JP3609383B2 - ストロボ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ付きフイルムユニットに用いられるストロボ装置に関するものであり、さらに詳しくは、ストロボ装置の不適正な部品の流用を抑制又は防止する対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
予め写真フイルムが装填された1回使用型の簡易型カメラとして、レンズ付きフイルムユニットが知られている。このレンズ付きフイルムユニットは、写真フイルムを装填するとともに簡単な撮影機構が組み付けられる本体基部と、これを前後から覆う前カバー及び後カバーとから構成される。これら主要な構成部品は、プラスチックで形成される。
【0003】
レンズ付きフイルムユニットは、小型、簡易な構造、低価格をその特徴としている一方、各種の機能が付加されてきており、その中でもストロボ装置を内蔵したものが普及している。このストロボ装置は、例えば、ストロボ発光部と、回路基板と、これらに給電する電源電池とからなる。
【0004】
ユーザーは、写真フイルムを撮り終わると、使用済みレンズ付きフイルムユニットを、その本体毎プリント業者に渡して、プリントを依頼する。写真フイルムはプリントとともにユーザーに返却される一方、使用済みレンズ付きフイルムユニットの本体は、プリント業者を介してカメラメーカーに回収される。
【0005】
カメラメーカーは、環境汚染防止や資源の有効活用の観点から、使用済みレンズ付きフイルムユニットのリサイクルを積極的に進めており、製品の設計段階から生産ラインに至るまでリサイクルを前提として設計することにより、循環型生産システムを構築している。
【0006】
カメラメーカーは、使用済みレンズ付きフイルムユニットを分解し、ストロボ装置や露光ユニットなどについては、洗浄及び検査を行って再使用する。また、プラスチック部品については、溶解・ペレット化して、プラスチック材料として再利用している。レンズ付きフイルムユニットは、1回使用を前提としており、低価格を実現するために部品の耐久性も通常のカメラと比較すると低い。そのため、再使用されるストロボ装置等については、適正な検査とともに、必要に応じて修理を施すことにより、品質を確保している。
【0007】
また、このリサイクルによって、レンズ付きフイルムユニットの販売価格の引下げも図っている。特に、ストロボ装置は、他の部品と比較して非常に高価であるため、これをリユースすることによる販売価格引き下げの効果は大きい。
【0008】
しかし、使用済みのレンズ付きフイルムユニットの全てがカメラメーカーに戻されるのではなく、その一部は、フイルム詰め替え業者や部品流用業者などにまわされる。詰め替え業者は、使用済みのレンズ付きフイルムユニットに未使用の写真フイルムの詰め替えを行い、他方、部品流用業者は、使用済みのレンズ付きフイルムユニットの本体構成部品の一部を流用して、別のレンズ付きフイルムユニットを組み立てる。フイルムが詰め替えられた詰め替え品や部品流用により組み立てられた部品流用品は、包装されて新品として販売される。こうした詰め替え品や部品流用品は、ストロボ装置など高価な部品をコストをかけずに利用しているので、その販売価格は非常に安い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら詰め替え品や部品流用品は、部品の洗浄,修理及び検査が適正に行われていない場合が多く、品質に問題がある。このような問題は、レンズ付きフイルムユニットそのものや、カメラメーカーに対する信頼を傷つけるおそれがある。
【0010】
さらに、部品流用の場合には、ストロボ装置のように高価でかつ流用が簡単な部品だけが利用し、それ以外の部分については、無駄に廃棄している可能性が高い。こうした不適正な部品流用が継続的かつ大量に行われてしまうと、カメラメーカーが構築した循環型生産システムの目的(環境汚染防止及び資源の有効活用)が没却されるばかりでなく、リユースによるコスト的なメリットが奪われることになり、循環型生産システム自体が破壊されることになりかねない。
【0011】
そのため、カメラメーカーは、不適正な写真フイルムの詰め替えを防止する対策について、例えば、特開平7−120883号公報などに記載されているような各種の対策を考えており、その一部を既に実施している。しかし、部品流用、特に、ストロボ装置の流用については、これを防止するための対策がなかった。
【0012】
本発明は、使用済みレンズ付きフイルムユニットの不適正な部品流用、特にストロボ装置の流用を抑制又は防止することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のストロボ装置は、予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットに用いられるストロボ装置において、ストロボ発光部,メインコンデンサを含む回路基板及びこれらに給電する電源電池が密封されたケースに収納されており、前記レンズ付きフイルムユニットの本体に着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0014】
前記ストロボ発光部及び回路基板を構成する部品の耐用期間が経過する前に使用が禁止されることを特徴とする。例えば、部品の耐用期間よりも電池の寿命を短くする。また、発光可能な回数を予め規定し、発光回数が規定発光回数に達したときに充電を禁止する。
【0015】
前記ケースに、前記レンズ付きフイルムユニットに設けられたシンクロスイッチからトリガー信号を受信するためのシンクロスイッチ接続用の1対の接点が設けられている場合には、前記フイルムユニットから取り外した状態では、前記接点にメインコンデンサの電圧がかからないようにする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に示すレンズ付きフイルムユニット(以下、フイルムユニットという)10は、簡単な露光機構と、製造時に予め装填された写真フイルムとを備えている。このフイルムユニット10には、外付け型のストロボ装置11を着脱自在に取り付けることができる。ストロボ装置11を取り付けることにより、フイルムユニット10は、フラッシュ撮影が可能になる。
