JP6115002B2 - 無変性のけい酸カルシウム粉の抗菌剤としての使用 - Google Patents

無変性のけい酸カルシウム粉の抗菌剤としての使用 Download PDF

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Description

本発明は、建築物や室内の内装に使用される樹脂成型品からなる内装建材を形成する樹脂組成物、該樹脂組成物を成型した樹脂成型品からなる内装建材に関する。
従来、建築物の内装造作材や手すりなどの棒状の部材には天然の木材を切削したものが用いられてきた。未塗装で使用される場合もあるが、大抵は美観向上の為と表面保護のため塗装仕上げされている。近年木材資源の保護の観点や、良質な天然木材が入手しにくくなったなどの理由から、人工的に製造された材料が用いられることが増えてきた。一例としては、未利用だった天然木材(枝や、芯の部分など)を粉砕して接着剤と共に熱圧成型した木質ボード(中質繊維板、以下MDFと略)を切削加工し、その上から化粧シートを貼って化粧したものや、塩化ビニル樹脂などの樹脂系材料を溶融し、金型で成型したもの(以下、異型押し出し成型品)が使用される場合が増えてきた。
塩化ビニル系樹脂を用いた異型押し出し成型では、樹脂の熱寸法安定性に問題がある場合があり、なにも考慮しないと樹脂の線膨張係数により伸縮を起こし、長尺で使用することが多い棒状の造作材では伸びて浮き上がったり、縮んで隙間が発生したりする。これを改善するために、従来、木粉などの異種成分を配合、混練して寸法安定化させる処方が取られている。また近年では、この木粉配合に工夫を加え、より本物の木質感を出す試みがされている。
このような木質様の樹脂成型材料を、公共施設や店舗などに設置される手すりや階段部の笠木などの建築物の内装造作材に使用する際には、不特定多数の人が触れることから、当該内装造作材に、抗菌性を付与させるニーズが強い。抗菌性を有する樹脂成形材料としては、抗菌剤入りの塗料で造作材の表面を塗装、被覆することで、抗菌性を付与する手法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、成型品表面に抗菌性の層を設ける手段では、経年の使用による擦過によって抗菌性層が擦り切れるか、または剥がれてしまうことがあり、建築物の内装造作材に使用すると長期間抗菌性を保持することが困難であった。
また、樹脂成型材料中に抗菌剤を配合し、成型品全体に抗菌剤を含有させる手法が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。当該樹脂成型材料によれば、表面に擦過による擦り切れや剥がれ等が生じた場合でも抗菌性を保持することが可能となる。しかし、従来使用されている抗菌性成分は、金属成分が主流であり、その種類によっては人体への影響が懸念されるものであった。また、人体への影響が少ないものとしては銀が主として使用されているが、当該金属材料自体や当該金属材料を無機物へ担持した材料は、一般に高価であり、樹脂成形材料中に抗菌剤を配合する手法に適用すると、抗菌性能に関与しない内側部分まで必要以上に抗菌剤を使用することとなり、得られる成型品が極めて高価なものになってしまう傾向にあった。従って、これら金属材料を抗菌性成分として含有する樹脂成型材料は、大量生産されるような建築物の内装造作材用に適用することが実質的に難しいものであった。また、金属系の材料は一般に着色性を有することから、多量に添加すると意匠性を低減させる場合があり、優れた意匠性が必要な用途においては、意匠性と抗菌性とを両立することが難しい場合があった。
特開平6−122340号公報 特開2001−158829号公報 特開2004−137241号公報
本発明が解決しようとする課題は、内装建材を製造した際に、安全で安価に抗菌性を発揮でき、長期にわたって当該抗菌性を安定に保持できる樹脂成型品用組成物を提供することにある。
本発明においては、建築物の内装造作材(内装建材)に使用する樹脂成型品を製造するに際して、塩化ビニル系樹脂中に、けい酸カルシウム粉末を配合した樹脂組成物を使用することにより、建築物の内装造作材として必要な特性を低減することなく、抗菌性発現を目的に調製された金属系抗菌性材料と遜色の無い抗菌性を実現できることを見出した。
すなわち、本発明は、抗菌性内装建材に用いる抗菌性樹脂成型品を形成する抗菌性樹脂組成物に、無変性のけい酸カルシウム粉を抗菌剤として使用する方法を提供するものである。
