胞は平均直径1μmであった。ヒドロコーチゾン−17−ブチレートの結晶はサンプル中に見られなかった。ABIL K4▲R▼におけるヒドロコーチゾン−17−ブチレートの非常に低い溶解性のために、すべてのヒドロコーチゾン−17−ブチレートは小胞内に封入されていると結論された。
2.6. メチル−p−ヒドロキシベンゾエート(ニパギン(NIPAGIN)M▲R▼)を充てんした小胞を以下の成分を用いて1.1と同じ方法で作った:
70℃のエタノール80g中に溶かしたニパM▲R▼400mg、ワサグエステル15▲R▼20gおよびコレステロール2gおよび液状パラフィン177.6g。
得られた小胞は平均直径1μmであった。このサンプル中にはニパM▲R▼の結晶は存在しなかった。(偏光顕微鏡で検査)。
サンプル1gをヘラウスクリストミニフーゲ(HERAEUS CHRIST MINIFUGE)2遠心分離機を用いて10分間3000RPMにて遠心分離してパラフィン外相から小胞を分離した。
透明な分散媒50μlを75%プロピレングリコール/水混液2mlで抽出した。274.8nmにおける抽出液のUV吸収はシマヅ(SHIMADZU)UV−160分光光度計を用いて測定した。ニパM▲R▼の量は6つの検量液の検量線を用いて計算した。分散媒で見出されるニパMの濃度は46.8μg/ml(N=2)であり、液状パラフィンにおけるニパMの測定される飽和濃度は55μg/mlである。サンプルにおけるニパMの全量の97.3%(N=2)が小胞内に封入されていることが計算された。
実施例3
通常のクリーム剤の製造、および中空小胞の分散液を含むクリーム剤の製造
3.1. 通常のクリーム剤を以下のように製造した:
白色ワセリン3000g、液状パラフィン1200g、セチルステアリルアルコール1440gおよびメチル−p−ヒドロキシベンゾエート(ニパギン M▲R▼)40gを70℃にて一緒に加熱した。セトマクロゴール(CETOMACROGOL)1000▲R▼360g、無水クエン酸トリ−ナトリウム−クエン酸塩56gを70℃にて水13820gに溶かした。両方の相を一緒に混合し、同時に200rpmの攪拌機および2000rpmのトウラックス(TURRAX)▲R▼ホモジナイザーを用いる。分散液を減圧下に22℃まで冷却した。
3.2. 小胞含有クリーム剤を以下のように製造した:
1.2による分散液50gを3.1によるクリーム剤200gとともに30分間20℃にて50rpmの攪拌機で混合した。3ケ月後小胞はまだクリーム剤中に均一に分布していた(偏光顕微鏡で観察)。
実施例4
通常のゲルおよび中空小胞の分散液を含むゲルの製造
4.1. 通常のゲルを、水990g中にカルボポール(CARBOPOL)934▲R▼10gを分散させることにより製造した。得られた懸濁液のpHをトリエタノールアミンを用いてpH=4.0まで調節した。
4.2. 小胞含有ゲルを、乳鉢中で1.2による分散液0.8gを4.1によるゲル3.2gとともに手動混合することにより製造した。
得られたゲルはクリーム色の外観であった。小胞はゲル中に均一に分布していた(偏光顕微鏡により観察)。小胞は少なくとも一年間安定した。
実施例5
小胞の分散液および医薬品(遊離または小胞中に封入)を含むクリーム剤または医薬品単独を含むクリーム剤の製造
5.1. 小胞に封入されたブデソニドを含むクリーム剤を、2.2による分散液50gを3.1によるクリーム剤200gとともに1/2時間混合(50rpmの攪拌機を用いて)することにより製造した。
5.2. 遊離ブデソニドおよび小胞を含むクリーム剤を、3.2によるクリーム剤50gをブデソニド12.5mgとともに30分間混合(50rpmの攪拌機を用いて)することにより製造した。
5.3. 小胞中に封入されたヒドロコーチゾン−17−ブチレートを含むクリーム剤を、2.4による分散液4gを3.1によるクリーム剤6gとともに乳鉢中で手動混合することにより製造した。
