JP2004538295A - 少なくとも1種のdhea化合物を導入した脂質ラメラ小胞に基づく組成物 - Google Patents
少なくとも1種のdhea化合物を導入した脂質ラメラ小胞に基づく組成物 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、少なくとも1種のDHEA系化合物を含有する脂質ラメラ相から形成した小胞を含む組成物に関する。本発明はまた、この組成物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明において、「DHEA系化合物」という用語は、DHEA自体、DHEA前駆体またはDHEA誘導体を表す。
【0003】
デヒドロエピアンドロステロンおよび/またはその誘導体を含む、局所適用のための化粧用組成物または皮膚科用組成物について記載した特許が多く存在する。例えば、米国特許第5 989 568号は、しわおよび小皺を処置し、かつ/または皮膚および/または皮下のたるみを抑制し、かつ/または皮膚の輝きを回復させるための局所組成物への硫酸デヒドロエピアンドロステロンの使用について記載している。
【0004】
DHEA、すなわちデヒドロエピアンドロステロンは、基本的に副腎によって生成される天然ステロイドである。局所または経口投与した外来のDHEAは、その表皮の角質化を促進する能力(特開平07-196467)、ならびに皮脂の内因性産生および分泌を増大させ、然るに皮膚保護効果を強化することによって、乾燥皮膚を処置する能力(米国特許第4,496,556号)で知られている。また、DHEAを使用してコラーゲンおよび結合組織の喪失を抑制することにより、皮膚萎縮症を克服したことが、米国特許第5 843 932号に記載されている。最後に、本出願人は、DHEAの、皮膚の荒れた(weathered)外観に対処する能力(FR 00/00349)ならびに皮膚および髪の色素沈着を調節する能力(FR 99/12773)を実証している。DHEAのこれらの特性により、これは老化を防止する有効物質としての好ましい候補となっている。
【0005】
DHEA代謝産物としては、7α-ヒドロキシDHEAが近年特に注目されている。具体的に言えば、DHEAのホルモン活性をもたないこの代謝産物が、線維芽細胞の増殖およびヒトケラチノサイトの生存力を増大させることを可能にすること、またフリーラジカル捕捉作用を有することが実証されている(WO 98/40074)。また、7α-ヒドロキシDHEAが、真皮の厚さならびに皮膚のエラスチンおよびコラーゲン含有量を増大させることがラットで実証されている(WO 00/28996)。したがって、皮膚へのUVの有害な作用を予防および/または処置し、しわを抑制し、かつ皮膚の硬度および張りを増大させるために、このDHEA代謝産物を使用することが推奨されている。
【0006】
しかし、DHEA系化合物には、化粧品用溶剤中での溶解性が非常に乏しく、水性相の存在下で結晶化する欠点がある。この結果、結晶度に応じて、これらの組成物の有効性が多少とも顕著に低下するが、それは所望の目的に反する。
【0007】
さらに、DHEA系化合物は、化粧品用担体中で溶存態をとる場合には、結晶サイズの制御が不十分な結晶形態をとる場合よりも皮膚内での生体利用能がより優れており、高レベルではそれがいっそう顕著である。
【0008】
本特許出願において、「生体利用能」という用語は、生体皮膚の、特に表皮の層内に検討中の有効物質の分子が浸透することを表す。生体皮膚の層にまで達する有効物質の量を増大させるために、浸透濃度が可能な限り高くなるようにすることが要求されるであろう。
【0009】
DHEA系化合物を、例えば、プロピレングリコール、脂溶性スクリーニング剤、2-アルキルアルカノールなどいくつかの溶媒中で25℃で溶解させることができるが、これを行うためには、多量のDHEA系化合物を溶解させるために溶媒の濃度が非常に高い必要がある。ところが、これらの溶媒は油性であることが好ましいので、可能な限り最も許容される化粧品の感触をもたせるために、また耐性に関するあらゆる問題も制限するために、最終組成物中のそれらの含有量を制限することがむしろ要求されるであろう。
【特許文献1】
米国特許第5 989 568号
【特許文献2】
特開平07-196467
【特許文献3】
米国特許第4,496,556号
【特許文献4】
米国特許第5 843 932号
【特許文献5】
FR 00/00349
【特許文献6】
FR 99/12773
【特許文献7】
WO 98/40074
【特許文献8】
WO 00/28996
【特許文献9】
特許出願EP-958 856
【特許文献10】
特許出願EP-582 503
【特許文献11】
特許出願EP-455 528
【特許文献12】
特許出願EP-43327
【非特許文献1】
S. Paint Technology 30、195頁(1967)「The Three Dimensional Solubility Parameter - Key to Paint Component Affinities」
【非特許文献2】
Kabalnovら、J. Colloid and Interface Sci. 118 (1987) 59〜597頁
【特許文献13】
国際特許出願WO 97/13500
【特許文献14】
特許出願FR 2 771 105
【特許文献15】
特許出願WO 94/08588
【特許文献16】
米国特許第2 736 537号
【特許文献17】
特許出願FR 00/03846
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、依然として生理学的に許容される媒体中にDHEA系化合物を溶解させることが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願人は今回、親水性相を封入する小胞タイプの脂質ラメラ相の構成成分として、DHEAおよび/またはその誘導体および/またはその前駆体を組成物中に導入できることを発見した。これらの小胞は、特許出願EP-958 856、EP-582 503、EP-455 528またはEP-43327に記載されているタイプのニオソーム、または標準タイプのリポソームのいずれかでよい。このタイプの構造では、DHEAおよび/またはその誘導体および/または前駆体は、ラメラ相の成分の1種になる。
