JP3608525B2 - 2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法および2チャンネルエコーキャンセラ並びに双方向2チャンネル音声伝送装置 - Google Patents

2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法および2チャンネルエコーキャンセラ並びに双方向2チャンネル音声伝送装置 Download PDF

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    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

Description

【発明の属する技術分野】
この発明は、2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法および2チャンネルエコーキャンセラ並びに双方向2チャンネル音声伝送装置に関し、2チャンネルエコーキャンセル処理における係数不定性の問題を解決するものである。
【従来の技術】
テレビ会議システム等に用いられる双方向2チャンネル音声伝送においては、従来よりエコーキャンセラの係数不定性の問題が指摘されており、これを解決するための様々な方法が提案されている(電子情報通信学会誌 Vol.81 No.3 P.266−274 1998年3月)。従来の解決方法として、チャンネル間相関を減少させる方法がある。これには、ランダム雑音の付加、フィルタによる相関除去、チャンネル間周波数シフト、インタリーブコムフィルタの使用、非線形処理(特開平10−190848)等がある。また、他の方法として、実音場内における音源の空間的移動によってチャンネル間の相関関数が微妙に変動することを利用した方法(特開平10−93680)がある。
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、再生する2信号を直交化して無相関化し、該無相関化した信号と誤差信号とのクロススペクトルから音響系を推定する方法によって上記係数不定性の問題を解決した2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法および2チャンネルエコーキャンセラ並びに双方向2チャンネル音声伝送装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
この発明の2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法は、第1のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2のフィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、第2のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第4のフィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号を生成し、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号を生成する場合に、前記各フィルタのインパルス応答を設定する方法であって、互いに相関を有する2信号について所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換して、第1,第2のスピーカから再生し、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第1のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第3のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第2のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第4のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新するものである。これによれば、互いに相関を有する2信号について、主成分分析を行って相互に直交した2信号に変換することにより無相関な2信号が得られ、これら2信号をそれぞれスピーカから再生し、該再生された音声を各マイクで収音し、該各マイクで収音された音声からエコーキャンセル信号を差し引いた信号と各スピーカから再生する前の音声とのクロススペクトルをそれぞれ求め、所定期間でそれぞれ集合平均し、逆フーリエ変換することにより、各フィルタにおけるインパルス応答推定誤差が個々に求まり、各フィルタのインパルス応答をこれら求められたインパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新することにより、適正なエコーキャンセルを行うことができる。
この発明の2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法は、2つの地点にそれぞれ2つのスピーカと2つのマイクを配置し、一方の地点の第1のマイクで収音され他方の地点の第1のスピーカに供給する音声信号を、他方の地点の第1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2のフィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、一方の地点の第2のマイクで収音され他方の地点の第2のスピーカに供給する音声信号を、他方の地点の第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第4のフィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、他方の地点の第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号を一方の地点の第1のスピーカに供給し、他方の地点の第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号を一方の地点の第2のスピーカに供給する信号系統を、2つの地点間で双方向に用意して双方向2チャンネル音声伝送を行う場合に、前記各フィルタのインパルス応答を設定する方法であって、各伝送方向について、互いに相関を有する2信号について所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換して、第1,第2のスピーカから再生し、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第1のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第3のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第2のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第4のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新するものである。
