JP3608702B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形品に関する。さらに詳しくは、本発明は、木粉を配合した塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形品であって、天然木材に近似する豊かな木質感を有し、屋外において長期間使用しても、変色又は退色やチョーキングを生ずることの少ない塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材は光合成により繰り返し生産することができるので、石油系樹脂とは異なる豊かな将来性のある資源として見直されている。成長の早い樹種で森林育成を行い、大気中に増大した炭酸ガス濃度を低減して健全な地球環境を再生しつつ、一方で計画的に伐採して、木材資源として人類の生活に役立てる試みが行われている。このような状況の下で、機械的強度が大きく成形加工の容易な汎用樹脂である塩化ビニル系樹脂に木粉を配合して、建築用資材に多用される塩化ビニル系樹脂組成物を開発できれば、調和のとれた地球資源利用の道が大きく開拓されることになる。
従来、木材に似た外観や触感を現出する目的で、塩化ビニル系樹脂に木粉を配合して成形することがしばしば行われてきた。しかし、木粉を相当量配合すると引張り強さなどの機械的強度が大幅に低下することや、いまだ天然の木質感が実現できていないなどの問題を有していた。
木目の明瞭化や加工の容易さを改善するため、木粉の他に尿素樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている(特開昭60−42007号公報、特開昭60−73807号公報、特開昭60−73808号公報)。また、木粉の他にマイカなどの無機充填剤と、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はABS樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂組成物が、線膨張率が小さく、耐衝撃性及び成形性に優れることが開示されている(特開昭60−192746号公報、特開昭60−192747号公報)。しかし、これらによっても木粉を均一に混合することは容易ではなく、成形品の木質感の現出が不十分である。
無機粉末やプラスチック粉末を付着させた木粉をプラスチック加工時に配合することによって分散均一化は大幅に改善されたが(特開平5−177610号公報、特開平5−261708号公報)、単にこのような木粉を塩化ビニル系樹脂に配合するのみでは、木質感に富んだ樹脂成形品はいまだ得られていない。
本発明者らは、先に、塩化ビニル系樹脂にメタクリル酸エステル系樹脂及び平均粒径50〜500μmの木粉を配合した樹脂組成物が、成形により機械的強度が大きく、木質感に優れた成形品を与えることを見いだした。この樹脂組成物から得られる成形品は、その特性を生かして、建具、家具などに天然木材に代わる材料として広く使用されるようになった。しかし、この成形品を、戸枠、出窓枠、巾木など日当たりのよい場所で使用すると、長期間には変色又は退色やチョーキングを生ずるため、屋外用途にも使用可能な、耐候性に優れ木質感に富んだ塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形品が望まれていた。
チョーキングの少ない塩化ビニル系樹脂組成物として、酢酸銅を含有する組成物(特公昭62−41532号公報)、銅又はコバルトで置換されたA型ゼオライトを配合した組成物(特公平1−44211号公報)、酢酸銅とハイドロタルサイト化合物を含有する組成物(特開平6−322206号公報)、ステアリン酸銅及びメラミンを含有する組成物(特開平7−292193号公報)などが提案されている。しかし、木粉を配合した塩化ビニル系樹脂組成物においては、これらの組成物によってはチョーキング防止の効果を得ることができず、また、色堅牢度を向上する効果も得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた木質感を有し、屋外において長期間使用しても、変色又は退色やチョーキングを生ずることの少ない塩化ビニル系樹脂組成物及び塩化ビニル系樹脂成形品を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂及び木粉を含有する組成物に、さらにカルボン酸の銅(II)塩とハイドロタルサイト又は銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイトを含有せしめ、特定の顔料により着色した組成物から得られる成形品が、屋外において長期間使用しても変色又は退色及びチョーキングを生ずることが少ないことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平均粒径30〜500μmの木粉5〜150重量部、(C)炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩0.01〜1重量部、(D)ハイドロタルサイト0.01〜5重量部及び(E)キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラックからなる群から選択される1種以上の顔料0.1〜10重量部を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物、