【0012】
こうした小胞の壁の耐漏洩性を強化するためにコレステロールを使用できることは、当業者に知られている。驚くべきことに、本出願人は今回、脂質ラメラ相の構造において、コレステロールを少なくとも1種のDHEA系化合物と置換できることを発見した。
【0013】
これらの化合物は、コレステロールと類似の構造を有しているが、より極性が高い。すなわち、これらは、コレステロールよりも高い、DHEA系化合物の極性を示す溶解パラメータによって特徴づけられている。
【0014】
本発明において、「溶解パラメータ」という用語は、ハンセンの溶解パラメータδd、δpおよびδhを表す。これらのパラメータは、文献S. Paint Technology 30、195頁(1967)「The Three Dimensional Solubility Parameter - Key to Paint Component Affinities」で定義されている。
【0015】
コレステロール、DHEAおよびその類似体の溶解パラメータを以下の表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
極性にこのような差があるので、コレステロールとこれらの分子のうちの1種との純粋且つ単純な置換は自明ではなかった。具体的に言えば、これらの極性は、水との親和性が、コレステロールの場合よりも高いことを示唆しており、より高いオストワルド熟成感受性を誘発し(Kabalnovら、J. Colloid and Interface Sci. 118 (1987) 590〜597頁)、したがってDHEA系化合物を含有する組成物の連続相中でそれらの急速な再結晶化をもたらすはずである。
【0018】
DHEA系化合物の導入は、コレステロールの全部または一部を前記DHEA系化合物と置換することによって実施する。次いで、後者の化合物を、小胞のラメラ相を構成しているその他の脂質(水素化したまたは水素化していないレシチン、特許EP 958 856、EP 582 503、EP 455 528およびEP 43327に記載のようにコレステロールと併用するとラメラ相を形成し得る非イオン性界面活性剤、ならびに得られた小胞を安定化させるイオン性界面活性剤)と密接に結合させる。それらは、水の分散媒またはそれらが不溶な分散媒中では再結晶化しない。
【0019】
明らかに、当業者には5β-ステロイドに基づくリポソームの製剤は知られている。
【0020】
したがって、国際特許出願WO 97/13500は、脂質または脂質化合物および5β-ステロイド、DHEAまたは、5β-ステロイドもしくはDHEAから誘導した有機酸を含むリポソームについて記載している。前記特許出願に記載されている小胞は、あらかじめ調製しておいたα-トコフェリルヘミコハク酸塩に基づいており、またやはりあらかじめ調製しておいたヘミコハク酸コレステリルのトリス塩にも基づいている。これらの小胞は、特に肥満および/または糖尿病および/またはコルチコイド過剰症を処置するものである。これらの小胞の調製は長く複雑であり、大規模な開発が可能ではない。
【0021】
したがって、本発明の1つの主題は、
・少なくとも1種の両親媒性脂質を含み、内部親水性相を封入した、コハク酸および/またはヘミコハク酸誘導体を含まない脂質ラメラ相によって形成された、外部水性相中に分散した小胞と、
・前記ラメラ相中に含まれる少なくとも1種のDHEA系化合物
とを含む組成物である。
【0022】
前記DHEA系化合物を小胞のラメラ相に取り込むことにより、それが溶存態で利用可能になり、水性相中でのその結晶化を効率的に防止することが可能になる。さらに、本発明による小胞は、皮膚内での前記DHEA系化合物の生体利用能を向上させる。最後に、本発明による小胞が段階的に分解することにより、それらが含有する前記DHEA系化合物の制御放出が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本特許出願において、「溶存態」という用語は、有効物質の結晶化が肉眼で、あるいは交差偏光光学顕微鏡法によって少しも見られない、分子形態での液晶タイプ、ラメラまたは六角形タイプのリオトロピック相への分散を意味する。
【0024】
本発明に従って使用できるDHEA系化合物は、DHEA自体、DHEA前駆体およびDHEA誘導体から選択される。
【0025】
本発明に従って使用できるDHEA前駆体としては、代謝中にDHEAに変換され得るその生物学的前駆体および、外因性化学反応によってDHEAに変換され得るその化学的前駆体も挙げることができる。生物学的前駆体の例には、Δ5-プレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロンおよび17α-ヒドロキシプレグネノロンサルフェートがあり、このリストは限定を意図するものではない。化学的前駆体の例には、サポゲニン、ならびにジオスゲニン(または5-スピロステン-3β-オール)、ヘコゲニン、酢酸ヘコゲニン、スミラゲニンおよびサルサポゲニン、チゴゲニン、ヤモゲニンおよびユカゲニンなどのその誘導体、ならびにそれらを含有する天然抽出物、特にコロハ種子および野生ヤマノイモ抽出物などのヤマノイモ属植物の抽出物があり、このリストは限定を意図するものではない。
【0026】
本発明に従って使用できるDHEA誘導体としては、その代謝誘導体およびその化学誘導体の両方が挙げられる。
【0027】
