JP3607575B2 - 書込可能な読出専用メモリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的に書込可能な読出専用メモリ(以下、「PROM」という)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来のPROMの概略の構成図である。
このPROMは、平行配置された複数のワード線11i(但し、i=1〜m)、このワード線11iに交差して配置された複数のビット線12j(但し、j=1〜n)、及びこれらのワード線11iとビット線12jの各交差箇所に配置された複数のメモリセル13i,jで構成されるメモリアレイ10を備えている。各メモリセル13i,jは、浮遊ゲートを持つMOSトランジスタ(以下、単に「MOS」という)で構成され、制御ゲートがワード線11iに、ソースがビット線12jに、ドレインが共通のセル電圧VDにそれぞれ接続されている。
【0003】
このPROMは、アドレス信号ADを解読して該当するワード線11iを選択するデコーダ20を有している。デコーダ20の出力側は、それぞれワード線駆動部30iを介してメモリアレイ10のワード線11iに接続されている。各ワード線駆動部30iは、3個のデプレッション型MOS(以下、「DMOS」という)31,32,33で構成されている。DMOS31は、書込用の高電圧がデコーダ20側に印加されることを防止するためのもので、ワード線11iとデコーダ20との間に接続され、そのゲートには書込制御信号PGMが与えられるようになっている。DMOS32,33は、書込時にワード線11iをプルアップするためのもので、このDMOS32のソースがワード線11iに、DMOS33のドレインが書込電圧VPPに接続されている。DMOS32,33のゲートは、このDMOS32のドレインとDMOS33のソースに共通接続されている。
【0004】
メモリアレイ10の各ビット線12jには、選択されたメモリセル13i,jの記憶内容を読出すためのセンスアンプ(SA)40jが、それぞれ接続されている。
【0005】
このようなPROMで、書込モードにおけるデータ書込みは、次のように行われる。
まず、メモリアレイ10のセル電圧VDに6V、書込電圧VPPに9.75Vが印加され、書込制御信号PGMはレベル“L”に設定される。
【0006】
次に、デコーダ20に書込アドレスを指定するアドレス信号ADを与える。これにより、デコーダ20の選択された出力線はレベル“H”となる。DMOS31のゲートは“L”に設定されているので、DMOS33,32を介して供給される書込電圧VPPに対して、このDMOS31はオフ状態となる。従って、選択されたワード線11iの電圧は、書込電圧VPPとなる。これにより、選択されたワード線11iに接続されたメモリセル13i,jの制御ゲートから、浮遊ゲートに電子が注入され、このメモリセル13i,jはオフ状態となる。
【0007】
一方、デコーダ20の選択されていない出力線は“L”となる。DMOS31のゲートは“L”であるので、DMOS33,32を介して供給される書込電圧VPPに対して、このDMOS31はオン状態となる。従って、書込電圧VPPはDMOS31を介して接地電位GNDに接続され、ワード線11iは“L”となる。これにより、選択されていないワード線11iに接続されたメモリセル13i,jへの電子注入は行われず、オン状態である。
【0008】
このPROMにおけるデータ読出しは、次のように行われる。
まず、電源電圧VDDとして3Vが供給され、セル電圧VDに1.2Vが印加される。書込電圧VPPはオフに、書込制御信号PGMは“H”に設定される。書込電圧VPPはオフであるが、直列接続されたDMOS32,33は高抵抗状態となり、ワード線11iの電圧降下は無視できるように設定されている。
【0009】
次に、デコーダ20に読出アドレスを指定するアドレス信号ADを与える。DMOS31のゲートは“H”であるので、デコーダ20の出力線はそれぞれ対応するワード線11iに接続される。これにより、選択されたワード線11iは“H”、選択されていないワード線11iは“L”となる。選択されたワード線11iに接続されたメモリセル13i,jのオン/オフの状態に対応して、セル電圧VDからこのメモリセル13i,jを介してビット線12jには異なる電流が流れる。ビット線12jの電流はセンスアンプ40jで判定され、データが読出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のPROMでは、次のような課題があった。