【0017】
フイルムユニット10は、写真フイルムの交換ができない1回使用型であるのに対して、ストロボ装置11は、複数回(写真フイルム複数本分)の使用が可能である。ユーザーは、フイルムユニット10を交換することにより、1つのストロボ装置11を繰り返し使用することができる。
【0018】
図2に示すように、フイルムユニット10の側面には、ストロボ装置11を取り付けるための取り付け部12が設けられている。ストロボ装置11は、その係合部13と、取り付け部12に形成された係合穴12aとを係合させることにより、フイルムユニット10に取り付けられる。
【0019】
係合穴12aは、その後方部分が前方部分よりも小さく形成されている。係合部13は、その垂直断面が略T字形をしており、上下に舌片が形成されている。係合穴12aの前方部分に係合部13を挿入し、その状態でストロボ装置11を後方にスライドさせると、前記各舌片と係合穴12aの後方部分とが係合し、ストロボ装置11がフイルムユニット10に取り付けられる。
【0020】
符号14は、ストロボ装置11を取り付けない場合に、係合穴12aを覆うためのカバーである。このカバー14により、係合穴12aからフイルムユニット10内に塵,埃等が進入することが防止される。なお、ストロボ装置11をフイルムユニット10に取り付けたときに、係合穴12aから塵,埃等が進入することがないように、ストロボ装置11の側面にパッキンなどを設けるとよい。また、フイルムユニットに取り付けたストロボ装置が磁石によって保持されるようにしてもよい。
【0021】
フイルムユニット10の前面には、撮影レンズ16を露呈するための開口17と、ファインダ対物窓18が設けられている。フイルムユニット10の上部には、シャッタボタン19、フイルムカウンタ21が設けられており、背面には巻き上げノブ22の一部が外部に露呈している。
【0022】
図3に示すように、フイルムユニット10は、本体基部23と、写真フイルム24及びカートリッジ本体25からなる写真フイルムカートリッジ26と、これらを覆う前カバー31及び後カバー32とから構成される。本体基部23には、その中央に露光部33が設けられており、この露光部33の両脇には、カートリッジ本体25を収納するカートリッジ収納室23aと、カートリッジ本体25から引き出され、ロール状に巻かれた写真フイルム24を収納する写真フイルム収納室23bとが設けられている。また、カートリッジ収納室23aの上部には巻き上げノブ22が取り付けられている。
【0023】
巻き上げノブ22は、その下部に設けられた軸(図示せず)が、カートリッジ本体25に形成されたスプールと係合する。写真フイルム24の一端は、スプールに形成されたスリットに挟み込まれて保持される。このため、巻き上げノブ22の回転に伴ってスプールが回転し、写真フイルム24が給送される。
【0024】
露光部33は、暗箱38,この暗箱38の前面に設けられたシャッタ羽根39,これらの前面を覆うシャッタカバー41からなる。暗箱38の前面には、撮影光を暗箱38内に入射させるための開口38aが設けられており、その背面には、写真フイルム24の露光範囲を区画するアパーチャが形成されている。シャッタカバー41には、絞りが設けられるとともに、撮影レンズ16が組み付けられている。
【0025】
また、露光部33の上部には、対物レンズ及び接眼レンズからなるファインダ機構及び写真フイルム24の残数を表示するためのフイルムカウンタ機構が取り付けられている。
【0026】
シャッタ羽根39は、開口38aを開放する開き位置と、これを覆う閉じ位置との間で回動自在に取り付けられており、バネによって閉じ位置に付勢されている。露光部33の上部には、シャッタ羽根39を蹴飛ばす蹴飛ばし機構が設けられている。蹴飛ばし機構は、巻き上げノブ22による写真フイルム24の巻き上げに連動してチャージされ、シャッタボタン19の押下によりシャッタ羽根39を蹴飛ばす。この蹴飛ばしによりシャッタ羽根39が閉じ位置と開き位置との間を1往復動して露光が行われる。
【0027】
暗箱38の上方には、シンクロスイッチ43が設けられている。シンクロスイッチ43は、シャッタレリーズと同期して、ストロボ装置11に対してトリガー信号を送るためのスイッチであり、一対の金属接片43a,43bからなる。シャッタ羽根39には、前記一対の金属接片43a,43bの一方を押して両者を接触させるための押圧部が設けられている。シャッタ羽根39が開き位置に達したときに、シンクロスイッチ43がオンして、ストロボ装置11にトリガー信号が送られる。
【0028】
各金属接片43a,43bは、本体基部23に取り付けられており、一端がシャッタ羽根39の近傍に配置され、他端側は写真フイルム収納室23bの外壁に沿って側面にまで延びている。各金属接片43a,43bの他端は、取り付け部12に配置されており、ストロボ装置11を取り付けた時に、ストロボ装置11の係合部13に設けられた接点44a,44bと接触する。
【0029】
前カバー31及び後カバー32は、本体基部23の前後からそれぞれ取り付けられ、フイルムユニット10の内部を光密に覆う。後カバー32には底蓋32a、32bが一体に形成され、カートリッジ本体25及び写真フイルム24の底部を光密に覆っている。また、底蓋32aは撮影済みのカートリッジ本体25を外部に取り出す際に開放される。
【0030】
ストロボ装置11は、回路パターンがプリントされるとともにメインコンデンサ45を含む各回路素子が取り付けられた回路基板46と、放電管(Xeランプ),リフレクタ,拡散板等からなるストロボ発光部47と、これらに給電するための電池48と、これらを収納するケース49とからなる。ストロボ装置11を構成する部品としては、従来のレンズ付きフイルムユニットに内蔵されたストロボ装置の部品を流用したり、又はそれと同程度の耐久性を持つ部品が使用される。これにより、低コスト化を実現している。
