JP3608370B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム変性スチレン系樹脂とエチレン−α−オレフィン共重合体とからなり、耐薬品性に優れると共に、剛性と耐衝撃性のバランス、引張特性等の機械的特性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、粒子状に分散したゴム状重合体を含有するゴム変性スチレン系樹脂は、耐衝撃性等の機械的特性や寸法安定性等に優れ、又、廉価であることもあって、家電製品の部品等に多く用いられている。しかし、このゴム変性スチレン系樹脂は耐薬品性等が劣るため、化学薬品や有機溶剤等と直接に接触する部品としての使用が制限されるという欠点を有していた。
【0003】
一方、ゴム変性スチレン系樹脂のこれらの耐薬品性等を改良すべく、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂を配合することが古くから検討され、そして、これらオレフィン系樹脂が一般にスチレン系樹脂と相溶性がないため、組成物としての耐衝撃性や引張特性等の機械的特性が劣るという問題についても、両者の相溶化剤として、例えば、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水添物を配合した組成物(例えば、特開平1−174550号、特開平3−157436号等各公報参照。)、エチレンと不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体を配合した組成物(例えば、特開平8−208916号等公報参照。)等が提案されている。しかしながら、未だ、この問題の本質的な解決には到っていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の現状に鑑みてなされたもので、ゴム変性スチレン系樹脂とエチレン−α−オレフィン共重合体とからなり、耐薬品性に優れると共に、剛性と耐衝撃性のバランス、引張特性等の機械的特性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、粒子状に分散したゴム状重合体を含有するゴム変性スチレン系樹脂5〜95重量%と、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとからなり、温度上昇溶離分別(TREF)の溶出曲線において高さが最大となるピークの温度が90℃以下で、かつ、該最大ピークにおける1/3高さの幅(W)に対するピーク高さ(H)の比(H/W)が2以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体95〜5重量%と、前記ゴム変性スチレン系樹脂と前記エチレン−α−オレフィン共重合体との合計量100重量部に対して、両者の相溶化剤0.1〜30重量部とを含有してなる熱可塑性樹脂組成物、を要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の一方の構成成分たるゴム変性スチレン系樹脂は、粒子状に分散したゴム状重合体を含有する公知のもので、ゴム状重合体の存在下、一種又は二種以上のスチレン系単量体、又は、更に他の共重合可能な単量体を、塊状重合、又は塊状・懸濁二段重合等の方法で重合して得られるものであり、更にそれにゴム未変性スチレン系樹脂が混合されている場合を含む。
【0007】
ここで、スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン、p−メチルスチレン等の核アルキル置換スチレン等が挙げられ、又、他の共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、マレイミド、核置換マレイミド等が挙げられる。
又、ゴム状重合体としては、例えば、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、アクリル系ゴム等が挙げられ、中で、ポリブタジエンゴム、及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムが好ましい。
【0008】
本発明において、前記ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体の含有量は、1〜30重量%であるのが好ましく、3〜25重量%であるのが更に好ましく、5〜20重量%であるのが特に好ましい。ゴム状重合体の含有量が前記範囲未満では、組成物としての耐衝撃性が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、組成物としての剛性が劣る傾向となる。
又、ゴム状重合体の平均粒子径は、0.2〜10μmであるのが好ましい。ゴム状重合体の平均粒子径が前記範囲未満では、組成物としての耐衝撃性が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、組成物を成形体としたときの表面光沢が低下する傾向となる。
【0009】
又、本発明の熱可塑性樹脂組成物の他方の構成成分たるエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとからなる。
ここで、炭素数3〜18のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、中で、炭素数4〜12であるのが好ましく、6〜10であるのが更に好ましい。
又、エチレン−α−オレフィン共重合体におけるこのα−オレフィンの含有量は、2〜50重量%であるのが好ましく、5〜40重量%であるのが更に好ましい。
【0010】
本発明において、前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、温度上昇溶離分別(TREF)の溶出曲線において高さが最大となるピークの温度が90℃以下で、かつ、該最大ピークにおける1/3高さの幅(W)に対するピーク高さ(H)の比(H/W)が2以上のものであることが必須である。このピーク温度、及び、1/3高さの幅(W)に対するピーク高さ(H)の比(H/W)のいずれかでも前記範囲を満たさない場合には、エチレン−α−オレフィン共重合体の前記ゴム変性スチレン系樹脂に対する相溶性が不足し、組成物として、剛性と耐衝撃性のバランス、引張特性等の機械的特性に優れたものとはなり得ない。