5.4. 小胞中に封入されたヒドロコーチゾン−17−ブチレートを含むクリーム剤を、2.5による分散液4gを3.1によるクリーム剤6gとともに乳鉢中で手動混合することにより製造した。
5.5. 小胞を有さないヒドロコーチゾン−17−ブチレートを含むクリーム剤を、ヒドロコーチゾン−17−ブチレート10mgを3.1によるクリーム剤10gとともに乳鉢中で手動混合することにより調製した。
実施例6
小胞および二ナトリウム−フルオレセイン(遊離または小胞内に封入)を含むゲルまたは二ナトリウム−フルオレセイン単独を含むゲルの製造。
6.1. 小胞中に封入された二ナトリウム−フルオレセインを含むゲルを、2.1による分散液0.8gを4.1によるゲル3.2gとともに乳鉢中で手動混合することにより製造した。6ケ月後小胞はいまだゲル中に均一に分布した。
6.2. 遊離二ナトリウム−フルオレセインおよび小胞を含むゲルを、4.2によるゲル10g中に二ナトリウム−フルオレセイン1mgを溶解することにより製造した。6ケ月後小胞はまだゲル中に均一に分布した。
6.3. 二ナトリウム−フルオレセイン単独を含むゲルを4.1によるゲル10g中に二ナトリウム−フルオレセイン1mgを溶解することにより製造した。
実施例7
小胞の分散液を含むクリーム剤からのインビトロのブデソニド放出。
5.1および5.2によるクリーム剤を以下のインビトロ拡散試験において比較した。
インビトロブデソニド放出実験は、その中のクリーム層(1.8mm)が表面積52.8cm2のセルロース−トリアセテート膜(SM14539、SARTORIUS▲R▼、オランダ国)により水性受容相(0.5%w/wセトマクロゴール1000▲R▼)から分離しているパースペックスドーナー区画室用いて35℃の温度にて実施された。
100ml受容相を約1.8ml/分の速度にて受容室を通って循環させた。サンプル1mlを30分間隔で採取した。サンプリング後受容相を新しく調製した。受容相1mlで100mlまで充てんした。サンプルにおけるブデソニド濃度をHPLCを用いて測定した。サンプル50μlを自動注入機(ギルソン(GILSON)▲R▼231型)を使ってシステムへ注入した。逆相HPLCカラム(クロムスファー(CHROM SPHER)▲R▼、C18 100×3mm、クロムパック(CHROMPACK)▲R▼、オランダ)を、アセトニトリル/水(35/65v/v)からなる可動相を用いて流速0.8ml/分にて22℃で溶出した。カラム流出液を242nmでモニターした(マプライド バイオシステムズ(Applied Biosystems)▲R▼757)。ブデソニドの保持時間は約7分であった。
両方のクリーム剤とも2回試験し、1つの製剤の結果の間の最大偏差は8%であった。第3図において、膜(上記したもの)を透過するブデソニドの量を施用時間の平方根の関数として示す。
これらの結果からクリーム剤における小胞中のブデソニドの封入はこのようなクリーム剤からのブデソニドの放出を著しく遅らすことが明らかである。
実施例8
二ナトリウム−フルオレセインの蛍光挙動における封入の影響
6.1、6.2および6.3によるゲルにおける二ナトリウム−フルオレセインの蛍光挙動は反射蛍光光顕鏡法(RLFM)を用いて研究された。
青色光線励起を用いたRLFM顕微鏡(オリンパス▲R▼BHZ、日本)を使用して6.1、6.2および6.3のゲルの蛍光パターンを研究した。顕微鏡の画像をビデオカメラ(ソニー▲R▼DXC−3000P)により記録しそしてビデオレコーダー(ソニー▲R▼VO 5800PS)でテープにとった。
記載した装置の助けを借りてゲル内に蛍光が消失した後の時間を測定することができた。ゲル6.1、6.2、6.3についてこの時間はそれぞれ469秒、53秒および1秒未満であった。
これらの結果から、高い水溶性の二ナトリウム−フルオレスセインがゲル中にこれを分散後もまだ小胞に封入されていることが明らかであった。
実施例9
ヒトの皮膚におけるインビボのコルチコステロイド放出