特に言及することができる代謝誘導体には、Δ5-アンドロステン-3,17-ジオールおよびΔ4-アンドロステン-3,17-ジオン、また7α-OH DHEA、7β-OH DHEA、11α-OH DHEAおよび7-ケト-DHEAもあり、このリストは限定を意図するものではない。7α-OH DHEAが本発明で使用するのに好ましい。この化合物を調製する方法は、特許出願FR 2 771 105およびWO 94/08588に具体的に記載されている。
【0028】
特に言及することができる化学誘導体には、DHEA塩、特に硫酸DHEAなどの水溶性塩がある。米国特許第2 736 537号に具体的に記載されているDHEAのヒドロキシカルボン酸エステルなどのエステル、あるいはサリチル酸DHEA、酢酸DHEA、吉草酸DHEA(またはn-ヘプタノエート)およびエナント酸DHEAなどのエステルについて言及することもできる。本出願人名義の特許出願FR 00/03846に記載されているDHEA誘導体(カルバミン酸DHEA、DHEA 2-ヒドロキシマロン酸エステルおよびDHEAアミノ酸エステル)について言及することもできる。7-ケト-DHEAの3-アルキルエステル、例えば3-アセトキシ-7-ケト-DHEAに言及することもできる。
【0029】
本発明で使用するのに適した他の化学DHEA誘導体は、式(1) の誘導体である。
【0030】
【化1】
【0031】
上記式中、
R1およびR2は、それぞれ独立に、
・任意に1種または複数のヘテロ原子を含有し、任意に-OR'および/または-SR'および/または-C00R'および/または-NR'R'および/またはハロゲンおよび/または硫酸エステルおよび/またはリン酸エステルおよび/またはアリールおよび/または、有利にはインドール、ピリミジン、ピペリジン、モルホリン、ピラン、フラン、ピペラジン及びピリジンから選択されるヘテロ環から選択される1種または複数の基で置換された、飽和または不飽和の、直鎖状、分枝状または環状のC1〜C12アルキル基、
・C1〜C24アルキル部分が飽和または不飽和、直鎖状、分枝状または環状であり、任意に-OR'および/または-SR'および/または-C00R'および/または-NR'R'および/またはハロゲンおよび/または硫酸エステルおよび/またはリン酸エステルおよび/またはアリールおよび/または、有利にはインドール、ピリミジン、ピペリジン、モルホリン、ピラン、フラン、ピペラジン、ピリジンから選択されるヘテロ環から選択される1種または複数の基で置換されたアルキルカルボニル基、
・アリールカルボニル基、好ましくはフェニルカルボニル基、あるいはアリールアルキルカルボニル基、好ましくはベンジルカルボニル基であって、任意に1種または複数の基-OR'および/または-SR'および/または-C00R'および/または-NR'R'および/またはハロゲンおよび/またはアリールおよび/またはヘテロ環で置換されたもの、
・O=P (OH) OR'基、
・(0)2SOR'基、
・トリアルキルシリル基(SiR'3)であって、3個のR'基が同一または相違するもの、
・カルボニルオキシアルキル基(R'OCO)、
・カルボニルアミノアルキル基(R'NHCO)、
から選択され、
式中、R'は、水素原子及び、任意に1種または複数のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の、直鎖状、分枝状または環状のC1〜C12、好ましくはC1〜C6アルキル基であって、任意に1種または複数の基-OR"、-COOR"、ハロゲン、-NR"R"で、あるいはアリール基、好ましくはフェニル基で官能化され、これが任意に1種または複数の基-OR"、-COOR"、ハロゲンあるいは-NR"R"で官能化されたものから選択され、
R"は、水素原子あるいは、飽和または不飽和の、直鎖状、分枝状または環状のアルキル鎖、好ましくはC1〜C6のものを表し、
-NR'R'および-NR"R"のそれぞれの基において、置換基R'またはR"が、それぞれ同一あるいは相違することが理解される。
【0032】
特に言及することができる式(1)の誘導体としては、7-OH-DHEAジエステル、より好ましくは、特に3-アセトキシ-7-安息香酸DHEAの商標名でGattefosse社から入手可能な3-0-アセチル-7-ベンゾイルオキシジヒドロエピアンドロステロンがある。
【0033】
DHEA系化合物は、小胞の膜、すなわち脂質ラメラ相を構成する脂質組成物の0.1%〜50重量%、好ましくは1%〜25重量%を占めて良い。
【0034】
本発明による小胞は、二分子型の、実質的に同心円状のラメラ相の薄片1〜25個で形成されている、またはそれを含むことが好ましい。
【0035】
これらの薄片は、構成状態が結晶状態と液体状態の中間である中間相(mesomorphic pphases)を形成する特性、ならびに水性溶液の存在下で膨潤して、攪拌によって小胞が水性相中に分散した状態をもたらす前記ラメラ相を形成する特性の両方を有する脂質から得られる。
【0036】
本発明による小胞は、内部親水性相である水性コアをもつ、すなわち親水性相を封入した脂質ラメラ小胞である。これらの小胞は、その教示が参照により本明細書に組み込まれる特許出願EP 0 582 503に記載されているタイプのニオソームなど、または標準タイプのリポソームのいずれかでよい。
【0037】
ニオソームの場合、ラメラ相は、融点が少なくとも40℃である、任意にオキシエチレン化した、ポリオールのアルキルまたはポリアルキルエステル、および任意にオキシエチレン化したポリオールエーテルから選択される少なくとも1種の非イオン性両親媒性脂質を含む。
【0038】
本発明で使用するのに適した非イオン性両親媒性脂質は、特に天然または合成由来の糖脂質(例えばセレブロシド)、あるいは少なくとも14個の炭素原子を含有する飽和炭化水素系鎖をもつ少なくとも1種の酸のポリオールエステルの混合物、およびやはり少なくとも14個の炭素原子を含有する飽和炭化水素系鎖をもつ少なくとも1種のアルコールのポリオールエーテルである。
【0039】
