JP3773186B2 - レンズ付きフイルムユニット及びストロボ装置並びにレンズ付きフイルムシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め未露光の写真フイルムが装填されたレンズ付きフイルムユニット及びこれに用いられるストロボ装置,並びにレンズ付きフイルムシステムに関するものであり、さらに詳しくは、使用済みレンズ付きフイルムユニットの部品の流用を抑制又は防止する対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
予め写真フイルムが装填された1回使用型の簡易型カメラとして、レンズ付きフイルムユニットが知られている。このレンズ付きフイルムユニットは、写真フイルムを装填するとともに簡単な撮影機構が組み付けられる本体基部と、これを前後から覆う前カバー及び後カバーとから構成される。これら主要な構成部品は、プラスチックで形成される。
【0003】
レンズ付きフイルムユニットは、小型、簡易な構造、低価格をその特徴としている一方、各種の機能が付加されてきており、その中でもストロボ装置を内蔵したものが普及している。このストロボ装置は、例えば、ストロボ発光部と、回路基板と、これらに給電する電源電池とからなる。
【0004】
ユーザーは、写真フイルムをその枚数分撮り終わると、レンズ付きフイルムユニットを、その本体毎プリント業者に渡して、プリントを依頼する。写真フイルムはプリントとともにユーザーに返却される一方、使用済みのレンズ付きフイルムユニットの本体は、プリント業者を介してカメラメーカーに回収される。
【0005】
カメラメーカーは、環境汚染防止や資源の有効活用の観点から、使用済みレンズ付きフイルムユニットのリサイクルを積極的に進めており、製品の設計段階から生産ラインに至るまでリサイクルを前提として設計することにより、循環型生産システムを構築している。
【0006】
カメラメーカーは、使用済みレンズ付きフイルムユニットを分解し、ストロボ装置や露光ユニットなどについては、洗浄及び検査を行って再使用する。また、プラスチック部品については、溶解・ペレット化して、プラスチック材料として再利用している。レンズ付きフイルムユニットは、1回使用を前提としており、低価格を実現するために部品の耐久性も通常のカメラと比較すると低い。そのため、再使用されるストロボ装置等については、適正な検査とともに、必要に応じて修理を施すことにより、品質を確保している。
【0007】
また、このリサイクルによって、レンズ付きフイルムユニットの販売価格の引下げも図っている。特に、ストロボ装置は、他の部品と比較して非常に高価であるため、これをリユースすることによる販売価格引き下げの効果は大きい。
【0008】
しかし、使用済みのレンズ付きフイルムユニットの全てがカメラメーカーに戻されるのではなく、その一部は、フイルム詰め替え業者や部品流用業者などにまわされる。詰め替え業者は、使用済みのレンズ付きフイルムユニットに未使用の写真フイルムの詰め替えを行い、他方、部品流用業者は、使用済みのレンズ付きフイルムユニットの本体構成部品の一部を流用して、別のレンズ付きフイルムユニットを組み立てる。フイルムが詰め替えられた詰め替え品や部品流用により組み立てられた部品流用品は、包装されて新品として販売される。こうした詰め替え品や部品流用品は、ストロボ装置など高価な部品をコストをかけずに利用しているので、その販売価格は非常に安い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら詰め替え品や部品流用品は、部品の洗浄,修理及び検査が適正に行われていない場合が多く、品質に問題がある。このような問題は、レンズ付きフイルムユニットそのものや、カメラメーカーに対する信頼を傷つけるおそれがある。
【0010】
さらに、部品流用の場合には、ストロボ装置のように高価でかつ流用が簡単な部品だけが利用される。しかも、ストロボ装置は、レンズ付きフイルムユニットの本体に内蔵されており、本体から簡単に取り外すことができない。そのため、部品流用業者は、ストロボ装置を含むレンズ付きフイルムユニット全体を引き取った後、ストロボ装置だけを抜き取り、それ以外の部分については、無駄に廃棄している可能性が高い。こうした不適正な部品流用が継続的かつ大量に行われてしまうと、カメラメーカーが構築した循環型生産システムの目的(環境汚染防止及び資源の有効活用)が没却されるばかりでなく、リユースによるコスト的なメリットが奪われることになり、循環型生産システム自体が破壊されることになりかねない。
【0011】