電源電圧VDDとして3Vを用いる3V仕様と、5Vを用いる5V仕様で、同じ回路構成を使用する場合、信頼性向上のために製造過程におけるウエハプロセスで酸化膜の厚さ等を変更すると共に、データ書込み時には電圧VD,VPP等を最適化する必要がある。特に、データ書込み特性の最適化はPROMの設計で最も難しく、多くの時間と工数が必要とされる。これは、開発期間短縮にとってデメリットである。
【0011】
本発明は、3V仕様と5V仕様の2つのワード線駆動回路を組合わせて構成することにより前記従来技術が持っていた課題を解決し、PROMの開発期間の短縮と開発コストの低減を図るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の内の第1の発明は、複数のワード線とビット線の各交差箇所に配置されたメモリセルを有し、該ワード線で駆動されたメモリセルの記憶内容が対応するビット線に読出されるメモリアレイと、アドレス信号を解読して前記ワード線を選択する選択信号を出力するデコーダと、前記選択信号に基づいて前記ワード線を駆動するワード線駆動部とを備えたPROMにおいて、ワード線駆動部を次のように構成している。
【0013】
即ち、このワード線駆動部は、電源電位と第1のノードとの間に接続されると共に基板電極が接地され、前記選択信号が与えられたときにオン状態となる第1のMOSと、前記第1のノードと接地電位との間に接続され、前記選択信号が与えられたときにオフ状態となる第2のMOSと、前記電源電位と第2のノードとの間に接続され、前記選択信号が与えられたときにオン状態となる第3のMOSと、前記第1と第2のノード間に設けられ、製造時のマスクによって接続または切断の状態が決定される配線パターンと、前記第1のノードと前記ワード線との間に接続され、読出モード時にオン状態になる第4のMOSを有している。
【0014】
第1の発明によれば、以上のようにPROMを構成したので、次のような作用が行われる。
書込モード時、デコーダに与えられたアドレス信号によってワード線が選択される。選択信号が与えられたワード線駆動部では、第1と第3のMOSがオン状態となり、第1のノードに電源電位が出力される。また、選択信号が与えらていないワード線駆動部では、第2のMOSがオン状態となり、第1のノードは接地電位となる。読出モード時には、選択信号が与えられたワード線駆動部の第4のMOSがオン状態になって第1のノードがワード線が駆動される。そして、駆動されたワード線に接続されたメモリセルの記憶内容は、ビット線に読出される。
【0017】
第2の発明は、第1の発明と同様のPROMにおいて、ワード線駆動部を、デコーダの出力側と前記ワード線との間に接続されたデプレッション型またはエンハンスメント型のMOSと、前記MOSのゲートと書込制御信号及び電源電圧との間に設けられ、製造時のマスクによって接続または切断の状態が決定される配線パターンを有する構成にしている。
【0018】
第2の発明によれば、ワード線駆動部において次のような作用が行われる。
製造時のマスクで決定された配線パターンによって、書込制御信号または電源電圧が、MOSのゲートに与えられる。
【0019】
第3の発明は、第1の発明と同様のPROMにおいて、ワード線駆動部を、デコーダの出力側と前記ワード線との間に接続されたデプレッション型またはエンハンスメント型のMOSと、電源電圧よりも低い一定電圧を生成する定電圧回路と、前記MOSのゲートと書込制御信号及び前記定電圧回路との間に設けられ、製造時のマスクによって接続または切断の状態が決定される配線パターンを有する構成にしている。
【0020】
第3の発明によれば、ワード線駆動部において次のような作用が行われる。
製造時のマスクで決定された配線パターンによって、書込制御信号または定電圧回路の一定電圧が、MOSのゲートに与えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を示すPROMの概略の構成図であり、図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
このPROMは、電気的に書込みが可能な読出専用メモリで、平行に配置された複数のワード線11i(但し、i=1〜m)、このワード線11iに交差して配置された複数のビット線12j(但し、j=1〜n)、及びこれらのワード線11iとビット線12jの各交差箇所に配置された複数のメモリセル13i,jで構成されるメモリアレイ10を備えている。各メモリセル13i,jは、他の電極から絶縁された浮遊ゲートを有するMOSで構成され、制御ゲートがワード線11iに、ソースがビット線12jに、ドレインが共通のセル電圧VDにそれぞれ接続されている。
【0022】
このPROMは、アドレス信号ADを解読して該当するワード線11iを選択するデコーダ20を有している。デコーダ20の出力側は、それぞれワード線駆動部30Aiを介してワード線11iに接続されている。