なお、この発明の2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法は、前記インパルス応答の更新を行った後に、前記第1,第2のスピーカで再生する信号を前記互いに相関を有する2信号に切り換え、該2信号の再生と並行してエコーキャンセル推定誤差の観測を行い、該エコーキャンセル推定誤差が所定値以上に達したことを検出して前記第1,第2のスピーカで再生する信号を前記相互に直交した2信号に再び切り換えて、前記フィルタに設定するインパルス応答の更新を実行するものとすることができる。
この発明の2チャンネルエコーキャンセラは、2つのスピーカと2つのマイクを同一空間に配置した音響系について、第1のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2の適応型フィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、第2のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第4の適応型フィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行い、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行う2チャンネルエコーキャンセラにおいて、互いに相関を有する2信号について所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換して、第1,第2のスピーカに供給する直交化手段を具備し、前記第1の適応型フィルタが、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、前記第3の適応型フィルタが、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、前記第2の適応型フィルタが、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、前記第4の適応型フィルタが、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新するものである。
この発明の双方向2チャンネル音声伝送装置は、2つの地点にそれぞれ2つのスピーカと2つのマイクを配置し、一方の地点の第1のマイクで収音され他方の地点の第1のスピーカに供給する音声信号を、他方の地点の第1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2の適応型フィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、一方の地点の第2のマイクで収音され他方の地点の第2のスピーカに供給する音声信号を、他方の地点の第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第4の適応型フィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、他方の地点の第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を第1の引算手段で差し引いて一方の地点の第1のスピーカに供給し、他方の地点の第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いて一方の地点の第2のスピーカに供給する信号系統を、2つの地点間で双方向に用意して双方向2チャンネル音声伝送を行う装置において、互いに相関を有する2信号について所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換して、第1,第2のスピーカに供給する直交化手段を具備し、前記第1の適応型フィルタが、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、前記第3の適応型フィルタが、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、前記第2の適応型フィルタが、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、前記第4の適応型フィルタが、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新するものである。
なお、この発明の双方向2チャンネル音声伝送装置において、前記直交化手段、前記第1〜第4の適応型フィルタおよび前記第1,第2の引算手段は、例えば、ともに前記互いに相関を有する2信号の受信側の地点に配置することができる。あるいは、該前記直交化手段を前記互いに相関を有する2信号の送信側の地点に配置し、前記第1〜第4の適応型フィルタおよび第1,第2の引算手段を該互いに相関を有する2信号の受信側の地点に配置することもできる。また、前記直交化手段は、例えば、前記互いに相関を有する2信号を変数として、所定期間ごとに、該期間に含まれる該2変数の組合せからなるサンプル群について第1主成分、第2主成分の固有ベクトルを求め、該2変数の組合せからなる各サンプルを該求められた第1主成分、第2主成分の固有ベクトルにそれぞれ射影して、前記相互に直交した2信号に変換する演算を行うものとすることができる。