「エステル混合物」という用語は、異なる化学物質群の純粋なエステルの混合物だけでなく、ランダムな数のグリセロール単位を含むポリグリセロールエステルなどの、可変の割合で同じ群のいくつかの化学的に純粋なポリオールエステルを含有するいかなる生成物をも表す。
【0040】
したがって、非イオン性両親媒性脂質は、1〜60個の酸化エチレン単位を含むポリエチレングリコール、ソルビタン、2〜60個の酸化エチレン単位を含むソルビタン、2〜30個の酸化エチレン単位を含むグリセロール、2〜15個のグリセロール単位を含むポリグリセロール、スクロース、2〜30個の酸化エチレン単位を含むグルコースによって形成される群から選択される少なくとも1種のポリオールと、飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状のC14〜C20炭化水素系鎖を含む少なくとも1種の脂肪酸とエステルの混合物で構成されていてよい。
【0041】
本発明に従って使用できるポリオールエーテルとしては、
-以下のそれぞれの式を有する直鎖状または分枝状のポリグリセロールエーテル
R-(OCH2-CH(OH)-CH2)n-OH (I)
および
R-(O-CH2-CH(CH2OH))n-OH (II)
[式中、nは、1〜6の整数、好ましくは2に等しく、Rは、
(a)テトラデシルまたはヘキサデシル基、あるいはオレイルアルコールまたはイソステアリルアルコールのアルキル基など、14〜30個の炭素原子を含有する、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の脂肪族鎖、
(b)ラノリンアルコールの炭化水素系基、
(c)炭化水素系鎖が少なくとも14個の炭素原子を含有する、-ジオールの2-ヒドロキシアルキル残基、
から選択される基である]、ならびに
-10molでオキシエチレン化されたオレイルアルコール(ICI Atlas社から販売されている製品「ブリジ96」)などのポリオキシエチレン化脂肪アルコール
を挙げることができる。
【0042】
さらに、上記のニオソームの安定性を向上させる目的として、ラメラ相がイオン性両親媒性脂質を含むこともできる。この脂質は、陰イオン性脂質および陽イオン性脂質から選択することができる。
【0043】
本発明で使用するのに適した陰イオン性両親媒性脂質は、
・好ましくはリン酸ジセチルおよびリン酸ジミリスチルのアルカリ金属塩、特にそのナトリウムおよびカリウム塩、ホスファチジン酸のアルカリ金属塩、特にそのナトリウム塩、硫酸コレステリルのアルカリ金属塩、特にそのナトリウム塩、リン酸コレステリルのアルカリ金属塩、特にそのナトリウム塩、アシルグルタミン酸1ナトリウムおよび2ナトリウムなどのリポアミノ酸の塩、より具体的には味の素社からアシルグルタミン酸塩HS21の名称で販売されているN-ステアロイル-L-グルタミン酸の2ナトリウム塩から選択される中和された陰イオン性脂質、
・両性脂質、好ましくはリン脂質、特に純粋な大豆ホスファチジルエタノールアミン、
・アルキルスルホン酸誘導体、特に以下の式の化合物
【0044】
【化2】
【0045】
[式中、Rは、C12〜C22炭化水素系基、特にC16H33およびC18H37基を表し、Mは、アルカリ金属、好ましくはナトリウムである]
であってよい。
【0046】
本発明の小胞中でイオン性両親媒性脂質として使用できる陽イオン性両親媒性脂質は、より具体的には第四級アンモニウム塩および脂肪アミンおよびその塩によって形成される群から選択することができる。
【0047】
本発明で使用するのに特に適したアンモニウム塩としては、
・以下の一般式(II)によって表されるもの
【0048】
【化3】
【0049】
[式中、R1〜R4基は、同一でも異なっていてもよく、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状の脂肪族基、あるいはアリールまたはアルキルアリールなどの芳香族基を表す。脂肪族基は、特に、酸素、窒素、硫黄またはハロゲンなどのヘテロ原子を含むことができる。脂肪族基は、例えば、約1〜30個の炭素原子を含有する、アルキル、アルコキシ、ポリオキシ(C2〜C6)アルキレン、アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)酢酸アルキルおよびヒドロキシアルキル基から選択される。Xは、ハロゲン化物、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、(C2〜C6)アルキル硫酸塩およびアルキルまたはアルキルアリールスルホン酸塩によって形成される群から選択される陰イオンである。好ましい式(II)の第四級アンモニウム塩は、一方では塩化テトラアルキルアンモニウム、例えば塩化ジアルキルジメチルアンモニウムまたは塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどの、アルキル基が約12〜22個の炭素原子を含有するもの、特に、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、または塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムであり、あるいは、他方では、Van Dyk社によってセラフィル70の名称で販売されている塩化ステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムである。]
・イミダゾリニウムの第四級アンモニウム塩、例えば、以下の式(III)によって表されるもの
【0050】
【化4】
【0051】