本発明の樹脂成型品用組成物は、原料中に均一に抗菌作用を発現する成分であるけい酸カルシウム粉末を含有するため、得られる成型品は好適な抗菌性を有する。また、成型品は、どこを切削・研磨しても同じ成分ということであり、抗菌作用を発現することが可能である。このことは製品を長い間使用する際に特に重要で、表面に汚れ等が付着し、その汚れが水拭きや洗剤拭きなどの清掃で除去できないときにも、サンドペーパーでこすって汚れ等を除去すれば抗菌作用を持続できる。また、金属系抗菌剤や、有機系抗菌剤等の抗菌性発現を目的に調製された抗菌剤を使用することなく、けい酸カルシウム粉末により抗菌性を実現できることから、極めて安価に抗菌性の成型品を実現できる。特に、けい酸カルシウムは不燃化粧板製造時に研磨粉として生じることも多く、当該研磨粉を再利用すれば、環境への廃棄物の排出を減らし環境負荷を小さくできるばかりか、原料費を低減できるので、樹脂中に大量に配合してもコスト的に安価である。
さらに、人体への影響が懸念される金属系抗菌剤を使用せず、また、薬剤の溶出が懸念される有機系抗菌剤も使用しないことから、人体への安全性が高く、環境への負荷も小さい。
本発明の樹脂成型品用組成物は、塩化ビニル系樹脂中に、けい酸カルシウム粉を含有する組成物であり、必要に応じて、木粉、強化剤、安定剤、発泡剤、滑剤、可塑剤、着色用の顔料または塩化ビニル樹脂系組成物を成型するに必要な成分を適宜配合したものである。
[塩化ビニル系樹脂]
本発明に使用する塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを主体とする複合体であり、塩化ビニル単独で重合したものの他、塩化ビニルを主たる単量体として他の単量体と共重合させたものを含む。塩化ビニルと共重合し得る単量体としては特に制限されず、例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類、エチレン、プロピレン等のα-モノオレフィン類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、さらには、アルキルビニルエーテル類、マレイミド類、塩化ビニリデン、スチレン等を好ましく使用できる。
塩化ビニル系樹脂として、塩化ビニルと他の単量体との共重合体を使用する場合には、当該共重合体のモノマー成分中の塩化ビニルの含有量を50質量%以上とすることが好ましく、70質量%以上とすることが特に好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂は、その平均重合度がJIS K 6721に従って測定した値が400〜1500であることが好ましく、600〜1000であることが成形性及び曲げ強度などの物理強度、耐薬品性能などのバランスをとる上で、より好ましい。
本発明の樹脂成型品用組成物中には、必要に応じて、上記塩化ビニル系樹脂に併用して他の樹脂を混合して使用しても良い。併用し得る他の樹脂としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等を使用できる。
塩化ビニル系樹脂に他の樹脂成分を併用する場合には、他の樹脂の使用料が塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、50質量部以下とすることが好ましく、30質量部以下とすることが好ましい。
[けい酸カルシウム粉末]
本発明で使用するけい酸カルシウムの粉末は、それ専用に製造し使用することはもちろん可能だが、けい酸カルシウム板を基材とする不燃化粧板を製造する際に発生する廃棄物などのけい酸カルシウムを使用した他の製品の廃棄物を再利用することもできる。このようなけい酸カルシウム廃棄物を使用した本発明の組成物は、廃棄物の有効利用が可能で、環境負荷低減にも役に立つものであるため好ましい。このようなけい酸カルシウム廃棄物としては、具体的には、例えば、けい酸カルシウム板の表面平滑性を出すために研磨処理する工程で生成する研磨粉を利用できる。また、当該けい酸カルシウム粉末は、その表面等が変性されていない無変性のけい酸カルシウム粉末を好適に使用できる。
けい酸カルシウム粉末の粒径は、成型品を製造した際の木質感を実現する為の表面平滑性に影響し、外観や手触り感を木質に近い表面平滑性に近づけ、また塩化ビニル樹脂への分散性を良好にするためには、1〜400μm程度が好ましく、より好ましくは20〜300μmで、さらに好ましくは50〜150μmである。
