JP3609554B2 - 電子レンジ加熱に適するパン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子レンジ加熱に適するパンに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、製パン業界では、中種製パン法やストレート製パン法が主流となっている。そのいずれの製パン法においても、製造したパン類は、発酵工程により生じるアルコール臭や発酵臭、また焼成後の経時変化による老化臭や酸臭、さらにトーストによるクラム内部のムレ臭などパンのおいしさの妨げになる風味が問題となっている。上記の風味は、パンを製造する際に原料由来、工程由来によって生じる風味であって、現在使用されている種々の品質改良剤たとえば乳化剤や、天然物品質改良剤などの添加の有無にかかわらず生じるものである。
一方、近年、電子レンジの普及や流通過程の変化により、予め焼成後のパンを常温で保存、あるいは冷蔵もしくは冷凍しておき、食べる直前に電子レンジにより加熱するタイプのパンの需要も増えている。ここで、このようなレンジパン、特に冷凍パンは一般のパンに比し、食感、その他の各種物性が劣ることが多く、添加剤、小麦粉組成等の面から、改良が図られているが、未だ不十分な点も多い。特に、冷凍パンの場合、電子レンジ加熱の際に、上記ムレ臭(酸臭・過度の発酵臭)の発生が著しいという問題がある。
更に、本発明者らは、ベーカリー製品等の流通、保管における経費削減を図ると共に、販売店、外食産業店、家庭において、何時でも焼き立てに近い味を有するベーカリー製品等を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、ベーカリー製品等を一旦焼成等の手段により製造した後、嵩を減少させ、保存後、再加熱により嵩を復元させる技術に着目し、加熱処理後に嵩を減少させた多孔性含水小麦粉食品であって、再加熱により嵩が復元する特徴を有する多孔性含水小麦粉食品に関する発明を完成し、特許出願するに至った(PCT/JP96/630)。このような圧縮復元パンの場合、食感・風味や外観と共に、レンジアップ時の復元性が極めて重要である。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはパンのおいしさの指標になる食感などの向上に極めて有効であり、且つ圧縮されたパンの再加熱による復元性を向上させ、特に多数個を同時に電子レンジ加熱した場合の復元性のバラツキを低減させ得る剤を見い出す為に鋭意研究した結果、本発明を完成した。
即ち本発明は、不飽和カルボン酸又はその塩及び酸化酵素を含有するパン組成物を、常法により発酵及び焼成してなる電子レンジ加熱に適するパンであって、特に焼成後にパンの嵩を減少させ、電子レンジ加熱により嵩が復元する特徴を有する圧縮復元パンに関する。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明に使用する不飽和カルボン酸又はその塩について説明する。
【0005】
不飽和カルボン酸としては、炭素数20以下のカルボン酸、例えばオレイン酸、ソルビン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられるが、特にフマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸の塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸又はその塩の添加量は、小麦粉100 重量部に対して0.001 〜0.1 重量部、好ましくは0.01〜0.1 重量部である。添加量が0.001 重量部未満では十分な効果が得られず、0.1 重量部を越えると風味に悪影響を与える。
【0006】
次に、本発明に使用する酵素について説明する。本発明に使用する酵素は酸化還元酵素に分類されるもので、具体的には以下の通りである。
