JP3609056B2 - 鉄道信号伝送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道の信号保安装置に組み込まれて信号保安処理およびそのための情報伝送を行う鉄道信号伝送システムに関し、詳しくは、伝送路の汎用化を可能とする技術に関する。
信号保安は、信号装置や,閉そく装置,連動装置,ATC装置などの信号保安装置により列車を防護して安全かつ効率良く輸送を行うためのものであり、信号保安処理は、信号保安のために行われる信号等の制御や監視などの情報処理をいい、そのような処理に必要な情報交換を装置間で行うために伝送路を介して信号保安伝文の送受信が行われる。
【0002】
【従来の技術】
図7(a)にブロック図を示したものは、信号保安装置から五台の応用装置を抽出した部分システムであり、一台の電子連動装置10(応用装置)と二台のATC地上装置20(応用装置)と二台の列車検知装置30(応用装置)が伝送路40にて伝文伝送可能に結ばれている。電子連動装置10には、列車検知情報に基づいて列車を安全かつ効率よく運行させるための情報処理を行う電子連動処理遂行部11と、端末伝送部との送受信伝文の編集および統括伝送部の管理・監視を行う統括制御部12と、それらの処理に伴う信号保安伝文の送受信を行う統括伝送部14とが設けられている。統括伝送部14はATC地上装置20及び列車検知装置30との伝文送受を担っており、そのため統括伝送部14には伝送路40が接続されている。
【0003】
各ATC地上装置20には、制限速度情報等に基づいて速度制御等を行うATC処理遂行部21と、その情報処理等に伴う信号保安伝文の送受信を行う端末伝送部24とが設けられている。端末伝送部24は、他のATC地上装置20や,電子連動装置10,列車検知装置30との伝文送受を担っており、そのため端末伝送部24にも伝送路40が接続されている。
各列車検知装置30には、軌道回路に付設された検知コイル等を利用して列車検知信号の有無を検出する列車検知処理遂行部31と、その列車検知に伴う信号保安伝文の送受信を行う端末伝送部34とが設けられている。端末伝送部34は、他の列車検知装置30や,電子連動装置10,ATC地上装置20との伝文送受を担っており、そのため端末伝送部34にも伝送路40が接続されている。
これらの電子連動装置10,ATC地上装置20,20,列車検知装置30,30は、一連の伝送路40によって環状・ループ状に繋がれていて、何れの相手とも信号保安伝文を送受できるようになっている。
【0004】
図7(b)にブロック図を示したものは、そのような列車検知装置30,30とATC地上装置20,20とを電子連動装置10にて連動させるようにした応用システムである。これは、軌道回路2上の列車1の位置を列車検知装置30で検出し、その列車検知情報に基づいて電子連動装置10が列車1の速度等を決定し、それに応じてATC地上装置20が列車1の速度制御等を行う。そして、それらの処理や動作に必要な指令やデータ等が信号保安伝文に含められ、その信号保安伝文が伝送路40を介して応用装置10,20,30間で送受されるようになっている。
【0005】
なお、この明細書では各応用装置のうち他装置との伝文伝送等を担う部分を伝送装置と呼ぶ。具体的には、電子連動装置10の場合、その伝送装置13は、ハードウェア面では統括伝送部14だけ又は統括伝送部14と統括制御部12とからなり、ソフトウェア面では統括伝送部14だけ又はその全部と統括制御部12の一部とからなる。ATC地上装置20の場合、その伝送装置23は、ハードウェア面では端末伝送部24だけ又はそれとATC処理遂行部21とからなり、ソフトウェア面では端末伝送部24だけ又はその全部とATC処理遂行部21の一部とからなる。列車検知装置30の場合、その伝送装置33は、ハードウェア面では端末伝送部34だけ又はそれと列車検知処理遂行部31とからなり、ソフトウェア面では端末伝送部34だけ又はその全部と列車検知処理遂行部31の一部とからなる。
【0006】
従来、そのような鉄道信号・信号保安の分野では、保安性を重視して、伝送路40には専用回線が採用され、伝送装置13,23,33には何れもフェールセーフコンピュータが採用されていた。フェールセーフとは、例えば文献「列車保安制御システムの安全性技術指針」(財団法人「鉄道総合研究所」発行)によれば、「保安制御システムに障害が生じた場合に、対象システムを安全な状態に維持もしくは安全な状態に遷移させる保安制御システムの特性」と定義されている。この明細書でもその定義に従ってフェールセーフな装置を規定する。「冗長化された処理結果を比較回路に入力して誤り検出を行い、誤りが検出されたときには、装置として出力を安全側に固定する」とともに「比較回路自体も自身の故障に対して出力を安全側に固定する」ようなコンピュータは、フェールセーフコンピュータである。
【0007】
そのようなフェールセーフコンピュータの具体例を図8に2つ示したが、図8(a)のものは、密結合バス同期式と呼ばれ、日本の鉄道分野では、連動装置や,ATC,踏切などに用いられている。また、図8(b)のものは、時間差同期式と呼ばれ、電子閉そく装置などに採用されている。さらに、図示は割愛したが、プログラム同期式や、2−バージョンプログラム式、セルフチェッキング式などのフェールセーフコンピュータも鉄道信号に実用化されている。上述した伝送装置13,23,33にも、そのようなフェールセーフコンピュータが、一台または複数台、組み込まれていて、何れもフェールセーフな装置となっている。
【0008】