けい酸カルシウム粉末の添加量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、20〜50質量部添加することが好ましい。当該添加量とすることで、意匠性を損なうことなく好適な抗菌性が得られやすい。
[樹脂成型品用組成物]
本発明の樹脂成型品用組成物は、内装建材に用いる樹脂成型品を形成する樹脂組成物であり、上記塩化ビニル系樹脂中にけい酸カルシウム粉末を含有する。本発明の組成物は、塩化ビニル系樹脂を使用した樹脂成型品の良好な表面意匠性を阻害することなく、好適にけい酸カルシウムの水和反応による活性酸素発生や、成型品のpHの増加によるアルカリ性付与が可能となり、内装建材に必要とされる好適な表面意匠性と、優れた菌の増殖抑制効果とを、有害又は高価な抗菌剤を使用することなく極めて安価に実現できる。また、塩化ビニル系樹脂中にけい酸カルシウムを含有することで、寸法安定性の良好な成型品を得ることができる。
塩化ビニル系樹脂中へのけい酸カルシウム粉末の添加量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対してけい酸カルシウム粉末を10〜50質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることが特に好ましい。けい酸カルシウム粉末の添加量を当該範囲とすることで、優れた抗菌性を実現できると共に、成型品に内装建材として好適な意匠性を付与しやすくなる。
[添加剤]
本発明の樹脂成型品用組成物には、前述の各成分に加え、通常の内装建材に使用される樹脂成型品を形成する塩化ビニル系樹脂組成物に使用される熱安定剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、滑剤、可塑剤、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤などが用途に応じて添加することができる。
(木粉)
本発明の樹脂成型品用組成物には、木質様の樹脂成型品用組成物に一般に使用されている木粉を添加できる。本発明の樹脂成型品用組成物に木粉を併用することで、得られる成型品の曲げ強度を向上させることができるため、強度が必要とされる用途においては、木粉を使用することが好ましい。曲げ強度を好適に付与するに際しては、木粉の含有量を塩化ビニル系樹脂100質量部に対して10〜30質量部とすることが好ましい。一方、水に対する耐腐食性や耐光性が高度に要求される用途においては、木粉の含有量を少なくすることが好ましい。
本発明に使用する木粉は、樹種に特に限定されることは無く、針葉樹、広葉樹ともに使用できる。すなわち杉、松、スプルースなどやラワン等の木材があげられる。なお、木粉を配合後に得られる組成物の色をコントロールするには、色が白系のほうが調整しやすいことから、色調を重視する場合には針葉樹系の木材から製造するほうが好ましい。木粉は粉砕機で粉砕して製造するが、平均粒径が400μm以下が好ましく、50〜200μmがより好ましい。また、木粉は押し出し成型時の熱で変色しないことが望ましいので、表面処理がなされていてもよい。
木粉の表面処理はあってもなくても良いが、押し出し成型時の熱による変色を緩和する方法として、木粉表面に無機系または金属系の小粒子を付着させる方法を採用することができる。この小粒子は、木粉より硬度が大きく、平均粒径が木粉の平均粒径より小さければよく、特に限定されるものではない。例えば酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、マイカ、ニッケルなどである。本発明に用いられる小粒子で表面処理した木粉は特開平5−177610号および特開平−261708号に開示されている。木粉表面の処理状態は特に限定されるものではなく、ボールミル等を利用し木粉表面に押し付け外力によって小粒子を食い込むように付着させても良いし、接着剤によって付着させても良い。木粉表面への小粒子の付着量は表面処理後の木粉質量を基準に考えて質量で1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%である。この質量比が1質量%を下回ると木粉どうしが絡み合い、粒状となって不具合になる場合があり、反対に50質量%を越えると粉っぽくなり、樹脂との相溶性が悪くなることがある。なお、木粉および小粒子を付着させる表面処理を施した木粉の含水率は10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。含水率が高すぎると、異型押し出し成型時の加熱温度が100℃と超えるため水分が水蒸気となり、膨張の原因となるので成型品の寸法が安定しないという不具合につながる。