パーオキシダーゼとは、白〜淡黄〜黒褐色の粉末、粒、塊または透明〜黒褐色の液体であり、過酸化水素を水素受容体として種々の物質を酸化する性質を有する酵素である。
グルコースオキシダーゼとは、一般的に白〜淡黄〜褐色の粉末または透明〜褐色の液体であり、グルコースを特異的に酸化してグルコン酸に変える性質を有する酵素である。
ポリフェノールオキシダーゼとは、一般的に白〜淡黄〜暗褐色の粉末または透明〜暗褐色の液体であり、分子状酸素によってモノフェノール類をO−ジフェノールへ、更にO−キノンに酸化する性質を有する酵素である。
トランスグルタミナーゼとは、一般的に白〜淡黄〜濃褐色の粉末、粒、塊または透明〜濃褐色の液体であり、ペプチド内のα−グルタミン基をほかのアミノ酸に転移させペプチド架橋をつくる性質を有する酵素である。
リポキシゲナーゼとは、一般的に白〜淡黄〜褐色の粉末または透明〜褐色の液体であり、小麦粉中のカロチンを漂白してパンの色を白くする性質を有する酵素である。
これらの酵素は、市販品として入手可能であり、又、公知の方法により製造することもできる。
この内、本発明の効果を得る上で好ましいのはグルコースオキシダーゼ、トランスグルタミナーゼであり、特にグルコースオキシダーゼである。
【0007】
本発明において、上記酵素の使用量は、酵素種によっても違ってくるが、パン用原料組成物中又はパン生地中の小麦粉1kgに対して活性ユニット単位として10〜20000 、好ましくは10〜5000である。
活性ユニット単位として10未満では効果が不充分であり、20000 を越えると生地作業性等の面で好ましくないので、過剰の添加は望ましくない。
ここで、酵素の活性ユニット単位は、例えば以下の方法で測定することができる。
〔パーオキシダーゼの活性ユニット単位測定法〕
20秒間に1mgのプルプロガリンを生成する活性度を1ユニットとする。
水14mlを試験管にとり、緩衝液を1ml添加し、さらにピロガロール溶液(5w/v %)2ml、過酸化水素(0.5w/v%)2mlを加え、ふりまぜ、本品溶液を1ml添加し、ふりまぜ、それを20℃に正確に20秒間放置後、1Mの硫酸1mlを添加し、ふりまぜる。この溶液からジエチルエーテル層に抽出し、ジエチルエーテル溶液を100ml とし、この溶液をA液とする。
また、水14mlを試験管にとり、緩衝液2ml、ピロガロール溶液(5w/v %)2ml、過酸化水素(0.5w/v%)2mlを加え、ふりまぜる。それを20℃に正確に20秒間放置後、1Mの硫酸1mlを添加し、ふりまぜる。この溶液からジエチルエーテル層に抽出し、ジエチルエーテル溶液を100ml とし、この溶液をB液とする。
A液及びB液をJIS K 0115(吸光光度分析のための通則)によって、吸収セル10mmを用い、波長420nm における吸光度をジエチルエーテルを対照液として測定する。
3回測定し、平均値を求める。次いで、以下の式により活性度A(units/mg)を求める。
【0008】
【数1】
【0009】
E1 ;A液の吸光度
E2 ;B液の吸光度
S ;計り取った本品の質量(mg)
緩衝液;0.1molリン酸二水素カリウム溶液100ml +0.1Mリン酸水素二カリウム溶液でpH6.3 に調整
本品溶液;本品2.5mg を全量フラスコ100ml に入れ、100ml の緩衝液で10 0ml とする
〔グルコースオキシダーゼの活性ユニット単位測定法〕
グルコースを基質として、酵素の存在下でグルコースオキシダーゼを作用させると、過酸化水素が発生する。発生した過酸化水素にアミアンチピリジン・フェノールの存在下でパーオキシダーゼを作用させ、生成したキノイミン色素の呈する色調を波長500nm で測定し定量する。この条件下において1分間に1μmol のグルコース(基質)を酸化(作用)するのに必要な酵素量を1ユニット(単位)とする。
〔トランスグルタミナーゼ;γ−グルタミルトナンスフェラーゼの活性ユニット単位測定法〕
下記条件で1分間に1μmol の p−ニトロアニリンを生成する酵素量を1ユニットとする。
pH8.6 のトリス−塩酸緩衝液をA液とする。