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を以下説明する。図2はこの発明による双方向ステレオ音声伝送装置の全体構成を示す。これは、地点Aと地点Bとの間で双方向ステレオ伝送を行うもので、例えばテレビ会議システムに適用することができる。地点Aには、同一空間内に2つのスピーカSP−A(L),SP−A(R)と2つのマイクMC−A(L),MC−A(R)が配置されている。マイクMC−A(L),MC−A(R)の各収音信号は、A/D変換器12,14でディジタル信号にそれぞれ変換され、ステレオエコーキャンセラ16でエコーキャンセル処理を施された後、CODEC(CODERおよびDECORDER)18で変調されて、有線または無線の伝送路20を介して地点Bに伝送される。地点Bには、同一空間内に2つのスピーカSP−B(L),SP−B(R)と2つのマイクMC−B(L),MC−B(R)が配置されている。地点Aから伝送された信号はCODEC22に入力されてマイクMC−A(L),MC−A(R)の収音信号が復調される。これら復調されたマイクMC−A(L),MC−A(R)の収音信号は、ステレオエコーキャンセラ24を介してD/A変換器26,28でアナログ信号にそれぞれ変換され、スピーカSP−B(L),SP−B(R)でそれぞれ再生される。地点BのマイクMC−B(L),MC−B(R)の各収音信号は、A/D変換器30,32でディジタル信号にそれぞれ変換され、ステレオエコーキャンセラ24でエコーキャンセル処理を施された後、CODEC22で変調されて、伝送路20を介して地点Aに伝送される。地点Aに伝送された信号はCODEC18に入力されてマイクMC−B(L),MC−B(R)の収音信号が復調される。これら復調されたマイクMC−B(L),MC−B(R)の収音信号は、ステレオエコーキャンセラ16を介してD/A変換器34,36でアナログ信号にそれぞれ変換され、スピーカSP−A(L),SP−A(R)でそれぞれ再生される。
ステレオエコーキャンセラ16,24内の構成を図1に示す。直交化フィルタ38は、相手側の地点から伝送路20およびCODEC18(22)を介して回線入力端LI(L),LI(R)に入力される左右2チャンネルステレオ信号について、所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換し、該2信号を音響出力端SO(L),SO(R)から出力する。これら2信号はスピーカSP(L){SP−A(L)またはSP−B(L)をいう。},SP(R){SP−A(R)またはSP−B(R)をいう。}でそれぞれ再生される。適応型フィルタ40−1は、スピーカSP(L)とマイクMC(L){MC−A(L)またはMC−B(L)をいう。}間の伝達関数に相当するインパルス応答が設定され、音響出力端SO(L)から出力する信号に該インパルス応答を畳み込み演算することにより、音響出力端SO(L)から出力された信号が、スピーカSP(L)で再生され、マイクMC(L)で収音され、音響入力端SI(L)に入力される信号に相当するエコーキャンセル信号EC1を生成する。適応型フィルタ40−2は、スピーカSP(L)とマイクMC(R){MC−A(R)またはMC−B(R)をいう。}間の伝達関数に相当するインパルス応答が設定され、音響出力端SO(L)から出力する信号に該インパルス応答を畳み込み演算することにより、音響出力端SO(L)から出力された信号が、スピーカSP(L)で再生され、マイクMC(R)で収音され、音響入力端SI(R)に入力される信号に相当するエコーキャンセル信号EC2を生成する。適応型フィルタ40−3は、スピーカSP(R)とマイクMC(L)間の伝達関数に相当するインパルス応答が設定され、音響出力端SO(R)から出力する信号に該インパルス応答を畳み込み演算することにより、音響出力端SO(R)から出力された信号が、スピーカSP(R)で再生され、マイクMC(L)で収音され、音響入力端SI(L)に入力される信号に相当するエコーキャンセル信号EC3を生成する。適応型フィルタ40−4は、スピーカSP(R)とマイクMC(R)間の伝達関数に相当するインパルス応答が設定され、音響出力端SO(R)から出力する信号に該インパルス応答を畳み込み演算することにより、音響出力端SO(R)から出力された信号が、スピーカSP(R)で再生され、マイクMC(R)で収音され、音響入力端SI(R)に入力される信号に相当するエコーキャンセル信号EC4を生成する。
引算器42−1は、音響入力端SI(L)から入力されるマイクMC(L)の収音信号から、エコーキャンセル信号EC1およびEC3を引き算してエコーキャンセルを行う。引算器42−2は、音響入力端SI(R)から入力されるマイクMC(R)の収音信号から、エコーキャンセル信号EC2およびEC4を引き算してエコーキャンセルを行う。これらエコーキャンセルされた左右各チャンネルの信号は、回線出力端LO(L),LO(R)からそれぞれ出力され、CODEC18(22)および伝送路20を介して相手側の地点に伝送される。
制御装置44は、直交化フィルタ38の機能のオン/オフ切換および適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作のオン/オフ切換を行うもので、引算器42−1,42−2から出力される信号に含まれる誤差成分(エコーキャンセル推定誤差)を検出して、該誤差成分が所定値以内の時は、直交化フィルタ38の機能をオフして、回線入力端LI(L),LI(R)から入力されるステレオ信号を、そのまま直交化フィルタ38を通過させて音響出力端SO(L),SO(R)から出力して、ステレオ再生を実現する。また、このとき、適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作をオフ(各インパルス応答を、その直前の適応型動作で設定された値に固定)する。また、誤差成分が所定値以上に達した時は、直交化フィルタ38の機能をオンし、適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作をオンして、適応型フィルタ40−1乃至40−4に設定するインパルス応答の更新を行う。インパルス応答の更新が完了すると、誤差成分が再び所定値以上に達するまで、直交化フィルタ38の機能をオフし、適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作をオフする。
直交化フィルタ38の直交化処理について説明する。直交化処理は、入力ステレオ信号の所定の期間ごとに行われる。ここでは、直交化処理を、図3に示すように1フレーム(例えば512サンプル)ごとに行うものとし、直交化フィルタ38に入力される1フレームの左右各チャンネルの入力信号のサンプル群x、yを、
x=x,x,x,…,x
y=y,y,y,…,y
(nは例えば512)
とする。サンプル群x、yはステレオ信号であるから、互いに相関を有する。直交化処理は、x、yを2変数として、1フレームごとに、該2変数の組合せからなるサンプル群について、主成分分析をして、相互に直交する第1主成分、第2主成分の固有ベクトルを求め、該2変数の組合せからなる各サンプルを、該求められた第1主成分、第2主成分の固有ベクトルにそれぞれ射影することにより行われる。
直交化処理の演算の具体的内容を説明する。いま、観測行列Bを、
【数1】
Figure 0003608525