(2)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平均粒径30〜500μmの木粉5〜150重量部、(F)銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイト0.01〜5重量部及び(E)キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラックからなる群から選択される1種以上の顔料0.1〜10重量部を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物、及び、
(3)第(1)項又は第(2)項記載の塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる塩化ビニル系樹脂成形品、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(4)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、(G)メタクリル酸エステル系樹脂30重量部以下を含有する第(1)項又は第(2)項記載の塩化ビニル系樹脂組成物、及び、
(5)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、(H)耐衝撃性改良剤5〜15重量部を含有する第(1)項又は第(2)項記載の塩化ビニル樹脂組成物、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明組成物において(A)成分として使用される塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単独重合体のほか、塩化ビニル単位を50重量%以上有する塩化ビニル共重合体を挙げることができる。塩化ビニルと共重合される単量体としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;塩化アリル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;イソブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アリル−3−クロロ−2−オキシプロピルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのアリルエーテル類;アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、そのエステル又はその酸無水物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアクリルアミド類;アリルアミン安息香酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどのアリルアミン及びその誘導体類などを挙げることができる。以上に例示した単量体は、共重合可能な単量体の一部に過ぎず、近畿化学協会ビニル部会編「ポリ塩化ビニル」日刊工業新聞社(1988年)75〜104ページに例示されている各種単量体が使用可能である。これらの共単量体は、1種又は2種以上を共重合させることができる。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、塩素化ポリエチレンなどの樹脂に、塩化ビニル又は塩化ビニルと前記した共重合可能な単量体とをグラフト重合したような樹脂も含まれる。これらの塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合など、従来から知られているいずれの製造法によって作られてもよい。塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、JIS K 6721にしたがって測定した値が、400〜1,500であることが好ましく、600〜1,100であることがより好ましい。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400未満であると、得られる成形品の機械的特性が低く、色堅牢度及び耐チョーキング性に劣るおそれがある。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が1,500を超えると、混練及び成形が容易でなくなり、樹脂組成物中に木粉を均一に分散させることが困難になるおそれがある。
【0006】
本発明組成物においては、(B)成分として、平均粒径30〜500μm、より好ましくは平均粒径50〜100μmの木粉を含有せしめる。木粉の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり5〜150重量部、好ましくは22〜120重量部、さらに好ましくは25〜100重量部である。本発明に用いられる木粉の樹種には特に制限はなく、例えば、杉、ツガ、ラワンなどの針葉樹や広葉樹の材木片、鉋屑、鋸屑などの木材を用いることができる。これらの木材から本発明組成物において(B)成分として使用する木粉を得るためには、例えば、粉砕機を用いて木材を平均粒径が30〜500μmの比較的丸味を帯びた木粉とすることが好ましい。