そのようなフェールセーフ装置同士は、専用の伝送路で結ばれている場合、以下の送受信手法を用いることによりフェールセーフ伝送を行うことができる。
即ち、▲1▼伝送誤りを検出できる符号検定方式を用いる
▲2▼伝送断を確実に検知できるようにサイクリック伝送方式を用いる
▲3▼最新性の確認のため通番を用いる
という3条件を満たす伝文伝送処理を行うのである。
【0009】
これらの条件を満たすために(図8(c)参照)、伝送装置13,23は、他の電子機器が存在しない伝送路40で結ばれ、それぞれ、50msや100ms毎に繰り返して信号保安伝文41を伝送路40に送出するサイクリック伝送手段15,25と、伝送路40を介して受信した伝文41が正しいのか誤っているのかを判別する正誤判定手段16,26とが、インストールされている。サイクリック伝送手段15,25は、データをセットした送信予定の伝文41に対し、伝送装置13,23それぞれについて送信の度に例えば+1にて更新される通番と、それら通番とデータとに関する例えばCRC等の検査符号とを付加してから、その伝文41を送出するようになっている。なお、伝文種別は必須ではないが、処理の容易化等のため、ここではそれも伝文41に含められる。また、正誤判定手段16,26は、受信した伝文41に含まれていた検査符号や通番に基づいて正誤判定を行っている。他の伝送装置23,33,33も同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の鉄道信号伝送システムでは、伝文伝送を担う伝送路が高価になるのを避けることができない。そこで、上述した伝送路40に代えてイーサネット(登録商標)等の汎用で安価な伝送路50を採用することが考えられるが(図9(a)参照)、そのような汎用LANの場合、伝文の一時記憶を行う中継装置が伝送路に介挿して設けられている(図9(b)参照)。
【0011】
しかも、その中継装置は、ノンフェールセーフコンピュータ、即ちフェールセーフであることを保証していない汎用の又は一般的なコンピュータとなっている(例えば図9(c)参照)。詳述すると(図9(b)参照)、LAN60は、中継装置としてのスイッチングハブ62と、そこから出て各伝送装置13,23,33に至る複数・多数の汎用伝送路61とからなり、スイッチングハブ62がそのメモリ63のバッファ64に伝送路61経由の信号保安伝文をバッファリングするようになっている。
【0012】
伝文のバッファリングは(図9(d)参照)、一般に、バッファ64をリングバッファとして用い、その中に伝送伝文65を先入れ先出し等の手法で一時的に蓄積するようになっている。このため、バッファ64には、スイッチングハブ62からの送出を待っている伝送伝文65に加えて、送出の済んだ過去伝文66も、状況によっては存在する。そして、ノンフェールセーフなスイッチングハブ62が外乱や機器異常等によって予期せぬ不所望な動作を行うと、過去伝文66が伝送路61に送出される可能性がある。
【0013】
このように応用装置間を結ぶ伝送路にノンフェールセーフ機器が介在する場合、そして、そのノンフェールセーフ機器から過去伝文等の異常伝文が発生したとき、上述した従来の技術では、異常伝文を検出しきれないケースも生じる。そのため、従来の技術のみでは、フェールセーフ伝送を確保することができない。
ところで、そのような過去伝文を検出する手法として、時刻データを用いるものが知られている。
しかしながら、装置台数が多かったり、分散していたりすると、各装置の時刻合わせが厄介なため、その手法も、鉄道信号伝送システムには向かない。
【0014】
そこで、信号保安伝文の伝送路を汎用化するに際して、汎用の中継装置も採用したうえで、時刻データを用いなくても過去伝文を誤って受け取ることがないよう、信号保安伝文の付加情報や送受信時の処理に、更なる工夫を凝らすことが技術的な課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、伝送路等を汎用化しても保安性の高い鉄道信号伝送システムを実現することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第3の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0016】
[第1の解決手段]
第1の解決手段の鉄道信号伝送システムは、出願当初の請求項1に記載の如く、鉄道の信号保安処理を行う複数の応用装置が伝送路を介して信号保安伝文をサイクリックに伝送する鉄道信号伝送システムにおいて、前記伝送路に、前記信号保安伝文の一時記憶を行う中継装置が設けられ、前記信号保安伝文に、前記応用装置それぞれについて送信の度に更新される通番が含められるとともに(やはり前記応用装置それぞれについて)装置起動の度に更新される立上回数も含められるようになっている、というものである。
【0017】
具体的には、送信手段に関して、前記応用装置が、それぞれ、通番を送信先装置毎に分けて複数または纏めて一つ記憶保持するとともに立上回数を少なくとも一つ記憶保持していて、自装置が起動される度に前記立上回数を更新し、前記伝送路を介する送信を行うとき、その度に前記通番を更新するとともに、前記通番に加えて前記立上回数も送信予定の信号保安伝文に含めるようになっている、というものである。さらに、出願当初の請求項2に記載の如く、容易かつ確実な具現化のため、前記応用装置それぞれに、不揮発性メモリが設けられ、そこに前記立上回数が保持されている、というものである。