【0031】
上述したとおり、このストロボ装置11は、写真フイルム複数本分の使用が可能である。しかし、ストロボ装置11は、低コスト化の要請から、部品の耐久性が、普通のカメラ用のストロボ装置と比較して低い。この部品の耐用期間を越えて使用が継続されると、品質の低下により、ユーザーが不測の損害を被るおそれがある。
【0032】
そのため、部品の耐用期間を越えてユーザーが使用することができないように、電池48の容量が決められている。しかも、ケース49を密閉することにより、電池48とともに、ストロボ回路基板46,ストロボ発光部47などの各部品は、ケース49内に着脱不能に収納される。このため、ユーザーは、電池48を交換することができず、ケース49内に収納された電池48を使い切ったら、それ以上ストロボ装置11を使用することはできない。こうすることで、ストロボ装置11の低コスト化と、その品質の確保とを両立させている。
【0033】
使用済みのストロボ装置11は、フイルムユニット10と同様にプリント業者を通じてカメラメーカーに回収されて、リサイクルされる。カメラメーカーは、回収したストロボ装置11を分解して、洗浄及び検査を行い、必要に応じて部品交換や修理を行って再使用する。使用済みの電池48は、専用の業者によってリサイクルされる。
【0034】
ケース49の前面には、ストロボ発光部47の拡散板が露呈しており、拡散板の下方に操作部材51が設けられている。操作部材51は、ストロボ回路の充電スイッチと接続されており、充電スイッチがオンして充電が開始されるオン位置と、充電スイッチがオフして充電が停止するオフ位置との間でスライド自在に設けられている。
【0035】
ケース49の上面には、充電が完了したことをユーザーに知らせるための充電完了表示部52が設けられている。充電完了表示部52としては、例えば、ストロボ回路に設けられた発光ダイオードの光を導くライトガイドが使用される。なお、この充電完了表示部52は、ケース49の背面に設けてもよいし、また、操作部材51のスライドに連動させ、オン位置でケース49の外面から突出し、オフ位置でケース49内に収納されるようにしてもよい。
【0036】
ケース49の側面には、係合部13の上方にラベルシール53が貼り付けられている。ストロボ装置11の発光量は、写真フイルム24のフイルム感度や、撮影レンズのF値に応じて決められている。ラベルシール53には、当該ストロボ装置11が対応している写真フイルム24のフイルム感度やF値等が印刷されている。ストロボ装置11は外付けタイプなので、ユーザーは、フイルムユニット10を別に購入する場合には、この表示を見て、適切なフイルムユニット10を選択することができる。
【0037】
電池48としては、例えば、端子電圧が1.5Vのアルカリマンガン電池やリチウム電池が使用される。電池48の容量は、例えば、写真フイルム2本分のコマ数に対して、全コマフラッシュ撮影が可能な程度の容量に決められる。統計的に見ると、全コマフラッシュ撮影をする場合は少ないので、充電スイッチの切り忘れ等が無ければ、この程度の容量でも、写真フイルム3本分程度の撮影は可能である。もちろん、電池48の容量は、これに限られず、部品の耐用期間を考慮して適宜決められる。
【0038】
図4は、ストロボ回路56の回路図を示す。充電スイッチ57は、可動片58と、第1〜第3接点59a〜59cとから構成され、可動片58の一端が第3接点59cに接続されている。操作部材51がオン位置に移動したときに、可動片58の他端が第1接点59a及び第2接点59bと当接し、各接点間が導通する。
【0039】
NPN型の発振トランジスタ61と発振トランス62とは、周知のブロッキング発振作用を利用して昇圧を行う発振昇圧回路63を構成しており、電池48の電圧を300V程度の高電圧に変換してメインコンデンサ45を充電する。発振トランス62は、それぞれが誘導結合された一次コイル62a,二次コイル62b,三次コイル62cから構成される。一次コイル62aの一端は電池48のプラス電極に接続され、他端は発振トランジスタ61のコレクタ端子に接続される。二次コイル62bの一端は整流用ダイオード66のアノードに接続され、他端は三次コイル62cの一端とともに電池48のプラス電極に接続される。また、三次コイル62cの他端は、抵抗67aを通して充電スイッチ57の第3接点57cに接続される。
【0040】
整流用ダイオード66のカソードは、抵抗67bを介してトリガコンデンサ68の一端と、メインコンデンサ37の一端(プラス側)とに接続される。また、トリガコンデンサ68の他端は、充電スイッチ57の第1接点59aに接続される。発振トランジスタ61のエミッタ端子は、電池48のマイナス電極に接続され、ベース端子は抵抗67cを介して第2接点59bに接続される。
【0041】
トリガコイル69は、誘導結合された一次トリガコイル69aと二次トリガコイル69bとから構成される。一次トリガコイル69aの一端は、トリガコンデンサ68の一端に接続され、二次トリガコイル69bの一端は、ストロボ発光部47に内蔵された放電管71に近接して設けられたトリガ電極72に接続される。各コイル69a,69bの他端は共有端子となっており、シンクロスイッチ43を介して充電スイッチ57に接続される。また、放電管71の各端子は、メインコンデンサ45の両端に接続される。
【0042】
トリガコンデンサ68から一次トリガコイル69a,シンクロスイッチ43,充電スイッチ57,トリガコンデンサ68まで順番に接続された回路は、シンクロスイッチ43をONしたときにトリガコンデンサ68からの放電電流を一次トリガコイル69aに流すトリガ放電回路(トリガー回路)64を構成する。
【0043】