本発明組成物においては、木粉として、特開平5−177610号公報及び特開平5−261708号公報に開示されている表面に硬い小粒子を付着させた木粉を用いることができる。硬い小粒子が木粉表面に付着する態様は、木粉への硬い小粒子の喰い込みを含む抱き込み結合、喰い込み結合された複数の硬い小粒子の相互による挟み込み結合などの、硬い小粒子の木粉表面部に対する押しつけ外力による付着であってもよいし、あるいは木粉に接着剤により硬い小粒子を付着させてもよい。この場合は、上記の木粉を硬い小粒子1〜50重量%と共にボールミルなどに仕込み、窒素雰囲気下におくなど粉塵爆発防止の処理を施して処理することが好ましい。
本発明組成物において、木粉の平均粒径とは、粉末を篩により分級して目開きに対する累積重量%曲線を作成し、その50重量%に該当する目開きの値の読みをいう。木粉の平均粒径が30μm未満であると、嵩比重が小さくなって組成物調製のため混合操作性が悪くなるおそれがある。木粉の平均粒径が500μmを超えると、成形品表面が荒れて、木質感が低下するおそれがある。木粉の含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり5重量部未満であると、成形品に十分な木質感を与えることが困難となるおそれがある。木粉の含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり150重量部を超えると、成形品の機械的強度が低下するおそれがある。木粉の含水率は、10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。
【0007】
本発明組成物においては、(C)成分として炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩を含有せしめる。炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩としては、例えば、ギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、プロピオン酸銅(II)、シュウ酸銅(II)、マロン酸銅(II)などを挙げることができる。炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.01〜1重量部であり、より好ましくは0.1〜0.5重量部である。炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩の含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.01重量部未満であると、成形品がチョーキングしやすくなるおそれがある。炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩の含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり1重量部を超えると、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性が低下するおそれがある。また、炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩に代えて、炭素数4以上のカルボン酸の銅(II)塩又はカルボン酸の銅(II)以外の金属塩を含有せしめると、長期の紫外線曝露による塩化ビニル系樹脂成形品の変色を抑える力が小さくなるおそれがある。
本発明組成物においては、(D)成分としてハイドロタルサイトを含有せしめる。ハイドロタルサイトは、一般式 [Mg1−xAlx(OH)2]x+ [(CO3)x/2・mH2O]x−で表される不定比化合物で、プラスに荷電した基本層 [Mg1−xAlx(OH)2]x+と、マイナスに荷電した中間層 [(CO3)x/2・mH2O]x−とからなる層状の結晶構造を有する無機物質である。ここで、xは0より大で0.33以下の範囲の数である。天然品は、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2Oとして得られ、合成品は、主としてMg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2Oの形のものが市販されている。本発明組成物において、(D)成分であるハイドロタルサイトの含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜3重量部である。ハイドロタルサイトの含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.01重量部未満であると、成形品がチョーキングしやすくなるおそれがある。ハイドロタルサイトの含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり5重量部を超えると、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性が低下するおそれがある。
【0008】