また、受信手段に関しては、出願当初の請求項3に記載の如く、前記応用装置が、それぞれ、前記伝送路を介して信号保安伝文を受信したとき、それに含まれていた通番および立上回数に基づいて正誤判定を行うようになっている、というものである。
【0018】
このような第1の解決手段の鉄道信号伝送システムにあっては、中継装置に異常が無ければ通番に基づく正誤判定によって従来通りフェールセーフ伝送が確保される。また、送信の度に更新される通番だけでは正誤判定不能な過去伝文が中継装置から伝送路に送出された場合であっても、装置起動の度に更新される立上回数に基づく正誤判定によって、不所望な過去伝文の受け取りは回避される。過去伝文を通番で正誤判定できない状態は、ほとんどが、異常な通番と装置起動時の通番とを区別しきれないことに起因するものなので、過去伝文の受け取りは高い確度で回避されることとなる。
【0019】
このように信号保安伝文に異質な通番と立上回数を付加して正誤判定が強化されるようにしたことにより、中継装置の介在する汎用の伝送路を採用しても、それでいて時刻データは用いなくても、過去伝文の受け取りは高い確度で回避される。
したがって、この発明によれば、伝送路等を汎用化しても保安性の高い鉄道信号システムを実現することができる。
【0020】
[第2の解決手段]
第2の解決手段の鉄道信号伝送システムは、出願当初の請求項4,5に記載の如く、上記の第1の解決手段の鉄道信号伝送システムであって、送信手段および受信手段が次ようになったものである。
すなわち、それぞれの応用装置における送信手段は、前記伝送路を介する送信を行うとき、その送信先から以前に受信した信号保安伝文に含まれていた立上回数を送信予定の信号保安伝文に折返値として含めるようになっている。
また、それぞれの応用装置における受信手段は、前記伝送路を介して信号保安伝文を受信したとき、それに含まれていた通番と立上回数と折返値とに基づいて正誤判定を行うようになっている。
【0021】
このような第2の解決手段の鉄道信号伝送システムにあっては、自機の立上回数を送信するとそれが通信相手から折返値となって送り返されるので、その一致確認をとることでも、通信経路の健全性が確かめられる。
これにより、送受信の度に伝文の伝送経路が双方向でチェックされるので、伝文伝送の保安性がより高まる。
したがって、この発明によれば、伝送路等を汎用化してもより保安性の高い鉄道信号システムを実現することができる。
【0022】
[第3の解決手段]
第3の解決手段の鉄道信号伝送システムは、出願当初の請求項6に記載の如く、上記の第1,第2の解決手段の鉄道信号伝送システムであって、前記応用装置それぞれにフェールセーフコンピュータが含まれているものである。
この場合、各応用装置には、複数のフェールセーフコンピュータが含まれていても良く、一台だけでも良い。応用装置の全体がフェールセーフコンピュータからできていても良い。フェールセーフコンピュータが応用装置の一部を占める場合であっても、そのフェールセーフコンピュータの存在によって応用装置のうち伝文伝送を担うところがフェールセーフなものになっていれば良い。
【0023】
このような第3の解決手段の鉄道信号伝送システムにあっては、送受信時の伝送経路の双方向チェックが、フェールセーフコンピュータによって行われる。
これにより、中継装置がフェールセーフなものでなくても、それを含めた伝送経路における伝送が、フェールセーフ伝送に匹敵するものとなる。
したがって、この発明によれば、伝送路等を汎用化してもフェールセーフで保安性の高い鉄道信号システムを実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の鉄道信号伝送システムについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1〜第3実施例により説明する。図1〜図4に示した第1実施例は、上述した第1〜第3の解決手段を総て具現化したものであり、図5に示した第2実施例や、図6に示した第3実施例は、その変形例である。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
【0025】
【第1実施例】
本発明の鉄道信号伝送システムの第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が最小構成システムのブロック図、(b)が信号保安伝文のデータ構造図であり、これらは、従来例の図8(c)と対比されるものである。また、図1(c)は、各応用装置における装置起動時および送信時の更新処理での演算内容を示し、(d)は、受信時の正誤判定での判定条件を示している。
【0026】
この鉄道信号伝送システムが従来のものと相違するのは、伝送路40に代えてLAN60が設けられている点と、伝送装置13が改造されて伝送装置73になった点と、伝送装置23が改造されて伝送装置83になった点である(図1(a)参照)。
LAN60は、課題の欄で述べたものであり、ノンフェールセーフなスイッチングハブ62(中継装置)と、そこから出て各伝送装置73,83に至る複数・多数の汎用伝送路61とからなり、スイッチングハブ62がそのメモリ63のバッファ64に伝送路61経由の信号保安伝文をバッファリングするようになっている。
【0027】