【0023】
各ワード線駆動部30Aiは同じ構成であり、デコーダ20の出力信号が与えられるインバータ34とNMOS35を有している。NMOS35のドレインは電源電圧VDDに、ソースはノードN1に、基板電極は接地電位GNDにそれぞれ接続されている。ノードN1と接地電位GNDの間にはNMOS36が接続され、このNMOS36のゲートにはインバータ34の出力側が接続されている。また、電源電圧VDDとノードN2の間にはPMOS37が接続され、このPMOS37のゲートは、インバータ34の出力側に接続されている。
【0024】
ノードN1,N2間には、製造時のマスクによって接続または切断の状態が決定される配線パターン38が設けられている。即ち、電源電圧VDDとして3Vを使用する3V仕様の場合は、配線パターン38が接続された状態で製造される。また、5Vで使用される5V仕様の場合は、この配線パターン38が切断された状態で製造される。
【0025】
ノードN1とワード線11iとの間には、書込モード時の高電圧がデコーダ20側に印加されることを防止するためのストッパ回路としてDMOS31が接続され、このDMOS31のゲートには書込制御信号PGMが与えられるようになっている。
【0026】
また、ワード線11iにはDMOS32のソースが接続され、このDMOS32のドレインがDMOS33のソースに接続されている。DMOS33のドレインは、書込電圧VPPに接続されている。DMOS32,33のゲートは、このDMOS32のドレインに共通接続されている。DMOS32,33は、書込モード時に、ワード線11iを書込電圧VPPに上昇させるためのプルアップ回路である。
【0027】
一方、メモリアレイ10の各ビット線12jには、選択されたメモリセル13i,jの記憶内容を読出すためのセンスアンプ40jが、それぞれ接続されている。
【0028】
次に、図1の動作を(1)3V仕様と、(2)5V仕様に分けて説明する。
(1) 3V仕様
3V仕様のPROMでは、配線パターン38は接続されている。
書込モードにおいて、データの書込み、即ち各メモリセル13i,jの浮遊ゲートへの電子の注入は、次のように行われる。
【0029】
まず、電源電圧VDDに3Vが供給され、セル電圧VDに6Vが印加される。また、書込電圧VPPに9.75Vが印加され、書込制御信号PGMは“L”に設定される。
【0030】
次に、デコーダ20に書込アドレスを指定するアドレス信号ADを与える。これにより、デコーダ20の選択された出力線は“H”(3V)となり、選択されたワード線駆動部30AのNMOS35、PMOS37はオン状態、NMOS36はオフ状態となる。NMOS35を介してノードN1に供給される電圧は、このNMOS35の基板効果のために、電源電圧VDDよりも基板効果分の閾値ΔVTだけ低下するが、PMOS37からのノードN1に電源電圧VDDが供給されるので、このノードN1の電圧はほぼ3Vとなる。
【0031】
DMOS31のゲートは“L”に設定されているので、DMOS33,32を介して供給される書込電圧VPPに対して、このDMOS31はオフ状態となる。このため、選択されたワード線11iの電圧は、書込電圧VPPとなる。これにより、選択されたワード線11iに接続されるメモリセル13i,jの制御ゲートから浮遊ゲートに電子が注入される。電子が注入されたメモリセル13i,jは、オフ状態となる。
【0032】
一方、デコーダ20の選択されていない出力線は“L”となる。これにより、NMOS35、PMOS37はオフ状態、NMOS36はオン状態となり、ノードN1は接地電位GNDとなる。DMOS31のゲートは“L”に設定されているので、DMOS33,32を介して供給される書込電圧VPPに対して、このDMOS31はオン状態となる。このため、書込電圧VPPはDMOS31を介して接地電位GNDに接続され、ワード線11iは“L”となる。従って、選択されていないワード線11iに接続されるメモリセル13i,jへの電子注入は行われず、書込みは行われない。電子が注入されていないメモリセル13i,jは、オン状態である。
【0033】
このPROMでは、読出モード時のデータ読出しは、次のように行われる。
まず、電源電圧VDDとして3Vが供給され、セル電圧VDに1.2Vが印加される。また、書込電圧VPPはオフにされ、書込制御信号PGMは“H”に設定される。この時、書込電圧VPPはオフであるが、直列接続されたDMOS32,33は高抵抗状態となり、このDMOS32,33によるワード線11iの電圧降下は無視できるように設定されている。
【0034】