本発明組成物においては、(C)成分の炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩及び(D)成分のハイドロタルサイトに代えて、(F)成分として銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイトを含有せしめることができる。ハイドロタルサイトに銅(II)塩を担持させる方法には特に制限はなく、例えば、ハイドロタルサイトを懸濁させた水に所定量の銅(II)塩の水溶液を加えてよく撹拌し、次いでろ過、乾燥することにより銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイトを得ることができる。使用する銅(II)塩は水溶性の塩であれば特に制限はなく、例えば、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩などを挙げることができる。ハイドロタルサイトに対する銅(II)塩の添加量には特に制限はないが、ハイドロタルサイト100重量部に対し、銅(II)の量が0.1〜15重量部であることが好ましい。銅(II)の添加量がハイドロタルサイト100重量部当たり0.1重量部未満であると、成形品がチョーキングしやすくなるおそれがある。銅(II)の添加量がハイドロタルサイト100重量部当たり15重量部を超えると、担持されない銅(II)塩が存在し、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性が低下するおそれがある。本発明組成物において、(F)成分である銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイトの含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜3重量部である。銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイトの含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.01重量部未満であると、成形品がチョーキングしやすくなるおそれがある。銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイトの含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり5重量部を超えると、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性が低下するおそれがある。
【0009】
本発明組成物においては、(E)成分としてキナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラックからなる群から選択される1種以上の顔料を含有せしめる。
キナクリドン系顔料は、p−フェニレンジアントラニル酸類を濃硫酸で処理することにより得られ、黄みの赤から赤みの紫の色相で、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンバイオレットなどがある。ペリレン系顔料は、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸無水物と芳香族第一級アミンの縮合反応により得られ、色相は赤から赤紫、茶色まであり、ペリレンレッド、ペリレンオレンジ、ペリレンマルーン、ペリレンバーミリオン、ペリレンボルドーなどがある。ポリアゾ縮合顔料は、アゾ色素を溶剤中で縮合して高分子量化したもので、色相としては黄、赤系顔料であり、ポリアゾレッド、ポリアゾイエロー、クロモフタルオレンジ、クロモフタルレッド、クロモフタルスカーレットなどがある。イソインドリノン系顔料は、4,5,6,7−テトラクロロイソインドリノンと芳香族第一級ジアミンの縮合反応により得られ、色相は緑みの黄色から、赤、褐色にまで及び、イソインドリノンイエローなどがある。銅フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン類に銅を配位した顔料で、色相は黄みの緑から鮮やかな青まであり、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーなどがある。
カドミウム系顔料は、硫化カドミウムを含む固溶体などからなる顔料で、色相範囲は黄、赤、マルーンであり、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエローなどがある。チタンホワイトは、二酸化チタンからなる白色顔料で、隠蔽力が大きく、アナタース形とルチル形がある。カーボンブラックは、炭素を主成分とし、酸素、水素、窒素を含む黒色顔料で、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、ボーンブラックなどがある。
本発明組成物は、上記の顔料を添加して着色することにより、美麗に着色され自然な木質感に溢れるものとなるのみならず、長期間にわたって屋外において使用しても、変色又は退色を生ずることが少なく、チョーキングを生じにくい。上記の顔料以外にも、モノアゾレッド、モノアゾイエロー、ビスアゾレッド、チタンイエロー、黄鉛、クロムバーミリオン、群青などが、着色による紫外部の吸収反射作用により樹脂の耐候性を向上するものとして知られている。しかし、本発明組成物においては、上記の(E)成分として列挙した顔料のみが、優れた色堅牢度と耐チョーキング性の効果を発揮することができる。本発明組成物において、(E)成分である上記の顔料の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜10重量部であり、より好ましくは1〜5重量部である。(E)成分である
上記の顔料の含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1重量部未満であると、成形品に豊かな木質感を与えることが困難となるおそれがある。(E)成分である上記の顔料の含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部当たり10重量部を超えると、成形品の自然な木質感がかえって損なわれるおそれがある。