「グリシルグリシン4.72g +MgCl2 1.02g +L−γ− グルタミル−p− ニトロアニリド一水和物1.00g 」をA液で500ml に秤量したものをB液とする。
サンプル12.5mgをA液で100ml に秤量し、25℃の水浴中で保存する(これをC液とする)。
「B液3.0ml +C液0.02ml」及び「B液3.0ml +A液0.02ml」の2液を吸収セル10mmに入れ、直ちにJIS K 0115(吸光光度分析のための通則)によって、25℃で、波長405nm における吸光度を水を対照液として5分間測定し、それぞれ1分間当りの吸光度変化をE1 、E2 とする。
その結果を用いて、下記の式より活性A(units/mg)を算出する。
【0010】
【数2】
【0011】
9.9 ;405nm におけるp −ニトロアニリンのミリモル吸光係数
3.02;反応液の総液量(ml)
S ;計り取った本品の質量(mg)
〔リポキシゲナーゼの活性ユニット単位測定法〕
基質中の二重結合による酸素吸収をワールブルグマノメーターで測定する。
pH7.0 の0.1Mのリン酸緩衝液に溶かして0.1mM のリノール酸アンモニウム3mlをマノメーターフラスコに入れ、測室には0.1 〜0.5ml のリポキシゲナーゼを入れる。空気中で20℃になったら酵素液とリノール酸アンモニウム(0.1Mのリノール酸を水に懸濁し、等量の塩化アンモニウムを添加して調製)を混ぜ、酸素吸収を5分間隔で30分測定する。1分間に1μM の酸素を吸収する量をリポキシゲナーゼ1ユニットとする。
尚、操作中または冷保存中は、酸化を防止するため窒素ガス下に置く。
ポリフェノールオキシダーゼや他の酵素についても、作用基質に対して、各々の活性を同様の公知の原理で測定することができる。
又、上記酵素と共に、カタラーゼ、ペントセナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼを併用することも好ましい。
上記酵素は中種発酵前に中種配合材料として添加することが好ましく、優れた効果を示すが、中種発酵工程後の本捏配合材料にも配合できる。また上記酵素を油脂組成物中に予め配合することもできる。
【0012】
本発明では、酵素の働きによって、グルテンネットワークやその他の生地組成物の構造の緻密化により通常の加水(62%程度まで)よりも多い生地中への水分の保持が可能になり、通常では考えられない高加水における生地作業性も良好となる。さらに、加水の向上により、焼き上げ後のパンの食感もソフトで口溶けの良いものとなり、経時的にもソフトで口溶けの良い食感が維持される。さらにレンジアップによる食感の悪化(ゴム様の食感や硬い食感)やレンジアップ後の経時変化に伴う食感の悪化も抑制することができるようになった。
【0013】
本発明に用いられる油脂組成物として、油脂のみを用いる場合、通常の植物油脂、例えばサフラワー油、オリーブ油、綿実油、ナタネ油、ヤシ油、パーム核油、パーム油、大豆油、コーン油、あるいは動物油脂、例えばラード、牛脂、魚油、乳脂、あるいはこれら動植物油脂の分別油、エステル交換油、ランダム化油及び硬化油が用いられる。
本発明でいうパン組成物とは、小麦粉100 重量部に対して上記不飽和カルボン酸又はその塩を0.001 〜0.1 重量部および小麦粉1kgに対し上記酵素を活性ユニット単位として10〜20000 を必須成分とし、更に必要に応じイーストフード、澱粉、乳化剤、調味料(グルタミン酸類、核酸系調味料)、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、蛋白質、化学膨張剤、フレーバー等の1種又は2種以上を添加混合した粉末状パンミックス等をいう(この場合、イーストは別に添加することになる)。