次に、デコーダ20に読出アドレスを指定するアドレス信号ADを与える。これにより、デコーダ20の選択された出力線は“H”となり、選択されたワード線駆動部30AのNMOS35、PMOS37はオン状態、NMOS36はオフ状態となる。NMOS35を介してノードN1に供給される電圧は、基板効果のため電源電圧VDDよりも基板効果分の閾値ΔVTだけ低下するが、PMOS37からのノードN1には電源電圧VDDが供給されるので、このノードN1の電圧は3Vとなる。
【0035】
DMOS31のゲートは“H”となっているので、デコーダ20の出力線はそれぞれ対応するワード線11iに接続される。これにより、選択されたワード線11iは3Vとなり、選択されていないワード線11iは“L”となる。選択されたワード線11iに接続されたメモリセル13i,jのオン/オフの状態に対応して、ビット線12jには大きさの異なる電流が流れる。ビット線12jの電流はセンスアンプ40jで判定され、データが読出される。
【0036】
(2) 5V仕様
5V仕様のPROMでは、配線パターン38は切断されており、PMOS37は動作に関与しない。
データ書込みは、次のように行われる。
まず、電源電圧VDDに5Vが供給され、セル電圧VDには6Vが印加される。また、書込電圧VPPに9.75Vが印加され、書込制御信号PGMは“L”に設定される。
【0037】
次に、デコーダ20に書込アドレスを指定するアドレス信号ADを与える。デコーダ20の選択された出力線は“H”(5V)となり、選択されたワード線駆動部30AのNMOS35はオン状態、NMOS36はオフ状態となる。NMOS35を介してノードN1に供給される電圧は、基板効果のため電源電圧VDDよりも基板効果分の閾値ΔVTだけ低下し、ほぼ3Vとなる。その後の動作は、3V仕様と同様である。
【0038】
一方、このPROMにおけるデータ読出しは、次のように行われる。
まず、電源電圧VDDとして5Vが供給され、メモリアレイ10のセル電圧VDに、例えば1.2Vが印加される。また、各ワード線駆動部30Aiにおいて、書込電圧VPPがオフにされ、書込制御信号PGMは“H”に設定される。書込電圧VPPはオフであるが、直列接続されたDMOS32,33は高抵抗状態となり、このDMOS32,33による電圧降下は無視できるように設定されている。
【0039】
次に、デコーダ20に読出対象のアドレスを指定するアドレス信号ADを与える。これにより、デコーダ20の選択された出力線は“H”となり、選択されたワード線駆動部30AのNMOS35はオン状態、NMOS36はオフ状態となる。NMOS35を介してノードN1に供給される電圧は、基板効果のため電源電圧VDDよりも基板効果分の閾値ΔVTだけ低下し、ほぼ3Vとなる。その後の動作は、3V仕様と同様である。
【0040】
以上のように、この第1の実施形態のPROMは、製造時のマスクによって接続または切断の状態を決定することができる配線パターン38を有するため、同一のウエハプロセスで、2つの電源電圧に対して最適な書込み特性を有するPROMを製造することが可能になり、開発期間の短縮と開発コストの低減が図れるという利点がある。
【0041】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態を示すワード線駆動部の構成図である。
このワード線駆動部30Bは、図1中のワード線駆動部30Aに代えて用いられるものである。
【0042】
このワード線駆動部30Bは、デコーダ20の出力側とワード線11iの間に接続されるMOS31Aと、このワード線11iをプルアップするためのDMOS32,33を有している。MOS31Aは、3V仕様ではDMOSが使用され、5V仕様ではNMOSが使用される。デコーダ20の出力側は、否定的論理積ゲート(以下、「NAND」という)38の第1の入力側に接続されている。NAND38の第2の入力側には、インバータ39を介して書込制御信号PGMが与えられるようになっている。NAND38の出力側は、MOS31Aのゲートに接続されている。
【0043】
次に動作を説明する。
3V仕様の場合、MOS31AはDMOSで構成されているので、このMOS31Aがオン状態での電圧降下はほとんど無く、デコーダ20から出力される選択信号と書込制御信号PGMに従って、ワード線11iには接地電圧GNDまたは電源電圧VDD(3V)が出力される。
【0044】
5V仕様の場合、MOS31BはNMOSで構成されているので、このMOS31Aがオン状態の場合、このNMOSによる電圧降下のため、デコーダ20から出力される“H”(5V)の出力信号はほぼ3Vに低下し、ワード線11iに与えられる。従って、3V仕様でも5V仕様でも、ワード線11iに与えられる電圧はほぼ同一の3Vとなる。
【0045】