【0010】
本発明組成物においては、(G)成分として、メタクリル酸エステル系樹脂を含有せしめることができる。メタクリル酸エステル系樹脂としては、メタクリル酸メチル単独重合体のほか、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上、好ましくは70重量%以上有するメタクリル酸メチル共重合体を挙げることができる。メタクリル酸メチルと共重合させる単量体としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを挙げることができる。これらの共単量体は、1種又は2種以上を共重合させることができる。このメタクリル酸エステル系樹脂は、特公平5−38014号公報に開示されているメタクリル酸エステル系樹脂、すなわち、粒子の内部がメタクリル酸メチルとアクリル酸エステルの共重合体で、その外側をメタクリル酸メチル単独重合体又はメタクリル酸メチル主体の共重合体で被覆した二段構造の樹脂のような樹脂粒子であってもよい。
本発明組成物においては、木粉を、例えば、10重量部以上と高部数配合する場合、さらに(G)成分としてメタクリル酸エステル系樹脂を配合することにより、木粉と塩化ビニル系樹脂とのなじみがよく、均一に分散することができるので、豊かな木質感を発現することができる。(G)成分として用いられるメタクリル酸エステル系樹脂は、その0.2g/dlクロロホルム溶液の25℃における比粘度の値が、1.5〜4.0であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましい。この比粘度の値が、1.5未満であると、成形品の木質感が低下するおそれがある。この比粘度の値が4.0を超えると、組成物を均一に混練するために要する時間が長くなるおそれがある。本発明組成物において、メタクリル酸エステル系樹脂の含有量は、木粉の含有量に応じて適宜選択することができるが、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり30重量部以下とすることが好ましい。メタクリル酸エステル系樹脂の含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり30重量部を超えると、樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、樹脂の熱劣化を起こしやすくなるおそれがある。
【0011】
本発明組成物においては、衝撃強度の特に大きい成形品を目的とする場合は、(H)成分として、耐衝撃性改良剤を含有せしめることができる。耐衝撃性改良剤としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルグラフト共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、クロロスルホン化ポリエチレンなどを挙げることができる。これらの耐衝撃性改良剤は、塩化ビニル系樹脂組成物中において、微細な弾性粒子が不均一相となって分散し、弾性粒子にグラフト重合した鎖や極性基が塩化ビニル系樹脂と相溶することにより、塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性が向上する。本発明組成物からなる成形品を屋外用途に使用する場合、耐衝撃性改良剤を配合することにより、冬季に外気温が低下しても成形品が衝撃を受けて破壊する事故が少なくなるので好ましい。
本発明組成物において、(H)成分として耐衝撃性改良剤を含有せしめる場合、その含有量は塩化ビニル系樹脂100重量部当たり5〜15重量部であることが耐衝撃性向上のために好ましい。耐衝撃性改良剤の含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部あたり5重量部未満であると、顕著な耐衝撃性改良効果が得られないおそれがある。耐衝撃性改良剤の含有量が塩化ビニル系樹脂100重量部あたり15重量部を超えると、衝撃強度以外の機械的強度が低下するおそれがある。
本発明組成物には、上記の各成分に加えて、通常の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される熱安定剤や滑剤のほか、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、発泡剤などを適宜添加することができる。
【0012】
本発明組成物を調製するためには、通常、(A)塩化ビニル系樹脂、(B)木粉、(C)炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩と(D)ハイドロタルサイト又は(F)銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイト及び(E)顔料を一括してヘンシェルミキサーなどの混合機に投入し、激しく撹拌混合しつつ120〜160℃に昇温する。この混合の過程で、木粉に吸収されている水分を揮散させる。ヘンシェルミキサーなどを用いて、全成分を一括投入して混合することにより、嵩比重が大きく、顔料など添加剤が均一分散した混合物を得ることができる。上記の温度に到達したのち、混合物をクーリングミキサーに移して、配合上要すれば熱分解型発泡剤を添加し、50〜60℃に温度を上げる。クーリングミキサー中の混合物の温度が十分に低下したのち、クーリングミキサーから混合物を粉末の状態で取り出す。取り出された粉末状の混合物は、そのまま成形用のコンパウンドとすることができるが、通常は、次いでペレット化することが好ましい。ペレット化の好ましい方法としては、例えば、ベント付きの一軸押出機又は二軸押出機を用い、シリンダー温度及びダイス温度を150〜170℃とし、かつベント孔から木粉中の残留水分を排出しつつペレット化する方法を挙げることができる。