充電スイッチ57をONすると、発振トランジスタ61が作動し、一次コイル62aに電流(発振トランジスタ61のコレクタ電流)が流れる。そして、二次コイル62bには、一次コイル62aと二次コイル62bとの巻線比に応じた起電力が発生し、この起電力によって発生した二次側電流が発振トランジスタ61のベース電流として流れる。つまり、発振トランス62の正帰還作用によって、発振トランジスタ61はコレクタ電流を増大させて発振する。これとともに、二次コイル62bに発生した二次側電流が、メインコンデンサ45とトリガコンデンサ68とに流れそれぞれが充電される。
【0044】
なお、符号74は、発光ダイオードであり、このアノード及びカソードは、三次コイル62cの両端子に接続される。メインコンデンサ45の充電電圧が規定充電電圧に達したときに、三次コイル62cの両端子間電圧が所定値を越え、発光ダイオード74が点灯する。この光が充電完了表示部52に導光される。
【0045】
メインコンデンサ45の充電が完了した状態でシンクロスイッチ43がONとなると、トリガー回路64が閉じられ、トリガコンデンサ68の放電電流が一次トリガコイル69aに流れる。一次トリガコイル69aに放電電流が流れると、二次トリガコイル69bに高電圧のトリガ電圧が発生し、このトリガ電圧がトリガ電極72を介して放電管71に印加される。そして、放電管71内でメインコンデンサ45の電荷が放電され、ストロボ光が放出される。
【0046】
なお、上記ストロボ回路に、いったん充電が完了した後、自然放電が生じた場合に、再度充電が開始されてしまうことを防止する周知のオートカット回路を設けてもよい。こうすれば、ユーザーが充電スイッチを切り忘れた場合でも、電池48を無駄に消費してしまうことを防止することができる。
【0047】
以下、上記構成による作用について、図5を参照しながら説明する。図5は、フイルムユニット10及びストロボ装置11の製造から、ユーザーによる使用を経てリサイクルされるまでのフローチャートである。
【0048】
カメラメーカーは、フイルムユニット10及びストロボ装置11を製造する。ストロボ装置11は外付けタイプであり、フイルムユニット10は、そのストロボ装置11を取り付けなくても撮影が可能であるので、カメラメーカーは、ストロボ機能の有り無しに応じて、複数のタイプのフイルムユニットを作り分けなくて済むので、生産効率を高めることができる。
【0049】
カメラメーカーが製造したフイルムユニット10及びストロボ装置11は、販売店を通じてユーザーに提供される。フイルムユニット10は、ストロボ装置11とセットで販売される他、単体でも販売される。
【0050】
フイルムユニット10は単体でも使用できるので、フラッシュ撮影をしないユーザーは、フイルムユニット10を単体で購入する。他方、フラッシュ撮影をするユーザーは、フイルムユニット10とストロボ装置11を購入する。
【0051】
ストロボ装置11をフイルムユニット10に取り付けると、フイルムユニット10に設けられたシンクロスイッチ43の各金属接片43a,43bと、ストロボ装置11に設けられた各接点44a,44bとが接触し、シンクロスイッチ43と回路基板46とが接続される。
【0052】
操作部材51をオン位置にスライドさせると、充電スイッチ57がオンして、メインコンデンサ45への充電が開始される。メインコンデンサ45の充電電圧が規定電圧に達すると、発光ダイオード74が発光し、充電完了表示部52が点灯する。これにより、ユーザーは、ストロボ充電が完了したことを確認する。
【0053】
シャッタボタン19が押下されると、シャッタ羽根39が蹴飛ばされて、写真フイルム24への露光が行われる。シャッタ羽根39が開き位置に達すると、シンクロスイッチ43の各金属接片43a,43bが接触してシンクロスイッチ43がオンする。これにより、トリガー回路64が作動して、ストロボ発光する。
【0054】
写真フイルム24を使い切ったら、ユーザーは、使用済みのフイルムユニット10をプリント業者に持ち込んで、プリントを依頼する。プリント業者は、フイルムユニット10の本体毎、写真フイルム24を預かり、プリント処理をする。現像済みの写真フイルム24は、仕上がった写真プリントをユーザーに引き渡す際にユーザーに返却される。他方、写真フイルム24が抜き取られたフイルムユニット10の本体は、カメラメーカーに回収される。
【0055】
他方、ストロボ装置11は、電池48を使い切るまで使用することができる。ユーザーは、次回の使用に備えて、ストロボ装置11を使用済みのフイルムユニット10から取り外して保管しておく。次回使用する場合には、販売店で新しいフイルムユニット10だけを購入し、このフイルムユニット10に、保管しておいたストロボ装置11を装着して、撮影を行う。
【0056】
このように、ストロボ装置11は繰り返し使用することができるので、ユーザーは、次回の撮影時にはフイルムユニット10だけを購入すれば、フラッシュ撮影をすることができる。また、ストロボ装置11は外付けタイプなので、フラッシュ撮影をしないユーザーは、ストロボ装置11を購入せずに、フイルムユニット10を単体で購入すればよい。このため、ユーザーの使い方に応じて、写真撮影1枚当たりのコストを軽減することができる。
【0057】
ストロボ装置11の電池48を使い切ると、充電ができないので、充電完了表示部52も点灯しない。ユーザーは、充電完了表示部52が点灯しなくなることにより、電池48を使い切ったことを知る。
【0058】
電池48を使い切った使用済みのストロボ装置11は、プリント業者を通じてカメラメーカーに回収される。ユーザーは、使用済みのストロボ装置11を単体でプリント業者に持ち込んでもよいし、フイルムユニット10とともに持ち込んでもよい。
【0059】
フイルムユニット10は、1本の写真フイルム24を使い切るとプリント業者に持ち込まれるのに対して、ストロボ装置11は、複数回(写真フイルム複数本分)使用することができるから、従来と比較して、ストロボ装置11がプリント業者に持ち込まれる回数が減る。このため、ストロボ装置が詰め替え業者や部品流用業者の手に渡る機会が減るので、不適正な詰め替え品及び部品流用品の流通量を減らすことができる。