以上のように、この第2の実施形態のPROMは、電源電圧VDDの仕様に応じて製造時にNMOSまたはDMOSに構成するMOS31Bを有するため、同一のウエハプロセスで、2つの電源電圧に対して最適な書込み特性を有するPROMを製造することが可能になり、開発期間の短縮と開発コストの低減が図れるという利点がある。
【0046】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態を示すワード線駆動部の構成図である。
このワード線駆動部30Cは、図1中のワード線駆動部30Aに代えて用いられるものである。
【0047】
このワード線駆動部30Cは、デコーダ20の出力側とワード線11iの間に接続されるMOS31Aと、このワード線11iをプルアップするためのDMOS32,33を有している。MOS31Aは、3V仕様ではDMOSが使用され、5V仕様ではNMOSが使用される。MOS31Aのゲートは、配線パターン41,42を介して書込制御信号PGM及び電源電圧VDDに、それぞれ接続されている。これらの配線パターン41,42は、製造時のマスクによって接続または切断の状態が決定されるものである。3V仕様では、配線パターン41は接続、配線パターン42は切断されている。また、5V仕様では、配線パターン41は切断、配線パターン42は接続されている。
【0048】
次に動作を説明する。
3V仕様の場合、MOS31BはDMOSで構成され、このDMOSのゲートは配線パターン41によって書込制御信号PGMに接続される。これにより、MOS31Aがオン状態での電圧降下はほとんど無く、デコーダ20から出力される選択信号と書込制御信号PGMに従って、ワード線11iには接地電圧GNDまたは電源電圧VDD(3V)が出力される。
【0049】
5V仕様の場合、MOS31BはNMOSで構成されているので、このMOS31Aがオン状態の場合、このNMOSによる電圧降下のため、デコーダ20から出力される“H”(5V)の出力信号はほぼ3Vに低下し、ワード線11iに与えられる。従って、3V仕様でも5V仕様でも、ワード線11iに与えられる電圧はほぼ同一の3Vとなる。
【0050】
以上のように、この第3の実施形態のPROMは、電源電圧VDDの仕様に応じて製造時にNMOSまたはDMOSに構成するMOS31Aと、このMOS31Aのゲート電圧を書込制御電圧PGMまたは電源電圧VDDに接続するための配線パターン41,42を有している。これにより、同一のウエハプロセスで、2つの電源電圧に対して最適な書込み特性を有するPROMを製造することが可能になり、開発期間の短縮と開発コストの低減が図れるという利点がある。
【0051】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態を示すワード線駆動部の構成図である。
このワード線駆動部30Dは、図1中のワード線駆動部30Aに代えて用いられるものであり、図4中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0052】
このワード線駆動部30Dは、図4の配線パターン42の接続先を、電源電圧VDDに代えて定電圧回路43にしたものである。定電圧回路43は、読出し動作時には電源電圧VDDを抵抗等で分圧して中間電位MVを出力し、書込動作時には“H”を出力するものである。
このようなワード線駆動部30Dでは、5V仕様の場合、読出し動作時に定電圧回路43から出力される中間電位MVによってMOS(NMOS)31Aのゲートを制御するので、ワード線11iの電圧を正確に3Vに設定することができる。
【0053】
以上のように、この第4の実施形態のPROMは、電源電圧VDDの仕様に応じて製造時にNMOSまたはDMOSに構成するMOS31Aと、このMOS31Aのゲート電圧を書込制御電圧PGMまたは定電圧回路43に接続するための配線パターン41,42を有している。これにより、同一のウエハプロセスで、2つの電源電圧に対して最適な書込み特性を有するPROMを製造することが可能になり、開発期間の短縮と開発コストの低減が図れるという利点がある。更に、定電圧回路43によってワード線11iの電圧を正確に設定することができるという利点がある。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次の(a),(b)のようなものがある。
(a) 電源電圧VDDは3Vと5Vに限定されず、他の電圧に対しても同様に適用可能である。
(b) メモリアレイ10の構成は、図1の回路の限定されない。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、第1の発明によれば、製造時のマスクによって第1及び第2のノード間を接続または切断する配線パターンを有している。これにより、同一のウエハプロセスで、電源電圧の異なるPROMを製造することができる。