そのため、カメラメーカーは、不適正な写真フイルムの詰め替えを防止する対策について、例えば、特開平7−120883号公報などに記載されているような各種の対策を考えており、その一部を既に実施している。しかし、部品流用、特に、ストロボ装置の流用については、これを防止するための対策がなかった。
【0012】
本発明は、使用済みレンズ付きフイルムユニットの不適正な部品流用、特にストロボ装置の流用を抑制又は防止することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記写真フイルム及び撮影機構が組み込まれたユニット本体に、ストロボ装置を着脱自在に装着するための取り付け部と、前記ストロボ装置に給電する電源電池とが設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のストロボ装置は、予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットに着脱自在に取り付けられるストロボ装置であって、前記レンズ付きフイルムユニット内の電池から給電を受けるための端子が設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のレンズ付きフイルムシステムは、予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットと、このレンズ付きフイルムユニットに着脱自在に取り付けられるストロボ装置とからなるレンズ付きフイルムシステムであって、前記レンズ付きフイルムユニットは、前記写真フイルム及び撮影機構が組み込まれたユニット本体に、外付けストロボ装置を着脱自在に装着するための取り付け部と、前記外付けストロボ装置に給電する電源電池とが設けられており、前記ストロボ装置には、前記電源電池から給電を受けるための端子が設けられていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に示すレンズ付きフイルムシステム9は、レンズ付きフイルムユニット(以下、フイルムユニットという)10と、外付け型のストロボ装置11とからなる。フイルムユニット10は、簡単な露光機構と、製造時に予め装填された写真フイルムとを備えている。ストロボ装置11は、このフイルムユニット10に着脱自在に取り付けられる。
【0017】
フイルムユニット10は、周知のとおり写真フイルムの交換ができない1回使用型の消耗品として製造されるのに対して、ストロボ装置11は、繰り返し使用することができる耐久品として製造される。フイルムユニット10には、ストロボ装置11に給電する電池48が収納されている。
【0018】
ユーザーは、フイルムユニット10を交換することにより、ストロボ装置11を繰り返し使用することができる。フイルムユニット10は写真フイルムの交換ができないので、電池48の容量としては、写真フイルム1本分の撮影に使用できるだけの容量があれば足りる。したがって、例えば、単4型の電池など小型の電池を使用することができる。これにより、フイルムユニット10のボディサイズを小さくすることができる。
【0019】
図2及び図3に示すように、フイルムユニット10の側面には、ストロボ装置11を着脱自在に取り付けるための取り付け部12が設けられている。この取り付け部12は、側面に突出しており、その上部には位置決め用のリブ12aと、リブ12aの間には、ストロボ装置11が不用意に外れないようにするための固定用の溝12bが形成されている。また、リブ12aの下には、ストロボ装置11と電気的な接続をするための本体側コネクタ13が設けられている。
【0020】
他方、ストロボ装置11には、取り付け部12と係合する係合部14が形成されている。係合部14は、取り付け部12の形状に合わせて凹んでおり、係合部14の内面は、各リブ12a及び溝12bのそれぞれと係合するように形成されている。また、係合部14には、本体側コネクタ13と接続されるストロボ側コネクタ15が設けられている。取り付け部12と係合部14とを係合させることにより、ストロボ装置11がフイルムユニット10に取り付けられる。
【0021】
本体側コネクタ13には、ピン型の4本の端子13aが設けられている。4本のうちの2本は、シンクロスイッチ用の1対の端子であり、残り2本は、電源供給用の1対の端子である。ストロボ側コネクタ15には、各端子13aのそれぞれと接続される4つの端子15aが設けられている。各端子15aは、ピン型の端子が挿入される筒型の端子である。ストロボ装置11は、各コネクタ13,15を通じて、給電されるとともに、トリガー信号を受け取る。
【0022】