(着色剤)
本発明の樹脂成型品用組成物においては、成型品の使用態様に応じて、着色や装飾を施すために着色剤を添加することも好ましい。着色剤としては、各種の顔料を好適に使用でき、例えば、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、カドミウム系顔料、チタンホワイト及びカーボンブラック等の着色剤を好ましく使用できる。これら着色剤は、所望の着色や装飾に応じて、1種以上の着色剤を配合することができる。
キナクリドン系顔料は、p−フェニレンジアントラニル酸類を濃硫酸で処理することにより得られ、黄みの赤から赤みの紫の色相で、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンバイオレットなどがある。ペリレン系顔料は、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸無水物と芳香族第一級アミンの縮合反応により得られ、色相は赤から赤紫、茶色まであり、ペリレンレッド、ペリレンオレンジ、ペリレンマルーン、ペリレンバーミリオン、ペリレンボルドーなどがある。ポリアゾ縮合顔料は、アゾ色素を溶剤中で縮合して高分子量化したもので、色相としては黄、赤系顔料であり、ポリアゾレッド、ポリアゾイエロー、クロモフタルオレンジ、クロモフタルレッド、クロモフタルスカーレットなどがある。イソインドリノン系顔料は、4,5,6,7−テトラクロロイソインドリノンと芳香族第一級ジアミンの縮合反応により得られ、色相は緑みの黄色から、赤、褐色にまで及び、イソインドリノンイエローなどがある。銅フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン類に銅を配位した顔料で、色相は黄みの緑から鮮やかな青まであり、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーなどがある。カドミウム系顔料は、硫化カドミウムを含む固溶体などからなる顔料で、色相範囲は黄、赤、マルーンであり、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエローなどがある。チタンホワイトは、二酸化チタンからなる白色顔料で、隠蔽力が大きく、アナタース形とルチル形がある。カーボンブラックは、炭素を主成分とし、酸素、水素、窒素を合む黒色顔料で、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、ボーンブラックなどがある。
着色剤の含有量は、目的とする色相や彩度に応じて適宜調整すれば良いが、塩化ビニル系樹脂100質量部当たり0.1〜10質量部配合することが好ましく、より好ましくは1〜5質量部である。着色剤の含有量を当該範囲とすることで、成型品好適な機械的強度と良好な発色性とを実現しやすくなる。
(耐衝撃強化剤)
本発明の樹脂成型品用組成物において衝撃強度の特に大きい成形品を目的とする場合は、耐衝撃強化剤を配合することが好ましい。耐衝撃強化剤としては、弾性を付与できる成分であれば特に限定するものではないが、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルグラフト共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体などが好ましく使用できる。これらの耐衝撃強化剤は、樹脂成型品用組成物中において、微細な弾性粒子が不均一相となって分散し、弾性粒子と塩化ビニル系樹脂とが相溶することにより、得られる成型品の耐衝撃性が向上する。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。本組成物において、耐衝撃強化剤を配合する場合、その配合量は塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、10〜16質量部がより好ましい。耐衝撃性改良剤の含有量を当該範囲とすることで、良好な機械的強度と耐衝撃性の向上を好適に両立できる。
(熱安定剤)