とすると、Bの共分散行列Sは、
【数2】
Figure 0003608525
となる。
固有値λは、
【数3】
Figure 0003608525
から、
【数4】
Figure 0003608525
を解いて、
【数5】
Figure 0003608525
の2個の解が求まる。
2個の固有値のうち分散の大きい方(第1主成分の固有値)をλとすると、固有値λに対応する固有ベクトルUmaxは、
【数6】
Figure 0003608525
が成り立つ
【数7】
Figure 0003608525
である。a,aを解くと、
【数8】
Figure 0003608525
が求まる。a,aの解の符号が+でも−でも第1主成分が表す軸は同じである。
一方、2個の固有値のうち分散の小さい方(第2主成分の固有値)をλとすると、固有値λに対応する固有ベクトルUminは、
【数9】
Figure 0003608525
が成り立つ
【数10】
Figure 0003608525
である。a’,a’を解くと、
【数11】
Figure 0003608525
が求まる。a’,a’の解の符号が+でも−でも第2主成分が表す軸は同じである。
以上のようにして求められた第1主成分、第2主成分の固有ベクトル
【数12】
Figure 0003608525
に、観測行列Bの列ベクトル
【数13】
Figure 0003608525
を射影する。観測行列Bを固有ベクトルUmaxに射影した出力信号cの値は、
【数14】
Figure 0003608525
として求まる。また、観測行列Bを固有ベクトルUminに射影した出力信号c’の値は、
【数15】
Figure 0003608525
として求まる。図4はこの射影を模式的に示したものである。固有ベクトルUmax,Uminは互いに直交しているから、射影した2つの出力信号c,c’は互いに直交したものとなる。このようにして、左右各チャンネルの入力信号のサンプル群x,yが互いに直交した(すなわち無相関な)2信号c,c’に変換される。この処理は1フレームごとに繰り返し行われる。
次に、以上のようにして変換された2信号c,c’に基づいて行われる、適応型フィルタ40−1乃至40−4によるフィルタ特性(インパルス応答)の設定について説明する。ここでは、適応型フィルタ40−1,40−3のフィルタ特性の設定について説明する。主成分分析で作成された2信号c,c’を
c=c,c,c,…,c
c’=c’,c’,c’,…,c
とする。いま、図5に示すようにスピーカSP(L)とマイクMC(L)間の伝達関数をそれぞれH,Hとし、これに対応するインパルス応答をそれぞれh,hとし、適応型フィルタ40−1,40−3のインパルス応答をそれぞれ
【数16】
Figure 0003608525
とすると、引算器42−1から出力される信号のエコーキャンセル推定誤差eは、
【数17】
Figure 0003608525
となる。ここで、
【数18】
Figure 0003608525
と置くと(動作開始当初はインパルス応答は未設定なので、Δh=h、Δh=hである。)、
【数19】
Figure 0003608525
となり、これを短時間フーリエ変換すると、エコーキャンセル推定誤差E(各変数を表す記号において、小文字は時間軸表現、大文字は周波数軸表現を意味する。)は、
【数20】
Figure 0003608525
となる。
この誤差成分Eと、入力Cとのクロススペクトルをそれぞれとり(すなわち、両辺に入力Cの複素共役Cを掛け)、所定期間(例えば図3に示すように40フレーム)で集合平均をとると、
【数21】
Figure 0003608525
が得られ、これからΔHを求めると、
【数22】
Figure 0003608525
が得られる。このΔHを逆フーリエ変換した値Δhがインパルス応答推定誤差であるから、適応型フィルタ40−1のインパルス応答を
【数23】
Figure 0003608525
に更新する。
同様に、誤差成分Eと、入力C’とのクロススペクトルをそれぞれとり(すなわち、両辺に入力C’の複素共役C’を掛け)、所定期間(入力Cの場合と同様で例えば40フレーム)で集合平均をとると、
【数24】
Figure 0003608525
が得られ、これからΔHを求めると、
【数25】
Figure 0003608525
が得られる。このΔHを逆フーリエ変換した値Δhがインパルス応答推定誤差であるから、適応型フィルタ40−3のインパルス応答を
【数26】
Figure 0003608525
に更新する。なお、以上は適応型フィルタ40−1,40−3のフィルタ特性の設定について説明したが、適応型フィルタ40−2,40−4のフィルタ特性の設定についても同様に行うことができる。
制御装置44による直交化フィルタ38の機能のオン/オフ切換制御および適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作のオン/オフ切換制御について図6を参照して説明する。双方向ステレオ音声伝送装置を起動すると、直交化フィルタ38の動作および適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作が開始される(S11)。これにより、直交化フィルタ38は入力ステレオ信号(x,y)を直交化する処理を行う。直交化された2信号(c,c’)は、スピーカSP(L),SP(R)から再生される。適応型フィルタ40−1乃至40−4は、引算器42−1,42−2から出力される信号に含まれる誤差成分(エコーキャンセル推定誤差)に基づき、所定期間(例えば前述のように40フレーム)ごとにインパルス応答推定誤差Δh乃至Δhの演算を行い、フィルタ特性(インパルス応答)を該インパルス応答推定誤差を打ち消す値に更新する。図7はこのときの1つの適応型フィルタの動作を示すもので、動作開始(このとき適応型フィルタのインパルス応答は未設定である。)から40フレームごとのフィルタ特性の更新により、エコーキャンセル推定誤差が徐々に低下している。
エコーキャンセル推定誤差が所定値以下になると(S12)、制御装置44は直交化フィルタ38の動作および適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作が停止される(S13)。すなわち、直交化フィルタ38は入力ステレオ信号(x,y)をそのまま出力して、スピーカSP(L),SP(R)から再生する。また、適応型フィルタ40−1乃至40−4を停止し、その直前のフィルタ特性を保持する。制御装置44は直交化フィルタ38の動作および適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作が停止している間も推定誤差パワーを観測し、該推定誤差パワーが所定値以上に達すると、直交化フィルタ38の動作および適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作を再開し(S14)、以後以上の動作を繰り返す。これにより、適正なエコーキャンセル状態を維持することができる。