なお、取り付け部及び係合部の形状や、各コネクタ及び端子の形状等は、上記のものに限られず、各種のものを使用することができる。
【0023】
フイルムユニット10の前面には、撮影レンズ16を露呈するための開口17と、ファインダ対物窓18が設けられている。フイルムユニット10の上部には、シャッタボタン19、フイルムカウンタ21が設けられており、背面には巻き上げノブ22の一部が外部に露呈している。
【0024】
図3に示すように、フイルムユニット10は、本体基部23と、写真フイルム24及びカートリッジ本体25からなる写真フイルムカートリッジ26と、これらを覆う前カバー31及び後カバー32とから構成される。本体基部23には、その中央に露光部33が設けられており、この露光部33の両脇には、カートリッジ本体25を収納するカートリッジ収納室23aと、カートリッジ本体25から引き出され、ロール状に巻かれた写真フイルム24を収納する写真フイルム収納室23bとが設けられている。また、カートリッジ収納室23aの上部には巻き上げノブ22が取り付けられている。
【0025】
巻き上げノブ22は、その下部に設けられた軸(図示せず)が、カートリッジ本体25に形成されたスプールと係合する。写真フイルム24の一端は、スプールに形成されたスリットに挟み込まれて保持される。このため、巻き上げノブ22の回転に伴ってスプールが回転し、写真フイルム24が給送される。
【0026】
露光部33は、暗箱38,この暗箱38の前面に設けられたシャッタ羽根39,これらの前面を覆うシャッタカバー41からなる。暗箱38の前面には、撮影光を暗箱38内に入射させるための開口38aが設けられており、その背面には、写真フイルム24の露光範囲を区画するアパーチャが形成されている。シャッタカバー41には、絞りが設けられるとともに、撮影レンズ16が組み付けられている。
【0027】
また、露光部33の上部には、対物レンズ及び接眼レンズからなるファインダ機構及び写真フイルム24の残数を表示するためのフイルムカウンタ機構が取り付けられている。
【0028】
シャッタ羽根39は、開口38aを開放する開き位置と、これを覆う閉じ位置との間で回動自在に取り付けられており、バネによって閉じ位置に付勢されている。露光部33の上部には、シャッタ羽根39を蹴飛ばす蹴飛ばし機構が設けられている。蹴飛ばし機構は、巻き上げノブ22による写真フイルム24の巻き上げに連動してチャージされ、シャッタボタン19の押下によりシャッタ羽根39を蹴飛ばす。この蹴飛ばしによりシャッタ羽根39が閉じ位置と開き位置との間を1往復動して露光が行われる。
【0029】
暗箱38の上方には、シンクロスイッチ43が設けられている。シンクロスイッチ43は、シャッタレリーズと同期して、ストロボ装置11に対してトリガー信号を送るためのスイッチであり、一対の金属接片43a,43bからなる。シャッタ羽根39には、前記一対の金属接片43a,43bの一方を押して両者を接触させるための押圧部が設けられている。シャッタ羽根39が開き位置に達したときに、シンクロスイッチ43がオンして、ストロボ装置11にトリガー信号が送られる。
【0030】
金属接片43a,43bは、その一端がシャッタ羽根39の近傍に配置される。他端側は、端子ホルダ50によって保持される。端子ホルダ50は、各端子13aとともに金属接片43a,43bを保持する。各金属接片43a,43bは、例えば、インモールド成形によって端子ホルダ50に固定される。端子ホルダ50は、写真フイルム収納室23bの上面に取り付けられる。
【0031】
電池48は、露光部33の下方に配置される。露光部33の下方には、電池48の各極と接触する金属接片(図示せず)が設けられており、これら金属接片は、端子13aに接続されている。
【0032】
前カバー31及び後カバー32は、本体基部23の前後からそれぞれ取り付けられ、フイルムユニット10の内部を光密に覆う。後カバー32には底蓋32a、32bが一体に形成され、カートリッジ本体25及び写真フイルム24の底部を光密に覆っている。また、底蓋32aは撮影済みのカートリッジ本体25を外部に取り出す際に開放される。
【0033】
ストロボ装置11は、回路パターンがプリントされるとともにメインコンデンサ45を含む各回路素子が取り付けられた回路基板46と、放電管(Xeランプ),リフレクタ,拡散板等からなるストロボ発光部47と、これらを収納するケース49とからなる。ストロボ装置11は耐久品として製造されるので、使用される部品としては、従来のレンズ付きフイルムユニットに内蔵されたストロボ装置の部品と比較して、高い耐久性を備えたものが使用される。そのため、製造コストが比較的高価になるのでユーザーの初期投資額は大きくなるが、ストロボ装置は繰り返し使用することができるので、ユーザーの使い方次第では、割安である。