伝送装置73,83(応用装置)は、それぞれ、従来同様にフェールセーフコンピュータからなり、又はフェールセーフコンピュータを含んだフェールセーフな装置となっていて、電子連動処理遂行部11やATC処理遂行部21に対する処理や動作については同一性または互換性を維持しているが、伝送路61を介して信号保安伝文の伝送を行うサイクリック伝送手段75,85及び正誤判定手段76,86は、従来のサイクリック伝送手段15,25及び正誤判定手段16,26から拡張されている。
【0028】
また、その拡張に伴って、各々に、EEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ77,87が設けられるとともに、そこに立上回数78,88が記憶保持されるようになっている。例えば、この立上回数78,88には8ビットや16ビット等が割り当てられるのに対し、更新頻度の高い通番には32ビット等が割り当てられるが、それらのビット数の多寡が本発明の実施を束縛する訳では無い。通番は、不揮発性メモリに割り付けても、従来通りのメモリに割り付けても良い。
【0029】
サイクリック伝送手段75は、サイクリック伝送を踏襲していることと、伝送路61を介して信号保安伝文を送信しようとするときその伝文に対して伝文種別と通番とデータと検査符号とを含ませることも、従来通りであるが、それに止まらず、装置番号と立上回数と折返値も付加するようになっている(図1(b)参照)。装置番号は、送信元を明示するためのものであり、一般的なIPアドレス等で足りる。立上回数は、不揮発性メモリ77に保持されている立上回数78が転写される。折返値には、装置番号の同じ受信伝文であって直前に受信したものに含まれていた立上回数が用いられるようになっている。
【0030】
また(図1(c)参照)、サイクリック伝送手段75は、信号保安伝文の送信に際して、通常時に通番を+1して更新する他、伝送装置73が電源投入やリセット等にて起動されたときには、立上回数を+1して更新するとともに、通番と折返値とを「0」にする。通番一巡時には、立上回数を+1して更新するとともに、通番を「1」にするようになっている。サイクリック伝送手段85も、自機である伝送装置83の不揮発性メモリ87等をアクセスして、同様のことを行うようになっている。
【0031】
正誤判定手段76,86は(図1(d)参照)は、伝送路61を介して信号保安伝文を受信すると、その伝文から抽出して得た受信立上回数と受信折返値と受信通番とをそれぞれ記憶立上回数と自機立上回数と記憶通番と照合するようになっている。記憶立上回数は、それ以前の受信伝文であって装置番号の同じものから得た受信立上回数を記憶保持していたものであり、自機立上回数は、不揮発性メモリ77,87に現在保持されている立上回数78,88であり、記憶通番は、以前の受信伝文であって装置番号の同じものから得た受信通番を記憶保持していたものである。
【0032】
その判定条件を詳述すると、通常および装置起動時には、受信立上回数と記憶立上回数との一致、受信折返値と自機立上回数との一致、及び受信通番が記憶通番を超えていること、総てが満たされたときだけ受信伝文を正しいものと判別して受け取り、それ以外のときは受信伝文を捨てる。一方、受信中にタイムアウトが検知されたときには、受信立上回数と記憶立上回数との一致、受信折返値と自機立上回数との一致、及び記憶通番にタイムアウト進行分の数値を加えた値を受信通番が超えていること、総てが満たされたとき受信伝文を正しいと判別する。また、タイムアウトの検知後には、受信立上回数と記憶立上回数との不一致、受信折返値と「0」との一致、及び受信通番と「0」との一致、総てが満たされたときも受信伝文を正しいものと判別する。それ以外のときは受信伝文を捨てる。また、受信折返値と受信通番とが共に「0」ときには受信通番を採用してそれを記憶通番に転写するが、データの採用は控えるようになっている。
【0033】
この第1実施例の鉄道信号伝送システムについて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2は、装置起動時の交信ダイアグラムであり、図3は、受信タイムアウト発生時の交信ダイアグラムであり、図4は、受信タイムアウト発生に装置起動も加わったときの交信ダイアグラムである。
【0034】
先ず図2を参照しながら、伝送装置73,83を起動した直後における信号保安伝文の送受信状況を説明する。伝文伝送に関しては互いに対等の立場であり対称的な関係もあるので、以下、主として伝送装置83の側から述べる。また、検査符号に基づく正誤判定はそれだけ独立して従来通り行われるのでそれには言及しない。さらに、装置起動によって、伝送装置73の立上回数78が「N」になり、伝送装置83の立上回数88が「M」になったとする。NやMは適宜な整数であり、起動前の値に+1されたものである。
【0035】
そうすると、立上回数「N」,通番「0」,折返値「0」の伝文R11が、伝送装置73から伝送装置83に送られてくるので、伝送装置83では、その受信伝文R11に基づいて、記憶立上回数が「N」にされ、記憶通番が「0」にされる。受信通番と受信折返値とが「0」なので、受信通番は採用されるが、受信伝文R11のデータは採用されない。また、伝送装置83から伝送装置73へは、立上回数「M」,通番「0」,折返値「0」の伝文S21が送られる。
【0036】
それを受信した伝送装置73から伝送装置83への次の伝送サイクルでは、立上回数「N」,通番「1」,折返値「0」の伝文R12が伝送装置83に送られてくる。この受信伝文R12に含まれていた受信折返値「0」と伝送装置83の自機立上回数「M」とが一致しないので、伝送装置83は受信伝文R12を誤っているものとして捨てる。一方、伝送装置83から伝送装置73へは、立上回数「M」,通番「1」,折返値「N」の伝文S22が送られる。