5.3、5.4および5.5によるコルチコステロイドクリーム剤のインビボ皮膚漂白効果をマッケンジー−ストウトン(Mckenzie−Stoughton)試験において比較した。
試験を健常ボランティア(女性1人および男性7人)の一群において実施した。部位を直径15mmの円形パンチを用いた軽いくぼみにより両方の前腕の屈筋面上にマークした。位置は手首および肘から少なくとも4cmの距離であった。予めコード化した製剤をラテン方陣の実験図案にしたがってこれらの部位へ施こした。製剤は使い捨てピペット(キャピレトール(Capilettor)▲R▼)から1つの部位につき10μlの量で施こされた。次いで円形にした外科用テープ(直径:外側50/60mm、内側25mm)をその場に固定した保護物で施用部位を(閉塞ではなく)被覆した。
配合剤施用後9時間してから、着衣を脱ぎそして腕を石けんとぬるま湯で洗った。したがって、様々な部位の漂白を、互いに独立して働く二人の熟練した採点者により0〜4の一体的尺度に基づいて視覚的に評価した。これを製剤除去後1、3、6、9、25および32時間目に行なった。実験を二重盲検法により行なった。この試験の結果を第4図に示すが、ここでは平均漂白スコアを時間の関数として与えている。これらの結果から、クリーム剤5.1および5.2からの深い皮膚部分(ここで漂白が生じる)に達するステロイドの絶対的量は通常のクリーム剤5.3からのものより低いことが結論された。これはその封入のためにヒドロコーチゾン−17−ブチレートのより低い放出および保持により起こったものである。通常のクリーム剤は3時間後にピークのスコア(2.64)で9時間後にはスコアは1.87まで低下した。多重カメラ小胞に封入されたヒドロコーチゾン−17−ブチレートを有するクリーム剤は両方ともこのような迅速な低下を示さなかった。これらの結果から小胞を使用して皮膚科用配合剤からの医薬品の持続した放出および皮膚上部における保持をすることができることが明らかになった。
Claims (11)
- 非極性相における、非極性相を封入している小胞の分散液であって、前記小胞が界面活性剤または界面活性剤の混合物を含み、前記界面活性剤または界面活性剤の混合物がサッカロース脂肪酸エステルからなる群より選ばれることを特徴とする前記分散液。
- 親油性安定化因子として小胞中にステロールが存在する、請求項1記載の小胞の分散液。
- 親油性安定化因子として小胞中にレチノイドが存在する、請求項1記載の小胞の分散液。
- 親油性安定化因子として小胞中に分枝脂肪族アルコールが存在する、請求項1に記載の小胞の分散液。
- 親油性安定化因子として小胞中に(炭素原子数4以上の)直鎖または分枝鎖飽和脂肪族アルコールと(炭素原子数4以上の)脂肪族または芳香族ジカルボン酸とのエステルが存在する、請求項1に記載の小胞の分散液。
- 親油性安定化因子として小胞中に飽和または不飽和脂肪酸が存在する、請求項1に記載の小胞の分散液。
- 親油性安定化因子として小胞中に直鎖または分枝脂肪酸とポリヒドロキシル化合物とのエステルが存在する、請求項1に記載の小胞の分散液。
- 水および水素結合を形成し得る官能基を1以上有する分子量150までの化合物からなる群より選ばれる極性液体である親水性安定化因子を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の小胞の分散液。
- 非極性相が液状パラフィンまたは揮発性シリコーン油からなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の小胞の分散液。
- 1以上の親水性活性物質が存在する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の小胞の分散液。
- 1以上の親油性活性物質が存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の小胞の分散液。
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