熱安定剤としては、カルシウム系、亜鉛系、錫系、鉛系安定剤等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。熱安定剤を添加する場合には、その添加量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して好ましくは3〜8質量部、より好ましくは4〜7質量部である。当該添加量範囲とすることで、機械的強度物性を良好に保持しつつ、好適な熱安定性を付与しやすくなる。なかでも、カルシウム−亜鉛系のものは、製造時や廃棄時に環境への悪影響を生じにくいため特に好適に使用できる。
(発泡剤)
本発明の樹脂成型品用組成物には、重量軽減と収縮率低減のため発泡剤を添加してもよい。本発明に使用する発泡剤としてその種類は特に制限されないが、化学発泡剤等があげられる。なかでも、熱分解型発泡剤が好ましい。当該発泡剤を使用する場合には、その添加量を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.3〜3質量部とすることが好ましい。
(滑剤)
本発明の樹脂成型品用組成物には滑剤を使用しても良く、当該滑剤としては、低分子量ポリスチレン、パラフィンワックス類、多価アルコール脂肪酸エステル類等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(可塑剤)
本発明の樹脂成型品用組成物には可塑剤を使用しても良く、当該可塑剤としては、塩化ビニル樹脂に使用できるものであれば特に限定されるものではなく、フタル酸エステル系、アジピン酸系ポリエステル、アジピン酸系、トリメリット酸系、エポキシ系エステル、安息香酸系などが使用できる。
(充填剤)
本発明の樹脂成型品用組成物には充填剤を使用しても良く、当該充填剤としては無機系の粉末を好ましく使用でき、白色の微粉末であることが望ましい。例えば炭酸カルシウムやタルクなどを好適に用いることができる。
[樹脂成型品]
本発明の樹脂成型品は、上記樹脂成型品用組成物を成型して得られる樹脂成型品であり、好適な抗菌性や機械的強度を有し、安価に製造できることから、内装建材として好適に適用できる。樹脂成型品への成型は、押し出し成型、ブロー成型、注型成型などの方法を用いることが出来、従来の成型機を利用できる。
[内装建材]
本発明の樹脂成型品は内装建材として好適に適用できる。なかでも、手すり、階段の笠木等の階段周辺部材、幅木や廻り縁などの造作材、ドア枠などの開口部枠やドア下部の沓等のドア周辺部材、押入れの中段部や引き出し等の収納家具周辺部材等の長期に渡って抗菌性が求められ、擦過が生じやすい内装建材として好適に適用できる。これら内装建材のなかでも、特に擦過が生じやすく、好適な抗菌性の維持が求められる手すり用途において、本発明の樹脂成型品は特に好適に適用できる。
以下に実施例および比較例をあげて本発明の樹脂組成物を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
実施例1〜2、比較例1
表1に示した各成分を、下記の実施態様で配合し樹脂組成物を得た。なお、表中の配合量は質量部を表わす。
熱分解型発泡剤を除く全ての成分、すなわち塩化ビニル系樹脂、木粉、けい酸カルシウム粉末、熱安定剤、耐衝撃強化剤、滑剤、可塑剤、顔料成分をヘンシェルミキサー混合機に投入して撹拌混合しつつ120〜150℃に昇温した。この撹拌混合工程の過熱により、木粉と、けい酸カルシウム粉に含まれる水分を揮発させ、余分な水分を除去した。前述の温度に達し、充分混合されたら混合物をクーリングマシンに移して熱分解型発泡剤を添加して50〜60℃まで冷却した。続いて成型用ペレットを作る工程として、ペレッ押し出し機を用い、シリンダー及び金型を150〜170℃の温度条件下でペレット化した。
Figure 0006115002
表1中の各成分の詳細を以下に示す。
*1 重合度600〜800の直鎖状ポリ塩化ビニル
*2 ミサワテクノ(株)製「E60−T5−3」(酸化チタン含有量5%、平均粒径60μm、含水率5%)
*3 A&AM製 けい酸カルシウム板を番手#80のサンドペーパーで研磨して得られた粉末
*4 カルシウム系安定剤
*5 アクリル系改質剤
*6 ポリエチレンワックス
*7 フタル酸エステル:フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)
*8 キノクリドンレッド0.5質量%、ポリアゾイエロー0.5質量%及びチタンホワイト1.0質量%を混合
*9 炭酸カルシウム粉末
*10 アゾジカルボンアミド系有機熱分解型発泡剤