本発明組成物を用いて、天然木材に近似する木質感に富んだ塩化ビニル系樹脂成形品を得るための成形方法には特に制限はなく、通常は押出成形法、カレンダーロール成形法、射出成形法、真空成形法などにより成形することができる。
【0013】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、色堅牢度及びチョーキングは下記の方法により評価した。
(1)色堅牢度
JIS K 7102にしたがって評価した。すなわち、塩化ビニル樹脂系組成物から成形したシートを60mm×120mmに切断したものを試験片とし、サンシャインカーボンアーク燈式耐候性試験機[デューサイクルサンシャインウェザーメーターWEL−SUN−DC、スガ試験機(株)]を用い、水スプレーをかける条件で2,000時間の照射を行い、照射前後の試験片について、カラーコンピューター[SM−4−2、スガ試験機(株)]を用いて色差ΔEを測定した。
(2)チョーキング
上記色堅牢度を調べた試験片について、下記の基準によりチョーキング度を判定した。
◎:全くチョーキングしていない。
○:わずかにチョーキングしている。
△:かなりチョーキングしている。
×:著しくチョーキングしている。
実施例1
塩化ビニル樹脂[ZEST700L、新第一塩ビ(株)、平均重合度680]100重量部、メタクリル酸エステル系樹脂[ハイブレンB403、日本ゼオン(株)、メタクリル酸メチル単位約90重量%を有する共重合体、比粘度2.06]2重量部、木粉[セルユント、(株)シマダ商会、平均粒径80μm、含水率5重量%]50重量部、酢酸銅(II)0.2重量部、ハイドロタルサイト[DHT−6、協和化学工業(株)、合成ハイドロタルサイト、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、平均粒径0.5μm]1.5重量部、熱安定剤[三塩基性硫酸鉛/ステアリン酸鉛複合熱安定剤]5重量部、滑剤[ポリエチレンワックス、ACPE6A、アライドケミカル社]1重量部、充填剤[炭酸カルシウム、CCR、白石カルシウム(株)、平均粒径0.08μm]5重量部及びキナクリドンレッド4重量部をヘンシェルミキサーに仕込み、混合しつつ水蒸気を揮散させた。温度が上昇して140℃に達したのち、混合物をクーリングミキサーに移してさらに混合しつつ冷却し、粉末状の混合物を得た。
得られた粉末状の混合物を、シリンダー径65mmのベント付き一軸押出機を用い、下記条件にてペレット化した。なお、ベント孔から木粉に残る水分を揮散させた。
得られたペレットを、8インチロールを用いて160℃で5分間混練し、厚さ1mmのシートとし、さらに165℃で5分間プレスして厚さ1mmの木質感に富んだ赤色のシートを得た。
得られたシートについて、2,000時間の促進耐候性試験を行った。促進耐候性試験後の色差ΔEは2.5であり、全くチョーキングしていなかった。
実施例2〜25
第1表に示す配合の組成物について、実施例1と同様にして厚さ1mmのシートを作製し、2,000時間の促進耐候性試験を行い、促進耐候性試験後の色差ΔE及びチョーキング度を求めた。結果を第1表に示す。
比較例1〜9
第2表に示す配合の組成物について、実施例1と同様にして厚さ1mmのシートを作製し、2,000時間の促進耐候性試験を行い、促進耐候性試験後の色差ΔE及びチョーキング度を求めた。結果を第2表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】
【表7】
【0021】
[注]
1)ZEST700L、新第一塩ビ(株)、平均重合度680。
2)ハイブレンB403、日本ゼオン(株)、メタクリル酸メチル単位約90重量%を有する共重合体、比粘度2.06。
3)セルユント、(株)シマダ商会、平均粒径80μm、含水率5重量%。
4)E60−T5−3、ミサワテクノ(株)、酸化チタン粒子付着木粉、酸化チタン含有量5重量%、平均粒径60μm、含水率5重量%。
5)DHT−6、協和化学工業(株)、合成ハイドロタルサイト、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、平均粒径0.5μm。
6)銅(II)塩担持ハイドロタルサイト、上記DHT−6の100重量部を脱イオン水900重量部中に撹拌懸濁させた状態で、10重量%硫酸第二銅5水和物水溶液を20重量部加え、1時間撹拌し、吸引、ろ過、水洗し、取り出した固形物を150℃のオーブン中で乾燥したのち、乳鉢で粉砕したもの。
7)三塩基性硫酸鉛/ステアリン酸鉛複合熱安定剤。
8)ポリエチレンワックス、ACPE6A、アライドケミカル社。
9)炭酸カルシウム、CCR、白石カルシウム(株)、平均粒径0.08μm。
10)(MgCO3)4・Mg(OH)2・5H2O。
第1表及び第2表の結果から、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物から得られるシートは、2,000時間の促進耐候性試験において色差ΔEの値が小さく、色堅牢度に優れていることが分かる。また、全くチョーキングを生じることなく、耐チョーキング性にも優れていることが分かる。