【0060】
また、フイルムユニット10には、高価なストロボ装置が組み込まれていないので、このフイルムユニット10が詰め替え業者や部品流用業者の手に渡ることもなくなる。そのため、フイルムユニット10の回収率も向上するので、無駄に廃棄される量が減り、環境汚染が防止されるとともに、資源が有効活用される。
【0061】
カメラメーカーに回収されたフイルムユニット10及びストロボ装置11は、適正にリサイクルされる。使用済みのストロボ装置11は、分解された後、各部品に対して洗浄,検査及び必要に応じて修理が施される。各部品は、新しい電池とともに、新しいケースに組み込まれて再使用される。使用済みのケースは、破砕されてプラスチック材料として再利用される。使用済みの電池は、専門業者に引き渡されてリサイクルされる。
【0062】
上記実施形態では、フイルムユニット内のシンクロスイッチと接続するための接点は、係合部の表面に設けられており、ストロボ装置の外面に露呈している。そのため、メインコンデンサを充電済みの状態でストロボ装置をフイルムユニットから取り外した場合、誤って接点に指が触れて各接点間が導通してしまうと、感電してしまうおそれがある。充電完了状態では、接点にメインコンデンサと同じ電圧がかかっているため、非常に危険である。そのため、接点は、外部から容易に触れることのできない場所、例えば、係合部の舌片の裏面などに設けることが好ましい。
【0063】
図6は、バヨネットタイプの取り付け方式を採用した例である。なお、上記実施形態と同一の部材については同一符号を使用する。ストロボ装置81のケース82には、バヨネットタイプの係合部83が設けられており、フイルムユニット80の取り付け部84には、この係合部83と係合する係合穴84a,係合溝84bが設けられている。係合部83には、係合穴84aと係合する1対の舌片83aと、これら舌片83aの周囲には、係合溝84bと係合するリブ83bが形成されている。また、係合部83の中心には、位置決め用のピン83cが設けられており、他方、取り付け部84の中心には、ピン83cと係合する穴84cが設けられている。
【0064】
なお、フイルムユニット80は単体で使用される場合もあり、その場合に、取り付け部84が出っ張ったり凹んだりしていると、取り付け部84が目立ってしまい、見た目が悪い。そのため、取り付け部84は、前後カバー31,32とほぼ同一面で形成するのが好ましい。また、第1の実施形態と同様に、不使用時に取り付け部84を覆うカバーを設けてもよい。
【0065】
Oリング85は、係合溝84bにはめ込まれる。このOリング85は、係合溝84bとリブ83bとの隙間を埋めることにより、塵,埃,水などがフイルムユニット80やストロボ装置81の内部に進入することを防止する。
【0066】
ストロボ装置81を取り付ける際には、各舌片83aが、係合穴84aに挿入できる位置までストロボ装置81を傾ける。その状態で、係合部83を係合穴84aに挿入した後、ストロボ装置81を正位置まで回転させる。これにより、係合部83と取り付け部84とが係合してフイルムユニット80にストロボ装置81が取り付けられる。
【0067】
各舌片83aの裏面には、トリガー回路に接続された1対の接片86a,86bが設けられている。取り付け部84の係合穴84aの奥には、シンクロスイッチ43を構成する金属接片43a,43bが設けられている。係合部83と係合穴84aとが係合すると、前記各接片86a,86bと各金属接片43a,43bとが接触する。
【0068】
接点(各接片86a,86b)は、舌片83aの裏に設けられているので、外部から容易に触れることはできない。こうすれば、充電完了状態のままストロボ装置81をフイルムユニット80から取り外した場合でも、不用意に接点に触れてしまうことがなく、安全である。
【0069】
上記実施形態では、フイルムユニット及びストロボ装置にそれぞれ電気的な接点を設け、これらを接続することにより、フイルムユニットからストロボ装置へ電気的なトリガー信号を送る例で説明している。図7に示すストロボ装置91は、フイルムユニットから送られる光学的なトリガー信号により、ストロボ発光を行う。
【0070】
ストロボ装置91には、送信用ライトガイド92と、受信用ライトガイド93とが設けられている。各ライトガイド92,93の一方の各端部92a,93aはケース91aの側面から露呈されている。送信用ライトガイド92の他方の端部92bは、発振昇圧回路63内の充電完了表示用の発光ダイオード74の近傍に配置されている。発光ダイオード74の光は、充電完了表示部52に送られるとともに、ストロボ装置91のトリガー信号として使用される。
【0071】
発光ダイオード74の光は、送信用ライトガイド92を通じてフイルムユニットへ送られる。フイルムユニットへ送られた光は、シャッタレリーズに同期して、受信用ライトガイド93を通じて、再びストロボ装置91に送り返される。受信用ライトガイド93の他方の端部93bは、受光素子98の近傍に配置されている。受光素子98は、トリガー回路64に接続されており、受信用ライトガイド93からの光を受光したときに、トリガー回路64に電気信号を送る。トリガー回路64の放電経路上には、サイリスタ(図示せず)が配置されている。このサイリスタのゲート端子に前記電気信号が入力されると、サイリスタがオン状態になり、トリガコンデンサ及びメインコンデンサが順次放電しストロボ発光する。
【0072】
フイルムユニットには、第1シンクロ用ライトガイド94と、第2シンクロ用ライトガイド95とからなるシンクロスイッチが設けられている。第1シンクロ用ライトガイド94及び第2シンクロ用ライトガイド95のそれぞれの一方の端部94a,95aは、フイルムユニットの側面から外部に露呈されている。ストロボ装置91を取り付けると、第1シンクロ用ライトガイド94の端部94aは、送信用ライトガイド92の端部92aと対面し、他方、第2シンクロ用ライトガイド95の端部95aは、受信用ライトガイド93の端部93aと対面する。