【0037】
それを受信した伝送装置73から伝送装置83への次の伝送サイクルでは、立上回数「N」,通番「2」,折返値「M」の伝文R13が伝送装置83に送られてくる。この受信伝文R13については、伝送装置83において、受信立上回数と記憶立上回数とが一致し、受信折返値と自機立上回数とが一致し、受信通番が記憶通番を超えているので、そのデータが伝送装置83によって正しいものと判別され応用目的の処理に採用される。一方、伝送装置83から伝送装置73へは、立上回数「M」,通番「2」,折返値「N」の伝文S23が送られ、これも、伝送誤りがなければ同様にして、伝送装置73によって採用される。
【0038】
こうして、正常な交信状態が確立された後は、何れかに受信タイムアウトが発生しない限り、受信立上回数と記憶立上回数とが一致していること、受信折返値と自機立上回数とが一致していること、及び受信通番が記憶通番を超えていること、総てがチェックされるので、スイッチングハブ62が誤って過去伝文を伝送路61に送出してしまったようなときでも、そのような異常伝文は受信した装置によって確実に捨てられる。
【0039】
次に、そのような厳しいチェックを行うようにしたときでも、伝送路61の故障や異常等に起因する受信タイムアウトにも的確に対処できることを例示する。図3を参照しながら、時刻「*」から時刻「#」まで伝送路61が伝送不能に陥ったとして、そのときの伝送装置73,83間における信号保安伝文の送受信状況を説明する。ここでも、伝送装置83側から説明する。
【0040】
伝送装置73からLAN60を介して送られてきた立上回数「N」,通番「2」,折返値「M」の受信伝文R31に基づいて、伝送装置83が、記憶立上回数を「N」にし、記憶通番を「2」にし、さらに、立上回数「M」,通番「3」,折返値「N」の送信伝文S41を送出したところで、伝送が絶たれたとする。すると、伝送装置73から送出された立上回数「N」,通番「3」,折返値「M」の伝文R32は伝送装置83によって受信されず、伝送装置83が送出した立上回数「M」,通番「4」,折返値「N」の伝文S42も伝送装置73に届かない。
【0041】
そのような状態が所定数の伝送サイクルに亘って続くと、受信タイムアウトが検知され、その後は正誤判定の条件のうち通番に関する部分が変更される。具体的には、受信通番が単に記憶通番を超えるだけでなく記憶通番+進行分を超えるときだけ正しいと判別されるようになる。そして、LAN60の伝送機能が回復して、伝送装置73から伝送装置83へ例えば立上回数「N」,通番「6」,折返値「M」の伝文R33が送られてくると、この受信伝文R33については、伝送装置83において、受信立上回数と記憶立上回数とが一致し、受信折返値と自機立上回数とが一致し、受信通番が記憶通番「2」と進行分「3」との合計値「5」を超えていることがチェックされる。
【0042】
図示の場合、それらが総て満たされているので、その受信伝文R33のデータが伝送装置83によって正しいものと判別され応用目的の処理に採用される。また、その受信通番に基づいて伝送装置83の記憶通番が「6」に改められる。一方、伝送装置83から伝送装置73へは、立上回数「M」,通番「7」,折返値「N」の伝文S43が送られ、これも、同様にして、伝送装置73によって採用される。
【0043】
なお、そのような伝送障害から回復した時などに、スイッチングハブ62が伝文R32やそれと伝文R33との間の信号保安伝文を誤って伝送装置83へ送り出したとすると、それを受信した伝送装置83では、その受信伝文について、受信立上回数と記憶立上回数とが一致しているか否か、受信折返値と自機立上回数とが一致しているか否か、受信通番が記憶通番「2」と進行分「3」との合計値「5」を超えているか否かがチェックされる。そして、この場合、受信通番と記憶通番+進行分との比較結果が必要条件を満たしていないため、その受信伝文は捨てられる。こうして、伝送不能によるタイムアウト発生時にも、過去伝文の受け取りが確実に回避され、障害回復時には、的確に伝送が再開される。
【0044】
最後に、図4を参照しながら、伝送装置73を停止して再起動したとき、それに起因して伝送装置83側で発生する受信タイムアウトにも、本発明によれば的確に対処できることを例示する。伝送装置73からLAN60を介して送られてきた立上回数「N」,通番「2」,折返値「M」の受信伝文R51に基づいて、伝送装置83が、記憶立上回数を「N」にし、記憶通番を「2」にしたところで、伝送装置73が停止したとする。
【0045】
すると、その状態で、伝送装置83から伝送装置73へ送信された立上回数「M」,通番「3」,折返値「N」の送信伝文S61は、伝送装置73に届いても受信はされない。その後の伝送サイクルで通番を+1しながら伝送装置83から伝送装置73へ幾つかの信号保安伝文が送信されるが、それらも同様である。また、その状態では、伝送装置73は何ら伝文を送出しないので、所定時間の経過後、伝送装置83では受信タイムアウトが検知される。
【0046】
やがて伝送装置73が再起動されると、伝送装置73では、立上回数が更新されて「N+1」になり、通番と折返値が「0」にされる。そして、立上回数「N+1」,通番「0」,折返値「0」の伝文R52が伝送装置73から伝送装置83へ送られる。そして、この受信伝文R52に基づき、伝送装置83では、記憶立上回数が「N+1」にされ、記憶通番が「0」にされる。受信通番と受信折返値とが「0」なので、受信通番は採用されるが、受信伝文R52のデータは採用されない。また、伝送装置83から伝送装置73へは、立上回数「M」,通番「7」,折返値「N+1」の伝文S43が送られる。