なお、前記実施例ではマイク収音信号の直交化処理を行う直交化フィルタ38を該マイク収音信号の受信側に配置したが、図8に示す直交化フィルタ38’のように、送信側に配置することもできる。また、この発明は、互いに相関を有する各種2チャンネル信号のエコーキャンセル処理に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のステレオエコーキャンセラ16,24内の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の双方向ステレオ音声伝送装置の実施の形態を示すを示すブロック図である。
【図3】図1のステレオエコーキャンセラにおいて、直交化処理およびインパルス応答推定誤差を求める単位期間の例を示すタイムチャートである。
【図4】図1の直交化フィルタにおける射影の説明図である。
【図5】図1のステレオエコーキャンセラにおいて、適応型エコーキャンセラに設定するフィルタ特性を説明するための図である。
【図6】図1の制御装置44による直交化フィルタ38の機能のオン/オフ切換制御および適応型フィルタ40−1乃至40−4の適応型動作のオン/オフ切換制御を示す図である。
【図7】図1の適応型フィルタの動作が開始されてからのエコーキャンセル推定誤差の変化を示す線図である。
【図8】直交化フィルタの他の配置例を示すロック図である。
【符号の説明】
16,24…ステレオエコーキャンセラ、38,38’…直交化フィルタ、40−1乃至40−4…適応型フィルタ、42−1,42−2…引算器、MC−A(L),MC−A(R),MC−B(L),MC−B(R)…マイク、SP−A(L),SP−A(R),SP−B(L),SP−B(R)…スピーカ

Claims (8)

  1. 第1のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2のフィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、
    第2のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第4のフィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、
    第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号を生成し、
    第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号を生成する場合に、前記各フィルタのインパルス応答を設定する方法であって、
    互いに相関を有する2信号について所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換して、第1,第2のスピーカから再生し、
    第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第1のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、
    第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第3のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、
    第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第2のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、
    第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第4のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新する
    2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法。
  2. 2つの地点にそれぞれ2つのスピーカと2つのマイクを配置し、
    一方の地点の第1のマイクで収音され他方の地点の第1のスピーカに供給する音声信号を、他方の地点の第1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2のフィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、
    一方の地点の第2のマイクで収音され他方の地点の第2のスピーカに供給する音声信号を、他方の地点の第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第4のフィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、
    他方の地点の第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号を一方の地点の第1のスピーカに供給し、
    他方の地点の第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号を一方の地点の第2のスピーカに供給する信号系統を、2つの地点間で双方向に用意して双方向2チャンネル音声伝送を行う場合に、前記各フィルタのインパルス応答を設定する方法であって、
    各伝送方向について、
    互いに相関を有する2信号について所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換して、第1,第2のスピーカから再生し、
    第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第1のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、
    第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第3のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、
    第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第2のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新し、