本発明でいうパンとは、パンを製造するための材料、例えば主原料としての小麦粉にイースト、イーストフード、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油、油中水型乳化組成物、水中油型乳化組成物等)、水(捏水)、乳製品、食塩、糖類などを添加し、更に必要に応じ親水性乳化剤、調味料(グルタミン酸類、核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、蛋白質、化学膨張剤、フレーバー等の1種又は2種以上を添加混捏し、発酵工程を経て焼成したものを言う。勿論、フィリングなどの詰め物をしたパンも本発明でいうパンに含まれる。即ち、本発明でいうパンは、食パン、特殊パン、調理パン、菓子パン、蒸しパンなどを意味する。
例えば、食パンとしては白パン、黒パン、フランスパン、バラエティブレッド、ロール(テーブルロール、バンズ、バターロールなど)が挙げられる。特殊パンとしてはグリッシーニ、マフィン、ラスクなど、調理パンとしてはホットドック、ハンバーガー、ピザパイなど、菓子パンとしてはジャムパン、あんパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパン、スイートロール、リッチグッズ(クロワッサン、ブリオッシュ、デニッシュペストリー)などが挙げられ、蒸しパンとしては肉まん、あんまんなどが挙げられる。
【0014】
又、本発明においては、焼成後にパンの嵩を減少させ、電子レンジ加熱により嵩が復元するような特徴を有する圧縮パンの形態をとってもよい。尚、このような圧縮パンの形態をとることができるものは、上記パン類の内、比較的含水率が高く、且つ比較的内部空間容積の大きな食品である。ここで、比較的含水率が高いとは、一般的には含水率10%以上、また、比較的内部空間容積が大きいとは、一般的には空間容積10%以上のものを指す。
以下、より具体的に圧縮パンの形態を説明する。
圧縮パンの場合、先ず第1工程として、加熱処理、即ち焼成または半焼成したパン類の嵩を減少させる工程を行う。
ここで、嵩の減少率は、上記パン類の種類、即ち内部空間容積と復元力との兼ね合いにより一律には規定できないが、一般的には加熱処理後の半製品又は製品の1に対して0.1 〜0.9 、好ましくは0.2 〜0.5 (体積比)の範囲であり、本発明の目的(流通、保管における経費削減)からすれば、減少率が大きいほど好ましい。要は、後記する再加熱により嵩が復元する程度まで、圧縮することが肝要である。
このパン類の嵩を減少させる工程の具体的手段としては、機械的圧縮等が挙げられ、具体的には、プレス機による加圧圧縮や、可撓性包材中に密封しておき中を減圧することによる圧縮(真空パック方式)が挙げられる。
本発明においては、加熱処理したパン類の嵩を減少させる工程の前または後に該食品を包装する工程を含むことができる。この包装の工程は、常法の技術により行われるが、前記の如き真空圧縮包装によれば、圧縮と同時に包装も可能であり、特に好ましい。尚、当然のことながら、これに限らず包装は圧縮の後でも可能である。
本発明では、加熱処理したパン類の嵩を減少させる工程の後あるいは同時にパン類を冷凍または冷蔵処理する工程を設けるのが好ましい。これにより、嵩を減少させたパン類をそのままの形態で保存することが可能であると共に保存性も優れたものとなる。但し、パン類の流通保存は常温で行っても構わない。最近、常温での流通技術が各種開発されており、それらを利用することができる。常温での流通保存は、保存性の点で冷凍や冷蔵に劣るが、冷却装置が不要であるので、流通コストの低減が可能である。
次いで、嵩を減少させたパン類を、必要により保存、運搬等の流通過程におき、販売店、外食産業店または家庭にて、再加熱し、嵩を復元させる。この再加熱の手段としては、乾式手段である電子レンジやオーブンレンジによるものが好ましいが、蒸し器等を使った湿式手段でもよい。又、その他の加熱によるものでもよいが、電子レンジによることが、利便性等の点から好ましい。
本発明の圧縮パン類の製造方法の実施においては、具体的に以下のような態様が考えられるが、これらは全て本発明の実施要項に含まれる。