[式中、R5は、8〜30個の炭素原子を含有するアルケニルまたはアルキル基、例えば獣脂脂肪酸誘導体を表し、R6は、水素原子、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基あるいは8〜30個の炭素原子を含有するアルケニルまたはアルキル基を表し、R7は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、R8は、水素原子または1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、Xは、ハロゲン化物、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、アルキル硫酸塩およびアルキルまたはアルキルアリールスルホン酸塩によって形成される群から選択される陰イオンである。R5およびR6が、12〜21個の炭素原子を含有するアルケニルまたはアルキル基の混合物、例えば獣脂脂肪酸誘導体を示し、R7が、メチル基を示し、R8が水素を示すことが好ましい。このような生成物は、例えばRewo社によってRewoquat W75の名称で販売されている。]
・以下の式(IV)によって表される第四級ジアンモニウム塩
【0052】
【化5】
【0053】
[式中、R6は、約16〜30個の炭素原子を含有する脂肪族基を示し、R7、R8、R9、R10およびR11は、同一でも異なっていてもよく、水素、または1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基から選択され、Xは、ハロゲン化物、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩およびメチル硫酸塩によって形成される群から選択される陰イオンである。このような第四級ジアンモニウム塩は、特にプロパン獣脂ジアンモニウムジクロリド(propane tallow diammonium dichloride)を含む。]
について言及する。
【0054】
非イオン性およびイオン性両親媒性脂質の他に、ニオソームタイプの小胞のラメラ相は、ステロール、脂肪鎖アルコールおよびジオール、脂肪鎖アミンおよびその第四級アンモニウム誘導体から選択される少なくとも1種の添加剤を含有することもできる。
【0055】
皮膚脂質を再構築する能力に関連する、その化粧品および/または皮膚薬剤活性に加えて、併用している界面活性剤の結晶化を防止することによって小胞の安定性を向上させることを可能にするようなコレステロールを使用することが好ましい。小胞のラメラ相の不浸透性を向上させることによって、コレステロールはまた、ニオソームによって封入された親水性相中に含有されうる水溶性有効物質の保持力を増大させることを可能にする。
【0056】
ニオソームタイプの小胞のラメラ相は、例えば、ラメラ相を構成する脂質の全重量に対して、非イオン性両親媒性脂質35%〜90重量%、イオン性両親媒性脂質0〜20重量%、コレステロール5%〜50重量%および少なくとも1種のDHEA系化合物0.1%〜50重量%を含有することができる。
【0057】
先に言及したように、本発明による脂質ラメラ小胞は、ニオソームなど非イオン性タイプの小胞だけでなく、コレステロールおよび任意にイオン性界面活性剤、あるいは2〜50個の酸化エチレン単位を含むオキシエチレン化したフィトステロールのいずれかと併用される、天然または合成リン脂質、特にレシチン、好ましくは水素化したものなど少なくとも1種のイオン性両親媒性脂質を含む標準的なリポソームを含むこともできる。
【0058】
本発明のこの変形形態では、小胞は、ラメラ相を構成する脂質の全重量に対して、レシチン50%〜99重量%、コレステロールと少なくとも1種のDHEA系化合物の混合物50%〜1重量%、ならびにイオン性界面活性剤0〜20重量%を含むことができる。一変形形態として、それらは、ラメラ相を構成している脂質の全重量に対して、レシチン40%〜80重量%ならびにオキシエチレン化したフィトステロールと少なくとも1種のDHEA系化合物の混合物20%〜60重量%を含むことができる。どちらの場合においても、DHEA系化合物の量は、一般にラメラ相を構成している脂質の全重量の0.1%〜50%に相当する。
【0059】
本発明による小胞を作製する方法は当業者に知られているが、好ましい方法は以下のものである。
・バンガム法
小胞の脂質を有機溶媒の混合物に溶解する。次いで、この混合物を丸底フラスコ中に入れ、ロータリーエバポレータで減圧下で溶媒を蒸発させる。次いで、脂質膜が形成する。溶媒を完全に蒸発させた後、強烈に攪拌しながら水溶液を用いてこの膜を水和させる。温度は脂質の融点に調節する。次いで、リポソームの懸濁液が得られる。次いで、超音波によってそれを均質にすることができる。
・脂質の直接水和による方法
脂質は、予め結合させておいてもさせなくてもよい(融解または溶媒によって)。次いで、強烈に攪拌しながら(例えばロータ-ステータ)脂質混合物を調節した温度で水溶液に導入する。数分後(一般に5〜90分)、リポソームの懸濁液が得られる。このようにして作製したものは、小胞膜の成分と密接に結合するので、ある期間(25℃で少なくとも3日)にわたって再結晶化しないDHEA(および/またはその誘導体および/またはその前駆体)の水性分散液である。
【0060】
使用する本発明の実施形態(ニオソームまたはリポソーム)に関係なく、小胞を構成している脂質は、通常組成物の全重量の1%〜20%、好ましくは1%〜10%に相当する。
【0061】
本発明による組成物では、上記の水性コアをもつ小胞(ニオソームまたはリポソーム)を、生理学的に許容される媒質、すなわち皮膚またはその外皮と適合性であり、おそらく粘膜および/または半粘膜と適合性である媒質を含む水性分散相、または外部水性相中に分散させている。
【0062】
水性分散相は、ゲル化されていてよい。本発明に従って使用できるゲル化剤の例には、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリレート/アルキルアクリレートコポリマーなどのアクリル共重合体、部分中和し、かつ高度に架橋したポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などのポリアクリルアミド、多糖類、天然ゴムおよび粘土がある。
【0063】