【0011】
尚、ここで、温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation; TREF)とは、公知の分析法であって、原理的には、高温でポリマーを溶媒に完全に溶解させた後に冷却して、溶液中に存在させておいた不活性担体の表面に薄いポリマー層を形成させる。このとき、結晶化し易い高結晶性成分(例えばポリエチレンにおいて、分岐のない直鎖状の成分)から結晶化しにくい低結晶性若しくは非晶性成分(例えばポリエチレンにおいて、短鎖分岐の多い成分)の順にポリマー層が形成される。次いで、連続又は段階的に昇温すると、前記と逆に、低結晶性若しくは非晶性成分から溶出し、最後に高結晶性成分が溶出する。この各温度での溶出量と溶出温度によって描かれる溶出曲線からポリマーの組成分布を分析するものである。
【0012】
本発明において、この溶出曲線の測定は、以下の条件で行った。
測定装置として、試料を溶解温度の差を利用して分別する温度上昇溶離分別(TREF)機構と、分別された区分を更に分子サイズで分別するサイズ排除クロマトグラフ(Size Exclusion Chromatography;SEC)をオンラインで接続したクロス分別装置(三菱化学社製「CFC T150A」)を使用した。
【0013】
溶媒としてo−ジクロロベンゼンを用い、濃度が4mg/mlとなるようにポリマーを140℃で溶解し、これを測定装置のサンプルループ内に注入する。サンプルループ内の試料溶液を、不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmのTREF装置付属のステンレス製カラムに注入した後、1℃/分の速度で140℃から0℃まで冷却し、不活性担体表面にコーティングする。該カラムを0℃で30分間保持した後、0℃の温度で溶解している成分2mlを1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和電工社製「AD80M/S」、3本)に注入する。SECで分子サイズの分別が行われている間に、TREFカラムを次の溶出温度(5℃)に昇温し、その温度で30分間保持した後、SECカラムに注入するという操作を繰り返す。SECでの各溶出区分の測定は39分間隔で行った。溶出温度は、0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、102、120、140℃の各温度とし、段階的に昇温した。
【0014】
SECカラムで分子サイズに分別された溶液は、装置付属の赤外分光光度計でポリマー濃度に比例する吸光度を測定(波長3.42μのメチレンの伸縮振動で検出)し、各溶出温度区分のクロマトグラムを得る。内蔵のデータ処理ソフトを用い、得られた各溶出温度区分のクロマトグラムのベースラインを引き、演算処理する。各クロマトグラムの面積を積分し、積分溶出曲線を計算する。又、この積分溶出曲線を温度で微分して微分溶出曲線を計算する。計算結果の作図をプリンターに出力し、出力した微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を100℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(全積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とした。)0.1当たり76.5mmで行った。
【0015】
又、本発明において、前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、サイズ排除クロマトグラフ(SEC)により求められる分子量分布としてのQ値(重量平均分子量/数平均分子量)が4以下であるのが好ましく、3以下であるのが更に好ましく、2.5以下であるのが特に好ましい。Q値が前記範囲超過であると、組成物を成形体としたときの表面外観が低下する傾向となる。
又、前記エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、0.930g/cm3 以下であるのが好ましく、メルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)は1〜20g/10分であるのが好ましい。更に、190℃、2.16kg荷重のメルトフローレートMFR2.16に対する、190℃、10kg荷重のメルトフローレートMFR10の比MFR10/MFR2.16が7以下であるのが好ましい。
【0016】
尚、本発明における前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、例えば、特開昭58−19309号、同59−95292号、同60−35005号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同60−35009号、同61−130314号、特開平3−163088号の各公報、欧州特許公開第420436号公報、米国特許第5055438号明細書、及び国際公開WO91/04257号公報等に記載されている、メタロセン系触媒、特にメタロセン・アルモキサン系触媒を用い、又は、例えば、国際公開WO92/01723号公報等に記載されている、メタロセン化合物と該化合物と反応して安定なアニオンとなる化合物からなる触媒を用い、例えば、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法等の重合法、中で好ましくは高圧イオン重合法によって製造することができる。
【0017】
又、本発明の熱可塑性樹脂組成物のもう一つの構成成分たる相溶化剤は、前記ゴム変性スチレン系樹脂と前記エチレン−α−オレフィン共重合体とを相溶化するためのもので、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との相溶化剤として既に公知となっているものを用い得るが、本発明においては、中で、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体及びその水添物、α−オレフィンと芳香族ビニル化合物とのブロック又はグラフト共重合体、又は、エチレンと不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体、のいずれかであるのが好ましく、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水添物、又は、α−オレフィンと芳香族ビニル化合物とのブロック又はグラフト共重合体であるのが特に好ましい。