【0034】
ケース49の前面には、ストロボ発光部47の拡散板が露呈しており、拡散板の下方に充電ボタン51が設けられている。充電ボタン51はその背面がストロボ回路の充電スイッチと当接しており、充電は、充電ボタン51を押下している間だけ行われる。このため、充電スイッチを切り忘れることがなく、電池48を無駄に消費してしまうことがない。もちろん、オン位置で固定できる充電ボタンを設けてもよいし、プッシュ式のボタンの代わりに、スライド式の操作部材を使用してもよい。
【0035】
ケース49の上面には、充電が完了したことをユーザーに知らせるための充電完了表示部52が設けられている。充電完了表示部52としては、例えば、ストロボ回路に設けられた発光ダイオードの光を導くライトガイドが使用される。なお、この充電完了表示部52は、ケース49の背面に設けてもよい。
【0036】
図5は、ストロボ回路56の回路図を示す。電池48と、シンクロスイッチ43は、各端子13a,端子15aによってストロボ回路56に接続される。充電スイッチ57は、可動片58と、第1〜第3接点59a〜59cとから構成され、可動片58の一端が第3接点59cに接続されている。充電ボタン51を押下したときに、可動片58の他端が第1接点59a及び第2接点59bと当接し、各接点間が導通する。
【0037】
NPN型の発振トランジスタ61と発振トランス62とは、周知のブロッキング発振作用を利用して昇圧を行う発振昇圧回路63を構成しており、電池48の電圧を300V程度の高電圧に変換してメインコンデンサ45を充電する。発振トランス62は、それぞれが誘導結合された一次コイル62a,二次コイル62b,三次コイル62cから構成される。一次コイル62aの一端は電池48のプラス電極に接続され、他端は発振トランジスタ61のコレクタ端子に接続される。二次コイル62bの一端は整流用ダイオード66のアノードに接続され、他端は三次コイル62cの一端とともに電池48のプラス電極に接続される。また、三次コイル62cの他端は、抵抗67aを通して充電スイッチ57の第3接点57cに接続される。
【0038】
整流用ダイオード66のカソードは、抵抗67bを介してトリガコンデンサ68の一端と、メインコンデンサ37の一端(プラス側)とに接続される。また、トリガコンデンサ68の他端は、充電スイッチ57の第1接点59aに接続される。発振トランジスタ61のエミッタ端子は、電池48のマイナス電極に接続され、ベース端子は抵抗67cを介して第2接点59bに接続される。
【0039】
トリガコイル69は、誘導結合された一次トリガコイル69aと二次トリガコイル69bとから構成される。一次トリガコイル69aの一端は、トリガコンデンサ68の一端に接続され、二次トリガコイル69bの一端は、ストロボ発光部47に内蔵された放電管71に近接して設けられたトリガ電極72に接続される。各コイル69a,69bの他端は共有端子となっており、シンクロスイッチ43を介して充電スイッチ57に接続される。また、放電管71の各端子は、メインコンデンサ45の両端に接続される。
【0040】
トリガコンデンサ68から一次トリガコイル69a,シンクロスイッチ43,充電スイッチ57,トリガコンデンサ68まで順番に接続された回路は、シンクロスイッチ43をONしたときにトリガコンデンサ68からの放電電流を一次トリガコイル69aに流すトリガ放電回路(トリガー回路)64を構成する。
【0041】
充電スイッチ57がONすると、発振トランジスタ61が作動し、一次コイル62aに電流(発振トランジスタ61のコレクタ電流)が流れる。そして、二次コイル62bには、一次コイル62aと二次コイル62bとの巻線比に応じた起電力が発生し、この起電力によって発生した二次側電流が発振トランジスタ61のベース電流として流れる。つまり、発振トランス62の正帰還作用によって、発振トランジスタ61はコレクタ電流を増大させて発振する。これとともに、二次コイル62bに発生した二次側電流が、メインコンデンサ45とトリガコンデンサ68とに流れそれぞれが充電される。
【0042】
なお、符号74は、発光ダイオードであり、このアノード及びカソードは、三次コイル62cの両端子に接続される。メインコンデンサ45の充電電圧が規定充電電圧に達したときに、三次コイル62cの両端子間電圧が所定値を越え、発光ダイオード74が点灯する。この光が充電完了表示部52に導光される。
【0043】