上記実施例及び比較例にて得られた塩化ビニル樹脂系組成物のペレットを、異型押し出し成型機を用いて厚さ5mm、幅60mmの大きさに押し出し成型した茶系色の成型品について以下の評価を行った。なお、各種試験に応じて、長さ方向は適宜カットして試験に用いた。得られた結果を表2〜3に示す。
(寒熱繰り返し性評価)
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ100mm)を、60℃の恒温乾燥機中に2時間静置し、その後一気に−20℃の冷凍庫に移して2時間静置きする工程を10サイクル繰り返し、以下の評価基準にて外観を評価した。
○:試験後に目視にて変形、割れなどの異常が確認されない
×:試験後に目視にて変形、割れなどの異常が確認される
(耐水性評価)
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ100mm)を、60℃温水中に2時間静置し、その後温水から取り出し、以下の評価基準にて目視評価した。
○:試験後に目視にて変形、割れなどの異常が確認されない
×:試験後に目視にて変形、割れなどの異常が確認される
(退色性評価)
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ150mm)に対して。JAS規格の「合板」における特殊加工化粧合板の試験方法にある退色B試験を実施。より具体的には、試験片の長さ方向半分をアルミ箔で遮蔽し、高圧水銀灯を用いた退色試験機にセットする。退色試験機で、試験片表面に48時間光を照射し、その後試験片を取り出す。24時間経過後、アルミ箔で遮蔽した部分と遮蔽していない部分の比較を、目視および色差計を用いて評価する。
(鉛筆硬度評価)
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ150mm)に対して、JIS K 5400の鉛筆硬度試験を実施。成型品表面に傷が付かない鉛筆の濃度で表現した。
(曲げ強度評価)
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ300mm)を万能試験機(テスター産業製)で曲げ試験を実施し、その値を記録した。
(抗菌性評価)
上記成型品(厚さ5mm×幅60mm×長さ50mm)に対し、JIS Z 2801:2000「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」5.2プラスチック製品の試験方法(フィルム密着法)に準拠し、抗菌力試験を実施した。
試験に用いた菌種は、大腸菌と黄色ぶどう球菌の2種。
抗菌効果の判定は、以下の式で計算した抗菌活性値が2.0以上あること
抗菌活性値=log(B/C)
B:けい酸カルシウム板サンダー粉を含有しない比較例1の試験片の24時間後の生菌数の各々の平均値
C:けい酸カルシウム板サンダー粉を含有する実施例1〜2の試験片の24時間後の生菌数の各々の平均値
Figure 0006115002
Figure 0006115002
上記表2のとおり、本願発明の実施例1、2の組成物は、成型品にした場合の寒熱繰り返し性評価、耐水性評価、退色性評価、鉛筆硬度評価、曲げ強度評価の各種物性評価において、けい酸カルシウム粉を配合しないものと比較して特に大きな問題なく、さらに表3の通り抗菌性能を有する結果であった。

Claims (5)

  1. 抗菌性内装建材に用いる抗菌性樹脂成型品を形成する抗菌性樹脂組成物に、無変性のけい酸カルシウム粉を抗菌剤として使用する方法。
  2. 前記抗菌性樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂中に無変性のけい酸カルシウム粉を含有し、前記無変性のけい酸カルシウム粉の含有量が、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して10〜50質量部である請求項1に記載の方法
  3. 前記塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400〜1500である請求項に記載の方法
  4. 前記抗菌性樹脂組成物が、木粉を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法
  5. 前記抗菌性内装建材が、抗菌性手すりである請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法
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