【0073】
第1シンクロ用ライトガイド94の他方の端部94bと、第2シンクロ用ライトガイド95の他方の端部95bとは、シャッタ羽根101の近傍に配置されている。各端部94b及び95bとは対面する位置に配置されている。
【0074】
シャッタ羽根101にはトリガ用シャッタ部101aが設けられている。トリガ用シャッタ部96aは、シャッタ羽根101が閉じ位置にあるときには、第1シンクロ用ライトガイド94の端部94bと、第2シンクロ用ライトガイド95の端部95bとの間に挿入され、端部94bから端部95bへ向かう光路を遮断する。他方、シャッタ羽根101が開き位置に揺動すると、前記光路上から退避する。このときに、端部94bから照射された光を端部95bが受光して、ストロボ装置91の受信用ライトガイド93へ送り返される。
【0075】
このように、フイルムユニットからストロボ装置91へ送るトリガー信号として、光信号を使用しているので、ケース91aの外面に電気的な接点が露呈されることはないので、安全である。
【0076】
上記実施形態では、電池を使い切ったときに充電完了表示部が点灯しなくなることをもって、ストロボ装置の寿命をユーザーに通知していた。図8(A)に示すストロボ装置111は、ストロボ発光可能な回数を残数として表示する残数表示部112を設けて、これによりストロボ装置の寿命をユーザーに知らせる例である。この残数表示部112は、例えば、LCDパネルが使用され、残数がデジタル表示される。このような残数表示部112を設けることで、ユーザーは、あとどのくらいストロボ装置111を使用できるかを容易に知ることができる。
【0077】
ストロボ装置111には、部品の耐用期間に応じて定められた規定発光回数が予め設定されている。そして、発光する毎に規定発光回数を減算していき、その残数を残数表示部112に表示する。そして、残数が「0」になったときに充電を禁止する。これによれば、電池の容量が残っているか否かに関わらず、それ以上ストロボ装置111を使用できなくなるので、部品の耐用期間に応じて電池の容量を定める必要はない。
【0078】
図9は、残数表示部112を設けた場合のストロボ回路114の例を示し、図10は、発光回数計測・制御回路116の制御を示すフローチャートである。発光回数計測・制御回路116は、ストロボ発光回数をカウントする。発光回数計測・制御回路116は、トリガー回路64に接続されており、トリガコンデンサ68からの放電電流を検出する。各抵抗117a,117bは、発光回数計測・制御回路116へ流れる放電電流を抑制する。整流用ダイオード118は、放電電流の逆流を防止する。発光回数計測・制御回路116内のカウンタには、規定発光回数が設定される。発光回数計測・制御回路116は、前記放電電流を検出すると、シンクロスイッチ43がオンされたと判定し、カウンタから「1」を減算し、その値を残数表示部112に出力する。
【0079】
また、発光回数計測・制御回路116は、充電禁止用トランジスタ119のベース端子に接続されており、カウンタ値が「0」になったときに、充電禁止用トランジスタ119をオンにする。充電禁止用トランジスタ119のコレクタ端子は、発振トランス62の三次コイル62cに接続されている。充電禁止用トランジスタ119がオンすると、三次コイル62cからの電流が充電禁止用トランジスタ119に流れるため、発振トランジスタ61がオフして充電が禁止される。
【0080】
また、ストロボ装置111は、カウンタ値をデジタル表示する残数表示部112を設けているが、この残数表示部112の代わりに、図8(B)に示すストロボ装置121に示すように、カウンタ値をアナログ表示する残数表示部122を設けてもよい。残数表示部122は、複数のLED122aからなり、カウンタ値に応じて点灯するLED122aの個数が変化する。
【0081】
例えば、新品のときには、3つのLED122aがすべて点灯しており、発光を繰り返していくうちにカウンタ値が減って、順次消灯していく。そして、カウンタ値が「0」になると、3つのLED122aがすべて消灯する。もちろん、LEDの数は3つに限らず、それ以上でもよい。また、LEDを1つだけ設けて、このLEDをカウンタ値が所定値以下になったときに点灯させ、ユーザーに対して寿命が近づいていることを警告するようにしてもよい。
【0082】
上述したとおり、フイルムユニットからストロボ装置へ電気的なトリガー信号を送る場合は、ストロボ装置には、シンクロスイッチと接続するための接点が必要である。そして、充電完了状態ではこの接点には高電圧がかかっているためユーザーが感電する危険がある。これを防止するために、前記接点を外部から容易に触れることができない場所に設けたり、光学的なトリガー信号を用いることで、電気的な接点を無くした例を説明している。
【0083】
以下においては、接点が露出している場合に、その接点に仮に触れてしまった場合でも、感電の危険がないストロボ回路の例を説明する。まず、図11に示すストロボ装置131のストロボ回路132は、充電許容スイッチ133と、放電スイッチ134とを設けた例である。
【0084】
充電許容スイッチ133は、発振昇圧回路63に接続されており、ストロボ装置131をフイルムユニットに取り付けた時にONして充電を許容するとともに、フイルムユニットから取り外した時にOFFして充電を禁止する。放電スイッチ134は、メインコンデンサ45の両極に接続されており、ストロボ装置131をフイルムユニットから取り外す時にONして、メインコンデンサ45に蓄電された電荷を放電する。抵抗136は、放電用の抵抗である。この放電スイッチ134は、ストロボ装置131をフイルムユニットに取り付けた時にはOFFされる。
【0085】