これに対して、炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩を含有しない比較例1の組成物、炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩の代わりにクエン酸銅(II)を配合した比較例2の組成物、炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩の代わりに酢酸ニッケルを配合した比較例3の組成物、ハイドロタルサイトを含有しない比較例4の組成物及びハイドロタルサイトの代わりにヒドロキシ炭酸マグネシウムを配合した比較例5の組成物から得られるシートは、いずれも2,000時間の促進耐候性試験において顕著に変色又は退色して色差ΔEの値が大きく、色堅牢度に劣っている。また、かなり又は著しくチョーキングし、耐チョーキング性にも劣っている。さらに、ハイドロタルサイトを含有しない比較例4及び比較例5の組成物は、成形時に熱変色を生じた。
顔料として、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラック以外の顔料を配合した比較例6〜9の組成物から得られるシートは、いずれも2,000時間の促進耐候性試験において顕著に変色又は退色して色差ΔEの値が大きく、色堅牢度に劣っている。また、かなり又は著しくチョーキングし、耐チョーキング性にも劣っている。
実施例26
塩化ビニル樹脂[ZEST700L、新第一塩ビ(株)、平均重合度680]100重量部、メタクリル酸エステル系樹脂[ハイブレンB403、日本ゼオン(株)、メタクリル酸メチル単位約90重量%を有する共重合体、比粘度2.06]2重量部、木粉[セルユント、(株)シマダ商会、平均粒径80μm、含水率5重量%]50重量部、酢酸銅(II)0.2重量部、ハイドロタルサイト[DHT−6、協和化学工業(株)、合成ハイドロタルサイト、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、平均粒径0.5μm]1.5重量部、熱安定剤[三塩基性硫酸鉛/ステアリン酸鉛複合熱安定剤]5重量部、滑剤[ポリエチレンワックス、ACPE6A、アライドケミカル社]1重量部、充填剤[炭酸カルシウム、CCR、白石カルシウム(株)、平均粒径0.08μm]5重量部及びキナクリドンレッド/イソインドリノンイエロー/チタンホワイト=1/1/0.02(重量比)の混合顔料4重量部をヘンシェルミキサーに仕込み、混合しつつ水蒸気を揮散させた。温度が上昇して140℃に達したのち、混合物をクーリングミキサーに移してさらに混合しつつ冷却し、粉末状の混合物を得た。
得られた粉末状の混合物を、実施例1と同様にして押し出しペレット化し、さらにロールを用いて混練し、プレスして厚さ1mmの木質感に富んだ黄土色のシートを得た。
得られたシートについて、2,000時間の促進耐候性試験を行った。促進耐候性試験後の色差ΔEは4.3であり、また、全くチョーキングしていなかった。
実施例27
木粉として酸化チタン粒子付着木粉[E60−T5−3、ミサワテクノ(株)、酸化チタン含有量5重量%、平均粒径60μm、含水率5重量%]を用い、顔料としてペリレンオレンジ/フタロシアニングリーン=1/0.02(重量比)の混合顔料を用いた以外は、実施例26と同様にして、厚さ1mmの木質感に富んだ黄土色のシートを得た。
得られたシートについて、2,000時間の促進耐候性試験を行った。促進耐候性試験後の色差ΔEは3.8であり、また、全くチョーキングしていなかった。
実施例28
メタクリル酸エステル系樹脂[ハイブレンB403、日本ゼオン(株)、メタクリル酸メチル単位約90重量%を有する共重合体、比粘度2.06]の配合量を15重量部とし、顔料としてイソインドリノンイエロー/カドミウムオレンジ/チタンホワイト=1/0.3/1(重量比)の混合顔料4重量部を配合し、さらにクーリングミキサー中で混合物の温度が60℃まで低下したとき発泡剤[アゾジカルボンアミド]1重量部を添加した以外は、実施例26と同様にして、厚さ1mmの木質感に富んだ淡橙色のシートを得た。
得られたシートについて、2,000時間の促進耐候性試験を行った。促進耐候性試験後の色差ΔEは4.1であり、また、全くチョーキングしていなかった。
実施例29
合成ハイドロタルサイト[DHT−6、協和化学工業(株)、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、平均粒径0.5μm]100重量部を脱イオン水900重量部中に撹拌懸濁させた状態で、10重量%硫酸第二銅5水和物水溶液を20重量部加え、1時間撹拌し、吸引、ろ過、水洗し、取り出した固形物を150℃のオーブン中で乾燥したのち、乳鉢で粉砕することにより銅(II)担持ハイドロタルサイトを調製した。
酢酸銅(II)0.2重量部とハイドロタルサイト1.5重量部の代わりに、上記の銅(II)担持ハイドロタルサイト1.5重量部を配合し、顔料としてイソインドリノンイエロー/カドミウムオレンジ/チタンホワイト=1/0.3/1(重量比)の混合顔料4重量部を配合した以外は、実施例26と同様にして、厚さ1mmの木質感に富んだ淡橙色のシートを得た。
得られたシートについて、2,000時間の促進耐候性試験を行った。促進耐候性試験後の色差ΔEは3.9であり、また、全くチョーキングしていなかった。