メインコンデンサ45の充電が完了した状態でシンクロスイッチ43がONとなると、トリガー回路64が閉じられ、トリガコンデンサ68の放電電流が一次トリガコイル69aに流れる。一次トリガコイル69aに放電電流が流れると、二次トリガコイル69bに高電圧のトリガ電圧が発生し、このトリガ電圧がトリガ電極72を介して放電管71に印加される。そして、放電管71内でメインコンデンサ45の電荷が放電され、ストロボ光が放出される。
【0044】
以下、上記構成による作用について、図6を参照しながら説明する。図6は、フイルムユニット10及びストロボ装置11の製造から、ユーザーによる使用を経てリサイクルされるまでのフローチャートである。
【0045】
カメラメーカーは、フイルムユニット10及びストロボ装置11を製造する。カメラメーカーが製造したフイルムユニット10及びストロボ装置11は、販売店を通じてユーザーに提供される。フイルムユニット10は、ストロボ装置11とセットで販売される他、単体でも販売される。
【0046】
ストロボ装置11をフイルムユニット10の取り付け部12に取り付けると、フイルムユニット10の本体側コネクタ13と、ストロボ側コネクタ15とが接続され、各端子13aと各端子15aとが導通する。これにより、シンクロスイッチ43と、電源48とがストロボ回路56に接続される。
【0047】
充電ボタン51を押下すると、充電スイッチ57がオンして、メインコンデンサ45への充電が開始される。メインコンデンサ45の充電電圧が規定電圧に達すると、発光ダイオード74が発光し、充電完了表示部52が点灯する。これにより、ユーザーは、ストロボ充電が完了したことを確認する。
【0048】
シャッタボタン19が押下されると、シャッタ羽根39が蹴飛ばされて、写真フイルム24への露光が行われる。シャッタ羽根39が開き位置に達すると、シンクロスイッチ43の各金属接片43a,43bが接触してシンクロスイッチ43がオンする。これにより、トリガー回路64が作動して、ストロボ発光する。
【0049】
写真フイルム24を使い切ったら、ユーザーは、使用済みのフイルムユニット10をプリント業者に持ち込んで、プリントを依頼する。プリント業者は、フイルムユニット10の本体毎、写真フイルム24を預かり、プリント処理をする。現像済みの写真フイルム24は、仕上がった写真プリントをユーザーに引き渡す際にユーザーに返却される。他方、写真フイルム24が抜き取られたフイルムユニット10の本体は、カメラメーカーに回収される。
【0050】
他方、ストロボ装置11は、繰り返し使用することができるので、ユーザーは、次回の使用に備えて、ストロボ装置11を使用済みのフイルムユニット10から取り外して保管しておく。次回使用する場合には、販売店で新しいフイルムユニット10だけを購入する。このフイルムユニット10に、保管しておいたストロボ装置11を装着して、撮影を行う。
【0051】
このように、ストロボ装置11は繰り返し使用することができるので、ユーザーは、次回の撮影時にはフイルムユニット10だけを購入すれば、フラッシュ撮影をすることができる。
【0052】
もちろん、ストロボ装置11は耐久品とはいえ、寿命はある。寿命に達したストロボ装置11は、フイルムユニット10と同様にプリント業者を通じてカメラメーカーに回収されて、リサイクルされる。ユーザーは、寿命に達したストロボ装置11を単体でプリント業者に持ち込んでもよいし、フイルムユニット10とともに持ち込んでもよい。
【0053】
フイルムユニット10は、1本の写真フイルム24を使い切るとプリント業者に持ち込まれるのに対して、ストロボ装置11は、繰り返し使用することができるから、従来と比較して、ストロボ装置11がプリント業者に持ち込まれる回数が減る。このため、ストロボ装置が詰め替え業者や部品流用業者の手に渡る機会が減るので、不適正な詰め替え品及び部品流用品の流通量を減らすことができる。
【0054】
また、フイルムユニット10には、高価なストロボ装置が組み込まれていないので、このフイルムユニット10が詰め替え業者や部品流用業者の手に渡ることもなくなる。そのため、フイルムユニット10の回収率も向上するので、無駄に廃棄される量が減り、環境汚染が防止されるとともに、資源が有効活用される。
【0055】
カメラメーカーに回収されたフイルムユニット10及びストロボ装置11は、適正にリサイクルされる。使用済みのストロボ装置11は、分解された後、各部品に対して洗浄,検査及び必要に応じて修理が施される。各部品は、新しい電池とともに、新しいケースに組み込まれて再使用される。使用済みのケースは、破砕されてプラスチック材料として再利用される。使用済みの電池は、専門業者に引き渡されてリサイクルされる。
【0056】