    第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、第4のフィルタのインパルス応答を、該インパルス応答推定誤差を打ち消す特性に更新する
    2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法。
  3. 前記インパルス応答の更新を行った後に、前記第1,第2のスピーカで再生する信号を前記互いに相関を有する2信号に切り換え、該2信号の再生と並行してエコーキャンセル推定誤差の観測を行い、該エコーキャンセル推定誤差が所定値以上に達したことを検出して前記第1,第2のスピーカで再生する信号を前記相互に直交した2信号に再び切り換えて、前記フィルタに設定するインパルス応答の更新を実行する請求項1または2記載の2チャンネルエコーキャンセル用フィルタのインパルス応答設定方法。
  4. 2つのスピーカと2つのマイクを同一空間に配置した音響系について、
    第1のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2の適応型フィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、
    第2のスピーカに供給する音声信号を、第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第4の適応型フィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、
    第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を第1の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行い、
    第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いてエコーキャンセルを行う
    2チャンネルエコーキャンセラにおいて、
    互いに相関を有する2信号について所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換して、第1,第2のスピーカに供給する直交化手段を具備し、
    前記第1の適応型フィルタが、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、
    前記第3の適応型フィルタが、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、
    前記第2の適応型フィルタが、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、
    前記第4の適応型フィルタが、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新する
    2チャンネルエコーキャンセラ。
  5. 2つの地点にそれぞれ2つのスピーカと2つのマイクを配置し、
    一方の地点の第1のマイクで収音され他方の地点の第1のスピーカに供給する音声信号を、他方の地点の第1,第2のマイクに対応して設けられた第1,第2の適応型フィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第1,第2のエコーキャンセル信号を生成し、
    一方の地点の第2のマイクで収音され他方の地点の第2のスピーカに供給する音声信号を、他方の地点の第1,第2のマイクに対応して設けられた第3,第4の適応型フィルタにそれぞれ畳み込み演算して、第3,第4のエコーキャンセル信号を生成し、
    他方の地点の第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を第1の引算手段で差し引いて一方の地点の第1のスピーカに供給し、
    他方の地点の第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を第2の引算手段で差し引いて一方の地点の第2のスピーカに供給する信号系統を、2つの地点間で双方向に用意して双方向2チャンネル音声伝送を行う装置において、
    互いに相関を有する2信号について所定の期間ごとに主成分分析を行って、相互に直交した2信号に変換して、第1,第2のスピーカに供給する直交化手段を具備し、
    前記第1の適応型フィルタが、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、
    前記第3の適応型フィルタが、第1のマイクの収音信号から該第1,第3のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、
    前記第2の適応型フィルタが、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第1のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新し、
    前記第4の適応型フィルタが、第2のマイクの収音信号から該第2,第4のエコーキャンセル信号を差し引いた信号と第2のスピーカから再生した信号とのクロススペクトルを求め、所定期間で集合平均し、逆フーリエ変換してインパルス応答推定誤差を求め、フィルタ特性を該インパルス応答推定誤差を打ち消すインパルス応答に更新する
    双方向2チャンネル音声伝送装置。
  6. 前記直交化手段、前記第1〜第4の適応型フィルタおよび前記第1,第2の引算手段が、ともに前記互いに相関を有する2信号の受信側の地点に配置される請求項5記載の双方向2チャンネル音声伝送装置。
  7. 前記直交化手段が前記互いに相関を有する2信号の送信側の地点に配置され、前記第1〜第4の適応型フィルタおよび第1,第2の引算手段が該互いに相関を有する2信号の受信側の地点に配置される請求項5記載の双方向2チャンネル音声伝送装置。
  8. 前記直交化手段が、前記互いに相関を有する2信号を変数として、所定期間ごとに、該期間に含まれる該2変数の組合せからなるサンプル群について第1主成分、第2主成分の固有ベクトルを求め、該2変数の組合せからなる各サンプルを該求められた第1主成分、第2主成分の固有ベクトルにそれぞれ射影して、前記相互に直交した2信号に変換する演算を行う請求項5から7のいずれかに記載の双方向2チャンネル音声伝送装置。
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