【0018】
ここで、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体及びその水添物とは、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等、好ましくはスチレンの芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等、好ましくはブタジエン、イソプレン、又はその混合物の共役ジエンの重合体ブロックからなる直鎖状、分岐状、放射状、又はこれらの組み合わせの分子構造のブロック共重合体、及びそれを水添した水添ブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物単位の含有量が好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜40重量%で、共役ジエンに由来する二重結合の好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上が水添されており、数平均分子量が好ましくは1万〜20万、更に好ましくは3万〜10万のものである。
これらは、例えば、シェルジャパン社より「クレイトンG」、旭化成社より「タフテック」等として市販されているものの中から選択して用いることができる。
【0019】
又、α−オレフィンと芳香族ビニル化合物とのブロック又はグラフト共重合体とは、基本的には、エチレン、プロピレン等、好ましくはエチレンのα−オレフィンの重合体ブロックと、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等、好ましくはスチレンの芳香族ビニル化合物の重合体ブロックからなるブロック共重合体、及び、前記α−オレフィンの重合体に前記芳香族ビニル化合物をグラフト重合させたグラフト共重合体、又は、前記芳香族ビニル化合物の重合体に前記α−オレフィンをグラフト重合させたグラフト共重合体等が挙げられるが、中で、前記α−オレフィンの重合体に前記芳香族ビニル化合物をグラフト重合させたグラフト共重合体、具体的には、例えば、スチレングラフトポリエチレンが好ましい。
これらは、例えば、日本油脂社より「モディパーA1100」等として市販されているものの中から選択して用いることができる。
【0020】
又、エチレンと不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体とは、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、又はメチルアクリレート、エチルアクリレート、無水マレイン酸等のその誘導体とのランダム共重合体、又は、ポリエチレンに前記不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフトさせたグラフト共重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン等が挙げられる。
これらも、同上の共重合体として市販されているものの中から選択して用いることができる。
【0021】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記ゴム変性スチレン系樹脂5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%と、前記エチレン−α−オレフィン共重合体95〜5重量%、好ましくは90〜10重量%と、これらの合計量100重量部に対して、両者の前記相溶化剤0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部、更に好ましくは1〜20重量部とを含有してなる。
前者スチレン系樹脂が前記範囲未満では、組成物としての剛性が劣り、一方、前記範囲超過では、耐薬品性が劣ることとなる。又、相溶化剤が前記範囲未満では、組成物として、ゴム変性スチレン系樹脂とエチレン−α−オレフィン共重合体との相溶性が劣り、機械的特性の改良が期待できず、一方、前記範囲超過では、剛性が劣ることとなる。
【0022】
尚、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記エチレン−α−オレフィン共重合体以外の、例えば、高圧法による分岐状ポリエチレン、チーグラー系触媒を用いた中低圧法による直鎖状低・中・高密度ポリエチレン等、が配合されていてもよい。又、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、発泡剤、染顔料、充填剤等の添加剤が添加されていてもよい。
【0023】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造は、熱可塑性樹脂組成物の製造に通常用いられる溶融混練機、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いて、通常の条件で溶融混練することによりなされる。
【0024】
以上説明した本発明の熱可塑性樹脂組成物は、通常用いられる成形法、例えば、射出成形法、押出成形法、中空成形法、熱成形法等によって成形体とされ、又、押出発泡成形法、ビーズ発泡成形法等によって発泡体とされ、例えば、家電機器や事務機器等の外装材、冷蔵庫の内装材、食品用容器、食品用包装材等の各種用途に用いられる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び比較例で用いたゴム変性スチレン系樹脂、及びエチレン−α−オレフィン共重合体等を以下に示す。
【0026】
ゴム変性スチレン系樹脂
PS−1;ゴム状重合体がポリブタジエンゴムであって、その含有量が8.5重量%、その分散粒子の平均粒子径が0.5μmのもの(三菱化学社製「HT941」)。
PS−2;ゴム状重合体がポリブタジエンゴムであって、その含有量が7.5重量%、その分散粒子の平均粒子径が4.0μmのもの(三菱化学社製「HT516」)。