図12は、充電許容スイッチ133及び放電スイッチ134のスイッチング機構の実施例である。フイルムユニット138の本体には、突起138a,138bが設けられている。ストロボ装置131のケースには、これら2つの突起138a,138bが挿入される開口131a,131bが設けられている。開口131aの奥には、充電許容スイッチ133が配置されており、他方、開口131bの奥には、放電スイッチ134が配置されている。
【0086】
充電許容スイッチ133は、接点133a,133bと、これら各接点133a,133bを導通させるための可動片133cとからなる。各接点133a,133bは、ストロボ回路132に接続されている。可動片133cは、各接点133a,133bと接触してそれらを導通させるON位置と、各接点133a,133bから離れるOFF位置との間で移動自在に設けられており、バネ141によってOFF位置に向けて付勢されている。
【0087】
放電スイッチ134は、接点134a,134bと、これら各接点134a,134bを導通させるための可動片134cとからなる。各接点134a,134bは、ストロボ回路132に接続されている。可動片134cは、各接点134a,134bと接触してそれらを導通させるON位置と、各接点134a,134bから離れるOFF位置との間で移動自在に設けられており、バネ142によってON位置に向けて付勢されている。
【0088】
図12(A)に示すように、ストロボ装置131をフイルムユニット138に取り付けた状態では、各突起138a,138bが各開口131a,131bに進入する。突起138aは、可動片133cを押して、それをバネ141の付勢に抗してON位置に移動する。これにより、充電許容スイッチ133がONになり、充電が許容される。また、突起138bは、可動片134cを押して、それをバネ141の付勢に抗してOFF位置に移動させる。これにより、放電スイッチ134がOFFされる。
【0089】
図12(B)に示すように、ストロボ装置131をフイルムユニット138から取り外した時には、各突起138a,138bが各開口131a,131bから抜ける。突起138aが抜けると、可動片133cがバネ141の付勢によりOFF位置に移動する。これにより、充電許容スイッチ133がOFFになり、充電が禁止される。また、突起138bが抜けると、可動片134cがバネ142の付勢によりON位置に移動する。これにより、放電スイッチ134がONになり、メインコンデンサ45に蓄電された電荷が放電する。
【0090】
このように、ストロボ装置131を取り外した時にメインコンデンサ45が放電するようにしたから、シンクロスイッチ43の接点に触れてしまったとしても感電することはない。また、ストロボ装置131を取り外したときに、充電許容スイッチ133がOFFするので、充電スイッチがONになっていても充電が再開されることはなく、安全である。しかも、充電スイッチを切り忘れた場合でも、電池48が無駄に消費されてしまうこともない。
【0091】
また、ストロボ装置をフイルムユニットに取り付けるために磁石を用いるような場合には、その磁石を用いて、充電許容スイッチ133及び放電スイッチ134のスイッチングを行ってもよい。図13に示すように、フイルムユニット151の本体には、ストロボ装置152を保持するための2つの磁石151a,151bが設けられている。
【0092】
磁石151aは、ストロボ装置152が取り付けられた時に、充電許容スイッチ133の各接点133a,133bと接触し、これらを導通させる。これにより、充電許容スイッチ133がONして、充電が可能になる。
【0093】
放電スイッチ134の可動片134cには、磁石156が設けられている。磁石156と、磁石151bとは、同極同士が対面するように配置されている。このため、ストロボ装置152を取り付けると、磁石156と磁石151bとが反発するので、可動片134cがバネ142の付勢に抗してOFF位置に移動して、放電スイッチ134がOFFする。
【0094】
他方、ストロボ装置152がフイルムユニット151から取り外されると、磁石151aが各接点133a,133bから離れて、充電許容スイッチ133がOFFされて、充電が禁止される。また、磁石151bが磁石156から離れるので、可動片134cがバネ142の付勢によりON位置に移動し、放電スイッチ134がONする。これにより、メインコンデンサ45が放電される。
【0095】
また、図14に示すストロボ回路161は、シンクロ用の接点にかかる電圧を下げた例である。ストロボ回路161のトリガー回路64には、サイリスタ162が設けられている。サイリスタ162のアノードをトリガコイル69の共通端子に接続し、カソードをトリガコンデンサ68のマイナス極に接続する。サイリスタ162のゲート端子には、シンクロスイッチ43の一方の接点が接続される。
【0096】
シンクロスイッチ43の他方の接点には、サブトリガコンデンサ163が接続される。サブトリガコンデンサ163は、サイリスタ162のゲート端子に入力される電荷を蓄積するためのものである。サブトリガコンデンサ163は、メインコンデンサ45,トリガコンデンサ68とともに発振昇圧回路63によって充電される。符号164は、整流用のダイオードである。
【0097】
シンクロスイッチ43がオンされると、このサブトリガコンデンサ163が放電して、サイリスタ162がオンする。これにより、トリガコンデンサ68及びメインコンデンサ45が順次放電し、ストロボ発光する。
【0098】
サブトリガコンデンサ163は、サイリスタ162をオン状態にするためのものであるから、充電された状態でも電位が低くなっている。そのため、シンクロスイッチ43にかかる電圧も低いので、誤ってシンクロスイッチ43の接点に触れてしまっても、それほど危険ではない。また、充電許容スイッチ133が設けられているから、ストロボ装置を取り外した状態では、いったん放電された後に再度充電が開始されてしまうこともない。
【0099】
また、上記実施形態では、充電が完了している状態では、被写体輝度に関わらず常にストロボ発光がなされるストロボ装置の例で説明しているが、測光装置を設けて、被写体輝度に応じて発光するストロボ装置でもよい。また、被写体輝度に応じてストロボの発光量を調節可能なストロボ装置でもよい。