実施例26〜29の配合組成及び結果を第3表に示す。
比較例10〜16
第4表に示す配合の組成物について、実施例26と同様にして厚さ1mmのシートを作製し、2,000時間の促進耐候性試験を行い、促進耐候性試験後の色差ΔE及びチョーキング度を求めた。結果を第4表に示す。
【0022】
【表8】
【0023】
【表9】
【0024】
【表10】
【0025】
[注]
1)ZEST700L、新第一塩ビ(株)、平均重合度680。
2)ハイブレンB403、日本ゼオン(株)、メタクリル酸メチル単位約90重量%を有する共重合体、比粘度2.06。
3)セルユント、(株)シマダ商会、平均粒径80μm、含水率5重量%。
4)E60−T5−3、ミサワテクノ(株)、酸化チタン粒子付着木粉、酸化チタン含有量5重量%、平均粒径60μm、含水率5重量%。
5)DHT−6、協和化学工業(株)、合成ハイドロタルサイト、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、平均粒径0.5μm。
6)銅(II)塩担持ハイドロタルサイト、上記DHT−6の100重量部を脱イオン水900重量部中に撹拌懸濁させた状態で、10重量%硫酸第二銅5水和物水溶液を20重量部加え、1時間撹拌し、吸引、ろ過、水洗し、取り出した固形物を150℃のオーブン中で乾燥したのち、乳鉢で粉砕したもの。
7)三塩基性硫酸鉛/ステアリン酸鉛複合熱安定剤。
8)ポリエチレンワックス、ACPE6A、アライドケミカル社。
9)炭酸カルシウム、CCR、白石カルシウム(株)製、平均粒径0.08μm。
11)キナクリドンレッド/イソインドリノンイエロー/チタンホワイト=1/1/0.02(重量比)の混合顔料。
12)ペリレンオレンジ/フタロシアニングリーン=1/0.02(重量比)の混合顔料。
13)イソインドリノンイエロー/カドミウムオレンジ/チタンホワイト=1/0.3/1(重量比)の混合顔料。
14)アゾレーキ/コバルトブルー=1/0.01(重量比)の混合顔料。
15)ポリアゾレッド/群青=1/0.3(重量比)の混合顔料。
16)弁柄/クロムバーミリオン=1/1(重量比)の混合顔料。
17)アゾジカルボンアミド。
第3表及び第4表の結果から、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物から得られるシートは、2,000時間の促進耐候性試験において色差ΔEの値が小さく、色堅牢度に優れていることが分かる。また、全くチョーキングすることなく、耐チョーキング性にも優れていることが分かる。
これに対して、炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩の代わりにクエン酸銅(II)を配合した比較例10の組成物、炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩の代わりに酢酸ニッケルを配合した比較例11の組成物、顔料として、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラック以外の顔料を配合顔料の一部又は全部に配合した比較例12〜15の組成物及びハイドロタルサイトを含有しない比較例16の組成物から得られるシートは、いずれも2,000時間の促進耐候性試験において顕著に変色又は退色し、色差ΔEの値が大きく、色堅牢度に劣っている。また、かなり又は著しくチョーキングし、耐チョーキング性にも劣っている。さらに、ハイドロタルサイトを含有しない比較例16の組成物は、成形時に熱変色を生じた。
【0026】
【発明の効果】
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を成形することにより、美麗に着色され、自然な木質感が豊かな成形品を得ることができる。この成形品は、屋外において長期間にわたって使用しても、変色又は退色することが少なく、チョーキングを生じにくい。
Claims (3)
- (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平均粒径30〜500μmの木粉5〜150重量部、(C)炭素数1〜3のカルボン酸の銅(II)塩0.01〜1重量部、(D)ハイドロタルサイト0.01〜5重量部及び(E)キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラックからなる群から選択される1種以上の顔料0.1〜10重量部を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
- (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平均粒径30〜500μmの木粉5〜150重量部、(F)銅(II)塩を担持させたハイドロタルサイト0.01〜5重量部及び(E)キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラックからなる群から選択される1種以上の顔料0.1〜10重量部を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1又は請求項2記載の塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる塩化ビニル系樹脂成形品。
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