尚、ゴム状重合体の前記含有量は、ゴム変性スチレン系樹脂をクロロホルムに溶解し、一塩化沃素を加えてゴム成分中の二重結合を反応させた後、沃化カリウムを加えて残存する一塩化沃素を沃素に変え、次いでチオ硫酸ナトリウムで逆滴定することにより求めたものである。又、平均粒子径は、ジメチルホルムアミド中に分散させたゴム変性スチレン系樹脂のゴム粒子をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製「LA−700」)を用いて測定し、得られた体積基準粒度分布から求めたものである。
【0027】
エチレン−α−オレフィン共重合体
PE−1;メタロセン系触媒により製造されたエチレン−1−ヘキセン共重合体であって、密度0.898g/cm3 、メルトフローレート17g/10分、TREFの溶出曲線の最大ピーク温度58℃、H/W3.8のもの(EXXON社製「EXACT4044」)。
PE−2;メタロセン系触媒により製造されたエチレン−1−ヘキセン共重合体であって、密度0.910g/cm3 、メルトフローレート2.2g/10分、TREFの溶出曲線の最大ピーク温度70℃、H/W3.9のもの(EXXON社製「EXACT3030」)。
【0028】
PE−3;チーグラー系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレンであって、密度0.921g/cm3 、メルトフローレート16g/10分、TREFの溶出曲線の最大ピーク温度89℃、H/W0.9のもの(日本ポリケム社製「UJ370」)。
PE−4;チーグラー系触媒により製造された高密度ポリエチレンであって、密度0.964g/cm3 、メルトフローレート7.0g/10分、TREFの溶出曲線の最大ピーク温度98℃、H/W8.7のもの(日本ポリケム社製「HJ560」)。
【0029】
相溶化剤
SEBS;スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水添物(シェルジャパン社製「クレイトンG1650」)。
st−PE;スチレングラフトポリエチレン(日本油脂社製「モディパーA1100」)。
EEA;エチレン−エチルアクリレート共重合体(三井デュポンポリケミカル社製「エバフレックスA703」)。
【0030】
実施例1〜7、比較例1〜10
ゴム変性スチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、及び相溶化剤として、各々、表1に示すものを表−1に示す組成比で用いて、径40mmの二軸押出機にて200℃で溶融混練し、ペレット化した。
得られた各ペレットを東芝機械社製射出成形機(「IS−90B」)にて、樹脂温度200℃、金型温度40℃で射出成形して、試験片を成形した。
得られた各試験片について、以下に示す方法で、引張降伏点強度及び引張破断点伸び、曲げ弾性率、並びにアイゾット衝撃強度を測定し、結果を表1に示した。又、別途プレス成形した試験片について、以下に示す方法で耐薬品性を評価し、結果を表1に併記した。
【0031】
引張降伏点強度及び引張破断点伸び
JIS K7113に準拠して、測定温度23℃、引張速度20mm/分で測定した。
曲げ弾性率
JIS K7203に準拠して測定温度23℃で測定した。
アイゾット衝撃強度
JIS K7110に準拠し、厚み1/8インチ、Vノッチ入りの試験片について、測定温度23℃で測定した。
【0032】
耐薬品性
x2 /122 +y2 /4.52 =1で表される楕円の1/4楕円治具に、別途プレス成形した厚さ1mmの試験片を固定し、その表面にサラダ油を塗布し、23℃で24時間放置した後、試験片を目視観察し、クラックが生じている最小歪み(臨界歪み)を求め、以下の基準で耐薬品性を評価した。
○;臨界歪み0.3%以上、又は、外観不良なし。
△;臨界歪み0.25%以上0.3%未満。
×;臨界歪み0.25%未満、又は、白化、膨潤、溶解等の外観不良あり。
【0033】
実施例8、比較例11
実施例1と同様にして得られたペレットを径65mmの日本製鋼所製押出成形機にて、樹脂温度220℃で押出成形し、厚さ2.5mmのシートを成形した。得られたシートについて、実施例1と同様の方法で、引張降伏点強度及び引張破断点伸び、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、及び、耐薬品性を測定、評価し、結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ゴム変性スチレン系樹脂とエチレン−α−オレフィン共重合体とからなり、耐薬品性に優れると共に、剛性と耐衝撃性のバランス、引張特性等の機械的特性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
Claims (4)
- 粒子状に分散したゴム状重合体を含有するゴム変性スチレン系樹脂5〜95重量%と、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとからなり、温度上昇溶離分別(TREF)の溶出曲線において高さが最大となるピークの温度が90℃以下で、かつ、該最大ピークにおける1/3高さの幅(W)に対するピーク高さ(H)の比(H/W)が2以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体95〜5重量%と、前記ゴム変性スチレン系樹脂と前記エチレン−α−オレフィン共重合体との合計量100重量部に対して、両者の相溶化剤0.1〜30重量部とを含有してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
- 相溶化剤が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水添物である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 相溶化剤が、α−オレフィンと芳香族ビニル化合物とのブロック又はグラフト共重合体である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- ゴム変性スチレン系樹脂が、ゴム状重合体の含有量が1〜30重量%で、その分散粒子の平均粒子径が0.2〜10μmのものである請求項1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
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