【0047】
その後、図4では図示を割愛したが、図2を参照して既述した装置起動後のときと同様に伝送装置73,82間でサイクリック伝送が続けられ、やがて両者のの有効な交信が復活する。
なお、相手装置の再起動後の判定条件は、受信立上回数が記憶立上回数を上回るときに限ると装置交換に対応できないので、装置交換にも対応できるよう受信立上回数が記憶立上回数を下回るときにも広げて緩和している。一方、そのように緩和すると、スイッチングハブ62の暴走等による過去伝文を誤って受け取るケースも生じてしまうので、そのようなケースは、緩和した条件の判別実行を受信タイムアウトの発生後に限定することで、回避している。
こうして、この場合も、過去伝文の受け取りが確実に回避され、再起動後は的確に伝送が再開される。
【0048】
【第2実施例】
図5にブロック図を示した本発明の鉄道信号伝送システムは、上述の第1実施例を拡張したものであり、従来例の図7のシステムと対比されるものである。すなわち、スイッチングハブ62を介在させて、一台の電子連動装置70(応用装置)と二台のATC地上装置80(応用装置)と二台の列車検知装置90(応用装置)とが信号保安伝文を送受信するようになっている。電子連動装置70は、既述した電子連動処理遂行部11を速度論理部72に結合させたものであり、速度論理部72は、上述した統括制御部12をLAN−IF(LANインターフェイス)に適合するよう改造したものであり、伝送装置73は、速度論理部72及びLAN−IFのハードウェアと、それにインストールされたプログラムとで、具現化されている。各ATC地上装置80も、同様に、LAN−IFと、それに適合するようATC処理遂行部21を改造したATC処理遂行部81とを具えており、伝送装置83は、それらのハードウェアとそれにインストールされたプログラムとで具現化されている。列車検知装置90も、同様に、LAN−IFと、それに適合するよう列車検知処理遂行部31を改造した列車検知処理遂行部91とを具えており、伝送装置93は、それらのハードウェアと、それにインストールされたプログラムとで具現化されている。
【0049】
この場合、従来は専用の伝送路40だったところが汎用のLAN60になっているが、上述したようにそれに対応して電子連動装置70,ATC地上装置80,列車検知装置90も改造されているので、この場合も、従来同様の高い信頼性で、信号保安伝文がLAN60を介して即ち伝送路61及びスイッチングハブ62を介して各装置70,80,90間で送受される。そして、軌道回路2上の列車1の位置が列車検知装置90にて検出され、その列車検知情報に基づき電子連動装置70にて列車1の速度等が決定され、それに応じてATC地上装置80による列車1の速度制御等が行われる。
【0050】
【第3実施例】
図6にブロック図を示した本発明の鉄道信号伝送システムは、上述の第2実施例を更に拡張したものであり、実用レベルに達している。
すなわち、このLAN60は、多重化に加えて多段化されて、多数のATC地上装置80と列車検知装置90と電子連動装置70とを通信可能に結んでいる。
【0051】
具体的には、A系のLANには、一台または少数台の基幹LANと多数の架内LANとが設けられるが、基幹LANの中継装置には例えば100Mbpsで高速のスイッチングハブ62Aが採用され、架内LANには例えば10Mbpsのスイッチングハブ62aが採用される。同様に、B系のLANでも、基幹LANの中継装置には100Mbpsのスイッチングハブ62Bが採用され、架内LANには10Mbpsのスイッチングハブ62bが採用される。電子連動装置70はスイッチングハブ62A,62B双方に繋がれるが、ATC地上装置80や列車検知装置90は何れもスイッチングハブ62a,62b双方に繋がれる。
【0052】
この場合、多段化によって通信負荷が分散され、多重化によって伝文伝送の信頼性が一層向上するので、多数の伝送装置・応用装置を含んだ大規模システムであっても確実に而も効率良く稼動する。
【0053】
【その他】
なお、上記の各実施例では、通番や立上回数の更新を+1にて行うようにしたが、通番や立上回数の更新手法は、これに限られるものでなく、例えば−1でも良く、その他の演算を行うようにしても良い。
また、信号保安伝文には、上述した項目に限らず、その他の項目や予備の項目などを含めるようにしても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段の鉄道信号伝送システムにあっては、信号保安伝文に対し通番だけでなく異質な立上回数も付加して正誤判定が強化されるようにしたことにより、中継装置から過去伝文が発生してもその受け取りは高い確度で回避されるので、伝送路等を汎用化しても保安性の高い鉄道信号システムを実現することができたという有利な効果が有る。
【0055】
また、本発明の第2の解決手段の鉄道信号伝送システムにあっては、送受信の度に伝送経路が双方向でチェックされるようにもしたことにより、伝送路等を汎用化してもより保安性の高い鉄道信号システムを実現することができたという有利な効果を奏する。
【0056】