例えば、▲1▼第1工程の加熱処理したパン類の嵩を減少させる工程(以下、本願第1工程と言う)をパン等の製造業者が行い、第1工程後のパン類の嵩を再加熱により復元させる工程(以下、本願第2工程と言う)をコンビニエンスストアー等の販売店が行う場合、▲2▼本願第1工程をパン等の製造業者が行い、本願第2工程もパン等の製造業者が行う場合、▲3▼本願第1工程をパン等の製造業者が行い、本願第2工程を消費者が家庭や職場で個人的に行う場合。
ここで、再加熱処理による嵩の復元率は、加熱処理後の1に対して0.5 〜2.0 、好ましくは0.8 〜1.2 (体積比)程度である。
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中の部は重量部を示す。
実施例1〜4
表1に示す中種材料を低速3分・中速3分、混捏し、こね上げ温度を23℃に調整して、27.5℃、湿度70%の一次醗酵槽にて2時間半醗酵させた。
次いで、バター、ショートニング以外の本捏材料(表1)を低速3分・中速3分・高速1分、混捏し、バター、ショートニングを添加した後、低速3分・中速3分・高速3分のミキシング後、こね上げ温度を27.5℃に調整して、30分のフロアタイムを一次醗酵槽内でとった。次いで、50gずつに分割し、ベンチタイムを30分とり、モルダーで適切に成型し、ホイロ槽(温度37.5℃、湿度80%)でホイロタイムを50分とり、123 ℃のオーブン内で9分焼成した。このようにして得られたロールパンの比容積は5.6 cm3/g であった。
得られたロールパンを数時間放冷の後、圧縮プレス板に挟んで、比容積が1.50cm3/g となるまで、5秒で圧縮成型し、その状態で−20℃まで急速冷凍した。次に圧縮成型されたロールパンをプレス板から解放し、包装フィルムに導入し、窒素ガス置換後密封包装した。この圧縮成型されたロールパンを1ケ月間冷凍庫に保管した後、取り出し、その1個を 500W電子レンジ強の設定にて50秒加熱したところ、比容積は膨張した(表中)。再加熱したロールパンは製造時と同様のふっくらした状態で、風味・食感も優れた物であった。
又、上記冷凍後のロールパンを取り出し、その4個を同時に 500W電子レンジ強の設定にて3分20秒加熱した。各々のロールパン▲1▼〜▲4▼の比容積を表1に示す。
【0016】
比較例1〜2
表1に示すように、フマル酸を使用しない以外は実施例1〜2と同様の組成で、ロールパンを製造し、評価した。結果を表1に示す。
尚、比容積は、下記の如く、なたね種子を用いた常法により測定した。
【0017】
【数3】
【0018】
【表1】
【0019】
表1の結果からも明らかなように、本発明によれば、圧縮パンの多数個を同時に電子レンジ加熱した場合であっても復元性が良く、また復元性のバラツキも少ない。
Claims (6)
- オレイン酸、ソルビン酸、フマル酸、マレイン酸、及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩より選ばれる不飽和カルボン酸又はその塩及び酸化酵素を含有するパン組成物を、常法により発酵及び焼成し、その後パンの嵩を減少させてなるパンであって、電子レンジ加熱により嵩が復元する特徴を有するパン。
- 不飽和カルボン酸が、フマル酸又はマレイン酸である請求項1記載のパン。
- 酸化酵素が、パーオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、トランスグルタミナーゼ及びリポキシゲナーゼからなる群より選ばれる1種又は2種以上の酵素である請求項1又は2記載のパン。
- 酸化酵素の添加量が、10〜20000 活性ユニット単位/小麦粉1kgである請求項1〜3の何れか1項記載のパン。
- 不飽和カルボン酸又はその塩の添加量が、小麦粉100 重量部に対して0.001 〜0.1 重量部である請求項1〜4の何れか1項記載のパン。
- パンが、冷凍パンである請求項1〜5の何れか1項記載のパン。
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