変形形態として、水性分散相は、前記水性相中に分散させた油性相を含むことができ(水中油エマルジョン)、かつ/またはそれ自体を油性相に分散させることもできる(油中水エマルジョン)。
【0064】
本発明に従って使用できる油として、動物または植物油、天然または合成精油、イソヘキサデカンおよび流動パラフィンなどの炭化水素、ハロゲン化炭素およびシリコーン油を挙げることができる。
【0065】
本発明に従って使用できる動物または植物油として、ポリオールの脂肪酸エステルから形成した動物または植物油、特に液体トリグリセリド、例えばひまわり油、トウモロコシ油、大豆油、マロー油、ブドウ種油、ホホバ油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、魚油、トリカプロカプリル酸グリセリルあるいは式R1COOR2(式中、式R1は、7〜19個の炭素原子を含有する高級脂肪酸残基を表し、R2は、3〜20個の炭素原子を含有する分枝状の炭化水素系鎖を表す)の植物または動物油、例えばパーセリン油について特に言及することができる。
【0066】
本発明に従って使用できる精油として、天然または合成精油、例えばユーカリ油、ラバンジン油、ラベンダー油、ベチバー油、リツェアクベバ油、レモン油、サンダルウッド油、ローズマリー油、カモミール油、セイヴォリー油、クルミ油、ナツメグ油、シナモン油、ヒソップ油、キャラウェー油、オレンジ油、ゲラニオール油、カデ油およびベルガモット油を挙げることができる。
【0067】
本発明に従って使用できるハロゲン化炭素としては、フッ化アミンなどのフッ化炭素、例えばパーフルオロトリブチルアミン、フッ化炭化水素、例えばパーフルオロデカヒドロナフタレン、フッ化エステルおよびフッ化エーテルを挙げることができる。
【0068】
本発明による小胞を水中油エマルジョンの水性相に分散する場合、前記エマルジョンは、小胞を構成しているもの以外の界面活性剤を含むことができ、ただしこれらの界面活性剤は小胞を溶解しないでミセルを形成する。
【0069】
しかし、別の可能性によれば、本発明による組成物が水中油エマルジョンの形である場合、脂質ラメラ小胞を形成しているもの以外のどんな界面活性剤も含有することができない。具体的に言えば、本発明による小胞は、前記水性相に界面活性剤を加える必要なく、水性分散相中で油滴の分散を安定化させ得る。
【0070】
言うまでもなく、変形形態として、本発明による組成物は、水性相および油性相が上記で定義した通りである水中油中水または油中水中油複合エマルジョンの形であってよい。
【0071】
本発明による組成物の小胞は、既知の方法で、その溶解性に応じて異なる位置に存在し得る、化粧品および/または皮膚薬剤活性をもつ1種または複数の有効化合物を含有することができる。
【0072】
有効物質が水溶性の場合、それらを、小胞の封入された親水性相に導入する。
【0073】
有効物質が脂溶性の場合、それらを、膜を構成している脂質相に導入する。
【0074】
有効物質が両親媒性の場合、それらを脂質相と封入された親水性相の間に分散させる。それらは両親媒性有効物質の性質ならびに脂質相および封入された親水性相のそれぞれの組成に応じて変化する分配係数をもつ。
【0075】
既知の方法で、本発明による組成物は、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、臭い吸収剤、中和剤、日焼け止め、ポリマー、乳化剤および共乳化剤、ならびに染料など、化粧品では一般的な補助剤を含有することもできる。
【0076】
特に使用できる有効物質には、脱色剤、皮膚軟化剤、保湿剤、抗脂漏剤、抗ざ瘡剤、髪の再生を促進する薬剤、角質溶解剤および/または剥離剤、抗しわ剤およびテンショニング剤、ならびにビタミン、ならびにその混合物がある。
【0077】
本発明による組成物は、化学的スクリーニング剤または物理的遮断剤またはこのようなスクリーニング剤の混合物であってよい、少なくとも1種の紫外線遮断剤(または日焼け止め)を含むこともできる。
【0078】
本発明による組成物の様々な成分の量は、化粧品で従来使用されている量である。
【0079】
言うまでもなく、当業者は、予想される追加によって、本発明による組成物の有利な特性に悪影響を与えない、または悪影響をほぼ与えないように、任意の追加の添加剤および/またはその量の選択に注意を払うはずである。具体的には、これらの化合物は、本発明に従って使用できるDHEA系化合物の有利な特性を損なう、あるいはその再結晶化を促進するべきではない
【0080】
本発明による組成物は特に、顔の保護/ケア/化粧用製品、ボディ用または頭皮用およびヘアケア製品を構成することができる。
【0081】
本発明はまた、皮膚の内因性老化または光老化の徴候を予防あるいは処置するための、上記組成物の美容のための使用に関する。
【0082】
本発明はまた、皮膚または粘膜の萎縮を予防あるいは処置する調剤を調製するための、上記組成物の使用に関する。
【0083】
次に、以下の非限定的な例を用いて本発明を例示する。
【実施例】
【0084】
[実施例1:DHEA系ニオソーム]
パルミチン酸ソルビタン 4%
コレステロール 4%
ビタミンEアセテート 0.5%
DHEA 0.5%
アシルグルタミン酸2ナトリウム 1%
蒸留水 qs. 100%
【0085】
手順
これらの小胞をバンガム法によって調製した。
【0086】
得られた小胞の平均サイズは500nm未満であり、DHEAの再結晶化を示さなかった。それらを、乳化した担体中に導入しても、単純にカルボマーまたはAMPSタイプの親水性ポリマーでゲル化してもよい。
【0087】
[実施例2:DHEAを含有するニオソームに基づく組成物]
ジステアリン酸ジグリセリル 4.5%
コレステロール 4%
DHEA 1%
アシルグルタミン酸1ナトリウム 1%
蒸留水 qs. 60%
油性相
カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド 15%
揮発性シリコーン 10%
ゲル化相
カルボマー 0.3%
防腐剤 1%