さらに、本発明の第3の解決手段の鉄道信号伝送システムにあっては、送受信時の伝送経路の双方向チェックがフェールセーフな装置によって行われるようにもしたことにより、伝送路等を汎用化してもフェールセーフで保安性の高い鉄道信号システムを実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄道信号伝送システムの第1実施例について、(a)が最小構成システムのブロック図、(b)が信号保安伝文のデータ構造図、(c)が送信時等の更新処理の算出式、(d)が受信時の正誤判定の条件式である。
【図2】装置起動時の交信ダイアグラムである。
【図3】受信タイムアウト発生時の交信ダイアグラムである。
【図4】受信タイムアウト発生に装置起動も加わったときの交信ダイアグラムである。
【図5】本発明の鉄道信号伝送システムの第2実施例について、(a)が応用装置3台のシステム構成ブロック図、(b)がATC及び列車検知への応用システムの構成ブロック図である。
【図6】本発明の鉄道信号伝送システムの第3実施例について、実用レベルのシステム構成のブロック図である。
【図7】従来の鉄道信号伝送システムについて、(a)が応用装置3台のシステム構成ブロック図、(b)がATC及び列車検知への応用システムの構成ブロック図である。
【図8】(a)及び(b)が何れもフェールセーフコンピュータのブロック図であり、(c)が最小構成システムのブロック図および伝文のデータ構造図である。
【図9】課題説明用の想定図であり、(a)が応用装置3台のシステムに汎用LANを導入したときのブロック図、(b)がスイッチングハブも導入したときのブロック図、(c)がノンフェールセーフコンピュータのブロック図、(d)がスイッチングハブにおけるバッファリングの例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 電子連動装置(フェールセーフな応用装置)
11 電子連動処理遂行部(中央管理室等の機器)
12 統括制御部(速度論理部)
13 伝送装置(応用装置のうち伝文伝送等を担う部分)
14 統括伝送部
15 サイクリック伝送手段(送信手段)
16 正誤判定手段(受信手段)
20 ATC地上装置(自動列車制御装置、フェールセーフな応用装置)
21 ATC処理遂行部(現場の機器)
23 伝送装置(応用装置のうち伝文伝送等を担う部分)
24 端末伝送部
25 サイクリック伝送手段(送信手段)
26 正誤判定手段(受信手段)
30 列車検知装置(フェールセーフな応用装置)
31 列車検知処理遂行部(現場の機器)
33 伝送装置(応用装置のうち伝文伝送等を担う部分)
34 端末伝送部
35 サイクリック伝送手段(送信手段)
36 正誤判定手段(受信手段)
40 伝送路(専用回線)
41 伝文(信号保安伝文)
50 伝送路(汎用の通信回線、LAN、通信網)
60 LAN(Local Area Netwok、中継装置付きの通信網)
61 伝送路(汎用の通信回線)
62 スイッチングハブ(ノンフェールセーフな中継装置)
62A,62B スイッチングハブ(基幹LANの中継装置)
62a,62b スイッチングハブ(架内LANの中継装置)
63 メモリ
64 バッファ(信号保安伝文の一時記憶領域)
65 伝送伝文(伝送途中の信号保安伝文)
66 過去伝文(伝送の済んだ信号保安伝文)
70 電子連動装置(フェールセーフな応用装置)
72 速度論理部(統括制御部)
73 伝送装置(応用装置のうち伝文伝送等を担う部分)
75 サイクリック伝送手段(送信手段)
76 正誤判定手段(受信手段)
77 不揮発性メモリ
78 立上回数
80 ATC地上装置(自動列車制御装置、フェールセーフな応用装置)
81 ATC処理遂行部(現場の機器)
83 伝送装置(応用装置のうち伝文伝送等を担う部分)
85 サイクリック伝送手段(送信手段)
86 正誤判定手段(受信手段)
87 不揮発性メモリ
88 立上回数
90 列車検知装置(フェールセーフな応用装置)
91 列車検知処理遂行部(現場の機器)
93 伝送装置(応用装置のうち伝文伝送等を担う部分)

Claims (6)

  1. 鉄道の信号保安処理を行う複数の応用装置が伝送路を介して信号保安伝文をサイクリックに伝送する鉄道信号伝送システムにおいて、
    前記応用装置が、それぞれ、通番と立上回数とを保持する記憶手段と、前記伝送路を介する送信の度に前記通番を更新する通番更新手段と、装置起動の度に前記立上回数を更新する立上回数更新手段と、前記伝送路を介する送信をサイクリックに行い且つその送信に際して前記信号保安伝文に前記通番および前記立上回数を含める送信手段と、前記伝送路を介して信号保安伝文を受信したときそれに含まれていた通番および立上回数に基づいて正誤判定を行う受信手段とを備えたものであり、
    前記送信手段および前記受信手段を具現するハードウェアとしてフェールセーフコンピュータが前記応用装置に含められており、
    前記受信手段が、タイムアウト検知後に受信した信号保安伝文に関する正誤判定を行うとき、その信号保安伝文に含まれていた立上回数について一致が判明した場合には、その信号保安伝文に含まれていた通番についてタイムアウト進行分を超える更新がなされていることを判定条件に加えるものである
    ことを特徴とする鉄道信号伝送システム。
  2. 鉄道の信号保安処理を行う複数の応用装置が伝送路を介して信号保安伝文をサイクリックに伝送する鉄道信号伝送システムにおいて、
    前記応用装置が、それぞれ、通番と立上回数とを保持する記憶手段と、前記伝送路を介する送信の度に前記通番を更新する通番更新手段と、装置起動の度に前記立上回数を更新する立上回数更新手段と、前記伝送路を介する送信をサイクリックに行い且つその送信に際して前記信号保安伝文に前記通番および前記立上回数を含める送信手段と、前記伝送路を介して信号保安伝文を受信したときそれに含まれていた通番および立上回数に基づいて正誤判定を行う受信手段とを備えたものであり、