【0057】
第2の発明によれば、電源電圧の応じてデプレッション型またはエンハンスメント型のMOSをストッパ回路として使用し、このMOSのゲートに製造時のマスクで決められた書込制御信号または電源電圧を印加する配線パターンを有している。これにより、2種類の電源電圧に対して、ほぼ同一の電圧をワード線に与えることができる。
【0058】
第3の発明によれば、電源電圧の応じてデプレッション型またはエンハンスメント型のMOSをストッパ回路として使用し、このMOSのゲートに製造時のマスクで決められた書込制御信号または定電圧回路で生成された一定電圧を印加する配線パターンを有している。これにより、2種類の電源電圧に対して、同一の電圧をワード線に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すPROMの概略の構成図である。
【図2】従来のPROMの概略の構成図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示すワード線駆動部の構成図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示すワード線駆動部の構成図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示すワード線駆動部の構成図である。
【符号の説明】
10 メモリアレイ
11 ワード線
12 ビット線
13 メモリセル
20 デコーダ
30A〜30D ワード線駆動部
31〜33 DMOS
35,36 NMOS
37 PMOS
38,41,42 配線パターン
43 定電圧回路
Claims (3)
- 複数のワード線とビット線の各交差箇所に配置されたメモリセルを有し、該ワード線で駆動されたメモリセルの記憶内容が対応するビット線に読出されるメモリアレイと、アドレス信号を解読して前記ワード線を選択する選択信号を出力するデコーダと、前記選択信号に基づいて前記ワード線を駆動するワード線駆動部とを備えた書込可能な読出専用メモリにおいて、
前記ワード線駆動部は、
電源電位と第1のノードとの間に接続されると共に基板電極が接地され、前記選択信号が与えられたときにオン状態となる第1のMOSトランジスタと、
前記第1のノードと接地電位との間に接続され、前記選択信号が与えられたときにオフ状態となる第2のMOSトランジスタと、
前記電源電位と第2のノードとの間に接続され、前記選択信号が与えられたときにオン状態となる第3のMOSトランジスタと、
前記第1と第2のノード間に設けられ、製造時のマスクによって接続または切断の状態が決定される配線パターンと、
前記第1のノードと前記ワード線との間に接続され、読出モード時にオン状態になる第4のMOSトランジスタとを、
有することを特徴とする書込可能な読出専用メモリ。 - 複数のワード線とビット線の各交差箇所に配置されたメモリセルを有し、該ワード線で駆動されたメモリセルの記憶内容が対応するビット線に読出されるメモリアレイと、アドレス信号を解読して前記ワード線を選択する選択信号を出力するデコーダと、前記選択信号に基づいて前記ワード線を駆動するワード線駆動部とを備えた書込可能な読出専用メモリにおいて、
前記ワード線駆動部は、
前記デコーダの出力側と前記ワード線との間に接続されたデプレッション型またはエンハンスメント型のMOSトランジスタと、
前記MOSトランジスタのゲートと書込制御信号及び電源電圧との間に設けられ、製造時のマスクによって接続または切断の状態が決定される配線パターンとを、
有することを特徴とする書込可能な読出専用メモリ。 - 複数のワード線とビット線の各交差箇所に配置されたメモリセルを有し、該ワード線で駆動されたメモリセルの記憶内容が対応するビット線に読出されるメモリアレイと、アドレス信号を解読して前記ワード線を選択する選択信号を出力するデコーダと、前記選択信号に基づいて前記ワード線を駆動するワード線駆動部とを備えた書込可能な読出専用メモリにおいて、
前記ワード線駆動部は、
前記デコーダの出力側と前記ワード線との間に接続されたデプレッション型またはエンハンスメント型のMOSトランジスタと、
電源電圧よりも低い一定電圧を生成する定電圧回路と、
前記MOSトランジスタのゲートと書込制御信号及び前記定電圧回路との間に設けられ、製造時のマスクによって接続または切断の状態が決定される配線パターンとを、
有することを特徴とする書込可能な読出専用メモリ。
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