【0100】
また、図15に示すように、電池としては、端子付き電池171を使用してもよい。これにより、ストロボ装置の不適正な部品流用を抑制又は防止する効果をより高めることができる。端子付き電池171は、電池本体172と、この電池本体172と一体に設けられた一対の端子173とからなる。各端子173は、電池本体172の両極と、回路基板174とを接続する。
【0101】
この端子付き電池171は、例えば、各端子173を回路基板174に形成されたスルーホールに差し込み、それを半田付けすることにより固定される。このため、回路基板174から取り外しにくい。また、仮に取り外せたとしても、電池本体172と一緒に端子173も取り外されてしまう。このように、端子付き電池171は、交換がしにくいため、回路基板の流用がしにくい。さらに、このような特殊な電池を使用すれば、ユーザーが簡単に電池交換をすることもできないので、ストロボ装置の回収率の向上にもつながる。
【0102】
なお、端子付き電池171は、一対の端子173が電池本体172の一端に設けられている。こうすることで、電池本体の両端に各端子を設けた場合と比較して、端子の足の長さを短くすることができるので、回路基板174からより取り外しにくくなると考えられる。もちろん、電池本体の両端に各端子を設けた端子付き電池を使用してもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のストロボ装置は、ストロボ発光部,メインコンデンサを含む回路基板及びこれらに給電する電源電池が密封されたケースに収納されており、前記レンズ付きフイルムユニットの本体に着脱自在に取り付けられるようにしたから、ユーザーは、使用済みのレンズ付きフイルムユニットから取り外して、繰り返し使用することができる。これにより、使用済みのレンズ付きフイルムユニットの本体と比較して、使用済みのストロボ装置の流通量が減るから、不適正なストロボ装置の流用の機会を減らすことができる。これにより、不適正なストロボ装置の流用が抑制又は防止される。
【0104】
また、ストロボ装置はレンズ付きフイルムユニットから取り外して保管しておくことができるので、ユーザーは、各自の使い方に合わせて有効に使用することができる。ストロボ撮影をあまり行わないユーザーにとっては、写真1枚当たりの単価を下げることができるので、経済的なメリットとなる。
【0105】
また、ストロボ発光部及び回路基板を構成する部品の耐用期間が経過する前に使用が禁止されるようにしたから、ユーザーは、ストロボ装置を、その耐用期間を越えて使用することができない。使用済みのストロボ装置はメーカーに回収された後、適正な検査及び洗浄,修理を経てリユースされるから、メーカーは、低廉な部品を使用した場合でもストロボ装置の品質を確保することができる。
【0106】
前記ケースには、前記レンズ付きフイルムユニットに設けらたシンクロスイッチからトリガー信号を受信するためのシンクロスイッチ接続用の1対の接点が設けられており、前記フイルムユニットから取り外した状態では、前記接点にメインコンデンサの電圧がかからないようにしたから、誤って接点に指などが触れた場合でも、安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットとストロボ装置の外観図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの取り付け部の説明図である。
【図3】レンズ付きフイルムユニットの分解斜視図である。
【図4】ストロボ装置の回路図である。
【図5】フイルムユニット及びストロボ装置のリサイクルのフローチャートである。
【図6】バヨネット方式の係合部の説明図である。
【図7】光学的なトリガー信号を使用したストロボ装置の説明図である。
【図8】発光回数の残数の表示部を設けたストロボ装置の説明図である。
【図9】発光回数計測・制御回路を設けたストロボ装置の回路図である。
【図10】発光回数計測・制御のフローチャートである。
【図11】充電許容スイッチ及び放電スイッチを設けたストロボ装置の回路図である。
【図12】図11のストロボ装置のスイッチング機構の説明図である。
【図13】図11のストロボ装置の別のスイッチング機構の説明図である。
【図14】シンクロ接点に低電圧をかけるストロボ装置の回路図である。
【図15】端子付き電池の説明図である。
【符号の説明】
10,80 フイルムユニット
11,81,111,121,131 ストロボ装置
12 取り付け部
13 係合部
45 メインコンデンサ
46 回路基板
47 ストロボ発光部
48 電池
49 ケース
56,114,132,161ストロボ回路
Claims (3)
- 予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットに用いられるストロボ装置において、
ストロボ発光部,メインコンデンサを含む回路基板及びこれらに給電する電源電池を密封して収納し、前記レンズ付きフイルムユニットの本体に着脱自在なケースと、
前記回路基板に配置され、ストロボ発光回数を計測し、その回数が規定された回数に達したときに使用を禁止する禁止手段とを設けたことを特徴とするストロボ装置。 - 前記ストロボ発光回数の残数を表示する残数表示部を設けたことを特徴とする請求項1記載のストロボ装置。
- 前記ケースには、前記レンズ付きフイルムユニットに設けられたシンクロスイッチからトリガー信号を受信するためのシンクロスイッチ接続用の1対の接点が設けられており、前記フイルムユニットから取り外した状態では、前記接点にメインコンデンサの電圧がかからないようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のストロボ装置。
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