上記実施形態では、フイルムユニットとストロボ装置とを電気的に接続する端子として、4つの端子を使用している例で説明しているが、給電用の端子の一方と、シンクロスイッチ接続用の端子の一方とを共用する共通端子を1つ設け、合計で3つの端子としてもよい。
【0057】
上記実施形態では、ストロボ側コネクタの端子が、ストロボ装置の外面に露呈している。そのため、メインコンデンサを充電済みの状態でストロボ装置をフイルムユニットから取り外した場合、誤って接点に指が触れて各接点間が導通してしまうと、感電してしまうおそれがある。充電完了状態では、接点にメインコンデンサと同じ電圧がかかっているため、非常に危険である。そのため、ストロボ装置をフイルムユニットから取り外した時にメインコンデンサが放電されるように放電スイッチを設けるなどの安全対策を施しておくとよい。
【0058】
また、上記実施形態では、充電が完了している状態では、被写体輝度に関わらず常にストロボ発光がなされるストロボ装置の例で説明しているが、測光装置を設けて、被写体輝度に応じて発光するストロボ装置でもよい。また、被写体輝度に応じてストロボの発光量を調節可能なストロボ装置でもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、電池をストロボ装置を駆動する電源としてのみ使用しているが、例えば、レンズ付きフイルムユニットに被写体輝度に応じて絞りを切り替える絞り切り替え装置を設けた場合には、その電源として使用してもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明は、予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットに、ストロボ装置を着脱自在に取り付けられるようにするとともに、前記レンズ付きフイルムユニットに前記ストロボ装置へ給電するための電池を収納したから、ストロボ装置を繰り返し使用することができる。これにより、使用済みのレンズ付きフイルムユニットの本体と比較して、使用済みのストロボ装置の流通量が減るから、不適正なストロボ装置の流用が抑制又は防止される。また、電池をレンズ付きフイルムユニットに設けたことにより、レンズ付きフイルムユニット用のストロボ装置を耐久品として製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムシステムの外観図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの取り付け部及びストロボ装置の係合部の説明図である。
【図3】取り付け部及び係合部の断面図である。
【図4】レンズ付きフイルムユニットの分解斜視図である。
【図5】ストロボ装置の回路図である。
【図6】フイルムユニット及びストロボ装置のリサイクルのフローチャートである。
【符号の説明】
10 フイルムユニット
11 ストロボ装置
12 取り付け部
14 係合部
13 本体側コネクタ
13a,15a 端子
15 ストロボ側コネクタ
45 メインコンデンサ
46 回路基板
47 ストロボ発光部
48 電池
49 ケース
56 ストロボ回路
Claims (3)
- 予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
前記写真フイルム及び撮影機構が組み込まれたユニット本体に、ストロボ装置を着脱自在に装着するための取り付け部と、前記ストロボ装置に給電する電源電池とが設けられていることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットに着脱自在に取り付けられるストロボ装置であって、
前記レンズ付きフイルムユニット内の電池から給電を受けるための端子が設けられていることを特徴とするストロボ装置。 - 予め未露光の写真フイルムが装填され簡単な撮影機構が組み込まれたレンズ付きフイルムユニットと、このレンズ付きフイルムユニットに着脱自在に取り付けられるストロボ装置とからなるレンズ付きフイルムシステムであって、
前記レンズ付きフイルムユニットは、前記写真フイルム及び撮影機構が組み込まれたユニット本体に、外付けストロボ装置を着脱自在に装着するための取り付け部と、前記外付けストロボ装置に給電する電源電池とが設けられており、
前記ストロボ装置には、前記電源電池から給電を受けるための端子が設けられていることを特徴とするレンズ付きフイルムシステム。
Priority Applications (6)
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