    前記送信手段および前記受信手段を具現するハードウェアとしてフェールセーフコンピュータが前記応用装置に含められており、
    前記受信手段が、タイムアウト検知後に受信した信号保安伝文に関する正誤判定を行うとき、その信号保安伝文に含まれていた立上回数と通番とについて立上回数は不一致であり通番は起動後の初期値であることが判明した場合には、その信号保安伝文に含まれていた通番は採用するがデータの採用は控えるものである
    ことを特徴とする鉄道信号伝送システム。
  3. 鉄道の信号保安処理を行う複数の応用装置が伝送路を介して信号保安伝文をサイクリックに伝送する鉄道信号伝送システムにおいて、
    前記応用装置が、それぞれ、通番と立上回数とを保持する記憶手段と、前記伝送路を介する送信の度に前記通番を更新する通番更新手段と、装置起動の度に前記立上回数を更新する立上回数更新手段と、前記伝送路を介する送信をサイクリックに行い且つその送信に際して前記信号保安伝文に前記通番および前記立上回数を含める送信手段と、前記伝送路を介して信号保安伝文を受信したときそれに含まれていた通番および立上回数に基づいて正誤判定を行う受信手段とを備えたものであり、
    前記送信手段および前記受信手段を具現するハードウェアとしてフェールセーフコンピュータが前記応用装置に含められており、
    前記受信手段が、タイムアウト検知後に受信した信号保安伝文に関する正誤判定を行うとき、その信号保安伝文に含まれていた立上回数について一致が判明した場合にはその信号保安伝文に含まれていた通番についてタイムアウト進行分を超える更新がなされていることを判定条件に加え、その信号保安伝文に含まれていた立上回数と通番とについて立上回数は不一致であり通番は起動後の初期値であることが判明した場合にはその信号保安伝文に含まれていた通番は採用するがデータの採用は控えるものである
    ことを特徴とする鉄道信号伝送システム。
  4. 鉄道の信号保安処理を行う複数の応用装置が伝送路を介して信号保安伝文をサイクリックに伝送する鉄道信号伝送システムにおいて、
    前記応用装置が、それぞれ、通番と立上回数とを保持する記憶手段と、前記伝送路を介する送信の度に前記通番を更新する通番更新手段と、装置起動の度に前記立上回数を更新する立上回数更新手段と、前記伝送路を介する送信をサイクリックに行い且つその送信に際して前記信号保安伝文に前記通番および前記立上回数を含めるとともにその送信先から以前に受信した別の信号保安伝文に含まれていた立上回数も送信予定の前記信号保安伝文に折返値として含める送信手段と、前記伝送路を介して信号保安伝文を受信したときそれに含まれていた立上回数と通番と折返値とに基づいて正誤判定を行う受信手段とを備えたものであり、
    前記送信手段および前記受信手段を具現するハードウェアとしてフェールセーフコンピュータが前記応用装置に含められており、
    前記受信手段が、タイムアウト検知後に受信した信号保安伝文に関する正誤判定を行うとき、その信号保安伝文に含まれていた立上回数と通番と折返値とについて立上回数は不一致であり通番および折返値は起動後の初期値であることが判明した場合には、その信号保安伝文に含まれていた通番は採用するがデータの採用は控えるものである
    ことを特徴とする鉄道信号伝送システム。
  5. 鉄道の信号保安処理を行う複数の応用装置が伝送路を介して信号保安伝文をサイクリックに伝送する鉄道信号伝送システムにおいて、
    前記応用装置が、それぞれ、通番と立上回数とを保持する記憶手段と、前記伝送路を介する送信の度に前記通番を更新する通番更新手段と、装置起動の度に前記立上回数を更新する立上回数更新手段と、前記伝送路を介する送信をサイクリックに行い且つその送信に際して前記信号保安伝文に前記通番および前記立上回数を含めるとともにその送信先から以前に受信した別の信号保安伝文に含まれていた立上回数も送信予定の前記信号保安伝文に折返値として含める送信手段と、前記伝送路を介して信号保安伝文を受信したときそれに含まれていた立上回数と通番と折返値とに基づいて正誤判定を行う受信手段とを備えたものであり、
    前記送信手段および前記受信手段を具現するハードウェアとしてフェールセーフコンピュータが前記応用装置に含められており、
    前記受信手段が、タイムアウト検知後に受信した信号保安伝文に関する正誤判定を行うとき、その信号保安伝文に含まれていた立上回数について一致が判明した場合にはその信号保安伝文に含まれていた通番についてタイムアウト進行分を超える更新がなされていることを判定条件に加え、その信号保安伝文に含まれていた立上回数と通番と折返値とについて立上回数は不一致であり通番および折返値は起動後の初期値であることが判明した場合にはその信号保安伝文に含まれていた通番は採用するがデータの採用は控えるものである
    ことを特徴とする鉄道信号伝送システム。
  6. 前記応用装置それぞれに、前記記憶手段の一部または全部として不揮発性メモリが設けられ、そこに前記立上回数が保持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載された鉄道信号伝送システム。
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