蒸留水 qs. 100%
トリエタノールアミン 0.3%
【0088】
高温条件下で成分を混合することによって脂質合剤を調製する。室温まで冷却したこの混合物を、90℃で水性相に導入する。非常に強烈な攪拌を30〜60分間維持する。次いで、この懸濁液を60℃に冷却し、高圧ホモジナイザーを用いて500バールで均質化する。DHEAを含み、平均サイズが300nm未満のニオソームの懸濁液が得られる。
【0089】
30℃の温度に冷却したこの小胞の懸濁液中に、油性相を、強烈に攪拌しながら導入する。このプレエマルジョン(pre-emulsion)を500バールで均質化し、次いで、一度25℃に冷却した混合物全体を、解こう機を用いて分散させたゲル化相でゲル化する。DHEA 1%を含有する、光沢のある滑らかな白色クリームが得られる。
Claims (27)
- 少なくとも1種の両親媒性脂質を含み、内部親水性相を封入した、コハク酸および/またはヘミコハク酸の誘導体を含まない脂質ラメラ相によって形成された、外部水性相中に分散した小胞と、
前記ラメラ相中に含まれる少なくとも1種のDHEA系化合物
とを含む組成物。 - 前記DHEA系化合物が、DHEA、DHEA前駆体およびDHEA誘導体から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 前記DHEA前駆体が、Δ5-プレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロンおよび17α-ヒドロキシプレグネノロンサルフェートから選択される生物学的前駆体であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
- 前記DHEA前駆体が、サポゲニン、好ましくはジオスゲニン、ヘコゲニン、スミラゲニン、サルサポゲニン、チゴゲニン、ヤモゲニンおよびユカゲニン、コロハ種子の天然抽出物およびヤマノイモ属植物の抽出物から選択される化学的前駆体であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
- 前記DHEA誘導体が、Δ5-アンドロステン-3,17-ジオールおよびΔ4アンドロステン-3,17-ジオン、7α-OH DHEA、7β-OH DHEA、11α-OH DHEA、7-ケト-DHEA、3-アセトキシ-7-ケト-DHEA、硫酸DHEA、DHEAのヒドロキシカルボン酸エステル、サリチル酸DHEA、酢酸DHEA、吉草酸DHEA、エナント酸DHEA、カルバミン酸DHEA、DHEAの2-ヒドロキシマロン酸エステルおよびDHEAのアミノ酸エステルから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
- 前記DHEA誘導体が、式(1):
R1およびR2は、それぞれ独立に、
・任意に1種または複数のヘテロ原子を含有し、任意に-OR'および/または-SR'および/または-C00R'および/または-NR'R'および/またはハロゲンおよび/または硫酸エステルおよび/またはリン酸エステルおよび/またはアリールおよび/または、有利にはインドール、ピリミジン、ピペリジン、モルホリン、ピラン、フラン、ピペラジン、ピリジンから選択されるヘテロ環から選択される1種または複数の基で置換された、飽和または不飽和の、直鎖状、分枝状または環状のC1〜C12アルキル基、
・C1〜C24アルキル部分が飽和または不飽和、直鎖状、分枝状または環状であり、任意に-OR'および/または-SR'および/または-C00R'および/または-NR'R'および/またはハロゲンおよび/または硫酸エステルおよび/またはリン酸エステルおよび/またはアリールおよび/または、有利にはインドール、ピリミジン、ピペリジン、モルホリン、ピラン、フラン、ピペラジン、ピリジンから選択されるヘテロ環から選択される1種または複数の基で置換されたアルキルカルボニル基、
・任意に1種または複数の基-OR'および/または-SR'および/または-C00R'および/または-NR'R'および/またはハロゲンおよび/またはアリールおよび/またはヘテロ環で置換された、アリールカルボニル基、好ましくはフェニルカルボニル基、あるいはアリールアルキルカルボニル基、好ましくはベンジルカルボニル基、
・O=P (OH) OR'基、
・(0)2SOR'基、
・3個のR'基が同一でも異なっていてもよいトリアルキルシリル基(SiR'3)
・カルボニルオキシアルキル基(R'OCO)、
・カルボニルアミノアルキル基(R'NHCO)、
から選択され、
式中、R'は、水素原子及び、任意に1種または複数のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の、直鎖状、分枝状または環状のC1〜C12、好ましくはC1〜C6アルキル基であって、任意に1種または複数の基-OR"、-COOR"、ハロゲン、-NR"R"で官能化されたもの、あるいはアリール基、好ましくはフェニル基で官能化され、これが任意に1種または複数の基-OR"、-COOR"、ハロゲンあるいは-NR"R"で官能化されたものから選択され、
R"は、水素原子、あるいは飽和または不飽和の、直鎖状、分枝状または環状のアルキル鎖、好ましくはC1〜C6のものを表し、
ただし、それぞれの基-NR'R'および-NR"R"において、置換基R'またはR"は、それぞれ同一あるいは相違する]
によって表されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。 - 前記DHEA誘導体が、3-0-アセチル-7-ベンゾイルオキシ-デヒドロエピアンドロステロンであることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
- 前記DHEA系化合物が、脂質ラメラ相の0.1%〜50重量%、好ましくは1%〜25重量%に相当することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ラメラ相が、融点が少なくとも40℃である、ポリオールのアルキルまたはポリアルキルエステルの、任意にオキシエチレン化された混合物、およびポリオールの、任意にオキシエチレン化されたアルキルまたはポリアルキルエーテルから選択される少なくとも1種の非イオン性両親媒性脂質を含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記非イオン性両親媒性脂質が、少なくとも14個の炭素原子を含有する飽和炭化水素系鎖をもつ少なくとも1種の酸のポリオールエステルの混合物であることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
- 前記非イオン性両親媒性脂質が、少なくとも14個の炭素原子を含有する飽和炭化水素系鎖をもつ少なくとも1種のアルコールのポリオールエーテルであることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
- 前記非イオン性両親媒性脂質が、1〜60個の酸化エチレン単位を含むポリエチレングリコール、ソルビタン、2〜60個の酸化エチレン単位を含むソルビタン、2〜30個の酸化エチレン単位を含むグリセロール、2〜15個のグリセロール単位を含むポリグリセロール、スクロース、2〜30個の酸化エチレン単位を含むグルコースによって形成される群から選択される少なくとも1種のポリオールと、飽和または不飽和の、直鎖状または分枝状のC14〜C20炭化水素系鎖を含む少なくとも1種の脂肪酸とのエステルの混合物で構成されることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ラメラ相が、イオン性両親媒性脂質を含むことを特徴とする、請求項9から12のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記イオン性両親媒性脂質が、リン酸ジセチルおよびリン酸ジミリスチルのアルカリ金属塩、硫酸コレステリルのアルカリ金属塩、リン酸コレステリルのアルカリ金属塩、アシルグルタミン酸1ナトリウムおよび2ナトリウム、ホスファチジン酸のナトリウム塩、リン脂質、ならびにアルキルスルホン酸誘導体、以下の式(II)によって表されるアンモニウム塩:
例えば、以下の式(III)によって表されるイミダゾリニウムの第四級アンモニウム塩:
以下の式(IV)によって表される第四級ジアンモニウム塩:
によって形成される群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。 - 前記ラメラ相が、ステロール、脂肪鎖アルコールおよびジオール、脂肪鎖アミンおよびその第四級アンモニウム誘導体から選択される少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする、請求項9から14のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記添加剤がコレステロールであることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
- 前記ラメラ相が、ラメラ相を構成する脂質の全重量に対して、非イオン性両親媒性脂質35%〜90重量%、イオン性両親媒性脂質0〜20重量%、コレステロール5%〜50重量%およびDHEA系化合物0.1%〜50重量%を含むことを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
- 前記ラメラ相が、コレステロールおよび任意にイオン性界面活性剤と、あるいは2〜50個の酸化エチレン単位を含むオキシエチレン化されたフィトステロールとのいずれかと組み合わせたリン脂質から選択される、少なくとも1種のイオン性両親媒性脂質を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記イオン性脂質が、レシチンであって、好ましくは水素化されたものであることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
- 前記脂質小胞が、ラメラ相を構成する脂質の全重量に対して、レシチン50%〜99重量%、コレステロールとDHEA系化合物の混合物50%〜1重量%、ならびにイオン性界面活性剤0〜20重量%を含むことを特徴とする、請求項18または19に記載の組成物。
- 前記脂質小胞が、ラメラ相を構成する脂質の全重量に対して、レシチン40%〜80重量%ならびにオキシエチレン化したフィトステロールとDHEA系化合物の混合物20%〜60重量%を含むことを特徴とする、請求項18または19に記載の組成物。
- 小胞を構成する脂質が、組成物の全重量の1%〜20%、好ましくは1%〜10%を占めることを特徴とする、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の組成物。
- ゲル形態であることを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の組成物。
- 外部水性相中に分散した油性相および/または前記外部水性相がその中に分散している油性相をさらに含むことを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
- 少なくとも1種の水溶性、両親媒性または脂溶性有効物質を含むことを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の組成物。
- 皮膚の内因性老化または光老化の徴候を予防あるいは処置するための、請求項1から25のいずれか一項によって定義された組成物の化粧品としての使用。
- 皮膚または粘膜の萎縮を予防あるいは処置する調剤を製造するための、請求項1から25のいずれか一項によって定義された組成物の使用。
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